JP2005314645A - 艶消しアニオン電着塗料 - Google Patents

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茂樹 松原
Kensuke Kataoka
健介 片岡
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昇 田幸
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Abstract

【課題】 本発明は、低温硬化性、塗膜硬度、ダイスマーク隠蔽性に優れる60°グロス10以下の艶消しアニオン電着塗料を提供する。
【解決手段】 1分子中に2個以上の遊離イソシアネート基を有するビニル共重合体(a)の該遊離イソシアネート基の一部に、水酸基、カルボキシル基及びアルコキシシリル基を有するビニル共重合体(a)の水酸基の一部を反応させ、次いで残存する遊離イソシアネート基の全てにブロック化剤を反応させてなる1分子中にブロックイソシアネート基と水酸基とが併存する樹脂であり、かつビニル共重合体(a)とビニル共重合体(a)の溶解性パラメーター(SP値)の差が0.4〜1.0である樹脂(A)を水分散化し、さらに硬化触媒(B)を添加分散化してなるエマルションよりなり、樹脂(A)の総合計量100重量部に対して、硬化触媒(B)を0.1〜10重量部含有することを特徴とする艶消しアニオン電着塗料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、低温硬化性、塗膜硬度、ダイスマーク隠蔽性に優れる艶消しのアニオン電着
塗料に関する。
アルミニウムは軽量で加工性が容易であることや耐蝕性に優れるといった性質を利用して、特に建材関係の材料として多く使用されるようになってきている。
該アルミニウムの熱間押し出し方法は、通常、円柱形のアルミニウム鋳塊を加熱して溶融させ、次いでこの溶融物を押し出し機に入れ、所定の断面形状の孔を持つダイスに押し付けて、ところてん式に孔を通過させて所定の形状を持つ型材を得る方法である。
また通常、アルミニウム材は、それ自体、防食性、耐摩耗性、耐薬品性などが劣ることから、アルミニウムを陽極酸化処理した後、艶消しのアニオン電着塗料により艶消しの塗膜が被覆されているのが一般的である。
しかしながら、上記の艶消しのアニオン電着塗料を陽極酸化処理したアルミニウム型材に電着塗装した場合に、素材であるアルミニウム型材のダイスマークが目立ち易く商品価値が劣るといった問題点がある。
従来、この様なダイスマークを目立ち難くするために、溶解性パラメータの異なった2種のアクリル系樹脂とこれらのアクリル系樹脂と相溶性のないメラミン樹脂を水分散させてなるアニオン電着塗料に関する発明がある[特許文献1]。他に、水分散性樹脂とメラミン樹脂を含有し、樹脂のSP値の差によって艶消し塗膜を得る発明がある[特許文献2]。
これら発明では、170℃以上の焼付けを必要とするため、陽極酸化皮膜がヒビワレを生じ易く、仕上り性や塗膜性能が低下したり、消費するエネルギーが多くなるため経済的にも問題であった。
他に、水酸基及びカルボキシル基含有樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物を用いた塗料の場合には、140℃焼き付けでゲル分率が90%以上の硬化性や高い塗膜硬度(鉛筆硬度で4H以上)は得られるものの、低光沢(60°グロスが、10以下)やダイスマーク隠蔽性が不十分であった[特許文献3]。
他に、1分子中に2以上の遊離イソシアネート基を有するビニル重合体の遊離イソシアネート基の一部に、水酸基を1分子中に2個以上有するアクリル樹脂中の該水酸基の一部を反応させ、次いで残存する遊離イソシアネート基の全てにブロック化剤を反応させてなる1分子中にブロックイソシアネート基と水酸基とが併存する樹脂に関する発明がある[特許文献4]。該発明を単にアニオン電着塗料に適用するだけでは、低温硬化性、塗膜硬度やダイスマーク隠蔽性に優れる艶消し塗膜は得られなかった。なお艶消し塗膜であるとダイスマーク隠蔽性に優れる。
特開平10−46065号公報 特開2001−131494号公報 特開平8−41380号公報 特開平5−247175号公報
解決しようとする問題点は、低温硬化性、塗膜硬度、ダイスマーク隠蔽性に優れる艶消しのアニオン電着塗料を見出すことである。
本発明者等は、上記した問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、1分子中に2個以上の遊離イソシアネート基を有するビニル共重合体(a)の該遊離イソシアネート基の一部に、水酸基、カルボキシル基及びアルコキシシリル基を有するビニル共重合体(a)中の該水酸基の一部を反応させ、次いで残存する遊離イソシアネート基の全てにブロック化剤を反応してなる1分子中にブロックイソシアネート基と水酸基とが併存する樹脂(A)および硬化触媒(B)よりなる艶消しアニオン電着塗料を使用することによって達成できることを見出し、発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1.1分子中に2個以上の遊離イソシアネート基を有するビニル共重合体(a)の該遊離イソシアネート基の一部に、水酸基、カルボキシル基及びアルコキシシリル基を有するビニル共重合体(a)の水酸基の一部を反応させ、次いで残存する遊離イソシアネート基の全てにブロック化剤を反応させてなる1分子中にブロックイソシアネート基と水酸基とが併存する樹脂であり、かつビニル共重合体(a)とビニル共重合体(a)の溶解性パラメーター(SP値)の差が0.4〜1.0である樹脂(A)を水分散化し、さらに硬化触媒(B)を添加分散化してなるエマルションよりなり、樹脂(A)の総合計量100重量部に対して、硬化触媒(B)を0.1〜10重量部含有することを特徴とする艶消しアニオン電着塗料、
2.硬化触媒(B)が、有機錫化合物及びアミン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である1項に記載の艶消しアニオン電着塗料、
3.ビニル共重合体(a)が、イソシアネート基含有ビニル単量体及びその他のビニル単量体からなる共重合体である1項又は2項に記載の艶消しアニオン電着塗料、及び
4.陽極酸化処理したアルミニム基材に、1〜3項のいずれか1項に記載の艶消しアニオン電着塗料を塗装してなる塗膜面の60°グロスが10以下の艶消し艶消し塗装物品、に関する。
本発明の艶消しアニオン電着塗料は、140℃で20分低温焼付け乾燥にて塗膜硬度(鉛筆硬度4H以上)、ダイスマーク隠蔽性に優れる60°グロスが10以下の艶消し塗膜を得ることができる。
本発明組成物は、メラミン樹脂を硬化成分として用いるアニオン電着塗料では達成できなかった低温硬化性を有する為、従来、170℃の焼き付けによって陽極酸化皮膜がヒビワレて仕上り性や塗膜性能が低下することや、消費エネルギーが大きいという問題点を解消することができ、また従来、ブロック化ポリイソシアネート化合物を硬化成分として用いるアニオン電着塗料では達成できなかった艶消し塗膜を得ることができる。
本発明の艶消しアニオン電着塗料は、樹脂(A)と硬化触媒(B)を含有し、水分散してなるエマルションを含有する低温硬化性が良好な艶消しのアニオン電着塗料である。以下に詳細に説明する。
樹脂(A):樹脂(A)は、1分子中に2個以上の遊離イソシアネート基を有するビニル重合体(a)の該遊離イソシアネート基の一部に、水酸基、カルボキシル基及びアルコキシシリル基を側鎖に有するビニル共重合体(a)(以下、水分散性ビニル共重合体(a)と略する)中の水酸基の一部を反応させ、ついで残存する遊離イソシアネート基の全てにブロック化剤を反応してなる1分子中にブロックイソシアネート基と水酸基とが併存する樹脂よりなる。
ビニル共重合体(a)は、イソシアネート基含有ビニル単量体(以下、「NCO基含有単量体」と略称する)を必須成分とし、その他のビニル単量体を用いてなる共重合体であり、主として直鎖状の重合体の末端及び/又は側鎖にイソシアネート基を有せしめてなる。
NCO基含有単量体は、1分子中に、未ブロック遊離イソシアネート基とラジカル重合性二重結合とをそれぞれ少なくとも1個ずつ有する化合物であって、例えば、m−又はp−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、2−イソシアネートエチルメタクリレート、水酸基含有ビニル単量体とジイソシアネート化合物との1:1(モル比)付加物等から選ばれた1種又は2種以上が用いられる。
NCO基含有単量体の調製で用いる上記水酸基含有ビニル単量体は1分子中に水酸基
とラジカル重合性二重結合とをそれぞれ1個以上有する化合物であり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−エトキシエチルアクリレート等が挙げられる。更にアクリル酸又はメタクリル酸とグリコール(炭素数2〜20)との等モル付加物等が挙げられる。
また、NCO基含有単量体の調製で用いる上記ジイソシアネート化合物は1分子中に2個のイソシアネート基を有するものであり、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(2,6)−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びトリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪族、芳香族及び脂環族系のジイソシアネート化合物が挙げられる。
NCO基含有単量体として上記のうち好ましいものは、第3級のイソシアネート基を有するm−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートを用いるのが、後述のビニル共重合体(a)との反応におけるゲル化を防止する観点から、特に好ましい。
また、他のビニル単量体は、1分子中にラジカル重合性二重結合を有し、かつイソシアネート基と反応し得る活性水素を有さない化合物が好ましく、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル系単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
ビスコース3F(大阪有機化学社製、商品名、以下同様の意味を示す)、同上3MF、同上8F、同上8MF、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、N−2−プロピルパーフルオロオクタンスルホン酸アミドエチル(メタ)アクリレート、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等の含フッ素ビニル系単量体;
N,N′−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N′−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N′−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N′−ジエチル(メタ)アクリルアミド等の含窒素ビニル系単量体;ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテルなどのビニルエーテル系単量体;
及び(メタ)アクリル酸グリシジル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、アリールグリシジルエーテル、メチロールアクリルアミドのアルキルエーテル化物、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸クロライド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリロニトリル、γ−メタクリロキシアルキルトリメトキシシラン
等が挙げられ、これらは1種もしくは2種以上混合されて用いる。
NCO基含有単量体と他のビニル単量体との比率は、ビニル共重合体(a)の1分子中に遊離イソシアネート基を2個以上有する範囲であれば特に制限されないが、NCO基含有単量体/他のビニル単量体(重量比)に基いて100/0〜1/99、好ましくは、65/35〜30/70の範囲が適している。
また、NCO基含有単量体のみ、またはこれと他のビニル単量体との重合反応は、通常イソシアネート基と反応し得る活性水素を有しない不活性有機溶剤中で行うことが好ましい。
かかる不活性有機溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系、エステル系、ケトン系等の単一、又は、混合溶剤が用いられる。具体的には、例えば、メトキシプロピルアセテートとt−ブチル−ペルオキシイソプロピルカーボネートとの混合溶剤を用いることもできる。これらの溶剤は水分を含有していることがあるので必要に応じて脱水しておくことが好ましい。
これらの重合反応は、通常、50〜180℃の温度でラジカル重合開始剤を用いて行われ、ビニル共重合体(a)の分子量は反応濃度、開始剤量等によって調整できる。反応濃度は重合体として20〜80重量%の範囲で行われる。
特に重合率を上げるためには、過酸化物系又はカーボネート系の開始剤を用い、反応温度は100℃以上で行うのが好ましい。より好ましくは、アクリレート系モノマーを併用すると重合率の高いポリマーを得やすい。重合開始剤の濃度は全単量体の0.01〜15重量%の範囲内で使用され得るが、0.1〜10重量%の範囲内が好ましい。
このようなビニル共重合体(a)の重量平均分子量(注1)は500〜50,000、特に1,500〜30,000の範囲が好ましい。また、イソシアネート価は30〜200mgNCO/10gが適している。 またビニル共重合体(a)は、その1分子中
に遊離のイソシアネート基を2個以上有しているが、該イソシアネート基と反応し得る活性水素を全く有していないことが好ましい。
(注1)重量平均分子量:JIS K 0124−83に準じて行ない、分離カラムにTSK GEL4000HXL+G3000HXL+G2500HXL+G2000HXL(東洋曹達(株)製)を用いて40℃で流速1.0ml/分、溶離液にGPC用テトラヒドロフランを用いて、RI屈折計で得られたクロマトグラムとポリスチレンの検量線から計算により求めた。
ビニル共重合体(a):
ビニル共重合体(a)は、(1)アルコキシシリル基含有不飽和単量体、(2)水酸基含有不飽和単量体、(3)カルボキシル基含有不飽和単量体を必須成分とし、必要に応じて(4)その他の不飽和単量体と共重合したものが好適に使用される。 これらの単量
体成分としては、下記のものを挙げることができる。
(1)アルコキシシリル基含有不飽和単量体:例えば、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等
(2)水酸基含有不飽和単量体:例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及びこれ以外にプラクセルFM1(ダイセル化学社製、商品名、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステル類)、プラクセルFM2(同左)、プラクセルFM3(同左)、プラクセルFA1(同左)、プラクセルFA2(同左)、プラクセルFA3(同左)などの水酸基含有不飽和モノマ−類等
(3)カルボキシル基含有不飽和単量体:例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等
(4)その他の不飽和単量体:例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸のC〜C18のアルキル又はシクロアルキルエステル類、スチレンなどの芳香族ビニルモノマ−類、(メタ)アクリル酸アミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド及びその誘導体類、(メタ)アクリロニトリル化合物類等などが挙げられる。
このようなビニル共重合体(a)の重量平均分子量は500〜50,000、特に2,000〜35,000の範囲が好ましく、水酸基は、水酸基価に基づいて20〜200mgKOH/gの範囲が特に適している。
樹脂(A)の製造において、ビニル共重合体(a)とビニル共重合体(a)との反応は、イソシアネート基と水酸基とのウレタン化反応であり、具体的には、ビニル共重合体(a)の有機溶液中にビニル共重合体(a)を配合し、通常20〜100℃、好ましくは25〜60℃の温度でウレタン化反応が行われる。
反応はイソシアネート基の減少量、つまりイソシアネート価によりコントロールされる。またこの反応において低温硬化性や塗膜硬度を得るためにも有機錫化合物等の硬化触媒を用いることが好ましい。
ビニル共重合体(a)の配合量は、ビニル共重合体(a)の重量平均分子量で500〜50,000の1分子あたり少なくとも平均0.1個のウレタン結合が導入できるように配合すれば良いが、好ましくは重量平均分子量で500〜30,000の範囲の1分子あたり平均0.5〜1.5個のウレタン結合が導入されるのが好ましく、特にビニル共重合体(a)の1分子あたり1個のウレタン結合が導入されるのが最も好ましい。
次に、上記の如くビニル共重合体(a)を反応せしめてウレタン結合が導入され、水分散性ビニル共重合体(a)が付加されたビニル共重合体(a)に含まれる残存の遊離のイソシアネート基と、以下のブロック剤とを通常20〜100℃の温度で反応させてブロックすることによって、樹脂(A)が得られる。
ブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、p−エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、チモール、p−ナフトール、p−ニトロフェノール、p−クロロフェノール等のフェノール系;
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、フェニルセロソルブ、フルフリルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系;マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル等の活性メチレン系;
ブチルメルカプタン、チオフェノール、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン系;アセトアニリド、アセトアニシジド、酢酸アミド、ベンズアミド等の酸アミド系;コハク酸イミド、マレイン酸イミド等のイミド系;
ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、アニリン、カルバゾール等のアミン系;イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿素系;N−フェニルカルバミン酸フェニル、2−オキサゾリドン等のカルバミン酸塩系:エチレンイミン等のイミン系;
ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩系;
ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム等のラクタム系等;3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−ニトロ−3,5−ジメチルピラゾールおよび4−ブロモ−3,5−ジメチルピラゾールなどのピラゾール系等;が挙げられる。
樹脂(A)は、ビニル共重合体(a)とビニル共重合体(a)とが、イソシアネート基と水酸基とのウレタン反応によって、ウレタン結合を介して結合している。
このようにして得られる樹脂(A)は、分子中に平均して少なくとも一個のブロックイソシアネート基と少なくとも一個の水酸基を有し、その重量平均分子量は1,000〜120,000程度、特に、5,000〜50,000程度、水酸基価(mgKOH/g)は25〜250の範囲が適している。
特に、低光沢(60°グロスで10以下)の艶消し塗膜を得るためには、ビニル共重合体(a)とビニル共重合体(a)との溶解性パラメーター(SP値(注2))の差が0.4〜1.0の範囲、好ましくは0.5〜0.8であることがよい。
(注2)溶解性パラメーター:SP値 とは(solubility parameter)の略号で、液体分子の分子間相互作用の尺度を表わす。該SP値において、ビニル共重合体(a)及び水分散性ビニル共重合体(a)成分においては、単量体のSP値がわかっているものについては、下記式(1)を使用して共重合量体のSP値を求め、このSP値を共重合体のSP値として代用した。
単量体のSP値は、J.paint technology,vol.42,176(
1970)にまとめられている。
SP=SP ×fw+SP×fw+・・・・・・SP×fw 式(1)
(SP 、SP 、・・・・・SPnは各単量体のSP値、fw、fw、・・・・fwnは各単量体の単量体総量に対する重量分率を表わす。 )
また、単量体のSP値がわからないものについては、濁点滴定によって測定することができ、具体的には、下記の式(2)、K.W.SUH、J.M.CORBETTの式(Journalof Applied Polymer Science,12,2359,
1968)に準じて算出することができる。
Figure 2005314645
(式中、Vはn−ヘキサンの容積分率、Vは脱イオン水の容積分率、δはn−ヘキサンのSP値、δは脱イオン水のSP値を示す)。
濁点滴定では、サンプルとして樹脂0.5g(固形分)をアセトン10mlに溶解した中に、n−ヘキサンを徐々に加え、濁点での滴定量H(ml)を読み、同様にアセトン溶液中に脱イオン水を加えての濁点における滴定量D(ml)を読んで、これらを下記式に適用しV、V、δ、δを算出する。なお、各溶剤のSP値はアセトン:9.75、n−ヘキサン:7.24、脱イオン水:23.43である。
[ V=H/(10+H)、V=D/(10+D)、 δ=9.75×10/(10+H)+7.24×H/(10+H)、δ=9.75×10/(10+D)+23.43×D/(10+D) ]
またビニル共重合体(a)、及びビニル共重合体(a)のガラス転移温度(Tg)がともに10℃以上であることが塗膜性能の向上に好ましい。
硬化触媒(B):本発明のアニオン電着塗料は、低温硬化性、塗膜硬度に優れるものであり、硬化触媒(B)を必須成分として含有する。硬化触媒(B)として、有機錫化合物としては、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、テトラブチル錫、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジベンゾエートオキシ、ジオクチル錫ジベンゾエートオキシ等;
アミン化合物としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、N−ペンタメチルジエチレントリアミン、2−メチル−1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン等の3級アミン;が好適に用いられる。
これら硬化触媒(B)は単独、好ましくは2種以上の混合して用いることによって低温硬化性や塗膜硬度の向上に寄与する。硬化触媒の合計量(固形分換算)はその種類により異なるが、通常、樹脂(A)の総合計量100重量部に対して、硬化触媒(B)の固形分にて0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部含有することが触媒能と塗料安定性の面から好ましい。
本発明のアニオン電着塗料で使用するエマルションの製造は、樹脂(A)に硬化触媒(B)を加え、樹脂(A)のカルボキシル基に対して0.1〜1.5当量、好ましくは0.2〜1.2当量の中和剤(塩基性化合物)を配合した後、混合分散し、次いでこのものに脱イオン水を加え、固形分10〜60重量%、好ましくは10〜40重量%になるように滴下し、次いでpHを7.0〜8.0になるように中和剤で調整することにより行なわれる。
上記の中和剤としては、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノールなどの第1級モノアミン;ジエチルアミジエタノールアミン、ジ−n−またはジ−iso −プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級モノアミン;ジメチルエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールなどの第3級モノアミン;ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミンなどのポリアミントリエチルアミンなどがある。
本発明の艶消しアニオン電着塗料には、必要に応じて、顔料、染料、硬化触媒、流動調整剤を加えて、pH調整を行い、脱イオン水を加えて固形分5〜20重量%のアニオン型電着塗料を得ることができる。またさらに紫外線吸収剤、光安定剤を配合することによって高耐候性の塗膜を得ることもできる。
上記の紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレ−ト、p−オクチルフェニルサリシレ−ト、4−t−ブチルフェニルサリシレ−トなどのサリチル酸誘導体;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2′−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレ−ト、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、ナトリウム2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、レゾルシノ−ルモノベンゾエ−ト、2,4−ジベンゾイルレゾルシノ−ル、4,6−ジベンゾイルレ
ゾルシノ−ル、ヒドロキシドデシルベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ルなどのベンゾトリアゾ−ル系及びその他(シュウ酸アニリド、シアノアクリレ−トなど)の化合物などが挙げられる。
紫外線吸収剤と混合して使用される光安定剤としては、ヒンダードアミン誘導体で、具体的にはビス−(2,2′,6,6′−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバテート、4−ベンゾイルオキシ−2,2′,6,6′−テトラメチルピペリジンなどが挙げられ、これらは1種又は2種以上適宜選択して使用できる。
本発明の艶消しアニオン電着塗料を使用して塗膜を形成するには、上記で得られたアニオン電着塗料を浴(槽の中に入れ)とし、この浴中に該アルミニウム材を浸漬した後、被塗物として、着色もしくは無着色陽極酸化アルミニウム材を用い、乾燥膜厚が約5〜30μmになるようにアニオン電着塗装を行い、水洗を行わず(ノンリンス)、又は水洗(リ
ンス)を行い、次いで室温でセッテングした後、60〜150℃、好ましくは、80〜140℃で約20〜40分間焼付け乾燥することにより塗膜を形成することができる。
艶消しアニオン電着塗料の塗装によって得られた被塗物の塗膜硬度は、鉛筆硬度(注3)で4H以上、ツーコン硬度(注4)で4以上の高い塗膜硬度を示す。
(注3)鉛筆硬度: JIS K 5600−5−4に準じて、試験塗板面に対し約45
°の角度に鉛筆の芯を当て、芯が折れない程度に強く試験塗板面に押し付けながら前方に均一な速さで約10mm動かした。この操作を試験箇所を変えて5回繰り返して塗膜が破れなかった場合の最も硬い鉛筆の硬度記号を鉛筆硬度とした。
(注4)ツーコン硬度:塗板を20℃の恒温室に4時間放置後、American C
hain& Cable Company 社製のTUKON microhardness testerにて
測定した。
また艶消しアニオン電着塗料は、少なくとも2種類のエマルションを組み合わせて用い
ることによって艶消し度合いを容易に調整することもできる。
例えば、ビニル共重合体(a)とビニル共重合体(a)の総合計量100重量部に対して、ビニル共重合体(a)/ビニル共重合体(a)=30〜90重量部/10〜70重量部の配合割合で水分散してなるエマルション(1)と、エマルション(1)とは異なる配合比率で、ビニル共重合体(a)/ビニル共重合体(a)=30〜90重量部/10〜70重量部の範囲で水分散してなるエマルション(2)を含有したアニオン電着塗料を用いることによって可能である。
例えば、塗装ラインにおいて、艶消し程度を変化させた塗装物品を得たい場合には、エマルション(1)/エマルション(2)の配合比率を変えて、アニオン電着塗料に補給することによって適時調整することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」を示す。
製造例1 ビニル共重合体(a)溶液No.1の製造例
撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えた反応器に、メトキシプロピルアセテート65部を入れ、130℃に加熱保持して、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート(m−TMI) 25部、iso−ブチルメタアクリレート40部、n−ブチ
ルアクリレート 4部、メトキシエチルアクリレート31部の混合物を3時間かけて滴下
した。
次いで、メトキシプロピルアセテート35部、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート5.0部の混合液を1時間かけて滴下し、更に3時間熟成して、固形分50%の
ビニル共重合体(a)溶液No.1を得た。
ビニル共重合体(a)溶液No.1中のビニル共重合体(a)は、重量平均分子量約5,000、SP値9.0、Tg24.1℃ であった。
製造例2〜5
製造例1と同様に表1のような配合内容にて、固形分は溶剤で調整し、ビニル共重合体(a)溶液No.2〜No.5を得た。
Figure 2005314645
製造例6 ビニル共重合体(a)溶液No.1の製造例
反応容器中にメトキシプロピルアセテートを275部を仕込み80℃に保持した中へスチレン75部、メチルメタクリレート155部、n−ブチルアクリレート95部、エチルアクリレート50部、2−ヒドロキシアクリレート75部、アクリル酸35部、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン15部、及びアゾビスジメチルバレロニトリル1部の混合物を3時間掛けて滴下し、次いでアゾビスジメチルバレロニトリル3部を添加
し、80℃で3時間保持して反応を行って、アルコキシシリル基を有する固形分65重量%の水分散性ビニル共重合体(a)溶液No.1を得た。該溶液No.1中の水分散性ビニル共重合体(a)は、SP値9.54、Tg25℃であった。
製造例7 樹脂(A)溶液No.1の製造
撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えた反応器に、固形分50%のビニル重合体(a)溶液No.1を700部(固形分350部)、及び製造例6で得た水分散性ビニル共重合体(a)溶液No.1を1000部(固形分650部)加え、室温(25℃)で15分撹拌し、イソシアネート価を測定した。混合ワニスのイソシアネート価は47.6であった。
次いで、撹拌しながら40℃に加熱維持し、約3時間反応を進めた後、イソシアネート価が45.8になった時点でメチルエチルケトオキシムを300部を加えて、60℃で2時間熟成し、固形分50.0%、重量平均分子量約16,000の樹脂(A)溶液No.1を得た。
製造例8〜12
製造例7と同様にして、表2の配合内容にて、樹脂(A)溶液No.2〜樹脂(A)溶液No.6を得た。表2中、括弧内は固形分量を示す。
Figure 2005314645
製造例13
反応容器中にイソプロピルアルコール55部を仕込み80℃に保持した中へ、スチレン15部、メチルメタクリレート31部、n−ブチルアクリレート15部、エチルアクリレート10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート15部、アクリル酸7部、N−ブトキシメチルアクリルアミド7部及びアゾビスジメチルバレロニトリル1.0部の混合物を3時間を要して滴下し、滴下終了後1時間この温度に保ち、ついでアゾビスジメチルバレロニトリル1部とブチルセロソルブ45部を滴下してさらに80℃で4時間反応を続けて、固形分50%、重量平均分子量30,000、SP値9.60、Tg16.5℃の樹脂溶液No.7を得た。
製造例14 エマルションNo.1の製造
製造例7で作成した樹脂(A)溶液No.1 200部(固形分100部)のカルボキシル基に対して0.4当量のトリエチルアミンを配合した後、混合分散し、SCAT−7(注5)0.5部(固形分)を混合分散した後、攪拌を行いながら脱イオン水を徐々に滴下し、更にpHが7.5になるようにトリエチルアミンを添加し、脱イオン水で調整して、固形分10%のエマルションNo.1を得た。
製造例15〜19
製造例14と同様にして、表3のような配合で、固形分10%のエマルションNo.2〜No.6を得た。
製造例20
製造例13で得た樹脂No.7溶液 140部(固形分70部)に、デュラネートMF−B80M(注6)37.5部(固形分30部)、SCAT−7(注5)0.5部(固形分0.5部)、攪拌を行いながら脱イオン水を徐々に滴下し、更にpHが7.5になるようにトリエチルアミンを添加し、脱イオン水で調整して、固形分10%のエマルションNo.7を得た。
Figure 2005314645
(注5)SCAT−7:三共有機合成(株)社製、商品名、ジブチル錫ビスメルカプトカルボン酸エステル
(注6)デュラネートMF−B80M:旭化成(株)社製、商品名、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートタイプ、メチルエチルケトキシムブロック化剤、固形分80%
(注7)U−CAT18X:三洋化成社製、商品名、アミン系の硬化触媒
(注8)チヌビン328:チバガイギー株式会社製、商品名、紫外線吸収剤
(注9)チヌビン292:チバガイギー株式会社製、商品名、光安定剤。
実施例1
固形分10%のエマルションNo.1 1000部(固形分100部)、pHが8.
5になるようにトリエチルアミンを添加し、アニオン電着塗料No.1を得た
実施例2〜5
実施例1と同様の操作により、表4の内容で、実施例2〜5のアニオン電着塗料No.2〜No.5を得た。
比較例1〜4
実施例1と同様の操作により、表5の内容で、比較例1〜4のアニオン電着塗料No.6〜No.9を得た。
比較例5
エレクロンAG−300(関西ペイント社製、商品名、アクリル樹脂・メラミン硬化型のアニオン電着塗料)を用いた。
試験板の作成
実施例、及び比較例で得られたアニオン電着塗料を浴として、このものに被塗物を2次電解処理(脱脂−エッチング−中和−陽極酸化処理−封孔)を施した被膜厚さ約10μmの陽極酸化アルミニウム材(シルバー:大きさは150×70×0.5mm)を浸漬し、乾燥膜厚が10μmになるように電着塗装を行い、水洗後、140℃−20分間焼き付けた。
下記の試験条件に従い試験に供した。実施例を表4に、比較例を表5に示す。
Figure 2005314645
Figure 2005314645
(注10)ゲル分率:
塗装ブリキ板の、ブリキ板から剥離した塗膜を300メッシュのステンレススチール製の網状容器に入れ、アセトン/メタノール=1/1の溶媒を用いて還流温度で6時間抽出した後、次式に従ってゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=(抽出後の塗膜重量)/(抽出前の塗膜重量)×100
(注11)鉛筆硬度:
JIS K 5600-5-4に準じて、試験塗板面に対し約45°の角度に鉛筆の芯を
当て、芯が折れない程度に強く試験塗板面に押し付けながら前方に均一な速さで約10mm動かした。この操作を試験箇所を変えて5回繰り返して塗膜が破れなかった場合のもっとも硬い鉛筆の硬度記号を鉛筆硬度とした。
(注12)ツーコン硬度:塗板を20℃の恒温室に4時間放置後、American Chain& Cable Company 社製のTUKON microhardness testerに
て測定した。数値が高い程、塗膜が硬いことを示す。
(注13)60°グロス:
塗膜の光沢の程度を、JIS K−5400 7.6(1990)の60度鏡面光沢度に従い、入射角と受光角とがそれぞれ60度のときの反射率を測定して、鏡面光沢度の基準面の光沢度を100としたときの百分率で表した。
(注14)ダイスマーク隠蔽性:
目視評価で評価した。
○は、ダイスマーク隠蔽性が良好、
△は、ダイスマーク隠蔽性が劣る、
×は、ダイスマーク隠蔽性が著しく劣る。
(注15)ラッピング付着性:試験板の中央部長さ方向に、幅25mmの平行線の切り込みを入れる(アルミニウム面まで達するもの)。一方の端から約90mmだけフィルム層を剥離し、180度折り曲げる。(図1参照)
オートグラフS−D型(島津製作所社製、商品名、恒温槽付万能引張試験機)を用いて
、引張り速度50mm/分で約30mm引張り(雰囲気温度25℃±5℃)、フィルムの剥離強度を測定する。
◎は、剥離強度が39.2N(4kgf)以上
○は、剥離強度が29.4〜39.2N
△は、剥離強度が20〜29.4N
×は、剥離強度が20N未満
(注16)耐候性:
サンシャインウェザオメーターにより、照射2000時間での光沢保持率(%)により評価した。
本発明の艶消しアニオン電着塗料により低温硬化性、塗膜硬度、ダイスマーク隠蔽性に優れる60度グロス10以下の艶消し塗膜、及び艶消し塗装物品を得ることができる。
ラッピング付着性試験のモデル図である。
符号の説明
1 塗膜
2 被塗物であるアルミニウム
3 添え板
4 試験板を固定するための部分

Claims (4)

  1. 1分子中に2個以上の遊離イソシアネート基を有するビニル共重合体(a)の該遊離イソシアネート基の一部に、水酸基、カルボキシル基及びアルコキシシリル基を有するビニル共重合体(a)の水酸基の一部を反応させ、次いで残存する遊離イソシアネート基の全てにブロック化剤を反応させてなる1分子中にブロックイソシアネート基と水酸基とが併存する樹脂であり、かつビニル共重合体(a)とビニル共重合体(a)の溶解性パラメーター(SP値)の差が0.4〜1.0である樹脂(A)を水分散化し、さらに硬化触媒(B)を添加分散化してなるエマルションよりなり、樹脂(A)の総合計量100重量部に対して、硬化触媒(B)を0.1〜10重量部含有することを特徴とする艶消しアニオン電着塗料。
  2. 硬化触媒(B)が、有機錫化合物及びアミン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の艶消しアニオン電着塗料。
  3. ビニル共重合体(a)が、イソシアネート基含有ビニル単量体及びその他のビニル単量体からなる共重合体である請求項1又は2に記載の艶消しアニオン電着塗料。
  4. 陽極酸化処理したアルミニム基材に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の艶消しアニオン電着塗料を塗装してなる塗膜面の60°グロスが10以下の艶消し塗装物品。
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