JP2005313401A - ボールペン用金属チップ - Google Patents

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Akira Matsukawa
亮 松川
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Abstract

【課題】 ボールハウスの底壁に放射状溝を形成する際に生じるバリを除去する必要がなく、スプリングもインキ誘導孔2にスムーズに挿入できるボールペン用金属チップを提供する。
【解決手段】ボール7を回転自由に抱持するボールハウス1の底壁4の中心に開けられたインキ誘導孔2とそれを中心とした複数本の放射状溝3を有するボールペン用金属チップにおいて、放射状溝のインキ誘導孔への開口部31の下方に、放射状溝を形成する際に生じるバリ6の開口部から径方向に突出する長さと同等ないし僅かに長い円環状突出部9を形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、筆記用のボールを回転可能に抱持したボールペン用金属チップに関するものである。
筆記用のボールを回転自由に抱持するボールハウスの底壁の中心に、インキ収容管からのインキをボールに供給するためにインキ誘導孔が開けられ、また、ボールとボールハウスの周面との間のインキ溜り部にインキを供給するためにインキ誘導孔を中心とした複数本の放射状溝がボールハウスの底壁に設けられたボールペン用金属チップが広く知られている。
かかるボールペン用金属チップは、図3に示すように、ボールハウス1とインキ誘導孔2およびバック孔5を切削加工により成形し、次にボールハウス1の底壁4に押圧変形加工により放射状溝3を複数本成形するが、放射状溝3を成形する際に、バリ6がインキ誘導孔2に突出した状態に形成される。
このバリ6をそのまま放置すると、ボールを押圧するためのスプリングを挿入する際にスプリングの先端がバリ6に引っかかる不具合がある。また、筆記中にバリ6がボールハウス1内に脱落してボールの回転を阻害する不具合が生じるので、インキ誘導孔2内にクリーニングツールTを矢印の方向に押し込んでバリ6を取り除いている。
特許第3492438号公報
しかし、クリーニングツールTをインキ誘導孔2内にに押し込んでもバリ6は完全には除去されず、図4に示すように、クリーニングツールTの押圧力により下向きに変形したバリ6がインキ誘導孔2の下面において残留する。そして、図5に示すように、ボール7をボールハウス1内に入れてかしめ加工によりボール7を抱持し、続いてスプリング8をインキ誘導孔2に挿入する際に、スプリング8の先端が残留したバリ6に引っかかり、スプリング8を正しく挿入できない不具合が生じる。
そこで本発明は、ボールハウスの底壁に放射状溝を形成する際に生じるバリを除去する必要がなく、スプリングもインキ誘導孔にスムーズに挿入できるボールペン用金属チップを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は、ボールを回転自由に抱持するボールハウスの底壁の中心に開けられたインキ誘導孔とそれを中心とした複数本の放射状溝を有するボールペン用金属チップにおいて、放射状溝のインキ誘導孔への開口部の下方に、放射状溝を形成する際に生じるバリの該開口部から径方向に突出する長さと同等ないし僅かに長い円環状突出部を形成する。
放射状溝のインキ誘導孔への開口部の下方に、放射状溝を形成する際に生じるバリのインキ誘導孔の開口部から径方向に突出する長さと同等ないし僅かに長い円環状突出部が形成されているので、生じたバリの先端は円環状突出部から径方向に向けて突出しない。したがって、このバリは必ずしも除去する必要がなく、また、バリがスプリングをインキ誘導孔に挿入する際の障害にならず、スムーズに挿入できる。
図1はボールを抱持する前の金属チップの先端部分の断面図であり、図2はボールを抱持して完成した金属チップを示す。図1において、金属チップの素材はステンレス鋼が一般的に使用されるが、その他にも洋白、りん青銅、真鍮などの銅合金、チタン合金、アルミニウム合金などが使用可能である。外周面がテーパー状に切削された金属チップのその先端面より切削加工によりボールハウス1が形成されている。そして、ボールハウス1の底壁4の中心にインキ誘導孔2が形成され、また、インキ誘導孔2に続くバック孔5が切削加工により形成されている。
ボールハウス1の底壁4において、ボール7とボールハウス1の周面との間のインキ溜り部にインキを供給するためにインキ誘導孔2を中心とした複数本の放射状溝3が押圧変形加工により設けられている。そして、インキ誘導孔2に対面する放射状溝3の開口部31の下方には円環状突出部9が形成されている。なお、円環状突出部9の下面91はテーパー状に成形されている。放射状溝3を成形するとバリ6が形成されてインキ誘導孔2に向けて突出するが、円環状突出部9の開口部31からの長さは、通常の工程で発生する最大のバリ6がインキ誘導孔2に向けて突出する径方向の長さと同等ないし僅かに長くなっている。したがって、バック孔5の方向からインキ誘導孔2を見たときにバリ6は円環状突出部9に隠れて見えない。
次に、図2に示すように、例えば超硬合金からなる外径が0.5mmφボール7をボールハウス1ないに入れて金属チップの先端縁11をかしめてボール7を回転可能に抱持する。そして、ボール7を先端縁11の内面に圧接するためのスプリング8をバック孔5の方向からインキ誘導孔2、つまりに円環状突出部9内に挿入するが、バック孔5の方向から見たときにバリ6は円環状突出部9に隠れているためにスプリング8の先端がバリ6に引っかかることがなく、スムーズに挿入することができる。
本発明実施例のボールをかしめる前の断面図である。 本発明実施例の断面図である。 従来例の説明図である。 従来例の説明図である。 従来例の説明図である。
符号の説明
1 ボールハウス
2 インキ誘導孔
3 放射状溝
31 放射状溝の開口部
4 底壁
5 バック孔
6 バリ
7 ボール
8 スプリング
9 円環状突出部

Claims (1)

  1. ボールを回転自由に抱持するボールハウスの底壁の中心に開けられたインキ誘導孔とそれを中心とした複数本の放射状溝を有するボールペン用金属チップにおいて、
    前記放射状溝のインキ誘導孔への開口部の下方に、放射状溝を形成する際に生じるバリの該開口部から径方向に突出する長さと同等ないし僅かに長い円環状突出部が形成されたことを特徴とするボールペン用金属チップ。
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