JP2011516891A - 腐食検出製品および方法 - Google Patents
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Abstract
腐食検出製品は、フィルム形成材料および錯化剤を含有する被覆であり、前記錯化剤は、前記被覆が施される基体上の腐食によって生成される腐食副産物と接触する際に錯体を形成し、前記錯体は、前記腐食を検知するため、前記被覆が放射線にさらされる際に、前記錯化剤とは検知可能に相違し、前記錯化剤は、前記被覆から前記錯化剤あるいは前記錯体の浸出を減じるために、前記被覆で固定されている。
Description
本出願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年4月9日出願の米国仮出願61/123,572の利益を主張する。
本発明は腐食検出方法一般に関し、なかでも金属の腐食を検知するために使用することができる腐食検出の製品および方法に関する。
金属構造の腐食に関連する劣化は、多くの状況下で問題を引き起こす場合がある。例えば、航空機を老朽化させる金属組織の腐食はフライトアベイラビリティーやサービス寿命を低下させる可能性があり、高価な修理作業を必要とする可能性があり、さらに発見されなければ、潜在的に安全でない操作条件を生み出す可能性がある。腐食劣化の問題に取り組むいくつかの予防方法や検出方法が開発されてきている。しかしながら、航空機、ブリッジ、油送管およびその他の金属組織の腐食を検知するための新しい技術はなお必要とされている。
腐食検出製品は、フィルム形成材料および錯化剤を含有する被覆であり、前記錯化剤は、前記被覆が施される基体上の腐食によって生成される腐食副産物と接触する際に錯体を形成し、前記錯体は、前記腐食を検知するため、前記被覆が放射線にさらされる際に、前記錯化剤とは検知可能に相違し、前記錯化剤は、前記被覆から前記錯化剤あるいは前記錯体の浸出を減じるために、前記被覆で固定されている。
下記を含む腐食検出方法:
(a)フィルム成形材料と、浸出減少のために被覆中で固定されている錯化剤とを含有する前記被覆を提供すること、(b)腐食する際に腐食副産物を生成し、前記錯化剤と前記腐食副産物とが互いに接触する際に錯体を形成する前記被覆を基体上に施すこと、および(c)前記腐食を検知するために、前記錯化剤とは検知可能な相違を前記錯体に引き起こさせる放射線に前記被覆をさらすこと。
(a)フィルム成形材料と、浸出減少のために被覆中で固定されている錯化剤とを含有する前記被覆を提供すること、(b)腐食する際に腐食副産物を生成し、前記錯化剤と前記腐食副産物とが互いに接触する際に錯体を形成する前記被覆を基体上に施すこと、および(c)前記腐食を検知するために、前記錯化剤とは検知可能な相違を前記錯体に引き起こさせる放射線に前記被覆をさらすこと。
本発明は腐食検出製品および方法に関する。前記製品は、基体の腐食を検知するために基体上で施すことができる被覆である。ペンキ、下塗り塗料、ラッカー、釉薬など本目的に適するいかなる一般的種類の被覆も使用することができる。
被覆は、被覆が施される基体の腐食によって生じる腐食副産物と接触する際に、錯体を形成する錯化剤を含んでいる。腐食副産物は、錯化剤とともに錯体を形成することができるどのようなものでもよい。例えば腐食副産物は、腐食する際に、金属表面から生ずる金属イオンであってもよい。このことは、いかなる種類の金属、例えばアルミニウムやマグネシウムなどの遷移金属にもありえる。
腐食を検知するために被覆が放射線にさらされると、錯体は、錯化剤とは検知可能に相違することになる。任意の好適な錯化剤または異なる前者の組み合わせが使用可能である。一例として、錯化剤はキノリンである。好適である可能性のある錯化剤の、格別のいくつかの非限定の例示は、以下の表1に示される。
〔表1:錯化剤の例〕
2-アミノ-8-キノリノール
8-キノリノールN-オキシド
2,8-キノリンジオール
8-ヒドロキシ-2-キノリンカルボニトリル
8-ヒドロキシ-2-キノリンカルボニトリル
8-ヒドロキシ-2-キノリンカルボキサルデヒド
5,7-ジメチル-8-キノリノール
8-メトキシ-2-メチルキノリン
8-エトキシキノリン
5-ニトロソ-キノリン-8-オール
5-クロロ-8-キノリノール
8-ヒドロキシ-2-キノリンカルボキシル酸
8-ヒドロキシ-5-ニトロキノリン
6-ニトロキノリン-8-オール
4-アクリジノール
6-アミノ-4,5-ジメチル-8-メトキシキノリン
(4,8-ジヒドロキシ-2-キノリンカルボキシル酸)キサンツレン酸
5,7-ジクロロ-8-キノリノール
5-クロロ-8-キノリノール塩酸塩
5-クロロ-7-ニトロ-8-キノリノール
8-キノリノール-5-スルホン酸
8-ヒドロキシ-2-キノリンスルホン酸一水塩
9-ヒドロキシ-4-メトキシアクリジン
8-キノリル3-メチルクロトン酸
5,7-ジクロロ-8-キナルジノール
8-キノリルN-アリルカルバマート
N-(2-(キノリン-8-イルオキシ)-エチル)-アセトアミド
8-キノリルN-イソプロピルカルバマート
5-アミノ-8-キノリノール二塩化水素化物
2-アミノ-8-キノリノール
8-キノリノールN-オキシド
イミダゾール、オキサゾール、チアゾールおよびそれらの誘導体
ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールおよびそれらの誘導体
2-アミノ-8-キノリノール
8-キノリノールN-オキシド
2,8-キノリンジオール
8-ヒドロキシ-2-キノリンカルボニトリル
8-ヒドロキシ-2-キノリンカルボニトリル
8-ヒドロキシ-2-キノリンカルボキサルデヒド
5,7-ジメチル-8-キノリノール
8-メトキシ-2-メチルキノリン
8-エトキシキノリン
5-ニトロソ-キノリン-8-オール
5-クロロ-8-キノリノール
8-ヒドロキシ-2-キノリンカルボキシル酸
8-ヒドロキシ-5-ニトロキノリン
6-ニトロキノリン-8-オール
4-アクリジノール
6-アミノ-4,5-ジメチル-8-メトキシキノリン
(4,8-ジヒドロキシ-2-キノリンカルボキシル酸)キサンツレン酸
5,7-ジクロロ-8-キノリノール
5-クロロ-8-キノリノール塩酸塩
5-クロロ-7-ニトロ-8-キノリノール
8-キノリノール-5-スルホン酸
8-ヒドロキシ-2-キノリンスルホン酸一水塩
9-ヒドロキシ-4-メトキシアクリジン
8-キノリル3-メチルクロトン酸
5,7-ジクロロ-8-キナルジノール
8-キノリルN-アリルカルバマート
N-(2-(キノリン-8-イルオキシ)-エチル)-アセトアミド
8-キノリルN-イソプロピルカルバマート
5-アミノ-8-キノリノール二塩化水素化物
2-アミノ-8-キノリノール
8-キノリノールN-オキシド
イミダゾール、オキサゾール、チアゾールおよびそれらの誘導体
ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールおよびそれらの誘導体
被覆は、さらに被覆基材の表面でフィルムを形成し、通常基体に被覆の付着を与えるフィルム形成材料を含有し、そして他の塗料成分とともに結合する。任意の好適な種類のフィルム形成材料または異なる前者の組み合わせが、被覆の中で使用可能である。一例としては、ラテックス塗料やアルキド塗料をもたらすものとして知られている、ラテックスベースの結合剤やアルキド樹脂ベースの結合剤である。いくつかのフィルム成形材料は、合成または天然の樹脂である。好適な可能性がある合成樹脂の例は、アクリル酸塩、ウレタン、エポキシ、シリコーン、フッ素重合体、ビニル重合体、ポリエステル、アルキド樹脂、ブタジエン、スチレンなどのような、重合体を形成するフィルムを含有する。格別の例としては、フィルム成形材料は、Air Products and Chemicals社製のFLEXBOND(登録商標)のようなポリウレタン乳剤である。
腐食検出製品の1つの側面として、例えば被覆が、多湿、降雨や他の水にさらされる状態の下で、被覆から錯化剤や錯体を浸出させることを減じるために、錯化剤は被覆で固定される。錯化剤は任意の好適な方法で固定しうる。
例えば、一の実施形態としては、錯化剤がフィルム成形ポリマーの一部でいることにより固定される。錯化剤は主鎖あるいはポリマーの側鎖のいずれかに付着させることができ、また任意の好適料量で含有させることができる。格別の例としては、グラフト共重合体が、側鎖として付着した錯化剤を持つフィルム成形ポリマーを含有する。
別の実施形態としては、錯化剤が、被覆中で不水溶性金属酸化膜に拘束されることにより固定される。いかなる好適な不水溶性の金属酸化膜または異なる前者の組み合わせも用いることができる。一例として金属酸化膜は、チタニア、ジルコニア、シリカ、マグネシア、アルミナおよびその混合物からなる群から選ばれる。
腐食検出製品のさらなる別の側面において、錯化剤と錯体とは、密度、屈折率、双極子モーメント、分極率、導電率、透過性、蒸気圧、融点、熱容量および水和水からなる群から選ばれる少なくとも1つの特性において、互いが有意に相違する。特性の差は、腐食の検出を助力するだろう。1つの側面では、錯体のエネルギーバンドギャップと錯化剤のエネルギーバンドギャップとの間の差は、少なくとも約1eVであり、そしてある例において少なくとも約2eVである。ここでエネルギーバンドギャップは、最高被占分子軌道と最低空分子軌道の間の差として定義される。このことは下記でより詳細に記載される。
被覆は、被覆で使用するに適しているいかなる種類の溶剤、または異なる溶剤の組み合わせを含有してもよい。被覆が基体上に施される際に、溶剤は基体の表面で他の塗料成分を残して蒸発する。溶媒は他の構成要素の担体として働き、被覆の粘性を調節する。ラテックスベースのバインダーが使用される場合、溶媒は通常水である。また、アルキド樹脂タイプのバインダーが使用される場合、溶媒は通常非水性である。水性溶剤の例は、水および水-アルコール混合物やその他同種のものなどの水をベースとする溶液を含有する。非水溶媒の例は、トルエン、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンなどのケトン、ベンゼン、酢酸エチル、揮発油、アルカン、シクロアルカン、他の芳香族化合物およびイソパラフィン溶剤などの有機物ベースの溶剤を含有する。格別の実施形態では、溶媒は上述のポリウレタン乳剤などの水である。
前述の構成要素以外にも、被覆はさらに被覆で使用するに適している1つ以上の他の成分を任意に含有することができる。そのような成分として、例えば、顔料、増粘剤、増量材、分散剤、滑沢剤、湿潤剤、懸濁液援助、チキソトロピー剤、架橋剤、防水剤などを含有してもよい。
被覆は任意の適切な方法、例えばミキサー、分散機、ミルあるいは他の適切な機器中で成分を結合することによって、製造することができる。成分は任意の適切な順番で結合させることができる。
被覆は、エアスプレー、ブラッシング、回転、あるいは被覆を施す他の手段など任意の適切な方法にて基体上に施される。被覆は腐食検出を提供するのに適切な任意の膜厚で施すことができる。
基体は、腐食する際に、腐食副産物を生ずる任意の種類がなりえる。一例としては、アルミニウム、鋼、鉄、ニッケルあるいは銅のような金属性基材である。また腐食副産物は、錯化剤と接触する際に錯体を形成する任意の種類のものとすることができる。これはいかなる種類の錯体でもおこりえる。腐食副産物は、例えば錯化剤を具備する配位化合物を形成する金属イオンであってもよい。
被覆は放射線にさらされ、放射線は腐食副産物によって形成される錯体をもたらし、錯化剤は錯化剤単独とは検知可能に相違する。この検知可能な相違は、基体の腐食の検出を可能にする。任意の適切な種類の放射線あるいは異なる種類の組み合わせは、任意の適切な検知可能な相違を獲得するために使用することができる。例えば、好適な可能性がある放射線としては、紫外線、赤外、テラヘルツ、マイクロ波あるいは他のものを含む。格別の非限定の例示としては、錯化剤と金属イオン腐食副産物との反応によって形成された錯体が、紫外線の存在下で蛍光を発する。この蛍光は、基体の腐食の早期発見を可能にする。他の例において、形成された錯体は、燐光や、なにか他のフォトルミネッセンスや、他の検知可能な相違によって検知できる可能性がある。
1の実施形態としては、テラヘルツ(THz)放射線が、錯化剤と、腐食副産物によって形成された錯体との間の相違を検知するために使用される。THzの使用は、いくつかの特別の長所を持ち、具体的ないくつかを下記で説明する:
・ 定量的機械計算を用いた概念検証
- 定量的機械計算はGuassian 03cのソフトウェア・パッケージを使用して行なわれた。
- 最高被占軌道(HOMO)および最低空軌道(LUMO)のエネルギー準位を見積もるため、B3YLP基底系を持つ密度汎関数理論(DFT)が使用された。
- 定量的機械計算はGuassian 03cのソフトウェア・パッケージを使用して行なわれた。
- 最高被占軌道(HOMO)および最低空軌道(LUMO)のエネルギー準位を見積もるため、B3YLP基底系を持つ密度汎関数理論(DFT)が使用された。
・ なぜTHzなのか?
- IRと異なり、テラヘルツ放射はアルミニウムパネルを塗装するのに使用されるエポキシを含む多くの材料に吸収されない。
- テラヘルツ周波数の中にユニークな分光的特徴を持つ材料には、強い分子間相互作用を有する金属、水および他の化学物質が含まれている。
- IRと異なり、テラヘルツ放射はアルミニウムパネルを塗装するのに使用されるエポキシを含む多くの材料に吸収されない。
- テラヘルツ周波数の中にユニークな分光的特徴を持つ材料には、強い分子間相互作用を有する金属、水および他の化学物質が含まれている。
・ 8HQ(8-ヒドロキシキノリン)は、どのようにTHzに応答するか。
- HOMOとLUMOの間のエネルギーバンドギャップは4.8eVである。
- 8HQは絶縁体で、THz放射に透明のはずである。
- HOMOとLUMOの間のエネルギーバンドギャップは4.8eVである。
- 8HQは絶縁体で、THz放射に透明のはずである。
・ 腐食生成物は8HQとどのように相違するか?
- 腐食生成物水酸化アルミニウムAl(OH)3は不安定で、8-ヒドロキシキノリン配位子の存在下で二座配位錯体を形成する。
- Al3++3C9H6NOH → Al(C9H6NO)3+3H+
- DFT計算を使用して見積もられるエネルギーバンドギャップは2.3eV(<3.0eVで半導体である)である。
- 腐食生成物水酸化アルミニウムAl(OH)3は不安定で、8-ヒドロキシキノリン配位子の存在下で二座配位錯体を形成する。
- Al3++3C9H6NOH → Al(C9H6NO)3+3H+
- DFT計算を使用して見積もられるエネルギーバンドギャップは2.3eV(<3.0eVで半導体である)である。
図1および図2には、本発明による腐食検出製品と方法の例を示す。図1に示されるように、アルミニウム基板10は、腐食検出被覆12で被覆される。腐食につれ、基体10はアルミニウムイオンを生ずる。アルミニウムイオンは被覆12へ移動する。図2に示されるように、被覆は側鎖として付着した錯化剤16Aの分子を持つフィルム成形ポリマー14を含有する。錯化剤16Aとアルミニウムイオンが互いに接触すると、錯体16Bが形成される。腐食の検出を可能にするため、紫外線または他の放射線にさらされると、錯体16Bは蛍光を発する。
腐食検出製品および方法は、以下の非限定の実施例によってさらに例証される。
(実施例1)
錯化剤(8-ヒドロキシキノロン-5-スルホン酸水和物(HSAH))に水を加えて25%とし、マグネティックスターラーで撹拌して溶解させた(HSAH3.59gに対して蒸留水24.0g)。この溶液にポリウレタン乳剤Flexbond 274を120.08g加えた。材料は完全に混合された。その溶液単独ではUV光の下で蛍光を発しないことが分かった。硫酸アルミニウム/水溶液を調製した。2つの溶液を少量づつ混合すると、混合物が明るい青/緑の輝きを示したことが分かった。硫酸アルミニウムは、HSAHを錯体化して、 UV光にさらされた際に、明るく蛍光を発する明瞭な物質を生成した。
錯化剤(8-ヒドロキシキノロン-5-スルホン酸水和物(HSAH))に水を加えて25%とし、マグネティックスターラーで撹拌して溶解させた(HSAH3.59gに対して蒸留水24.0g)。この溶液にポリウレタン乳剤Flexbond 274を120.08g加えた。材料は完全に混合された。その溶液単独ではUV光の下で蛍光を発しないことが分かった。硫酸アルミニウム/水溶液を調製した。2つの溶液を少量づつ混合すると、混合物が明るい青/緑の輝きを示したことが分かった。硫酸アルミニウムは、HSAHを錯体化して、 UV光にさらされた際に、明るく蛍光を発する明瞭な物質を生成した。
HSAH/Flexbondは、MIL-PRF-23377下塗り塗料で下塗りされたアルミニウムパネルに対してHVLP噴霧器によって被覆として用いられた。被覆(1ミル)を夜通し乾燥させ、またエポキシトップコートMIL-PRF-85285のトップコートが用いられた。パネルはスペックに従い養生された。碁盤目付着性試験が行われ、ある接着上の問題を引き起こすHSAH/Flexbond溶液の中間層が見つかり、トップコートの引きはがしが見られた。この引きはがしはASTM法D3359-02に従って2B(15-25%)と評価された。
碁盤目付着が完全になった後、トップコートが除去された碁盤目の上に、硫酸アルミニウムと水溶液の数滴が滴下された。これはアルミニウムの腐食をシミュレートするためであった。この領域がUV光にさらされたときに、トップコートが除去された露出した領域は、非常によい蛍光を発した。
膜厚2ミルのHSAH層が用いられたこと以外は、下塗り塗料と仕上げ塗りの間でHSAHがスプレーされた同じ領地で第二のパネルが用意された。このパネルは刃で刻み目を付けられた。また5%の塩水噴霧を有する円錐噴霧箱に置き、3日間放置した。パネルは取り外され、UV光にさらされた。刻み目が付けられた領域は、ごく僅かの蛍光を発し、腐食が生じてHSAHを錯体化したという徴候を示した。蛍光は、おそらく存在したHSAHおよび腐食の両方が低濃度レベルだったために僅かであったのであろう。
(実施例2)
水ベースのポリウレタン中で分散した8-ヒドロキシキノリン-5-スルホン酸錯化剤を含有する腐食検出被覆
はじめに蒸留水24gに8-ヒドロキシキノリン-5 -スルホン酸水和物3.59gを分散させ(98%)、次に本発明に従って腐食検出被覆を生成するために、Flexbond 274乳濁液120gと混ぜ合わせて磁気的に完全に混合する。清潔なアルミニウム合金パネル上で、乾燥被膜厚0.98ミルで下塗り塗料をスプレーし、次に、乾燥被膜厚0.98ミルで腐食検出被覆をスプレーし、その後、Defthane ELTで最終被覆する前に、被覆を乾燥させる。この塗装系は、ASTM D3359-02テスト方法Bによる碁盤目付着性試験で15-35%の引きはがしを記録した。
水ベースのポリウレタン中で分散した8-ヒドロキシキノリン-5-スルホン酸錯化剤を含有する腐食検出被覆
はじめに蒸留水24gに8-ヒドロキシキノリン-5 -スルホン酸水和物3.59gを分散させ(98%)、次に本発明に従って腐食検出被覆を生成するために、Flexbond 274乳濁液120gと混ぜ合わせて磁気的に完全に混合する。清潔なアルミニウム合金パネル上で、乾燥被膜厚0.98ミルで下塗り塗料をスプレーし、次に、乾燥被膜厚0.98ミルで腐食検出被覆をスプレーし、その後、Defthane ELTで最終被覆する前に、被覆を乾燥させる。この塗装系は、ASTM D3359-02テスト方法Bによる碁盤目付着性試験で15-35%の引きはがしを記録した。
(実施例3)
水ベースのポリウレタンおよびカルボジイミドの混合物中で分散した8-ヒドロキシキノリン-5-スルホン酸錯化剤を含有する腐食検出被覆
実施例2で述べた腐食検出被覆14.25gをとり、次に、0.75gの日清紡社製カルボジライトE-02(〜5重量%)を加えて完全に混合する。清潔なアルミニウム合金パネル上で、下塗り塗料をスプレーし、次に、カルボジライトを腐食検出被覆にスプレーし、その後、Defthane ELTで最終被覆する前に、被覆を乾燥させる。カルボジライトで増強された被覆は、断面線接着試験にて被覆除去0%であり、かつ円錐形マンドレル試験にてクラッキング0%である。
水ベースのポリウレタンおよびカルボジイミドの混合物中で分散した8-ヒドロキシキノリン-5-スルホン酸錯化剤を含有する腐食検出被覆
実施例2で述べた腐食検出被覆14.25gをとり、次に、0.75gの日清紡社製カルボジライトE-02(〜5重量%)を加えて完全に混合する。清潔なアルミニウム合金パネル上で、下塗り塗料をスプレーし、次に、カルボジライトを腐食検出被覆にスプレーし、その後、Defthane ELTで最終被覆する前に、被覆を乾燥させる。カルボジライトで増強された被覆は、断面線接着試験にて被覆除去0%であり、かつ円錐形マンドレル試験にてクラッキング0%である。
(実施例4)
シリカによる錯化剤の固定化を含む腐食検出被覆
ステップ1:
50 mLの三つ首丸底フラスコ中に、コンデンサー、磁気撹拌棒および熱電対用アダプター兼不活性ガス入口が取り付けられ、2.5グラムの2-アミノ-8-ヒドロキシキノリンが充填され、ジメチルアセトアミド20 mLが加えられた。その混合物はアルゴン雰囲気で600℃に加熱され、1時間にわたって3.95グラムの3-(トリエトキシシリル)プロピルイソシアナートが加えられた。その反応は12時間継続され、生成物は保存された。生成物の赤外分析法によれば、残余のイソシアネート基は存在しないことが示された。
シリカによる錯化剤の固定化を含む腐食検出被覆
ステップ1:
50 mLの三つ首丸底フラスコ中に、コンデンサー、磁気撹拌棒および熱電対用アダプター兼不活性ガス入口が取り付けられ、2.5グラムの2-アミノ-8-ヒドロキシキノリンが充填され、ジメチルアセトアミド20 mLが加えられた。その混合物はアルゴン雰囲気で600℃に加熱され、1時間にわたって3.95グラムの3-(トリエトキシシリル)プロピルイソシアナートが加えられた。その反応は12時間継続され、生成物は保存された。生成物の赤外分析法によれば、残余のイソシアネート基は存在しないことが示された。
ステップ2:
蒸留水20 mLを含むガラス薬瓶中に、トリエチルアミン0.12グラムが加えられ、十分に混合された。ステップ1から得られた生成物1.0グラムを含む別のガラス薬瓶に、この溶液5.0グラムが、ゆっくり加えられた。反応物は、12時間撹拌プレート上で十分に混合された。得られた生成物は、水中のシリカ表面に固定された錯化剤がコロイド分散しているものだった。
蒸留水20 mLを含むガラス薬瓶中に、トリエチルアミン0.12グラムが加えられ、十分に混合された。ステップ1から得られた生成物1.0グラムを含む別のガラス薬瓶に、この溶液5.0グラムが、ゆっくり加えられた。反応物は、12時間撹拌プレート上で十分に混合された。得られた生成物は、水中のシリカ表面に固定された錯化剤がコロイド分散しているものだった。
本発明に従う被覆調合物:
Flexbond 20グラムとカルボジライト1グラムとが薬瓶の中に充填され、スパチュラを使用して十分に混合された。この混合物に、ステップ2で得られた生成物4.6グラムが、連続的に混合しながら加えられた。この調合物はアルミニウムパネル上にスプレーされ、24時間室温で乾燥された。水100 mLを含む250mLビーカー中に塗装パネルが配置された。24時間後、パネルが除去され、わきに保管された。水100mlを含むビーカーに、硫酸アルミニウム1グラムが追加され、それが完全に溶けるまで十分混合された。この溶液はUVランプ(365nm)にさらされたが、蛍光は発しなかった。この試験では、錯化剤が被覆から浸出されなかったことを例証している。
Flexbond 20グラムとカルボジライト1グラムとが薬瓶の中に充填され、スパチュラを使用して十分に混合された。この混合物に、ステップ2で得られた生成物4.6グラムが、連続的に混合しながら加えられた。この調合物はアルミニウムパネル上にスプレーされ、24時間室温で乾燥された。水100 mLを含む250mLビーカー中に塗装パネルが配置された。24時間後、パネルが除去され、わきに保管された。水100mlを含むビーカーに、硫酸アルミニウム1グラムが追加され、それが完全に溶けるまで十分混合された。この溶液はUVランプ(365nm)にさらされたが、蛍光は発しなかった。この試験では、錯化剤が被覆から浸出されなかったことを例証している。
コントロール被覆調合物:
Flexbond20グラムとカルボジライト1グラムとが薬瓶の中に充填され、スパチュラを使用して十分に混合された。この混合物に、水4 mL中で溶解された8-ヒドロキシキノリン-5-スルホン酸0.6グラムが、連続的に混合しながら加えられた。この調合物はアルミニウムパネル上にスプレーされ、24時間室温で乾燥された。水100 mLを含む250mLビーカー中に塗装パネルが配置された。24時間後、パネルが除去され、わきに保管された。水100mlを含むビーカーに、硫酸アルミニウム1グラムが追加され、それが完全に溶けるまで十分混合された。この溶液はUVランプ(365nm)にさらされ、青みを帯びた緑色蛍光が観察された。この試験では、錯化剤が強固な表面上で固定されなかったために、被覆から浸出されたことを例証している。
Flexbond20グラムとカルボジライト1グラムとが薬瓶の中に充填され、スパチュラを使用して十分に混合された。この混合物に、水4 mL中で溶解された8-ヒドロキシキノリン-5-スルホン酸0.6グラムが、連続的に混合しながら加えられた。この調合物はアルミニウムパネル上にスプレーされ、24時間室温で乾燥された。水100 mLを含む250mLビーカー中に塗装パネルが配置された。24時間後、パネルが除去され、わきに保管された。水100mlを含むビーカーに、硫酸アルミニウム1グラムが追加され、それが完全に溶けるまで十分混合された。この溶液はUVランプ(365nm)にさらされ、青みを帯びた緑色蛍光が観察された。この試験では、錯化剤が強固な表面上で固定されなかったために、被覆から浸出されたことを例証している。
特許法の規定に従って、本発明の原理および作動形態は、その好ましい実施形態において説明され、また例証された。しかしながら、特に説明され、また例証された通り以外にも、その精神または範囲から外れない限りで、本発明が実施されてもよいことが理解されるに違いない。
Claims (14)
- 下記を含む腐食検出製品:
フィルム形成材料および錯化剤を含有する被覆であること、
前記錯化剤が、前記被覆が施される基体上の腐食によって生成される腐食副産物と接触する際に錯体を形成すること、
前記錯体が、前記腐食を検知するため、前記被覆が放射線にさらされる際に、前記錯化剤とは検知可能に相違すること、
前記錯化剤が、前記被覆から前記錯化剤あるいは前記錯体の浸出を減じるために、前記被覆で固定されていること。 - 前記放射線が、紫外線、赤外線あるいはテラヘルツ放射線である、請求項1記載の製品。
- 前記腐食副産物が、前記錯化剤を有する配位化合物を形成する金属イオンである、請求項1記載の製品。
- 前記フィルム成形材料が、フィルム成形ポリマーである、請求項1記載の製品。
- 前記錯化剤が、前記フィルム成形ポリマーの主鎖もしくは側鎖のいずれかの中で、その一部でいることによって固定される、請求項記載4の製品。
- 前記被覆が、さらに不水溶性金属酸化膜を含有し、前記錯化剤が前記金属酸化膜に拘束されることによって固定される請求項1記載の製品。
- 前記不水溶性金属酸化膜が、チタニア、ジルコニア、シリカ、マグネシア、アルミナおよびそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項6記載の製品。
- 密度、屈折率、双極子モーメント、分極率、導電率、浸透性、蒸気圧、融点、熱容量および水和水からなる群から選ばれる少なくとも1つの特性において、前記錯化剤と前記錯体とが互いに有意に相違する、請求項1記載の製品。
- 前記錯体のエネルギーバンドギャップと前記錯化剤のエネルギーバンドギャップの間の差が、少なくとも約1eVである、請求項1記載の製品。
- 下記を含む腐食検出方法:
フィルム成形材料と、浸出減少のために被覆中で固定されている錯化剤とを含有する前記被覆を提供すること、
腐食する際に腐食副産物を生成し、前記錯化剤と前記腐食副産物とが互いに接触する際に錯体を形成する前記被覆を基体上に施すこと、および
前記腐食を検知するために、前記錯化剤とは検知可能な相違を前記錯体に引き起こさせる放射線に前記被覆をさらすこと。 - 前記放射線が、紫外線、赤外線あるいはテラヘルツ放射線である、請求項10記載の方法。
- 前記腐食副産物が、前記錯化剤を有する配位化合物を形成する金属イオンである、請求項10記載の方法。
- 前記フィルム成形材料が、フィルム成形ポリマーである、請求項10記載の方法。
- 前記錯化剤が、前記フィルム成形ポリマーの主鎖もしくは側鎖のいずれかの中で、その一部でいることによって固定される、請求項13記載の方法。
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