JP2005324930A - 吊り具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 クレーンによって搬送され、底部に隙間Gを有して実質的に水平配置された搬送板材12を吊り上げ、更には吊り降ろしをする吊り具10であって、上部に吊り金具13a〜13dが設けられた水平部材14と、水平部材14に前後それぞれ対となって左右に設けられ左右方向に幅調整可能に配置された脚部15a〜15dと、脚部15a〜15dに設けられ搬送板材12と各脚部15a〜15dとの距離を一定に保つ板端検知手段16a〜16dと、脚部15a〜15dに設けられ、内側に突出又は回動可能で、搬送板材12を支持可能な爪部17a〜17dと、水平部材14に設けられ昇降して搬送板材12の上に載置部材18a、18bが載置可能な着床手段19a、19bとを有する。
【選択図】 図3
Description
しかし、この吊り具を用いて人手を介さずに、敷りん(積付けダンネージ)を介して上下方向に隙間をあけて岸壁に積付けされた搬送板材の一例であるスラブ材を取り出し、このスラブ材を船内に上下方向に隙間をあけて積付けたりすることはできないため、現状のスラブ材の積付け作業では、2名の作業者が吊り具に設けたワイヤロープをスラブ材に玉掛けしている。
また、スラブ材の運搬、船積み作業装置として、吊りビームの下端に設けた電磁石によりスラブ材を吸着して運搬するリフマグ(リフティングマグネット)式のものや、横方向からスラブ材を掴んで運搬するトング式のものが知られている。
スラブ材の寸法が大きく、重量も重い(最大43トン)ため、使用するワイヤロープも重くなり、作業者が重いワイヤロープを持ってスラブ材の下を長手方向から通す玉掛け作業の効率は極めて悪かった。
また、船内のスラブ材の積付け作業においては、船舶の揺れや傾斜のため、玉掛け作業が困難で、しかも、危険であった。
さらに、人手をかけているので、自動化及び省力化が望まれていた。
リフマグ式のものでは、ステンレス鋼等の磁気を受けつけないスラブ材では、使用することができない。また、複数枚のスラブ材を吸着したり、重量が43トンもあるスラブ材を扱うことはできない。更に、停電時の落下防止対策が必要不可欠であり、危険性が高く、しかも、大きなコストが発生する。
トング式のものでは、掴み部分の構造が大きくなり、このため、狭い場所での積付け作業が困難で、特に、船積み作業には適していない。
上部の前後左右には吊り金具がそれぞれ設けられた水平部材と、
前記水平部材に前後それぞれ対となって左右に設けられ、内側に配置される前記搬送板材を内側に収納可能で、かつ左右方向に幅調整可能に配置された4本の脚部と、
それぞれの前記脚部に設けられ、前記搬送板材と前記各脚部との距離を一定に保つ板端検知手段と、
それぞれの前記脚部に設けられ、内側に突出又は回動可能で、前記搬送板材の底部を支持可能な爪部と、
前記水平部材の前後方向両側に設けられ、昇降して前記搬送板材の上にその下部の載置部材が載置可能な着床手段とを有する。
請求項3記載の吊り具は、請求項1及び2記載の吊り具において、前記対向する脚部の前記爪部位置には、前記搬送板材の底部に前記爪部が嵌入する空間を有することを検知する光電センサーが設けられている。
請求項5記載の吊り具は、請求項1〜4記載の吊り具において、前記着床手段には、前記載置部材が前記搬送板材の上に載ったことを検知する第2のリミットスイッチが設けられている。
請求項7記載の吊り具は、請求項1〜6記載の吊り具において、前記爪部はそれぞれ、開閉位置にてロックが可能な構成としている。
請求項8記載の吊り具は、請求項7記載の吊り具において、前記板端検知手段の動作状態、該吊り具の傾斜及び前記爪部のロック状態を表示する表示手段が設けられている。
請求項3記載の吊り具においては、対向する脚部の爪部位置には、搬送板材の底部に爪部が嵌入する空間を有することを検知する光電センサーが設けられているので、爪部を搬送板材の底部に確実に嵌入させることができる。
請求項5記載の吊り具においては、着床手段に設けられた第2のリミットスイッチにより、搬送板材の上に載置部材が載ったことが確実に検知できる。
請求項7記載の吊り具においては、爪部はそれぞれ、開閉位置にてロックが可能な構成としているので、搬送中に爪部が外力により移動しないため、搬送板材の落下を確実に防止することができる。
請求項8記載の吊り具においては、板端検知手段の動作状態、吊り具の傾斜及び爪部のロック状態を表示する表示手段が設けられているので、操作員への注意を喚起することができ、安全な操作ができる。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る吊り具の正面視した全体構成図、図2は同吊り具の平面視した全体構成図、図3は同吊り具の側面視した全体構成図、図4は同吊り具の脚開閉手段の要部及び着床手段の説明図、図5は同吊り具の着床手段の説明図、図6は同吊り具の脚開閉手段の正面視した説明図、図7は同吊り具の脚開閉手段の側面視した説明図、図8は同吊り具の板端検知手段の正面視した説明図、図9は同吊り具の爪開閉手段の断面図、図10は同吊り具の爪開閉手段の平面図、図11は同吊り具を用いたスラブ材の積付け方法を示す説明図である。
図4及び図6に示すように、脚開閉手段27(26も同じ)は、取付けビーム25の下端部にねじ締結された取付けフレーム28と、取付けフレーム28の下部に設けられた油圧モータ29と、油圧モータ29の出力軸30に設けられたチェーンスプロケットホイール31と、チェーンスプロケットホイール31に掛け渡された無端チェーン32と、油圧モータ29の上方に出力軸30と軸心が平行に、かつ回転可能に配置された回転軸33と、回転軸33の入力側に取付けられ、無端チェーン32が掛け渡されたチェーンスプロケットホイール34とを有している。回転軸33の中央には、ピニオンギア35が形成されている。
図4、図6及び図7に示すように、脚部15c(15dも同じ)の水平部36の下部には、回転軸33のピニオンギア35の下部側が噛合するラックギア35aが上部に形成されたブロック状のラック体38が水平に取付けられており、一方、脚部15dの水平部36aの上部には、回転軸33のピニオンギア35の上部側が噛合するラックギア35bが下部に形成されたブロック状のラック体39が水平に取付けられている。かかる構成によって、油圧モータ29を駆動して、脚部15c、15dを開閉することができる。
着床手段19bは、水平部材14の対となる溝形鋼21のウェブ部20の内側に取付けられた板状の取付けブラケット44、44aに設けられた軸受45、45aと、軸受45、45aを介して取付けられ、ロッド46が接続金具47を介して固定フレーム61の上部に連結されたロッドトラニオン形の油圧シリンダー48と、固定フレーム61の上部にロッド46を挟んで左右方向両側に設けられた対となる円柱状の昇降ガイド49、50と、水平部材14に設けられ、昇降ガイド49、50が摺動する摺動孔51が形成されたガイド部材52、53とを備えている。かかる構成によって、油圧シリンダー48を駆動して固定フレーム61を上下動することができる。
爪開閉手段81は、脚部15dの断面矩形でボックス状の垂直部37aに設けられたモータベース82と、モータベース82に取付けられた油圧モータ83と、油圧モータ83の出力軸と爪軸部17eの入力部とを連結するカップリング84とを有している。脚部15dの垂直部37aの下端部には、爪軸部17eの中間部を外側から覆い、平面視して外形が矩形状の軸受ブロック85が取付けられている。
図1及び図2中の符号102〜109はLED表示灯を、符号110は油圧ユニットを、符号111は制御盤を表している。なお、制御盤111内には、例えば、クレーンの吊りフックがシングル(1フック)の場合に、長さ方向の偏荷重により発生する吊り具10の傾斜を検知可能な電気式センサーが設けられており、吊り上げ時の傾斜が2〜3°を瞬時に検出して表示手段である警報ランプを表示させ、同時に、クレーンの巻き上げとのインターロックを取り、クレーンの巻き上げを停止させるように構成されている。
(2)クレーンを操作して位置決め部材67b、67dが隣接するスラブ材12の間に入って、位置決め部材67b、67dが自重により下降限位置となるようにする。クレーンを操作して、吊り具10の巻き下げ(微速巻き下げ)を開始する。
脚開閉手段26、27により、脚部15a、15b及び15c、15dを閉じる。この際、板端検知手段16a、16b及び16c、16dの第1のリミットスイッチ71a、71bの作動により脚開閉手段26、27を停止し、脚部15a、15b及び15c、15dのスラブ材12に対する幅方向位置を設定する。この際、脚部15a、15b及び15c、15dの内面とスラブ材12の端面12a、12bとの隙間gは10mmとする。
(5)着床手段19a、19bの油圧シリンダー48を駆動して、載置部材18a、18bを上昇することにより、脚部15a、15b及び15c、15dをスラブ材12に対して相対的に下降させる。この下降の際、対向する脚部15a、15b及び15c、15dの垂直部37、37aの下端部に設けられた光電センサーにより爪部17a、17b及び17c、17dが嵌入する空間を検知して、油圧シリンダー48の駆動を停止する。
その後、爪開閉手段81の油圧モータ83を駆動して、検知した空間に爪部17a、17b及び17c、17dを90°回動して閉じ、油圧シリンダー92により駆動されるストッパー用ロッド91の下降により爪部17a、17b及び17c、17dの回動止めロックが行なわれる。
(7)クレーンを操作して、吊り具10を巻き下げながら、その上に積付ける予定のスラブ材12の端面12bに位置決め部材67b、67dを接触させることにより吊り具10の振れを抑え、吊り具10の位置決めを行なう。既に積付けられている隣接のスラブ材12の端面12aに当接することも可能である。
(10)載置部材18a、18bの昇降調整は、次のスラブ材12が今回と同一高さの場合には昇降操作をしないでも、爪部17a、17b及び17c、17dが回動可能な隙間が確保されている。
前記(8)及び(9)においては、船舶が揺れたり傾斜していても、吊り具10は預けられたスラブ材12の傾斜や揺れに追随することができ、これにより、吊り具10の操作性及び安全性の向上が図れる。
前記実施の形態においては、岸壁に積付けられたスラブ材12を船内に積付けるハンドリング作業について説明したが、これに限定されず、必要に応じて、船内に積付けられたスラブ材12を岸壁に積付けるハンドリング作業としてもよい。また、同時に2枚のスラブ材12をハンドリングしたが、これに限定されず、状況に応じて、例えば、クレーン及び吊り具の能力によっては、1枚又は3枚以上とすることもできる。さらに、搬送部材をスラブ材12としたが、これに限定されず、例えば、梱包された鋼板や切り板材の製品にも対応できる。また、爪部を長くすることにより、結束されないバラ物製品(ビレット、ブルーム、パイプ等)にも適用できる。
対向する脚部15a、15b及び15c、15dの爪部17a、17b及び17c、17d位置には、スラブ材12の底部に爪部17a、17b及び17c、17dが嵌入する空間を有することを検知する光電センサーを設けたが、これに限定されず、必要に応じて、光電センサーを省略することもできる。
着床手段に、載置部材18a、18bがスラブ材12の上に載ったことを検知する第2のリミットスイッチ19cを設けたが、これに限定されず、必要に応じて、第2のリミットスイッチを省略することもできる。
脚部に設けられた爪部は90°水平方向に回動可能としたが、これに限定されず、状況に応じて、左右方向内側に突出可能とすることもできる。
本実施の形態の吊り具10は、ストラリアキャリア及びトラッククレーン等の運搬車輛に吊り下げ、運搬及び高い山へ積付ける作業にも使用することができる。
Claims (8)
- クレーンによって搬送され、底部に隙間を有して実質的に水平配置された搬送板材を吊り上げ、更には吊り降ろしをする吊り具であって、
上部の前後左右には吊り金具がそれぞれ設けられた水平部材と、
前記水平部材に前後それぞれ対となって左右に設けられ、内側に配置される前記搬送板材を内側に収納可能で、かつ左右方向に幅調整可能に配置された4本の脚部と、
それぞれの前記脚部に設けられ、前記搬送板材と前記各脚部との距離を一定に保つ板端検知手段と、
それぞれの前記脚部に設けられ、内側に突出又は回動可能で、前記搬送板材の底部を支持可能な爪部と、
前記水平部材の前後方向両側に設けられ、昇降して前記搬送板材の上にその下部の載置部材が載置可能な着床手段とを有することを特徴とする吊り具。 - 請求項1記載の吊り具において、左右いずれか一方又は双方の前記脚部には、該脚部の下方に突出して前記搬送板材の端部を検知する位置決め部材が設けられていることを特徴とする吊り具。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載の吊り具において、前記対向する脚部の前記爪部位置には、前記搬送板材の底部に前記爪部が嵌入する空間を有することを検知する光電センサーが設けられていることを特徴とする吊り具。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の吊り具において、前記板端検知手段は、前記脚部の内側に突出する垂直材と、該垂直材を支持するリンク部材と、該リンク部材が所定位置にあることを電気的に検知する第1のリミットスイッチとを有することを特徴とする吊り具。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の吊り具において、前記着床手段には、前記載置部材が前記搬送板材の上に載ったことを検知する第2のリミットスイッチが設けられていることを特徴とする吊り具。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の吊り具において、該吊り具の傾斜を検知可能な電気式センサーが設けられ、しかも、該電気式センサーの検知に基づいて該吊り具の吊り上げを停止するインターロックを設けたことを特徴とする吊り具。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の吊り具において、前記爪部はそれぞれ、開閉位置にてロックが可能なことを特徴とする吊り具。
- 請求項7記載の吊り具において、前記板端検知手段の動作状態、該吊り具の傾斜及び前記爪部のロック状態を表示する表示手段が設けられていることを特徴とする吊り具。
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