JP2007106067A - 生分解性シーラント層付フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】製膜時のブロッキングやフィルム巻きつき等のトラブルを解消し、かつ短時間シールも可能となる高速包装(製袋)に適した生分解性シーラント層付フィルムの提供および、このフィルムからなる袋状物品やエアー緩衝材の提供を課題とする。
【解決手段】少なくとも一表層がシーラント層であり、該シーラント層は、融点(Tm)が70〜85℃の、主としてグリコールと脂肪族二塩基酸またはその酸誘導体とから合成された脂肪族ポリエステル系樹脂と結晶核剤からなり、該混合物の融点(Tm)が70℃〜85℃であり、かつ該混合物の結晶化温度(Tc)と前記Tmの関係が(Tm−Tc)≦30であることを特徴とする生分解性シーラント層付フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた高速包装(製袋)機適性を有する生分解性シーラント層付フィルムに関するものであり、特に、低温シールを可能にする生分解性シーラント層付フィルムに関するものである。さらに、生分解性シーラント層付フィルムの製造方法、生分解性袋状物品、生分解性エアー緩衝材に関するものである。
合成高分子化合物は、その優れた特性からプラスチックとして広範囲に使用されるようになったが、その使用量の増加と共に廃棄物量も増大しており、この廃棄プラスチックをどの様に処理するかが大きな社会問題になっている。焼却処理すると発熱量が大きいため焼却炉を傷めやすいことや、有害物質を生成するおそれがあること等の問題点があり、埋め立て処理すると分解しないためいつまでも環境中に残留するという問題点もある。更に、分別・回収、再生のコストを考えるとリサイクルだけでは完全な問題解決は困難である。
この様な環境問題への高まりの中で、環境への負荷を低減して、社会を持続可能なものにするために、廃棄後に自然環境下で分解する生分解性プラスチックが求められるようになっている。
一方、プラスチックフィルムの包装形態の一つに、袋詰め包装があり、ピロ−包装、オーバーラップ包装、二方・三方・四方シール包装、液体用袋、レトルト包装などがあげられる。これらの連続包装(製袋)機は、近年高速化の開発傾向であり、それに伴い、使用される包装(製袋用)フィルムへの要求特性は厳しくなってきている。
これらの連続包装(製袋)機に用いるフィルムに求められる主な特性の一つとして、低温シール性が挙げられる。低温シール性とは、より低温でヒートシールを可能にすることで、結果的に高速包装(製袋)を可能にするシール特性である。ヒートシールとは、加熱バーや加熱板あるいは加熱ロール等を用いて、複数のフィルムを重ねた上で、加熱、加圧しフィルムを接着させることである。従って、シール性に優れるフィルムとは、より低い温度から広い温度範囲において、短時間で接着可能で、かつ、実用上十分な接着強度を有すものである。さらに、液体や気体の内容物を密閉し、保存、保持することを目的とするようなシール機能を有するフィルム用途においては、内容物である液体や気体のシール部からの漏洩を防止するために、シール部の密閉性や気密性も非常に重要なシール機能の一つである。
このような状況の中で、特許文献1には、融点70℃〜200℃で、シール機能を有するグリコールと脂肪族二塩基酸またはその酸誘導体とから合成された脂肪族ポリエステルが開示されている。ところが、融点70℃〜85℃といった低融点の脂肪族ポリエステルは、結晶化温度も低いため、包装(製袋)時のホットタック性や製膜時のブロッキングやハンドリング性などに課題を有していた。
ピロータイプのエアー系緩衝材として、特許文献2にはプラスチック製包装用緩衝体が開示されている。該公報では、中空ユニットを連結して成形する事でユニット相互が一体として作用すると共に少ない原料で得られる安価な緩衝材とすることを目的としているが、製袋機適性を満たすような、低温シール性に関しては開示されておらず、素材も生分解性ポリマーについては何も開示されていない。また、特許文献3には、膨張可能でセルフシール型の弁を備えたエアーバッグ緩衝材シートに関する開示があり、ヒートシール性があり、非通気性で、可撓性とある程度の機械的強度を有する材料として、ナイロンとポリエチレンのラミネートフィルムが開示されているが、特定のシール機能を有する生分解性フィルムを用いたエアーバッグ緩衝材は開示されていなかった。
特許2759596号公報 実開昭59−10274号公報 特開平4−154570号公報
本発明は、低融点脂肪族ポリエステル系樹脂フィルムの製膜時におけるブロッキングやフィルム巻きつき等のトラブルを解消し、かつ短時間シールも可能となる高速包装(製袋)用の生分解性シーラント層付フィルムを提供する事を目的とする。さらには、十分なシール強度を有し、内容物の保持に優れた生分解性包装フィルムや袋状物品、エアー緩衝材を提供することを目的とする。
本発明者達は、前記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、生分解性シーラント層付フィルムにおいて、低融点の脂肪族ポリエステル系樹脂と結晶核剤を混合することにより、結晶化温度(Tc)を制御して、高速包装に対応可能なシーラントとなる事を見出し、本発明をなすに至った。さらに、積層構造のフィルムとすることで、生分解性の袋状物品、エアー緩衝材を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は
(1)少なくとも一表層がシーラント層である生分解性シーラント層付フィルムであって、該シーラント層が、融点(Tm)が70℃〜85℃の、主としてグリコールと脂肪族二塩基酸またはその酸誘導体とから合成された脂肪族ポリエステル系樹脂と結晶核剤の混合物からなり、該混合物の融点(Tm)が70℃〜85℃であり、かつ該混合物の結晶化温度(Tc)と融点(Tm)との関係が(Tm−Tc)≦30であることを特徴とする生分解性シーラント層付フィルム。
(2)前記結晶核剤が、主としてグリコールと脂肪族二塩基酸またはその酸誘導体とから合成された脂肪族ポリエステルであって、融点(Tm)が85℃よりも高く、かつ結晶化温度(Tc)が60℃〜130℃であることを特徴する(1)記載の生分解性シーラント層付フィルム。
(3)L−乳酸とD−乳酸のモル比率が95/5〜100/0のポリ乳酸系樹脂と結晶核剤からなり、融点(Tm)が140℃〜170℃で、かつ融解熱量(ΔHm)と結晶化熱量(ΔHc)の関係(ΔHm−ΔHc)が15J/g〜60J/gである耐熱層を少なくとも一層含んでいることを特徴とする(1)または(2)に記載の生分解性シーラント層付フィルム。
(4)溶融延伸法で製膜され、その延伸倍率が面積倍率で40倍以上200倍以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の生分解性シーラント層付フィルムの製造方法。
(5)(1)〜(3)のいずれかに記載の生分解性シーラント層付フィルムを用いた袋状物品。
(6)(1)〜(3)のいずれかに記載の生分解性シーラント層付フィルムを用いた生分解性エアーバッグ緩衝材。
本発明の生分解性シーラント層付フィルムは、製膜時のブロッキングやフィルム巻きつき等のトラブルを解消できる効果がある。さらに、より短時間でのシールが可能となり、ホットタック性を付与し、高速包装を可能とする効果がある。また、十分なシール強度を有するために、液体や気体の内容物を漏洩させることなく保持する効果がある。
本発明について、以下具体的に説明する。本発明では、少なくとも一表層がシーラント層であり、そのシーラント層は、示差走査熱量測定(JIS−K−7121に準拠)で10℃/分で昇温時に求めた融点(Tm)が70〜85℃の、主としてグリコールと脂肪族二塩基酸またはその酸誘導体とから合成された脂肪族ポリエステル系樹脂を主成分とする。Tmが70℃未満では、夏場の保管や輸送時にフィルムのブロッキングが発生しやすく、Tmが85℃を超えると、目的とする低温シール性が得られず、高速包装(製袋)においてシール不良が起こる場合がある。より好ましくは75℃〜80℃である。また、グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられ、これらを併用しても良い。脂肪族二塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等やこれらの無水物等が用いられる。さらに、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、または多価カルボン酸やイソシアネート化合物を用いることができる。これらの代表的なものに、ビオノーレ(商品名:昭和高分子社製)やGS−pla(商品名:三菱化学社製)が挙げられ、アジピン酸などの共重合比率を変えることによって、融点を制御することができる。
本発明で用いられる、結晶核剤としては、粒径10μm以下の無機フィラーや層状ケイ酸塩類の他に、脂肪酸塩や脂肪族ポリエステルを用いることができる。無機フィラーとしてはタルクやシリカを用いることができ、層状ケイ酸塩類としては、モンモリロナイト、雲母などである。また、分散性向上を目的に、無機フィラーの表面をシランカップリングなどによる表面処理を行ったフィラーも用いることができる。脂肪酸塩としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸鉛、オレイン酸ソーダ、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛等が挙げられる。
脂肪族ポリエステルとしては、主としてグリコールと脂肪族二塩基酸またはその酸誘導体とから合成された脂肪族ポリエステルを用いることができる。グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられ、これらを併用しても良い。脂肪族二塩基酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等やこれらの無水物等が用いられる。さらに、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、または多価カルボン酸やイソシアネート化合物を用いることができる。また、二種類以上の結晶核剤を併用することができる。
これらの中でも、特に融点(Tm)が85℃よりも高く170℃未満で、かつ結晶化温度(Tc)が60〜130℃である脂肪族ポリエステルを用いることが好ましい。Tmは85℃よりも高いことで、低温シーラント層の結晶核剤となりうるし、170℃以上となると、押出し時の溶融特性に影響を与えるため好ましくない。Tcが60℃未満では、核剤としての効果を発揮しにくく、130℃を超えると低温シール性を阻害しやすい。結晶核剤の含有量は、シーラント層の機能を阻害しない範疇でシーラント層中に0.5質量%〜40質量%が好ましい。0.5質量%未満では、結晶核剤としての効果が発現されずに、Tcをあげる効果が見られない。また、40質量%よりも多いと、低温でのシール性を阻害するため好ましくない。より好ましい添加量は1質量%〜30質量%であり、さらに好ましくは2質量%〜20質量%、最も好ましくは、3質量%〜10質量%である。
また、本発明のシーラント層に用いられる、脂肪族ポリエステル系樹脂と結晶核剤の混合物は、示差走査熱量測定(JIS−K−7121に準拠)で10℃/分で昇温時に求めた融点(Tm)が70〜85℃であり、10℃/分で降温時に求めた結晶化温度(Tc)と前記Tmの関係が、(Tm−Tc)≦30である事が肝要である。Tmが70℃未満では、夏場の保管や輸送時にフィルムのブロッキングが発生しやすく、Tmが85℃を超えると、目的とする低温シール性が得られず、高速包装(製袋)においてシール不良が起こる場合がある。より好ましくは75℃〜80℃である。(Tm−Tc)が30℃を超えると、製膜時に溶融した状態からフィルムが十分に固化することができず、製膜時のブロッキングや巻きつき等のトラブル発生の原因となる。より好ましい(Tm−Tc)は25℃以下である。また、前記脂肪族ポリエステルの示差走査熱量測定(JIS−K−7122に準拠)で10℃/分で降温時に求めた結晶化熱量ΔHcが、20J/g以上60J/g以下であると、製膜時のフィルム固化進行によるトラブルの解消だけでなく、さらにヒートシール時のホットタック性付与も可能となるため好ましい。60J/gを超えると、可撓性という観点から好ましくない。より好ましいΔHcは25J/g以上50J/gである。
本発明では、シーラントの機能を阻害しない範疇で、シーラント層にポリ乳酸等の脂肪族ポリエステル系樹脂や芳香族−脂肪族ポリエステル系樹脂を含んでも良い。より好ましく用いられるポリ乳酸は、例えば、L−乳酸とD−乳酸のモル比率が92/8〜8/92である実質的に非晶のポリ乳酸である。特に、非晶のポリ乳酸は、シーラント層のマトリックスとなる脂肪族ポリエステル系樹脂の融点(Tm)や結晶化温度(Tc)に影響を与えないため、好適に用いることができる。実質的に非晶というのは、10℃/分で昇温時に示差走査熱量測定(JIS−K−7122に準拠)で求めた融解熱量(ΔHm)と結晶化熱量(ΔHc)の関係(ΔHm−ΔHc)が3J/g以下であるポリ乳酸のことを意味する。L−乳酸もしくはD−乳酸のモル比率が92%を超えると、製膜条件によっては、ポリ乳酸が容易に結晶化し、この結晶はシール温度で融解しないため、シール強度を低下させる傾向がある。経済的な事情も鑑みて、より現実的な、好ましいモル比率は90/10〜75/25である。
本発明の生分解性シーラント層付フィルムはヒートシール強度が15N/15mm以上40N/15mm以下である事が好ましい。10N/15mm未満であると、包装したフィルムに何らかの力が加わった際、シール面の剥離が起きやすく、40N/15mmを超えると、開封が困難な包装フィルムとなりやすい。より好ましいシール強度は、15N/15mm以上35N/15mm以下であり、さらに好ましくは、20N/15mm以上30N/15mm以下である。また、シール時間1秒以内で前記シールできる事が、より高速での包装が可能となり好ましい。より好ましくは、0.5秒以内、さらに好ましくは0.2秒以内の短時間でシールできることが好ましい。
本発明では、耐熱層との積層構造とした生分解性シーラント層付フィルムとすることが好ましい。特に、10℃/分で昇温時に示差走査熱量測定(JIS−K−7121及び7122に準拠)で求めた融点(Tm)が140℃以上170℃以下で、かつ融解熱量(ΔHm)と結晶化熱量(ΔHc)の関係(ΔHm−ΔHc)が15J/g以上60J/gであるポリ乳酸系樹脂が、耐熱層の主成分として好ましく用いられる。Tmが140℃以上で、かつ(ΔHm−ΔHc)が15J/g以上であることで、シール時のシールバーへのフィルム付着防止やフィルム伸びを抑制でき、製袋の安定性を付与することができる。Tmが170℃を超えると、押出し時への影響の観点から、また(ΔHm−ΔHc)が60J/gを超えると、フィルムの可撓性の観点から好ましくない。好ましい(ΔHm−ΔHc)は20J/g以上であり、より好ましくは30J/g以上である。また、好ましいTmは150℃以上、より好ましくは160℃以上である。このようなポリ乳酸系樹脂として、L−乳酸とD−乳酸のモル比率が100/0〜95/5もしくは5/95〜0/100を用いることができるが、経済的な事情から鑑みてL−乳酸とD−乳酸のモル比率が100/0〜95/5が好適に用いられる。また、ポリ乳酸と他のヒドロキシカルボン酸及び/またはラクトン類からなる群より選ばれた化合物との共重合体等も用いることができる。
前記耐熱層には、ポリ乳酸系樹脂の結晶化をより促進させやすくするために、結晶核剤や結晶化促進剤を加えることができる。好ましい結晶核剤としては、粒径10μm以下の無機フィラーや層状ケイ酸塩類である。無機フィラーとしてはタルクやシリカを用いることができ、層状ケイ酸塩類としては、モンモリロナイト、雲母などである。また、分散性向上を目的に、無機フィラーの表面をシランカップリングなどによる表面処理を行ったフィラーも用いることもできる。また、二種類以上の結晶核剤を併用することもできる。この際用いる結晶核材の添加量は樹脂100質量部に対して0.5質量部以上30質量部以下が好ましく、より好ましくは1質量部以上20質量部以下、さらに好ましくは2質量部以上15質量部以下である。添加量が30質量部を超えるとフィルムの透明性や可撓性という観点から好ましくない。
また、前記結晶化促進剤として、可塑剤やガラス転移温度(Tg)が10℃以下の脂肪族ポリエステル系樹脂及び/または芳香族−脂肪族ポリエステル系樹脂をも同時に添加することもできる。例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂としてポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリエチレンサクシネート、ポリ(エチレンサクシネート/アジペート)などが挙げられ、芳香族−脂肪族ポリエステル系樹脂としてポリ(ブチレンテレフタレート/アジペート)などが挙げられる。またポリ乳酸と脂肪族ポリエステル系樹脂及び/または芳香族−脂肪族ポリエステル系の共重合体なども用いることができる。可塑剤としては、脂肪族多価カルボン酸エステル、脂肪酸多価アルコールエステル、オキシ酸エステル、エポキシ系可塑剤等が含まれる。具体例としては、トリアセチン(TA)、トリブチリン(TB)、ブチルフタリルブチルグリコレート(BPBG)、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、ジオクチルセバケート、トリエチレングリコールジアセテート、グリセリンエステル類、オレイン酸ブチル(BO)、アジピン酸エーテル・エステル、エポキシ化大豆油(ESO)、等が挙げられる。
これら、結晶化促進剤の添加量は、耐熱層中の30質量%未満が好ましい。30質量%を超えると、シール時の温度でフィルムが変形しやすく、耐熱層の機能を果たすことができなくなる場合がある。好ましくは、20質量%以下である。
また、前述した無機フィラーには結晶核剤としてだけではなく、フィルム引裂き時の起点となり、引裂き強度を低下させる効果もある。特に、袋状物品に用いる場合は、易開封性の効果を発現することができる。易開封性の効果を発現させるためには、JIS−K−7128(B法)で測定したフィルムの引裂強度が50mN〜600mNであることが好ましい。50mN未満では、容易にフィルムが裂けるため、ハンドリングが困難となることがあり、600mNを超えると、易開封が困難となる。この場合の好ましい無機フィラー添加量は耐熱層の樹脂100質量部に対して1質量部以上であり、より好ましくは5質量部以上であるが、添加量が30質量部を超えるとフィルムの可撓性という観点から好ましくない。
本発明の生分解性シーラント層付フィルムには、無機フィラー、アンチブロッキング剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防曇剤、帯電防止剤、防錆剤、滑剤および耐衝撃性改良剤などの公知の添加剤を、本発明の要件と特性を損なわない範囲で配合することが可能である。
次に、本発明の生分解性シーラント層付フィルムの製造方法について説明する。本発明の生分解性シーラント層付フィルムの製膜方法としては、Tダイより冷却ロールにキャストされる方法やインフレーション法やテンター法などの従来公知の製膜方法にて、未延伸、一軸延伸、或いは、同時又は逐次二軸延伸する方法がある。より詳しく説明すると、下記の様な方法によって得られる。
(1)押出されたチューブ状またはシート状の樹脂を溶融状態からインフレーション法又はキャスト法により溶融延伸(融点以上の温度での延伸)して製膜する方法。
(2)押出されたチューブ状又はシート状の樹脂を溶融状態から急冷して非晶状態に近い状態で固化させた後、続いてそのチューブ状又はシート状の樹脂をガラス転移温度以上融点以下に再加熱してインフレーション法又はロール・テンター法で延伸する冷間延伸法で製膜する方法、そして必要に応じて、溶融延伸又は冷間延伸の後に、フィルムの熱収縮性抑制の為にフィルムを把持した状態等で熱処理を行ってフィルムを得る様な方法。
フィルム又はシートの延伸倍率としては、延伸方法に関わらず、押出し口金(ダイリップ)間隔に対して、最終の延伸フィルム又はシートの厚みが1/200倍〜1/40 倍の範囲になる様に、即ち、押出し口金(ダイリップ)出口直後のフィルム又はシートの面積に対して、最終の延伸フィルム又はシートの面積が40倍〜200倍になる様に、少なくとも1軸方向に延伸することが好ましい。(以下、(押出し口金(ダイリップ)出口直後のフィルム又はシートの面積)/(最終の延伸フィルム又はシートの面積)の比を、「面積倍率」という。)
また、多層の包装フィルムを製膜する方法として、共押出しで多層フィルムを製膜する方法と、フィルムをラミネート(押出しラミネートやドライラミネート)によって製造する方法がある。
これらの方法の中でも、溶融延伸でダイ出口からの面積倍率40倍〜200倍の延伸を行う方法が特に好ましい。より好ましい溶融延伸時のダイ出口からの面積倍率は60倍から150倍で、さらに好ましくは80倍から140倍である。
以上のようにして得られた生分解性シーラント層付フィルムを、ピロ−包装やオーバーラップ包装の袋詰包装に用いると、連続した高速包装をより安定して行うことができる。特に、ポケットティッシュやインクカートリッジ、トナーカートリッジなどにも用いることができる。さらに本発明の包装フィルムでは、内容物の液体や気体がシール部から漏洩せずに、長期間の保存、保持が可能な袋が得られる。
また、ピロ−タイプのエアー緩衝材や逆支弁つきエアー緩衝材に用いると、空気の漏洩が少なく、優れた耐圧縮クリープ性や耐圧強度を有し、実用上十分な緩衝性能を長期間持続できるエアー緩衝材が得られる。
本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例および比較例で用いた評価方法について以下に説明する。
(1)融点(Tm)、結晶化温度(Tc)、融解熱量(ΔHm)、結晶化熱量(ΔHc)
JIS−K−7121及び7122に準拠して、パーキンエルマー(Perkin−Elmer)社製の示差走査熱量計(DSC)を用いて、窒素ガス流量25ml/分で、0℃から200℃まで10℃/分で昇温し、昇温時の結晶化熱量(ΔHc)、融解熱量(ΔHm)、融点(Tm)を測定した。200℃で1分間保持したもちに、10℃/分で降温し、降温時の結晶化温度(Tc)を測定した。尚、複数のピークが観察される場合は、最も熱量の多いピークをそのTm、Tcとした。
(2)ポリ乳酸重合体のD−、L−乳酸組成、光学純度
ポリ乳酸重合体を構成するL−乳酸及びD−乳酸単量体単位の構成比率は、試料を1N−NaOHでアルカリ分解後に1N−HClで中和して蒸留水で濃度調整した加水分解試料(液)について、光学異性体分離カラムを装着した島津製作所製の高速液体クロマトグラフィー(商品名、HPLC:LC−10A−VP)にて、紫外線UV254nmでのL−乳酸とD−乳酸の検出ピーク面積比(垂線法による面積測定)から、ポリ乳酸重合体を構成するL−乳酸の重量比率[L](単位%)、ポリ乳酸重合体を構成するD−乳酸の重量比率[D](単位%)を求め、1重合体当り3点の算術平均(四捨五入)をもって測定値とした。
(3)シール強度(N/15mm)
フィルムのシール強度はJIS−Z1707に従い、シール圧力を0.65MPa、シール時間を0.2秒として、100℃におけるシール強度を測定した。シールバーは5mm幅の物を用いた。
(4)エアー緩衝材 圧縮クリープ
JIS−K−6767に準拠して、エアー緩衝材1個に対して、荷重2kgの重りを用いて、圧縮クリープ試験を行った。この際、1日後のエアー緩衝材の厚みを初期厚みとして、以下の指標にて評価した。
◎:7日後の厚みが初期厚みの80%以上
○:7日後の厚みが初期厚みの20%以上
△:7日後には、完全に空気が抜けていた。
×:1日後には、完全に空気が抜けていた。
以下の実施例および比較例に用いた生分解性ポリマーを下記に示す。ただし、本発明における樹脂の組成がこれに限定されるものではない。
B1:ポリブチレンサクシネートアジペート(昭和高分子株式会社製 ビオノーレ5001G(商品名)、融点Tm=79.3 結晶化温度Tc=46.8℃)
B2:ポリブチレンサクシネートアジペート(昭和高分子株式会社製 ビオノーレ#3001(商品名)、融点Tm=92.5 結晶化温度Tc=65.7℃)
B3:ポリブチレンサクシネート(昭和高分子株式会社製 ビオノーレ#1001(商品名)、融点Tm=112.6 結晶化温度Tc=88.1℃)
B4:ポリブチレンサクシネート(昭和高分子株式会社製 ビオノーレ#1050(商品名)、融点Tm=112.3 結晶化温度Tc=85.6℃)
P1:ポリ乳酸(カーギルダウ株式会社製 4032D(商品名)、D乳酸含量=1.4%)
P2:ポリ乳酸(カーギルダウ株式会社製 4060D(商品名)、D乳酸含量=12.6%)
タルク:富士タルク工業社製 LMS200(商品名)
[実施例1]
二軸押出し機を用いて原料P1とタルク30質量%濃度のマスターバッチを作成し、最終組成が表1に示した組成となる様に各原料をブレンドし、単軸押出し機を用いて、表1に示した、層構成となる様に3層ダイを用いて溶融樹脂を押出した。押出時には、外側ダイリップ直径110ミリ、内側ダイリップ直径を105ミリ、リップクリアランス2.5ミリの円筒ダイより押出し、チューブ状に押出された溶融樹脂に冷却リングより約25℃のエアーを吹き付けながらチューブ内へエアーを注入してバブルを形成し、得られたフィルムをピンチロールへ導きチューブ状のフィルムをフラット状2枚のフィルムとして巻き取りロールで巻き取った。次に、バブルが安定してから、樹脂押出速度、バブル中へのエアー注入量、ピンチロールにおけるフィルム巻き取り速度を微調整し、表1に示した最終厚みのフィルムを得た。該フィルムを幅190mmとなるようにスリットして、トリコン販売株式会社製エアー緩衝材製袋機150を用いて、長さ140mmのエアー緩衝材を作成した。
[実施例2〜5]
実施例1と同様に、表1に示した組成、及び層構成で、フィルムを作成し、エアー緩衝材を作成した。
[比較例1]
実施例1と同様に、表1に示した組成、及び層構成で、フィルムを作成したところ、製膜時にブロッキングした。
[比較例2]
実施例1と同様に、表1に示した組成、及び層構成で、フィルムを作成し、エアー緩衝材を作成した。
Figure 2007106067
高速包装(製袋)においても、十分なシール強度を有するため、内容物の保持に優れた生分解性包装フィルムや袋状物品、エアー緩衝材に好適に利用できる。

Claims (6)

  1. 少なくとも一表層がシーラント層である生分解性シーラント層付フィルムであって、該シーラント層が、融点(Tm)が70℃〜85℃の、主としてグリコールと脂肪族二塩基酸またはその酸誘導体とから合成された脂肪族ポリエステル系樹脂と結晶核剤の混合物からなり、該混合物の融点(Tm)が70℃〜85℃であり、かつ該混合物の結晶化温度(Tc)と融点(Tm)との関係が(Tm−Tc)≦30であることを特徴とする生分解性シーラント層付フィルム。
  2. 前記結晶核剤が、主としてグリコールと脂肪族二塩基酸またはその酸誘導体とから合成された脂肪族ポリエステルであって、融点(Tm)が85℃よりも高く、かつ結晶化温度(Tc)が60℃〜130℃であることを特徴する請求項1記載の生分解性シーラント層付フィルム。
  3. L−乳酸とD−乳酸のモル比率が95/5〜100/0のポリ乳酸系樹脂と結晶核剤からなり、融点(Tm)が140℃〜170℃で、かつ融解熱量(ΔHm)と結晶化熱量(ΔHc)の関係(ΔHm−ΔHc)が15J/g〜60J/gである耐熱層を少なくとも一層含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の生分解性シーラント層付フィルム。
  4. 溶融延伸法で製膜され、その延伸倍率が面積倍率で40倍以上200倍以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生分解性シーラント層付フィルムの製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の生分解性シーラント層付フィルムを用いた袋状物品。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の生分解性シーラント層付フィルムを用いた生分解性エアーバッグ緩衝材。
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