JP4077755B2 - 位置検出方法、その装置及びそのプログラム、並びに、較正情報生成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のカメラで対象物を撮像した複数の画像から、その対象物の位置を検出する位置検出技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、CCD等の複数台のカメラによって、対象物の位置を検出するには、各カメラの位置と、各カメラで撮像した画像の対象物に対応する各画素とに基づいて、三角測量の原理で対象物までの距離を測定することにより行っていた。なお、この三角測量の原理で、対象物の位置を検出する手法では、各カメラのレンズ系が、ピンホールカメラモデルに基づいていることが前提となっている。このピンホールカメラモデルとは、図10に示すように、基点位置(針穴:ピンホールH)を通して入射する光(入射光)のみが、画像面上に到達して、3次元空間(x,y,z)が、画像面上の2次元空間(u,v)に対応付けられるモデルのことをいう。このようにピンホールカメラモデルは、入射光線が一点のピンホールを通って撮像画像として形成されることを想定している。
【0003】
しかし、このレンズ系を有するカメラによって撮像された画像には、非線形の歪みが存在し、周辺ほど歪みが大きいことが知られている。このため、この歪みを有する画像からは、正確な対象物の位置を検出することはできない。そこで、従来は、撮像された画像に対して補正を行うことで、位置検出の精度を改善する方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この特許文献1で公開されている方法では、まず、カメラで市松模様のパターン画像を撮像し、市松模様の交点(特徴点)を検出する。そして、パターン画像の歪みが少ない画像中央部の特徴点の配列から、画像全体の特徴点の基準位置を算出し、先に検出した特徴点を基準位置に補正するための補正関数を求める。そして、その補正関数によって、対象物を撮像した画像を補正する。
このように、従来は、カメラで撮影した画像の非線形の歪みを除去するため、ピンホールカメラモデルに基づいた画像特性を考慮して、画像を補正する手法がとられていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−274426号公報(第6−12頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来の技術は、レンズ系を有するカメラで撮像した画像において、周辺の歪みが大きいという事象から、画像の補正を行っており、その歪みの根本原因に基づいて補正を行ったものではない。例えば、特許文献1で公開された技術では、画像の歪みが少ない画像中央部の特徴点の配列から、画像全体の特徴点の基準位置を算出しているが、画像中央部においても歪みは存在しており、その歪みを含んだ画像から基準位置を算出している。このため、この技術を用いて補正(較正)された画像から、対象物の位置を検出することで、位置検出の精度を高めることはできるが、正確な位置検出を行うことはできないという問題があった。
【0007】
また、前記従来の技術における歪みの補正は、対象物とカメラとの距離に依存している。すなわち、レンズ系を有するカメラで撮像した画像の歪みは、対象物とカメラとの距離による歪み(誤差)の変化が非線形であるため、対象物の距離がわかっていれば、それに対応した補正関数を用いることで補正を行うことは可能である。しかし、対象物までの距離は測定するまで未知であるので、完全に補正(較正)を行うことはできなかった。
【0008】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、レンズ系を有するカメラで撮像した画像の歪みの根本原因を除去し、複数のカメラで対象物を撮像した複数の画像から、対象物の位置を正確に検出する位置検出方法、その装置及びそのプログラム、並びに、前記した位置検出方法、その装置及びその方法で用いる較正情報を生成する較正情報生成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために創案されたものであり、まず、請求項1に記載の位置検出方法は、複数のカメラで対象物を撮像した複数の画像に基づいて、前記対象物の位置を検出する位置検出方法であって、前記画像の画素位置と、前記カメラのレンズ系に入射される入射光線の方向及び基準位置から前記入射光線への変位量とを予め関連付けた較正情報を利用し、前記変位量に基づいて補正した基準位置から前記方向に対応する位置を前記対象物の位置として算出することとした。
【0010】
この方法によれば、位置検出方法は、カメラで対象物を撮像した画像の画素毎に、カメラのレンズ系の光学中心(optical center)に対して、そのレンズ系に入射される入射光線の方向及び基準位置から入射光線への変位量とを予め関連付けた較正情報により、カメラが対象物の位置に対応する画素として検出した画素のズレ量(変位量)を認識することができる。これによって、撮像した複数の画像毎に、対象物の位置に対応する画素の光学中心からのズレ量に基づいて、対象物の位置を補正することで、対象物の正確な位置を検出することができる。なお、この光学中心とは、レンズ系の中央位置を示し、ピンホールカメラモデルにおいては、ピンホールの位置に該当するものである。
【0011】
また、請求項2に記載の位置検出方法は、カメラで撮像される画像の画素位置と、入射光線の方向及び基準位置から前記入射光線への変位量とを関連付けた較正情報を、複数のカメラ毎に準備し、前記複数のカメラで対象物を撮像した複数の画像及び前記較正情報に基づいて、前記対象物の位置を検出する位置検出方法であって、前記複数の画像を入力する画像入力ステップと、この画像入力ステップで入力した各々の画像において、前記対象物に対応する画素位置を検出する画素位置検出ステップと、この画素位置検出ステップで検出した画素位置に基づいて、前記較正情報から、その画素位置に対応する入射光線の方向及びその変位量を取得し、この入射光線の方向及びその変位量を利用して、前記対象物の位置を算出する位置算出ステップと、を含むこととした。
【0012】
この方法によれば、位置検出方法は、画像入力ステップで、複数のカメラで対象物を撮像した複数の画像を入力し、画素位置検出ステップで、各々の画像において、対象物に対応する画素位置を検出する。そして、位置算出ステップで、カメラで撮像された画像の画素位置と、入射光線の方向及び特定の基準位置から入射光線への変位量とを関連付けた較正情報から、入射光線の方向及びその変位量を取得し、この入射光線の方向及びその変位量を利用して、対象物の位置を算出(検出)する。これによって、位置検出方法は、複数の撮像された画像から対象物の位置を検出する前に、各画像の対象物に対応する画素に入力される入射光線のズレ量を認識することができるため、そのズレ量に基づいて、対象物の正確な位置を補正して求めることができる。
【0013】
さらに、請求項3に記載の位置検出装置は、複数のカメラで対象物を撮像した複数の画像に基づいて、前記対象物の位置を検出する位置検出装置であって、前記複数の画像を入力する画像入力手段と、この画像入力手段で入力された各々の画像において、前記対象物に対応する画素位置を検出する画素位置検出手段と、前記画素位置と、前記対象物から入射される入射光線の方向及び基準位置から前記入射光線への変位量とを関連付けた較正情報を、前記複数のカメラ毎に蓄積した蓄積手段と、前記画素位置検出手段で検出された画素位置に基づいて、前記較正情報から、その画素位置に対応する入射光線の方向及びその変位量を取得し、この入射光線の方向及びその変位量を利用して、前記対象物の位置を算出する位置算出手段と、を備える構成とした。
【0014】
かかる構成によれば、位置検出装置は、画像入力手段によって、複数のカメラで対象物を撮像した複数の画像を入力し、画素位置検出手段によって、各々の画像において、対象物に対応する画素位置を検出する。そして、位置算出手段によって、その画素位置と、入射光線の方向及び特定の基準位置から入射光線への変位量とを関連付けた較正情報から、入射光線の方向及びその変位量を取得し、この入射光線の方向及びその変位量を利用して、対象物の位置を算出(検出)する。なお、較正情報は、カメラ毎に蓄積手段に蓄積しておく。これによって、位置検出装置は、複数の撮像された画像から対象物の位置を検出する前に、各画像の対象物に対応する画素に入力される入射光線のズレ量を認識することができるため、そのズレ量に基づいて、対象物の正確な位置を補正して求めることができる。
【0015】
また、請求項4に記載の位置検出装置は、請求項3に記載の位置検出装置において、前記画素位置検出手段が、前記対象物の位置を特定するマーカに基づいて、前記複数の画像毎に、前記対象物に対応する画素位置を検出することとした。
【0016】
かかる構成によれば、位置検出装置は、画素位置検出手段が、対象物の位置を特定するマーカに基づいて、対象物に対応する画素位置を検出するため、位置検出を行いたい部位のみを特定することができる。このとき、位置検出装置は、複数の画像からマーカの位置を検出する前に、各画像のマーカに対応する画素に入力される入射光線のズレ量を認識することができるため、そのズレ量に基づいて、マーカの正確な位置を補正して求めることができる。なお、このマーカは、形状が既知の対象物であれば、その特定位置、例えば物体のカドを用いることとしてもよい。
【0017】
さらに、請求項5に記載の位置検出プログラムは、カメラで撮像される画像の画素位置と、入射光線の方向及び特定の基準位置から前記入射光線への変位量とを関連付けた較正情報を、複数のカメラ毎に準備し、前記複数のカメラで対象物を撮像した複数の画像及び前記較正情報に基づいて、前記対象物の位置を検出するために、コンピュータを、以下の各手段によって機能させる構成とした。
【0018】
すなわち、前記複数の画像を入力する画像入力手段、この画像入力手段で入力された各々の画像において、前記対象物の対応する画素位置を検出する画素位置検出手段、この画素位置検出手段で検出された画素位置に基づいて、前記較正情報から、その画素位置に対応する入射光線の方向及びその変位量を取得し、この入射光線の方向及びその変位量を利用して、前記対象物の位置を算出する位置算出手段、とした。
【0019】
かかる構成によれば、位置検出プログラムは、画像入力手段によって、複数のカメラで対象物を撮像した複数の画像を入力し、画素位置検出手段によって、各々の画像において、対象物に対応する画素位置を検出する。そして、位置算出手段によって、その画素位置と、入射光線の方向及び特定の基準位置から入射光線への変位量とを関連付けた較正情報から、入射光線の方向及びその変位量を取得し、この入射光線の方向及びその変位量を利用して、対象物の位置を算出(検出)する。
【0020】
また、請求項6に記載の較正情報生成方法は、カメラの画素毎に光を照射し、その照射された前記画素毎の入射光線に基づいて、基準位置から前記各入射光線への変位量を算出し、前記入射光線の方向及び前記変位量を、画素位置に関連付けて、較正情報を生成することとした。
【0021】
この方法によれば、較正情報生成方法は、カメラの撮像を行う画素毎に入射光線を入射することで、画素毎の入射光線の方向を特定する。なお、この入射光線の方向は、入射光線の発光位置を少なくとも2点決めることで特定することができる。そして、特定の基準位置から各入射光線への変位量を算出することで、画素位置に、入射光線の方向及び変位量のデータを関連付けた較正情報を生成することができる。この較正情報のデータは、カメラの特性を数値化したキャリブレーションデータとなるものである。
【0022】
さらに、請求項7に記載の較正情報生成方法は、カメラで撮像される画像の画素位置と、入射光線の方向及び基準位置から前記入射光線への変位量とを関連付けた較正情報を生成する較正情報生成方法であって、第1光源位置から発光する光の強度が、前記カメラの測定画素で最も強くなるように、前記カメラの撮像方向を調整することで、前記カメラに対する前記第1光源位置の相対位置を測定する第1光源相対位置測定ステップと、第2光源位置から発光する光の強度が、前記カメラの測定画素で最も強くなるように、前記カメラの撮像方向を調整することで、前記カメラに対する前記第2光源位置の相対位置を測定する第2光源相対位置測定ステップと、前記第1光源位置及び前記第2光源位置の各相対位置に基づいて、前記測定画素に入射する入射光線を特定する入射光線特定ステップとを、測定画素数分繰り返し、測定を行った画素位置毎に特定された入射光線に基づいて、前記基準位置から前記入射光線への変位量を算出し、前記画素位置に、前記入射光線の方向及び前記変位量を関連付けて前記較正情報とすることとした。
【0023】
この方法によれば、較正情報生成方法は、第1光源相対位置測定ステップで、第1光源位置から発光する光の強度が、前記カメラの測定画素で最も強くなるように、前記カメラのパン及びチルトを変更することで撮像方向を調整し、前記カメラに対する前記第1光源位置の相対位置を測定する。ここで測定された第1光源位置の相対位置は、測定画素の入射光線を特定するための1点目の位置となる。
【0024】
また、較正情報生成方法は、第2光源相対位置測定ステップで、第1光源相対位置測定ステップと同様に、第2光源位置の相対位置を測定する。ここで測定された第2光源位置の相対位置は、測定画素の入射光線を特定するための2点目の位置となる。この2点の相対位置によって、測定画素の入射光線を特定することができる。
【0025】
そして、較正情報生成方法は、入射光線の特定を測定画素数分繰り返し、その入射光線に基づいて、基準位置から前記入射光線への変位量を算出し、前記画素位置に、前記入射光線の方向及び前記変位量を関連付けることで較正情報を生成する。これによって、カメラの特性を数値化することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下では、まず、一般にレンズ系を有するカメラで撮像された画像の歪みの原因となる、入射光線が一点で交わらないカメラの非ピンホール性について説明し、その非ピンホール性を有するカメラの特性を数値化したキャリブレーションデータについて説明する。そして、カメラで撮像された画素毎のキャリブレーションデータを測定して較正情報(較正テーブル)を生成する方法について説明する。そして、その較正情報(較正テーブル)を参照することで、撮像された画像の歪みを除去して対象物の位置を検出する位置検出装置について、順次説明していくこととする。
【0027】
[カメラの非ピンホール性について]
まず、図11を参照して、一般にレンズ系を有するカメラで撮像した画像において、歪みが発生する原因について説明する。図11は、レンズ系を有するモデルのカメラの模式図である。ここでは、説明を簡略化するため、レンズ系を板ガラスGとし、ピンホールHが生成されているものとする。このカメラCの板ガラスGに垂直に入射する入射光線r1は、ピンホールHを通って撮像面I上の画素R1に撮像される。また、板ガラスGに斜めに入射した入射光線r2及びr3は、板ガラスG内で屈折した後にピンホールHを通って撮像面I上の画素R2及びR3に撮像される。
【0028】
しかし、このカメラCは、板ガラスGを通過する前の入射光線r2及びr3の延長線であるr2´及びr3´と、入射光線r1とは、一点では交わらず、ピンホールカメラモデルとはなっていないことがわかる。このため、撮像面I上の画素R3には、ピンホールカメラモデルで想定している入射光線rrとは、距離D分だけずれた入射光線r3が撮像されることになる。
【0029】
このように、レンズ系(ここでは板ガラスG)に入射される入射光線によって像を撮像するカメラは、ピンホール性が崩れていることになる(非ピンホール性)。以下、レンズ系を有するカメラを「非ピンホールカメラ」と呼ぶこととする。
【0030】
[キャリブレーションデータについて]
次に、図12を参照して、非ピンホールカメラの特性を数値化したキャリブレーションデータについて説明する。図12は、キャリブレーションデータの内容を説明するための説明図である。図12に示すように、レンズlに入射する入射光線Rは2点で特定することができる。ここでは、第1の光源位置P1と、第2の光源位置P2とから発光される光が同一の撮像画素(図示せず)に撮像されたときに、入射光線Rがその撮像画素に対応する入射光線であると特定する。
【0031】
ここで、すべての入射光線との距離の自乗和が最小となる点を光学中心Oと定義し、各撮像画素に対応する入射光線Rと光学中心Oとの距離が最小となる点を、その入射光線Rの入射光基点Kと定義する。
【0032】
すなわち、光学中心O(x0,y0,z0)は、すべての入射光線において、光源位置P1(x1,y1,z1)と、光源位置P2(x2,y2,z2)とで特定される入射光線Rからの距離dの自乗((1)式)和が最小になる位置を、最小自乗法によって求めた位置となる。
【0033】
d2=-(A2/B)+C …(1)
【0034】
ただし、
A=(x2-x1)(x1-x0)+(y2-y1)(y1-y0)+(z2-z1)(z1-z0)
B=(x2-x1)2+(y2-y1)2+(z2-z1)2
C=(x1-x0)2+(y1-y0)2+(z1-z0)2
とする。
【0035】
これによって、画素位置毎に、光源位置P1及びP2で特定される方向と、光学中心Oから入射光基点Kへの変位量(3次元ベクトルVD(dx,dy,dz)で表現)とを関連付けたデータをキャリブレーションデータとすることで、非ピンホールカメラの特性を数値化することができる。
【0036】
なお、キャリブレーションデータは、これに限定されるものではない。例えば、前記した例では、光学中心Oを基準位置とし、光学中心Oから入射光線へ降ろした垂線の足までのベクトルを変位量VDとしているが、基準位置は、光学中心に限らず、カメラと一定関係にある固定点であれば、そのような点でも構わない。そして、変位量VDは、基準位置から入射光線上の任意の一点へ向かうベクトルであればよく、基準位置から入射光線へ降ろした垂線の足へ向かうベクトルには限られない。
【0037】
[較正情報(較正テーブル)生成方法]
次に、図1を参照して、非ピンホールカメラの特性を数値化したキャリブレーションデータを撮像画素毎に関連付けた較正情報として較正テーブルを生成する方法について説明する。図1は、較正テーブルを生成する方法の原理を示す概念図である。なお、図1(a)は、特定の入射光線に対して、カメラのパン及びチルトを変化させることで、キャリブレーションデータを測定する原理を示す概念図であり、図1(b)は、固定したカメラに対して、入射光線を変化させることで、キャリブレーションデータを測定する原理を示す概念図である。
【0038】
図1(a)に示すように、キャリブレーションデータを撮像画素毎に関連付けた較正テーブルを生成するには、非ピンホール性を有するカメラCに対して、光源位置をP1及びP2の1方向に移動させ(1軸移動)、光源位置P1及びP2で特定される入射光線Rを決定し、光源位置P1及びP2から発光される光が共に、測定を行う撮像画素(測定画素)に入射されるように、カメラCのパン及びチルトを調整(2軸回転)することで、カメラCの撮像画素毎に入射される入射光線Rの方向を特定する。
【0039】
また、図1(b)に示すように、カメラCは固定しておき、光源位置P1及びP2の2点で発光した入射光線Rが、測定画素に入射されるように、光源位置P1及びP2をXYZ方向に移動(3軸移動)させることで、その測定画素に入射される光源位置P1及びP2の2点で定まる入射光線Rの方向を特定することとしてもよい。
【0040】
図1(a)又は(b)で、測定を行った各撮像画素毎に特定された入射光線Rに基づいて、図12で説明したように、入射光線Rの方向と、光学中心Oから入射光基点Kへの変位量とをキャリブレーションデータとして撮像画素毎に関連付けることで較正テーブルを生成することができる。
【0041】
<較正情報生成装置の構成>
ここで、図2を参照して、較正情報生成方法を実現するための具体的な装置である較正情報生成装置の構成について説明する。図2は、カメラのキャリブレーションデータを撮像画素毎に測定し、較正情報である較正テーブルを生成する較正情報生成装置の全体図である。
【0042】
この較正情報生成装置100は、カメラCを支持し、カメラCをパン方向及びチルト方向に回動させるカメラ支持台110(回転ステージ)と、点光源Lをカメラ支持台110に対して前後、左右及び上下の3次元方向に移動させる3次元移動台120(XYZステージ)とを備えている。
【0043】
カメラ支持台110は、水平面上で垂直軸回りに回動自在なパンテーブル111と、水平軸回りに回動自在なようにパンテーブル111に支持されたチルトテーブル112とからなっており、チルトテーブル112にカメラCが支持されている。
【0044】
3次元移動台120は、カメラ支持台110に対して水平面上に前後方向に延設されたX軸レール121と、X軸レール121上を前後方向に移動し、左右方向に延設されたY軸レール122と、Y軸レール122上を左右方向に移動し、垂直方向に立設されたZ軸レール123とからなっており、Z軸レール123上に上下移動自在に点光源Lが設けられている。
【0045】
パンテーブル111及びチルトテーブル112は、パルスモータ等の回転駆動装置(図示せず)で駆動され、チルトテーブル112上に支持されているカメラCの視軸を上下左右に振ることが可能になっている。また、パンテーブル111及びチルトテーブル112の回転軸には、カメラCの視軸角度を得るために、ロータリエンコーダ等の回転角度計測器(図示せず)が設けられている。
【0046】
Y軸レール122、Z軸レール123及び点光源Lは、ラックピニオン機構等の、パルスモータの回転力を直線運動に変換する駆動装置(図示せず)で駆動されて、それぞれに対応するレール上を直線移動することが可能になっている。
【0047】
なお、図示していない前記回転駆動装置及び前記駆動装置は、制御装置(図示せず)によって制御され、前記回転角度計測器で計測されたカメラCの視軸角度と点光源Lの位置は、制御装置によって参照可能なように構成されているものとする。
【0048】
<較正情報生成装置の動作>
さらに、図3を参照(適宜図1及び図2参照)して、較正情報生成装置100が、較正情報を生成する動作について説明する。図3は、較正情報生成装置100が、図1(a)の手法によって、較正情報である較正テーブルを生成する動作を示すフローチャートである。
【0049】
まず、較正情報生成装置100は、点光源Lを特定の位置(光源位置P1)に設定し、光源位置P1の点光源Lから発光される光が、カメラCの測定画素位置に入射するように、パンテーブル111及びチルトテーブル112を回転(2軸回転)させ、その回転量であるパン量及びチルト量を取得する(ステップS1)。そして、この回転を行ったパン量及びチルト量に基づいて、光源位置P1のカメラCからの相対位置を測定する(ステップS2)。
【0050】
次に、較正情報生成装置100は、Y軸レール122をX軸レール121上でX方向(前又は後)に移動(1軸移動)させることで、点光源Lを光源位置P2に移動させる(ステップS3)。
【0051】
そして、較正情報生成装置100は、光源位置P2の点光源Lから発光される光が、カメラCの測定画素位置に入射するように、パンテーブル111及びチルトテーブル112を回転(2軸回転)させ、その回転量であるパン量及びチルト量を取得する(ステップS4)。そして、この回転を行ったパン量及びチルト量に基づいて、光源位置P2のカメラCからの相対位置を測定する(ステップS5)。
【0052】
このステップS2及びステップS5における、光源位置P1及び光源位置P2の各相対位置によって、測定画素位置に入射される入射光線Rを特定することができる。
【0053】
ここで、図4を参照(適宜図1及び図2参照)して、ステップS2及びステップS5における光源位置の相対位置を算出する方法について説明する。図4は、パン・チルトに伴うカメラと光源位置との相対関係を説明するための説明図である。
【0054】
この図4において、カメラ支持台(回転ステージ)110の固定の基準位置BにカメラCが搭載されているものとする。ここで、カメラ支持台110すなわちカメラCを、パン量“−θpan”及びチルト量“−θtilt”だけ回転させることで、カメラCから見える光源位置の方向は、カメラ支持台110の回転中心位置OTを中心として光源位置をθpan及びθtiltだけ回転させたときに見える方向に等しくなる。
【0055】
ここで、回転中心位置OTに対して、回転前の光源位置Pの座標を(x1,y1,z1)、回転量であるパン量及びチルト量をそれぞれθpan及びθtiltとすると、回転後の光源位置PRの座標(Rx1,Ry1,Rz1)は、(2)式で求めることができる。
【0056】
【数1】
【0057】
このように、カメラ支持台110が回転した後の、2点の光源位置の相対位置を求めることで、測定画素位置に入射される入射光線を特定することができる。すなわち、入射光線は、相対位置に変換された光源位置P1の座標を(xP1,yP1,zP1)、相対位置に変換された光源位置P2の座標を(xP2,yP2,zP2)とすると、tを実数として(3)式により特定することができる。
【0058】
【数2】
【0059】
図3に戻って、説明を続ける。
較正情報生成装置100は、予め定めた測定画素分の測定が終了したかどうかを判定し(ステップS6)、終了していない場合(No)は、ステップS1へ戻って、次の測定画素位置における入射光線の特定を行う。一方、予め定めた測定画素分の測定が終了した場合(Yes)は、測定画素分の入射光線の方向に基づいて、光学中心を算出する(ステップS7)。
【0060】
そして、較正情報生成装置100は、各撮像画素毎に、入射光線の方向と、基準位置からの変位量とを関連付けて較正テーブルを生成する(ステップS8)。また、測定を行っていない撮像画素については、近接する測定画素のデータから補間を行い生成するものとする。なお、測定画素位置は、カメラCのレンズの特性によって予め設定しておくものとする。例えば、レンズが魚眼レンズの場合は、5画素以下の間隔で、測定画素位置を設定し、それ以外のレンズの場合は、5〜10画素間隔で、測定画素位置を設定する。また、ここでは、各撮像画素毎に、入射光線の方向と基準位置からの変位量とを関連付けた較正テーブルを、較正情報として生成したが、所定の関数、例えば、前記した近接する測定画素のデータから補間を行う際の補間関数として生成することとしてもよい。あるいは、較正情報を、各画素位置から入射光線の方向への変換式や、各画素位置から変位量への変換式として生成することとしてもよい。
【0061】
なお、ステップS1及びステップS4におけるカメラCの回転方法については、図5を参照(適宜図2参照)して、さらに説明を行う。図5は、較正情報生成装置100が、測定画素位置に入射光線を入射させる動作を示すフローチャートである。
【0062】
図5に示すように、較正情報生成装置100は、まず、カメラCによって、画像(撮像画像)を取り込む(ステップS10)。なお、この撮像画像には、点光源Lだけしか写っていない状態、すなわち、黒い背景の画像上に白い点が写った状態であるものとする。
【0063】
そして、較正情報生成装置100は、撮像画像上の白い点(点光源P)の光の強度が最大(ピーク)となる位置(ピーク位置)を推定する(ステップS11)。
【0064】
ここで、図6を参照して、光の強度のピーク位置の推定について説明を行う。図6は、横軸に画素位置P(…,Pn-2,Pn-1,Pn,Pn+1,Pn+2,…)、縦軸に画素位置Pにおける光の強度(光強度I)を表したグラフである。このように、光強度Iは、ある撮像画素を中心とした広がりを持っている。
【0065】
そこで、光強度が最大となるピーク位置Peは、画素位置Pnに対応する光強度をIn、画素位置Pnに隣接する画素位置Pn-1及びPn+1に対応する光強度をIn-1及びIn+1とすると、(4)式及び(5)式によって求めることができる。
【0066】
In-1≦In+1の場合:
Pe=Pn+(In+1−In-1)/{2(In−In-1)} …(4)
【0067】
In-1>In+1の場合:
Pe=Pn+(In+1−In-1)/{2(In−In+1)} …(5)
【0068】
なお、このピーク位置Peの推定は、上下、左右の各方向に隣接する撮像画素の光強度から算出するものとする。
図5に戻って、説明を続ける。
【0069】
較正情報生成装置100は、ステップS11で推定した光強度が最大となるピーク位置と、測定画素位置との誤差が予め定めた閾値以下かどうかを判定し(ステップS12)、閾値以下の場合(Yes)は、ピーク位置が測定画素位置と一致したものとみなして動作を終了する。
【0070】
一方、誤差が予め定めた閾値よりも大きい場合(No)は、その誤差を角度値に変換して、パンテーブル111及びチルトテーブル112の回転量を算出する(ステップS13)。そして、較正情報生成装置100は、この回転量に基づいて、パンテーブル111及びチルトテーブル112を回転させ(ステップS14)、ステップS10へ戻ることで、光強度のピーク位置を測定画素位置に合わせる。
【0071】
以上、較正情報生成装置100が、図1(a)の手法によって、較正テーブルを生成する動作について説明したが、図1(b)の手法によって、較正テーブルを生成することも可能である。
【0072】
この場合は、カメラCを固定し、点光源Lから入射される入射光線の光強度が測定画素位置で最大(ピーク)になるように、点光源Lの位置をY方向及び/又はZ方向の正又は負の方向に移動させることで、光源位置P1を特定する。そして、点光源LとカメラCとの距離を変えて(X方向で移動)、前記と同様に、入射光線の光強度が測定画素位置で最大となるように、点光源Lの位置をY方向及び/又はZ方向の正又は負の方向に移動させることで、光源位置P2を特定する。このように、光源位置P1と光源位置P2とが決定されることで、入射光線Rの方向が特定されることになる。この動作を測定画素分繰り返し、前記した図3のステップS7及びステップS8の動作を行うことで、較正テーブルを生成することができる。
【0073】
[位置検出装置の構成]
次に、図7を参照して、位置検出装置について説明を行う。図7は、本発明の実施の形態である位置検出装置の構成を示したブロック図である。図7に示した位置検出装置1は、2台のカメラ(非ピンホールカメラ)Cで撮像された撮像画像から、対象物(マーカM)の3次元位置を検出するものである。ここでは、位置検出装置1を、画像入力手段10と、画素位置検出手段20と、較正テーブル蓄積手段30と、位置算出手段40とを備えて構成した。マーカMは、位置を検出する部位を特定するために、その部位に付す目印であって、特定の色や形状を有したシール、赤外線等を発光する発光ダイオード等である。
【0074】
画像入力手段10は、2台のカメラCで対象物(マーカM)を撮像した各々の撮像画像を入力するものである。なお、動画像として撮像画像を時系列に入力する場合は、カメラC1及びカメラC2で撮像された各撮像画像は、同期して画像入力手段10へ入力されるものとする。また、画像入力手段10には、カメラC1及びカメラC2で撮像された各撮像画像を一時的に記憶しておく、図示していないメモリを備えており、このメモリに記憶された撮像画像を、後記する画素位置検出手段20が参照するものとする。
【0075】
画素位置検出手段20は、画像入力手段10で入力された各撮像画像において、対象物に対応する画素位置を検出するものである。ここでは、撮像画像上でマーカMとして撮像された領域の重心位置を、対象物に対応する画素位置とする。ここで検出された各撮像画像の画素位置は、位置算出手段30へ入力される。
【0076】
較正テーブル蓄積手段(蓄積手段)30は、メモリ等の一般的な記憶媒体であって、カメラCの撮像画素毎にキャリブレーションデータを関連付けた較正テーブル31を、カメラCの数分蓄積したものである。ここで、較正テーブル31aは、カメラC1の較正テーブル、較正テーブル31bは、カメラC2の較正テーブルとする。なお、較正テーブル31の内容である各撮像画素毎のキャリブレーションデータは、図12で説明したように、各撮像画素に入射される入射光線の方向と、基準位置(光学中心O)から入射光線への変位量VDとを含んでいる。
較正テーブル(較正情報)31bは、図13に示すように、撮像画素のx座標、y座標の組み合わせに対し、その撮像画素に入射してくる入射光線を特定する情報として、光学中心Oからの変位量VD(dx,dy,dz)及び方向(角度)α、γが対応付けて記憶されている。
なお、ここでは、較正情報を、撮像画素毎に変位量VD及び方向(角度)α、γを対応付けた較正テーブルとして説明しているが、所定の関数や変換式によって表現しても構わない。
【0077】
位置算出手段40は、画素位置検出手段20で検出された各撮像画像毎の画素位置に対応した、較正テーブル31のキャリブレーションデータ(入射光線の方向及び変位量)に基づいて、対象物(マーカM)の位置(3次元位置)を算出するものである。
【0078】
以上、位置検出装置1の構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画素位置検出手段20は、カメラCで撮像した撮像画像を特定の大きさのブロックでマッチングを行うことで、対象物に対応する画素位置を検出することとしてもよい。
【0079】
また、ここでは、2台のカメラCで撮像した撮像画像に基づいて、対象物の位置を検出したが、3台以上のカメラを用いて位置を検出することも可能である。例えば、3行3列に配置した9台のカメラで、中央に配置したカメラを基準カメラとして、他の8台のカメラとの間で位置を検出し、その8個の位置で平均をとることで、対象物の位置をより正確に検出することもできる。
【0080】
なお、位置検出装置の各手段、すなわち、画像入力手段10、画素位置検出手段20及び位置算出手段40は、一般的なコンピュータにプログラムを実行させ、コンピュータ内の演算装置や記憶装置(較正テーブル蓄積手段30を含む)を動作させることにより実現される。
【0081】
[位置検出装置の動作]
次に、図8を参照(適宜図7参照)して、位置検出装置1の動作について説明する。図8は、位置検出装置1の動作を示すフローチャートである。
まず、位置検出装置1は、画像入力手段10によって、2台のカメラC(C1、C2)で撮像した撮像画像を入力する(ステップ20)。また、位置検出装置1は、画素位置検出手段20によって、画像入力手段10で入力された各撮像画像において、対象物(マーカM)に対応する画素位置を検出する(ステップS21)。
【0082】
そして、位置検出装置1は、位置算出手段40によって、カメラC(C1、C2)毎に対応する較正テーブル31(31a、31b)から、対象物(マーカM)の画素位置に対応するキャリブレーションデータを読み込み(ステップ22)、その各画素位置のキャリブレーションデータに基づいて、対象物(マーカM)の3次元位置を算出する(ステップS23)。
【0083】
ここで、図9を参照(適宜図7参照)して、ステップS23で行った対象物の3次元位置を算出する方法について具体的に説明する。図9は、対象物(マーカM)位置を算出する手法を説明するための説明図である。
【0084】
この図9において、カメラC1の撮像画像における、マーカMの画素位置に対応する変位量(較正テーブル31aから取得)に基づいて、カメラC1の光学中心を補正した補正光学中心O1を(x1,y1,z1)とする。また、カメラC2の撮像画像における、マーカMの画素位置に対応する変位量(較正テーブル31bから取得)に基づいて、カメラC2の光学中心を補正した補正光学中心O2を(x2,y2,z2)とする。
【0085】
また、カメラC1の撮像画像における、マーカMの画素位置に対応する入射光線の方向を水平角度α1、垂直角度γ1(較正テーブル31aから取得)とし、カメラC2の撮像画像における、マーカMの画素位置に対応する入射光線の方向を水平角度α2、垂直角度γ2(較正テーブル31bから取得)とする。ただし、ここではγ2は使用しないため図示していない。
この場合、対象物位置(Px,Py,Pz)は、(6)乃至(8)式で算出することができる。
【0086】
Px=(x1tanα1−y1−x2tanα2+y2)/(tanα1+tanα2) …(6)
Py=(Px−x1)tanα1+y1 …(7)
Pz=(Px−x1)tanγ1+z1 …(8)
【0087】
以上の動作によって、位置検出装置1は、非ピンホールカメラにおいて、正確に対象物の位置を検出することが可能になる。
なお、この位置検出装置1を、移動ロボット、自動車等に組み込んで用いることも可能である。例えば、移動ロボットに本発明を適用し、移動ロボットが、床の位置を検出することで、床の凹凸を正確に認識することができ、移動ロボットが安定した歩行を行うことが可能になる。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明に係る位置検出方法、その装置及びそのプログラム、並びに、較正情報生成方法では、以下に示す優れた効果を奏する。
【0089】
請求項1、2、3又は5に記載の本発明によれば、複数の撮像された画像から対象物の位置を検出する前に、各画像の対象物に対応する画素に入力される入射光線のズレ量を検出することができるため、画像の周辺での歪み(非線形)を根本的に除去することができ、対象物の正確な位置を検出することができる。
【0090】
請求項4に記載の発明によれば、マーカによって対象物の位置を検出するため、対象物に付したマーカの位置を検出することで、CG等で用いる3次元データを容易に取得することができる。なお、このマーカ位置は、撮像画像の周辺での歪み(非線形)を除去して検出した位置であるため、本発明によって、正確な3次元データを取得することができる。
【0091】
請求項6に記載の発明によれば、画素毎に、入射光線の方向と、その入射光線の基準位置(光学中心)からの変位量をもった、較正情報を生成することができる。この較正情報を、カメラの特性を示すデータ(キャリブレーションデータ)として使用することで、例えば、複数のカメラで対象物の位置を検出する際に、正確な位置を検出することが可能になる。
【0092】
請求項7に記載の発明によれば、予め入射光線を特定し、カメラのパン及びチルトを調整することで、入射光線の方向を特定することができるので、魚眼レンズのような広角レンズを備えたカメラであっても、容易に較正情報を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の較正情報を生成する方法の原理を示す概念図である。
【図2】本発明の較正情報を生成する方法を実現する較正情報生成装置の全体構成図である。
【図3】本発明の較正情報を生成する方法を実現する較正情報生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】パン・チルトに伴うカメラと光源位置との相対関係を説明するための説明図である。
【図5】較正情報生成装置が入射光線の方向を特定するための動作を示すフローチャートである。
【図6】光強度のピーク位置を推定する手法を説明するための説明図である。
【図7】本発明の位置検出装置の全体構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の位置検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】対象物の3次元位置を算出する方法を説明するための説明図である。
【図10】ピンホールカメラモデルの概念を説明するための説明図である。
【図11】カメラで撮像した画像に歪みが発生する原因を説明するための説明図である。
【図12】キャリブレーションデータを説明するための説明図である。
【図13】較正テーブルの内容を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 位置検出装置
10 画像入力手段
20 画素位置検出手段
30 較正テーブル蓄積手段(蓄積手段)
31(31a、31b) 較正テーブル(較正情報)
40 位置算出手段
100 較正情報生成装置
110 カメラ支持台
111 パンテーブル
112 チルトテーブル
120 3次元移動台
121 X軸レール
122 Y軸レール
123 Z軸レール
C カメラ
L 点光源
Claims (7)
- 複数のカメラで対象物を撮像した複数の画像に基づいて、前記対象物の位置を検出する位置検出方法であって、前記画像の画素位置と、前記カメラのレンズ系に入射される入射光線の方向及び基準位置から前記入射光線への変位量とを予め関連付けた較正情報を利用し、前記変位量に基づいて補正した基準位置から前記方向に対応する位置を前記対象物の位置として算出することを特徴とする位置検出方法。
- カメラで撮像される画像の画素位置と、入射光線の方向及び基準位置から前記入射光線への変位量とを関連付けた較正情報を、複数のカメラ毎に準備し、前記複数のカメラで対象物を撮像した複数の画像及び前記較正情報に基づいて、前記対象物の位置を検出する位置検出方法であって、
前記複数の画像を入力する画像入力ステップと、
この画像入力ステップで入力した各々の画像において、前記対象物に対応する画素位置を検出する画素位置検出ステップと、
この画素位置検出ステップで検出した画素位置に基づいて、前記較正情報から、その画素位置に対応する入射光線の方向及びその変位量を取得し、この入射光線の方向及びその変位量を利用して、前記対象物の位置を算出する位置算出ステップと、
を含んでいることを特徴とする位置検出方法。 - 複数のカメラで対象物を撮像した複数の画像に基づいて、前記対象物の位置を検出する位置検出装置であって、
前記複数の画像を入力する画像入力手段と、
この画像入力手段で入力された各々の画像において、前記対象物に対応する画素位置を検出する画素位置検出手段と、
前記画素位置と、前記対象物から入射される入射光線の方向及び基準位置から前記入射光線への変位量とを関連付けた較正情報を、前記複数のカメラ毎に蓄積した蓄積手段と、
前記画素位置検出手段で検出された画素位置に基づいて、前記較正情報から、その画素位置に対応する入射光線の方向及びその変位量を取得し、この入射光線の方向及びその変位量を利用して、前記対象物の位置を算出する位置算出手段と、
を備えたことを特徴とする位置検出装置。 - 前記画素位置検出手段は、前記対象物の位置を特定するマーカに基づいて、前記複数の画像毎に、前記対象物に対応する画素位置を検出することを特徴とする請求項3に記載の位置検出装置。
- カメラで撮像される画像の画素位置と、入射光線の方向及び特定の基準位置から前記入射光線への変位量とを関連付けた較正情報を、複数のカメラ毎に準備し、前記複数のカメラで対象物を撮像した複数の画像及び前記較正情報に基づいて、前記対象物の位置を検出するために、コンピュータを、
前記複数の画像を入力する画像入力手段、
この画像入力手段で入力された各々の画像において、前記対象物の対応する画素位置を検出する画素位置検出手段、
この画素位置検出手段で検出された画素位置に基づいて、前記較正情報から、その画素位置に対応する入射光線の方向及びその変位量を取得し、この入射光線の方向及びその変位量を利用して、前記対象物の位置を算出する位置算出手段、
として機能させることを特徴とする位置検出プログラム。 - カメラの画素毎に光を照射し、その照射された前記画素毎の入射光線に基づいて、基準位置から前記各入射光線への変位量を算出し、前記入射光線の方向及び前記変位量を、画素位置に関連付けて、較正情報を生成することを特徴とする較正情報生成方法。
- カメラで撮像される画像の画素位置と、入射光線の方向及び基準位置から前記入射光線への変位量とを関連付けた較正情報を生成する較正情報生成方法であって、
第1光源位置から発光する光の強度が、前記カメラの測定画素で最も強くなるように、前記カメラの撮像方向を調整することで、前記カメラに対する前記第1光源位置の相対位置を測定する第1光源相対位置測定ステップと、
第2光源位置から発光する光の強度が、前記カメラの測定画素で最も強くなるように、前記カメラの撮像方向を調整することで、前記カメラに対する前記第2光源位置の相対位置を測定する第2光源相対位置測定ステップと、
前記第1光源位置及び前記第2光源位置の各相対位置に基づいて、前記測定画素に入射する入射光線を特定する入射光線特定ステップとを、測定画素数分繰り返し、
測定を行った画素位置毎に特定された入射光線に基づいて、前記基準位置から前記入射光線への変位量を算出し、前記画素位置に、前記入射光線の方向及び前記変位量を関連付けて前記較正情報とすることを特徴とする較正情報生成方法。
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