JP2005313998A - 生分解性袋状製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生分解性ポリマーからなるフィルムであって、ASTM D3985に準拠して、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で測定した酸素透過度が300cc/(m2・day・atm)以下であり、JIS Z1707に準拠して測定したシール強度がフィルムの長手方向(MD方向)、幅方向(TD方向)共に10N/15mm以上であるフィルムからなることを特徴とする生分解性袋状製品。
【選択図】選択図なし
Description
この様な環境問題への高まりの中で、環境への負荷を低減して、社会を持続可能なものにするために、廃棄後に自然環境下で分解する生分解性プラスチックが求められるようになっている。
特許文献1(実開昭59−010274号公報)にはプラスチック製包装用緩衝体が開示されているが、中空ユニットを連結して成形する事でユニット相互が一体として作用すると共に少ない原料で得られる安価な緩衝材とすることを目的としているが、緩衝材としての耐圧縮クリープ性、耐圧強度については述べられておらず、素材も生分解性ポリマーについては何も開示されていない。また、特許文献2(特開平4−154570号公報)には、膨張可能でセルフシール型の弁を備えたエアーバッグ緩衝材シートに関する開示があり、ヒートシール性があり、非通気性で、可とう性とある程度の機械的強度を有する材料として、ナイロンとポリエチレンのラミネートフィルムが開示されているが、生分解性を有するポリマーからなるフィルムで実用上十分な耐圧縮クリープ性と耐圧強度を有するエアーバッグ緩衝材は開示されていない。また、特許文献3(特許第2670210号公報)には環状の多角形状に膨張可能なエアーバッグ緩衝材が、特許文献4(特許第3149130号公報)には、多数連続したエアーバッグの連設方向に沿って開封帯を取り付けたエアー緩衝材が開示されているが、生分解性ポリマーを用いたエアーバッグ緩衝材は開示されていない。
本発明者等は、前記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、生分解性ポリマーからなるフィルムにおいて、特定の酸素透過度を有し且つシール強度を有するポリマーからなるフィルムを用いる事で、実用に耐える生分解性の袋状製品、具体的には、荷重を受けた状態で長時間保持されても中のガスを保持して緩衝性能が持続する耐圧縮クリープ性に優れ、且つ耐圧強度に優れ実用上十分なる緩衝性能を長期間持続できるエアーバッグ緩衝材、排出物およびその臭気が外部に漏れない程度のガスバリア性を有すること、外部からの圧力により破れないだけの強度を有する生分解性のオストミーバッグ、生分解性フィルムで十分なガスバリア性を有して、且つ密封包装として破れない強度を有する食品包装用袋、非食品包装用袋を見出し本発明を完成した。
1)生分解性ポリマーからなるフィルムであって、ASTM D3985に準拠して、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で測定した酸素透過度が300cc/(m2・day・atm)以下であり、JIS Z1707に準拠して測定したシール強度がフィルムの長手方向(MD方向)、幅方向(TD方向)共に10N/15mm以上であるフィルムからなることを特徴とする生分解性袋状製品。
2)生分解性ポリマーからなるフィルムの、ASTM D3985に準拠して、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で測定した酸素透過度が、250cc/(m2・day・atm)以下であり、フィルム厚みが5〜200μmの範囲内であることを特徴とする1)に記載の生分解性袋状製品。
3)生分解性ポリマーからなるフィルムの、ASTM D882に準拠して測定した引張強度が、フィルムのMD方向、TD方向共に25MPa以上であることを特徴とする1)又は2)に記載の生分解性袋状製品。
4)生分解性ポリマーからなるフィルムの、濁度計(ASTM−D1003−95)で測定した曇り度(Haze)が、40%以下であることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の生分解性袋状製品。
5)生分解性ポリマーからなるフィルムが、ポリ乳酸系樹脂(A)10〜90重量%とポリエチレンサクシネート系樹脂90〜10重量%との混合物からなる層を含む単層または多層フィルムであることを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載の生分解性袋状製品。
6)生分解性ポリマーからなるフィルムが、多層フィルムであって、熱可塑性生分解性樹脂からなるシール層を多層フィルムの少なくとも一表面に有することを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載の生分解性袋状製品。
7)生分解性ポリマーからなるフィルムが、インフレーション法によって製膜されたフィルムであることを特徴とする1)〜6)のいずれかに記載の生分解性袋状製品。
8)前記1)〜7)のいずれかに記載の生分解性袋状製品のエアーバッグ緩衝材としての使用。
9)前記1)〜7)のいずれかに記載の生分解性袋状製品のオストミーバッグとしての使用。
10)前記1)〜7)のいずれかに記載の生分解性袋状製品の食品包装用袋としての使用。
11)前記1)〜7)のいずれかに記載の生分解性袋状製品の非食品包装用袋としての使用。
本発明の生分解性袋状製品に用いられる生分解性ポリマーとは、JIS K6950(2000)又はJIS K6951(2000)又はJIS K6953(2000)又はOECD 301C又はISO 17556の少なくともどれか1つに準拠して測定した生分解度が各試験法記載期間内で60%(理論値)以上であるポリマーである。具体的には、微生物産生系ではポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシブチレートバレート共重合体、ポリヒドロキシアルカノエート、化学合成系ではポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリエチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)、ポリビニルアルコール、ポリグリコール酸、ポリ(グリコール酸/乳酸)共重合体、天然物利用系では、化学修飾澱粉、酢酸セルロース、澱粉/化学合成系生分解性ポリマーブレンド物、およびこれらの複数のブレンド物などの例が挙げられる。好ましくは、植物由来の原料からなるポリマーで、ポリ乳酸、澱粉およびその誘導体、および澱粉、糖などの植物由来の原料を用いて微生物体内で生産して得られる脂肪族ポリエステルなどである。
本発明の生分解性袋状製品に用いられる生分解性フィルムは、JIS Z1707に準拠して測定したシール強度がフィルムのMD方向、TD方向共に10N/15mm以上であることが必要である。好ましくはシール強度がMD方向、TD方向共に15N/15mm以上であるフィルムであり、更に好ましくはシール強度がMD方向、TD方向共に20N/15mm以上のフィルムであり、特に好ましくはシール強度がMD方向、TD方向共に25N/15mm以上のフィルムである。シール強度がMD方向、TD方向のどちらかでも10N/15mm未満のフィルムからなる生分解性袋状製品では、シール強度が10N/15mm未満の方向の耐圧強度が劣る傾向にあり、大きな荷重が掛かった場合に袋状製品が破裂する可能性が大きくなる。
本発明の生分解性袋状製品に用いられるフィルムに用いられるポリ乳酸系樹脂(A)としては、ポリ乳酸単独重合体および乳酸単量体単位を50重量%以上含有する共重合体であって、ポリ乳酸単独重合体および乳酸と他のヒドロキシカルボン酸およびラクトン類からなる群より選ばれる化合物との共重合体である。乳酸単量体単位の含有量が50重量%未満の場合、フィルムの耐熱性および透明性が低下する傾向にある。好ましくはポリ乳酸単独重合体および乳酸単量体単位を80重量%以上含む共重合体又はそれら共重合体の混合物であり、さらに好ましくは、ポリ乳酸単独重合体および乳酸単量体単位を90重量%以上含む共重合体又はそれら共重合体の混合物である。
ンジオール、グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのエーテルグリコール等が挙げられる。
ポリ乳酸系樹脂(A)の重量平均分子量は10000〜1000000の範囲が好ましい。分子量が10000未満では機械的物性の劣るフィルムしか得られにくく、1000000を超えると溶融粘度が高くなり、通常の加工機械では物性の安定したフィルムが得られにくい。
尚、本発明の生分解性袋状製品に用いられるフィルムに使用する原料樹脂としては、上記したバージン原料以外に該樹脂製膜時に発生するトリム屑等を再度加工してペレット化、又は微粉化したリサイクル原料を単独で、又は該バージン原料に混入して使用することができる。
本発明の生分解性袋状製品に用いられるフィルムの製膜方法としては、Tダイより冷却ロールにキャストされる方法、インフレーション法やテンター法などの従来公知の製膜方法にて、無延伸、一軸延伸、或いは、同時又は逐次二軸延伸する方法がある。詳しくは、(1)押出されたチューブ状またはシート状の樹脂を溶融状態からインフレーション法又はキャスト法により溶融延伸して製膜する方法、(2)押出されたチューブ状又はシート状の樹脂を溶融状態から急冷して非晶状態に近い状態で固化させた後、続いてそのチューブ状又はシート状の樹脂をガラス転移温度以上融点以下に再加熱してインフレーション法又はロール・テンター法で延伸する冷間延伸法で製膜する方法、或いは、溶融延伸又は冷間延伸の後にフィルムの熱収縮性の抑制の為にフィルムを把持した状態等で熱処理を行ってフィルムを得る様な方法によって得られる。
殊に、冷間延伸法において、溶融状態から急冷し非晶状態に近い状態で固化させたもの(本発明ではパリソンと呼ぶ)を再加熱後に冷間延伸する場合は、ポリ乳酸系樹脂を溶融状態にて押出し、口金(ダイリップ)間隔に対してパリソンの厚みが1/2倍〜1/20倍の範囲になる様に、面積倍率で2倍〜20倍になる様に少なくとも1軸方向に溶融延伸後に、パリソンに対してMD方向(フィルムの長手方向)及びTD方向(フィルムの幅方向)それぞれに1.5〜6倍冷間延伸して、最終的に、ダイリップ間隔に対して延伸フィルムの厚みが1/200倍〜1/40倍の範囲になる様に、ダイ出口からの面積倍率で40倍〜200倍の範囲になる様に少なくとも1軸方向に延伸することが好ましい。
また、テンター法による製膜技術は、インフレーション法に比べてフィルムの厚み斑が少なく、また単位時間あたりの生産量を大きくできる点およびフィルムの厚みが厚い場合にはテンター法でないと製膜できない点でインフレーション法に比べて有利であるが、設備建設費はインフレーション法の設備に比べて数倍以上となり、また、少品種大量生産には向くが、フィルムの市場規模が比較的小さく、多品種少量生産の必要な場合、および厚みが薄くなりインフレーション法が適用できるようになるとインフレーション法が経済的に有利になってくる。
本発明の生分解性袋状製品に用いられるフィルムの製膜後の最終的な厚みは、好ましくは5〜200μmの範囲内であり、より好ましくは10〜150μmの範囲内であり、特に好ましくは10〜130μmの範囲内である。フィルム厚みが5μm未満では、ガス保持性、シール強度が劣る傾向にあり破袋強度、耐圧縮クリープ性、耐圧強度が劣る傾向にある。また、フィルム厚みが200μmを越えると、材料コストが高くなり経済的に不利になる傾向にあり、また、生分解性袋状製品の柔軟性が低下して取り扱い難くなる傾向にある。
キング防止剤などを、エアーバッグ緩衝材に用いられるフィルムの表面に均一に塗布するためには、塗布面となるフィルム表面をコロナ処理により親水化処理することが好ましい。この親水化処理によって、塗膜の均一性が向上し、帯電防止性や滑り性が効率的に発揮される。その際の表面張力としては、400μN/cm〜600μN/cmの範囲が好ましい。
実施例および比較例で用いた評価方法について以下に説明する。
(1)ポリ乳酸重合体のD、L乳酸組成、光学純度
ポリ乳酸重合体の光学純度は、前述の通りポリ乳酸重合体を構成するL−乳酸及び/又はD−乳酸単量体単位の構成比率から下記式により計算される。
光学純度(%)=|[L]−[D]|、但し、[L]+[D]=100
(|[L]−[D]|は[L]−[D]の絶対値を表す。)
ポリ乳酸重合体を構成するL−乳酸及び/又はD−乳酸単量体単位の構成比率は、試料を1N−NaOHでアルカリ分解後に1N−HClで中和して蒸留水で濃度調整した加水分解試料(液)について、光学異性体分離カラムを装着した島津製作所製の高速液体クロマトグラフィー(HPLC:LC−10A−VP(商品名))にて、紫外線UV254nmでのL−乳酸とD−乳酸の検出ピーク面積比(垂線法による面積測定)から、ポリ乳酸重合体を構成するL−乳酸の重量比率[L](単位%)、ポリ乳酸重合体を構成するD−乳酸の重量比率[D](単位%)を求め、1重合体当り3点の算術平均(四捨五入)をもって測定値とした。
東ソー製のゲルパーミエイションクロマトグラフィー装置(GPC:データ処理部GPC−8020(商品名))、検出器RI−8020(商品名)))を用いて、以下の測定条件で、標準ポリスチレンを用いてポリスチレン換算して重量平均分子量Mwを求め、1重合体当り3点の算術平均(四捨五入)をもって測定値とした。
カラム:昭和電工製、商品名Shodex K−805とK−801の連結カラム
[7.8mm経60cm長]
溶離液:クロロホルム
試料溶液濃度:0.2wt/vol%
試料溶液注入量:200μl
溶媒流速:1ml/分
カラム・検出器温度:40℃
JIS−K−7121及びJIS−K−7122に準拠して、示差走査熱量計(DSC)で−100℃から200℃まで昇温して、Tg、Tmを測定した。すなわち、標準状態(23℃65%RH)で状態調節(23℃1週間放置)したサンプルから約10mgを切り出した後、パーキンエルマー(Perkin−Elmer)社製の示差走査熱量計(熱流速型DSC)、DSC−7型を用いて、窒素ガス流量25ml/分、10℃/分で−100℃から200℃まで昇温し、描かれるDSC曲線の昇温時の融解(吸熱)ピーク頂点から融点Tm(℃)、昇温時の階段状変化部分曲線と各ベースライン延長線から縦軸方向に等距離にある直線との交点(中間点ガラス転移温度)をTg(単位℃)として測定し、1製品当り4点の算術平均(四捨五入)をもって測定値とした。
(4)フィルムの全層厚み、各層厚み(μm)
フィルムの全層厚みは、JIS−K−7130に従い、マイクロメータを用いて測定、各層厚みは顕微鏡で多層フィルムの断面を観察して測定した。
(5)酸素透過度(cc/(m2・day・atm))
フィルムの酸素透過度はASTM D3985に従って、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で測定した。
フィルムのシール強度はJIS Z1707に従い、シール圧力を0.5MPa、シール時間を0.2秒として、80℃からフィルムが溶断するまでの温度範囲で10℃ごとにシール強度を測定し、その最大値をそのフィルムのシール強度とした。シールバーは1/2インチ(約12.7ミリ)幅の物を用いた。また、シール強度はMD方向(フィルム長手方向)とTD方向(フィルム幅方向)の両方の値を測定した。また、シール強度を以下の基準で評価した。
AA:MD方向、TD方向の内、低い方が25N/15mm以上のフィルム
A:MD方向、TD方向の内、低い方が20N/15mm以上のフィルム
B:MD方向、TD方向の内、低い方が15N/15mm以上のフィルム
C:MD方向、TD方向の内、低い方が10N/15mm以上のフィルム
×:MD方向、TD方向の内、少なくとも一方が10N/15mm未満のフィルム
フィルムの引張強度はASTM−D882に従って測定した。引張破断強度と引張降伏強度を測定して大きい方を引張強度とした。
(8)曇り度(Haze、%)
標準状態(23℃65%RH)で状態調節(23℃1週間放置)したフィルムサンプルから試験片として50mm角の正方形状フィルムに切り出した後、ASTM D1003−95に準拠して、日本電色工業製の濁度計(ヘーズメーター)、NDH−1001DP(商品名))型を用いて、曇り度(Haze:単位%)を標準状態下で測定し、1種フィルム当たり6点の算術平均値(有効数字2桁)をもって測定値とした。
幅200ミリに切り出したフィルムを縦方向(MD方向)に合掌貼りにヒートシールし、できたチューブに空気を入れながら縦の長さが130ミリのピロ−タイプのエアーバッグになる様に上下もヒートシールした。ヒートシール条件は(6)で最高のシール強度を記録した温度で、シール圧力を0.5MPa、シール時間を0.2秒とした。こうしてできたエアーバッグを縦120ミリ、幅50ミリ(面積60cm2)の長方形の加圧盤で挟んで、上の加圧盤の重さとあわせて6kgになる様にのおもりを載せて、23℃で相対湿度65%の雰囲気下で200日保持し、上に載せた加圧盤の下降度合いから圧縮クリープ(%)を下の式で求めた。
圧縮クリープ(%)=((テスト開始直後の上下の加圧盤の間隔)−(テスト開始から200日後の上下の加圧盤の間隔))÷(テスト開始直後の上下の加圧盤の間隔)×100
AA:圧縮クリープが25%以下で、最も耐圧縮クリープ性が優れていて、長期使用及び/又は高荷重下で使用する緩衝材として十分に機能するレベル。
A:圧縮クリープが26〜35%で、耐圧縮クリープ性が優れていて、長期使用及び/又は高荷重下で使用する緩衝材として機能するレベル。
B:圧縮クリープが36〜50%で、耐圧縮クリープ性がやや劣り、長期使用及び/又は高荷重下で使用する緩衝材として機能するが少し劣るレベル。
C:圧縮クリープが51〜70%で、実用上必要最低限度の耐圧縮クリープ性で、長期使用及び/又は高荷重下で使用する緩衝材として機能する最低レベル。
×:圧縮クリープが70%を越えて、耐圧縮クリープ性に劣り、長期使用及び/又は高荷重下で使用する緩衝材として機能しないレベル。
幅150ミリに切り出したフィルムを縦方向(MD方向)に合掌貼りにヒートシールし、できたチューブに空気を入れながら縦の長さが130ミリのピロ−タイプの空気袋になる様に上下もヒートシールした。ヒートシール条件は(6)で最高のシール強度を記録した温度で、シール圧力を0.5MPa、シール時間を0.2秒とした。こうしてできた空気袋を縦120ミリ、幅50ミリ(面積60cm2)の長方形の加圧盤で挟んで上から10mm/分の速度で加圧盤を押して荷重をかけて、破裂時の荷重を測定した。その結果を以下の基準で評価した。
AA:荷重330Kg以上(破袋圧力55N/cm2以上)で破袋したフィルム
A:荷重270Kg以上(破袋圧力44N/cm2以上)で破袋したフィルム
B:荷重200Kg以上(破袋圧力33N/cm2以上)で破袋したフィルム
C:荷重130Kg以上(破袋圧力22N/cm2以上)で破袋したフィルム
×:荷重130Kg未満(破袋圧力22N/cm2未満)で破袋したフィルム
耐圧縮クリープ性テストと耐破裂性テストの評価結果から以下の基準で総合評価した。
AA:耐圧縮クリープ性テストと耐破裂性テストの両方がAAで、長期使用及び/又は高荷重下で使用するエアーバッグ緩衝材用フィルムとして最も優れている。
A:耐圧縮クリープ性テストと耐破裂性テストのどちらか一つがAで残りがA以上で、長期使用及び/又は高荷重下で使用するエアーバッグ緩衝材用フィルムとして優れている。
B:耐圧縮クリープ性テストと耐破裂性テストのどちらか一つがBで残りがB以上で、長期使用及び/又は高荷重下で使用するエアーバッグ緩衝材用フィルムとして中程度に優れている。
C:耐圧縮クリープ性テストと耐破裂性テストのどちらか一つがCで残りがC以上で、長期使用及び/又は高荷重下で使用するエアーバッグ緩衝材用フィルムとして実用できる最低限度である。
×:耐圧縮クリープ性テストと耐破裂性テストのどちらか一つか両方が×で、長期使用及び/又は高荷重下で使用するエアーバッグ緩衝材用フィルムとして使用できない。
ISO−8670−3(オストミーバッグの臭い透過性測定法)に従って、防臭性に対
して官能評価を実施した。ただし、モニター数は3人から10人に増やして実施した。そして、以下の基準で評価した。
AA:10人全員が臭いを感じないレベルで、実用上最も優れたレベルである。
A:8人以上9人以下が臭いを感じないレベルで、実用上優れたレベルである。
B:6人以上7人以下が臭いを感じないレベルで、実用上中レベルである。
C:4人以上5人以下が臭いを感じないレベルで、実用上最低レベルである。
×:3人以下が臭いを感じないレベルで、実用できないレベルである。
シール強度と臭い漏れ試験の評価結果から以下の基準で総合評価した。
AA:シール強度と臭い漏れ試験の両方がAAで、オストミーバッグ用フィルムとして最も優れている。
A:シール強度と臭い漏れ試験のどちらか一つがAで残りがA以上で、オストミーバッグ用フィルムとして優れている。
B:シール強度と臭い漏れ試験のどちらか一つがBで残りがB以上で、オストミーバッグ用フィルムとして中程度に優れている。
C:シール強度と臭い漏れ試験のどちらか一つがCで残りがC以上で、オストミーバッグ用フィルムとして実用できる最低限度である。
×:シール強度と臭い漏れ試験のどちらか一つか両方が×で、オストミーバッグ用フィルムとして使用できない。
実施例1〜10及び比較例1においては、表1に示した結晶性ポリ乳酸ラクティ9030(商品名)、ポリブチレンサクシネートアジペート、ビオノーレ#3001(商品名)、ポリエチレンサクシネート、ルナーレSE−P5000(商品名)、脂肪族芳香族コポリエステル、エコフレックス(商品名)を用いて、表2および表3の組成にドライブレンドした後、単軸押出機を用いて表2および表3に示した層構成、各層厚みになる様に各層の押出機をコントロールして、3層ダイを用いて溶融樹脂を押出した。押出時には、外側ダイリップ直径110ミリ、内側ダイリップ直径を105ミリ、リップクリアランス2.5ミリの円筒ダイより押出し、チューブ状に押出された溶融樹脂に冷却リングより約25℃のエアーを吹き付けながらチューブ内へエアーを注入してバブルを形成し、得られたフィルムをピンチロールへ導きチューブ状のフィルムをフラット状2枚のフィルムとして巻き取りロールで巻き取った。次に、バブルが安定してから、樹脂押出速度、バブル中へのエアー注入量、ピンチロールにおけるフィルム巻き取り速度を微調整し、表2および表3に示した最終厚みのフィルムを得た。
実施例11、12及び比較例2では実施例1〜10及び比較例1と同様にして表1に示した原料ポリマーを用いて、表3に示した組成にドライブレンドして、単軸押出機より外側ダイリップ直径110ミリ、内側ダイリップ直径を105ミリ、リップクリアランス2.5ミリの単層の円筒ダイより押出し表3に示した最終厚みの単層フィルムを得た。
実施例1〜12及び比較例1、2で得られたフィルムおよびそのフィルムを用いて作成したエアーバッグ緩衝材の物性評価結果を表2、表3に示した。
実施例13〜17、及び比較例3では実施例1〜10及び比較例1と同様にして、比較例4では比較例2と同様にして、表1に示した原料ポリマーを用いて、表4に示した組成にドライブレンドして、表4に示した最終厚みの多層フィルムおよび単層フィルムを得た。
実施例13〜17及び比較例3、4で得られたフィルムを用いてオストミーバッグ用フィルムとしての物性評価を行い、その結果を表4に示した。
Claims (11)
- 生分解性ポリマーからなるフィルムであって、ASTM D3985に準拠して、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で測定した酸素透過度が300cc/(m2・day・atm)以下であり、JIS Z1707に準拠して測定したシール強度がフィルムの長手方向(MD方向)、幅方向(TD方向)共に10N/15mm以上であるフィルムからなることを特徴とする生分解性袋状製品。
- 生分解性ポリマーからなるフィルムの、ASTM D3985に準拠して、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で測定した酸素透過度が、250cc/(m2・day・atm)以下であり、フィルム厚みが5〜200μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の生分解性袋状製品。
- 生分解性ポリマーからなるフィルムの、ASTM D882に準拠して測定した引張強度が、フィルムのMD方向、TD方向共に25MPa以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の生分解性袋状製品。
- 生分解性ポリマーからなるフィルムの、濁度計(ASTM−D1003−95)で測定した曇り度(Haze)が、40%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生分解性袋状製品。
- 生分解性ポリマーからなるフィルムが、ポリ乳酸系樹脂(A)10〜90重量%とポリエチレンサクシネート系樹脂90〜10重量%との混合物からなる層を含む単層または多層フィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の生分解性袋状製品。
- 生分解性ポリマーからなるフィルムが、多層フィルムであって、熱可塑性生分解性樹脂からなるシール層を多層フィルムの少なくとも一表面に有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の生分解性袋状製品。
- 生分解性ポリマーからなるフィルムが、インフレーション法によって製膜されたフィルムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の生分解性袋状製品。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の生分解性袋状製品のエアーバッグ緩衝材としての使用。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の生分解性袋状製品のオストミーバッグとしての使用。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の生分解性袋状製品の食品包装用袋としての使用。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の生分解性袋状製品の非食品包装用袋としての使用。
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