JPH10325027A - 粘着テープ基布用複合仮撚加工糸及びその製造方法 - Google Patents
粘着テープ基布用複合仮撚加工糸及びその製造方法Info
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- JPH10325027A JPH10325027A JP13347897A JP13347897A JPH10325027A JP H10325027 A JPH10325027 A JP H10325027A JP 13347897 A JP13347897 A JP 13347897A JP 13347897 A JP13347897 A JP 13347897A JP H10325027 A JPH10325027 A JP H10325027A
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Abstract
力低下がなく、しかも厚み斑や凹凸感のない外観の良好
な粘着テープを安定して得ることができる複合仮撚加工
糸を提供する。 【解決手段】 高配向ポリエステルマルチフィラメント
(A)を芯部とし、その周りに(A)よりも糸長が10
%以上長い低配向ポリエステルマルチフィラメント
(B)が鞘部として交互撚糸状に巻き付き、該鞘部のフ
ィラメントの少くとも50%が互いに融着・硬化した部
分を有し、さらに仮撚加工後の糸条密度δ(g/c
m3 )が1.37〜1.43、糸条外径D(μm)が7
0〜150、及び強度S(g/de)と切断伸度E
(%)で表されるS×E1/2 が4〜10である粘着テー
プ基布用複合仮撚加工糸。
Description
切性に優れた粘着テープ、特に厚物粘着テープを得るに
適した粘着テープ基布用複合仮撚加工糸及びその製造方
法に関するものである。
たどっている。その中でもポリエステルマルチフィラメ
ント糸からなる粘着テープは、包装材料や各種組立作業
における一時的な固定保持材や塗装時のしきり材として
多く使用されている。この理由としては、取扱性の良
さ、すなわち手切性の良さ、接着性能の良さなどが考え
られる。
て、幅方向に手で容易に引き裂けること(手切性)が要
求される。通常、衣料用に用いられる糸条は切断伸度
(単に伸度と称することがある)が高く、また産業資
材、例えばタイヤコード、魚網などに用いられる糸条は
強度が高く、かかる特性の点から粘着テープ用に適した
ポリエステル糸はなかった。
プ基布の経糸に共重合変性ポリエステルフラットヤーン
を使用すること(特開昭58―91845号公報)、基
布の経糸に高速紡糸したポリエステル高配向未延伸糸を
熱延伸して得た低伸度、低タフネスポリエステルフィラ
メントを用いること(特開昭61―218676号公
報)、伸度を27%以下とし無糊、無撚で製織可能な交
絡を付与したポリエステルマルチフィラメントを用いる
こと(特公昭64―11736号公報)などが提案され
ている。
フラットヤーン使いの基布を用いた、いわゆる薄物の粘
着テープに関するものであり、かかる薄物の粘着テープ
では貼り付けた後の見栄えがよいこと、凹凸感がないこ
と等の利点がある反面、柔らかいために貼り付ける際に
“しわ”が生じ易く、貼付作業性が悪くなるという問題
が生ずる。
消しようとして、厚物の粘着テープも開発されている。
厚物の粘着テープ用としては、従来、レーヨンスフを用
いた紡績糸が使用されている。
公報に開示されたポリエステルマルチフィラメント糸
は、無糊、無撚で使用することを前提として手切性を良
くしたものである。したがって、無撚のため糸条が扁平
化し厚みが出ない欠点がある。さらに、交絡を利用して
いることから、糸の長手方向に沿って締まった部分(交
絡部)と開いた部分(開繊部)とが存在し、両者の物性
差から厚み斑が生じる。しかも、交絡部が往々にして製
織中に消滅し、期待するほどの伸度低下とならず、不均
一な物性、形態を生みだす原因となって品質低下をきた
すことがあるほかに、手切性及び生地立性の面でも未だ
充分なものとはいえない。
着テープは、貼付作業性が良好である反面、湿潤時の強
力が乾燥時に較べ45〜55%に低下すること、基布に
厚み斑が生ずること、表面がフラットでなく凹凸感があ
り、見栄えがよくないこと、接着剤である樹脂の付着量
が過大になり易いこと等の問題がある。
配向ポリエステルマルチフィラメントを芯部とし、その
周りに該高配向ポリエステルマルチフィラメントよりも
融点が2℃以上低い低配向のポリエステルマルチフィラ
メントが鞘部として交互撚糸状に捲付き、該鞘部のフィ
ラメントの少なくとも30%が互いに融着・硬化した部
分を有する複合加工糸を経糸として用いた粘着テープ用
基布が提案されている。
硬化部の分布が糸の長手方向に不均一となりやすいた
め、厚み斑が発生しやすく、また手切性の面でも不十分
となる場合があることが判明した。かかる融着・硬化部
の分布斑を減少させるには融着・硬化部を多くすればよ
いが、仮撚温度を高温にすると加工中に断糸が発生しや
すくなり、生産性が低下するという問題がある。
術の課題を背景になされたもので、その目的は、貼付作
業性、手切性が良好で、湿潤時の強力低下がなく、厚み
斑、凹凸感のない外観の良好な粘着テープを安定して得
ることのできる複合仮撚加工糸、及び該加工糸を低コス
トで生産できる製造方法を提供することにある。
高配向ポリエステルマルチフィラメント(A)を芯部と
し、その周りに(A)よりも糸長が10%以上長い低配
向ポリエステルマルチフィラメント(B)が鞘部として
交互撚糸状に巻き付き、該鞘部のフィラメントの少くと
も50%が互いに融着・硬化した部分を有し、さらに下
記式(1)〜(3)で表される条件を同時に満足する粘
着テープ基布用複合仮撚加工糸により達成される。 (1)1.37≦S≦1.43 (2)70≦D≦150 (3)4≦S×E1/2 ≦10 式中、Sは仮撚加工後の糸条密度(g/cm3 )を、D
は仮撚加工後の糸条外径の平均値(μm)を、Sは強度
(g/de)を、Eは切断伸度(%)を示す。
0.03〜0.08の未延伸高配向ポリエステルマルチ
フィラメント(A’)と、(A’)よりも切断伸度が1
00%以上大きい未延伸低配向高伸度ポリエステルマル
チフィラメント(B’)とを合糸して仮撚加工するに際
し、仮撚の熱セットヒーターを非接触ヒーターとし、該
ヒーターの表面温度を300℃以上、熱処理時間を0.
04〜0.08秒に維持して延伸同時仮撚加工する粘着
テープ基布用複合仮撚加工糸の製造方法により達成され
る。
としては、その繰り返し単位の95モル%以上がエチレ
ンテレフタレートで構成されたものが好ましく、5モル
%未満は他の成分が共重合されていてもよい。該共重合
成分としては、例えば酸成分としてフタル酸、イソフタ
ル酸、アジピン酸、シュウ酸、セバシン酸、スベリン
酸、グルタル酸の如き二塩基酸を挙げることができる。
ステルマルチフィラメント(A)を芯部とし、その周り
に(A)よりも糸長が10%以上長い低配向ポリエステ
ルマルチフィラメント(B)が鞘部として交互撚糸状に
巻き付き、さらに該鞘部のフィラメントが少くとも50
%が互いに融着・硬化した部分を有する。この融着・硬
化によりサイジング効果に匹敵する集束効果を発現し、
無糊、無撚における製織性が増す。しかも、該複合仮撚
加工糸からなる粘着テープ用基布は、その断面方向の形
(立体構造)保持性ならびに幅方向の生地立ち性が著し
く改善され、手切れ性も改善されるものである。
フィラメント(A)は、その未延伸糸の複屈折率(Δ
n)が0.03〜0.08の範囲にあるものが好まし
い。該未延伸糸のΔnが0.03未満の場合には、延伸
同時仮撚加工時耐熱性が悪く熱劣化しやすく、そのため
断糸が生じやすい。一方、Δnが0.08を越える場合
には結晶化が促進される結果、延伸同時仮撚加工時に結
晶が部分的に破壊されて分子鎖の再配列を必要とするた
め、毛羽、断糸が極めて多く、特に本発明の規定する物
性値を得ることが困難となる。
マルチフィラメント(B)は、その未延伸糸の切断伸度
が前記(A)よりも100%以上大きいものが好まし
く、特に複屈折率(Δn)が0.01〜0.02の範囲
にある低配向高伸度のものが好ましい。かかる範囲のマ
ルチフィラメントを使用すると、鞘部のマルチフィラメ
ントの糸長が芯部のそれよりも10%以上長い複合仮撚
加工糸を得ることができる。
(A)と(B)の複合仮撚加工糸中での繊度比率は、
A:Bが30:70〜50:50の鞘部フィラメントが
多いほうがが望ましい。また、ポリエステルマルチフィ
ラメント(A)及び(B)の単繊維繊度は、いずれも1
〜4デニールの範囲が望ましい。
はその芯部よりも糸長が10%以上長く、好ましくは1
3〜27%長く、且つ芯部の周りに交互撚糸状、好まし
くは連続的に交互反転しながら巻きついている。そして
鞘部と芯部の境界部において、好ましくは互いに混合交
錯して交絡部を形成し、これにより鞘部が芯部と分離す
ることなく糸条として一体性が保たれている。鞘部の糸
長が10%以上長くない場合には、厚みのある粘着テー
プ用基布を得ることが困難になるだけでなく、粘着剤の
付与率や保持効果が低下するので好ましくない。なお、
融着状況や集束状況から、複合仮撚加工糸の捲縮性能
(T.C)は2〜8%とするのが適当である。
くとも50%が互いに融着していることが必要であり、
70%以上融着していることが好ましい。本発明におい
ては、ポリエステルマルチフィラメント中における、融
着・硬化したフィラメントの割合が重要である。鞘部の
少くとも50%が融着・硬化した部分を有し、且つこの
ような部分がマルチフィラメント糸の単位長さに対して
70%以上の長さにわたって存在していれば所望の目的
が達成される。
メントが溶融し隣合うフィラメントと一体化した状態
か、一体化に至らないまでもフィラメント同糸の境界面
で密着し分離しがたい状態をいう。かかる融着部の割合
(構成フィラメント数に対する融着・硬化フィラメント
の割合)の判定は、任意に選んだ複合仮撚加工糸1mを
10cm間隔で切断した10本の切断糸を各々パラフィ
ンに包埋し、ミクロトームで5〜10μmの厚さの断面
を1枚づつ計10枚のプレパラートを作成し、1枚ごと
に全断面積と融着部の断面積を求め、下記式で求めた融
着部の割合の10枚の平均値とした。 融着部の割合(%)=(融着部断面の面積/全断面の面
積)×100
対する融着部の割合の判定は、任意に選んだ複合仮撚加
工糸1mを5cm間隔で切断した20本の切断糸を各々
パラフィンに包埋し、ミクロトームで5〜10μmの厚
さの断面を1枚づつ計20枚のプレパラートを作成し、
各々プレパラートについて、融着部の有無を測定した
後、次式より単位長さに対する融着部の割合を求める。 単位長さに対する融着部の割合(%)=(融着部を有す
るプレパラートの枚数/20)×100
フィラメントが芯部のフィラメントに交互撚糸状に巻き
付いていると共に、鞘部のフィラメントの少なくとも5
0%が融着・硬化しているので、サイジング効果に匹敵
する集束効果を発現し、無糊、無撚における製織性が増
すだけでなく、該複合仮撚加工糸からなる粘着テープ用
基布は、その断面方向の形保持性ならびに幅方向の生地
立ち性が著しく改善され、手切れ性も改善される。
は、鞘部を構成するフィラメント群のうち融着・硬化し
ていない部分の一部は、ループ、弛み、あるいは毛羽と
して加工糸表面から浮き出ており、このため粘着剤や樹
脂等の保持効果、すなわち包摂効果が促進される。つま
り、融着・硬化フィラメトン糸が基布の縦糸及び/又は
緯糸として配された時、前記のループあるいは弛みが織
目空間に張り出して粘着剤や樹脂の付与率、保持性を向
上させるのである。
性能とを考慮して、通常ガーゼのような粗い目の透いた
織物で形成されるが、この基布に厚みがない場合には粘
着テープとして張り付ける際に皺が発生しやすくなり、
貼付け作業性に劣る。このため基布の厚みを上げる必要
があるが、加工糸の繊度を上げる方法では糸強力も増大
するため手切性が悪化するし、糸条を撚糸して丸みを持
たせ、これによって厚みを増す方法では糸伸度が増大す
るため手切性がやはり悪化する。
がありながら手切性の良好な粘着テープが得られるよう
にするため、下記式で表される条件を同時に満足するこ
とが必要である。 (1)1.37≦δ≦1.43 (2)70≦D≦150 (3)4≦S×E1/2 ≦10 式中、δは仮撚加工後の糸条密度(g/cm3 )を、D
は仮撚加工後の糸条外径の平均値(μm)を、Sは強度
(g/de)を、Eは切断伸度(%)を示す。
は糸条の外径Dが70μm未満の場合には、粘着テープ
の厚さを十分に厚くすることができず、貼り付ける際に
皺が生じ易くなって貼付作業性が悪くなる。一方、糸条
密度が1.43g/cm3 を超えるか、又は糸条の外径
Dが150μmを超える場合には、かかる加工糸を製造
する際の仮撚加工時に毛羽が発生しやすく、得られる複
合仮撚加工糸はその品位が低いため好ましくない。
(%))1/2 (以下引裂強度指数と称することがある)
が上記範囲を越える場合には、粘着テープの手切性が悪
化し、引裂後の切口にほつれが生じ、美しい切口が得ら
れない。一方、上記範囲未満の場合には、製造工程で断
糸、毛羽が多発して、安定して製造することが困難であ
る。
製造方法としては、例えば高速紡糸法によって得た複屈
折率(Δn)が0.03〜0.08の未延伸高配向ポリ
エステルマルチフィラメント(A’:芯糸)と、複屈折
率(Δn)が0.01〜0.02で切断伸度が(A’)
よりも100%以上、好ましくは120〜270%大き
い未延伸低配向高伸度ポリエステルナルチフィラメント
(B’:鞘糸)とを合糸し、必要に応じて前交絡した
後、同時延伸仮撚加工に付すことにより、芯―鞘構造、
つまり切断伸度の低いフィラメント糸を芯部として、こ
の周りに切断伸度の高いフィラメント糸が鞘部として交
互撚糸状態に巻き付いた構造のものが得られる。
100%未満の場合には、得られる複合仮撚加工糸がバ
ラケ気味になり、繊維間空隙が小さくなって目標とする
糸の厚みが得られない。
ターを使用し、且つその表面温度を300℃以上、好ま
しくは320〜600℃とし、熱処理時間を0.04〜
0.08秒以下、好ましくは0.05〜0.07秒に維
持して延伸同時仮撚加工することが必要である。
参考モデルを図2に示す(繊維機械学会誌1997年1
月号 37頁)。図に示されているように、この高温ヒ
ーターの構造は、ヒーターブロックの溝部をガイドで糸
を案内しながら、ブロックとは非接触の状態で糸を走行
させるもので、糸ガイドは糸のバルーニングを防止する
目的で設置されている。糸ガイドへ断糸したポリマーが
溶融付着するのを防止する目的で、ヒーターは長手方向
に2分割されている。
℃未満の場合には、鞘部のフィラメントの融着・硬化し
た部分の長手方向における斑が発生しやすく、また融着
・硬化した部分の割合が50%未満となるため、厚物粘
着テープ基布用の加工糸は得られない。
04秒未満の場合には、得られる複合仮撚加工糸の糸条
密度が1.37g/cm3 未満となり、また仮撚加工後
の糸条外径が70μmとなって、目的とする厚物用の粘
着テープ基布用複合仮撚加工糸が得られなくなる。さら
には、仮撚加工時にサージングが発生しやすくなり、熱
セット斑、ひいては融着斑が発生しやすくなる。一方、
0.08秒を越える場合には、熱処理オーバーによる融
着斑が増大するだけでなく、毛羽も発生しやすくなって
加工糸品位が低下するので好ましくない。
ル、単糸デニールの好ましい範囲は下記表1のとおりで
ある。
は、上述の方法の他、固有粘度が低いポリエステルを使
用する方法、特定の紡糸延伸条件を採用する方法、擦過
体により擦過処理する方法など、従来公知の方法を用い
ることができる。
少なくとも50%が互いに融着・硬化した複合仮撚加工
糸(二層構造糸)の製造は、上記の方法に限定されるも
のではなく、他の方法を利用して得たものであっても構
わない。
は、粘着テープ基布とするために製織に供されるが、テ
ープ基材の用途、目的などに応じて、経糸及び/又は緯
糸に配される。この時の経糸及び緯糸の密度は、融着・
硬化した複合仮撚加工糸のデニールにもよるが、総繊度
(トータルデニール)が40〜220デニールの場合、
前者は23〜90本/インチ、後者は44〜70本/イ
ンチの範囲から選定すればよい。
である必要はないが、経糸の直径と緯糸の直径との和が
0.1mm以上になることが好ましい。
ープを作成する場合には、常法により、基布の一方の面
には熱可塑性合成樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、特にそれらのフイルムをラミネートし、他方の面
には粘着剤を塗布すればよい。
50%が互いに融着・硬化した部分を有することから、
仮撚時の実撚形態が解撚側で残留するか、部分的に残留
するか、又は殆ど解撚された状態であっても、一部の融
着によってマルチフィラメント糸全体の開繊を極力押さ
えることで、通常のフィラメント糸やウーリー糸に比べ
はるかに厚い粘着テープ基布を得ることができる。
リエステルマルチフィラメント糸をフィラメントの一部
又は全部を融着させることで、糸の断面方向の形保持性
を改善し、また糸条の強伸度を低下させることにより手
切性を向上させている。
ことは、糸全体の硬化にも繋がり、得られる基布の生地
立性も改善されて粘着テープの貼付け作業性が向上す
る。
明する。なお、実施例中、各特性値の測定は下記に従っ
た。 鞘糸の融着率(%) 前記、融着部の割合判定方法に従った。 糸長差(%) 仮撚加工後、芯部と鞘部とを分離してその長さを測定し
て次式より求めた(n数20の平均)。 (鞘糸−芯糸)/芯糸×100(%) 複合仮撚加工糸の強度(S)及び切断伸度(E) JIS L―1013―75に準じて測定した。 複合仮撚加工糸の直径D(μm) EIKO INDUSTRIAL CO.LTD製、D
IAL THICKNESS、GAUGE、通称ピーコ
ックを用いて、10cm間隔で20回測定し、その平均
値で表した。
cmの長方形を5枚作成し、インストロン引張測定機を
用いて、試験長10cm、引張速度20cm/分、最大
荷重チャック固定長、上下各5cm、初荷重は織物がた
るまない程度にかける。測定スタートから織物が切断す
るまでの伸びと荷重を記録し、破断時の最大荷重を読み
取りその値をkg/2.5cmで表す。同じ測定を5回
繰り返しその平均値で表した。
好。 △:やや凹凸感あり。 ×:凹凸、厚み斑が大きく、生地立ち性の斑大。
0.045の未延伸高配向ポリエステルマルチフィラメ
ント(115デニール/72フィラメント)と、伸度が
350%、複屈折率が0.012の未延伸低配向高伸度
ポリエステルマルチフィラメント(160デニール/4
8フィラメント)とを引揃え、図1に示した装置で交絡
処理及び延伸仮撚加工を行った。その際の仮撚延伸倍率
は1.63倍、仮撚温度は450℃とし、仮撚具として
三軸フリクションディスクを用いて850m/分の加工
速度で170デニール/120フィラメントの複合仮撚
加工糸(二層構造融着糸)を得た。この加工糸の伸度は
12%、強度は1.7g/デニール、糸条密度は1.4
0g/cm3 、引裂強度指数は5.9、外径Dは100
μmであった。
度50本/インチ、緯糸密度35本/インチで無糊、無
撚で織成し、得られた生機を基布として、厚さ70μm
のポリエチレンフイルムを溶融押出して、基布の表側に
貼合わせてラミネートした。その時のフイルムと基材を
合せた厚みは0.30mmと厚手であった。
裏側にアクリル酸樹脂系の接着剤を付与して、粘着テー
プを作成した。得られた粘着テープの手切性は良好で切
口も美しく、また引張強力も14kg/2.5cmと良
好であった。
ニール(30番)を経糸及び緯糸に用いた基布に、同様
に70ミクロンのポリエチレンフイルムを溶融押出して
ラミネートした基布の厚みは0.20mmであることか
ら、本発明の加工糸は、厚物の粘着テープ用として好適
なものであることがわかる。
伸高配向ポリエステルマルチフィラメントと未延伸低配
向高伸度ポリエステルマルチフィラメントとを引揃え、
延伸同時仮撚加工を施した。その際、仮撚温度は170
℃、仮撚延伸倍率は1.63倍、加工速度は350m/
分として、170デニール/120フィラメントの複合
仮撚加工糸を得た。この加工糸には全く融着部分が無
く、切断伸度は23%糸、強度は2.8g/デニール、
及び糸の直径は50μmであった。
チ、緯糸密度35本/インチで無糊、無撚で織成し、得
られた生機を基布として、厚さ70μmのポリエチレン
フイルムを溶融押出して基布の表側に貼り合わせてラミ
ネートした。その時のフイルムと基材を合せた厚みは
0.13mmと薄く、厚手粘着テープとはほど遠いもの
であり、しかも手切性が不充分なものであった。
例1において、未延伸高配向ポリエステルマルチフィラ
メント、未延伸低配向高伸度ポリエステルマルチフィラ
メント及び仮撚温度を変更する以外は実施例1と同様に
して複合仮撚加工糸を得た。得られた複合仮撚加工糸の
評価結果、及びこの複合加工糸を実施例1と同様にして
作成した粘着テープの評価結果を表2及び3にまとめて
示す。
糊、無撚の状態で製織され、しかも断面方向の形保持性
(立体構造保持性)及び幅方向の生地立ち性が著しく改
善された厚物粘着テープ用基布、さらには樹脂や粘着剤
の乗り、いわゆる包摂性が著しく改善された厚物粘着テ
ープ用基布を得るに好適な複合仮撚加工糸が提供され
る。かかる粘着テープ用基布を用いると、貼付け作業性
がよく、しかも厚さ斑、凹凸感のない、外観の良好な粘
着テープを得ることができる。
までレーヨンスフの紡績糸しかなかったことを考える
と、本発明の意義は多大なものがある。すなわち、単に
レーヨンスフの紡績糸に相当する繊度の複合仮撚加工糸
を選択するだけで、同等の特性を容易に得ることがで
き、さらには、従来レーヨンの欠点とされていた、温湿
度依存性がほとんど無い厚手粘着テープ用基布が得られ
る。
/分以上といった高速度でも毛羽、断糸が発生すること
無く安定して加工できるので、その工業的意義は極めて
大なものがある。
装置の概略図である。
ある。
糸) 1−B 低配向高伸度ポリエステルマルチフィラメント
(鞘部糸) 2 フィードローラ 3 交絡用空気噴射ノズル 4 第1デリベリローラ 5 仮撚の熱セット用ヒーター 6 冷却プレート 7 撚掛装置(仮撚ディスク) 8 第2デリベリローラ 9 巻き取り機
Claims (2)
- 【請求項1】 高配向ポリエステルマルチフィラメント
(A)を芯部とし、その周りに(A)よりも糸長が10
%以上長い低配向ポリエステルマルチフィラメント
(B)が鞘部として交互撚糸状に巻き付き、該鞘部のフ
ィラメントの少くとも50%が互いに融着・硬化した部
分を有し、さらに下記式(1)〜(3)で表される条件
を同時に満足することを特徴とする、粘着テープ基布用
複合仮撚加工糸。 (1)1.37≦δ≦1.43 (2)70≦D≦150 (3)4≦S×E1/2 ≦10 式中、δは仮撚加工後の糸条密度(g/cm3 )、Dは
仮撚加工後の糸条外径の平均値(μm)、Sは強度(g
/de)、Eは切断伸度(%)を示す。 - 【請求項2】 複屈折率が0.03〜0.08の未延伸
高配向ポリエステルマルチフィラメント(A’)と、
(A’)よりも切断伸度が100%以上大きい未延伸低
配向高伸度ポリエステルマルチフィラメント(B’)と
を合糸して仮撚加工するに際し、仮撚の熱セットヒータ
ーを非接触ヒーターとし、該ヒーターの表面温度を30
0℃以上、熱処理時間を0.04〜0.08秒に維持し
て延伸同時仮撚加工することを特徴とする、粘着テープ
基布用複合仮撚加工糸の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP13347897A JP3790327B2 (ja) | 1997-05-23 | 1997-05-23 | 粘着テープ基布用複合仮撚加工糸及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP13347897A JP3790327B2 (ja) | 1997-05-23 | 1997-05-23 | 粘着テープ基布用複合仮撚加工糸及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10325027A true JPH10325027A (ja) | 1998-12-08 |
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JP13347897A Expired - Fee Related JP3790327B2 (ja) | 1997-05-23 | 1997-05-23 | 粘着テープ基布用複合仮撚加工糸及びその製造方法 |
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KR100776605B1 (ko) * | 2002-03-22 | 2007-11-16 | 주식회사 코오롱 | 폴리에스테르 융착가연사 및 그의 제조방법 |
JP2009133046A (ja) * | 2007-11-29 | 2009-06-18 | Pt Polyfin Canggih | 布粘着テープ基布用複合仮撚加工糸及びその製造方法及び厚手粘着テープ基布 |
KR20190036308A (ko) * | 2017-09-27 | 2019-04-04 | 주식회사 휴비스 | 촉감 및 염색성이 우수한 복합 융착사 |
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1997
- 1997-05-23 JP JP13347897A patent/JP3790327B2/ja not_active Expired - Fee Related
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