JP2005003463A - キャリブレーションチャート画像表示装置、キャリブレーション装置、キャリブレーション方法 - Google Patents

キャリブレーションチャート画像表示装置、キャリブレーション装置、キャリブレーション方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カメラによるキャリブレーションシートの撮影が容易に行えるキャリブレーションチャート表示装置を提供すること。
【解決手段】所定のキャリブレーション撮影方向から撮影されたキャリブレーションチャート1の画像を記憶する校正画像記憶部59と、校正画像記憶部59に記憶されたキャリブレーションチャート画像を、前記キャリブレーション撮影方向と所定の画像回転角度に応じて表示するキャリブレーションチャート画像表示部61とを備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、カメラの画像歪曲を修正するのに必要とされる内部パラメータ{例えば、レンズの主点位置、画面距離(焦点距離)、歪曲パラメータ等}を測定するためのキャリブレーションチャートの表示装置に関する。また、本発明は、キャリブレーションチャート表示装置に表示されるキャリブレーションチャートを用いてカメラのキャリブレーションを行うキャリブレーション装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、写真測量や写真計測の分野では、収差の少ない画像を得ることが重要である。そこで、特許文献1に記載されているように、写真測量や写真計測の分野では、撮影用カメラのレンズとして収差が少ない高精度のレンズを使用している。さらに、写真測量分野では、精密に計測された三次元上に配置された多数の点を複数方向から計測することにより、カメラの内部パラメータ(主点位置、画面距離、歪曲パラメータ)を解析的に求めている。また、写真計測の分野で用いられる計測用カメラの場合は、製作されたカメラを精密に計測することにより、カメラの内部パラメータを求めている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−280956号公報 [0014]、図1
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、写真測量分野のように精密に計測された3次元上の測定点を撮影計測して、カメラ内部パラメータを求める方法では、以下の課題がある。
▲1▼3次元上に測定点(ターゲット)が配置されている。そこで、複数方向から撮影すると死角が生じて、画像間でみえないターゲットが生じる。
▲2▼撮影された画像において、3次元上の測定点相互の位置関係に逆転が生じる場合があり、測定点の計測や各画像間の対応付けが困難で、自動化できない。
▲3▼そこで、相当の熟練をした作業員により、測定点の計測や各画像間の対応付けを行っている。すると、カメラの内部パラメータを得るために、高額のコストと長時間の作業が必要となってくる。
また、製作された計測用カメラを精密に計測する方法も、専用の冶工具が必要なだけでなく、熟練を要し特殊な設備のある機関でしか計測できず、計測専用カメラとして高価になるという課題がある。
【0005】
そこで、近年では、3次元上の測定点に代わるものとして、シートに印刷された2次元の測定点を計ることにより、レンズ収差を計測するキャリブレーション方式が提案されている。しかし、シートに印刷された測定点を計測することによりレンズ収差を求める方法は、測定点が2次元状に配置されているために、レンズ収差を測定するカメラにより、キャリブレーションシートに印刷された測定点を複数の位置や方向(例えば正面・右上・右下・左上・左下のような5方向)から撮影する必要がある。すると、カメラによるキャリブレーションシートの撮影にはノウハウが必要で難しい、という課題がある。
【0006】
本発明は、上述する課題を解決したもので、第1の目的はカメラによるキャリブレーションシートの撮影が容易に行えるキャリブレーションチャート表示装置を提供することである。第2の目的は、キャリブレーションチャート表示装置に表示されたキャリブレーションチャートを用いて、カメラの画像歪曲を修正するのに必要とされる内部パラメータを容易に算出できるキャリブレーション装置及び方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のキャリブレーションチャート画像表示装置は、第1の目的を達成するもので、図1に示すように、所定のキャリブレーション撮影方向から撮影されたキャリブレーションチャート1の画像を記憶する校正画像記憶部59と、校正画像記憶部59に記憶されたキャリブレーションチャート画像を、前記キャリブレーション撮影方向と所定の画像回転角度に応じて表示するキャリブレーションチャート画像表示部61とを備えている。
【0008】
好ましくは、前記キャリブレーションチャート画像表示部61は、キャリブレーションチャート表示を白黒反転して表示可能に構成されているとよい。
【0009】
本発明のキャリブレーションチャート画像表示装置は、第1の目的を達成するもので、図1に示すように、所定のキャリブレーション撮影方向から、かつ所定の回転を施したキャリブレーションチャートを観察した状態の画像を形成する画像形成部51と、画像形成部51で形成されたキャリブレーションチャート画像を表示するキャリブレーションチャート画像表示部61とを備えている。
【0010】
好ましくは、画像形成部51は、特定方向から撮影されたキャリブレーションチャート1の画像を記憶する基準画像記憶部52と、基準画像記憶部52に記憶された画像を用いて、前記特定方向と前記キャリブレーション撮影方向との画像変換関係を適用して、前記キャリブレーション撮影方向のキャリブレーションチャート1の画像を形成する画像変換処理部53を備える構成とするとよい。画像形成部51は、さらに、基準画像記憶部52に記憶された画像を所定角度の回転処理して、任意の角度回転したキャリブレーションチャート1の画像を形成する画像回転処理部54を備えていてもよい。
【0011】
好ましくは、本発明のキャリブレーションチャート画像表示装置において、さらに、キャリブレーションチャート画像表示部61に表示されるキャリブレーションチャート画像を、被校正対象となる撮影装置19の撮影動作に連動して、順次選択する表示順序制御部55を備える構成とするとよい。
【0012】
好ましくは、本発明のキャリブレーションチャート画像表示装置において、表示順序制御部55は、さらに、キャリブレーションチャート画像表示部61が、キャリブレーションチャート画像を表示した後、撮影信号を撮影装置19に出力する撮影信号出力部56と、撮影装置19による前記キャリブレーションチャート画像の撮影完了信号を入力して、キャリブレーションチャート画像表示部61に対して、後続するキャリブレーションチャート画像の表示命令信号を出力する校正画像切換え指示部57とを備える構成とするとよい。
【0013】
好ましくは、本発明のキャリブレーションチャート画像表示装置において、さらに、キャリブレーション対象となる撮影装置19から取得された焦点距離情報に応じて、キャリブレーションチャート画像表示部61に表示されるキャリブレーションチャート画像の大きさ又は密度の少なくとも一方を変更する焦点距離修正制御部58を備える構成とするとよい。
【0014】
本発明のキャリブレーション装置は、第2の目的を達成するもので、図15に示すように、キャリブレーションチャート画像表示装置50に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャート1を、被校正撮影装置19で撮影した複数のチャート撮影画像を用いて、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを求めるキャリブレーション装置であって、次の構成としたものである。即ち、前記チャート撮影画像に対して前記マークを抽出する為のテンプレートを作用させて、前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識するマーク認識部73と、マーク認識部73で認識されたマークの、前記チャート撮影画像での対応位置を探索するマーク位置探索部74と、マーク位置探索部74で選定されたマーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する内部パラメータ演算部75と備えている。
【0015】
好ましくは、キャリブレーションチャート1は、概括的な位置関係を定める概括基準マークと、当該概括基準マークよりも多数配置されると共に詳細な位置関係を定める詳細基準マークとを前記マークとして有し、マーク認識部73は、前記概括基準マークのマーク認識と、前記概括基準マークを用いて前記詳細基準マークのマーク認識を行ない、マーク位置探索部74は、前記概括基準マークの対応位置の探索と、前記概括基準マークの対応位置を用いて前記詳細基準マークの対応位置を探索し、内部パラメータ演算部75は、マーク位置探索部74で選定された前記概括基準マークと前記詳細基準マークのマーク位置と、キャリブレーションチャート1での概括基準マークと詳細基準マークのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する構成とするとよい。
【0016】
好ましくは、本発明のキャリブレーション装置において、さらにキャリブレーションチャート1の画像回転情報を取得する画像回転情報取得部80と、前記画像回転情報に基づき、前記テンプレート姿勢を回転処理するテンプレート姿勢調整部81とを備え、マーク認識部73はテンプレート姿勢調整部81で回転処理されたテンプレートを用いて前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識する構成とするとよい。
【0017】
好ましくは、本発明のキャリブレーション装置において、図22に示すように、さらに、マーク認識部73のテンプレートの作用としてのテンプレート走査方向を複数設定するテンプレート走査方向設定部83と、テンプレート走査方向設定部83で設定された複数のテンプレート走査方向により前記テンプレートを作用させて、最適なテンプレート走査方向を選択する画像回転適応処理部84とを備え、前記マーク認識部は、画像回転適応処理部84で選択されたテンプレート走査方向を用いて前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識する構成とするとよい。
【0018】
好ましくは、本発明のキャリブレーション装置において、図15に示すように、さらに、キャリブレーションチャート1の画像回転情報を取得する画像回転情報取得部80と、前記画像回転情報に基づき、マーク認識部73のテンプレートの作用としてのテンプレート走査方向を調整するテンプレート走査方向調整部82を備える構成とするとよい。
【0019】
本発明のキャリブレーション装置は、第2の目的を達成するもので、図25に示すように、キャリブレーションチャート画像表示装置50に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャート1を、被校正撮影装置19で撮影した複数のチャート撮影画像を用いて、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを求めるキャリブレーション装置であって、次の構成としたものである。即ち、キャリブレーションチャート1の画像回転情報を取得する画像回転情報取得部80と、前記画像回転情報に基づき、前記チャート撮影画像から画像回転の影響を除去する画像回転初期化部85と、画像回転初期化部85で初期化されたチャート撮影画像に対して、前記マークを抽出する為のテンプレートを作用させて、前記初期化されたチャート撮影画像に存在する前記マークを認識するマーク認識部86と、マーク認識部86で認識されたマークの、前記初期化されたチャート撮影画像での対応位置を探索するマーク位置探索部87と、マーク位置探索部87で探索されたマーク位置を、当初チャート撮影画像の画像回転情報に基づいて変換するマーク位置回転処理部88と、マーク位置回転処理部88で変換されたマーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する内部パラメータ演算部89とを備えている。
【0020】
本発明のキャリブレーション装置は、第2の目的を達成するもので、図28に示すように、キャリブレーションチャート画像表示装置50に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャート1を、被校正撮影装置19で撮影した複数のチャート撮影画像を用いて、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを求めるキャリブレーション装置であって、次の構成としたものである。即ち、前記チャート撮影画像を前記マークが少なくとも一個含まれる複数の領域に分割する画像領域分割部91と、画像領域分割部91で分割された個別のチャート撮影画像領域に対して前記マークを抽出する為のテンプレートを作用させて、前記チャート撮影画像領域に存在する前記マークを認識するマーク認識部92と、マーク認識部92で認識されたマークの、前記チャート撮影画像での対応位置を探索するマーク位置探索部93と、マーク位置探索部93で選定されたマーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する内部パラメータ演算部94とを備えている。
【0021】
本発明のキャリブレーション装置は、第2の目的を達成するもので、図31に示すように、キャリブレーションチャート画像表示装置50に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャート1を、被校正撮影装置19で撮影した複数のチャート撮影画像を用いて、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを求めるキャリブレーション装置であって、次の構成としたものである。即ち、前記マークの基準寸法が設定されたマーク基準寸法部96と、マーク基準寸法部96で設定された基準寸法を前記チャート撮影画像に対して作用させて、前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識するマーク認識部97と、マーク認識部97で認識されたマークの、前記チャート撮影画像での対応位置を探索するマーク位置探索部74と、マーク位置探索部74で選定されたマーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する内部パラメータ演算部75とを備えている。
【0022】
本発明のキャリブレーション方法は、第2の目的を達成するもので、図16に示すように、キャリブレーションチャート画像表示装置50に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャート1を、被校正撮影装置19で撮影した複数のチャート撮影画像を取得する工程(S300、S302)と、前記マークを抽出する為のテンプレートを設定する工程(S304)と、前記チャート撮影画像に対して前記テンプレートを作用させて、前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識する工程(S306)と、前記認識されたマークの前記チャート撮影画像での対応位置を探索する工程(S308)と、前記探索されたマーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する工程(S310)とをコンピュータに実行させるものである。
【0023】
本発明のキャリブレーション方法は、第2の目的を達成するもので、図19に示すように、キャリブレーションチャート画像表示装置50に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャート1を、被校正撮影装置19で撮影した複数のチャート撮影画像を取得する工程(S300、S302)と、前記マークを抽出する為のテンプレートを設定する工程(S304)と、キャリブレーションチャート1の画像回転情報を取得する工程(S305)と、前記画像回転情報に基づき、前記テンプレートの姿勢を回転処理する工程(S320)と、前記チャート撮影画像に対して前記テンプレートを作用させて、前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識する工程(S322)と、前記認識されたマークの前記チャート撮影画像での対応位置を探索する工程(S324)と、前記探索されたマーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する工程(S326)とをコンピュータに実行させるものである。
【0024】
本発明のキャリブレーション方法は、第2の目的を達成するもので、図23に示すように、キャリブレーションチャート画像表示装置50に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャート1を、被校正撮影装置19で撮影した複数のチャート撮影画像を取得する工程(S300、S302)と、前記マークを抽出する為のテンプレートを設定すると共に、前記テンプレートのテンプレート走査方向を複数設定する工程(S340)と、前記チャート撮影画像に対して前記複数のテンプレート走査方向により前記テンプレートを作用させて、最適なテンプレート走査方向を選択する工程(S344)と、前記チャート撮影画像に対して前記最適なテンプレート走査方向によりテンプレートを作用させて、前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識する工程(S346)と、前記認識されたマークの前記チャート撮影画像での対応位置を探索する工程(S348)と、前記探索されたマーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する工程(S350)とをコンピュータに実行させるものである。
【0025】
本発明のキャリブレーション方法は、第2の目的を達成するもので、図24に示すように、キャリブレーションチャート画像表示装置50に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャート1を、被校正撮影装置19で撮影した複数のチャート撮影画像を取得する工程(S300、S302)と、前記マークを抽出する為のテンプレートを設定する工程(S304)と、キャリブレーションチャート1の画像回転情報を取得する工程(S305)と、前記画像回転情報に基づき、前記テンプレートのテンプレート走査方向を調整する工程(S360)と、前記チャート撮影画像に対して前記テンプレートを作用させて、前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識する工程(S362)と、前記認識されたマークの前記チャート撮影画像での対応位置を探索する工程(S364)と、前記探索されたマーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する工程(S366)とをコンピュータに実行させるものである。
【0026】
本発明のキャリブレーション方法は、第2の目的を達成するもので、図26に示すように、キャリブレーションチャート画像表示装置50に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャート1を、被校正撮影装置19で撮影した複数のチャート撮影画像を取得する工程(S300、S302)と、前記マークを抽出する為のテンプレートを設定する工程(S304)と、キャリブレーションチャート1の画像回転情報を取得する工程(S305)と、前記画像回転情報に基づき、前記チャート撮影画像から画像回転の影響を除去する工程(S380)と、前記画像回転の影響を除去されたチャート撮影画像に対して、前記テンプレートを作用させて、前記画像回転の影響を除去されたチャート撮影画像に存在する前記マークを認識する工程(S382)と、前記認識されたマークの、前記画像回転の影響を除去されたチャート撮影画像での対応位置を探索する工程(S384)と、前記探索された対応マーク位置を、当初チャート撮影画像の画像回転情報に基づいて変換する工程(S386)と、前記変換された対応マーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する工程(S388)とをコンピュータに実行させるものである。
【0027】
本発明のキャリブレーション方法は、第2の目的を達成するもので、図29に示すように、キャリブレーションチャート画像表示装置50に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャート1を、被校正撮影装置19で撮影した複数のチャート撮影画像を取得する工程(S300、S302)と、前記マークを抽出する為のテンプレートを設定する工程(S304)と、前記チャート撮影画像を前記マークが少なくとも一個含まれる複数の領域に分割する工程(S400)と、前記分割された個別のチャート撮影画像領域に対して前記テンプレートを作用させて、前記チャート撮影画像領域に存在する前記マークを認識する工程(S402)と、前記認識されたマークの、前記チャート撮影画像での対応位置を探索する工程(S404)と、前記探索されたマーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する工程(S406)とをコンピュータに実行させるものである。
【0028】
本発明のキャリブレーション方法は、第2の目的を達成するもので、図32に示すように、キャリブレーションチャート画像表示装置50に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャート1を、被校正撮影装置19で撮影した複数のチャート撮影画像を取得する工程(S300、S302)と、前記マークを抽出する為の前記マークの基準寸法を用いて、前記チャート撮影画像に対して作用させて、前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識する工程(S410)と、前記認識されたマークの前記チャート撮影画像での対応位置を探索する工程(S412)と、前記探索されたマーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する工程(S414)とをコンピュータに実行させるものである。
【0029】
本発明のキャリブレーション方法は、第2の目的を達成するもので、図18に示すように、キャリブレーションチャート画像表示装置に表示されるキャリブレーションチャート1であって、概括的な位置関係を定める概括基準マークと、当該概括基準マークよりも多数配置されると共に詳細な位置関係を定める詳細基準マークが配置されたキャリブレーションチャート1を、被校正撮影装置で撮影した複数のチャート撮影画像を取得する工程(S420、S421)と、前記概括基準マークを抽出する為のテンプレートを設定する工程(S422)と、前記チャート撮影画像に対して前記テンプレートを作用させて、前記チャート撮影画像に存在する前記概括基準マークを認識する工程(S424)と、前記認識された概括基準マークの前記チャート撮影画像での対応位置を探索する工程(S426)と、前記探索された概括基準マークのマーク位置を用いて、前記チャート撮影画像に対して前記詳細基準マークを抽出する工程(S428)と、前記認識された詳細基準マークの前記チャート撮影画像での対応位置を探索する工程(S430)と、前記探索された概括基準マークと概括基準マークのマーク位置と、キャリブレーションチャート1での対応する概括基準マークと概括基準マークのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する工程(S432)とをコンピュータに実行させるものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を説明する全体構成ブロック図である。図において、本発明のキャリブレーションチャート画像表示装置50は、画像形成部51、表示順序制御部55、撮影信号出力部56、校正画像切換え指示部57、焦点距離修正制御部58、校正画像記憶部59、表示画像メモリ60、キャリブレーションチャート画像表示部61、表示画像選択部62を備えている。
【0031】
画像形成部51では所定のキャリブレーション撮影方向からキャリブレーションチャート1を観察した状態の画像を形成するもので、基準画像記憶部52、画像変換処理部53、画像回転処理部54を備えている。基準画像記憶部52は、特定方向から撮影されたキャリブレーションチャート1の画像を記憶するもので、図2に示すような標準となるキャリブレーションチャート1の画像を記憶させておいてもよい。画像変換処理部53は、基準画像記憶部52に記憶された画像を用いて、特定方向とキャリブレーション撮影方向との画像変換関係を適用して、任意キャリブレーション撮影方向のキャリブレーションチャート1の画像を形成する。画像回転処理部54は、基準画像記憶部52に記憶された画像を所定角度の回転処理して、任意の角度回転したキャリブレーションチャート1の画像を形成するもので、例えばアドビ社から提供される画像編集ソフト”PhotoShop”が利用できる。キャリブレーションチャート1の画像を回転処理すると、マークの位置を回転角度に応じて多様に設定でき、レンズ収差の分布状態を把握するのに適している。
【0032】
表示順序制御部55は、キャリブレーションチャート画像表示部61に表示されるキャリブレーションチャート画像を、被校正対象となる撮影装置19の撮影動作に連動して、順次選択する。撮影信号出力部56は、キャリブレーションチャート画像表示部61が、キャリブレーションチャート画像を表示した後、撮影信号を被校正撮影装置19に出力する。校正画像切換え指示部57は、被校正撮影装置19によるキャリブレーションチャート画像の撮影完了信号を入力して、キャリブレーションチャート画像表示部61に対して、後続するキャリブレーションチャート画像の表示命令信号を出力する。焦点距離修正制御部58は、キャリブレーション対象となる被校正撮影装置19から取得された焦点距離情報に応じて、キャリブレーションチャート画像表示部61に表示されるキャリブレーションチャート画像の大きさ又は密度の少なくとも一方を変更する機能を有する。なお、被校正撮影装置19としては、例えば可動焦点距離式のズームレンズや固定焦点式レンズを用いたカメラが用いられる。
【0033】
なお、被校正撮影装置19が撮影信号出力部56の撮影信号を受信すると撮影したり、撮影完了信号を出力する構造となっていない場合には、撮影信号出力部56と校正画像切換え指示部57を用いることはなく、撮影者がマニュアルで被校正撮影装置19のシャッターを操作してキャリブレーションチャート1の撮影を行なう。マニュアルで被校正撮影装置19を操作する場合には、表示順序制御部55は、キャリブレーション撮影方向毎に一定時間(例えば10秒間)キャリブレーションチャート画像を表示させる。
【0034】
校正画像記憶部59は、所定のキャリブレーション撮影方向から撮影されたキャリブレーションチャート1の画像を記憶する。また、校正画像記憶部59には画像形成部51で形成された任意撮影方向や任意回転角度のキャリブレーションチャート画像を記憶しても良い。なお、キャリブレーションチャート1、キャリブレーション撮影方向並びに回転角度の詳細は後で説明する。
【0035】
表示画像メモリ60は、キャリブレーションチャート画像表示部61に表示される画像を記憶するメモリである。キャリブレーションチャート画像表示部61は、画像形成部51で形成されたキャリブレーションチャート画像や校正画像記憶部59に記憶されたキャリブレーションチャート画像を表示するもので、例えばパソコンのCRTや液晶のようなモニター装置が用いられる。表示画像選択部62は、校正画像記憶部59に記憶されたキャリブレーションチャート画像を撮影方向や回転角度毎に管理して、キャリブレーションチャート画像表示部61に表示されるキャリブレーションチャート画像を選択している。
【0036】
次に、キャリブレーションチャートとしてのチャート1について説明する。ここでは、チャート1として紙やプラスチックシートに所定のマークを印刷してある場合を例に説明するが、平面画面に所定のマークを配列した画像を表示するものでもよい。
【0037】
図2は、キャリブレーションチャートの一例を示す平面図である。チャート1は、平面的なシート形状であって、表側に視認容易な第1マークと多数の点から構成される第2マークが印刷されている。ここでは、第1マークはチャート1に総計5個配置されるもので、外形菱形で、中心部分に第2マークと共通の図柄が描かれている。第1マーク1a、1b、1c、1dは、チャート1を4象限に区分したとき、各象限に設けられるもので、第1マーク1aは左上象限、第1マーク1bは右上象限、第1マーク1cは左下象限、第1マーク1dは右下象限に位置している。第1マーク1eは、各象限と共通となる原点位置に設けられている。例えば第1マーク1a、1b、1c、1dは、第1マーク1eに対して等距離dの位置に設けられている。チャート1が矩形であるとして、第1マーク1a、1bと第1マーク1eとの縦方向の間隔をh、第1マーク1c、1dと第1マーク1eとの縦方向の間隔をlとする。このとき、第1マーク1a、1b、1c、1dと第1マーク1eとの距離dは、以下の関係を充足する。
d=(h+l1/2 (1)
【0038】
第1マークと第2マークは、予め所望の寸法で印刷するか、もしくは寸法を計測しておく。第1マークと第2マークの印刷位置の数値は、後で説明するキャリブレーション装置のマーク座標記憶部10に読込んで、概略マーク位置測定部5において概略位置測定と対応づけのために利用される。なお、チャート1は、コンピュータの記憶装置に画像データとして記憶させておき、キャリブレーションする場所において印刷して使用しても良い。第1マークと第2マークの位置は、予めキャリブレーション装置の中に記憶してあるものを使い、その記憶された座標にてシートに印刷すれば、計測作業は不要になるので作業は簡単なものになる。あるいは、チャート1を精密に計測して、第1マークと第2マークの座標位置を測定し、その座標値をマーク座標記憶部10に格納して利用する構成としてもよい。
【0039】
第1マークは、概略マーク位置測定及び対応付けに利用されるだけでなく、撮影方向を決める視標としても利用される。さらに、第1マークの外形菱形の中心部分は第2マークと共通の図柄とすることにより、精密マーク位置測定部6で精密測定する際のテンプレートとして使用される。
【0040】
図3は第1マークの一例を示す説明図で、(A)は菱形、(B)は4本の矢印、(C)は黒塗り矩形を示している。図3(A)、(B)では、第1マークは第2マークと共通の図柄を囲むように菱形又は4本の矢印を配置し、作業者にとって視認容易になるように配慮してある。このように視認容易な図柄とすることで、第1マークの抽出が容易なものとなると共に、被校正撮影装置19の撮影方向として広い撮影角度の中から一つの撮影角度を選択しても、撮影された画像から第1マークを見逃すことがない。図3(C)では、第1マークは黒塗り矩形とし、中心部の図柄は第2マークとは反転した色彩になっているが、このようにしても検出は容易である。また、精密マーク位置測定部5にて測定する際にも、図3(C)の図柄に対しては、第1マークの階調を反転することにより、第2マークのテンプレートとすることができる。
【0041】
第2マークは、被校正撮影装置19によって撮影されたチャート1の画像データの位置を指定するもので、ターゲットとも呼ばれており、好ましくは均等の密度で満遍なくチャート1に配置する。第2マークは、チャート1の30箇所以上に設けられるのが好ましく、さらに好ましくは100〜200箇所程度にするとよい。しかし、第2マークを徒に多く設けると、第2マーク自体が小さくなって見難くなると共に、レンズ収差の測定演算時間も長くなるため、実際上の上限は存在しており、例えば1000個である。第2マークは、チャート1に満遍なく多数配置されるので、精密位置計測のしやすいものであれば、各種の図柄を採択して良い。例えば、第2マークとしては、黒丸『●』、プラス『+』、二重丸『◎』、英文字『X』、星印『★』、黒塗り四角『■』、黒塗り三角形『▲』、黒塗り菱形『◆』等を用いることができる。
【0042】
続いて、画像形成部51で取扱う、画像変換処理部53で形成される任意撮影方向のキャリブレーションチャート画像について説明する。校正画像記憶部59に記憶される各種撮影方向のキャリブレーションチャート画像についても同様である。ここでは、基準画像記憶部52に記憶されたキャリブレーションチャート画像を、画像変換処理部53や画像回転処理部54で処理して得られるキャリブレーションチャート画像と均等なキャリブレーションチャート画像を、現実にチャート1を撮影して取得する場合を用いて説明する。チャート1を現実に撮影する場合は、レンズ収差の極めて少ないレンズによって、キャリブレーションチャート1を以下の手順で撮影する。
【0043】
図4はキャリブレーション撮影方向を説明する図で、(A)はキャリブレーション撮影方向のカメラ配置を示した立体図であり、(B)は一般的に標準レンズ及び望遠レンズを使用したときのキャリブレーション撮影方向に対応するカメラ間隔を示した図である。チャート1を異なる撮影角度から撮影した画像として、所定のキャリブレーション撮影方向に関する2枚以上の画像があれば、キャリブレーション画像として利用可能となる。好ましくは、チャート1としてシートに印刷された平面チャートを用いる場合には、3以上の撮影角度方向から撮影することによって、各キャリブレーション要素、特に焦点距離、の測定値が安定し、かつ信頼性の高いものになる。また、カメラ2は、例えば写真測量や写真計測用の撮影用カメラのように、キャリブレーション画像撮影用のレンズ収差の極度に少ない高性能カメラを用いる。
【0044】
キャリブレーション画像は、図4(A)に示すような5方向、即ち正面(I)、左上(II)、右上(III)、左下(IV)、右下(V)をキャリブレーション撮影方向として撮影する。カメラ2の光軸と平面チャートとの撮影入射角は、実際の撮影現場での奥行き精度を1cm程度に設定すると、10度〜30度の範囲が好ましく、他方レンズの焦点深度との関係でピントの合う距離も限られていることも考慮すると、12度〜20度の範囲がさらに好ましい。典型的には、カメラ2の光軸と平面チャートとの撮影入射角として15度を採用するとよい。
【0045】
以下、図5を参照して各キャリブレーション撮影方向によるチャート1の撮影手順を説明する。図5は、(A1)、(A2)、(A3)、(A4)にてカメラの画像を示し、カメラ画像に対応するチャート1とカメラ2の位置関係を(B1)、(B2)、(B3)、(B4)にて示している。なお、番号(I)〜(V)は図4(A)のカメラ位置に対応している。
【0046】
(I):正面から、チャート1の第1マークと第2マーク全てが一杯に入るよう撮影する(図5(A1)、(B1))。第1マークと第2マークをなるべく一杯に、撮影画像のすみまでいれることにより、レンズ周辺部までのディストーション補正が確実になる。そこで、カメラの焦点距離に応じて、撮影距離Hが変化する。
(II):次に、一般的に標準レンズ及び望遠レンズを使用した場合、正面のカメラ位置を中心として、撮影距離Hの1/3程度離れた位置にカメラを移動させて、例えば左上象限の第1マーク1aが撮影中心となるようにカメラ位置を変える(図5(A2)、(B2))。但し、一般的に広角レンズを使用した際に、撮影距離Hが約1m以内の場合は、カメラ位置は目的とする第1マークが正面に来るようにカメラ2を移動させればよい。そして、カメラ2のカメラ位置をそのままにして、中央にある第1マーク1eが中心となるようにカメラ2の方向を向ける(図5(A3)、(B3))。次に、カメラ2をチャート1に近づけるように移動して、カメラ2の撮影画像に対して第1マークと第2マークが一杯に入るようにして撮影する(図5(A4)、(B4))。
【0047】
(III):右上象限の第1マーク1bが撮影中心となるようにカメラ位置を変える。そして、カメラをそのまま中央にある第1マーク1eが中心となるようにカメラの方向を向け、第1マークと第2マークが一杯に入るようにして撮影する。
(IV):左下象限の第1マーク1cが撮影中心となるようにカメラ位置を変える。そして、カメラをそのまま中央にある第1マーク1eが中心となるようにカメラの方向を向け、第1マークと第2マークが一杯に入るようにして撮影する。
(V):右下象限の第1マーク1aが撮影中心となるようにカメラ位置を変える。そして、カメラをそのまま中央にある第1マーク1eが中心となるようにカメラの方向を向け、第1マークと第2マークが一杯に入るようにして撮影する。
このような手順によって、カメラ2の角度が必要な撮影角度の差として確保できるので、焦点距離が確実に測定できるようになる。
【0048】
ここで、カメラ2とチャート1の間隔Hは、標準レンズや広角レンズの焦点距離fから定められる。例えば、焦点距離が35mmの標準レンズでは、撮影距離Hは90cm程度になる。チャート1に設けられた第1マークの相互間隔dは、例えば20cmであるから、正面(I)から左上(II)等に撮影方向を傾けるとき、撮影角度として約10度が確保される。
なお、撮影方向の傾斜角度の上限は焦点深度などによって定まる。即ち、撮影方向の傾斜角度が大きいとカメラ2と第1マーク間の距離が各第1マークによって相違し、画像に写る第1マークの像がボケてしまう。そこで、撮影方向の傾斜角度の上限は、例えば30度となる。実際の撮影手順は上記(I)〜(V)に示した通りで、カメラの画面一杯に第1マークと第2マークが入るように撮影すれば、自ずと上記条件になるので、撮影距離と位置の条件が満足される。
【0049】
望遠レンズや標準レンズのレンズ収差を計測する場合は、撮影レンズの画角が狭くなり、角度がつかなくなるため、正面(I)から左上(II)等に撮影方向を傾けるとき、撮影角度としての10度が確保されなくなる。即ち、焦点距離が長い場合にはカメラ2とチャート1の撮影距離Hが1m以上であって、第1マークの相互間隔dが20cm程度に過ぎないためである。そこで、図4(B)に示すように、正面のカメラ位置を中心として、左側のカメラ位置(II)、(IV)と、右側のカメラ位置(III)、(V)を定める。この際に、左右のカメラ位置の間隔を正面(I)の位置からそれぞれ撮影距離Hの1/3程度とった位置にカメラを設置して、上述の左上(II)、左下(IV)及び右上(III)、右下(V)での撮影を行えばよい。カメラの光軸は、チャート1の法線方向と一致させればよいが、チャート1方向を向けても良い。
【0050】
なお、上記の実施の形態においては、撮影位置として正面(I)、左上(II)、右上(III)、左下(IV)、右下(V)の5方向の場合を示したが、撮影位置は最低の場合には左右2方向あればよく、また3方向以上でもよい。左右2方向の場合も、撮影角度として約10度が確保されるようにしてチャート1の撮影を行う。
【0051】
また、チャート1は、平面シートに代えて、例えばノートパソコンのような平面的な表示画面を有する機器に、第1マークと第2マークが表示された平面シートの画像表示を用いてもよい。液晶表示画面のようにガラスを用いた画面は、紙やプラスチックに比較して湿度や温度による平面の伸縮が極めて少ないため、チャート1の表示装置として適している。また、液晶表示画面として携帯型パソコンの表示画面を用いると、表示精度がよい点に加えて、可搬性に優れているので、作業現場であっても防水や衝撃に注意すれば、通常の使用に耐える。
【0052】
図6はキャリブレーションチャート画像表示部61によって表示されるキャリブレーション画像の一例を説明する図である。キャリブレーション画像は、例えば図4(A)で説明した正面(I)、左上(II)、右上(III)、左下(IV)、右下(V)の5方向をキャリブレーション撮影方向として、図2で示すチャート1を撮影したものである。また、図6に示すキャリブレーション画像は、前述の画像形成部51で形成されたキャリブレーションチャート画像や校正画像記憶部59に記憶されたキャリブレーションチャート画像であってもよい。キャリブレーションチャート1の撮影方向に応じたキャリブレーションチャート画像は、画像変換処理部53によって作成できる。更に、画像回転処理部54で回転処理したキャリブレーションチャート1の画像を用いても良い。
【0053】
図7は画像回転処理部で回転処理されたキャリブレーションチャートの一例を示す図で、(A)は回転角度0°、(B)は回転角度20°のキャリブレーションチャート画像を示している。回転角度0°のキャリブレーションチャート画像は、例えば基準画像記憶部52に記憶されている。回転角度20°のキャリブレーションチャート画像は、例えば基準画像記憶部52に記憶されたキャリブレーションチャート画像を、画像回転処理部54により、右上に20°傾ける画像変換を行なった画像である。
【0054】
図8は、本発明のキャリブレーション装置の共通構造を説明する全体構成ブロック図である。キャリブレーションチャート画像表示部61は、キャリブレーション画像をキャリブレーション撮影方向や回転角度が判別できる態様で表示する。被校正撮影装置19は、キャリブレーションの対象となるカメラで、典型的には汎用の光学式カメラやデジタルカメラのように、レンズ収差が写真測量や写真計測用の撮影用カメラに比較して、大きいものである。被校正撮影装置19は、広角レンズや標準レンズでもよく、また望遠レンズを備えていても良い。
【0055】
画像データ記憶部3は、被校正撮影装置19によって撮影されたキャリブレーション画像データを記憶する記憶装置で、例えば磁気ディスク、CD−ROMのような電磁気的記憶媒体が用いられる。画像データ記憶部3では、キャリブレーション撮影方向が判別できる態様で、被校正撮影装置19が撮影したキャリブレーション画像が記憶されているとよい。
【0056】
キャリブレーション装置は、抽出部4、概略マーク位置測定部5、精密マーク位置測定部6、演算処理部7、画像処理部8、マーク座標記憶部10並びにレンズ収差補償パラメータ記憶部11を備えると共に、外部機器として画像データ記憶部3や表示部9を備えている。キャリブレーション装置には、例えばCPUとしてインテル社製のペンティアム(登録商標)やセレロン(登録商標)を搭載したコンピュータを用いるとよい。
【0057】
抽出部4は、画像データ記憶部3に格納される画像データから第1マークを抽出して、第1マークの画像座標値を求める第1マーク抽出処理を行う。第1マーク抽出処理は、概略マーク位置測定部5による第2マークの概略位置算出と対応付けの前処理として行われる。この第1マークの画像座標値は、マーク座標記憶部10に記憶される。なお、第1マークが第2マークと共通の図柄を含んでいる場合には、第1マーク内の第2マーク位置によって第1マークの画像座標値とするとよい。抽出部4による第1マーク抽出処理の詳細は、後で説明する。
【0058】
概略マーク位置測定部5は、抽出部4にて抽出された第1マークの画像座標値から射影変換を行って外部標定要素を求め、単写真標定の定理、並びに共線条件式を用いて、第2マークの概略位置を演算して、校正用写真組の画像相互の対応付けを行う。概略マーク位置測定部5による第2マークの概略位置演算処理の詳細は、後で説明する。
【0059】
精密マーク位置測定部6は、校正用写真組の画像に対して第2マークの認識を行い、重心位置検出法等によって第2マークの位置を精密に演算する。演算処理部7は、精密マーク位置測定部6にて演算された第2マークの位置が、チャート1の画像データにおける他の第2マークの位置と著しい齟齬が生じていた場合には、齟齬の生じた第2マークの位置を除外する機能を有する。また、演算処理部7は、精密マーク位置測定部6にて演算された第2マークのうち、キャリブレーションに適切な第2マークを抽出して、外部標定要素と対象点座標を同時調整すると共に、被校正撮影装置19の内部パラメータを演算する。演算された被校正撮影装置19の内部パラメータは、レンズ収差補償パラメータ記憶部11に格納すると良い。被校正撮影装置19の内部パラメータには、主点位置、画面距離、歪曲パラメータがある。なお、ここでは歪曲パラメータのみを求めているが、ザイデルの5収差を構成する球面収差、コマ、非点収差、像面のそりについても、求めても良い。演算処理部7にて求められた内部パラメータは、表示部9にてグラフィック表示される。なお、精密マーク位置測定部6、並びに演算処理部7の被校正撮影装置19の内部パラメータ演算処理に関しての詳細は、後で説明する。
【0060】
画像処理部8は、演算処理部7にて求められた内部パラメータを用いて、被校正撮影装置19によって撮影された画像(特に、チャート1以外の画像)のデータ画像を再配列する。すると、被校正撮影装置19によって撮影された画像が、レンズ収差の大部分が除去された歪の著しく少ない画像として、表示部9に表示される。表示部9は、CRTや液晶ディスプレイのような画像表示装置である。マーク座標記憶部10には、第1マークの画像座標値が記憶されていると共に、第2マークの管理番号並びにその画像座標値が記憶されている。レンズ収差補償パラメータ記憶部11には、演算処理部7にて演算された被校正撮影装置19の内部パラメータが記憶されている。
【0061】
次に、図9を参照して、本発明のキャリブレーションチャート画像表示装置及びキャリブレーション装置を用いたキャリブレーション処理の流れ全体について説明する。図9は、キャリブレーション処理の流れ全体を説明するフローチャートである。まず、レンズ収差の補償対象となる被校正撮影装置19によって、キャリブレーションチャート画像表示部61に表示されたキャリブレーション画像を撮影する(S10)。ここで、S10の詳細を説明する。図10はS10におけるキャリブレーションチャート画像表示装置を用いたキャリブレーション画像撮影を説明するフローチャートである。
【0062】
まず最初に、被校正撮影装置19がズームレンズの場合には、キャリブレーションしたい焦点距離に設定する(S11)。焦点距離は、例えば広角側と望遠側のうち、ズームレンズの広角側に設定するのが良いが、望遠側でも差し支えない。なお、被校正撮影装置19が固定焦点の場合は、ステップS11を省略してよい。
【0063】
次に、キャリブレーションチャート画像表示部61に、キャリブレーションチャート画像を表示する(S12)。表示するキャリブレーションチャート画像は、キャリブレーションチャート1を撮影したものでも、コンピュータにて生成されたキャリブレーションチャートでもよい。キャリブレーションチャート画像表示部61は、例えばパソコンのモニタ画面を用いるのが良く、表示するキャリブレーション画像は、モニタ画面いっぱいに第1及び第2のマーク(ターゲット)が表示されるのがよい。キャリブレーション画像のキャリブレーション撮影方向としては、例えば図6(E)のように、第1画面として被校正撮影装置19とキャリブレーション画像が正対した画像を選択する。
【0064】
次に、被校正撮影装置19の画面に、キャリブレーションチャート画像表示部61に表示されたキャリブレーション画像がいっぱいに映るようにカメラ位置を設定する(S13)。カメラ位置とは、被校正撮影装置19とキャリブレーションチャート画像表示部61との距離を含む概念である。そして、被校正撮影装置19により、キャリブレーションチャート画像表示部61に表示されたキャリブレーション画像を撮影する(S14)。
【0065】
そして、被校正撮影装置19がキャリブレーションに必要な画像をすべて撮影したか判断する(S15)。例えば、図6に示すような、正面(I)、左上(II)、右上(III)、左下(IV)、右下(V)の5方向をキャリブレーション撮影方向とするキャリブレーション画像に対して、被校正撮影装置19による撮影がすべて終了したか、判定する。もし終了していなければ、S12に戻って、他のキャリブレーション撮影方向から撮影したのと等価なキャリブレーション画像をキャリブレーションチャート画像表示部61に表示して、被校正撮影装置19による撮影を必要枚数繰り返す(例えば、図6(E)以外の残り4方向)。
【0066】
被校正撮影装置19について、一つの焦点距離で必要枚数の撮影が終了したのち、被校正撮影装置19がズームレンズの場合には、必要とする全ての焦点距離で撮影が終了したか判定する(S16)。なお、被校正撮影装置19が固定焦点の場合は、必要とされる焦点距離が一つなので、キャリブレーション画像の撮影作業を終了する。被校正撮影装置19がズームレンズの場合は、S16にて未了と判断されると、必要とされる次の焦点距離に対する撮影処理をS11に戻って繰り返す。例えば、被校正撮影装置19の焦点距離として、補間したい必要焦点数についてズームレンズを調整して、S11〜S16の処理を繰り返す。ここで、被校正撮影装置19のキャリブレーション画像の対象となる焦点距離数はキャリブレーションの必要精度に変えるのが良く、またズームレンズのレンジに応じて変えてもよい。この焦点距離数は、最低値として2焦点距離であるが、3以上の焦点距離でもよい。例えば、被校正撮影装置19が広角から望遠まで5焦点の場合は5回行う。従って、被校正撮影装置19について焦点距離変更した場合、キャリブレーション画像を被校正撮影装置19の画面いっぱいに撮影できるよう、カメラ位置を変更して繰り返す。
【0067】
被校正撮影装置19によるキャリブレーション画像の撮影が終了したら、撮影されたキャリブレーション画像を画像データ記憶部3に格納する(S17)。キャリブレーション画像の格納は、フレキシブルディスクのような電磁気的記憶媒体でも良く、またインターネット経由にて通信によりキャリブレーション装置に画像データを転送してもよい。そして、S17の処理が完了すると戻しとなる。
【0068】
図9に戻り、画像データ記憶部3に格納されたキャリブレーション画像に関して、画像上に記録されている焦点位置を読み込む(S20)。次に、キャリブレーション画像に関して、被校正撮影装置19の同一焦点距離の画像を一グループとして、各焦点距離ごとのキャリブレーション画像グループを作成する(S25)。なお、被校正撮影装置19が固定焦点式であれば、単一の焦点距離に関してキャリブレーション処理を行なえば良い。
【0069】
続いて、各焦点距離ごとに形成されたキャリブレーション画像グループから今回の処理対象となる画像が選択される(S30)。即ち、キャリブレーション装置は、選択されたキャリブレーション画像グループの画像データを画像データ記憶部3から読込んで、表示部9に表示する。そして、操作者は表示部9に表示された画像から、ターゲットの対応付け及び計測を行う画像を選択する。そして、抽出部4により、選択された画像につき第1マーク抽出処理を行う(S40)。
【0070】
(I):第1マーク抽出処理
第1マーク抽出処理では、測定対象面に設定されたチャート1の平面座標とその画像座標(カメラ側)との二次射影変換式を決定するため、平面座標上の第1マークのうち、最低3点以上を画像データ上で計測する。ここでは、第1マークの中に第2マークを含んでいるので、含まれた第2マークの位置を指定することで、正確に第1マークの位置を指定する。第1マーク抽出処理は、次のI−▲1▼からI−▲4▼までの処理を第1マークの点数分繰り返す。例えば、図2に示すチャート1では、左右各2点の第1マーク1a、1b、1c、1dについて行う。
【0071】
I−▲1▼…操作者は表示部9に表示された全体画像上で、検出したい第1マーク中の第2マークにマウスのカーソル位置を合わせクリックし、第1マークの概略位置を求める。
I−▲2▼…I−▲1▼で求められた画像座標を中心として、拡大画像より第2マークを含んだ、局所となる画像を切り出して、表示する。このとき、第2マークを含む画像を第2マーク精密位置測定のテンプレートとして使うことができる。
I−▲3▼…I−▲2▼で表示した拡大画像に対して、第2マークの重心位置にマウスのカ−ソル位置を合わせクリックし、この画像座標を第1マークの重心位置とする。なお、後続の処理で概略位置対応付けを行うために、I−▲3▼での位置あわせは厳密でなくともよい。
I−▲4▼…次に、マーク座標記憶部10に記憶された第2マークの管理番号と対応させるために、I−▲3▼で計測された第1マークの重心位置に対応する第2マークの管理番号を入力する。このとき、入力された第2マークの管理番号には、I−▲3▼で計測された第1マークの重心位置が基準点座標として記憶される。
【0072】
なお、第1マーク抽出処理では、例えばチャート1上の第1マークの計測順序を予め決めておけば、第2マークの管理番号を入力せずとも、抽出部4側で自動採番処理が可能である。また、第1マーク抽出処理では、操作者が作業しやすいように、例えば、表示部9に表示されている選択画像を二つに分割し、片側に図2のような全体画像、もう一方側に図3(A)、(B)、(C)のような拡大画像を表示するようにすれば、位置計測がしやすくなる。
【0073】
次に、第1マーク抽出処理の他の処理手順として、拡大画像を用いないで図2のような全体画像だけで計測する方式がある。この場合、I−▲1▼の処理を行うと共に、I−▲4▼においてI−▲1▼で計測された第1マークの重心位置に対応する第2マークの管理番号を入力する。このようにすると、拡大画像を用いないため、I−▲2▼、I−▲3▼の処理が省略できる。ただし全体画像表示なので、第1マークが小さく表示されるため、操作者の好みで拡大画像を利用するかしないか判断すればよい。
【0074】
次に、第1マーク抽出処理を抽出部4により自動処理する場合を説明する。まず、第1マークのうち第2マークを含まない外枠部分をテンプレートとして登録する。この登録は、例えば先に説明した、第1マーク抽出処理における最初の第1マークをテンプレート画像として登録すればよい。すると、テンプレートマッチング処理にて、残りの第1マークを自動で計測することができる。また、第1マークの場合の位置対応付けは、第1マークの位置が画像上から明確であるため容易に行える。例えば図2の第1マーク配置であれば、その検出座標から5点の第1マークの対応付けを行うのは容易である。なお、テンプレートマッチングの処理については、後で説明する第2マーク精密位置測定におけるターゲットの認識処理(S62)と同様なので、説明を省略する。
【0075】
続いて、第1マーク抽出処理を抽出部4によりさらに自動処理する場合を説明する。第1マーク抽出処理における第1マークのテンプレート画像を、予め抽出部4に登録しておく。すると、第1マークのテンプレート画像を用いて、テンプレートマッチングの処理により第1マークが個別に抽出されるので、I−▲1▼の第1マークを指定する作業は全て省略することも可能である。即ち第1マークが第2マークに対して明確に異なるマークであれば、仮想のテンプレート画像を抽出部4が持つことによっても、自動処理が可能となる。
しかしながら、第1マークは最低3点以上計測すればよいので、マニュアルによる作業でも、簡単な作業である。
【0076】
図9に戻り、概略マーク位置測定部5により第2マーク概略位置測定と対応付けを行う(S50)。第2マーク概略位置測定と対応付けは、外部標定要素を求める工程(II−1)と、第2マークの概算位置を演算する工程(II−2)を含んでいる。
(II−1):外部標定要素を求める工程
概略マーク位置測定部5では、S40で求めた第1マークの画像座標と対応する基準点座標を式(2)に示す二次の射影変換式に代入し、観測方程式をたてパラメ−タ−b1〜b8を求める。
X=(b1・x+b2・y+b3)/(b7・x+b8・y+1)
Y=(b4・x+b5・y+b6)/(b7・x+b8・y+1) (2)
ここで、XとYは基準点座標、xとyは画像座標を示している。
【0077】
次に、基準点座標と画像座標の関係を説明する。図12(A)は中心投影における画像座標系と対象座標系の説明図である。中心投影の場合、投影中心点Ocを基準にしてチャート1の置かれる基準点座標系としての対象座標系99と、被校正撮影装置19のフィルム又はCCDが置かれる画像座標系98が図12(A)のような位置関係にある。対象座標系99における基準マークのような対象物の座標を(X,Y,Z)、投影中心点Ocの座標を(X0,Y0,Z0)とする。画像座標系98における座標を(x,y)、投影中心点Ocから画像座標系98までの画面距離をCとする。ω、φ、κは、画像座標系98の対象座標系99を構成する3軸X,Y,Zに対するカメラ撮影時の傾きを表すもので、外部標定要素と呼ばれる。
【0078】
そして、式(2)のパラメ−タ−b1〜b8を用いて、式(3)より次の外部標定要素を求める。
ω=tan−1(C・b8)
φ=tan−1(−C・b7・cosω)
κ=tan−1(−b4/b1) (φ=0のとき)
κ=tan−1(−b2/b5) (φ≠0、ω=0のとき)
κ=tan−1{−(A1・A3−A2・A4)/(A1・A2−A3・A4)}(φ≠0、ω≠0のとき)
【0079】
Z0=C・cosω・{(A22+A32)/(A12+A42)}1/2+Zm
X0=b3−(tanω・sinκ/cosφ−tanφ・cosκ)×(Zm−Z0)
Y0=b6−(tanω・cosκ/cosφ−tanφ・sinκ)×(Zm−Z0) (3)
ただし、A1=1+tanφ、A2=B1+B2・tanφ/sinω、A3=B4+B5・tanφ/sinω、A4=tanφ/(cosφ・tanω)とする。また、Zmは第1マーク1a、1b、1c、1d4点の基準点の平均標高とする。ここでは、第1マーク1a、1b、1c、1d4点の基準点は平面座標上なので、標高一定の面と仮定できる。Cは焦点距離で、前述の画面距離に相当している。
【0080】
(II−2):第2マークの概算位置を演算する工程
次に、単写真標定の原理から、対象座標系99で表される地上の対象物(X,Y,Z)に対する、画像座標系98で表される傾いたカメラ座標系におけるカメラ座標(xp、yp、zp)は、式(4)で与えられる。
【数1】
Figure 2005003463
ここで、X0、Y0、Z0は、前述したように、図12(A)に示すような投影中心点Ocの地上座標とする。
【0081】
ここで、式(3)で求めたカメラの傾き(ω、φ、κ)を、式(4)中に代入し、回転行列の計算をして、回転行列の要素a11〜a33を求める。
【0082】
次に、求めた回転行列の要素a11〜a33と式(3)で求めたカメラの位置(X0、Y0、Z0)、及びタ−ゲットの基準点座標(X,Y,Z)を共線条件式{式(5)}に代入し、タ−ゲットの画像座標(x、y)を求める。ここで、共線条件式とは、投影中心、写真像及び地上の対象物が一直線上にある場合に成立する関係式である。これにより、レンズ収差がない場合の第2マークの位置が算出されるので、レンズ収差のある現実の被校正撮影装置19で撮影した画像におけるタ−ゲットの概略の画像座標が求める。
Figure 2005003463
【0083】
ところで、式(3)中のtan−1の演算では解が二つ求めるため、カメラの傾き(ω、φ、κ)はそれぞれ2つ解をもち全通りの計算を行う。そして、第1マーク抽出処理で計測した第1マーク1a、1b、1c、1d4点の画像座標と、式(5)で求めた対応する4点の画像座標との残差の比較により、正解となるω、φ、κを算出する。
なお、ここでは射影変換式として二次の射影変換式を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、三次の射影変換式等の他の射影変換式を利用しても良い。また、概略マーク位置測定部5では、例えばマーク座標記憶部10に格納されている基準点座標ファイルに付加してある第2マークの管理番号を、各第1マークのタ−ゲット(第2マーク)に割り振ることにより、第2マークの対応づけを行う。
【0084】
図9に戻り、精密マーク位置測定部6によって第2マークの精密位置測定を行う(S60)。以下、図11を用いて第2マークの精密位置測定の処理手順を詳細に説明する。まず、精密マーク位置測定部6は、第2マークとしてのタ−ゲットを認識する(S62)。このターゲット認識には、例えば正規化相関を用いたテンプレ−トマッチングを用いる。以下、ターゲット認識の詳細について説明する。
【0085】
(III)ターゲット認識
図12(B)はターゲット認識に用いられる正規化相関のテンプレ−ト画像と対象画像の説明図である。まず、第1マーク抽出処理(S40)で計測した第1マーク、例えば第1マーク1a、1b、1c、1d4点のタ−ゲットの重心位置の中から、任意のタ−ゲットを選ぶ。正規化相関のテンプレ−ト画像は、選ばれたターゲットの重心位置(画像座標)を中心とする、M×M画素の画像とする。また、第2マーク概略位置測定(S50)で算出したタ−ゲットの概略位置(画像座標)を中心として、N×N画素の画像を対象画像とする。
【0086】
次に、対象画像に対して、式(6)に示す正規化相関によるテンプレ−トマッチングを施し、相関値が最大となる位置を求める。この相関値が最大値となる位置にて重ね合わせが達成され、最大値となる位置にてタ−ゲットが認識されたとみなす。ここでのテンプレ−ト画像の中心座標を等倍画像上の画像座標に換算し、検出点とする。
Figure 2005003463
ここで、Aは相関値、Mはテンプレ−ト画像の正方サイズ、Xiは対象画像、Tiはテンプレ−ト画像とする。また、画像の正方サイズN、Mは可変であるが、処理時間の高速化をはかるため、N、Mはタ−ゲットが十分格納できるのを前提にできるだけ小さくするのがよい。
【0087】
図11に戻り、第2マークの精密位置測定を行うために、第2マークのサブピクセルエッジ検出を行う(S64)。第2マークのサブピクセルエッジ検出を行う対象画像は、S62でタ−ゲットと認識された検出点を中心としてN×N画素の画像とする。対象画像に存在する濃淡波形に、式(7)に示すガウス関数の二次微分であるラプラシアン・ガウシアン・フィルタ(LOGフィルタ)を施し、演算結果の曲線の2箇所のゼロ交差点、つまりエッジをサブピクセルで検出する。ここで、サブピクセルとは一画素よりも細かい精度で位置検出を行うことを言う。
・G(x)={(x−2σ)/2πσ}・exp(−x/2σ) (7)
ここで、σはガウス関数のパラメ−タ−である。
【0088】
次に、ターゲットの重心位置を検出し(S66)、戻しとする(S68)。ここでは、式(7)を用いて求めたx、y方向のエッジ位置より、その交点をタ−ゲットの重心位置とする。なお、第2マークの精密位置測定は、S62〜S66に開示した処理に限定されるものではなく、他の重心位置検出法、例えばモーメント法やテンプレートマッチング法をさらに改良して利用するなど、どのような求め方をしても良い。
【0089】
図9に戻り、全タ−ゲット重心位置の確認をし、一見明白な過誤のないことを確認する(S70)。即ち、ターゲット認識されたターゲットの位置検出が適切であるか確認する。操作者による確認の便宜のために、検出されたターゲットの位置を表示部9に表示する。過誤がない場合には、S80に行く。過誤があれば、不適切なターゲットの位置を修正する(S75)。例えば、S62で演算された相関値が低いターゲットや、重心検出位置が概略検出位置とあまりにかけ離れてしまったターゲットは、表示部9上にそのターゲット表示を赤くするなど、操作者に明確にわかるように表示する。すると、過誤のあったターゲットに関しては、操作者によるマニュアルにて計測しなおす(マウスで重心位置を指定する)。なお、ここで過誤のあったターゲット位置を無理に修正しなくとも、あとのキャリブレーションパラメータを求めるためのS90の処理過程によっても、異常点として検出されるので、取り除くことが可能である。
【0090】
そして、S30〜S75の処理を、レンズ収差の測定に必要な画像分繰り返す(S80)。例えば、撮影された画像が5枚であれば、全ての5枚について繰り返しても良く、またレンズ収差の測定に必要な画像分に到達していれば、撮影された画像の全部を繰り返して処理しなくてもよい。
【0091】
レンズ収差の測定に必要な画像分の計測処理を終了したら、次に演算処理部7のカメラの内部パラメータ演算処理を用いて、レンズ収差のキャリブレーション要素を求める処理に移る(S90)。ここでは、キャリブレーション要素の演算対象として、チャート1上の第2マークについて、概略マーク位置測定部5と精密マーク位置測定部の処理により対応づけがなされ重心位置が求められている全ての第2マークについて行う。
【0092】
(IV):カメラの内部パラメータ演算処理(セルフキャリブレーション付きバンドル調整法)
演算処理部7のカメラの内部パラメータ演算処理としては、例えば写真測量分野で使用されている「セルフキャリブレーション付きバンドル調整法」を用いる。ここで、「バンドル調整」とは、被写体、レンズ、CCD面を結ぶ光束(バンドル)は同一直線上になければならないという共線条件に基づき、各画像の光束1本毎に観測方程式をたて、最小2乗法によりカメラの位置と傾き(外部標定要素)と第2マークの座標位置を同時調整する方法である。「セルフキャリブレーション付き」とはさらに、キャリブレーション要素、即ちカメラの内部定位(レンズ収差、主点、焦点距離)を求めることができる方法である。セルフキャリブレーション付きバンドル調整法(以下単に「バンドル調整法」という)の共線条件基本式は、次の式(8)と式(9)である。
【0093】
【数2】
Figure 2005003463
【数3】
Figure 2005003463
【0094】
この式(8)と式(9)は、第1マーク抽出処理で説明した単写真標定の共線条件式(5)を基本式とするものである。即ちバンドル調整法は、式(8)と式(9)を用いて、複数画像から最小二乗近似して、各種解を算出する手法であり、各撮影位置のカメラの外部標定要素を同時に求めることが可能となる。即ち、カメラのキャリブレーション要素を求めることが可能となる。
【0095】
次に、内部定位の補正モデル(レンズ収差)として、放射方向レンズ歪を有する場合の一例を次の式(10)に示す。
【数4】
Figure 2005003463
補正モデルはこれに限らず、使用レンズにあてはまるものを選択すればよい。これら計算は、基準点を地上座標と画像座標で6点以上あれば、逐次近似解法によって算出される。なお、演算処理部7では、逐次近似解法の閾値によって、閾値以上となった場合の誤差の大きいチャート1上の第2マークを省くことによって、正確なキャリブレーション要素を求めることが可能となる。そこで、ターゲット位置重心位置確認(S70)において、誤差の大きい第2マークとして検出されなかった場合でも、S90にて過誤のある第2マークを検出して、除去することが可能である。
【0096】
図9に戻り、演算処理部7によるキャリブレーション要素を求める演算処理結果を判断し(S100)、演算処理が収束しなかったり、或いは得られたキャリブレーション要素が適正と思われないものであった場合、S110にて対処する。S110では、過誤のある第2マークを含む画像を選択する。S90におけるキャリブレーション終了時点で、演算処理部7によりどの画像のどの第2マークに過誤があるか判明しているので、その各画像における該当ターゲット検出点を表示して、確認する。
【0097】
そして、操作者はマニュアル操作にて過誤のある第2マークを修正する(S120)。即ち、過誤のある第2マークの重心位置座標がずれて表示されているので、過誤のある第2マークとして表示されているマークを、適性として表示されている重心位置に移動させることで、修正が行われる。そして、過誤のある第2マークの位置修正が完了したか判断し(S130)、完了していればS90のキャリブレーション要素演算に戻り、キャリブレーション要素を演算しなおす。他方、他に修正箇所があれば、S110に戻って、過誤のある第2マークの位置修正操作を繰り返す。
【0098】
キャリブレーション要素を求める演算処理結果が適性であれば、他の焦点距離のキャリブレーション画像グループが存在するか判断する(S135)。もし、他の焦点距離のキャリブレーション画像グループが存在していれば、S30に戻る。全ての焦点距離のキャリブレーション画像グループに関して、キャリブレーション要素を求める演算処理結果が適性であれば、結果を表示部9に表示する(S140)。図13は、キャリブレーション要素の演算処理結果の一例を示す説明図である。例えば、表示部9への表示には、キャリブレーション要素である焦点距離、主点位置、歪曲パラメータを表示する。レンズ収差を示すディストーションについては、補正前曲線102、補正後曲線104、理想に補正された場合106、についてグラフィック表示するとわかりやすい。
【0099】
さらに、キャリブレーションした結果に基づいて、ディストーション補正した画像を、画像処理部8にて作成して表示部9に表示することもできる。こうすれば、ディストーションの大きいカメラにて撮影した画像も、ディストーション補正されて表示する画像表示装置を提供することが可能となる。
【0100】
次に、演算処理部7で算出された内部パラメータを用いて、焦点距離を変数とするキャリブレーション補正係数関数の説明する。図14は、焦点距離と内部パラメータ関数に用いられる係数の関係を説明する図で、(A)は式(10)の係数k1、(B)は式(10)の係数k2、(C)は画像座標系xでのカメラ主点と画像中心のx軸位置ずれ係数x、(D)は画像座標系yでのカメラ主点と画像中心のy軸位置ずれ係数yを表している。ここでは、被校正撮影装置19の焦点距離が7.2mmから50.8mmで調整可能な場合を取り上げる。焦点距離データの測定個数を6個とすると、7.2mmが最広角となり、52.2mmが最望遠となり、中間の測定点として光学的意味での等間隔で測定をする為に、8.7mm、11.6mm、24.8mm、39.0mmが選択される。
【0101】
式(10)の係数k1、k2は、最広角側で最大値をとり、最望遠側では小さくなっている。画像座標系xでのカメラ主点と画像中心のx軸位置ずれ係数xは、被校正撮影装置19の焦点距離が11.6mmと52.2mmで最小値4.41をとり、24.8mmで最大値4.55をとる複雑な変化をしているので、焦点距離の五次曲線で近似している。画像座標系yでのカメラ主点と画像中心のy軸位置ずれ係数yは、被校正撮影装置19の焦点距離に応じて単調に変化している。なお、チャート撮影画像はピントが合った状態で撮影されるので、被校正撮影装置19の焦点距離fと、投影中心点Ocから画像座標系98までの画面距離Cとは、等しくなっている。
【0102】
演算処理部7では、焦点距離fを入力すると、内部パラメータ関数に用いられる係数k1、k2、x、yが得られる構成とするとよい。そして、内部パラメータ関数としての式(8)、式(9)、式(10)にこれらの係数を代入して、それぞれの観測点に関して観測方程式を立てる。そして、観測方程式を連立して解くと共に、最小2乗法を適用することで、最も確からしい内部パラメータが算出できる。
【0103】
図15は、本発明の第2の実施の形態を説明するキャリブレーション装置の構成ブロック図で、併せてキャリブレーション装置の実施例1と実施例3の構成ブロック図を示してある。図において、本発明のキャリブレーション装置は、画像データ取得部71、取得画像データ記録部72、マーク認識部73、マーク位置探索部74、内部パラメータ演算部75、キャリブレーションチャート・マーク配置データベース76、画像データ修正部77、画像回転情報取得部80、テンプレート姿勢調整部81、テンプレート走査方向調整部82を備えている。
【0104】
取得画像データ記録部72は、前述の画像データ記憶部3に相当している。画像データ取得部71は、図2に示すようなマークが配置されたキャリブレーションチャート1を、被校正撮影装置19で撮影した複数のチャート撮影画像を取得して、画像データ記録部72に記憶させる為のインターフェイス装置で、例えば各種のI/O機器が用いられる。
【0105】
マーク認識部73は、チャート撮影画像に対してマークを抽出する為のテンプレートを作用させて、チャート撮影画像に存在するマークを認識するもので、例えば前述の抽出部4と精密マーク位置測定部6が対応している。マーク位置探索部74は、マーク認識部73で認識されたマークの、チャート撮影画像での対応位置を探索するもので、例えば前述の概略マーク位置測定部5と精密マーク位置測定部6が対応している。ここで、対応位置とは、確率論的な確からしさを表す尤度が所定値以上の場合、または最尤(most likelihood)条件の場合をいう。
【0106】
内部パラメータ演算部75は、マーク位置探索部74で選定されたマーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算するもので、例えば前述の演算処理部7が対応している。キャリブレーションチャート・マーク配置データベース76には、例えば前述のマーク座標記憶部10が対応している。画像データ修正部77には、例えば前述の画像処理部8が対応している。
【0107】
図2に示すキャリブレーションチャート1では、概括的な位置関係を定める概括基準マークと、当該概括基準マークよりも多数配置されると共に詳細な位置関係を定める詳細基準マークとが存在している。概括基準マークには、例えば図2の第1マーク1a、1b、1c、1d、1eが相当している。詳細基準マークには、例えば図2の第2マークが相当している。マーク認識部73は、抽出部4により概括基準マークのマーク認識を行ない、精密マーク位置測定部6により概括基準マークを用いて詳細基準マークのマーク認識を行なう。マーク位置探索部74は、概略マーク位置測定部5により概括基準マークの対応位置の探索を行ない、精密マーク位置測定部6により概括基準マークの対応位置を用いて詳細基準マークの対応位置の探索を行なう。内部パラメータ演算部75は、マーク位置探索部74で選定された概括基準マークと詳細基準マークのマーク位置と、キャリブレーションチャート1での概括基準マークと詳細基準マークのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する構成とするとよい。
【0108】
画像回転情報取得部80は、キャリブレーションチャート1の画像回転情報を取得するもので、例えば画像回転処理部54や校正画像記憶部59から取得する。テンプレート姿勢調整部81は、画像回転情報取得部80の取得した画像回転情報に基づき、マーク認識部73で利用するテンプレートの姿勢を回転処理する。テンプレート走査方向調整部82は、画像回転情報取得部80の取得した画像回転情報に基づき、マーク認識部73のテンプレートの作用としてのテンプレート走査方向を調整する。
【0109】
このように構成された装置の動作を次に説明する。図16は図15の装置の動作を説明するフローチャートである。まず、キャリブレーションチャート画像表示装置50に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャート1を、被校正撮影装置19で撮影する(S300)。次に、被校正撮影装置19で撮影した複数のチャート撮影画像を、画像データ取得部71で取得する(S302)。続いて、マーク認識部73で用いるマークを抽出する為のテンプレートを設定する(S304)。設定されるテンプレートは、キャリブレーションチャート1に配置されたマークを抽出するのに適した画像とする。
【0110】
そして、マーク認識部73はチャート撮影画像に対してテンプレートを作用させて、チャート撮影画像に存在するマークを認識する(S306)。次にマーク位置探索部74は、S306で認識されたマークのチャート撮影画像での対応位置を探索する(S308)。内部パラメータ演算部75は、S308で探索されたマーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する(S310)。そして、画像データ修正部77によって、得られた被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを用いて、チャート撮影画像の画像歪みを修正する(S312)。
【0111】
図17は、チャート撮影画像と、マーク認識部によりチャート撮影画像に対して作用させるテンプレートの説明図である。図において、チャート撮影画像としてのキャリブレーションチャート1の略中央部に設けられた第1のマーク1fに対応して、概括基準マークを検出する第1のテンプレート108と、詳細基準マークを検出する第2のテンプレート109が設けられている。ここで、第1のマーク1fは四辺形の外枠と菱形の内枠を組合せた形状になっており、中心部には詳細基準マークに相当する第2のマークが形成されている。第1のテンプレート108は、第1のマーク1fの外枠よりも僅かに大きく形成された矩形形状をしている。第2のテンプレート109は、第2のマークよりも僅かに大きく形成された矩形形状をしている。
【0112】
なお、マーク認識部73として、指定エリア濃淡方式を用いることができる。指定エリア濃淡方式を用いる場合には、キャリブレーションチャート1の全領域について概括基準マークに対応するテンプレート108を作用させて、次式の平均濃淡値を算出しつつ、テンプレートを走査させる。
Dave=ΣD/Pnum (11)
ここで、Daveは指定されたテンプレート相当の領域における平均濃淡値、Dは各画素の濃淡値、Pnumは指定されたテンプレートの総画素数とする。そして、概括基準マークに相当する数の平均濃淡値の最も低い箇所を、マーク認識部73が認識したマークとして扱う。マーク認識部73に指定エリア濃淡方式を用いると、抽出部4において概括基準マークのマーク認識に用いられる残差逐次検定(SSDA)法や正規化相関法によるテンプレートマッチングに比較して、処理速度が早くなると共に、平均濃淡値が既に概括基準マークに相当する数の平均濃淡値の最も低い箇所でのマーク認識濃淡値に比較して大きくなったときは、計算の打切りが可能となり、演算処理が発散する可能性が少ない。
【0113】
図18は、概括基準マークと詳細基準マークとが存在するキャリブレーションチャートに対して、図15の装置を動作させる場合を説明するフローチャートである。まず、キャリブレーションチャート画像表示装置に表示されるキャリブレーションチャート1を、被校正撮影装置19で撮影する(S420)。ここで、キャリブレーションチャート1には、概括的な位置関係を定める概括基準マークと、当該概括基準マークよりも多数配置されると共に詳細な位置関係を定める詳細基準マークが配置されている。次に、被校正撮影装置19で撮影した複数のチャート撮影画像を、画像データ取得部71で取得する(S421)。続いて、マーク認識部73に概括基準マークを抽出する為の第1のテンプレート108を設定する(S422)。そして、マーク認識部73は、チャート撮影画像に対して第1のテンプレートを作用させて、チャート撮影画像に存在する概括基準マークを認識する(S424)。次にマーク位置探索部74は、S424で認識された概括基準マークの前記チャート撮影画像での対応位置を探索する(S426)。
【0114】
続いてマーク認識部73は、探索された概括基準マークのマーク位置を用いて、チャート撮影画像に対して詳細基準マークを抽出する(S428)。そして、マーク位置探索部74は、認識された詳細基準マークのチャート撮影画像での対応位置を探索する(S430)。内部パラメータ演算部75は、探索された概括基準マークと概括基準マークのマーク位置と、キャリブレーションチャート1での対応する概括基準マークと概括基準マークのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する(S432)。そして、画像データ修正部77によって、得られた被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを用いて、チャート撮影画像の画像歪みを修正する(S434)。
【0115】
次に、キャリブレーションチャート1の画像回転情報が既知の場合に適応させた、キャリブレーション装置の実施例1を説明する。キャリブレーション装置の実施例1では、図15の装置において、画像回転情報取得部80とテンプレート姿勢調整部81が有効に作用する。図19はキャリブレーション装置の実施例1の動作を説明するフローチャートである。まず、S300、S302、S304は、前述した対応箇所の説明と重複するので、図16の該当箇所の説明を援用する。次に、画像回転情報取得部80は、キャリブレーションチャート1の画像回転情報を取得する(S305)。テンプレート姿勢調整部81は、画像回転情報に基づき、テンプレートの姿勢を回転処理する(S320)。
【0116】
続いてマーク認識部73は、チャート撮影画像に対してテンプレートを作用させて、チャート撮影画像に存在するマークを認識する(S322)。そして、マーク位置探索部74は、認識されたマークのチャート撮影画像での対応位置を探索する(S324)。内部パラメータ演算部75は、S324で探索されたマーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する(S326)。そして、画像データ修正部77によって、得られた被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを用いて、チャート撮影画像の画像歪みを修正する(S328)。
【0117】
図20はテンプレート姿勢調整部によるテンプレートの姿勢を回転処理する状態の説明図で、(A)は0°でのテンプレート画像例、(B)は20°回転したテンプレート画像例を示している。図21はチャート撮影画像に対してテンプレートを作用させる状態の実施例1と実施例3の説明図で、(A)は0°でのキャリブレーションチャート1(ドットパターン)の表示画像例、(B)は20°右上に傾けたドットパターンの表示画像例でテンプレート走査方向が水平な場合、(C)はテンプレート走査方向が画像回転角相当量傾いている場合を示している。S322では、図20(B)に示すような回転処理したテンプレートを用いて、図21(B)に示すようにテンプレート走査方向を水平としてチャート撮影画像に対してテンプレートを作用させている。
【0118】
次に、キャリブレーションチャート1の画像回転情報が未知の場合に適用させる、キャリブレーション装置の実施例2を説明する。図22は、キャリブレーション装置の実施例2の構成ブロック図である。なお、図22において前記図15と同一作用をするものには同一符号を付して、説明を省略する。図において、実施例2のキャリブレーション装置は、テンプレート走査方向設定部83と画像回転適応処理部84を有している。
【0119】
テンプレート走査方向設定部83は、マーク認識部73のテンプレートの作用としてのテンプレート走査方向を複数設定する。画像回転適応処理部84は、テンプレート走査方向設定部83で設定された複数のテンプレート走査方向によりテンプレートを作用させて、最適なテンプレート走査方向を選択する。マーク認識部73は、画像回転適応処理部84で選択されたテンプレート走査方向を用いてチャート撮影画像に存在するマークを認識する。テンプレート走査方向の設定は、まず粗い角度(例えば10°毎)間隔で概略の回転角度を検出し、次に細かな角度(例えば1〜2°毎)間隔で詳細な回転角度を検出する2段階方式とすると、高い精度と迅速処理を両立させることができる。
【0120】
図23はキャリブレーション装置の実施例2の動作を説明するフローチャートである。まず、S300、S302は、前述した対応箇所の説明と重複するので、図16の該当箇所の説明を援用する。次に、テンプレート走査方向設定部83によって、マークを抽出する為のテンプレートを設定すると共に、テンプレートのテンプレート走査方向を複数設定する(S340)。画像回転適応処理部84によって、チャート撮影画像に対して複数のテンプレート走査方向によりテンプレートを作用させて、最適なテンプレート走査方向を選択する(S344)。マーク認識部73は、チャート撮影画像に対して最適なテンプレート走査方向によりテンプレートを作用させて、チャート撮影画像に存在するマークを認識する(S346)。そして、マーク位置探索部74は、認識されたマークのチャート撮影画像での対応位置を探索する(S348)。内部パラメータ演算部75は、S348で探索されたマーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する(S350)。そして、画像データ修正部77によって、得られた被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを用いて、チャート撮影画像の画像歪みを修正する(S352)。
【0121】
次に、キャリブレーションチャート1の画像回転情報が既知の場合に適用させる、キャリブレーション装置の実施例3を説明する。キャリブレーション装置の実施例3では、図15の装置において、画像回転情報取得部80とテンプレート走査方向調整部82が有効に作用する。また、図21(C)に示すように、テンプレート走査方向が画像回転角相当量傾いている。
【0122】
図24はキャリブレーション装置の実施例3の動作を説明するフローチャートである。まず、S300、S302、S304は、前述した対応箇所の説明と重複するので、図16の該当箇所の説明を援用する。次に、画像回転情報取得部80は、キャリブレーションチャート1の画像回転情報を取得する(S305)。テンプレート走査方向調整部82は、画像回転情報に基づき、テンプレート走査方向を調整する(S360)。S362、S364、S366、S368に関しては、図19のS322、S324、S326、S328と同様なので、説明を省略する。
【0123】
次に、キャリブレーションチャート1の画像回転情報が既知の場合に適用させる、キャリブレーション装置の実施例4を説明する。図25は、キャリブレーション装置の実施例2の構成ブロック図である。図において、実施例4のキャリブレーション装置は、画像データ取得部71、取得画像データ記録部72、キャリブレーションチャート・マーク配置データベース76、画像回転情報取得部80、画像回転初期化部85、マーク認識部86、マーク位置探索部87、マーク位置回転処理部88、内部パラメータ演算部89、画像データ修正部90を備えている。
【0124】
画像回転初期化部85は、画像回転情報取得部80で取得した画像回転情報に基づき、チャート撮影画像から画像回転の影響を除去して、例えば0°でのキャリブレーションチャート1の表示画像に初期化する。マーク認識部86は、画像回転初期化部85で初期化されたチャート撮影画像に対して、マークを抽出する為のテンプレートを作用させて、初期化されたチャート撮影画像に存在するマークを認識するもので、例えば前述の抽出部4と精密マーク位置測定部6が対応している。マーク位置探索部87は、マーク認識部86で認識されたマークの、初期化されたチャート撮影画像での対応位置を探索するもので、例えば前述の概略マーク位置測定部5と精密マーク位置測定部6が対応している。
【0125】
マーク位置回転処理部88は、マーク位置探索部87で探索されたマーク位置を、当初チャート撮影画像の画像回転情報に基づいて変換する。内部パラメータ演算部89は、マーク位置回転処理部88で変換されたマーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算するもので、例えば前述の演算処理部7が対応している。画像データ修正部90には、例えば前述の画像処理部8が対応している。
【0126】
図26はキャリブレーション装置の実施例4の動作を説明するフローチャートである。まず、S300、S302、S304は、前述した対応箇所の説明と重複するので、図16の該当箇所の説明を援用する。次に、画像回転情報取得部80は、キャリブレーションチャート1の画像回転情報を取得する(S305)。画像回転初期化部85は、画像回転情報取得部80で取得した画像回転情報に基づき、チャート撮影画像から画像回転の影響を除去する(S380)。なお、初期化されたチャート撮影画像には、被校正撮影装置19のレンズ歪みの影響が含まれる為、キャリブレーションチャート1の画像と厳密には一致していない。
【0127】
続いて、マーク認識部86は、S380で画像回転の影響を除去されたチャート撮影画像に対して、テンプレートを作用させて、画像回転の影響を除去されたチャート撮影画像に存在する前記マークを認識する(S382)。そして、マーク位置探索部87は、S382で認識されたマークの、画像回転の影響を除去されたチャート撮影画像での対応位置を探索する(S384)。マーク位置回転処理部88は、探索された対応マーク位置を、当初チャート撮影画像の画像回転情報に基づいて変換する(S386)。内部パラメータ演算部89は、S386で変換された対応マーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する(S388)。そして、画像データ修正部90によって、得られた被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを用いて、チャート撮影画像の画像歪みを修正する(S390)。
【0128】
図27は実施例4と実施例6におけるテンプレートとキャリブレーションチャートの画像回転状態を説明する図で、(A)は20°右上に傾けたキャリブレーションチャート1(ドットパターン)の表示画像例、(B)は初期化された0°でのドットパターンの表示画像例、(C)はテンプレートにより探索されたマーク位置を原画像回転状態の画像に戻した状態、(D)は実施例6におけるマーク認識の説明図である。実施例4では、画像回転初期化部85が、図27(A)のような原画像回転状態の画像を初期化して、図27(B)のように変換する。次に、マーク位置回転処理部88が図27(B)のような初期化された画像を原画像に復元して、図27(C)のように変換する。
【0129】
次に、キャリブレーションチャート1の画像回転情報が既知の場合に適用させる、キャリブレーション装置の実施例5を説明する。図28は、キャリブレーション装置の実施例5の構成ブロック図である。図において、実施例5のキャリブレーション装置は、画像データ取得部71、取得画像データ記録部72、キャリブレーションチャート・マーク配置データベース76、画像回転情報取得部80、画像領域分割部91、マーク認識部92、マーク位置探索部93、内部パラメータ演算部94、画像データ修正部95を備えている。
【0130】
画像領域分割部91は、チャート撮影画像をマークが少なくとも一個含まれる複数の領域に分割する。概括基準マークと詳細基準マークとが存在するキャリブレーションチャートに対しては、画像領域分割部91の分割基準のマークを概括基準マークとすると、分割数が適切な値となる。マーク認識部92は、画像領域分割部91で分割された個別のチャート撮影画像領域に対してマークを抽出する為のテンプレートを作用させて、チャート撮影画像領域に存在するマークを認識するもので、例えば前述の抽出部4と精密マーク位置測定部6の機能を用いている。マーク位置探索部93は、マーク認識部92で認識されたマークの、チャート撮影画像での対応位置を探索するもので、例えば前述の概略マーク位置測定部5と精密マーク位置測定部6の機能を用いている。内部パラメータ演算部94は、マーク位置探索部93で選定されたマーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算するもので、例えば前述の演算処理部7の機能を用いている。画像データ修正部95には、例えば前述の画像処理部8が対応している。
【0131】
図29はキャリブレーション装置の実施例5の動作を説明するフローチャートである。まず、S300、S302、S304は、前述した対応箇所の説明と重複するので、図16の該当箇所の説明を援用する。次に、画像領域分割部91によって、チャート撮影画像をマークが少なくとも一個含まれる複数の領域に分割する(S400)。そして、マーク認識部92は、S400で分割された個別のチャート撮影画像領域に対して、テンプレートを作用させて、チャート撮影画像領域に存在するマークを認識する(S402)。マーク位置探索部93は、認識されたマークの、チャート撮影画像での対応位置を探索する(S404)。内部パラメータ演算部94は、探索されたマーク位置と、キャリブレーションチャート1でのマーク配置位置とを比較して、被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを演算する(S406)。そして、画像データ修正部95によって、得られた被校正撮影装置19のキャリブレーション用データを用いて、チャート撮影画像の画像歪みを修正する(S408)。
【0132】
図30は、実施例5におけるテンプレートとキャリブレーションチャートの画像回転状態を説明する図である。画像領域分割部91によって、キャリブレーションチャート1を、概括基準マーク毎に複数の領域に分割している。なお、マーク認識部92として、指定エリア濃淡方式を用いることができる。指定エリア濃淡方式を用いる場合には、分割された個別のチャート撮影画像領域について概括基準マークに対応するテンプレートを作用させて、前出の式(11)により平均濃淡値を算出する。そして、平均濃淡値の最も低い箇所を、マーク認識部92はマークとして認識する。キャリブレーションチャート1を概括基準マーク毎に複数の領域に分割して概括基準マークを認識する場合には、キャリブレーションチャート1の全領域について概括基準マークの数だけマーク認識する場合に比較して、マーク認識された概括基準マークの管理が簡単になる。
【0133】
次に、テンプレートを設定することなく、キャリブレーションチャート1のマーク認識を行なう、キャリブレーション装置の実施例6を説明する。図31は、キャリブレーション装置の実施例6の構成ブロック図である。図において、実施例6のキャリブレーション装置は、画像データ取得部71、取得画像データ記録部72、マーク位置探索部74、内部パラメータ演算部75、キャリブレーションチャート・マーク配置データベース76、画像データ修正部77、マーク基準寸法部96、マーク認識部97を備えている。
【0134】
マーク基準寸法部96は、マークの基準寸法が設定されているもので、例えば次のようにして設定される。図17に示すように、キャリブレーションチャート1と概括基準マークの大きさの比率をK、キャリブレーションチャート1全体のピクセルサイズをPとすると、概括基準マークに対応する基準寸法Tは次式で与えられる。
T=KxP (12)
マーク基準寸法部96に設定される概括基準マークに対応する基準寸法Tは、概ね第1のテンプレート108の大きさに一致している。
【0135】
マーク認識部97は、マーク基準寸法部96で設定された基準寸法をチャート撮影画像に対して作用させて、チャート撮影画像に存在するマークを認識する。マーク認識部97が、前出の指定エリア濃淡方式を適用している場合には、マーク基準寸法部96で設定された基準寸法Tの線分について、前出の式(11)を適用して、画像データに対して平均濃淡値を算出すると共に、線分をチャート撮影画像全体に対してスキャンを行う。マーク認識部97は、平均濃淡値が低い(暗い)線分が密集する箇所を、概括基準マークの数だけ探索し、各密集した領域の中心を概括基準マークとして認識する。
【0136】
図32はキャリブレーション装置の実施例6の動作を説明するフローチャートである。まず、S300、S302は、前述した対応箇所の説明と重複するので、図16の該当箇所の説明を援用する。次に、マーク基準寸法部96で設定されたマークを抽出する為のマーク基準寸法を用いて、マーク認識部97によりチャート撮影画像に対して作用させて、チャート撮影画像に存在するマークを認識する(S410)。S412、S414、S416に関しては、図19のS324、S326、S328と同様なので、説明を省略する。
【0137】
なお、上記の実施の形態においては、キャリブレーションチャートとして平面的な画像の場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、立体的なものでも良い。図33は立体基準チャートの一例を示す構成斜視図である。図において、立体基準チャート20は、ターゲット20a〜20hの位置が三次元的に正確に測定されているもので、ターゲットの数、高さ、並びに平面的な座標は三次元計測に適するように適宜に定められている。
【0138】
図34はキャリブレーションチャート画像表示部61によって表示される三次元キャリブレーション画像の一例を説明する図である。キャリブレーション画像は、例えば図4(A)で説明した正面(I)、左上(II)、右上(III)、左下(IV)、右下(V)の5方向をキャリブレーション撮影方向として、図33で示す立体基準チャート20を撮影したものである。このような三次元キャリブレーション画像であっても、基準画像記憶部52に記憶して、画像形成部51により所定角度の回転処理して、キャリブレーションチャート画像表示部61により表示できる。また、このような三次元キャリブレーション画像でも、本発明のキャリブレーション装置に表示させて良い。
【0139】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のキャリブレーションチャート画像表示装置によれば、所定のキャリブレーション撮影方向から撮影されたキャリブレーションチャートの画像を記憶する校正画像記憶部と、前記校正画像記憶部に記憶されたキャリブレーションチャート画像を、前記キャリブレーション撮影方向と所定の画像回転角度に応じて表示するキャリブレーションチャート画像表示部とを備えているので、被校正撮影装置側で調整することなくキャリブレーション撮影方向を変えたキャリブレーションチャート画像がキャリブレーションチャート画像表示部に表示される。また、キャリブレーションチャート画像を所定の画像回転角度の変換処理してキャリブレーションチャート画像表示部に表示されるので、キャリブレーションチャートのマークは、被校正撮影装置の撮影に際してレンズ全面に渡って満遍なく配置される。
【0140】
また本発明の請求項8に記載のキャリブレーション装置によれば、キャリブレーションチャート画像表示装置に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャートを、被校正撮影装置で撮影した複数のチャート撮影画像を用いて、当該被校正撮影装置のキャリブレーション用データを求めるキャリブレーション装置であって、前記チャート撮影画像に対して前記マークを抽出する為のテンプレートを作用させて、前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識するマーク認識部と前記マーク認識部で認識されたマークの、前記チャート撮影画像での対応位置を探索するマーク位置探索部と、前記マーク位置探索部で選定されたマーク位置と、前記キャリブレーションチャートでのマーク配置位置とを比較して、前記被校正撮影装置のキャリブレーション用データを演算する内部パラメータ演算部を備えているので、キャリブレーションチャート表示装置に表示されたキャリブレーションチャートを用いて、カメラの画像歪曲を修正するのに必要とされる内部パラメータを容易に算出できる。
【0141】
また本発明の請求項10乃至請求項15に記載のキャリブレーション装置によれば、キャリブレーションチャート画像表示装置に表示される画像回転処理されたキャリブレーションチャートを、被校正撮影装置で撮影して取得したチャート撮影画像をキャリブレーション装置で処理する際に、画像回転処理された内容を反映させているので、被校正撮影装置の撮影に際してレンズ全面に渡って満遍なく配置されるキャリブレーションチャートのマークを用いて、カメラの画像歪曲を修正するのに必要とされる内部パラメータを容易に算出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明する全体構成ブロック図である。
【図2】キャリブレーションチャートの一例を示す平面図である。
【図3】第1マークの一例を示す説明図である。
【図4】レンズ収差を計測する場合のカメラ配置を説明する図で、(A)はカメラ配置を示した立体図であり、(B)は一般的に標準レンズ及び望遠レンズを使用したときのカメラ間隔を示した図である。
【図5】標準レンズや広角レンズのカメラによるチャートの撮影手順の説明図で、(A1)〜(A4)はカメラの画像、(B1)〜(B4)はカメラ画像に対応するチャートとカメラの位置関係を示している。
【図6】キャリブレーションチャート画像表示部61によって表示されるキャリブレーション画像の一例を説明する図である。
【図7】画像回転処理部で回転処理されたキャリブレーションチャートの一例を示す図である。
【図8】本発明のキャリブレーション装置の共通構造を説明する全体構成ブロック図である。
【図9】キャリブレーション装置を用いたキャリブレーション方法を説明するフローチャートである。
【図10】S10におけるキャリブレーションチャート画像表示装置を用いたキャリブレーション画像撮影を説明するフローチャートである。
【図11】S60における第2マーク精密位置計測を説明するフローチャートである。
【図12】(A)は中心投影における画像座標系と対象座標系の説明図、(B)はターゲット認識に用いられる正規化相関のテンプレ−ト画像と対象画像の説明図である。
【図13】キャリブレーション要素の演算処理結果の一例を示す説明図である。
【図14】焦点距離と内部パラメータ関数に用いられる係数の関係を説明する図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態を説明するキャリブレーション装置の構成ブロック図で、併せてキャリブレーション装置の実施例1と実施例3の構成ブロック図を示してある。
【図16】図15の装置の動作を説明するフローチャートである。
【図17】チャート撮影画像と、マーク認識部によりチャート撮影画像に対して作用させるテンプレートの説明図である。
【図18】概括基準マークと詳細基準マークとが存在するキャリブレーションチャートに対して、図15の装置を動作させる場合を説明するフローチャートである。
【図19】キャリブレーション装置の実施例1の動作を説明するフローチャートである。
【図20】テンプレート姿勢調整部によるテンプレートの姿勢を回転処理する状態の説明図である。
【図21】チャート撮影画像に対してテンプレートを作用させる状態の説明図である。
【図22】キャリブレーション装置の実施例2の構成ブロック図である。
【図23】キャリブレーション装置の実施例2の動作を説明するフローチャートである。
【図24】キャリブレーション装置の実施例3の動作を説明するフローチャートである。
【図25】キャリブレーション装置の実施例4の構成ブロック図である。
【図26】キャリブレーション装置の実施例4の動作を説明するフローチャートである。
【図27】実施例4と実施例6におけるテンプレートとキャリブレーションチャートの画像回転状態を説明する図である。
【図28】キャリブレーション装置の実施例5の構成ブロック図である。
【図29】キャリブレーション装置の実施例5の動作を説明するフローチャートである。
【図30】実施例5におけるテンプレートとキャリブレーションチャートの画像回転状態を説明する図である。
【図31】キャリブレーション装置の実施例6の構成ブロック図である。
【図32】キャリブレーション装置の実施例6の動作を説明するフローチャートである。
【図33】立体基準チャートの一例を示す構成斜視図である。
【図34】キャリブレーションチャート画像表示部によって表示される三次元キャリブレーション画像の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1 キャリブレーションチャート
19 (被校正)撮影装置
50 キャリブレーションチャート画像表示装置
51 画像形成部
52 基準画像記憶部
53 画像変換処理部
54 画像回転処理部
55 表示順序制御部
56 撮影信号出力部
57 校正画像切換え指示部
58 焦点距離修正制御部
59 校正画像記憶部
61 キャリブレーションチャート画像表示部
70 キャリブレーション装置
73、86、92、97 マーク認識部
74、87、93 マーク位置探索部
75、89、94 内部パラメータ演算部
80 画像回転情報取得部
81 テンプレート姿勢調整部
82 テンプレート走査方向調整部
83 テンプレート走査方向設定部
84 画像回転適応処理部
85 画像回転初期化部
88 マーク位置回転処理部
91 画像領域分割部
96 マーク基準寸法部

Claims (23)

  1. 所定のキャリブレーション撮影方向から撮影されたキャリブレーションチャートの画像を記憶する校正画像記憶部と;
    前記校正画像記憶部に記憶されたキャリブレーションチャート画像を、前記キャリブレーション撮影方向と所定の画像回転角度に応じて表示するキャリブレーションチャート画像表示部と;
    を備えるキャリブレーションチャート画像表示装置。
  2. 前記キャリブレーションチャート画像表示部は、キャリブレーションチャート表示を白黒反転して表示可能に構成されていることを特徴とする請求項1項に記載のキャリブレーションチャート画像表示装置。
  3. 所定のキャリブレーション撮影方向から、かつ所定の回転を施したキャリブレーションチャートを観察した状態の画像を形成する画像形成部と;
    該画像形成部で形成されたキャリブレーションチャート画像を表示するキャリブレーションチャート画像表示部と;
    を備えるキャリブレーションチャート画像表示装置。
  4. 前記画像形成部は;
    特定方向から撮影されたキャリブレーションチャートの画像を記憶する基準画像記憶部と;
    前記基準画像記憶部に記憶された画像を用いて、前記特定方向と前記キャリブレーション撮影方向との画像変換関係を適用して、前記キャリブレーション撮影方向のキャリブレーションチャートの画像を形成する画像変換処理部を備える;
    請求項3に記載のキャリブレーションチャート画像表示装置。
  5. さらに、前記キャリブレーションチャート画像表示部に表示されるキャリブレーションチャート画像を、被校正対象となる撮影装置の撮影動作に連動して、順次選択する表示順序制御部を備える;
    請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のキャリブレーションチャート画像表示装置。
  6. 前記表示順序制御部は、さらに;
    前記キャリブレーションチャート画像表示部が、キャリブレーションチャート画像を表示した後、撮影信号を前記撮影装置に出力する撮影信号出力部と;
    前記撮影装置による前記キャリブレーションチャート画像の撮影完了信号を入力して、前記キャリブレーションチャート画像表示部に対して、後続するキャリブレーションチャート画像の表示命令信号を出力する校正画像切換え指示部とを備える;
    請求項5に記載のキャリブレーションチャート画像表示装置。
  7. さらに、キャリブレーション対象となる撮影装置から取得された焦点距離情報に応じて、前記キャリブレーションチャート画像表示部に表示されるキャリブレーションチャート画像の大きさ又は密度の少なくとも一方を変更する焦点距離修正制御部を備える;
    請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のキャリブレーションチャート画像表示装置。
  8. キャリブレーションチャート画像表示装置に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャートを、被校正撮影装置で撮影した複数のチャート撮影画像を用いて、当該被校正撮影装置のキャリブレーション用データを求めるキャリブレーション装置であって;
    前記チャート撮影画像に対して前記マークを抽出する為のテンプレートを作用させて、前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識するマーク認識部と;
    前記マーク認識部で認識されたマークの、前記チャート撮影画像での対応位置を探索するマーク位置探索部と;
    前記マーク位置探索部で選定されたマーク位置と、前記キャリブレーションチャートでのマーク配置位置とを比較して、前記被校正撮影装置のキャリブレーション用データを演算する内部パラメータ演算部と;
    を備えるキャリブレーション装置。
  9. 前記キャリブレーションチャートは、概括的な位置関係を定める概括基準マークと、当該概括基準マークよりも多数配置されると共に詳細な位置関係を定める詳細基準マークとを前記マークとして有し;
    前記マーク認識部は、前記概括基準マークのマーク認識と、前記概括基準マークを用いて前記詳細基準マークのマーク認識を行ない;
    前記マーク位置探索部は、前記概括基準マークの対応位置の探索と、前記概括基準マークの対応位置を用いて前記詳細基準マークの対応位置を探索し;
    内部パラメータ演算部は、前記マーク位置探索部で選定された前記概括基準マークと前記詳細基準マークのマーク位置と、前記キャリブレーションチャートでの概括基準マークと詳細基準マークのマーク配置位置とを比較して、前記被校正撮影装置のキャリブレーション用データを演算する;
    請求項8に記載のキャリブレーション装置。
  10. さらに前記キャリブレーションチャートの画像回転情報を取得する画像回転情報取得部と;
    前記画像回転情報に基づき、前記テンプレート姿勢を回転処理するテンプレート姿勢調整部と;
    を備え、前記マーク認識部は、前記テンプレート姿勢調整部で回転処理されたテンプレートを用いて前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識する請求項8又は請求項9に記載のキャリブレーション装置。
  11. さらに、前記マーク認識部のテンプレートの作用としてのテンプレート走査方向を複数設定するテンプレート走査方向設定部と;
    前記テンプレート走査方向設定部で設定された複数のテンプレート走査方向により前記テンプレートを作用させて、最適なテンプレート走査方向を選択する画像回転適応処理部と;
    を備え、前記マーク認識部は、前記画像回転適応処理部で選択されたテンプレート走査方向を用いて前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識する請求項8又は請求項9に記載のキャリブレーション装置。
  12. さらに、前記キャリブレーションチャートの画像回転情報を取得する画像回転情報取得部と;
    前記画像回転情報に基づき、前記マーク認識部のテンプレートの作用としてのテンプレート走査方向を調整するテンプレート走査方向調整部と;
    を備える請求項8又は請求項9に記載のキャリブレーション装置。
  13. キャリブレーションチャート画像表示装置に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャートを、被校正撮影装置で撮影した複数のチャート撮影画像を用いて、当該被校正撮影装置のキャリブレーション用データを求めるキャリブレーション装置であって;
    前記キャリブレーションチャートの画像回転情報を取得する画像回転情報取得部と;
    前記画像回転情報に基づき、前記チャート撮影画像から画像回転の影響を除去する画像回転初期化部と;
    前記画像回転初期化部で初期化されたチャート撮影画像に対して、前記マークを抽出する為のテンプレートを作用させて、前記初期化されたチャート撮影画像に存在する前記マークを認識するマーク認識部と;
    前記マーク認識部で認識されたマークの、前記初期化されたチャート撮影画像での対応位置を探索するマーク位置探索部と;
    前記マーク位置探索部で探索されたマーク位置を、当初チャート撮影画像の画像回転情報に基づいて変換するマーク位置回転処理部と;
    前記マーク位置回転処理部で変換されたマーク位置と、前記キャリブレーションチャートでのマーク配置位置とを比較して、前記被校正撮影装置のキャリブレーション用データを演算する内部パラメータ演算部と;
    を備えるキャリブレーション装置。
  14. キャリブレーションチャート画像表示装置に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャートを、被校正撮影装置で撮影した複数のチャート撮影画像を用いて、当該被校正撮影装置のキャリブレーション用データを求めるキャリブレーション装置であって;
    前記チャート撮影画像を前記マークが少なくとも一個含まれる複数の領域に分割する画像領域分割部と;
    前記画像領域分割部で分割された個別のチャート撮影画像領域に対して前記マークを抽出する為のテンプレートを作用させて、前記チャート撮影画像領域に存在する前記マークを認識するマーク認識部と;
    前記マーク認識部で認識されたマークの、前記チャート撮影画像での対応位置を探索するマーク位置探索部と;
    前記マーク位置探索部で選定されたマーク位置と、前記キャリブレーションチャートでのマーク配置位置とを比較して、前記被校正撮影装置のキャリブレーション用データを演算する内部パラメータ演算部と;
    を備えるキャリブレーション装置。
  15. キャリブレーションチャート画像表示装置に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャートを、被校正撮影装置で撮影した複数のチャート撮影画像を用いて、当該被校正撮影装置のキャリブレーション用データを求めるキャリブレーション装置であって;
    前記マークの基準寸法が設定されたマーク基準寸法部と;
    前記マーク基準寸法部で設定された基準寸法を前記チャート撮影画像に対して作用させて、前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識するマーク認識部と;
    前記マーク認識部で認識されたマークの、前記チャート撮影画像での対応位置を探索するマーク位置探索部と;
    前記マーク位置探索部で選定されたマーク位置と、前記キャリブレーションチャートでのマーク配置位置とを比較して、前記被校正撮影装置のキャリブレーション用データを演算する内部パラメータ演算部と;
    を備えるキャリブレーション装置。
  16. キャリブレーションチャート画像表示装置に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャートを、被校正撮影装置で撮影した複数のチャート撮影画像を取得する工程と;
    前記マークを抽出する為のテンプレートを設定する工程と;
    前記チャート撮影画像に対して前記テンプレートを作用させて、前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識する工程と;
    前記認識されたマークの前記チャート撮影画像での対応位置を探索する工程と;
    前記探索されたマーク位置と、前記キャリブレーションチャートでのマーク配置位置とを比較して、前記被校正撮影装置のキャリブレーション用データを演算する工程と;
    をコンピュータに実行させるキャリブレーション方法。
  17. キャリブレーションチャート画像表示装置に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャートを、被校正撮影装置で撮影した複数のチャート撮影画像を取得する工程と;
    前記マークを抽出する為のテンプレートを設定する工程と;
    前記キャリブレーションチャートの画像回転情報を取得する工程と;
    前記画像回転情報に基づき、前記テンプレートの姿勢を回転処理する工程と;
    前記チャート撮影画像に対して前記テンプレートを作用させて、前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識する工程と;
    前記認識されたマークの前記チャート撮影画像での対応位置を探索する工程と;
    前記探索されたマーク位置と、前記キャリブレーションチャートでのマーク配置位置とを比較して、前記被校正撮影装置のキャリブレーション用データを演算する工程と;
    をコンピュータに実行させるキャリブレーション方法。
  18. キャリブレーションチャート画像表示装置に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャートを、被校正撮影装置で撮影した複数のチャート撮影画像を取得する工程と;
    前記マークを抽出する為のテンプレートを設定すると共に、前記テンプレートのテンプレート走査方向を複数設定する工程と;
    前記チャート撮影画像に対して前記複数のテンプレート走査方向により前記テンプレートを作用させて、最適なテンプレート走査方向を選択する工程と;
    前記チャート撮影画像に対して前記最適なテンプレート走査方向によりテンプレートを作用させて、前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識する工程と;
    前記認識されたマークの前記チャート撮影画像での対応位置を探索する工程と;
    前記探索されたマーク位置と、前記キャリブレーションチャートでのマーク配置位置とを比較して、前記被校正撮影装置のキャリブレーション用データを演算する工程と;
    をコンピュータに実行させるキャリブレーション方法。
  19. キャリブレーションチャート画像表示装置に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャートを、被校正撮影装置で撮影した複数のチャート撮影画像を取得する工程と;
    前記マークを抽出する為のテンプレートを設定する工程と;
    前記キャリブレーションチャートの画像回転情報を取得する工程と;
    前記画像回転情報に基づき、前記テンプレートのテンプレート走査方向を調整する工程と;
    前記チャート撮影画像に対して前記テンプレートを作用させて、前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識する工程と;
    前記認識されたマークの前記チャート撮影画像での対応位置を探索する工程と;
    前記探索されたマーク位置と、前記キャリブレーションチャートでのマーク配置位置とを比較して、前記被校正撮影装置のキャリブレーション用データを演算する工程と;
    をコンピュータに実行させるキャリブレーション方法。
  20. キャリブレーションチャート画像表示装置に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャートを、被校正撮影装置で撮影した複数のチャート撮影画像を取得する工程と;
    前記マークを抽出する為のテンプレートを設定する工程と;
    前記キャリブレーションチャートの画像回転情報を取得する工程と;
    前記画像回転情報に基づき、前記チャート撮影画像から画像回転の影響を除去する工程と;
    前記画像回転の影響を除去されたチャート撮影画像に対して、前記テンプレートを作用させて、前記画像回転の影響を除去されたチャート撮影画像に存在する前記マークを認識する工程と;
    前記認識されたマークの、前記画像回転の影響を除去されたチャート撮影画像での対応位置を探索する工程と;
    前記探索された対応マーク位置を、当初チャート撮影画像の画像回転情報に基づいて変換する工程と;
    前記変換された対応マーク位置と、前記キャリブレーションチャートでのマーク配置位置とを比較して、前記被校正撮影装置のキャリブレーション用データを演算する工程と;
    をコンピュータに実行させるキャリブレーション方法。
  21. キャリブレーションチャート画像表示装置に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャートを、被校正撮影装置で撮影した複数のチャート撮影画像を取得する工程と;
    前記マークを抽出する為のテンプレートを設定する工程と;
    前記チャート撮影画像を前記マークが少なくとも一個含まれる複数の領域に分割する工程と;
    前記分割された個別のチャート撮影画像領域に対して前記テンプレートを作用させて、前記チャート撮影画像領域に存在する前記マークを認識する工程と;
    前記認識されたマークの、前記チャート撮影画像での対応位置を探索する工程と;
    前記探索されたマーク位置と、前記キャリブレーションチャートでのマーク配置位置とを比較して、前記被校正撮影装置のキャリブレーション用データを演算する工程と;
    をコンピュータに実行させるキャリブレーション方法。
  22. キャリブレーションチャート画像表示装置に表示されると共に、マークが配置されたキャリブレーションチャートを、被校正撮影装置で撮影した複数のチャート撮影画像を取得する工程と;
    前記マークを抽出する為の前記マークの基準寸法を用いて、前記チャート撮影画像に対して作用させて、前記チャート撮影画像に存在する前記マークを認識する工程と;
    前記認識されたマークの前記チャート撮影画像での対応位置を探索する工程と;
    前記探索されたマーク位置と、前記キャリブレーションチャートでのマーク配置位置とを比較して、前記被校正撮影装置のキャリブレーション用データを演算する工程と;
    をコンピュータに実行させるキャリブレーション方法。
  23. キャリブレーションチャート画像表示装置に表示されるキャリブレーションチャートであって、概括的な位置関係を定める概括基準マークと、当該概括基準マークよりも多数配置されると共に詳細な位置関係を定める詳細基準マークが配置された前記キャリブレーションチャートを、被校正撮影装置で撮影した複数のチャート撮影画像を取得する工程と;
    前記概括基準マークを抽出する為のテンプレートを設定する工程と;
    前記チャート撮影画像に対して前記テンプレートを作用させて、前記チャート撮影画像に存在する前記概括基準マークを認識する工程と;
    前記認識された概括基準マークの前記チャート撮影画像での対応位置を探索する工程と;
    前記探索された概括基準マークのマーク位置を用いて、前記チャート撮影画像に対して前記詳細基準マークを抽出する工程と;
    前記認識された詳細基準マークの前記チャート撮影画像での対応位置を探索する工程と;
    前記探索された概括基準マークと概括基準マークのマーク位置と、前記キャリブレーションチャートでの対応する概括基準マークと概括基準マークのマーク配置位置とを比較して、前記被校正撮影装置のキャリブレーション用データを演算する工程と;
    をコンピュータに実行させるキャリブレーション方法。
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