JP2005314860A - 耐収縮弾性テープおよびその製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】 弾性テープおよびその形成方法を開示する。
【解決手段】 弾性テープは経糸および緯糸から成り、経糸は、熱で溶融するように構成され、そして、近接する糸に接着される熱溶融性糸が回りに巻かれた弾性芯糸を含む。弾性テープの形成方法は、（ａ）弾性芯糸の回りに熱溶融性糸を巻いて第一の糸を形成する工程、（ｂ）第一の糸を経糸として用いて、第一の糸および少なくとも１本の緯糸を互いに一体的に織る又は編む工程、ならびに（ｃ）該糸を加熱処理して熱溶融性糸を溶融し、近接する糸と一体的に接着する工程から成る。
【選択図】図１

Description

本発明は、織られ又は編まれていてよい弾性テープ、特に、収縮（またはランバック（ｒｕｎｂａｃｋ））、摩損または解れが無く耐収縮特性を有するテープ、および該テープの製造方法に関する。

弾性材料は繊維産業および日常生活の他の局面において、特に衣料産業において広範囲で用いられている。弾性テープは肌着産業には必須の付属物である。現存の弾性テープは一般的に緯糸および経糸から成り、糸の一部は芯糸（またはコア糸）である。芯（コア）には弾性糸が用いられるのに対して、鞘（シース）は他の織物繊維、例えばナイロン、ポリエステルまたは綿糸等から構成されてよい。そのような弾性テープを使用中に繰り返し伸ばす場合、弾性芯糸が縮む（ｒｕｎｂａｃｋ）傾向にあり、また、テープにおいて弾性糸の端がテープの端から又は破壊点から突き出る傾向にある。例えば、ブリーフの上部に用いられる弾性テープの場合、通常は接合位置において、芯糸が縫製時に縫い針によって破壊されるということが頻繁に起こる。弾性糸は切断端もしくは破壊端から突き出るであろうし、あるいは、何度もブリーフが使用された後に、芯糸は縮むであろう。人々の物質的生活の絶え間ない富化および向上とともに、肌着はますます優雅かつ華美になっている。しかしながら、芯糸または弾性糸の突出は肌着の質およびイメージを台無しにするであろう。従って、この課題を解決しなければ、肌着の外観が影響を受けるだけでなく、肌着の耐久性にも影響が及び、次にはブランドの評判を傷つけ、直ちに経済的利益を減少させるであろう。

発明の概要

従って、本発明の目的は、前述の欠点を軽減した、収縮、摩損もしくは解れが少ない弾性テープならびにその製造方法を提供すること、または、少なくとも公衆および取引に有益な別法を提供することである。

本発明の第一の要旨において、少なくとも１の経糸および少なくとも１の緯糸を含む弾性テープであって、経糸は、加熱により溶融するように構成され、且つ、近接する糸に接着される少なくとも１本の熱溶融性糸が回りに巻かれた、少なくとも１本の弾性芯糸（または弾性コア糸）を含むことを特徴とする弾性テープを提供する。

本発明の第二の要旨において、弾性テープの形成方法であって、（ａ）少なくとも１本の熱溶融性糸を少なくとも１本の弾性芯糸の回りに巻いて第一の糸を形成する工程；（ｂ）第一の糸を経糸として用いて、第一の糸と少なくとも１の緯糸とを互いに一体的に織る又は編む工程；および（ｃ）これらの糸を熱処理して熱溶融性糸の少なくとも一部分を溶融させて近接する１または複数の糸と一体的に接着させる工程、を含む方法を提供する。

本発明の弾性テープは、被覆材料として熱溶融性糸を用いることにより、熱処理下、熱溶融性糸が溶融して他の緯糸および経糸にはり付き、従って接着効果を生ずるという点において、既存の弾性テープよりも有利である。通常の室温に戻ったときに、熱溶融性糸は溶融解および接着を通じて周囲の糸と一体化されている。多数回の引っ張りにもかかわらず、収縮は起こらないであろう。本発明は芯糸の収縮または突出等の課題を解決し、その一方でテープにおいて他の材料を補強する。結果として、弾性テープは変形しにくく、また、収縮が減少される。テープを含む衣服の傷の無い外観が保証され、衣類の耐用年数が延びる。衣料産業、特に肌着産業を長い間当惑させたそのような困難な課題は、このようにしてついに解決された。

好ましい態様の詳細な説明

図１は、本発明の好ましい第一態様に従って弾性テープを織るのに用いられる芯糸を示す。該テープの芯（コア）の部分は弾性糸１である。弾性芯糸１は、非熱溶融性（または熱溶融性でない）糸２および熱溶融性糸３によって巻かれている。弾性糸１は、ポリウレタン糸またはゴム糸であってよい。熱溶融性糸３は、低い融点を有するポリマーから構成され得る。染色および仕上げの間、温度が当該低い融点を超えると、熱溶融性糸３は溶融して粘着性になり、従って、周囲の糸を合わせて接着する。

図３は、芯糸１の被覆方法を示し、当該方法においては、弾性糸１を、１個または２個のローラ４で駆動させ、中空スピンドル５の中央を通過させて導く。中空スピンドル５は、弾性糸１を覆う糸３を運ぶ。弾性糸１を、初めに非熱溶融性糸２によって、次いで熱溶融性糸３によって巻き、または被覆し、次いでリール６において使用のため収集する。

熱溶融性糸３で覆われている芯糸１を、製織又は編成（もしくはニッティング（ｋｎｉｔｔｉｎｇ））の間、経糸として用いる。染色または仕上げ処理の間、温度が熱溶融性糸３の融点を超えると、熱溶融性糸３は溶融し、近接する糸と共に融合する。常温に戻った後には、熱溶融性糸３および近接する糸は共に接着されている。従って、そのような糸で形成された弾性テープは、弾性糸の収縮、摩損または解れの課題を有さない。

糸２として非熱溶融性糸を用いることに加えて、糸２は、熱溶融性糸と同様の低融点の特徴を有する、ナイロンまたはポリエステル等の他の材料でできていてもよい。

図２は、本発明の好ましい第二態様による、織られた又は編まれた織物弾性テープに用いることができる別の種類の芯糸を示す。芯（コア）の部分は弾性芯糸１１である。弾性芯糸１１は、１本の熱溶融性糸１３のみによって巻かれている。弾性芯糸１１はポリウレタン糸またはゴム糸であってよい。熱溶融性糸１３は、低い融点を有するポリマーから成る。染色および仕上げの間に、温度が融点を超えると、熱溶融性糸１３は溶融して接着性になり、これによって周囲の糸と接着する。図４に示すように、弾性糸１１は熱溶融性糸１３によって巻かれ、又は被覆され、次いでリール１６において使用のため収集される。

上記は実施例を説明するのみであり、これにより本発明を実施し得ること、ならびに本発明の意図から逸脱することなく種々の変更および／または改変が行われ得ることが理解されよう。

また、明瞭のために別々の態様のコンテクストに記載した本発明の特徴を、単一の態様において組み合わせて提供してよいことが理解されよう。逆に言えば、簡潔のために単一の態様のコンテクストに記載した本発明の様々な特徴を、別々に、またはいずれの適当なサブ・コンビネーションで提供してもよい。

図１は、本発明の好ましい第一態様の二重に覆われた糸の構造の模式図である。 図２は、本発明の好ましい第二態様の一重に覆われた糸の構造の模式図である。 図３は、図１に示すように糸を機械的に二重に覆う方法を示す。 図４は、図２に示すように糸を機械的に一重に覆う方法を示す。

Claims (10)

1. 少なくとも１の経糸および少なくとも１の緯糸を含む弾性テープであって、経糸は、熱で溶融するように構成され、そして、近接する糸に接着される少なくとも１本の熱溶融性糸が回りに巻かれた少なくとも１本の弾性芯糸を含むことを特徴とする弾性テープ。
2. さらに、弾性芯糸の回りには、非熱溶融性糸が更に巻かれていることを特徴とする、請求項１に記載のテープ。
3. さらに、弾性芯糸の回りには、熱溶融性糸の縒り糸が２本巻かれていることを特徴とする、請求項１に記載のテープ。
4. 弾性芯糸はポリウレタン糸またはゴム糸である、請求項１に記載のテープ。
5. 熱溶融性糸は熱で溶融し、熱処理過程において接着性になる、請求項１に記載のテープ。
6. 弾性テープの形成方法であって：
   （ａ） 少なくとも１の弾性芯糸の回りに少なくとも１の熱溶融性糸を巻いて第一の糸を形成する工程；
   （ｂ） 第一の糸を経糸として用いて、第一の糸および少なくとも１の緯糸を互いに一体的に織る又は編む工程；ならびに
   （ｃ） 糸を熱処理して熱溶融性糸の少なくとも一部分を溶融し、近接する糸と一体的に接着する工程；
   を含む形成方法。
7. 弾性芯糸の回りに非熱溶融性糸を巻く工程（ｄ）を含むことを更なる特徴とする、請求項６に記載の方法。
8. さらに、弾性芯糸の回りに熱溶融性糸の縒り糸を２本巻く工程（ｅ）を含むことを特徴とする、請求項６に記載の方法。
9. 弾性芯糸はポリウレタン糸またはゴム糸である、請求項６に記載の方法。
10. 熱溶融性糸は熱で溶融し、熱処理過程において接着性となる、請求項６に記載の方法。
    

Images