JP3897191B2 - 平面の段差計測装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体を平面の縦断方向に移動させつつ当該移動体から光を平面に向けて投光し、この投光結果に基づき平面の段差を計測する平面の段差計測装置に関し、特に車両が走行する路面の段差を3次元的に計測する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両が走行する路面の縦断方向、つまり車両進行方向に平行な方向の路面形状(縦断凹凸プロフィール)を計測する装置に関する発明として、従来、特願平2−46713号、特願平3−8442号、特願平4−29056号にみられるものがある。
【0003】
また、車両が走行する路面の横断方向、つまり車幅方向に平行な方向の路面形状(横断凹凸プロフィール)を計測する装置に関する発明として、従来、特公平3−55764号、実公平3−18882号、特開昭62−215816号、特開昭61−112918号にみられるものがある。
【0004】
たとえば、上記特願平2−46713号(発明の名称「平面の段差計測装置」)では、車両搭載の計測システムによって、車両が路面縦断方向に走行中、車両から路面に向けて射出されるレーザ光、超音波等の車両、路面間の往復伝搬時間を計時し、車両と路面との相対距離を検出し、この検出した相対距離から路面の縦断凹凸プロフィールを取得するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、近年、路面の凹凸プロフィールを3次元的に計測したいとの要請がある。このためには、同じ路面の縦断凹凸プロフィールと、横断凹凸プロフィールとを計測する必要がある。
【0006】
しかし、従来技術で掲げた方法は、いずれも路面の縦断凹凸プロフィールあるいは路面の横断凹凸プロフィールを、単独で計測する方法に関する発明であり、これら縦断方向の計測、横断方向の計測は、それぞれ独立したシステムで行うことを前提としたものである。
【0007】
したがって、同じ路面の縦断凹凸プロフィールと、横断凹凸プロフィールを計測するためには、2台の専用計測車を用意するか、縦断方向計測用のシステムおよび横断方向計測用のシステムの両方を搭載した1台の計測車を用意しなければならない。
【0008】
この結果、計測システムが複雑なものとなり、計測処理が繁雑になるという問題が招来する。とりわけ2台の専用計測車による計測の場合には、リアルタイムに3次元凹凸プロフィール(縦断凹凸プロフィールと横断凹凸プロフィール)を計測することができないという問題が招来する。
【0009】
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、同じ平面の縦断凹凸プロフィールと、横断凹凸プロフィールとを簡易なシステム構成で、簡易な処理にて同時に計測して、平面の3次元的な凹凸プロフィールを簡易かつリアルタイムに取得することができる平面の段差計測装置を提供することを解決課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段および効果】
そこで、この発明では、移動体を平面の縦断方向に移動させつつ当該移動体から光を平面に向けて投光し、この投光結果に基づき前記平面の段差を計測する平面の段差計測装置において、
前記移動体が移動した距離を検出する距離検出手段と、
前記移動体が所定距離移動する毎に、前記平面の横断方向に沿って少なくとも2本の光照射ラインが当該平面上に形成され、また当該少なくとも2本の光照射ラインが前記移動体の移動方向に互いに所定距離離間するように前記移動体から前記平面に向けて光を投光する投光手段と、
前記移動体が前記所定距離移動する毎に、前記投光手段によって前記平面に形成された少なくとも2本の光照射ラインを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された画像上の光照射ラインに沿って複数の横断方向ポイントを設定し、前記移動体が前記所定距離移動する毎に、これら光照射ライン上の各横断方向ポイントの画像上における位置を検出することによって、光照射ラインの各横断方向ポイントに対応して前記平面の横断方向の高さデータを取得する横断方向データ演算手段と、
前記横断方向データ演算手段の演算結果に基づいて、前記平面の縦断方向に沿って各移動距離毎の光照射ライン上の同一横断方向ポイントを結んだ縦断ラインを、光照射ラインの各横断方向ポイント毎に形成し、この縦断ラインの縦断方向の各縦断方向ポイントに対応して前記平面の縦断方向の高さデータを取得する縦断方向データ演算手段と、
前記距離検出手段の検出結果と、前記横断方向データ演算手段で取得された前記平面の横断方向の高さデータと、前記縦断方向データ演算手段で取得された前記平面の縦断方向の高さデータとを突き合わせることにより、前記平面の3次元の各位置における高さデータを取得する3次元データ演算手段と
を具え、
前記移動体が所定距離走行する毎に得られる少なくとも2本の光照射ラインの横断ポイントの高さデータから路面の鉛直方向変位を求めるようにしている。
【0011】
すなわち、かかる構成によれば、図1に示すように、移動体1が所定距離d移動する毎に、平面RDの横断方向Wに沿って少なくとも2本の光照射ラインLa、Lbが当該平面RD上に形成されるように移動体1から平面RDに向けて光Lsa、Lsbが投光される。
【0012】
そして、図4に示すように、移動体1が所定距離d移動する毎に、平面RDに形成された少なくとも2本の光照射ラインLa、Lbが撮像される(撮像面31)。
【0013】
そして、この撮像された画像31上の光照射ラインLa、Lbに沿って複数の横断方向ポイントP1、P2…P240が設定され、図5に示すように、移動体1が所定距離d移動する毎に、これら光照射ラインLa、Lb上の各横断方向ポイントP1、P2…P240の画像31上における位置T2、T1を検出することによって、図7に示すように、光照射ラインL1、L2…Lnの各横断方向ポイントP1、P2…P240に対応して平面RDの横断方向Wの高さデータL1h、L2h…L240hが取得される。
【0014】
そして、この演算結果に基づいて、図8に示すように、平面RDの縦断方向Fに沿って各移動距離d毎の光照射ラインL1、L2…Ln上の同一横断方向ポイントを結んだ縦断ラインM1、M2…M240が、光照射ラインの各横断方向ポイントP1、P2…P240毎に形成され、この縦断ラインM1、M2…M240の縦断方向Fの各縦断方向ポイントに対応して平面RDの縦断方向の高さデータM1h、M2h…M240hが取得される。
【0015】
そして、図9に示すように、距離検出手段の検出結果と、平面RDの横断方向の高さデータL1h、L2h…L240hと、平面RDの縦断方向の高さデータM1h、M2h…M240hとが突き合わされることにより、平面RDの3次元の各位置における高さデータ35が取得される。
【0016】
このように、本発明によれば、平面RDの横断方向Wに沿って少なくとも2本の光照射ラインLa、Lbを形成し、この光照射ラインLa、Lbの撮像結果に基づく演算によって、平面RDの横断方向の高さデータL1h、L2h…L240hと、縦断方向の高さデータM1h、M2h…M240hとが求められ、これら求められたデータを、距離検出結果に応じて突き合わせることで、平面RDの3次元の各位置における高さデータを取得するようにしたので、簡易なシステム構成でかつ簡易な処理にて、車両が走行する路面等平面の3次元的な凹凸プロフィールを簡易かつリアルタイムに取得することができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る平面の段差計測装置の実施の形態について説明する。本実施形態では、平面として、車両が走行する路面を想定している。
【0018】
図1は、本実施形態の装置構成を示すブロック図であり、路面計測用の車両1に、路面RDの段差を計測する計測装置が搭載されているものとする。
【0019】
同図1に示すように、この車両1は、その進行方向Fとは垂直な車幅方向Wに沿って光照射ラインLa、Lbを形成しつつ、走行するものであり、この路面RDに形成された光照射ラインLa、Lbの撮像結果に基づき路面RDの3次元的な凹凸プロフィール(段差)を計測するものである。
【0020】
なお、ここで、路面RDの縦断方向を、車両1の進行方向Fに平行な方向と、また、路面RDの横断方向を、車両1の車幅方向Wに平行な方向と定義する。
【0021】
車両1搭載の計測装置は、以下のような投光手段を具えている。
【0022】
すなわち、レーザ発振器3ではレーザ光が発振、出力され、このレーザ光が、集光レンズ4、ハーフミラー5に入射される。ハーフミラー5に入射されたレーザ光は、直進方向と直角方向(鉛直下方)とに分配される。直角方向に反射されたレーザ光は、スキャナ2aに入射される。スキャナ2aは、入射されたレーザ光を車幅方向W、つまり、路面RDの横断方向に走査しつつ路面RD上に投光するものである。この結果、スキャナ2aにより走査されたレーザ光Lsaは、路面RD上に横断方向Wに照射され、路面RD上には、その横断方向Wに沿った光照射像(これを光照射ラインという)Laが形成されることになる。
【0023】
一方、ハーフミラー5を直進方向に透過したレーザ光は、ミラー6によって直角方向(鉛直下方)に反射され、スキャナ2aから車両進行方向Fに所定距離dだけ離間されて配設されたスキャナ2bに入射される。このスキャナ2bは、上記スキャナ2aと同様のものであり、このスキャナ2bの走査の結果、路面RD上には、上記光照射ラインLaから車両進行方向Fに上記所定距離dだけ離間された位置に、路面横断方向Wに沿った光照射ラインLbが形成されることになる。
【0024】
これら2つのスキャナ2a、2bは同期して駆動されているので、車両1が走行中同時に2本の光照射ラインLa、Lbが形成されることになる。なお、これら2つのスキャナ2a、2bは、車両1が上記所定距離dだけ走行する毎に1走査がなされるように駆動制御される。
【0025】
車両1には、こうして投光手段によって路面RD上に形成された2本の光照射ラインLa、Lbを斜め上方から撮像する撮像手段であるTVカメラ10が配設されている。
【0026】
図2は、このTVカメラ10の撮像視野50を幾何的に説明する図である。
【0027】
すなわち、路面RDに段差があった場合に、TVカメラ10から遠い位置にある光照射ラインLbを検出できる高さ範囲は、50bに示される。一方、同じく路面RDに段差があった場合に、TVカメラ10に近い位置にある光照射ラインLaを検出できる高さ範囲は、50aに示される。したがって、TVカメラ10によって、これら2つの光照射ラインLa、Lbを同時に検出できる路面高さ範囲は、これら高さ範囲50a、50bの共通範囲である50abとなる。
【0028】
TVカメラ10では、このようにして路面RD上に形成された2本の光照射ラインLa、Lbの斜め上方からの撮像画像が取得される。
【0029】
この撮像画像上に示される2本の光照射ラインLa、Lbの形状(プロフィール)は、路面RDの横断方向Wの形状(プロフィール)を表している。
【0030】
ただし、ここで取得される撮像画像は、集光レンズ4等の歪みに起因する画像歪みがあるために、実際の路面形状とは異なる。そこで、レンズの歪み(ディストーション)とレンズの倍率のデータから画像歪みを補正する後述する補正処理がなされる。
【0031】
スキャナ2a、2bからそれぞれ射出されるレーザ光Lsa、Lsbは、ハーフミラー7a、7bを介して光検出部8に入力される。この光検出部8では、スキャナ2a、2bからレーザ光が射出されていることが検出される。さらに、1スキャン検出部9では、この光検出部8の検出信号に基づいて、射出されたレーザ光が一走査されたことが検出される。
【0032】
また、車両1のタイヤ20には、その回転量を検出することにより車両1の走行距離を検出する距離検出センサ21が付設されている。この距離検出センサ21の検出信号は、距離信号処理部22に入力され、この距離信号処理部22からは、車両1が所定距離d走行する毎に、所定距離d走行したことを示す信号が出力される。
【0033】
1スキャン検出部9の検出信号および距離信号処理部22の検出信号は、横断データ演算器11に入力される。一方、TVカメラ10の撮像信号についても、横断データ演算器11に入力される。TVカメラ10の撮像信号は、A/D変換器12によりアナログ/ディジタル変換されて、ピーク検出部13に入力される。
【0034】
このピーク検出部13における処理内容は、図4、図5に示される。
【0035】
図4は、上記スキャナ2a、2bにより1走査され、かつ車両1が所定距離dだけ走行する毎に取得されるTVカメラ10の撮像画像31を示している。撮像画像31が取得されるタイミング(1走査が終了し、かつ所定距離dだけ走行した時点)は、上記1スキャン検出部9の検出信号(1スキャン検出信号)および上記距離信号処理部22の検出信号(所定距離d走行終了検出信号)から得られる。
【0036】
この撮像画像31上には、光照射ラインLa、Lbに沿って240個の横断方向ポイント(位置)P1、P2…P240が設定される。そこで、これら光照射ラインLa、Lb上の各横断方向ポイントP1、P2…P240の画像31上における位置を検出することによって、光照射ラインLa、Lbの各横断方向ポイントP1、P2…P240に対応して路面RDの横断方向Wの高さデータが取得される。
【0037】
光照射ラインLa、Lb上の各横断方向ポイントP1、P2…P240の画像31上における位置は、画像31上を各ポイント毎に水平走査(HD)することによって検出される。たとえば、横断方向ポイントP240を例にとると、この横断方向ポイントP240の位置で水平走査(HD)すると、図5に示すように、1走査線(1HD)したときのビデオ信号のピーク33bの位置T1(基準線32に対する位置T1)が、光照射ラインLbの横断方向ポイントP240における路面RDの高さとなる。また、図5においてビデオ信号のピーク33aの位置T2(基準線32に対する位置T2)が、光照射ラインLaの横断方向ポイントP240における路面RDの高さとなる。
【0038】
他の横断方向ポイントP1…P239についても同様な処理がなされるので、図4に示すように、光照射ラインLaの各横断方向ポイントP1、P2…P240に対応して路面RDの横断方向Wの高さデータLahが取得されることになる。なお、光照射ラインLaの各ポイント間における高さは、補間によって求めるようにしてもよい。かかる補間によって光照射ラインLaの連続する各点についての高さデータを求めることができる。
【0039】
光照射ラインLbについても同様に、各横断方向ポイントP1、P2…P240に対応して路面RDの横断方向Wの高さデータLbh(各ポイント間については補間によって高さデータが求められる)が取得されることになる。
【0040】
ただし、撮像画像31上の各光照射ライン(像)La、Lbは、それぞれ集光レンズ4等の歪みに起因する画像歪みを有しているために、これを各光照射ラインLa、Lb毎に補正する処理が実行される。つまり、各光照射ラインLa、Lb毎の補正データが格納されている歪み補正テーブル14a、14bの記憶内容を読み出し、所定の補正演算が行われる。
【0041】
ここで、前述したように車両1が所定距離dだけ走行する毎にスキャナ2a、2bの走査により、距離dだけ離間した2本の光照射ラインLa、Lbが順次形成されていくので、車両進行方向、つまり路面RDの縦断方向Fには、所定距離dずつ離間された多数(n)の光照射ラインL1、L2…Lnが形成されることになる(図7参照)。そして、これら光照射ラインL1、L2…Lnに対応して、路面RDの横断方向Wの高さデータL1h、L2h…Lnhが取得されて、横断データ演算器11から出力される。
【0042】
なお、本実施形態では、1台のTVカメラ10にて、図4に示すように横断方向Wに240ポイントの大きさの撮像画像31を取得するようにしているが、2台のTVカメラを車幅方向に並べて設け、図10に示すように、右方向のTVカメラによって横断方向Wに240ポイント(P1、P2…P240)の画像34Rを撮像し、左方向のTVカメラによって横断方向Wに同じく240ポイント(P241、P242…P480)の画像34Lを撮像し、これら画像34R、34Lを合成することによって、1台のTVカメラ10により取得される画像31よりも横断方向Wに2倍広い画像34を取得するようにしてもよい。
【0043】
縦断データ演算器15では、横断データ演算器11の演算内容に基づいて、図8に示すように、路面RDの縦断方向Fに沿って各移動距離d毎の光照射ラインL1、L2…Ln上の同一横断方向ポイントを結んだ縦断ラインM1、M2…M240が、光照射ラインの各横断方向ポイントP1、P2…P240毎に形成され、この縦断ラインM1、M2…M240の縦断方向Fの各縦断方向ポイントに対応して平面RDの縦断方向の高さデータM1h、M2h…M240hが取得される。
【0044】
すなわち、図6に概念的に示すように、図4に示すTVカメラ10の撮像画像31の基準線32は、車両1が所定距離dだけ移動する毎に、車両1のピッチング等に起因して、二点鎖線にて示すように上下方向に揺動する。したがって、いま同一横断方向ポイントP120(縦断方向Fに平行なライン)に着目すると、この横断方向ポイントP120についての高さデータは、所定距離dだけ走行する毎(各光照射ラインL1、L2…Ln毎)に、基準高さ32が異なっていることになる。
【0045】
ここで、車両1の鉛直方向変位をX、路面RDの鉛直方向変位をYとし、所定距離d走行する毎に得られる光照射ラインLaの横断方向ポイントP120の高さデータをhA1、hA2…hAk…、所定距離d走行する毎に得られる光照射ラインLbの横断方向ポイントP120の高さデータをhB1、hB2…hBk…とすると、これらの間には下記(1)〜(4)式の関係が成立する。
【0046】
hAk−hA1=Yk−Xk …(1)
hBk−hB1=Yk+1−X1−Xk …(2)
ゆえに、
Xk=hA1−hAk+hB(k-1)−hB1+Xk-1+X1 …(3)
Yk=Xk+hAk−hA1 …(4)
したがって、横断データ演算器11で得られるポイントP120についての高さデータhAk、hBkを順次上記(3)、(4)式に代入すると、路面RDの鉛直方向変位Ykが順次求められる。この路面RDの鉛直方向変位Ykは、平面RDの縦断方向Fに沿って各移動距離d毎の光照射ラインL1、L2…Ln上の同一横断方向ポイントP120を結んだ縦断ラインM120の縦断方向Fの各縦断方向ポイントP120(L1上のポイント)、P120(L2上のポイント)…P120(Ln上のポイント)に対応した高さデータである。この高さデータをM120hとする。
【0047】
他のポイントP1〜P119、P121〜P240についても同様にして縦断ラインM1〜M119、M121〜M240が求められ、これらに対応した高さデータM1h〜M119h、M121h〜M240hが求められる(図8参照)。
【0048】
なお、縦断ラインMの各ポイント間における高さは、補間によって求めるようにしてもよい。かかる補間によって縦断ラインMの連続する各点についての高さデータを求めることができる。
【0049】
傾斜計23は、車両1のピッチング方向およびローリング方向の傾斜角を検出するセンサであり、ジャイロ等を用いて構成することができる。
【0050】
横断データ演算器11で演算された光照射ラインL1、L2…Lnの高さデータL1h、L2h…Lnhは、車両1のピッチング、ローリングに起因した誤差を含んでいる。また、縦断データ演算器15で演算された縦断ラインM1、M2…M240の高さデータM1h、M2h…M240hは、車両1のピッチングに起因した誤差を含んでいる。
【0051】
そこで、これら誤差が傾斜計23の検出信号に基づき、信号合成処理器16の傾き補正部17にて補正される。こうして傾きによる誤差が補正された光照射ラインの高さデータおよび縦断ラインの高さデータは、信号合成処理器16のタイミングコントローラ18に加えられる。
【0052】
このタイミングコントローラ18では、図9に示すように、距離信号処理部22の処理結果に基づいて、路面RDの横断方向の高さデータL1h、L2h…L240hと、路面RDの縦断方向の高さデータM1h、M2h…M240hとの位置合わせが行われる。
【0053】
この場合、縦断ラインM1、M2…M240の高さデータM1h、M2h…M240hについては、上記(1)〜(4)式によって車両1の鉛直方向の変動分がキャンセルされた路面RDの高さを表しているので、縦断ラインM上の各ポイントを固定して、このポイントに、対応する光照射ラインLのポイントを合わせるようにすればよい。
【0054】
たとえば、車両1が走行距離k・dだけ走行したときの光照射ラインは、Lk、Lk+1であるので、光照射ラインLk上のポイントP1、P2…P240を、ぞれぞれ縦断ラインM1、M2…M240上のラインLkに対応するk番目のポイントに合わせ、同様に、光照射ラインLk+1上のポイントP1、P2…P240を、ぞれぞれ縦断ラインM1、M2…M240上のラインLk+1に対応するk+1番目のポイントに合わせればよい。
【0055】
このようにして路面RDの3次元の各位置における高さデータ35(3次元形状データ)が取得される。
【0056】
信号合成処理器16からは、この3次元形状データが出力され、インターフェース24を介してデータ記録器25に記録されるとともに、信号合成処理器16の画像信号生成部19において、上記3次元形状データに応じた3次元的画像信号が生成され、これが表示器26に入力される。この結果、表示器26の表示画面上に路面RDの段差が3次元的に表示されることになる。
【0057】
なお、上記計測処理の条件を適宜変更する実施も可能である。
【0058】
たとえば、図3に示すように横断データ演算器11、縦断データ演算器15、信号合成処理器16の上位にデータ処理コントローラ30を設け、横断方向の高さデータ、縦断方向の高さデータを計測するサンプル間隔dの大きさなどの計測処理条件をこのデータ処理コントローラ30に入力することで、計測処理内容を変更することができる。たとえばサンプル間隔dを大きく設定することによって演算処理速度、車両1の走行速度を高めることができる。
【0059】
以上のように本実施形態によれば、路面RDの横断方向Wに沿って2本の光照射ラインLa、Lbを形成し、この光照射ラインLa、Lbの撮像結果に基づく演算によって、路面RDの横断方向の高さデータL1h、L2h…L240hと、縦断方向の高さデータM1h、M2h…M240hとが求められ、これら求められたデータを、距離検出結果に応じて突き合わせることで、路面RDの3次元の各位置における高さデータを取得し、これを表示等するようにしたので、簡易なシステム構成でかつ簡易な処理にて、車両が走行する路面の3次元的な凹凸プロフィールを簡易に取得することができるようになる。
【0060】
とりわけ、従来技術のごとく、横断方向の凹凸プロフィールと、縦断方向の凹凸プロフィールを、2台の車両を別途走行させることなく1台の車両によって同時に取得することができるので、3次元凹凸プロフィールがリアルタイムに計測されるという効果が得られる。
【0061】
なお、本実施形態では、車両が走行する路面の計測を想定しているが、本発明としては、平面、移動体の種類は任意である。たとえば工作機械の加工対象のワークに沿って移動する移動部材を設け、この移動部材を平面状のワークに沿って移動させつつ本実施形態と同様の計測処理を実行することによって、この平面状のワークの段差を計測することができる。
【0062】
また、本実施形態では、車両が所定距離移動する毎に、同時に横断方向に2本の光照射ラインLa、Lbを形成しているが、車両が所定距離移動する毎に1本の光照射ラインを形成することによっても本実施形態と同様の計測を行うことが可能である。さらに、車両が所定距離移動する毎に3本以上の光照射ラインを同時に形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る平面の段差計測装置の実施形態を示すブロック図である。
【図2】図2は図1に示すTVカメラの視野を幾何的に説明する図である。
【図3】図3は図1のブロック図の変形例を示す図である。
【図4】図4は図1に示すTVカメラの撮像画像を示す図である。
【図5】図5は図4に示す撮像画像の中から光照射ラインを検出する処理を説明する図である。
【図6】図6は路面の縦断方向の高さデータを計測する処理を説明する図である。
【図7】図7は光照射ラインの高さデータを説明する図である。
【図8】図8は縦断ラインの高さデータを説明する図である。
【図9】図9は図7に示す光照射ラインの高さデータと図8に示す縦断ラインの高さデータとから路面の3次元的な高さデータが得られる様子を説明する図である。
【図10】図10は図1に示すTVカメラを2台使用した場合に得られる撮像画像を示す図である。
【符号の説明】
1 車両
2a、2b スキャナ
10 TVカメラ
11 横断データ演算器
15 縦断データ演算器
16 信号合成処理器
Claims (4)
- 移動体を平面の縦断方向に移動させつつ当該移動体から光を平面に向けて投光し、この投光結果に基づき前記平面の段差を計測する平面の段差計測装置において、
前記移動体が移動した距離を検出する距離検出手段と、
前記移動体が所定距離移動する毎に、前記平面の横断方向に沿って少なくとも2本の光照射ラインが当該平面上に形成され、また当該少なくとも2本の光照射ラインが前記移動体の移動方向に互いに所定距離離間するように前記移動体から前記平面に向けて光を投光する投光手段と、
前記移動体が前記所定距離移動する毎に、前記投光手段によって前記平面に形成された少なくとも2本の光照射ラインを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された画像上の光照射ラインに沿って複数の横断方向ポイントを設定し、前記移動体が前記所定距離移動する毎に、これら光照射ライン上の各横断方向ポイントの画像上における位置を検出することによって、光照射ラインの各横断方向ポイントに対応して前記平面の横断方向の高さデータを取得する横断方向データ演算手段と、
前記横断方向データ演算手段の演算結果に基づいて、前記平面の縦断方向に沿って各移動距離毎の光照射ライン上の同一横断方向ポイントを結んだ縦断ラインを、光照射ラインの各横断方向ポイント毎に形成し、この縦断ラインの縦断方向の各縦断方向ポイントに対応して前記平面の縦断方向の高さデータを取得する縦断方向データ演算手段と、
前記距離検出手段の検出結果と、前記横断方向データ演算手段で取得された前記平面の横断方向の高さデータと、前記縦断方向データ演算手段で取得された前記平面の縦断方向の高さデータとを突き合わせることにより、前記平面の3次元の各位置における高さデータを取得する3次元データ演算手段と
を具え、
前記移動体が所定距離走行する毎に得られる少なくとも2本の光照射ラインの横断ポイントの高さデータから路面の鉛直方向変位を求めるようにした平面の段差計測装置。 - 前記移動体は、車両であり、前記平面は、前記車両が走行する路面である請求項1記載の平面の段差計測装置。
- 前記移動体の傾斜角を検出する傾斜角検出手段をさらに具えており、この傾斜角検出手段の検出結果に基づいて前記横断方向データ演算手段の高さデータおよび前記縦断方向データ演算手段の高さデータを補正するようにした請求項1または2記載の平面の段差計測装置。
- 前記投光手段は、前記移動体が所定距離移動する毎に、前記平面の横断方向に光を走査することによって、光照射ラインを前記平面上に形成する走査手段を含むものである請求項1記載の平面の段差計測装置。
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