JP2005316411A - 露光装置及び露光方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ステージの移動によって発生する蛇行を検出して、記録媒体に描画される画像の歪みを低減させることができる露光装置及び露光方法を得る。
【解決手段】 露光ステージは移動に伴って蛇行が発生して位置ずれが生じるため、記録媒体に露光される画像に歪みが生じる。このため、撮像タイミング毎にCCDカメラによりマーキングを撮像して蛇行によって生じた記録ステージのステージ面に対しての移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出し、画像シフト処理を行うことで記録媒体に露光される画像の歪みを補正している。 画像シフト処理は、ヘッドアッセンブリ毎の画像データの両端に隣の画像領域を分割画像記憶メモリより読み出して付加する。次に、隣接した画像を付加した画像全体を蛇行による変位量に応じてシフトする。次に、シフトした画像に対して、つなぎ目位置でのトリミングを行い、ヘッドアッセンブリが露光を行う画像データを作成する。
【選択図】 図10

Description

本発明は、露光処理において記録ステージの移動によって発生する記録ステージの蛇行による画像の歪みを補正する露光装置に関するものである。
従来、記録媒体、例えば、プリント配線板(以下、「PWB」という。)やフラット・パネル・ディスプレイ(以下、「FPD」という。)の基板に所定のパターンを記録する装置として、マスクを用いた面露光装置が広く用いられてきた。
しかしながら、PWBやFPDに記録されるパターン(配線パターン)は、部品実装の高密度化に伴って高精細化が進み、マスクの伸縮に伴う記録位置ずれの問題が顕在化している。例えば、多層プリント配線板の場合、基板に設けられたスルーホール等の穴と、各層のパターンとの位置合わせが高精度に行えないため、パターンを高精細化することができないことが問題となっている。
このような問題を解消するための技術として、マスクを使用せずに記録ヘッドから光ビームを照射して記録媒体に直接パターンを記録するレーザ走査型の露光装置が知られている。このレーザ走査型の露光装置では、記録媒体を載置した記録ステージを移動させながら、直線状に配列した複数の記録ヘッドから光ビームを照射して露光を行うことで、記録媒体上にパターンを描画することができる。
しかし、上記従来レーザ走査型の露光装置では、記録媒体へのパターン描画のために記録ステージを移動させると、移動によって記録ステージに蛇行が発生して記録ステージに位置ずれが生じ、記録媒体に描画されるパターンに歪みが生じるという問題がある。この蛇行とは、前記記録ステージ移動によって発生する記録ステージ面に対して移動方向と交差する方向へのずれを言い、移動によって記録ステージ面が交差する方向にずれるため、記録ヘッドから記録媒体上に光ビームが照射される位置のずれとなる。この蛇行は、露光記録ステージの移動に伴い再現性が高いため記録ステージの位置ずれに関する変位量データ事前に作成することが可能である。
そこで、特許文献1には、移動による記録ステージの挙動を事前に記録ステージの両側に設けた2台のカメラで記録して変位量データを作成し、記録媒体へのパターン描画時には、事前に作成した変位量データに基づいて記録ステージを移動させる挙動を修正して光ビームを照射し、記録媒体上にパターンを描画するレーザ走査型の露光装置が開示されている。
特開2000−321025公報
しかしながら、前記記録ステージが移動すると、記録ステージにはヨーイング動作(記録ステージの移動方向への動作)に起因して、各位置に微妙に異なる蛇行動作が発生する。このため、記録ヘッドでは蛇行を補正する補正量がそれぞれの位置毎にわずかに異なっている。よって、より精密にパターン描画するには、より多くの位置で挙動を記録し、各記録ヘッドの位置での位置ずれを求めて補正を行う必要があるが、挙動を記録するカメラの台数を多くすると製造コストが増加する。
本発明は上記事実を考慮し、記録ヘッドの位置毎に記録ステージの移動によって発生する蛇行を検出して、記録媒体に描画される画像の歪みを低減させることができる露光装置及び露光方法を得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明は、記録ステージ上に載置された記録媒体へ記録ヘッドから画像データに基づく光ビームを結像し、前記記録ヘッドと前記記録ステージとを相対的に移動させて、前記記録媒体に画像を露光する露光装置であって、前記記録ステージの移動に伴って発生する当該記録ステージのステージ面に対しての移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、前記検出手段により検出された前記位置ずれの変位量データを記憶する記憶手段と、前記画像データが形成する画像の各画素を前記記憶手段に記憶された前記変位量データに基づきシフトさせるシフト手段と、前記シフト手段によりシフトされた前記画像の画像データに基づき、前記記録媒体への露光を制御する露光制御手段と、を有することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、記録媒体が記録ステージ上に載置され、記録ステージが記録ヘッドと相対的に移動する際に、前記記録ヘッドから画像データに基づく光ビームが照射され、記録媒体に画像が露光される。
このとき、移動に伴って記録ステージには蛇行による記録ステージのステージ面に対しての移動方向と交差する交差方向への位置ずれが発生する。このため、位置ずれ検出手段は蛇行による位置ずれを検出して、位置ずれの変位量データを記憶手段に記憶させる。シフト手段は、記憶手段に記憶された位置ずれの変位量データに基づき、画像データが形成する画像の各画素を変位量データ基づきシフトさせて、蛇行によって生じた記録ステージの位置ずれを補正する。露光制御手段では、シフトされた画像の画像データに基づいて記録媒体への露光を制御して蛇行によって生じた記録ステージの位置ずれを修正し、描画される画像の歪みを補正する。
このように、描画される画像の歪みを補正することができるため、記録媒体に描画する画像を精細にすることができる。また、記憶手段に記憶された変位量データに基づきシフトが行われるため、露光処理での処理の負荷が軽減される
請求項2に記載の発明は、記録ステージ上に載置された記録媒体へ直線状に配列された複数の記録ヘッドから画像データに基づく光ビームを結像し、前記記録ヘッドと前記記録媒体とを、前記記録ヘッドを配列した直線方向と交差する方向へ相対的に移動させて、前記記録媒体に画像を露光する露光装置であって、前記記録ステージの移動に伴って発生する当該記録ステージのステージ面に対しての移動方向と交差する交差方向への蛇行による前記記録ステージの位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、前記検出手段により検出された前記位置ずれの変位量データを記憶する記憶手段と、前記画像データが形成する画像を前記複数の記録ヘッドからそれぞれ露光する分割画像に分割する分割手段と、前記分割手段により分割された前記分割画像の各画素を前記記憶手段に記憶された前記変位量データに基づきシフトさせるシフト手段と、前記シフト手段によりシフトされた前記分割画像をつなぎ目位置でトリミングするトリミング手段と、前記トリミング手段によりトリミングをされた前記分割画像の画像データに基づき、前記記録ヘッドによる前記記録媒体への露光を制御する露光制御手段と、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、記録媒体が記録ステージ上に載置され、記録ヘッドと記録媒体とを記録ヘッドを直線状に配列した方向と交差する方向へ相対的に移動させる際に、直線状に配列された複数の記録ヘッドから画像データに基づき光ビームが照射されて前記記録媒体に画像が露光される。
このとき、移動に伴って記録ステージには蛇行による記録ステージのステージ面に対しての移動方向と交差する交差方向への位置ずれが発生するため、位置ずれ検出手段は蛇行による位置ずれを検出して、位置ずれの変位量データを記憶手段に記憶させる。また、画像分割手段は、画像データを直線状に配列された各記録ヘッドから記録媒体に露光するため、画像データが形成する画像を各記録ヘッドが露光する分割画像に分割する。シフト手段は、各分割画像を記憶手段に記憶された変位量データに基づきシフトして蛇行によって生じた位置ずれを補正する。トリミング手段は各分割画像を各記録ヘッドから露光するため、各分割画像をつなぎ目位置でトリミングを行い、露光制御手段はトリミングされた各分割画像の画像データに基づいて記録媒体への露光を制御する。
このように、複数の記録ヘッドによって画像を記録する場合でも、画像データを記録ヘッド毎の画像に分割して、分割画像毎にシフトを行うことにより描画される画像の歪みを補正することができる。よって、記録媒体に描画する画像を精細にすることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記分割手段が、前記画像データが形成する画像を前記各記録ヘッドで露光可能な画像領域毎に分割し、分割された前記画像領域に互いに隣接する前記画像領域を少なくとも前記記憶手段に記憶された前記変位量データに基づく変位量の幅だけマージして前記分割画像とすることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、分割手段は画像データが形成する画像を記録ヘッドで露光可能な画像領域毎に分割し、互いに隣接する前記画像領域を少なくとも変位量の幅だけマージしている。これにより、シフト手段が変位量だけ分割画像をシフトしても、記録ヘッドは画像の露光を行うことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記分割手段が、前記画像データが形成する画像を前記各記録ヘッドで露光可能な画像領域に互いに隣接する前記画像領域を少なくとも前記記憶手段に記憶された変位量データに基づく変位量の幅だけ追加した領域毎に分割して前記分割画像とすることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、分割手段は画像データが形成する画像を記録ヘッドで露光可能な画像領域に互いに隣接する前記画像領域を少なくとも変位量の幅だけ追加した領域毎に分割している。これにより、別な処理としてマージを行う必要が無くなる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の発明において、前記記録ステージに前記記録ヘッドと前記記録ステージとの移動方向に沿って一定の間隔毎にマーキングが1列あるいは複数列なされ、前記位置ずれ検出手段が、前記記録ステージ上の前記マーキングの列を所定のタイミング毎に撮像する少なくとも1個の撮像手段と、前記撮像手段を前記移動方向と交差する方向へ移動させて前記マーキングの列をそれぞれ撮像可能とさせる移動手段と、前記撮像手段により撮像された前記マーキング画像から前記各マーキングの同一相対位置を検出する同一相対位置検出手段と、前記同一相対位置検出手段により検出された前記各マーキングの前記同一相対位置の前記マーキング画像内での位置に基づき前記交差方向への前記記録ステージの位置ずれを検出する第1の検出手段と、で構成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、記録ステージには、記録ヘッドと記録ステージとが移動する方向に沿って一定の間隔に毎にマーキングが1列あるいは複数列なされている。撮像手段は所定のタイミング毎にマーキングの列を撮像する。また、撮像手段は移動手段により記録ヘッドと記録ステージとが移動する方向と交差する方向へ移動できるため、マーキングの各列を撮像することができる。さらに、同一相対位置検出手段は撮像手段により撮像されたマーキング画像から各マーキングの同一相対位置を検出する。なお、同一相対位置とは、例えば、重心など各マーキングで位置が相対的に一致する部分を意味する。ここで、マーキングは記録ヘッドと記録ステージとが移動する方向に沿ってなされているため、第1の検出手段では各マーキングの同一相対位置のマーキング画像内での位置から、記録ステージの蛇行による位置ずれを検出することができる。
このように、記録ステージのマーキングを所定のタイミング毎に撮像することによって記録ステージの蛇行による位置ずれを検出することができる。また、1個の撮像手段でも複数のマーキングの列を撮像して位置ずれを検出できるため露光装置のコストアップを抑えることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の発明において、前記記録ステージに1個あるいは複数個の測長部が設けられ、前記位置ずれ検出手段が、前記記録ステージのステージ面に対して前記記録ヘッドと前記記録ステージとの移動方向と交差する方向に配置され、前記記録ステージの前記測長部との距離を所定のタイミング毎に測長するレーザ測長器と、前記レーザ測長器により測長された前記記録ステージとの前記距離の変化に基づき前記交差方向への前記記録ステージの位置ずれを検出する第2の検出手段と、で構成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、レーザ測長器は、ステージ面に対して記録ヘッドと記録ステージとが相対的に移動する方向と交差する方向に配置されており、記録ステージの測長部との距離を所定のタイミング毎に測定することができる。ここで、記録ステージに蛇行による位置ずれが無い場合、記録ステージは移動方向へまっすぐに移動するため、移動方向と交差する方向に配置されているレーザ測長器により測長される測長部との距離は一定となる。よって、第2の検出手段では、所定のタイミング毎にレーザ測長器によって測定された記録ステージとの距離の変化から記録ステージの蛇行による位置ずれを検出できる。
このように、レーザ測長器によって所定のタイミングで測長することで、記録ステージの蛇行による位置ずれを検出することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の発明において、前記位置ずれ検出手段が、前記記録媒体へ所定の位置データ取得用パターンを露光する位置パターン露光手段と、前記位置パターン露光手段により露光された前記位置データ取得用パターンより求まる変位量データを前記記憶手段へ登録する登録手段と、で構成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、位置パターン露光手段は、所定の位置データ取得用パターンを露光するため、露光されたパターンの間隔等を計測することにより位置ずれを求めることができる。登録手段は、位置ずれから求められる変位量データを記憶手段へ登録できるため、記憶手段に記憶された変位量データに基づき蛇行による位置ずれが補正され、記録媒体に描画される画像の歪みを低減させることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項5記載の発明において、マーキングされたチャートを前記記録ステージ上へ載置することにより前記記録ステージ上に前記マーキングがされることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、マーキングされたチャートを載置することで記録ステージ上へマーキングをおこなうことができるため、マーキングの位置を適宜変更できる。また、マーキングが不要な場合は取り外すこともできる。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項8の何れか1項記載の発明において、前記位置ずれ検出手段が、全ての記録ヘッドの位置での前記位置ずれを検出することを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、位置ずれ検出手段は複数の位置での位置ずれ量を検出できるため、全ての記録ヘッドの位置で位置ずれを検出することにより、各記録ヘッドの補正を最適にさせることができる。
請求項10に記載の発明は、記録ステージ上に載置された記録媒体へ記録ヘッドから画像データに基づく光ビームを結像し、前記記録ヘッドと前記記録ステージとを相対的に移動させて、前記記録媒体に画像を露光する露光装置であって、前記記録ステージの移動に伴って発生する当該記録ステージのステージ面に対しての移動方向への位置ずれ及び前記移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、前記検出手段により検出された前記移動方向への位置ずれの変位量データ及び前記交差方向への位置ずれの変位量データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記移動方向への変位量データ基づいて前記画像データが形成する画像の前記交差方向に沿ったラインを間引き又は追加する変更を行う変更手段と、前記変更手段により変更された前記画像の各画素を前記記憶手段に記憶された前記交差方向への変位量データに基づきシフトさせるシフト手段と、前記シフト手段によりシフトされた前記画像の画像データに基づき、前記記録媒体への露光を制御する露光制御手段と、を有することを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、記録媒体が記録ステージ上に載置され、記録ステージが記録ヘッドと相対的に移動する際に、前記記録ヘッドから画像データに基づく光ビームが照射され、記録媒体に画像が露光される。
このとき、記録ステージには移動に伴って蛇行と供にピッチング振動とが発生する場合があり、このピッチング振動によって記録ステージの移動方向へも位置ずれが発生して記録媒体に描画されるパターンに歪みも生じる場合がある。このピッチング振動とは、記録ステージの垂直方向への円弧状の振り子振動を言い、ステージ面を傾斜させてしまうため、記録ステージの上方から照射される光ビームの光路長が変化し、この変化分がステージ面の走査ピッチのずれとなる。このピッチング振動は、露光装置の製作精度に依存して発生しており、記録ステージの移動に伴い再現性が高いため蛇行と同様に記録ステージの位置ずれに関するデータを事前に作成することが可能である。
このため、位置ずれ検出手段は記録ステージのステージ面に対しての移動方向への位置ずれ及び前記移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出し、移動方向への位置ずれの変位量データ及び交差方向への位置ずれの変位量データを記憶手段に記憶させる。変更手段は、記憶手段に記憶された移動方向への変位量データに基づき、画像データが形成する画像の交差方向に沿ったラインを間引き又は追加する変更を行って移動方向の位置ずれを補正する。そして、シフト手段は、記憶手段に記憶された交差方向への変位量データに基づき、変更された画像の各画素を交差方向へシフトさせて、記録ステージの交差方向の位置ずれを補正する。露光制御手段では、記録ステージの移動方向及び交差方向への位置ずれが補正された画像の画像データに基づいて記録媒体への露光を制御する。
このように、記録ステージには移動によって生じる移動方向及び交差方向への位置ずれに応じて描画される画像を補正することができるため、記録媒体に描画する画像を精細にすることができる。
請求項11に記載の発明は、記録ステージ上に載置された記録媒体へ直線状に配列された複数の記録ヘッドから画像データに基づく光ビームを結像し、前記記録ヘッドと前記記録媒体とを、前記記録ヘッドを配列した直線方向と交差する方向へ相対的に移動させて、前記記録媒体に画像を露光する露光装置であって、前記記録ステージの移動に伴って発生する当該記録ステージのステージ面に対しての移動方向への位置ずれ及び前記移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、前記検出手段により検出された前記移動方向への位置ずれの変位量データ及び前記交差方向への位置ずれの変位量データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記移動方向への変位量データ基づいて前記画像データが形成する画像の前記交差方向に沿ったラインを間引き又は追加する変更を行う変更手段と、前記変更手段により変更された前記画像を前記複数の記録ヘッドからそれぞれ露光する分割画像に分割する分割手段と、前記分割手段により分割された前記分割画像の各画素を前記記憶手段に記憶された前記交差方向への変位量データに基づきシフトさせるシフト手段と、前記シフト手段によりシフトされた前記分割画像をつなぎ目位置でトリミングするトリミング手段と、前記トリミング手段によりトリミングをされた前記分割画像の画像データに基づき、前記記録ヘッドによる前記記録媒体への露光を制御する露光制御手段と、を有することを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、記録媒体が記録ステージ上に載置され、記録ヘッドと記録媒体とを記録ヘッドを直線状に配列した方向と交差する方向へ相対的に移動させる際に、直線状に配列された複数の記録ヘッドから画像データに基づき光ビームが照射されて前記記録媒体に画像が露光される。
このとき、記録ステージには移動に伴って蛇行と供にピッチング振動とが発生する場合があり、このピッチング振動によって記録ステージの移動方向へも位置ずれが発生する場合がある。このため、位置ずれ検出手段は記録ステージのステージ面に対しての移動方向への位置ずれ及び前記移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出し、移動方向への位置ずれの変位量データ及び交差方向への位置ずれの変位量データを記憶手段に記憶させる。変更手段は、記憶手段に記憶された移動方向への変位量データ基づき、画像データが形成する画像の交差方向に沿ったラインを間引き又は追加する変更を行って移動方向の位置ずれを補正する。そして、画像分割手段は、画像データを直線状に配列された各記録ヘッドから記録媒体に露光するため、変更を行なった画像を各記録ヘッドが露光する分割画像に分割する。シフト手段は、各分割画像を記憶手段に記憶された交差方向への変位量データに基づきシフトして交差方向への位置ずれを補正する。トリミング手段は各分割画像を各記録ヘッドから露光するため、各分割画像をつなぎ目位置でトリミングを行い、露光制御手段はトリミングされた各分割画像の画像データに基づいて記録媒体への露光を制御する。
このように、複数の記録ヘッドによって画像を記録する場合でも、画像データが形成する画像を移動方向への位置ずれに応じて補正し、当該画像を記録ヘッド毎の画像に分割して、分割画像毎にシフトを行うことにより描画される画像の歪みを補正することができる。よって、記録媒体に描画する画像を精細にすることができる。
請求項12に記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記分割手段が、前記変更手段により変更された前記画像を前記各記録ヘッドで露光可能な画像領域毎に分割し、分割された前記画像領域に互いに隣接する前記画像領域を少なくとも前記記憶手段に記憶された前記交差方向への変位量データに基づく変位量の幅だけマージして前記分割画像とすることを特徴とする。
請求項12に記載の発明によれば、分割手段は画像データが形成する画像を記録ヘッドで露光可能な画像領域毎に分割し、互いに隣接する前記画像領域を少なくとも交差方向への変位量データに基づく変位量の幅だけマージしている。これにより、シフト手段が交差方向への変位量だけ分割画像をシフトしても、記録ヘッドは画像の露光を行うことができる。
請求項13に記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記分割手段が、前記変更手段により変更された前記画像を前記各記録ヘッドで露光可能な画像領域に互いに隣接する前記画像領域を少なくとも前記記憶手段に記憶された前記交差方向への変位量データに基づく変位量の幅だけ追加した領域毎に分割して前記分割画像とすることを特徴とする。
請求項13に記載の発明によれば、分割手段は画像データが形成する画像を記録ヘッドで露光可能な画像領域に互いに隣接する前記画像領域を少なくとも変位量データに基づく変位量の幅だけ追加した領域毎に分割している。これにより、別な処理としてマージを行う必要が無くなる。
請求項14に記載の発明は、請求項10乃至請求項13の何れか1項記載の発明において、前記記録ステージに前記記録ヘッドと前記記録ステージとの移動方向に沿って一定の間隔毎にマーキングが1列あるいは複数列なされ、前記位置ずれ検出手段が、前記記録ステージ上の前記マーキングの列を所定のタイミング毎に撮像する少なくとも1個の撮像手段と、前記撮像手段を前記交差方向へ移動させて前記マーキングの列をそれぞれ撮像可能とさせる移動手段と、前記撮像手段により撮像された前記マーキング画像から前記各マーキングの同一相対位置を検出する同一相対位置検出手段と、前記同一相対位置検出手段により検出された前記各マーキングの前記同一相対位置の前記マーキング画像内での位置に基づき前記記録ステージの前記移動方向及び前記交差方向への位置ずれを検出する第1の検出手段と、で構成されていることを特徴とする。
請求項14に記載の発明によれば、記録ステージには、記録ヘッドと記録ステージとが移動する方向に沿って一定の間隔に毎にマーキングが1列あるいは複数列なされている。撮像手段は所定のタイミング毎にマーキングの列を撮像する。また、撮像手段は移動手段により記録ヘッドと記録ステージとが移動する方向と交差する方向へ移動できるため、マーキングの各列を撮像することができる。さらに、同一相対位置検出手段は撮像手段により撮像されたマーキング画像から各マーキングの同一相対位置を検出する。ここで、マーキングは記録ヘッドと記録ステージとが移動する方向に沿ってなされており、所定のタイミング毎に撮像されているため、第1の検出手段では各マーキングの同一相対位置のマーキング画像内での位置から、記録ステージの移動方向及び交差方向への位置ずれを検出することができる。
このように、記録ステージのマーキングを所定のタイミング毎に撮像することによって記録ステージの移動方向及び交差方向への位置ずれを検出することができる。また、1個の撮像手段でも複数のマーキングの列を撮像して位置ずれを検出できるため露光装置のコストアップを抑えることができる。
請求項15に記載の発明は、請求項10乃至請求項13の何れか1項記載の発明において、前記記録ステージに1個あるいは複数個の測長部が設けられ、前記位置ずれ検出手段が、前記記録ステージのステージ面に対して前記交差方向に配置され、前記記録ステージの前記測長部との距離を所定のタイミング毎に測長する第1のレーザ測長器と、前記第1のレーザ測長器により測長された前記記録ステージとの前記距離の変化に基づき前記記録ステージの前記交差方向への位置ずれを検出する第2の検出手段と、前記記録ステージに対して前記移動方向に配置され、前記記録ステージとの距離を前記所定のタイミング毎に測長する第2のレーザ測長器と、前記第2のレーザ測長器を前記交差方向へ前記距離が測長可能な範囲内で移動させる第2の移動手段と、前記第2のレーザ測長器により測長された前記記録ステージとの前記距離が前記所定のタイミング毎に変化する間隔に基づき前記記録ステージの前記移動方向への位置ずれを検出する第3の検出手段と、で構成されていることを特徴とする。
請求項15に記載の発明によれば、第1のレーザ測長器は、ステージ面に対して記録ヘッドと記録ステージとが相対的に移動する方向と交差する交差方向に配置されており、記録ステージの測長部との距離を所定のタイミング毎に測定することができる。ここで、記録ステージに蛇行による位置ずれが無い場合、記録ステージは移動方向へまっすぐに移動するため、第1のレーザ測長器により測長される測長部との距離は一定となる。よって、第2の検出手段では、所定のタイミング毎に第1のレーザ測長器によって測定された記録ステージとの距離の変化から記録ステージの蛇行による位置ずれを検出できる。
また、第2のレーザ測長器は、記録ヘッドと記録ステージとが相対的に移動する移動方向に配置されており、記録ステージが移動する距離を上述した所定のタイミング毎に測定することができる。ここで、記録ステージにピッチング振動による位置ずれが無い場合、第2のレーザ測長器により所定のタイミング毎に測長される記録ステージとの距離は一定の間隔で変化する。よって、第3の検出手段では、所定のタイミング毎に第2のレーザ測長器によって測定された記録ステージとの距離が変化する間隔から記録ステージの位置ずれを検出できる。また、第2の移動手段は第2のレーザ測長器を記録ステージに対して交差方向へ移動させることができるため、複数の位置で位置ずれを検出することができる。
このように、第1のレーザ測長器及び第2のレーザ測長器を用いて所定のタイミング毎に測長を行うことによって記録ステージにマーキングを行う必要も無くなる。
請求項16に記載の発明は、請求項10乃至請求項13の何れか1項記載の発明において、前記位置ずれ検出手段が、前記記録媒体へ所定の位置データ取得用パターンを露光する位置パターン露光手段と、前記位置パターン露光手段により露光された前記位置データ取得用パターンより求まる前記移動方向への位置ずれの変位量データ及び前記交差方向への位置ずれの変位量データを前記記憶手段へ登録する登録手段と、で構成されていることを特徴とする。
請求項16に記載の発明によれば、位置パターン露光手段は、所定の位置データ取得用パターンを露光するため、露光されたパターンの間隔等を計測することにより移動方向及び交差方向への位置ずれを求めることができる。登録手段は、求められた移動方向への位置ずれの変位量データ及び交差方向への位置ずれの変位量データを記憶手段へ登録でき、これによって、記憶手段に記憶された移動方向への変位量データ及び交差方向への変位量データに基づき移動方向及び交差方向への位置ずれが補正することができる。よって、記録媒体に描画する画像を精細にすることができる。
請求項17に記載の発明は、請求項14記載の発明において、マーキングされたチャートを前記記録ステージ上へ載置することにより前記記録ステージ上に前記マーキングがされることを特徴とする。
請求項17に記載の発明によれば、マーキングされたチャートを載置することで記録ステージ上へマーキングをおこなうことができるため、マーキングの位置を適宜変更できる。また、マーキングが不要な場合は取り外すこともできる。
請求項18に記載の発明は、請求項10乃至請求項17の何れか1項記載の発明において、前記位置ずれ検出手段が、全ての記録ヘッドの位置での前記位置ずれを検出することを特徴とする。
請求項18に記載の発明によれば、位置ずれ検出手段は複数の位置での位置ずれ量を検出できるため、全ての記録ヘッドの位置で位置ずれを検出することにより、各記録ヘッドの補正を最適にさせることができる。
一方、請求項19に記載の発明は、記録ステージ上に載置された記録媒体へ記録ヘッドから画像データに基づく光ビームを結像し、前記記録ヘッドと前記記録ステージとを相対的に移動させて、前記記録媒体に画像を露光する露光方法であって、前記記録ステージの移動に伴って発生する当該記録ステージのステージ面に対しての移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出した前記位置ずれの変位量データを予め記憶手段に記憶しておき、前記画像データが形成する画像の各画素を前記記憶手段に記憶された前記変位量データに基づきシフトし、前記シフトした前記画像の画像データに基づき、前記記録媒体への露光を制御する、ことを特徴とする。
請求項19に記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様に作用するので、請求項1記載の発明と同様に、記録媒体に描画する画像を精細にすることができる。また、記憶手段に記憶された変位量データに基づきシフトが行われるため、露光処理での処理の負荷が軽減される。
また、請求項20に記載の発明は、記録ステージ上に載置された記録媒体へ直線状に配列された複数の記録ヘッドから画像データに基づく光ビームを結像し、前記記録ヘッドと前記記録媒体とを、前記記録ヘッドを配列した直線方向と交差する方向へ相対的に移動させて、前記記録媒体に画像を露光する露光方法であって、前記記録ステージの移動に伴って発生する当該記録ステージのステージ面に対しての移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出した前記位置ずれの変位量データを記憶手段に予め記憶しておき、前記画像データが形成する画像を前記複数の記録ヘッドからそれぞれ露光する分割画像に分割し、前記分割した前記分割画像の各画素を前記記憶手段に記憶された前記変位量データに基づきシフトし、前記シフトした前記分割画像をつなぎ目位置でトリミングし、前記トリミングをされた前記分割画像の画像データに基づき、前記記録ヘッドによる前記記録媒体への露光を制御する、ことを特徴とする。
請求項19に記載の発明によれば、請求項2記載の発明と同様に作用するので、請求項2記載の発明と同様に、複数の記録ヘッドによって画像を記録する場合でも、画像データを記録ヘッド毎の画像に分割して、分割画像毎にシフトを行うことにより描画される画像の歪みを補正することができる。よって、記録媒体に描画する画像を精細にすることができる。
また、請求項21に記載の発明は、記録ステージ上に載置された記録媒体へ記録ヘッドから画像データに基づく光ビームを結像し、前記記録ヘッドと前記記録ステージとを相対的に移動させて、前記記録媒体に画像を露光する露光方法であって、前記記録ステージの移動に伴って発生する当該記録ステージのステージ面に対しての移動方向への位置ずれを検出した前記移動方向への位置ずれの変位量データ及び前記移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出した前記交差方向への位置ずれの変位量データを記憶手段に予め記憶しておき、前記記憶手段に記憶された前記移動方向への変位量データ基づいて前記画像データが形成する画像の前記交差方向に沿ったラインを間引き又は追加する変更を行い、前記変更された前記画像の各画素を前記記憶手段に記憶された前記交差方向への変位量データに基づきシフトし、前記シフトした前記画像の画像データに基づき、前記記録媒体への露光を制御する、ことを特徴とする。
請求項21に記載の発明によれば、請求項10記載の発明と同様に作用するので、請求項10記載の発明と同様に、記録ステージには移動によって生じる移動方向及び交差方向への位置ずれに応じて描画される画像を補正することができるため、記録媒体に描画する画像を精細にすることができる。
また、請求項22に記載の発明は、記録ステージ上に載置された記録媒体へ直線状に配列された複数の記録ヘッドから画像データに基づく光ビームを結像し、前記記録ヘッドと前記記録媒体とを、前記記録ヘッドを配列した直線方向と交差する方向へ相対的に移動させて、前記記録媒体に画像を露光する露光方法であって、前記記録ステージの移動に伴って発生する当該記録ステージのステージ面に対しての移動方向への位置ずれを検出した前記移動方向への位置ずれの変位量データ及び前記移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出した前記交差方向への位置ずれの変位量データを記憶手段に予め記憶しておき、前記記憶手段に記憶された前記移動方向への変位量データ基づいて前記画像データが形成する画像の前記交差方向に沿ったラインを間引き又は追加する変更を行い、前記変更した前記画像を前記複数の記録ヘッドからそれぞれ露光する分割画像に分割し、前記分割した前記分割画像の各画素を前記記憶手段に記憶された前記交差方向への変位量データに基づきシフトし、前記シフトした前記分割画像をつなぎ目位置でトリミングし、前トリミングした前記分割画像の画像データに基づき、前記記録ヘッドによる前記記録媒体への露光を制御する、ことを特徴とする。
請求項22に記載の発明によれば、請求項11記載の発明と同様に作用するので、請求項11記載の発明と同様に、複数の記録ヘッドによって画像を記録する場合でも、画像データが形成する画像を移動方向への位置ずれに応じて補正し、当該画像を記録ヘッド毎の画像に分割して、分割画像毎にシフトを行うことにより描画される画像の歪みを補正することができる。よって、記録媒体に描画する画像を精細にすることができる。
以上説明した如く本発明では、記録ステージの蛇行によって生じる記録ステージの位置ずれを記録ヘッドの位置毎に検出し、検出された位置ずれの変位量データに基づき、画像をシフトさせることで蛇行によって生じる記録ステージの位置ずれを補正することができ、記録媒体に描画される画像の歪みを低減させることができるという優れた効果を有する。
(第1の実施の形態)
図1(A)及び図2には、第1の実施の形態に係るフラッドベッドタイプの露光装置10が示されている。
露光装置10は、棒状の角パイプを枠状に組み付けて構成された矩形状の枠体12に各部が収容されて構成されている。なお、枠体12には、図示しないパネルが張り付けられることで、内外を遮断している。
枠体12は、背高の筐体部12Aと、この筐体部12Aの一側面から突出するように設けられたステージ部12Bと、で構成されている。
ステージ部12Bは、その上面が筐体部12Aよりも低位とされ、作業者がこのステージ部12Bの前に立ったときに、ほぼ腰高の位置となっている。
ステージ部12Bの上面には、開閉蓋14が設けられている。開閉蓋14の筐体部12A側の一辺には、図示しない蝶番が取付けられており、この一辺を中心として、開閉動作が可能となっている。
開閉蓋14を開放した状態のステージ部12Bの上面には、記録ステージとしての露光ステージ16が露出可能となっている。
露光ステージ16は、定盤18の長手方向に沿って配設された一対の摺動レール20を介して支持され、露光ステージ16下部に設けたリニアモータ26(図2参照)の駆動力によって、図1(A)のy方向へ摺動可能となっている。また、図1(A)及び図2では図示を省略したが、露光ステージ16下部にはリニアエンコーダ27(図7参照)を設けており、露光ステージ16の移動に伴いパルス信号が出力され、パルス信号により露光ステージ16の摺動レール20に沿った位置情報及び走査速度が検出可能となっている。なお、第1の実施の形態のリニアエンコーダ27は、露光ステージ16が所定量(例えば、0.1μm)移動する毎にパルスを出力するようになっている。
露光ステージ16の上面には、記録媒体22が位置決めされるようになっている。
さらに、露光ステージ16上面の記録媒体22の一方の脇には、y方向に沿って所定の間隔(第1の実施の形態では、10.0mm間隔)毎にマーキング24がなされている(図1(A)の露光ステージ16上のマーキング24は精細すぎるため、y方向に沿った破線として描き、図1(B)にマーキング24の拡大図を示す)。
露光ステージ16における定盤18上での移動軌跡(図1(A)のy方向)のほぼ中間位置には、記録ヘッドとしての露光ヘッドユニット28が配設されている。
露光ヘッドユニット28は、前記定盤18の幅方向両端部の外側にそれぞれ立設された一対の支柱30に掛け渡されるように架設されている。すなわち、露光ヘッドユニット28と定盤18との間を前記露光ステージ16が通過するゲートが形成される構成である。
露光ヘッドユニット28は、複数のヘッドアッセンブリ28Aが前記定盤18の幅方向に沿って配列されて構成されており、前記露光ステージ16を往復移動させながら、所定のタイミングでそれぞれのヘッドアッセンブリ28Aから照射される複数の光ビーム(詳細後述)を前記露光ステージ16上の記録媒体22へ照射することで、感光材料を露光することができるようになっている。
図3(B)に示される如く、露光ヘッドユニット28を構成するヘッドアッセンブリ28Aは、m行n列(例えば、2行5列)の略マトリックス状に配列されており、これら複数のヘッドアッセンブリ28Aが前記露光ステージ16の移動方向(以下走査方向という)と直交する方向に配列される。第1の実施の形態では、記録媒体22の幅との関係で、2行で合計10個のヘッドアッセンブリ28Aとした。
ここで、1つのヘッドアッセンブリ28Aによる露光エリア28Bは、走査方向を短辺とする矩形状で、且つ、走査方向に対して所定の傾斜角で傾斜しており、露光ステージ16の移動に伴い、記録媒体22にはヘッドアッセンブリ28A毎に帯状の露光済み領域が形成される(図3(A)参照)。
図1(A)に示される如く、前記筐体部12A内には、前記定盤18上の露光ステージ16の移動を妨げない別の場所に光源ユニット31が配設されている。この光源ユニット31には複数のレーザー(半導体レーザー)を収容しており、このレーザーから出射する光を光ファイバー(図示省略)を介して、それぞれのヘッドアッセンブリ28Aへ案内している。
それぞれのヘッドアッセンブリ28Aは、前記光ファイバーによって案内され、入射された光ビームを空間光変調素子である図示しないデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)によって、ドット単位で制御し、記録媒体22に対してドットパターンを露光する。第1の実施の形態では、前記複数のドットパターンを用いて1画素の濃度を表現するようになっている。
図4に示される如く、前述した帯状の露光済み領域28B(1つのヘッドアッセンブリ28A)は、二次元配列(例えば4×5)された20個のドットによって形成される。
また、前記二次元配列のドットパターンは、走査方向に対して傾斜されていることで、走査方向に並ぶ各ドットが、走査方向と交差する方向に並ぶドット間を通過するようになっており、実質的なドット間ピッチを狭めることができ、高解像度化を図ることができる。
ここで、ステージ部12B(図1(A)参照)において、前記露光ステージ16上に位置決めされた記録媒体22への露光処理は、前記露光ステージ16に記録媒体22を載置し、定盤18上の摺動レール20に沿って奥側へ移動するとき(往路)ではなく、一旦、定盤18の奥側端部へ到達して、前記ステージ部12Bへ戻るとき(復路)に実行される。
すなわち、往路走行は、露光ステージ16上の記録媒体22の位置情報を得るための移動であり、この位置情報を得るためのユニットとして、定盤18上には、アライメントユニット32(図2参照)が配設されている。
アライメントユニット32は、前記露光ヘッドユニット28に沿って往路方向奥側の中央部に配置されており、往路走行時に前記露光ステージ16上の記録媒体22へ光を照射し、その反射光を撮影し、記録媒体22上のマークをする。
露光ステージ16と、記録媒体22とは、作業者が記録媒体22を載置することで、その相対位置関係が決まるため、若干のずれが生じることがある。前記撮影されたマークによって前記ずれが認識され、露光ステージ16と既知の相対関係となっている前記露光ヘッドユニット28による露光開始時期に補正をかけ、記録媒体22と画像との相対位置を所望の位置としている。
ところで、露光ステージ16には、移動に伴って蛇行が発生し、露光ステージ16に位置ずれが生じるため、露光ステージ16上の記録媒体22に露光される画像に歪みが生じてしまう。この蛇行は露光ステージ16の移動に伴う再現性が高いため予め蛇行による位置ずれを検出して補正を行うことにより、記録媒体22に露光される画像の歪みを補正することができる。
そこで、露光ステージ16の移動により発生する蛇行による露光ステージ16の位置ずれを検出するため、CCDカメラ34(図1参照)が配設されている。このCCDカメラ34は、露光ヘッドユニット28の往路方向手前側に配置されており、移動手段として内臓されたリニアモータにより、露光ヘッドユニット28の幅方向(図1のx方向)に設けられたレール35に沿って位置決めが可能となっており、露光ステージ16上のマーキング24を撮像することができる。このCCDカメラ34により撮像されたマーキング画像には、撮像したマーキング24の位置を判別可能な基準が設けられており(第1の実施の形態では、図5に示すようにx方向の中央を基準(0)とする。)、撮像されたマーキング24の画像内での位置から基準との位置ずれによる変位量を検出することができる。
すなわち、露光装置10では撮像タイミング毎にCCDカメラ34によりマーキング24を撮像して蛇行によって生じた位置ずれを検出し、画像データのシフトを行うことで記録媒体22に露光される画像の歪みを補正している。
なお、第1の実施の形態では、図6(A)に示すように露光ステージ16の一端側にマーキング24を1列設けているが、マーキング24を複数列、例えば、図6(B)に示すように両側部にそれぞれマーキング24を設けた場合、CCDカメラ34をレール35沿って移動させることによりそれぞれの位置で蛇行による位置ずれを検出することができる。また、CCDカメラ34により撮像する際に、図6(C)又は(D)に示すようなマーキングされたチャート(ガラス基板等)を露光ステージ16上に載置することにより位置ずれを検出するようにしてもよい。このように、CCDカメラ34がレール35沿って移動できるためヘッドアッセンブリ28Aの位置毎に蛇行による位置ずれを検出することもできる。
図7には、第1の実施の形態における露光装置10において、露光ステージ16の蛇行による位置ずれの検出及び露光を行う制御のための機能ブロック図が示されている。
撮像制御部100は、リニアエンコーダ27、CCDカメラ34及び画像記憶メモリ102と接続されている。撮像制御部100は、露光ステージ16の移動によって検出されるリニアエンコーダ27からのパルスを100,000パルス分カウントして求めた撮像タイミング毎にCCDカメラ34によって露光ステージ16上のマーキング24を撮像し、撮像したマーキング画像をCCDカメラ34に内蔵したリニアモータより求まるマーキング24の列の位置(図1のx方向の位置)と共に画像記憶メモリ102に記憶させる。なお、前記100,000パルスは、第1の実施の形態に適用されるリニアエンコーダ27が0.1μm移動する毎に1パルス出力されることから、マーキング24の間隔が10.0mmであるため、10.0mm/0.1μm(=100,000)とすることで、マーキング24の間隔に応じた撮像が可能となる。
画像記憶メモリ102は、撮像制御部100及び変位量算出部104と接続されている。画像記憶メモリ102は、撮像制御部100で撮像されたマーキング画像を記憶しており、マーキング画像は位置ずれ検出部104により読み出される。
変位量算出部104は、画像記憶メモリ102及び変位量記憶メモリ106と接続されている。変位量算出部104は、撮像制御部100により撮像されたマーキング画像からマーキング24の同一相対位置として重心の位置を求め、マーキング24の列毎に図5に示すように、基準(0)に対するマーキング画像内での重心の位置からの蛇行による露光ステージ16の変位量を検出する。ここで、マーキング24は間隔が10.0mmであるため、10.0mmの中間の部分の変位量を連続的に取得することができない。このため、変位量算出部104は、検出した変位量に基づき、補間処理を行って10.0mmの間の各位置での変位量を算出し、変位量記憶メモリ106に記憶させる。この補間処理では、図8に示すように、マーキング画像から求められた変位量(×印)を通過する蛇行による変位量の曲線(蛇行曲線)を求め、この蛇行曲線に基づき各マーキング24の間(10.0mmの中間)の部分の変位量が算出される。
変位量記憶メモリ106は、変位量算出部104及び画像シフト処理部118と接続されている。変位量記憶メモリ106には、蛇行曲線から算出された変位量(変位量データ)が記憶されており、露光処理時に画像シフト処理部118により変位量が読み出される。
データ入力部112は、画像分割部114と接続されている。データ入力部112には、記録媒体22上に露光される画像が入力される。入力された画像データは画像分割部114へ送出される。
画像分割部114は、データ入力部112及び分割画像記憶メモリ116と接続されている。露光装置10の露光ヘッドユニット28は、図3(B)に示すように複数のヘッドアッセンブリ28Aで構成されているため、画像分割部114は、データ入力部112より送出された画像データを図9に示すように各ヘッドアッセンブリ28A毎の画像データに分割し、分割画像記憶メモリ116に記憶させる。
分割画像記憶メモリ116は、画像分割部114及び画像シフト処理部118と接続されている。分割画像記憶メモリ116は、各ヘッドアッセンブリ28A用に分割された画像の画像データを記憶しており、各画像データは画像シフト処理部118により読み出される。
画像シフト処理部118は、分割画像記憶メモリ116、変位量記憶メモリ106及びドットパターン変換部120と接続されている。画像シフト処理部118は、ヘッドアッセンブリ28A毎に露光を行う画像データを分割画像記憶メモリ116より読み出す。ここで、図3(B)に示すように、ヘッドアッセンブリ28Aは2行に分かれており、先頭行と後方行には距離Lの差がある。よって、画像シフト処理部118が読み出す先頭行のヘッドアッセンブリ28A用の画像データと後方行のヘッドアッセンブリ28A用の画像データでは距離Lだけ異なる部分となる。さらに画像シフト処理部118は、読み出した各画像データに対して、変位量記憶メモリ106に記憶されている蛇行曲線に基づく変位量から画像シフト処理(後述)を行い、ドットパターン変換部120へ送出する。
この画像シフト処理では、まず、各ヘッドアッセンブリ28Aでシフトを行う変位量を求めるが、マーキング24が複数列あると図1のx方向の複数の位置で変位量が求まるため、各列の変位量から各ヘッドアッセンブリ28Aのx方向の位置での変位量を演算によって求める。この演算は、補間処理によって求めてもよいし、マーキング24の各列の変位量から近似する直線を演算して求めてもよい。これにより、各ヘッドアッセンブリ28Aの位置(x方向の位置)でのシフトを行う変位量を求めることができる。なお、マーキング24が1列しかない場合は、全ヘッドアッセンブリ28Aで1列分の変位量によるシフトが行われる。また、全てのヘッドアッセンブリ28Aの位置にマーキング24の列が設けられて変位量が求まっている場合は、各変位量をそのまま用いればよい。
画像シフト処理では、次に、図10に示すように、各ヘッドアッセンブリ28Aの画像データ(図10(A))の両端に隣接した画像領域を求めた各変位量の幅だけ分割画像記憶メモリ116より読み出してマージする(図10(B))(隣接した画像領域が無い場合は、余白(画像なし)領域を付加)。次に、隣接した画像領域が付加された画像全体を求めた各変位量に応じてシフトする(図10(C))。次に、シフトした画像に対して、つなぎ目位置でのトリミングを行い、ヘッドアッセンブリ28Aが露光を行う画像データを作成する(図10(D))。なお、この画像シフト処理では画像の画素単位でシフトさせるため、補正単位は画素のサイズで可能となる(第1の実施の形態では、画像サイズを2μmとする)。
ドットパターン変換部120は、画像シフト処理部118及び露光制御部122と接続されている。ドットパターン変換部120は、画像シフト処理部118より送出された各ヘッドアッセンブリ28Aの画像データをデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を制御するドット毎のデータ(ドットパターンデータ)に変換し、露光制御部122へ送出する。
露光制御部122は、ドットパターン変換部120、各ヘッドアッセンブリ28A及び各光源ユニット31と接続されている。露光制御部122は、ドットパターン変換部120により送出されたドットパターンデータに基づき複数のヘッドアッセンブリ28AのDMDドライバ130を制御してDMD132をオン/オフさせ、光源ユニット31の光源ドライバ136へ点灯信号を送出してLD138を点灯させて、記録媒体22上への画像露光処理を行う。
以下に第1の実施の形態の作用を説明する。
(変位量算出の流れ)
露光装置10では、CCDカメラ34が露光ステージ16のマーキング24を撮像可能な位置へレール35に沿って移動し、露光ステージ16を移動させながらマーキング24を撮像して蛇行曲線による変位量の算出が行われる。なお、露光ステージ16にマーキング24が複数列ある場合、変位量の算出が各列毎に複数回行われて各マーキング24の位置(CCDカメラ34のx方向の位置)毎に蛇行曲線が求められ、変位量が変位量記憶メモリ106へ記憶される。
以下、図11(A)に変位量算出に関する制御の流れを示す。
ステップ150では、露光ステージ16(図1参照)がリニアモータ26(図2参照)の駆動力により、定盤18の摺動レール20に沿ってステージ部12Bから筐体部12Aの奥側へ一定速度で移動され(往路移動)、往路端に至るとステップ152へ移行する。
ステップ152では、露光ステージ16が往路端に到達したため、移動する方向を折り返してステージ部12B方向へ一定速度で移動させ(復路移動)、ステップ154へ移行する。ここで、露光ステージ16には移動に伴って蛇行による位置ずれが発生する。
ステップ154では、露光ステージ16の移動によって発生するリニアエンコーダ27からのパルスを検出し、100,000パルスをカウントする毎にCCDカメラ34により、10mm間隔にマーキングされたマーキング24を撮像する。復路移動が完了し、1列を構成する全てのマーキング24が撮像されると、ステップ156へ移行する。
ステップ156では、撮像された各マーキング画像からマーキング24の重心の位置を求め、マーキング画像内での重心の位置から蛇行による位置ずれの変位量を求めてステップ158へ移行する。
ステップ158では、各マーキング24での変位量から補間処理により蛇行曲線を求め、蛇行曲線から算出される走査方向の各位置毎の変位量を変位量記憶メモリ106へ記憶させ、エンドへ移行する。
この変位量算出処理により変位量記憶メモリ106には、マーキング24の列毎に算出された変位量が記憶される。
(露光処理の流れ)
次に、算出された変位量に基づき補正が行われる露光処理について説明する。
露光装置10(図1(A)参照)は、記録媒体22が露光ステージ16に載置され、露光を行う画像データが入力されると、入力された画像データを各ヘッドアッセンブリ28A毎の画像データに分割し、さらに、変位量記憶メモリ106に記憶されている変位量に基づき画像シフト処理を行って露光用の画像データを作成する。この露光用の画像データはドットパターンデータに変換され、後述する露光開始時期となると記録媒体22上へ露光される。
記録媒体22を表面に吸着した露光ステージ16は、リニアモータ26(図2参照)の駆動力により、定盤18の摺動レール20に沿ってステージ部12Bから筐体部12Aの奥側へ一定速度で移動される(往路移動)。ここで露光ステージ16がアライメントユニット32を通過する際に、記録媒体22に予め付与されたマークを検出する。このマークは、予め記憶されたマークと照合され、その位置関係に基づいて露光ヘッドユニット28による露光開始時期が補正される。
露光ステージ16が往路端まで至ると、折り返してステージ部12B方向へ一定速度で戻ってくる(復路移動)。この復路移動中に露光ヘッドユニット28を通過すると前記補正された露光開始時期で露光処理が開始される。
露光処理が開始されると、露光制御部122では、上述のドットパターンデータに基づきDMDにレーザ光が照射され、DMDのマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光が光学系を介して記録媒体22(図1(A)参照)へと案内され、この記録媒体22上に結像される。
ここで、露光ステージ16が移動すると、移動によって露光ステージ16には蛇行が発生して表面に吸着した記録媒体22も共に蛇行するため露光ヘッドユニット28から光ビームが結像される位置にずれが発生する。しかし、記録媒体22上へ露光される画像は、ヘッドアッセンブリ28A毎の変位量に基づき、画像シフト処理が行われているため、記録媒体22に露光される画像の歪みを低減させることができる。
以下、図11(B)のフローチャートに従い露光処理制御の流れについて説明する。
露光装置10は、作業者により画像データが入力され、処理開始の制御が行われることでフローチャートに示す処理をスタートする。
ステップ200では、入力された画像データを各露光ヘッドユニット28の画像データに分割し、分割画像記憶メモリ116に記憶させ、ステップ202へ移行する。
ステップ202では、変位量記憶メモリ106に記憶されているマーキング24の列毎の蛇行曲線から算出された変位量に基づき、画像シフト処理を行って露光ヘッドユニット28毎の画像データが作成し、各画像データをドットパターンデータに変換して、ステップ204へ移行する。
ここで、第1の実施の形態の画像シフト処理では、画素が2.0μm単位であるため、画素毎にシフトにより2.0μm単位の補正が可能となる。蛇行曲線より算出される変位量が±1.0μm以内であれば画像シフト処理は行わないが、変位量が+1.0μmより大きい又は−1.0μmより小さい場合は必要画素数だけシフトを行い、蛇行による位置ずれと露光される画像のずれが毎回の変位量が±1.0μm以内となるように補正する。
例えば、図8の矢印t1の場合は、変位量が−1.0μmより小さいため、画素をマイナス側へ1画素(2.0μm)シフトする補正を行い、また、図8の矢印t2の場合は、変位量が+1.0μmより大きいため、画素をプラス側へ1画素(2.0μm)シフトする補正をおこなう。また、例えば、変位量が−4.0μmである場合は画素をマイナス側へ2画素(4.0μm)シフトする補正を行う。
なお、図12に図8の変位量に基づき画像シフト処理を行った結果を示す。図8の矢印t1、t2は、図12の矢印t3、t4のように補正される。なお、図13(A)に示すように、ヘッドアッセンブリ28Aは2行に分かれているため、先頭行のヘッドアッセンブリ28A用の画像データと後方行のヘッドアッセンブリ28A用の画像データは距離Lだけ異なる部分が読み出され、図13(B)に示すようにそれぞれの位置でシフトが行われる。
ステップ204では、露光ステージ16を一定速度で往路方向(図2のy軸、手前側から奥側)へ移動させて、アライメントユニット32による露光開始時期の補正が行われる。露光ステージ16が往路端まで至るとステップ206へ移行する。
ステップ206では、また、露光ステージ16を一定速度で復路方向(図2のy軸、奥側から手前側)へ移動させ、ステップ202により補正された露光開始時期となるとステップ208へ移行する。
ステップ208では、画像シフト処理された各画像データを変換したドットパターンデータに基づき前述の露光処理が実行される。記録媒体22へ全ての画像が露光されると、エンドへ移行して露光処理終了となる。
以上説明したように第1の実施の形態では、1台のCCDカメラ34を移動可能としたことにより露光ステージ16に発生する蛇行による変位量を複数の位置で検出でき、検出した変位量に基づきヘッドアッセンブリ28A毎に画像データの画像シフト処理を行うことで記録媒体に描画される画像に歪みを低減させることができる。
また、1台のCCDカメラ34で複数の位置の蛇行による変位量を検出できるため、製造コストのアップ分を少なく抑えることができる。
さらに、画像が描画される位置を変更して補正するため、位置ずれを補正するのに露光ステージ16を移動させる挙動を変更する必要が無い。
なお、第1の実施の形態の画像シフト処理(図10)は、シフト(図10(C))の後に、つなぎ目位置のトリミング(図10(D))(つなぎ目処理)を行ったが、つなぎ目処理(つなぎ目を目立たなくするための画像補正)を先に行い、その後シフトを行うことも可能である。
また、画像シフト処理では、各ヘッドアッセンブリ28Aの画像データ(図10(A))に各変位量の幅だけマージ(図10(B))を行ったが、画像分割部114(図7参照)が変位量記憶メモリ106から変位量を読み込んで画像データをヘッドアッセンブリ28A毎の画像データに分割する際に前記変位量の幅を予め追加して分割するようにしてもよい。この場合、画像シフト処理でのマージが不用となる。
また、第1の実施の形態では露光ステージ16上のマーキング24を撮像することにより蛇行による変位量を検出したが、図14(A)に示すように露光ステージ16のステージ面に対して走査方向と交差する方向に配置されたレーザ測長器42を用いて露光ステージ16の距離を測定して、距離の変化に基づき露光ステージ16の蛇行による変位量を検出してもよい。第1の実施の形態の場合、レーザ測長器42を変位量算出部104(図7参照)と接続し、変位量算出部104において撮像タイミング毎に測長される露光ステージ16との距離(図14(A)の距離t5参照)の変化から蛇行による変位量を検出できる。また、露光ステージ16に複数の測長部40(図14(B))を設けることにより、複数の位置での蛇行による変位量を検出することも可能となる。このように、レーザ測長器42を用いて蛇行による変位量を検出すると、露光ステージ16にマーキング24を行う必要が無くなる。
さらに、第1の実施の形態では、マーキング24の撮像を行って蛇行曲線を求めたが、露光処理の露光ステージ16の移動時にリアルタイムでマーキング24の撮像を行って、蛇行による変位量を検出してもよい。この場合、変位量検出部104(図7参照)は、撮像された画像から検出された変位量を画像シフト処理部118へ直接送り、画像シフト処理部118は、露光処理時にリアルタイムで分割された画像データのマージ及びシフト(画像シフト処理)を行い、ドットパターン変換部で120によりドットパターンへ変換して露光処理を行うようにすればよい。このリアルタイムの補正はレーザ測長器42を用いて変位量を検出した場合も同様に行うことができる。リアルタイムで補正を行うことにより、露光処理毎に発生する蛇行による位置ずれのわずかな違いも補正することができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施の形態の特徴は、露光装置10が位置データ取得用パターン画像を露光し、露光されたパターン画像を計測して蛇行による変位量を検出し、変位量算出部104へ検出した変位量を登録する点にある。
第2実施の形態の露光装置10は、CCDカメラ34及びレール35が設けられておらず、他は第1実施の形態の図1、図2と同様の構成であるため説明を省略する。
図15には、第2の実施の形態の機能ブロック図が示されている。なお、同一符号の個所は第1の実施の形態の図7と同様であるため説明を省略し、異なる部分についてのみ説明をする。
パターン入力部140は画像分割部114と接続されている。パターン入力部140は蛇行による変位量を検出するため位置データ取得用パターン画像の露光が指示されると、図6(D)に示すように複数列のマーキング24をパターン画像として画像分割部114へ送出する。このパターン画像の送出により、露光装置10では記録媒体22上への露光処理を行うが、露光ステージ16の移動によって蛇行が発生するため、実際に露光される画像には位置ずれが発生する。第2の実施の形態では記録媒体22に露光されたパターン画像のマーキング24の各列を作業者等によって測定することにより変位量を求める。
変位量登録部142は変位量算出部104と接続されている。変位量登録部142は求められた変位量の変位量算出部104への登録を行う。これにより、変位量算出部104では登録された変位量に基づき補間処理が行われ、蛇行曲線から算出される変位量が変位量記憶メモリ106に記憶される。
第2の実施の形態の露光装置10では、変位量記憶メモリ106に記憶された変位量によって第1の実施の形態と同様の露光処理が行われて蛇行による位置ずれが補正される。このため、露光装置10には蛇行を検出するためにCCDカメラ等を設ける必要がない。
以下に第2の実施の形態の作用を説明する。
図16には位置データ取得用パターン画像の露光及び変位量の取得に関するフローが示されている。
ステップ250では、位置データ取得用パターン画像の露光が指示されると図6(D)に示すパターン画像がヘッドアッセンブリ28A毎の画像データに分割され、さらに、ドットパターンデータに変換され、ステップ252へ移行する。なお、位置データ取得用パターン画像に対して画像シフト処理は行われない。
ステップ252では、露光ステージ16を一定速度で往路方向(図2のy軸、手前側から奥側)へ移動させて、アライメントユニット32による露光開始時期の補正が行われる。露光ステージ16が往路端まで至るとステップ254へ移行する。
ステップ254では、露光ステージ16を一定速度で復路方向(図2のy軸、奥側から手前側)へ移動させ、補正された露光開始時期となると、ドットパターンデータの露光処理が開始され記録媒体22へパターン画像が露光され、ステップ256へ移行する
ステップ256では、露光されたパターン画像の列毎に変位量を各マーキング24の位置から測定してステップ258へ移行する。ここで、図17(B)露光されたパターン画像を示す(図17では、複数列あるマーキング24のうち1列のみ表示している。)。位置データ取得用パターン(図17(A))のマーキング24の列は直線上に配置されているが、露光されたパターン画像には蛇行による位置ずれが発生しているため、各マーキング24毎に変位量が測定できる。
ステップ258では、各列の各マーキング24の位置での変位量の登録が行われ、登録された変位量に基づき補間処理が行われて蛇行曲線から算出される変位量が変位量記憶メモリ106に記憶され、エンドへ移行する。
これにより、変位量記憶メモリ106には各列の蛇行曲線から算出された変位量が記憶されているため、露光処理では蛇行による位置ずれを補正することができる。
このように、第2の実施の形態によれば、位置データ取得用パターン画像としてマーキング24を露光することにより蛇行による位置ずれを検出することができる。また、マーキング24を複数列設けることにより、各列で位置ずれが検出でき、マーキング24の列を露光する位置(x方向の位置)を変えることにより、露光ステージ16上の任意の位置で位置ずれ量を検出することもでき、各ヘッドアッセンブリ28Aの位置での位置ずれ量を検出することもできる。
(第3の実施の形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施の形態の特徴は、露光ステージ16の移動に伴って蛇行と供に発生するピッチング振動によるステージ面に対しての移動方向へのずれ及び移動方向と交差する交差方向へのずれによる変位量を検出し、画像データにより示される画像に対して検出した変位量データに基づいて移動方向及び交差方向への補正を行う点にある。
第3実施の形態に係る露光装置10は、マーキング24がy方向に沿って所定の間隔(第3の実施の形態では、50.0mm間隔)毎に設けられており、他は第1実施の形態の図1、図2と同様の構成であるため説明を省略する。
第3の実施の形態に係る露光装置10では、マーキング24を50.0mm間隔としたため、CCDカメラ34によってマーキング24を撮像する撮像タイミングは、リニアエンコーダ27からのパルスを500,000パルス(50.0mm/0.1μm=500,000)をカウントする毎のタイミングとしている。
また、第3実施の形態に係るCCDカメラ34によって撮像されたマーキング画像には、図18に示すように、中心を基準(0)として移動方向(y方向)及び移動方向と交差する交差方向(X方向)の位置を判別可能な基準が設けられており、マーキング画像内のマーキング24の位置から移動方向及び交差方向への変位量を検出することができるようになっている。なお、以下では、移動方向への変位量を移動方向変位量、交差方向への変位量を交差方向変位量をと言う。
図19には、第3の実施の形態の機能ブロック図が示されている。なお、同一符号の個所は第1の実施の形態の図7と同様であるため説明を省略し、異なる部分についてのみ説明をする。
変位量算出部304は、画像記憶メモリ102及び変位量記憶メモリ306と接続されている。変位量算出部304は、画像記憶メモリ102に記憶されている各マーキング画像(図18参照)を読み込み、各マーキング画像のマーキング24の同一相対位置として重心の位置を求め、各マーキング画像内での基準(0)に対する重心の位置から交差方向変位量、移動方向変位量を検出する。
そして、変位量算出部304は、各マーキング画像から各マーキング24の間隔毎の移動方向変位量を算出して変位量記憶メモリ106に記憶させる。すなわち、リニアエンコーダ27は、上述したように0.1μm移動する毎に1パルスを出力するため、露光ステージ16が500,000パルス分移動すると0.1μm×500,000パルス=50.0mmとなる。よって、各マーキング画像からを検出される移動方向変位量は、露光ステージ16にピッチング振動による移動方向への位置ずれが発生していない場合、一定となる。しかし、露光ステージ16にピッチング振動が発生すると、各マーキング画像からを検出される移動方向変位量は、図20に示すように一定とならならずに変化する。そこで、変位量算出部304は、図21に示すように、各マーキング24の間隔毎に発生した移動方向変位量を算出して変位量記憶メモリ106に記憶させる。
また、変位量算出部304は、検出した交差方向変位量に基づき、図8に示した第1の実施の形態と同様に、各々の交差方向変位量(×印)を通過する蛇行による変位量の曲線(蛇行曲線)を求め、この蛇行曲線に基づき各マーキング24の間(50.0mmの中間)の移動方向(y方向)の各位置での交差方向変位量を算出し、変位量記憶メモリ106に記憶させる。
変位量記憶メモリ306は、変位量算出部304、画像シフト処理部118、及び画像変更部308と接続されている。変位量記憶メモリ306は、変位量算出部304によって求められた交差方向変位量を交差方向への変位量データ変位量データ、移動方向変位量を移動方向への変位量データとして記憶する。
画像変更部308は、データ入力部112、画像分割部114及び変位量記憶メモリ306と接続されている。画像変更部308は、変位量記憶メモリ306から各マーキング24の間隔毎(図21参照)の移動方向変位量を読み込み、データ入力部112より入力する画像データが形成する画像に対して交差方向に沿ったラインを間引き又は追加する変更を行う。この間引き又は追加を行うラインの数は、画像データが形成する画像の移動方向の画素の間隔を考慮して決定しており、例えば、画素が2.0μm単位である場合、移動方向変位量が±1.0μm以内であれば変更を行わないが、移動方向変位量が+1.0μmより大きい場合は必要数だけ間引き、−1.0μmより小さい場合は必要数だけ追加して、移動方向変位量が±1.0μm以内となるように変更を行う。
なお、画像データが形成する画像におけるラインを間引く又は追加する位置は、当該移動方向変位量を算出したマーキング24の間隔に対応する範囲おいて間引き又は追加するラインの数に応じて均等な間隔とすることが好ましいが、当該範囲内であれば何れの位置でもよい。また、追加するラインの各画素は、追加する位置の前後のラインの画素から補正処理等により求めることが好ましいが、前後の何れか一方のラインと同一の画素を追加するようにしてもよい。さらに、マーキング24が1列しかない場合は、図22(A)に示すように、画像データにより形成される画像の全領域に対して1列分の移動方向変位量による変更を行うが、マーキング24が複数列ある場合は、マーキング24の列のX方向の位置に対応させて画像を移動方向に沿った矩形状の複数の領域に分け、各領域毎にラインの間引き又は追加の変更を行うようにすればよく、全てのヘッドアッセンブリ28Aの位置にマーキング24の列が設けられて移動方向変位量が求まっている場合は、図22(B)に示すように、各ヘッドアッセンブリ28A毎の画像データに分割される領域に分け、各領域毎にラインの間引き又は追加の変更を行えばよい。
以下に第3の実施の形態の作用を説明する。
図23(A)は、第3の実施の形態に係る変位量算出に関する制御の流れを示している。なお、図23(A)における図11(A)と同一符号箇所は同様の処理であるため説明を省略する。
ステップ354では、露光ステージ16の移動によって発生するリニアエンコーダ27からのパルスを検出し、500,000パルスをカウントする毎にCCDカメラ34により、50mm間隔にマーキングされたマーキング24を撮像する。復路移動が完了し、1列を構成する全てのマーキング24が撮像されると、ステップ356へ移行する。
ステップ356では、撮像された各マーキング画像からマーキング24の重心の位置を求め、マーキング画像内での重心の位置から交差方向変位量、移動方向変位量を検出してステップ358へ移行する。
ステップ358では、各マーキング24の移動方向変位量から、図21に示すように、各マーキング24の間隔毎に発生した移動方向変位量を算出して変位量記憶メモリ106に記憶させる。また、各マーキング24の交差方向変位量から補間処理により蛇行曲線を求め、蛇行曲線から算出される移動方向の各位置毎の交差方向変位量を変位量記憶メモリ106へ記憶させ、エンドへ移行する。
次に、図23(B)は、第3の実施の形態に係る露光処理制御に関する制御の流れを示している。なお、図23(B)における図11(B)と同一符号箇所は同様の処理であるため説明を省略する。
ステップ400では、変位量記憶メモリ306から各マーキング24の間隔毎に発生した移動方向変位量を読み込み、入力された画像データが形成する画像に対して交差方向に沿ったラインを間引き又は追加する変更を行い、ステップ401へ移行する。
例えば、図21に示されるように、0〜50[mm]の間での移動方向変位量が4.5μmである場合、露光ステージ16上の記録媒体において画像データに基づく画像が形成された場合に、画像データに基づく画像において50mmの位置の画素が記録媒体の50.0045mmの位置に記録され、記録媒体の50mmの位置の記録される画素は、画像データに基づく画像の49.9955mm((50mm)2/50.0045mm=49.9955mm)の位置の画素となる。このため、画像変更部308は、画像データが形成する画像の0〜50mmの範囲から2ラインの間引く変更を行う。これにより、画像データが形成する画像の0〜50mmの範囲が4.0μm(2×2.0μm=4.0μm)だけ短くなるため、50mmの位置の画素が記録媒体の50.0005mmの位置に記録されることになる。このように各マーキング24の間隔に対応する各領域でラインを間引き又は追加する変更を行なうことにより図20の変更結果に示すように、移動方向へのずれが補正される。
ステップ401では、変更された画像データを各露光ヘッドユニット28の画像データに分割し、分割画像記憶メモリ116に記憶させ、ステップ202へ移行する。
以上説明したように第3の実施の形態では、
露光ステージ16の移動に伴うステージ面に対しての移動方向への位置ずれ及び交差方向への位置ずれを検出して、移動方向変位量及び交差方向変位量を記憶させ、記憶した移動方向変位量に基づき、画像データが形成する画像の交差方向に沿ったラインを間引き又は追加する変更を行って移動方向の位置ずれを補正し、さらに、交差方向変位量に基づき、変更された画像の各画素を交差方向へシフトさせて、記録ステージの交差方向の位置ずれを補正し、補正された画像の画像データに基づいて記録媒体への露光を制御しているので、記録媒体に描画される画像の歪みを低減させ、画像を精細にすることができる。
また、第3の実施の形態に係る露光装置10は、CCDカメラ34(図1参照)をレール35沿って移動させることによりレール35沿った任意の位置で交差方向変位量及び移動方向変位量を検出することができるため、多数の位置で交差方向変位量及び移動方向変位量を検出し、画像データが形成する画像を複数の領域に分けて間引き又は追加する変更を行い、シフト処理を行うことにより、露光ステージ16の移動に伴い露光ステージ16に水平方向の回転する位置ずれが発生している場合であっても位置ずれを補正することも可能となる。
なお、第3の実施の形態では、露光ステージ16上のマーキング24を撮像することにより交差方向変位量及び移動方向変位量を検出したが、第1の実施の形態においてレーザ測長器42を設けたものに加えて、図24に示すように、露光ステージ16に対して垂直に測長部43を設けレーザ測長器44を用いて露光ステージ16の測長部43との距離(図232の距離t6)を撮像タイミング毎に測定して、撮像タイミング毎の距離が変化する間隔に基づき露光ステージ16のピッチング振動による移動方向変位量を検出してもよい。第3の実施の形態の場合、レーザ測長器44を変位量算出部104(図7参照)とさらに接続し、位置ずれ検出部104において撮像タイミング毎に測長される露光ステージ16の測長部43との距離が変化する間隔を50mm(撮像タイミング毎に露光ステージ16は500,000パルス×0.1μm(=50mm)移動するため)と比較することで移動方向変位量を検出できる。また、露光ステージ16上に複数の測長部43を設け、レーザ測長器44を図24のX方向へ移動可能とするレール及びモータ等を設けると、複数の位置での移動方向変位量を検出することも可能となる。このように、レーザ測長器44を用いて移動方向変位量を検出すると、露光ステージ16にマーキング24を行う必要が無くなる。
また、第3の実施の形態では、変位量記憶メモリ306に、図21に示すような各マーキング24の間隔毎に発生した移動方向変位量を算出して記憶するものとしたが、図20に示す各マーキング24の移動方向変位量を記憶するものとしてもよい。この場合は、画像変更部308において各マーキング24の間隔毎に発生した移動方向変位量を算出してラインを間引き又は追加する変更を行うようにすればよい。
また、第3の実施の形態に係る露光装置10は、第2の実施の形態と同様に、パターン入力部140、変位量登録部142を設け、記録媒体22に露光されたパターン画像のマーキング24の各列を作業者等によって測定することにより移動方向変位量及び交差方向変位量を求めて、変位量登録部142から登録を行う構成としてもよい。
さらに、上記第1〜第3の実施の形態では、記録ステージの搬送誤差による記録媒体への画像記録位置誤差を補正するための補正方法を、露光装置に適用した例について説明したが、この補正方法は、インクジェット方式等の種々の描画装置(描画方法)にも適用できる。すなわち、本発明は、記録ステージの搬送誤差に応じて補正された画像データを用いて記録媒体への画像記録を行う装置及び方法として構成することができる。
第1の実施の形態に係る露光装置の概略を示す斜視図である。 第1の実施の形態に係る露光装置の概略を示す側面図である。 (A)露光ヘッドユニットによる露光領域を示す平面図、(B)はヘッドアッセンブリの配列パターンを示す平面図である。 単一ヘッドアッセンブリのドットパターンの配列状態を示す平面図である。 第1の実施の形態に係るCCDカメラにより撮像されたマーキング画像を示す図である。 マーキングのパターンを示す図である。 第1の実施の形態に係る露光ステージの蛇行による位置ずれの検出及び露光を行う制御のための機能ブロック図である。 第1の実施の形態に係る蛇行による変位量を示す図である。 第1の実施の形態に係る入力画像データの分割処理を表す図である。 第1の実施の形態に係る画像シフト処理の流れを示す図である。 第1の実施の形態に係る撮像処理、変位量算出作成及び露光処理制御の流れを示すフローチャートである。 第1の実施の形態に係る図8の変位量に基づき画像を画像シフト処理した画像と露光ステージの蛇行によりずれた位置との変位量を示す図である。 第1の実施の形態に係るヘッドアッセンブリ28Aの先頭行と後方行での画像シフト処理後の露光用画像を示す図である。 レーザ測長器により露光ステージの蛇行による位置ずれ検出する構成の一例を示す図である。 第2の実施の形態に係る露光ステージの蛇行による位置ずれの検出及び露光を行う制御のための機能ブロック図である。 第2の実施の形態に係る撮像処理、位置データ取得用パターン画像の露光及び変位量の取得に関するフローチャートである。 第2の実施の形態に係る露光された位置データ取得用パターンを示す図である。 第3の実施の形態に係るCCDカメラにより撮像されたマーキング画像を示す図である。 第3の実施の形態に係る露光ステージの蛇行による位置ずれの検出及び露光を行う制御のための機能ブロック図である。 第3の実施の形態に係る露光ステージの移動に伴う移動方向変位量を示す図である。 第3の実施の形態に係る各マーキング間隔毎の移動方向変位量を示す図である。 第3の実施の形態に係る画像データが形成する画像似対してラインを間引く又は追加する変更を行った結果を示す概念図である。 第3の実施の形態に係る撮像処理、変位量算出作成及び露光処理制御の流れを示すフローチャートである。 レーザ測長器により露光ステージの移動方向及び交差方向の位置ずれ検出する構成の一例を示す図である。
符号の説明
10 露光装置
12 枠体
12A 筐体部
12B ステージ部
14 開閉蓋
16 露光ステージ(記録ステージ)
18 定盤
22 記録媒体
22P プリント配線基板
24 マーキング
26 リニアモータ
27 リニアエンコーダ
28 露光ヘッドユニット(記録ヘッド)
28A ヘッドアッセンブリ
28B 露光エリア
31 光源ユニット
32 アライメントユニット
34 CCDカメラ(撮像手段)
40 測長部
42 レーザ測長器(第1のレーザ測長器)
43 測長部
44 レーザ測長器(第2のレーザ測長器)
100 撮像制御部
102 画像記録メモリ
104 変位量算出部(位置ずれ検出手段、同一相対位置検出手段、第1の検出手段、第2の検出手段、第3の検出手段)
106 変位量記憶メモリ(記憶手段)
112 データ入力部
114 画像分割部(分割手段)
116 分割画像記憶メモリ
118 画像シフト処理部(シフト手段、トリミング手段)
120 ドットパターンデータ変換部
122 露光制御部(露光制御手段)
130 DMDドライバ
132 DMD
136 光源ドライバ
138 LD
140 パターン入力部(位置パターン露光手段)
142 変位量登録部(登録手段)
304 変位量算出部(位置ずれ検出手段)
306 変位量記憶メモリ(記憶手段)
308 画像変更部(変更手段)

Claims (22)

  1. 記録ステージ上に載置された記録媒体へ記録ヘッドから画像データに基づく光ビームを結像し、前記記録ヘッドと前記記録ステージとを相対的に移動させて、前記記録媒体に画像を露光する露光装置であって、
    前記記録ステージの移動に伴って発生する当該記録ステージのステージ面に対しての移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、
    前記検出手段により検出された前記位置ずれの変位量データを記憶する記憶手段と、
    前記画像データが形成する画像の各画素を前記記憶手段に記憶された前記変位量データに基づきシフトさせるシフト手段と、
    前記シフト手段によりシフトされた前記画像の画像データに基づき、前記記録媒体への露光を制御する露光制御手段と、
    を有することを特徴とする露光装置。
  2. 記録ステージ上に載置された記録媒体へ直線状に配列された複数の記録ヘッドから画像データに基づく光ビームを結像し、前記記録ヘッドと前記記録媒体とを、前記記録ヘッドを配列した直線方向と交差する方向へ相対的に移動させて、前記記録媒体に画像を露光する露光装置であって、
    前記記録ステージの移動に伴って発生する当該記録ステージのステージ面に対しての移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、
    前記検出手段により検出された前記位置ずれの変位量データを記憶する記憶手段と、
    前記画像データが形成する画像を前記複数の記録ヘッドからそれぞれ露光する分割画像に分割する分割手段と、
    前記分割手段により分割された前記分割画像の各画素を前記記憶手段に記憶された前記変位量データに基づきシフトさせるシフト手段と、
    前記シフト手段によりシフトされた前記分割画像をつなぎ目位置でトリミングするトリミング手段と、
    前記トリミング手段によりトリミングをされた前記分割画像の画像データに基づき、前記記録ヘッドによる前記記録媒体への露光を制御する露光制御手段と、
    を有することを特徴とする露光装置。
  3. 前記分割手段が、前記画像データが形成する画像を前記各記録ヘッドで露光可能な画像領域毎に分割し、分割された前記画像領域に互いに隣接する前記画像領域を少なくとも前記記憶手段に記憶された前記変位量データに基づく変位量の幅だけマージして前記分割画像とすることを特徴とする請求項2記載の露光装置。
  4. 前記分割手段が、前記画像データが形成する画像を前記各記録ヘッドで露光可能な画像領域に互いに隣接する前記画像領域を少なくとも前記記憶手段に記憶された変位量データに基づく変位量の幅だけ追加した領域毎に分割して前記分割画像とすることを特徴とする請求項2記載の露光装置。
  5. 前記記録ステージに前記記録ヘッドと前記記録ステージとの移動方向に沿って一定の間隔毎にマーキングが1列あるいは複数列なされ、
    前記位置ずれ検出手段が、前記記録ステージ上の前記マーキングの列を所定のタイミング毎に撮像する少なくとも1個の撮像手段と、
    前記撮像手段を前記移動方向と交差する方向へ移動させて前記マーキングの列をそれぞれ撮像可能とさせる移動手段と、
    前記撮像手段により撮像された前記マーキング画像から前記各マーキングの同一相対位置を検出する同一相対位置検出手段と、
    前記同一相対位置検出手段により検出された前記各マーキングの前記同一相対位置の前記マーキング画像内での位置に基づき前記交差方向への位置ずれを検出する第1の検出手段と、
    で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の露光装置。
  6. 前記記録ステージに1個あるいは複数個の測長部が設けられ、
    前記位置ずれ検出手段が、前記記録ステージのステージ面に対して前記記録ヘッドと前記記録ステージとの移動方向と交差する方向に配置され、前記記録ステージの前記測長部との距離を所定のタイミング毎に測長するレーザ測長器と、
    前記レーザ測長器により測長された前記記録ステージとの前記距離の変化に基づき前記交差方向への位置ずれを検出する第2の検出手段と、
    で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の露光装置。
  7. 前記位置ずれ検出手段が、前記記録媒体へ所定の位置データ取得用パターンを露光する位置パターン露光手段と、
    前記位置パターン露光手段により露光された前記位置データ取得用パターンより求まる変位量データを前記記憶手段へ登録する登録手段と、
    で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の露光装置。
  8. マーキングされたチャートを前記記録ステージ上へ載置することにより前記記録ステージ上に前記マーキングがされることを特徴とする請求項5記載の露光装置。
  9. 前記位置ずれ検出手段が、全ての記録ヘッドの位置での前記位置ずれを検出することを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項記載の露光装置。
  10. 記録ステージ上に載置された記録媒体へ記録ヘッドから画像データに基づく光ビームを結像し、前記記録ヘッドと前記記録ステージとを相対的に移動させて、前記記録媒体に画像を露光する露光装置であって、
    前記記録ステージの移動に伴って発生する当該記録ステージのステージ面に対しての移動方向への位置ずれ及び前記移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、
    前記検出手段により検出された前記移動方向への位置ずれの変位量データ及び前記交差方向への位置ずれの変位量データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記移動方向への変位量データ基づいて前記画像データが形成する画像の前記交差方向に沿ったラインを間引き又は追加する変更を行う変更手段と、
    前記変更手段により変更された前記画像の各画素を前記記憶手段に記憶された前記交差方向への変位量データに基づきシフトさせるシフト手段と、
    前記シフト手段によりシフトされた前記画像の画像データに基づき、前記記録媒体への露光を制御する露光制御手段と、
    を有することを特徴とする露光装置。
  11. 記録ステージ上に載置された記録媒体へ直線状に配列された複数の記録ヘッドから画像データに基づく光ビームを結像し、前記記録ヘッドと前記記録媒体とを、前記記録ヘッドを配列した直線方向と交差する方向へ相対的に移動させて、前記記録媒体に画像を露光する露光装置であって、
    前記記録ステージの移動に伴って発生する当該記録ステージのステージ面に対しての移動方向への位置ずれ及び前記移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、
    前記検出手段により検出された前記移動方向への位置ずれの変位量データ及び前記交差方向への位置ずれの変位量データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記移動方向への変位量データ基づいて前記画像データが形成する画像の前記交差方向に沿ったラインを間引き又は追加する変更を行う変更手段と、
    前記変更手段により変更された前記画像を前記複数の記録ヘッドからそれぞれ露光する分割画像に分割する分割手段と、
    前記分割手段により分割された前記分割画像の各画素を前記記憶手段に記憶された前記交差方向への変位量データに基づきシフトさせるシフト手段と、
    前記シフト手段によりシフトされた前記分割画像をつなぎ目位置でトリミングするトリミング手段と、
    前記トリミング手段によりトリミングをされた前記分割画像の画像データに基づき、前記記録ヘッドによる前記記録媒体への露光を制御する露光制御手段と、
    を有することを特徴とする露光装置。
  12. 前記分割手段が、前記変更手段により変更された前記画像を前記各記録ヘッドで露光可能な画像領域毎に分割し、分割された前記画像領域に互いに隣接する前記画像領域を少なくとも前記記憶手段に記憶された前記交差方向への変位量データに基づく変位量の幅だけマージして前記分割画像とすることを特徴とする請求項11記載の露光装置。
  13. 前記分割手段が、前記変更手段により変更された前記画像を前記各記録ヘッドで露光可能な画像領域に互いに隣接する前記画像領域を少なくとも前記記憶手段に記憶された前記交差方向への変位量データに基づく変位量の幅だけ追加した領域毎に分割して前記分割画像とすることを特徴とする請求項11記載の露光装置。
  14. 前記記録ステージに前記記録ヘッドと前記記録ステージとの移動方向に沿って一定の間隔毎にマーキングが1列あるいは複数列なされ、
    前記位置ずれ検出手段が、前記記録ステージ上の前記マーキングの列を所定のタイミング毎に撮像する少なくとも1個の撮像手段と、
    前記撮像手段を前記交差方向へ移動させて前記マーキングの列をそれぞれ撮像可能とさせる移動手段と、
    前記撮像手段により撮像された前記マーキング画像から前記各マーキングの同一相対位置を検出する同一相対位置検出手段と、
    前記同一相対位置検出手段により検出された前記各マーキングの前記同一相対位置の前記マーキング画像内での位置に基づき前記記録ステージの前記移動方向及び前記交差方向への位置ずれを検出する第1の検出手段と、
    で構成されていることを特徴とする請求項10乃至請求項13の何れか1項記載の露光装置。
  15. 前記記録ステージに1個あるいは複数個の測長部が設けられ、
    前記位置ずれ検出手段が、前記記録ステージのステージ面に対して前記交差方向に配置され、前記記録ステージの前記測長部との距離を所定のタイミング毎に測長する第1のレーザ測長器と、
    前記第1のレーザ測長器により測長された前記記録ステージとの前記距離の変化に基づき前記記録ステージの前記交差方向への位置ずれを検出する第2の検出手段と、
    前記記録ステージに対して前記移動方向に配置され、前記記録ステージとの距離を前記所定のタイミング毎に測長する第2のレーザ測長器と、
    前記第2のレーザ測長器を前記交差方向へ前記距離が測長可能な範囲内で移動させる第2の移動手段と、
    前記第2のレーザ測長器により測長された前記記録ステージとの前記距離が前記所定のタイミング毎に変化する間隔に基づき前記記録ステージの前記移動方向への位置ずれを検出する第3の検出手段と、
    で構成されていることを特徴とする請求項10乃至請求項13の何れか1項記載の露光装置。
  16. 前記位置ずれ検出手段が、前記記録媒体へ所定の位置データ取得用パターンを露光する位置パターン露光手段と、
    前記位置パターン露光手段により露光された前記位置データ取得用パターンより求まる前記移動方向への位置ずれの変位量データ及び前記交差方向への位置ずれの変位量データを前記記憶手段へ登録する登録手段と、
    で構成されていることを特徴とする請求項10乃至請求項13の何れか1項記載の露光装置。
  17. マーキングされたチャートを前記記録ステージ上へ載置することにより前記記録ステージ上に前記マーキングがされることを特徴とする請求項14記載の露光装置。
  18. 前記位置ずれ検出手段が、全ての記録ヘッドの位置での前記位置ずれを検出することを特徴とする請求項10乃至請求項17の何れか1項記載の露光装置。
  19. 記録ステージ上に載置された記録媒体へ記録ヘッドから画像データに基づく光ビームを結像し、前記記録ヘッドと前記記録ステージとを相対的に移動させて、前記記録媒体に画像を露光する露光方法であって、
    前記記録ステージの移動に伴って発生する当該記録ステージのステージ面に対しての移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出した前記位置ずれの変位量データを予め記憶手段に記憶しておき、
    前記画像データが形成する画像の各画素を前記記憶手段に記憶された前記変位量データに基づきシフトし、
    前記シフトした前記画像の画像データに基づき、前記記録媒体への露光を制御する、
    ことを特徴とする露光方法。
  20. 記録ステージ上に載置された記録媒体へ直線状に配列された複数の記録ヘッドから画像データに基づく光ビームを結像し、前記記録ヘッドと前記記録媒体とを、前記記録ヘッドを配列した直線方向と交差する方向へ相対的に移動させて、前記記録媒体に画像を露光する露光方法であって、
    前記記録ステージの移動に伴って発生する当該記録ステージのステージ面に対しての移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出した前記位置ずれの変位量データを記憶手段に予め記憶しておき、
    前記画像データが形成する画像を前記複数の記録ヘッドからそれぞれ露光する分割画像に分割し、
    前記分割した前記分割画像の各画素を前記記憶手段に記憶された前記変位量データに基づきシフトし、
    前記シフトした前記分割画像をつなぎ目位置でトリミングし、
    前記トリミングをされた前記分割画像の画像データに基づき、前記記録ヘッドによる前記記録媒体への露光を制御する、
    ことを特徴とする露光方法。
  21. 記録ステージ上に載置された記録媒体へ記録ヘッドから画像データに基づく光ビームを結像し、前記記録ヘッドと前記記録ステージとを相対的に移動させて、前記記録媒体に画像を露光する露光方法であって、
    前記記録ステージの移動に伴って発生する当該記録ステージのステージ面に対しての移動方向への位置ずれを検出した前記移動方向への位置ずれの変位量データ及び前記移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出した前記交差方向への位置ずれの変位量データを記憶手段に予め記憶しておき、
    前記記憶手段に記憶された前記移動方向への変位量データ基づいて前記画像データが形成する画像の前記交差方向に沿ったラインを間引き又は追加する変更を行い、
    前記変更された前記画像の各画素を前記記憶手段に記憶された前記交差方向への変位量データに基づきシフトし、
    前記シフトした前記画像の画像データに基づき、前記記録媒体への露光を制御する、
    ことを特徴とする露光方法。
  22. 記録ステージ上に載置された記録媒体へ直線状に配列された複数の記録ヘッドから画像データに基づく光ビームを結像し、前記記録ヘッドと前記記録媒体とを、前記記録ヘッドを配列した直線方向と交差する方向へ相対的に移動させて、前記記録媒体に画像を露光する露光方法であって、
    前記記録ステージの移動に伴って発生する当該記録ステージのステージ面に対しての移動方向への位置ずれを検出した前記移動方向への位置ずれの変位量データ及び前記移動方向と交差する交差方向への位置ずれを検出した前記交差方向への位置ずれの変位量データを記憶手段に予め記憶しておき、
    前記記憶手段に記憶された前記移動方向への変位量データ基づいて前記画像データが形成する画像の前記交差方向に沿ったラインを間引き又は追加する変更を行い、
    前記変更した前記画像を前記複数の記録ヘッドからそれぞれ露光する分割画像に分割し、
    前記分割した前記分割画像の各画素を前記記憶手段に記憶された前記交差方向への変位量データに基づきシフトし、
    前記シフトした前記分割画像をつなぎ目位置でトリミングし、
    前トリミングした前記分割画像の画像データに基づき、前記記録ヘッドによる前記記録媒体への露光を制御する、
    ことを特徴とする露光方法。
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