JP2005320326A - 大腸ガンの化学的予防薬剤および化学的治療薬剤としての2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体の使用 - Google Patents

大腸ガンの化学的予防薬剤および化学的治療薬剤としての2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体の使用 Download PDF

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Abstract

【課題】大腸ガンの化学的予防について理想的な薬物を提供することであって、その薬物は、以下のプロフィールを有する薬物である:1)大腸特異的;2)限定された吸収−親および代謝物の吸収が最小である;3)全身的な活性がないこと−一旦吸収されると、代謝性の不活性化により、薬物を不活性な形態に変換され、それにより腎臓およびGIシステムへの全身的な効果を制限する;4)抗酸化特性−大腸特異的抗酸化活性は、発ガン物質負荷を軽減するようにさらに働く;および5)NSAID様抗炎症機構−活性代謝物は、炎症誘導性エイコサノイド経路を阻害するべきであるが、基底の維持経路を損なわないエイコサノイド阻害が好ましい。
【解決手段】
以下の一般式
Figure 2005320326

の2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体を含む薬学的組成物の使用。
【選択図】なし

Description

説明
技術分野
本発明は、大腸ガンの化学的予防および化学的治療に関する。
背景技術
大腸ガンは現在、アメリカ合衆国において悪性腫瘍に起因する年間の全死亡数の11%を占める。100,000人あたり62人の発症率、および100,000人あたり300人の有病率で、この疾患は現在、男性の死亡原因の第3位であり、そして女性の死亡原因の第4位である。大腸ガンは、5年生存率が50%未満と特に悪く、これは一般に、診断が後期になされることに起因する。現行の好ましい処置(化学療法と併用される外科手術)では、この生存率は増加していない。必要とされているのは、大腸ガンを発症する危険性が大きいことが知られている患者集団において、初期に開始され得る安全かつ効果的な予防的治療である。
エイコサノイドおよび胃腸細胞の分化型機能。 エイコサノイドは、胃腸上皮性細胞の成長、分化、および機能の重要な調節因子である。プロスタグランジン系列のエイコサノイド産物は、粘液分泌(BeckelおよびKauffman(1981)Gastroenterology 80:770−776)ならびに電解質および流体の分泌(Miller(1983)Am.J.Physiol. 245:G601−G623)を誘導することが知られている。それらはまた、能動輸送を誘導し(BukhaveおよびRask−Madsen(1980)Gastroenterology 78:32−37)、そして上皮の複製能を増大する(Konturekら(1981)Gastroenterology 80:1196−1201)。これらの反応により、緊密に結び付いた上皮細胞の分化型の、保護的障壁システムの維持を生じ、その上皮細胞の頂端表面は高密度の複合糖質の化学的緩衝物で覆われる。胃および上部の十二指腸において、このような障壁は、消化のために精巧に造られる酸性およびタンパク質分解の環境から保護し、一方大腸においては、このような障壁は、細菌および毒素の侵入から保護する。それゆえ、外因性の合成プロスタグランジンが、細胞保護的に活性であり(WhittleおよびVane(1987)In:Johnson(編)PHYSIOLOGY OF THE GASTRCINTESTINAL TRACT,第1巻、第2版、NewYork:Raven Press,143−180頁)、そして第2の抗腫瘍処置として治療上の有用性が見い出されていることは驚くべきことではない。それゆえ胃腸「GI」システムは、局所性の環境に存在するエイコサノイド産物の特異的な分化型補体を活発に産生し、そしてこれに依存するするように発達している。全てのエイコサノイドは、共通の前駆物質であるアラキドン酸(膜リン脂質からそれ自身遊離している)から誘導されるので、GI粘膜細胞は、酵素ホスホリパーゼA(PLA)により開始される比較的高い基底レベルのアラキドン酸代謝回転を有する。
GIシステムはまた、環境内の細菌、抗原、および毒素に対する主な防衛機構であり、それゆえ攻撃的かつ迅速な炎症反応を実施する能力をも所有しなければならない。この反応はまた、プロスタグランジン(PG)系列および化学走性のロイコトリエン系列(LT)の両方のエイコサノイド産物に依存し、そして活性化因子に反応して血液由来好中球、マクロファージ、および免疫細胞の流入を生じる。これら浸入する細胞のそれぞれもまた、炎症性の(分泌された)PLAを放出することにより、自身のリン脂質、および粘膜ならびに管腔のリン脂質を代謝する能力をもそれに加えてもたらし、アラキドン酸の放出を増幅し、次いでアラキドン酸は、PGおよびLTの両方に代謝される。
炎症細胞の浸潤は、不快な刺激を制限し、そして破壊するが、炎症性細胞の放出産物に起因する損傷の程度は重要である。好中球およびマクロファージは、スーパーオキシド(O−)(Kitahoraら(1988)Dig.Dis.Sci. 33:951−955)、ならびに過酸化水素(H)(TauberおよびBabior(1985)Free Radic.Biol.Med. :265−307)、およびプロテアーゼ(Ohlssonら(1977)Hoppe Seylers Z.Physiol.Chem 358:361−366)を放出する。結果として生じる浸潤が広範囲である場合、上皮層の顕著な剥落が、引き続く障壁機能の衰弱とともに生じる。次いで炎症反応の消散が、最終的に最適な上皮障壁の適用範囲を回復するために必要とされる。
慢性GI炎症およびGIガン誘導。 慢性の胃腸炎症性疾患(例えば、潰瘍性大腸炎(Lennard−Jonesら(1977)Gastroenterology 73:1280−1285)、クローン病(Farmerら(1971)Cancer 28:289−295)、および慢性萎縮性胃炎(Sipponenら(1983)Cancer52:1062−1067))は、続いて起こる胃腸ガンの増加した危険性に関与する。この機構は、まだ証明されていないが、続いて起こるトランスフォーメーション、増殖の増大、および悪性腫瘍の浸潤を導き得る3つの重要な交差する経路は、多数の急性炎症エピソードの間に生じる。下記に考察されるように、(1)増加した大腸のフリーラジカルおよび発ガン物質負荷、(2)栄養性エイコサノイド調節の変化、および(3)細胞浸潤を仲介する遺伝子産物の誘導が存在する。
炎症エピソードに起因する変質した発ガン物質負荷。 大腸は、食物中の化合物の代謝および内因性の分泌物(例えば、大腸内細菌による胆汁酸)から生じる遺伝毒性の発ガン物質および腫瘍促進物質のかなり主要な基本的負荷に唯一曝され得る。糞便中の発ガン物質と大腸ガン誘導との間に関係があることは、高リスク個体の糞便中における変異原の増加が、低リスク集団のそれに対して認められることにより支持される(Reddyら(1980)Mut.Res. 72:511−515)。この相関はまた、食物繊維の摂取と大腸ガンの発症率との間の負の関係が繰り返し認められることに一致する(ArmstrongおよびDoll(1975)Int.J.Cancer 15:617−623)。繊維の保護効果は、糞便容積の増加によって生じると推論されており、その結果糞便中発ガン物質の希釈および輸送時間の短縮を生じ、より迅速な発ガン物質の排出をもたらす。これらの結果は、糞便発ガン物質負荷の濃度の減少が、ガンの危険性の減少を導き得るならば、発ガン物質負荷の増加は、危険性の増加を導き得るという可能性を高める。大腸の発ガン物質のこのような増加の1つは、連続的な炎症事象に由来し得る。
特に関連する例は、酸化窒素としての窒素酸化物のL−アルギニン依存形成を経由する発ガン性物質ニトロソアミンの炎症性好中性の産生である(Grisham(1993)Gastroenterology104:A243)。炎症細胞により放出される他の酸化的な産物は、スーパーオキシドおよび過酸化水素を含み、これらは、鉄(Fe)のような所定の遷移金属の存在下で高反応性かつ細胞傷害性のヒドロキシルラジカル(OH:)を産生し得る(Grisham(1990)Biochem Pharmacol 39:2060−2063)。炎症細胞の流入により精巧に造られる発ガン物質およびフリーラジカル負荷の増加に加えて、アラキドン酸カスケードが、変異原性代謝産物を産出し得ることも公知である。プロスタグランジンH2(PGH2)の代謝産物、マロンジアルデヒド(MDA)は、インビボで直接的に作用する変異原であり(MukaiおよびGoldstein(1976)Science 191:868−869)、そして動物における発ガン物質であり(BasuおよびMarnett(1983)Carcinogenesis :331−333)、そしてトロンボキサンシンテターゼにより細胞中に高い収量で、活性シクロオキシゲナーゼ経路で酵素的に産生され得る。MDAは、ヒト大腸p53遺伝子と関連する変異に類似したフレームシフト変異を生産することが示されている(Marnettら(1985)Mutat.Res. 129:39−46)。PGHシンテターゼ自体は、強力なペルオキシダーゼであり、そして変異原への広範な範囲のポリサイクリック炭化水素の活性化を触媒することが示されている(Marnett(1981)Life Sci. 29:531−546)。
これらの知見は、胃腸管におけるアラキドン酸カスケードの慢性的および異常な(炎症細胞作動性の)活性化が、最大DNA合成の時間の間にDNA変異の潜在的な誘導とともに発ガン物質負荷の増加をもたらす1つの経路であることを示唆する。細胞増殖の増加(炎症細胞に浸潤するこにより誘導される上皮性剥落に続く)は、このような発ガン物質の作用に影響されやすい細胞数の増加を招く。あるいは、増殖の増加は、発ガン物質により以前に誘導された変異を増幅する(クローンの拡大を通して)ように働き得る。
エイコサノイド調節の変化は、炎症エピソードに起因する増殖を駆動し得る。GI炎症に関連するさらなる機構およびGIガンの進行は、正常なエイコサノイド調節の崩壊であり得る。上記で考察されるように、GI粘膜の上皮の正常な分化型機能は、内因性エイコサノイドにより影響を受ける生物学的活性の多種多様な範囲に密接に連接する。これらの薬剤は、局所的に作用し、そして一般に、活発な代謝不活性化に起因する短い半減期を有するので、急性炎症事象の期間は、エイコサノイドホメオスタシスの正常な調節を劇的に変える。
炎症部位への好中球およびマクロファージの侵入において、これらの正常な動態は、劇的に変化する。第一に、炎症細胞は、それらで広範な範囲のさらなるアゴニスト(例えば、サイトカイン、プロテアーゼ、および成長因子をもたらし(AdamsおよびHamilton(1984)Ann.Rev.Immunol. :283−318,Ohlssonら(1977)Physiol.Chem. 358:361−366、 Kellyら(編)、Textbookof Rhcumatology, New York:W.B.Saunders,pp.186−215のNathanおよびCohn(1980)))これらのアゴニストは単独で、アラキドン酸を放出するように細胞性PLA(cPLA2)を慢性的に活性化する。第二に、炎症細胞は、分泌物(secretory)として知られるPLAのさらなる形態またはsPLAの豊富な供給源である(Seilhamerら(1989)J.Biol.Chem. 264:5335−5338)。GI炎症疾患におけるその活性が、最近報告されている(Minamiら(1992)Gut 33:914−921)。
cPLAと異なり、sPLAは、サイトカイン(Pfeilscifterら(1989)Biophys.Res.Commun. 159:385−394)、および特に、エンドトキシン(OkaおよびArita(1991)J.Biol.Chem. 266:9956−9960)により、炎症細胞(Wrightら(1990)J.Biol.Chem.265:6675−6681)、血小板(Hayakawaら(1990)J.Biol.Chem. 104:767−772)、軟骨細胞(Lyons−Goirdanoら(1989)Biochem.Biopys.Res.Commun. 164:488−495)、および平滑筋細胞(Nakanoら(1990)FEBS Lett. 261:171−174)から放出される。さらに、細胞外環境は、最高のカルシウム濃度を含有するので、sPLAは、一旦放出されると調節されない。それゆえ放出において、それは、細胞膜および細菌の膜で見い出されるリン脂質のsn−2位置からならびに食物およびリポタンパク質供給源からアラキドン酸、および他の脂肪酸を活発に加水分解する。多くのこのようなリン脂質に由来するsn−2脂肪酸の除去した結果生じるリゾリン脂質は、周辺細胞に対して強力に溶原性である(OkadaおよびCyong(1975)Jpn.J.Exp.Med. 45:533−534)。従って、この反応はまた、上皮細胞の溶解および濾過されていない領域(unfilteredarea)における剥落をも導き得、最終的には、障壁の機能を維持するために増殖の増大を必要とする。
細胞の侵入に関する炎症反応および遺伝子の活性化。 炎症反応は、正常なエイコサノイド調節を破壊するだけでなく、細胞の浸入に必要とされる遺伝子産物の活性化をも導く。1つのこのような産物、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーターレセプター(uPAR)は、腸管内の上皮細胞により正常に発現される。細胞表面に対するその足場は、正常な陰窩細胞遊走および細胞表面のタンパク質分解による落屑の重要な決定因子であり得る(Kristensenら(1991)J.Cell.Biol. 115:1763−1771)。炎症細胞において、uPAR遺伝子発現は、プロテインキナーゼCの活性化因子により、ホルボールエステルTPAのような腫瘍促進因子(Lundら(1991)J.Biol.Chem. 266:5177−5181)により、そして組織浸潤(Stoppelliら(1985)Natl.Acad.Sci.USA82:4939−4943)に必要とされる浸潤性の表現型を誘導する種々のサイトカイン(Lundら(1991)EMBO J. 10:3399−3401)により誘導される。従って、高レベルのuPAR発現がまた、転移能を有するいくつかの腫瘍細胞株(大腸ガン由来細胞を含有する)において検出されていることは驚くべきことではない(Pykeら(1991)Am.J.Pathol. 138:1059−1067)。特に重要なことは、共培養実験が、浸潤能はそのリガンドプラスミノーゲン活性化因子よりもuPARの発現により高度に相関していたことを示していることである(Ossowskiら(1991)J.Cell.Biol. 115:1107−1112)。従って、炎症反応の多数のサイクルはまた、大腸粘膜の細胞におけるuPAR過剰発現に寄与し得、これは以前の良性腫瘍における浸潤性表現型の獲得を生じる。
それゆえGI粘膜の細胞は、以下の3つの重要な経路のために、慢性炎症エピソードに唯一感受性であり得る:(1)上皮細胞は、炎症エピソードの間にさらに増加し得る高度な発ガン性物質負荷とともに環境中に位置される;(2)内因性および浸潤されたエイコサノイドカスケードの両方の産物は栄養性因子である;そして(3)炎症因子に対するそれら自体の分化した反応は、浸潤性表現型の獲得に必要とされる遺伝子産物の発現を包含する。これらの3つの経路とともに、トランスフォーメーション事象、ならびに結果として生じる腫瘍の誘導、進行、および浸潤を導き得る。それゆえ、エイコサノイドカスケードの所定のアームをブロックする因子は、大腸ガンの化学的予防において有用である。
大腸ガンの前駆体としてのポリープおよび異常陰窩の病巣。 腺腫のポリープが、結腸直腸ガンの前駆体であり、そしてそれらの外観、サイズ、および多重度が、発達中の大腸ガンの関連した危険性の前兆であることが現在広範に支持されている(Lotfiら(1986)Mayo Clinic Proc. 61:337−343を参照のこと)。腺腫のポリープは、大腸ガンの前駆体の病変であるが、異常陰窩病巣と呼ばれる所定の初期の病理学的病変は、腺腫ポリープに対する前駆体病変である。異常陰窩病巣(ACF)は、正常な外観のヒト大腸粘膜において同定可能であり、そして散発性大腸ガン患者、または一般に家族性腺腫ポリープ症を遺伝する患者由来の検体においてより大きな数およびサイズで存在することが示されている(Ronucucciら(1991)Human Pathol22(3):287−294;Pretlowら(1991)CancerRes. 51:1564−1567)。
NSAIDおよび大腸ガンの化学的予防。 いくつかの非ステロイド系抗炎症性薬物(NSAID)が、ラットの大腸発ガンモデルにおける腫瘍保有動物の数および動物あたりの腫瘍発症率を減少することにおいて効果的であるという証拠がある。(Narisawaら(1981)Cancer Res. 41:1954−1957)、(Pollardら(1983)Cancer Lett.21:57−61)(Moorghenら(1988)J.Pathol. 156:341−347)(Reddyら(1993)Gastroenterology 104:A443)ここで腫瘍罹患率の70%までの減少は、最大許容用量の80%の用量で認められている。ジメチルヒドラジン誘導性大腸発ガンの研究において、スリンダクが、発ガン物質投与の間に存在する場合にのみ腫瘍の発症率を減少することが観察され、発ガン物質投与後17週間に与えられた場合には観察されなかった(Moorghenら(1988)J.Pathol. 156:341−347)。
いくつかの回顧的な研究において、アスピリン摂取が、大腸ガン発症後における化学的予防治療として評価されている。これらの研究の結果は、大腸ガン発症の危険性の半減(Kuneら(1988)Cancer Res. 48:4399−4404)から危険性の50%増加(Paganini−Hillら(1991)J.Natl.Cancer Inst. 83:1182−1183)の範囲である。しかし、アスピリンおよび他のNSAIDを用いるいずれのヒトの研究、特に回顧的な研究は、潜血スクリーニングおよびS状結腸鏡検査を通してNSAID群におけるポリープまたは腫瘍のより早期の検出を可能にし得るGI出血の誘導された頻度により否定され得ることに注目すべきである。
回顧的なアスピリン研究は、不明確な結果を提供したが、動物研究において見い出された所定のNSAIDについての最初の結果(上記で要約した)は、予期ヒト治験において反復されている。このNSAID、スリンダクは、プラセボコントロールを用いる無作為二重盲検クロスオーバー試験において、4ヶ月未満内に9名の家族性ポリープ症患者にポリープの退行を引き起こしたことが示されている(Labayleら(1991)Gastroenterology 101:635−639)。さらに、ポリープの成長は、スリンダク中止後に再開した。インドメタシンを用いた同様の研究ではポリープの退行に対する影響は認められなかったので(Kleinら(1987)Cancer 60:2863−2868)、この知見は重要である。これらのNSAIDは、両方とも抗炎症活性がシクロオキシゲナーゼの阻害に由来しているが、スリンダクは、大腸内細菌により、その活性代謝物、スリンダクスルフィドに変換されるプロドラッグである(ShenおよびWinter(1975)Adv.Drug.Res. 12:89−245)。対照的に、インドメタシンは、全身への送達のために、上部GI管から主として吸収される場合、その活性形態で経口摂取される(Huckerら(1966)J.Pharmacol.Exp.Ther. 153:237−249)。それゆえ、大腸へスリンダクにより送達される活性代謝物の濃度は、インドメタシン由来の濃度よりも有意に高いようである。この結果は、観測されたNSAIDの化学的予防効果の有意な部分が、粘膜−管腔界面での薬物の局所的な作用に由来することを示唆する。
動物モデルにおける大腸腫瘍発生のNSAID誘導性阻害のこの証拠は、腫瘍細胞のシクロオキシゲナーゼによる阻害の機構を示唆するが、このような機構の確認は成されていない。NSAID処置動物から摘出した腫瘍組織は、劇的に減少したレベルのPGEを分泌することが示され、この仮説に一致する(Reddyら(1992)Carcinogenesis 13:1019−1023)。しかし、ほとんどの大腸腫瘍は、常在性の細胞タイプに関して異種であり、そしていくつかの報告は、結腸直腸の腺ガンから産生された上皮細胞株が、PGEまたは他のプロスタノイドの高生産者ではないことを報告している(Hubbardら(1988)Cancer Res. 48:4770−4775)。しかし、ヒト大腸組織から分画された細胞のエイコサノイド産生に関する報告は、腫瘍上皮細胞が単純な組織と同様のPGEレベルを産生し、一方腫瘍由来単核細胞がそれらの正常な対応物よりも有意に多いエイコサノイド合成を示した(Maxwellら(1990)Digestion 47:160−166)。それゆえ、NSAID阻害に対して感受性の標的細胞は、腫瘍上皮細胞であり得ないが、上皮細胞が反応性であるような高いPGレベルを産生する他のいくつかの他の常在物であり得る。
好ましい化学的予防治療のプロフィール 全てのNSAIDは、有意な副作用プロフィールを保有する。NSAIDは、シクロオキシゲナーゼ産物のNSAIDの阻害において組織特異的ではなく、そして腎臓および胃腸の両システムは、特に感受性である。NSAIDは、腎臓の灌流を減少し、腎毒性を生じ(CliveおよびStoff(1984)N.Engl.J.Med. 310:563−572)、そしてプロスタグランジンは、GI上皮の通常の分化型機能に必要であるので、NSAID誘導性胃潰瘍形成は、このクラスの薬物に関連した罹病率および死亡率に対する有意な寄与物である(Langman(1989)Gastroenterology 96:640−646,Bjarnasonら(1992)Gastroenterology 104:1832−1847)。より下位の腸において、長期のNSAID治療は、直腸炎から汎大腸炎(pancolitis)の範囲の大腸炎を生じることが報告されている(TannerおよびRaghunat(1988)Digestion 41:116−120)。ある回顧的研究では、大小の腸穿孔および出血を示す患者のうち25%にNSAID摂取が見い出されることを推定した(Langmanら(1985)Br.Med.J. 290:347−349)。最後に、すでに結腸直腸のガンを発症する高い危険性のある、現存する慢性炎症性腸疾患の患者において、5−ASAを含まないNSAIDおよびアスピリン治療は、現存する病態の悪化のため禁忌である(RamptonおよびSladen(1981)Prostaglandins 21:417−425)。それゆえ、大腸ガンの化学的予防について理想的な薬物は、以下のプロフィールを有する薬物である:
1)大腸特異的−上部GI管において作成される活性を有しないプロドラッグであるが、大腸への到達時には活性な形態に変換されるべきである(スリンダク様);
2)限定された吸収−親および代謝物の吸収が(特にその活性形態に一旦変換されると)最小である;
3)全身的な活性がないこと−一旦吸収されると、代謝性の不活性化により、薬物を不活性な形態に変換すべきであり、それにより腎臓およびGIシステムに対する全身的な効果を制限する;
4)抗酸化特性−大腸特異的抗酸化活性は、発ガン物質負荷を軽減するようにさらに働く;および
5)NSAID様抗炎症機構−活性代謝物は、炎症誘導性エイコサノイド経路を阻害するべきであるが、基底の維持経路を損なわないエイコサノイド阻害が好ましい。
要約すると、所定のNSAIDは、発ガン物質誘導性動物モデルにおける大腸腫瘍の発生を阻害し、そしてヒトのポリープの成長を阻害することが示されている。NSAIDによる腫瘍阻害に関する機構は、証明されていないが、これらの薬物は、胃腸のエイコサノイド産生および代謝を調節し得る。不幸なことに、NSAIDはまた、それらの長期使用を妨げ得る妨害性の、および重大な胃腸の副作用のプロフィールを有する。それゆえ、化学的予防薬剤として効果的であるがこれらの副作用を欠失しているNSAIDを同定することが、極めて望ましい。Chan,米国特許第4,412,992号は、2−ハイドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体、および潰瘍性大腸炎の処置におけるそれらの使用について記載している。
本発明のある実施態様に従い、大腸ガンを患うまたは大腸ガンを発症する危険にある個体を処置する方法であって、以下の一般式の2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体を含む薬学的組成物の有効量をヒトに投与する工程を包含する方法が提供される:
Figure 2005320326
ここでXは、−SO−または−CO−基であり、そしてRは、フェニルまたはカルボキシメチルフェニル基のいずれかであるか、または式−(CH−Yで示される基であり、ここでYは、水酸基、アミノ基、モノアルキル−あるいはジアルキル−アミノ基、6個までの炭素原子を含有するアルキル部分、あるいはカルボン酸基あるいはスルホン酸基であり、そしてnは、1〜6の全ての数であり、そしてここでアルキレン基の1個またはそれ以上の水素原子が、アミノ基、モノアルキル−あるいはジアルキル−アミノ基により置換され得、このアルキル部分は、6個までの炭素原子またはアルキル基を含み、そしてここで−(CH−Y基は、窒素原子に直接またはベンゼン環を介してのいずれかにより結合する(但し、R−NH−X−は、−CO−NH−CH−COOH基以外である);あるいはそれらのエステルまたは活性代謝物または活性代謝物の酸化生成物、あるいは2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体またはそれらのエステルまたは活性代謝物または活性代謝物の酸化生成物の非毒性の薬学的に受容可能な塩である。
本発明の別の実施態様に従い、本方法の薬学的組成物は、固体または液体の薬学的希釈剤またはキャリアとの混合物中に、2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体またはそれらのエステルまたは活性代謝物または活性代謝物の酸化生成物、あるいは2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体またはそれらのエステルまたは活性代謝物の塩から本質的になる。
本発明のさらに別の実施態様において、2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体は、バルサラジドである。
本発明のさらなる実施態様において、活性代謝物は5−ASAである。
本発明のさらなる実施態様において、活性代謝物の酸化生成物は、5−ASAの酸化生成物である。
本発明のさらなる実施態様において、5−ASAの酸化生成物は、ゲンチジン酸または5−ニトロ−サリチル酸である。
本発明のさらなる実施態様において、薬学的組成物は、2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体またはそれらのエステルまたは活性代謝物または活性代謝物の酸化生成物、あるいは2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体またはそれらのエステルまたは活性代謝物または活性代謝物の酸化生成物の塩の1〜14g/70kg体重/日の範囲の1日用量を、大腸ガンを患うまたは大腸ガンを発症する危険にある個体に経口投与される。
本発明の別の実施態様において、薬学的組成物は、2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体またはそれらのエステルまたは活性代謝物または活性代謝物の酸化生成物、あるいは2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体またはそれらのエステルまたは活性代謝物または活性代謝物の酸化生成物の塩の1〜14g/70kg体重/日の範囲の1日用量を、大腸ガンを患うまたは大腸ガンを発症する危険にある個体に直腸から投与される。
(項目1) 以下の一般式の2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体を含む薬学的組成物の使用であって:
Figure 2005320326
ここでXは、−SO−または−CO−基であり、そしてRは、フェニルまたはカルボキシメチルフェニル基のいずれかであるか、または式−(CH−Yので示される基であり、ここでYは、水酸基、アミノ基、モノアルキル−あるいはジアルキル−アミノ基、6個までの炭素原子を含有するアルキル部分、またはカルボン酸基あるいはスルホン酸基であり、そしてnは、1〜6の全ての数であり、そしてここでアルキレン基の1個またはそれ以上の水素原子が、アミノ基、モノアルキル−あるいはジアルキル−アミノ基により置換され得、このアルキル部分は、6個までの炭素原子またはアルキル基を含み、そしてここで−(CH−Y基は、窒素原子に直接またはベンゼン環を介してのいずれかにより結合する(但し、R−NH−Xは、−CO−NH−CH−COOH基以外である);あるいは該組成物はそれらのエステルまたは活性代謝物または活性代謝物の酸化生成物、あるいは2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体またはそれらのエステルまたは活性誘導体または活性代謝物の酸化生成物の非毒性のな薬学的に受容可能な塩を含み、該組成物は大腸ガンを患う、または大腸ガンを発症する危険性にある個体を処置する方法に使用するための薬剤の製造用であり、該方法が、有効量の該薬学的組成物を、該組成物を必要とするヒトに投与する工程を包含する、使用。
(項目2).前記薬剤が、固体または液体の薬学的希釈剤またはキャリアとの混合物中に、2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体またはそれらのエステルまたは活性代謝物または活性代謝物の酸化生成物、あるいは2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体またはそれらのエステルまたは活性代謝物または活性代謝物の酸化生成物の塩から本質的になる、項目1に記載の使用。
(項目3).前記2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体が、バルサラジドである、項目1に記載の使用。
(項目4).前記活性代謝物が5−ASAである、項目1に記載の使用。
(項目5).前記活性代謝物の酸化生成物が5−ASAの酸化生成物である、項目1に記載の使用。
(項目6).前記5−ASAの酸化生成物がゲンチジン酸である、項目5に記載の使用。
(項目7).前記5−ASAの酸化生成物が5−ニトロ−サリチル酸である、項目5に記載の使用。
(項目8).前記薬学的組成物が、2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体またはそれらのエステルまたは活性代謝物または活性代謝物の酸化生成物あるいは2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体またはそれらのエステルまたは活性誘導体または活性代謝物の酸化生成物の塩の1〜14g/70kg体重/日の範囲の1日用量において、該組成物を必要とするヒトに経口投与される、項目1に記載の使用。
(項目9).前記薬学的組成物が、2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体またはそれらのエステルまたは活性代謝物または活性代謝物の酸化生成物あるいは2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体またはそれらのエステルまたは活性誘導体または活性代謝物の酸化生成物の塩の1〜14g/70kg体重/日の範囲の1日用量において、該組成物を必要とするヒトに直腸から投与される、項目1に記載の使用。
発明の実施態様
2−ヒドロキシ−5−フェニル安息香酸誘導体、特にバルサラジドおよびその活性な代謝産物は、大腸ガンの化学的予防に有効であることが見出されている。これらの2−ヒトロキシ−5−フェニル安息香酸誘導体は、以下の一般式を有する:
Figure 2005320326
ここで、Xは−SO−または−CO−基であり;そしてRはフェニルまたはカルボキシメチルフェニル基のいずれか、または式−(CH−Yで示される基であり、ここで、Yは水酸基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、またはジアルキルアミノ基であり、このアルキル部分は6個までの炭素原子、またはカルボン酸基またはスルホン酸基を含み、そしてnは1〜6の全ての数であり、そしてここでアルキレン基中の1個またはそれ以上の水素原子が、アミノ基、モノアルキル−あるいはジアルキル−アミノ基により置換され得、このアルキル部分は、6個までの炭素原子またはアルキル基を含み、そしてここで、−(CH−Y基は、窒素原子に直接またはベンゼン環を介してのいずれかにより結合する(但し、R−NH−X−は、−CO−NH−CH−COOH基以外である)。
本明細書中で使用されるように、用語「2−ヒドロキシ−5−フェニル安息香酸誘導体」はまた、この化合物のエステルまたは活性な代謝産物、あるいはこの化合物またはそのエステルまたは活性な代謝産物の非毒性の薬理学的に受容可能な塩を包含する。
用語「活性な代謝産物」は、例えば、大腸細菌の作用を経ての、ヒト体内での2−ヒドロキシ−5−フェニル安息香酸誘導体の代謝の産物をいい、これは、大腸ガン細胞の増殖を阻害する。例えば、以下で議論するように、5−ASAは、バルサラジドの活性な代謝産物である。
用語「酸化生成物」は、2−ヒドロキシ−5−フェニル安息香酸誘導体の活性な代謝産物(例えば、5−ASA)を酸化条件(例えば、次亜塩素酸塩または過酸化水素)に曝すことにより生成する産物である。
バルサラジドナトリウムは、大腸特異的であり、非ステロイド性の抗炎症アミノサリチル酸塩である。進行中の潰瘍性大腸炎の処置に有用である。バルサラジドおよびその1次代謝産物は、培養ヒト大腸ガン細胞の増殖を阻害する。そしてバルサラジドは、発ガン物質であるアゾキシメタンで処置した動物の異常陰窩形成を阻害する。他のNSAIDのように、バルサラジドはヒト大腸ガンの化学的予防に有用である。しかし、バルサラジドは3つの重要な安全性の利点を有する:(1)薬剤の送達が大腸特異的である:(2)胃潰瘍または十二指腸潰瘍の徴候は全く観察されなかった;そして(3)腎毒性の徴候は、今日までに処置された500人にわたる患者の間に、何人かについては3年間もの期間において、全く報告されていない。従って、バルサラジドは、大腸ガンの化学的予防に対して、効力と安全性との理想的な組み合わせを有する。
大腸特異的送達。バルサラジドは、スリンダクのようなその不活性な形態が、大腸細菌の作用により活性な抗炎症薬に変換されるプロドラックである。図1に示すように、バルサラジドは、アミノサリチレートである5−アミノサリチル酸(5−ASA)と不活性のキャリア分子である4−アミノベンゾイル−β−アラニン(4−ABA)とをアゾ結合を介して結合する。細菌のアゾリダクターゼは、この結合を加水分解し、局所作用のために5−ASAを放出する。
限局性全身的吸収。バルサラジドを経口投与した場合、上部GI管で分解されず、そして実質的に吸収されずに通過する。プロドラックの摂取用量の0.3%程度しか血漿または尿中に見出されない。薬物の99%が完全なまま大腸に到達する。大腸で、この薬物は加水分解されて5−ASAおよび4−ABAを形成し、これが大腸粘膜と相互作用し、そしてそれらのN−アセチル形態に変換される。1回の用量のバルサラジドから生じる5−ASAの大部分は、96時間にわたってN−アセチル−5−ASA(Nac5ASA)に変換され、そして尿中に排出される。一方、4−ABAおよびそのN−アセチル代謝産物は、ほとんど吸収されない。5−ASAのN−アセチル代謝産物は不活性であるため、送達された5−ASAの全身的な活性もまた減少する(Chanら(1983)Dig.Dis.Sci. 28:609−615)。
抗酸化的特性。前で論じたように、有効な抗酸化的特性を有する化学的予防剤はまた、大腸発ガン物質荷重の減少、ならびに浸潤炎症細胞からのフリーラジカル放出により誘導される損傷を減少させるのに寄与し得る。5−ASAは、アルギニン依存性の五酸化二窒素からのニトロソアミン形成を阻害する(Grisham(1993)Gastroenterology 104:A243)。さらに、完全なバルサラジドおよび5−ASAの両方が、O−およびOH:に対する効果的なフリーラジカル捕獲剤である。バルサラジドおよび5−ASAは、潰瘍性大腸炎を有する患者由来の直腸バイオプシーとともにインキュベートした場合、直腸粘膜の反応性酸素代謝物産生を90%以上減少させる。両方の薬剤はまた、同様の濃度で使用された場合、抗酸化剤であるタウリン、アスコルベート、またはN−アセチルシステインよりも効果的である(Simmondsら(1992)Gastroenterology 102:A696)。
上部胃腸効果を有しない大腸抗炎症活性。パルサラジドは、いくつかの大腸炎症の動物モデルならびに進行中の潰瘍性大腸炎(Greenら(1993)Gastroenterology 104:A709)および鎮静期の潰瘍性大腸炎(Gaifferら(1992)Ailment.Pharmacol.Ther. :479−485)において抗炎症活性を有する。重要なことは、この薬物が優れた胃腸耐性を示すことである。
バルサラジドおよび5−ASAは、インビトロにおいて大腸ガン細胞の増殖を阻害する。5−ASAならびにバルサラジドは、ヒトの大腸ガン細胞に有意な増殖阻害活性を示す。
5−ASAの酸化生成物は、インビトロにおいて大腸ガン細胞の増殖を阻害する。5−ASAの酸化生成物は、5−ASAと比較した場合、ヒト大腸ガン細胞に対して驚異的な予期せぬ増殖阻害活性を示す。
大腸ガンの化学的防止および/または化学的治療の方法
従って、本発明の2−ヒドロキシ−5−フェニル安息香酸誘導体、特にバルサラジドおよびその代謝産物は、大腸ガンの化学的治療に有用である。これらは好ましくは、大腸ガンを患っている、または大腸ガンを発症する危険性のあるヒト個体に、2−ヒドロキシ−5−フェニル安息香酸誘導体を含有する薬学的組成物の形態で投与される。薬学的組成物はまた、1またはそれ以上の非毒性の薬学的に受容可能なキャリア、賦形剤、および/または希釈剤を含み得る。経口投与が好ましい。標準的な薬学的処方技術が用いられる(例えば、Remington’sPharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,PA,最新版に開示されている)。
組成物は、錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、舐剤、液体、またはゲル投与物の形態であり得る。経口投与のための錠剤およびカプセルは、単位用量投与に適切な形態であり得、従来の賦形剤を含有し得る。これらの例は、結合剤(例えば、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントゴム、およびポリビニルピロリドン);増量剤(例えば、ラクトース、しょ糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトール、またはグリシン);錠剤化潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、タルク、ポリエチレングリコール、またはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプン);または受容可能な湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)である。錠剤は、通常の薬学的実践で周知の方法に従ってコーティングされ得る。経口用液体調製物は、例えば、水性または油性の懸濁物、溶液、乳剤、シロップ、またはエリキシルの形態であり得、あるいは、使用前に水または他の適切な媒体で再構成するための乾燥産物として与えられ得る。このような液体調製物は、従来の添加物、例えば、懸濁剤(例えば、ソルビトール、シロップ、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン、水素化食用脂肪)、乳化剤(例えば、レシチン、ソルビタンモノオレアート、またはアラビアゴム;非水性媒体(食用油を含む)(例えば、アーモンド油、分留ヤシ油、グリセリンのような油性エステル、プロピレングリコール、またはエチルアルコール);防腐剤(例えば、メチル−p−ヒドロキシベンゾエート、プロピル−p−ヒドロキシベンゾエート、またはソルビン酸)および、所望であれば従来の香料または着色料を含有し得る。
本発明の薬学的組成物の活性物質の割合は変化し得、それは、所望の治療効果についての適切な用量が得られるように、比率を構築すべきであることが必要とされる。一般に、本発明の調製物は、1日・70kg体重あたり1〜14gの活性物質を与えるように、ヒトに経口投与または直腸投与されるべきである。
以下の実施例は、例示のためであり、そして限定するためのものではない。
実施例1:バルサラジドおよび5−ASAは、インビトロで大腸ガン細胞の増殖を阻害する
バルサラジドおよびその代謝産物である5−ASAのヒト大腸ガン細胞の増殖に対する活性を、ヒト腺腫細胞HT−29およびLS174Tを使用してインビトロで実証した。細胞は、10%仔ウシ血清を添加したダルベッコの改変Eagle培地で、5%CO雰囲気中で37℃にて増殖させた。増殖試験のために、細胞を24ウェル組織培養皿(2cm/ウェル)に、20,000細胞/ウェルの密度で播き、そして12時間接着させた。次いで、増殖培地を交換し、そして試験薬物を含有する新鮮培地で置き換えた。
試験薬物を、所望の濃度で組織培養培地に溶解し、そして個々のウェルに添加した。ウェルあたりの細胞数を決定するために、培地を除去し、そして細胞をリン酸緩衝生理食塩水で洗浄した。次いで、細胞をトリプシン−EDTA溶液で15分間、分離するまでインキュベートした。次いで、分離した細胞をウェルから取り出し、そしてCoulterCounter(Model ZBI)を使用して計数した。図2および3に示されるように、ヒト大腸ガン細胞株HT−29およびLS174Tの両方が、漸増濃度の5−ASAにより増殖阻害された。10mM5−ASAの用量では、阻害はそれぞれ82%および85%に達した。
比較研究もまた、バルサラジドとその2つの代謝物5−ASAおよび4−ABAならびにアセチルサリチル酸(アスピリン)とのガン細胞の増殖への有効性を試験するために実行した。表Iに示したように、アセチルサリチル酸(これは、共有結合的にシクロキシゲナーゼを阻害する)は、親薬物のバルサラジドが阻害したように、このアッセイで強力に阻害性であった。しかし、4−ABA(バルサラジドのキャリア分子)は不活性であった。表Iに示した細胞数は、3つの培養ウェルの平均である。
Figure 2005320326
バルサラジドおよび5−ASAで見られる増殖阻害効果の用量応答関係を調べるために設計されたさらなる研究は、HT−29細胞またはLS174T細胞のいずれかを使用して試験した場合、両方の化合物が同様の結果を生じることを示した。用量応答研究のために、96ウェルプレートにおいて多数の薬剤および用量を同時にアッセイすることを可能にするように、敏感な色素結合アッセイを適合させた。細胞をプレートし、そして試験薬物を添加する前に24時間接着させた。次いで、4日後に細胞密度を、ウェルを固定し、そしてスルホロダミンB色素で染色することにより測定した。次いで、染色培養物の光学密度を、96ウェルプレートリーダーを495nmで使用して測定した(Skehanら(1990)J.Natl.Cancer Inst. 82:1107−1112)。
図5に示したように、バルサラジドは、低濃度で5−ASAより大きな阻害応答を一貫して生成する。HT−29細胞を使用する場合、IC50値は、それぞれ5.7mMおよび11.8mMであるが、一方LS174T細胞を使用する場合、それぞれのIC50値は5.2mMおよび11.5mMである。試験した5−ASAの最低の濃度(LS174Tは0.1〜1.0mM、HT−29は0.1〜4mM)では、約20%の細胞数の再現性があり、そして統計学的に有意な増大が、両方の細胞タイプで観察された。これは、他者により以前に出版された結果と一致する(彼らは、低濃度の他のNSAIDにより誘導されるタンパク質合成の増大に続き、より高い濃度での阻害を観察した(Hialら(1977)J.Pharm.Exp.Therap. 202:446−452))。
実施例2:ラットの異常陰窩形成におけるバルサラジドおよび代謝産物の影響
異常陰窩は、発ガン物質に誘導される大腸粘膜中の「大きさ、厚さの増大した上皮内層および増大した周陰窩帯」の陰窩として最初に記載された(Birdら(1989)Cancer Surv.8:189−200)。NSAIDは、ラットにおいて発ガン物質のアゾキシメタン(AOM)により誘導される異常陰窩形成の最も強力なインヒビターのうちの一つである(Wargovichら(1992)J.C ell.Biochem. 16G:51−54)。これらの薬剤のいくつかの抗腫瘍活性は、より長期なAOM動物研究で確証されている。従って、異常陰窩モデルは、バルサラジドおよび代謝産物の効力についての理想的なインビボアッセイである。
異常陰窩誘導の阻害。異常陰窩形成の阻害に対するバルサラジド(BSZ)およびその代謝産物の5−アミノサリチル酸(5−ASA)および4−アミノベンゾイル−β−アラニン(4−ABA)の効力を、ラットのアゾキシメタン(AOM)により誘導される大腸ガンのモデルで測定した。
4群の5匹の雄F344ラットを使用した。動物は、全体の平均の+/−20%以内の出発体重範囲であり、投薬開始時に6〜8週齢であった。公開された研究から予測されるAOM処理に対する応答は、動物あたり100〜140の異常陰窩形成である(Wargovichら(1992)J.Cell.Biochem. 16G:51−54)。これらの応答率および95%信頼限界のχ検定を使用すると、動物あたり50〜75の異常陰窩が観察された場合、群あたり5動物のサンプルサイズで、試験薬物による統計的に有意な(p<0.05のレベルで)阻害の検出を可能にする。
動物を、体重のクラスにより試験群に無作為化する前に、10日間馴化させた。試験薬物を、動物・1日あたり50mlの平均水消費に基づいて、動物・1日あたり所望の用量を与える濃度で飲料水に溶解した。2つの群に、AOM注射の前に1週間の薬物処理を受けさせた。発ガンは、2週目および3週目のはじめに与えた20mg/kgのAOMの2回の皮下注射により誘導された。次いで、試験品目の投薬を、5週目の終わりまで続けた。
バルサラジドの用量レベルの選択は、大腸モデルでの効力についての他の臨床前研究の概説により行われる。500gのラットでの200mg/kg/日の用量は、70kgのヒトでの1日あたり14gの用量、進行中の潰瘍性大腸炎の処置における治療用量の約2倍、および緩解を維持するための用量の4倍以上に匹敵する。この用量レベルにより、5−ASAの大腸での濃度が5〜20mMとなる。ラットのバルサラジドの最大許容用量は、12,000mg/kg/日を越える。
体重を週2回記録し、そして動物の各ケージの水消費を週2回測定した。消費は、平均ml/動物/ケージとして計算する。
異常陰窩分析のために、動物を投薬の3週目または5週目のいずれかの終わりにCO安楽死により屠殺した。大腸を盲腸および肛門で切除し、摘出し、縦方向に切開した。組織から内容物を除き、生理食塩水ですすぎ、そして2%パラホルムアルデヒド中で4℃にて2時間固定し、そして0.2%メチレンブルーで3〜5分間染色した。生理食塩水ですすいだ後、異常陰窩の病巣の数を40〜100×の倍率の顕微鏡下で数えることにより得点を付けた。大腸組織の長さもまた測定した。大ざっぱに同定された病変の代表的サンプルを、グリコールメタクリレートに4℃にて包埋した;それぞれの病巣の3〜4μmの切片を、組織学的評価のためにヘマトキシリン、エオシン、およびアズール(HEA)で染色する。
胃十二指腸のびらん分析のために、底部、洞、および十二指腸を摘出し、そして上記のように別々に処理した。胃のびらんは、記載されたように長さおよび重篤度の胃のびらん指数を使用して得点を付けた(Peskarら(1986)Prostaglandins 31:283−287)。
結果を図4に示す。これは、2回のアゾキシメタンの皮下注射後1週または3週間目のいずれかで試験した動物について、大腸組織の縦方向の1cmあたりの平均異常陰窩数をしめす。両時点とも、バルサラジドで処理した動物は、コントロール動物よりも非常に少ない平均異常陰窩数を有した。平均異常陰窩数は、1週目では61.8%阻害であり、そして5週目では58.1%阻害であった。
異常陰窩進行の阻害。図4に示すデータは、大腸組織の末端7〜8cmから収集した。これらの初期の時点では、この領域は80%以上の総異常陰窩病巣を含んでいた。従って、別の研究を、より長期の時点を試験するため、大腸全長25cmでの全体の分布を評価するため、そして薬物処理を2回目のAOM注射後に開始し得るか否かを決定するために設計した。この後の目的は、特に興味深い。なぜなら、化学的予防剤が、発ガン物質による初期のトランスフォーメーション事象に続く異常陰窩増殖の進行を阻害することを実証するために重要であるからである。
第2の研究では、8動物の群に、1週間の間隔をあけて2回のアゾキシメタンの注射を受けさせた。次いで、2回目の注射の24時間後に1つの群でバルサラジド処理を開始した。6週間後、動物を異常陰窩分析について処理した。陰窩を安楽死下での15分間の0.2%メチレンブルー溶液の直腸点滴注入によりインサイチュで染色した。次いで、動物から放血し、肛門から盲腸までの大腸組織を切除し、清浄し、そして2%パラホルムアルデヒド中で2時間固定した。陰窩を40×の倍率で見ることにより数えた。病巣数のデータ収集に加えて、データをまた病巣あたりの異常陰窩の多重度についても収集した。これらのデータを、図6に示す。図から明らかなように、バルサラジドを2回目のAOM注射の24時間後に与えた場合ですら、異常陰窩病巣の劇的な阻害(これは、図4に示した以前の実験(全体として約60%阻害)に匹敵する)が観察されたことである。
Pretlowら(Pretlowら(1992)Carcinogenesis 13:1509−1512)による以前の研究は、同一の発ガンモデルを使用する異常陰窩多重度と最終的な腫瘍発達との関係を報告している。これらの研究では、4またはそれより多い異常陰窩を含む異常陰窩数が、腫瘍形成と強く相関していた。これは、これらのより大きな病巣が、より腫瘍に進行し易いことを示唆する。上記の実験のデータを、異常陰窩多重度に対するバルサラジドの効果を決定するために分析した。これらのデータを以下の表IIに示し、そしてこのデータにより、バルサラジドは、4未満の異常陰窩を含む病巣数よりも、4またはそれより多い異常陰窩を含む病巣数のより大きな阻害を発揮することが明らかとなる。1〜3の陰窩を有する病巣では、平均阻害は、57〜61%の範囲である(p<0.003、Fischerの精密度試験)が、4またはそれより多い陰窩を含む病巣数は平均72〜76%減少した(p<0.001)。4またはそれより多い陰窩を含む病巣数についての結果を3またはそれより少ない陰窩を含む病巣数と比較した場合、この差異は、Fischerの精密度試験を用いてp<0.022レベルで統計学的に有意である。
Figure 2005320326
これらの結果は、最も多くの異常陰窩を含む病巣が、2〜3の異常陰窩を含む病巣の約2倍減少したことを示す。Pretlowらの結果に関連して解釈すると、この阻害は、動物がより後の時点で試験される場合の腫瘍形成の阻害と言い替え得るであろう。
実施例3:インビトロでの大腸ガン細胞の増殖における5−ASAの酸化生成物の影響
上記の実施例でバルサラジドで見られた阻害は、両方の細胞タイプの間で同一であったが、LS174T細胞は、常にHT−29細胞よりも5−ASAの作用に対してより感受性であった。さらに、5−ASAに対する両方の細胞タイプでの阻害応答は、個々の実験間で最大70%から最低10%まで変化した。この可変性の原因を決定するための実験の設計において、細胞に添加する最小3日前に作製された5−ASA貯蔵溶液は、一貫してより大きな阻害効果を生じることが決定された。この差異を、図7に示す。
この実験では、溶解直後の10mM 5−ASAに曝したLS174T細胞の増殖は、4日間にわたって、コントロール細胞により示される増殖応答の82.7%の増殖応答を示した。対照的に、実験開始4日前に培養培地に溶解した10mM5−ASAに曝した平行培養物の増殖は、4日間にわたって、コントロール培養により示される増殖応答のわずか22.9%の増殖応答を示した。この著しい差異は、5−ASAが特定の培地成分の存在している間に、より活性な代謝産物に変換されつつあることを示唆した。
5−ASAに関連する重要な活性の1つは、抗酸化性である。実際、胃の炎症の処置における治療上の利点のいくらかは、炎症細胞から放出されたO−を含むフリーラジカルを捕獲する能力に由来し、従って、酸化による損傷を減少させると考えられる。これは、組織培養培地中でプレインキュベートする場合に5−ASAに関係する阻害活性で観察される変化が、酸化事象と一致し得ることを示唆した。この可能性を試験するために、5−ASAを種々の比の次亜塩素酸ナトリウムを使用して酸化させ、次いで、続いて起こる細胞増殖阻害活性を評価した。以下の表IIIに示されるように、次亜塩素酸塩の量が増加するにつれて5−ASAの阻害活性が増大した。
Figure 2005320326
未酸化の5−ASAの基底の阻害活性は45%であった。0.4mM NaOClによるバックグランドの阻害活性は2%未満であった。
他者による以前の研究は、次亜塩素酸塩または過酸化水素への曝露のような酸化条件が数種の異なる5−ASA代謝産物を生じ得ることを示している。このような酸化生成物の2つ、ゲンチシン酸(Dullら(1987)Biochem.Pharmacol.36:2467−2472)および5−ニトロ−サリチレート(Laffafianら(1991)Biochem.Pharmacol.42:1869−1874)が解明されている。上記の結果を考慮して、5−ASAのこれらの酸化生成物の両方を、大腸ガン細胞の増殖阻害活性について試験した。4つの異なるヒト大腸ガン細胞株を使用して以下の表IVに示されるように、5−ニトロ誘導体がより強力であるようであるが、両代謝産物とも細胞増殖を阻害した。各細胞株の増殖阻害における、バルサラジド、その1次代謝産物の5−ASA、および2つの可能な5−ASA酸化生成物の相対有効性を、以下の表IVにまとめて示す。
Figure 2005320326
本明細書中に引用されている全ての刊行物および特許出願は、参考として援用されているそれぞれの個々の出版物または特許出願が詳細におよび個々に示されると同程度に、本明細書中に参考として援用されている。
本発明は今や十分に記載されているが、添付の請求の範囲の意図および範囲から逸脱することなく、多くの変更および改変が行われ得ることは当業者には明らかである。
図1は、2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体(ここで、一般名は、バルサラジドである)の化学構造を示す。アミノサリチレート部分、5−アミノサリチル酸(5−ASA)は、キャリア分子である4−アミノベンゾイル−β−アラニン(4−ABA)にアゾ結合を介して結合している。 図2は、腺ガン細胞株HT−29の増殖への0、0.1、1.0、および10mMの用量における5−ASAの効果を示す。示した細胞数は、3回の実験の平均である。 図3は、腺ガン細胞株LS174Tの増殖への0、0.1、1.0、および10mMの用量における5−ASAの効果を示す。示した細胞数は、3回の実験の平均である。 図4は、飲料水中に投与したバルサラジドの存在下または非存在下での発ガン物質アゾキシメタンでのラット群の処理により誘導された異常大腸陰窩数の分析を示す。 図5は、低濃度でのバルサラジドおよび5−ASAにより生成される相対的な阻害応答を示す。 図6Aおよび6Bは、それぞれコントロール動物および第2回の注射の6週間後のAOM(20mg/kg)注射動物の大腸全体の異常陰窩病巣の分布を示す。1、2、3、4、または5あるいはそれ以上の数を含む病巣数を示す(それぞれパネルの低い曲線から高い曲線)。 図7は、細胞に曝す4日前に培地に溶解した種々の濃度の5−ASA(黒)、または、細胞に曝す直前に培地に10mMで溶解した5−ASA(白)によるLS174T細胞の増殖の阻害を示す。細胞は、定量前にさらに4日間増殖させた。 図8Aおよび8Bは、それぞれ、種々の濃度の5−ASAの2つの酸化生成物、ゲンチジン酸塩および5−ニトロサリチル酸塩による大腸ガンの細胞増殖の阻害を示す。

Claims (1)

  1. 以下の一般式
    Figure 2005320326
    の2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体を含む薬学的組成物の使用であって、ここでXは、−SO−または−CO−基であり、そしてRは、フェニルまたはカルボキシメチルフェニル基のいずれかであるか、または式−(CH−Yので示される基であり、ここでYは、水酸基、アミノ基、モノアルキル−あるいはジアルキル−アミノ基、6個までの炭素原子を含有するアルキル部分、またはカルボン酸基あるいはスルホン酸基であり、そしてnは、1〜6の全ての数であり、そしてここでアルキレン基の1個またはそれ以上の水素原子が、アミノ基、モノアルキル−あるいはジアルキル−アミノ基により置換され得、このアルキル部分は、6個までの炭素原子またはアルキル基を含み、そしてここで−(CH−Y基は、窒素原子に直接またはベンゼン環を介してのいずれかにより結合する(但し、R−NH−Xは、−CO−NH−CH−COOH基以外である);あるいは該組成物はそれらのエステルまたは活性代謝物または活性代謝物の酸化生成物、あるいは2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体またはそれらのエステルまたは活性誘導体または活性代謝物の酸化生成物の非毒性のな薬学的に受容可能な塩を含み、該組成物は大腸ガンを患う、または大腸ガンを発症する危険性にある個体を処置する方法に使用するための薬剤の製造用であり、該方法が、有効量の該薬学的組成物を、該組成物を必要とするヒトに投与する工程を包含する、使用。
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