JP7294639B2 - ボールペンチップの製造方法及びボールペンチップ - Google Patents

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Description

本発明は、ボールペンチップの製造方法及びボールペンチップに関する。
ボールペンチップは、ボールを抱持するためのボール抱持室と、ボール抱持室後端壁の中央に形成されるインク誘導孔と、インク誘導孔の側面から径方向に放射状に延びる複数本のインク誘導溝と、を有するチップ本体を備える。
インク誘導溝は、チップ本体の先端側から棒状押圧部材をインク誘導孔に圧入して、インク誘導孔の側面にボール抱持室後端壁からバック孔へと貫通する溝を形成することにより形成される。
ここで、ボール抱持室後端壁に対して、インク誘導溝を挟んだ反対側にあるバック孔先端壁に、棒状押圧部材によって押圧されたことによるバリが生じる場合がある。
このため、インク誘導溝を形成した後、バック孔側から切削工具を挿入してバリを切削除去している(特許文献1参照)。
特開2003-170691号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、バリの除去時に、切削工具によってバック孔先端壁も切削される。バック先端壁を切削することにより、新たな切粉やバリが発生し、インク誘導溝をふさいでしまい、インクを十分に吐出できないことがある。また、切削時において切削工具に、いわゆるビビリ振動が発生し、バック孔先端壁が不均一に切削されて、バック孔先端壁とボール抱持室後端壁の間のボール係止部分の厚みが不均一になる場合がある。そうすると、ボール抱持室後端面に設けられるボール当接面の形状が歪み、ボールが滑らかに回転しなくなるなどの支障が生じる。特に、バック孔先端壁とボール抱持室後端壁との間隔が狭い場合は、顕著に支障が生じる。
本発明は、バリを支障なく除去可能なボールペンチップの製造方法及びバリが好適に除去されたボールペンチップを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、軸線方向に延びるブランク材の後端側から、前記軸線方向に延び且つ前記後端側から順次径が縮小する複数のバック孔を形成するとともに、先端側から、ボール抱持室と、該ボール抱持室及び前記複数のバック孔のうちの最先端に位置する第1バック孔よりも径が小さいインク誘導孔とを形成する貫通孔形成ステップと、径方向に突出した突条部が設けられた押圧部材を、前記ブランク材の前記先端側から前記インク誘導孔に押し込んで前記インク誘導孔の側面に前記ボール抱持室から前記第1バック孔へと貫通するインク誘導溝を形成するインク誘導溝形成ステップと、前記ブランク材の前記後端側から、前記第1バック孔よりも大径の切削工具を、第1バック孔先端壁から前記後端側に0.001mm~0.200mmの位置まで挿入し、前記切削工具により前記インク誘導溝の前記第1バック孔先端壁側に形成されたバリを除去した後、前記切削工具を前記第1バック孔先端壁と当接させずに、前記切削工具を前記バック孔から取り出すバリ除去ステップと、を含む、ボールペンチップの製造方法を提供する。
前記第1バック孔先端壁は円錐台状であり、該第1バック孔先端壁の頂角と、前記切削工具の先端の頂角とは、略同一であることが好ましい。
前記貫通孔形成ステップにおいて、前記第1バック孔を、該第1バック孔の径が、前記ボール抱持室で抱持するボールの径の80%以上で形成することが好ましい。
前記バリ除去ステップの後に、前記ボール抱持室後端壁に、ボールが内接する略球面状の当接面を、前記当接面の外周縁直径が前記ボールの径の80%以上95%以下で形成する当接面形成ステップを含むことが好ましい。
前記貫通孔形成ステップにおいて、後に行われる前記当接面形成ステップで形成される前記当接面に当接するようにして前記ボールが配置された場合に、前記ボールの中心となる位置から前記ボールペンチップの軸線に対してθの角度で延びる直線上に、第1バック孔側壁と前記第1バック孔先端壁との交点がくるように、前記第1バック孔を形成することが好ましい。
前記貫通孔形成ステップにおける前記θは、35°以上、55°以下であることが好ましい。
上記課題を解決するために本発明の第2の態様は、後端側から軸線方向に延び且つ前記後端側から順次径が縮小する複数のバック孔と、先端側に形成されるボール抱持室と、前記ボール抱持室及び前記複数のバック孔のうちの最先端に位置する第1バック孔を連結し該第1バック孔よりも径が小さいインク誘導孔と、前記インク誘導孔の側面に形成され前記ボール抱持室から前記第1バック孔に延びるインク誘導溝と、を備え、前記第1バック孔は、後端側から、径が一定のバック孔円柱状空間部と、前記バック孔円柱状空間部の先端から、前記インク誘導孔に向って径が小さくなるバック孔円錐台状空間部と、を有し、前記バック孔円柱状空間部の長さYが、0.001mm≦Y≦0.200mmであるボールペンチップを提供する。
さらに前記第1バック孔の後端側に第2バック孔が設けられ、前記第1バック孔と前記第2バック孔とのとの間は斜面が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、バリを支障なく除去可能なボールペンチップの製造方法及びバリが好適に除去されたボールペンチップを提供することができる。
ボールペンチップの全体断面図である。 ボールペンチップの先端部分の拡大断面図である。 (a)から(d)は、ボールペンチップの加工工程を説明する図である。 ブローチ加工を行った後のボールペンチップの先端部分の拡大断面図である。 バリ除去ステップを説明する図である。 (a)及び(b)はバリ除去ステップ後の工程を説明する図である。 実施形態のボールペンチップをさらに詳細に説明する図である。 図7に示したそれぞれの交点Aを有するφ0.38のボールペンチップ1の比較結果を示した表である。 それぞれの交点Aを有するφ0.70のボールペンチップ1の比較結果を示した表である。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1はボールペンチップ1の全体断面図である。図2はボールペンチップ1の先端部分の拡大断面図である。ボールペンチップ1は、例えば、油性インクを搭載したボールペンリフィルに用いられるものである。
ボールペンチップ1は、チップ本体2と、ボール3とを備える。以下、ボールペンチップ1のボール3が配置されている側を先端側、逆側を後端側として説明する。
チップ本体2は、例えば、ステンレス製のブランク材で製造されている。ボール3は、例えば、タングステンカーバイド製で、本実施形態において径は0.38mmである。ただし、チップ本体2の材料やボール3の材料はこれらに限定されるものではない。
(チップ本体)
チップ本体2は、略円筒形で、円筒形の中央部21と、中央部21よりも先端側に設けられ、中央部21から徐々に外径が小さくなる先端部22と、中央部21よりも後端側に設けられ、中央部21よりも外径が小さい円筒形の接続部23とを備える。接続部23は、図示しないインク保持部に挿入される部分である。
チップ本体2の内部には、ボール3を抱持するためのボール抱持室50と、チップ本体2の後端側より先端側に向かって延びるバック孔40と、ボール抱持室50の後端部のボール抱持室後端壁52aの中央から、ボール抱持室50とバック孔40(最先端のバック孔である第1バック孔41)とを連通するように後方に延びるインク誘導孔60と、が設けられている。バック孔40は、後端側から先端側に向って段階的に径が小さくなる複数のバック孔40(49,48,47,46,45,44,43,42,41)を有する。
なお、それぞれのバック孔41,42,43,44,45,46,47,48,49は、後述するようにドリルで切削するため、連続するバック孔、例えば第1バック孔41と第2バック孔42との間には、図2に示すように先端側に向かうに従い徐々に径が小さくなる斜面が形成される。
(ボール抱持室)
ボール抱持室50は、先端側から、抱持室円柱状空間部51と、抱持室円柱状空間部51の後部から後端側に向って径が小さくなる抱持室円錐台状空間部52と、抱持室円錐台状空間部52の後部から続く略球面状空間部53と、を備えている。
抱持室円錐台状空間部52と略球面状空間部53との壁面でボール抱持室後端壁52aを構成する。
抱持室円柱状空間部51の先端は、内側にかしめられることで、かしめ部54が形成されている。ボール3は、その先端部がボール抱持室50の先端縁より突出した状態で、ボール抱持室50内に回転自在に抱持されている。
抱持室円錐台状空間部52の頂角αは、90°以上150°以下が好ましく、120°以上150°以下がより好ましい。抱持室円錐台状空間部52の頂角αが、90°より鋭角になると、後述する押圧工程で押圧力が外側に分散しやすくなり、後述する横方向のスプリングバックが大きくなる。頂角αが、150°より鈍角になると、後述する押圧工程で押圧力による変形でインク誘導溝55を塞いでしまう可能性が高くなる。
略球面状空間部53の表面は、ボール3が内接する当接面53aとなっている。当接面53aの先端側の外周縁の径RB1は、ボール3の径RB2の80%以上95%以下であるが、これに限定されない。例えば、インクが水性の場合は、80%より小さくしてもよい。当接面53aには、インク誘導孔60から放射状に延びる複数本(本実施形態では4本)のインク誘導溝55が設けられている。
(バック孔)
チップ本体2の後端側より先端側に向かって段階的に径が小さくなるように設けられたバック孔40(49,48,47,46,45,44,43,42,41)のうちの、最も先端側の第1バック孔41は最も径が小さい。
そして、第1バック孔41は、後端側から、径が一定のバック孔円柱状空間部41aと、バック孔円柱状空間部41aの先端から、インク誘導孔60に向って径が小さくなるバック孔円錐台状空間部41bと、を備える。
バック孔円柱状空間部41aの長さYは、実施形態において0.001mm~0.200mmであり、他のバック孔42,43,44,45,46,47,48,49と比べて短い。
バック孔円錐台状空間部41bの壁部は、第1バック孔先端壁41baを構成する。また、バック孔円錐台状空間部41bの頂角βは、90°以上180°以下である。
(ボールペンチップ1の加工方法)
次に、ボールペンチップ1の加工方法の概略について説明する。図3から図6はボールペンチップ1の加工工程を説明する図である。
まず、例えばφ2.3mmで硬度が230Hv~280Hvのステンレス鋼線材が所望の長さに切断された、図3(a)に示すようなブランク材1aを用意する。
次いで、図3(b)に示すように、ブランク材1aの側面を切削して、中央部21の後端側にシャンク部23を形成するとともに、ブランク材1aの先端側の側面を切削してテーパ状の先端部22を形成する。
(貫通孔形成ステップ)
そして、図3(c)に示すように、シャンク部23の後端面より、切削工具として、徐々に径が小さくなる複数のドリルを順次用いて、軸線Lに沿って延び、且つ後端側から徐々に径が小さくなるように第9バック孔49,第8バック孔48,第7バック孔47,第6バック孔46,第5バック孔45,第4バック孔44,第3バック孔43,第1バック孔41の順に形成する。ただし、ここで、第2バック孔42は形成されない。なお、第1バック孔41の径R1はボール3の径RB2の80%以上とすることが好ましく、さらに好ましくは、90%以上とすることである。
また、貫通孔形成ステップにおいて、後に行われる当接面形成ステップで形成される当接面53aに当接するようにしてボール3が配置された場合に、ボール3の中心となる位置からボールペンチップ1の軸線Lに対してθの角度で延びる直線M上に、第1バック孔41のバック孔円柱状空間部41aの側壁と、第1バック孔先端壁41baとの交点Aがくるように、第1バック孔41を形成する。
次いで、先端部22の先端側より、同様に切削工具としてドリルを用いて、軸線Lに沿って延び、且つ先端側から径が小さくなるボール抱持室50とインク誘導孔60とを形成し、バック孔40とインク誘導孔60とを貫通させる。
ここで、ボール抱持室50をドリルで開ける際に、ドリルの先端が先細になっていることにより、軸方向の径が一定の抱持室円柱状空間部51と、抱持室円柱状空間部51の後部から後端側に向って径が小さくなる抱持室円錐台状空間部52とが形成される。
この時点で、まだ略球面状空間部53は形成されておらず、抱持室円錐台状空間部52の壁部のみでボール抱持室後端壁52aが構成されている。
(インク誘導溝形成ステップ)
そして、図3(d)に示すブローチ加工を行う。ブローチ加工は、棒状押圧部材101をインク誘導孔60に押し込むことによって、ボール抱持室後端壁52a(抱持室円錐台状空間部52の壁部)を上から押圧して第1バック孔先端壁41ba(バック孔円錐台状空間部41b)まで貫通するインク誘導溝55を開ける。
図4は、ブローチ加工を行った後のボールペンチップ1の先端部分の拡大断面図である。
棒状押圧部材101には、軸線Lと直交する方向の断面において中心から放射状に延び、且つ軸方向に筋状に延びる実施形態では4本の突条部101aが設けられている。軸線Lと直交する方向の断面における中心軸から突条部101aの先端までの半径方向長さの2倍であるRPは、インク誘導孔60の径RHより大きく、第1バック孔41の径R1より小さい。すなわちRH<RP<R1である。
ゆえに、棒状押圧部材101によって、ボール抱持室後端壁52aを上から押圧すると、インク誘導孔60の側面が棒状押圧部材101の突条部101aによって押圧されて、インク誘導孔60の外周に放射状に広がる実施形態では4本のインク誘導溝55が形成される。このとき、棒状押圧部材101によって押圧された肉部は、下方に押しやられて、インク誘導溝55の第1バック孔先端壁41ba側に、いわゆるバリ30が発生する。
(バリ除去ステップ)
そこで、実施形態では、ブローチ加工の後、再度、切削工具としてドリル110を用いてこのバリ取りを行う。図5はバリ除去ステップを説明する図である。用いるドリル110の径RDは、第1バック孔41の径R1より大きく、第3バック孔43の径R3より小さい。すなわちR1<RD<R3である。
また、第1バック孔41を形成する際に用いたドリルの先端の頂角βと、第2バック孔42を形成する際に用いるドリル110の頂角β2とは等しいことが好ましい。すなわち、バック孔円錐台状空間部41bの頂角βと、第2バック孔42を形成する際に用いるドリル110の先端の頂角β2とは、略同一である。
ドリル110を、ブランク材1aの後端側から、ドリル110の軸がブランク材1aの軸線Lと同軸となるように挿入して、第1バック孔先端壁41baから0.001mm~0.200mm(好ましくは0.001mm~0.100mm)後端側に挿入する。
ドリル110の径RDは、第1バック孔41の径R1より大きく、第3バック孔43の径R3より小さい。ドリル110は第1バック孔41(バック孔円柱状空間部41a)の側面を先端から0.001mm~0.200mm(好ましくは0.001mm~0.100mm)残して切削して、第3バック孔43より小径で第1バック孔41より大径の第2バック孔42が形成される。
このとき、ドリル110の先端は、バリ30が付着している第1バック孔先端壁41baに対して0.001mm~0.200mm(好ましくは0.001mm~0.100mm)後端側にあるので、第1バック孔先端壁41baとは当接せず、第1バック孔先端壁41baは削らない。しかし、第1バック孔先端壁41baに付着しているバリ30は第1バック孔先端壁41baよりも後側に、ドリル110先端との隙間より大きく突出しているので、ドリル110によって削ることができる。
ここで、第2バック孔42を形成するドリル110の径RDを、第1バック孔41の径R1よりも小さい径もしくは同じ径ではなく、第1バック孔41の径R1よりも大きい径とすることによって、ドリル110を挿入した際に、バック孔41の側面を切削することで、ドリル110が軸心方向に抑えられる。このため、ドリル110のびびり振動の発生を軽減できる。
さらに、第1バック孔の径R1と第2バック孔の径R2の径差による段差が形成されることで、第1バック孔41と第2バック孔42との軸方向の距離(つまり、バック孔円柱状空間部41aの長さY)を把握することが可能となるため、ドリル110の挿入深さの調整と確認等が容易に行える。第1バック孔の径R1と第2バック孔の径R2の径差は0.01mm以上が好ましく、さらに好ましくは0.02mm以上である。
なお、本実施例とは異なり、バック孔円錐台状空間部41bとバック孔円柱状空間部41aの交点に相当する位置にRが設けられている場合には、バック孔円柱状空間部41aの長さYは、その交点に相当する位置からの長さとする。
また、第2バック孔42と第1バック孔41のバック孔円柱状空間部41aとの間には、ドリル110によって形成された頂角β2と同じ傾きを持つ斜面42aが形成される。
このため、バック孔内面の付近を流れるインクは、第2バック孔42の内面に沿って軸線Lと平行に流れたのち、斜面42aに沿って軸線Lに対して傾いた方向に流れる。その後、再度、バック孔円柱状空間部41aの内面に沿って軸線Lと平行に流れ、さらに、バック孔円錐台状空間部41bの内面に沿って軸線Lに対して傾いた方向に流れる。
このように、インクの流れに変化を持たせることにより、インクの攪拌が可能となり、インクの滑らかな流れを促進することができる。
また、後述する当接面形成ステップにおけるボール3の押圧時にかかる力や筆記時にかかる力を、交点Aだけでなく、交点Aから近い位置に設けた斜面42aと第2バック孔42の側面との交点にも分散できるため、交点Aの箇所での亀裂や破壊の発生を抑えることができる。
そして、第1バック孔先端壁41baに付着しているバリ30を除去した後、ドリル110は第1バック孔先端壁41baとは当接せずにバック孔40の下端から取り出される。
(当接面形成ステップ)
図6は、バリ除去ステップ後の工程を説明する図である。図6(a)に示すようにボール3をボール抱持室50に挿入し、先端端よりハンマー103で殴打し、ボール3を後端側に押圧する。そうすると、ボール抱持室50の後端壁中央部にボール3の球面に沿って凹んだ当接面53a(図2に図示)を有する略球面状空間部53が形成される。このとき、当接面53aの外周縁直径はボール径の80%以上95%以下で形成する。
(かしめ部形成ステップ)
そして図6(b)に示すように、スピナー120を用いて、円柱状空間部51(図2に図示)の先端部を内側にかしめ、かしめ部54を形成する。以上の方法によりボールペンチップ1が製造される。
(実施形態の効果)
バリ取りを経ずにボールペンチップを製造した場合、チップ内でバリ30が脱落すると、筆記時にインクとともにバリ30がボール3側へ流動し、ボール3の回転を妨げて筆記不良を生じる可能性がある。また、バリ30が残っていると、インク誘導溝55が塞がれる場合がある。
しかし、実施形態の方法によりボールペンチップ1を製造すると、インク誘導溝55の第1バック孔先端壁41ba側のバリ30を除去することができるのでこのような事態が生じない。
バリ除去工程において、第1バック孔先端壁41baを切削すると、ドリルがビビリ振動することにより切削が偏り、第1バック孔先端壁41baが不均一になり、バック孔先端壁41baとボール抱持室後端壁52aの間のボール係止部分の厚みが不均一になる場合がある。
この状態で、上述の図6(a)に示すようにボール3をボール抱持室50に挿入して先端よりハンマー103で殴打して、ボール3を後端側に押圧する際、形成される当接面53aが歪むことがある。当接面53aが歪むと、ボール3の滑らかな回転が妨げられ、品質に不具合を生じる。特に、バック孔先端壁41baとボール抱持室後端壁52aとの間隔が狭い場合は顕著に不具合が生じる。
しかし、実施形態において、ドリル110は第1バック孔先端壁41baとは当接しないので、第1バック孔先端壁41ba自体は削らない。したがって、新たな切粉やバリが発生せず、また、当接面53aにゆがみが生じず、ボール3の滑らかな回転が妨げられて品質に不具合を生じることがない。
次に、筆記時のボール3の移動状態について説明する。筆記時にボールペンを移動させると、ボール3が回転する。インク誘導孔60からインク誘導溝55まで誘導されてきたインクは、ボール抱持室50内のボール3まで到達する。インクの一部はボール3の回転に伴って紙面に転写され、文字等を表す線が描かれる。インクの残りは、ボール抱持室50に戻される。このとき、インクの残りのうちの一部は、ボール3とともにボール抱持室50に戻らずに、かしめ部54の先端部にいわゆる、泣きとして残る場合もある。
なお、油性インクの場合は、水性インクよりも泣きが生じやすい。また、当接面53aが小さいと泣きがより生じやすくなる。また、当接面53aが大きいと、かすれが生じやすくなる。
このとき、実施形態では、当接面53aの外周縁直径RB1はボール径RB2の80%以上95%以下であるので、泣きやかすれが生じにくい。
(RB2とR1の関係の好適な範囲)
また、図7に、ボールペンチップ1の軸線Lを通り、且つ軸線Lに沿ったボールペンチップ1の断面において、第1バック孔先端壁41ba(バック孔円錐台状空間部41bの側面)と側壁41aa(バック孔円柱状空間部41aの内面)との交点Aの位置を、格子状の点で示す。交点Aにおける第1バック孔41(バック孔円柱状空間部41a)の径R1は、ボール3の径RB2の80%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。この交点Aの位置は、チップ本体2の外周面2aとバック孔40の内壁との距離aが最も短い関係にある位置であることが好ましい。
(角度θと距離xの好適な範囲)
次に、角度θと距離xを好適な範囲とすることにより、書き味のよい効果を得られることについて説明する。
ボールペンチップ1は、
(1)ボール3を当接面53aに当接させた状態における中心Oと交点Aとを結ぶ直線を直線Mとする。そして、交点Aが、図中に示す複数の交点Aのうち、直線Mと軸線Lとのなす角度θが、図中矢印で示す35°≦θ≦55°(35°以上55°以下、45°±10°の範囲)にあることが好ましく、より好ましくは40°≦θ≦50°(40°以上50°以下、45±5°の範囲)、さらに好ましくは42°≦θ≦48°(42°以上48°以下、45°±3°の範囲)である。
(2)さらに、ボールペンチップ1は、ボール抱持室後端壁52a(抱持室円錐台状空間部52)の上端縁と交点Aとの間の、チップ本体の軸線Lに沿った方向の距離xが、ボール3の径の90%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。
図8は、図7に示したそれぞれの交点Aを有するボールペンチップの比較結果を示した表である。
ボール3の径RB2をφ0.38mmとし、第1バック孔41の径R1をφ0.35mm、0.45mm、0.55mm、0.65mm、0.75mmと変えて、それぞれにおいて距離xを0.1から0.45の間で0.05mm単位で変化させた27種のボールペンチップ(ボールペンチップ番号1から27)を作製した。なお、図7は、交点Aにおける第1バック孔41の径R1がφ0.55mmで距離xが0.20mmであるボールペンチップ1を示す。
そして、作製したボールペンチップに油性インク(トンボ鉛筆社製BR-CAE搭載の黒色インク)を詰めて、筆記角度75°、筆記速度5mm/s、筆記荷重100gの条件で自動摩擦摩耗解析装置TSf-502(協和界面科学製)を用いて摩擦係数の測定を行った。なお、筆記対象である紙は、王子製紙製マシュマロ(登録商標)CoCを用いた。
ボールペンチップ番号1から8は、第1バック孔41の径R1がφ0.35mmである。
ボールペンチップ番号9から15は、第1バック孔41の径R1がφ0.45mmである。
ボールペンチップ番号16から22は、第1バック孔41の径R1がφ0.55mmである。
ボールペンチップ番号23から26は、第1バック孔41の径R1がφ0.65mmである。
ボールペンチップ番号27は、第1バック孔41の径R1がφ0.75mmである。
ボールペンチップ番号8,15,22,26,27は距離xが0.45mmである。
ボールペンチップ番号7,14,21,25は距離xが0.40mmである。
ボールペンチップ番号6,13,20,24は距離xが0.35mmである。
ボールペンチップ番号5,12,19,23は距離xが0.30mmである。
ボールペンチップ番号4,11,18は距離xが0.25mmである。
ボールペンチップ番号3,10,17は距離xが0.20mmである。
ボールペンチップ番号2,9,16は距離xが0.15mmである。
ボールペンチップ番号1は距離xが0.10mmである。
好ましいボールペンチップ1は、
(1)ボール3を当接面53aに当接させた状態において中心Oと交点Aとを結ぶ直線Mと、軸線Lとのなす角度θ(図7に示す)が、35°≦θ≦55°(35°以上55°以下、45°±10°の範囲)(図8(1)の斜線領域)、
(2)x/ボール径が90%以下(図8(2)の斜線領域)
の両方を満たす、図8において黒太線で囲んだ第1グループのボールペンチップ1である。
すなわち、第1グループのボールペンチップ1は、ボールペンチップ番号1,2,9,10,16,17,18,19,及び23であり、図8において斜線で示したボールペンチップ番号のボールペンチップ1である。
その中でも、より好ましいボールペンチップ1は、40°≦θ≦50°(40°以上50°以下、45±5°の範囲)にあるボールペンチップ番号1,9,17,18,23である。
その中でも、さらに好ましいボールペンチップ1は、42°≦θ≦48°(42°以上48°以下、45°±3°の範囲)にあるボールペンチップ番号1,9,17である。
第2グループのボールペンチップ番号3,4,5,6,7,8,11,12,13,14,15,20,21,22,24,25,26,27は、角度θが、θ<35°,55°<θ(35°より小さいか55°より大きい、45±10°の範囲外)のボールペンチップ1である。
それぞれのボールペンチップについて、摩擦係数の測定を5回行い、摩擦係数の平均値を求めた結果を図8に示す。
第2グループのボールペンチップ番号3,4,5,6,7,8,11,12,13,14,15,20,21,22,24,25,26,27)のボールペンチップは、摩擦係数0.26以上0.28未満であり、摩擦係数を低下する効果がみられなかった。
第1グループのボールペンチップ番号1,2,9,10,16,17,18,19,23のボールペンチップ1は、摩擦係数が0.20以上0.26未満であり、第2グループのボールペンチップ1と比べて、摩擦係数が小さかった。
ボールペンチップ番号1,2,9,16,17のボールペンチップ1は、摩擦係数0.20以上0.24未満で、第1グループの中でも好ましいボールペンチップ1であった。
ボールペンチップ番号1,9,17のボールペンチップ1は、摩擦係数0.20以上0.22未満で、その中でも、より好ましいボールペンチップ1であった。
図7,8においては、摩擦係数が0.24以上0.26未満を示した交点Aの位置に三角(△)、摩擦係数0.22以上0.24未満を示した交点Aの位置に丸(○)、摩擦係数0.20以上0.22未満を示した交点Aの位置に二重丸(◎)、摩擦係数が0.26以上0.28未満を示した交点Aの位置にバツ(×)を付けた。
図示するように、θが35°≦θ≦55°である第1グループのボールペンチップ1はボールペンチップ1の摩擦係数が、0.26以下で、第2グループに比べて低い値を示した。そして、θが45°に近くなるほど、摩擦係数が小さくなる傾向が見られた。
また、x/ボール径が小さくなるほど摩擦係数が小さくなる傾向が見られ、x/ボール径が90%以上の場合の第2グループでは、いずれも摩擦係数が0.26以上0.28未満を示した。
以上の結果より、
(1)ボール3を当接面53aに当接させた状態において中心Oと交点Aとを結ぶ直線Mと軸線Lとのなす角度θが、35°≦θ≦55°であり、且つ(2)x/ボール径が90%以下である第1グループでは、第2グループと比べて摩擦係数が低減し、最大で約20%低減することができた。
次に、ボール3の径がφ0.70mmと上述のφ0.38mmよりも大きな場合について摩擦係数の測定を行った。
第1バック孔41の内径をφ0.85mmとし、それぞれにおいて距離xを0.28mmと0.75mmとした2種類のボールペンチップを作製した。
距離xが0.28mmのボールペンチップ1は、上述の第1グループと同じ範囲のボールペンチップ1であり、θが45°で且つx/ボール径が90%以下である。
距離xが0.70mmのボールペンチップ1は、上述の第2グループと同じ範囲のボールペンチップ1であり、θが25°であり、x/ボール径が90%より大きい。
ボール3の径φ0.38mmの場合と同様に、作製したボールペンチップに油性インク(トンボ鉛筆社製BR-CAE搭載の黒色インク)を詰めて、筆記角度75°、筆記速度5mm/s、筆記荷重100gの条件で自動摩擦摩耗解析装置TSf-502(協和界面科学製)用いて摩擦係数の測定を行った。筆記対象である紙は、王子製紙製マシュマロ(登録商標)CoCを用いた。
それぞれのボールペンチップ1について、摩擦係数の測定を5回行い、摩擦係数の平均値を求めた。図9にそれぞれの摩擦係数を示す。
図示するように、第1グループと同じ範囲のボールペンチップ1の摩擦係数は0.132であり、第2グループと同じ範囲のボールペンチップ1の摩擦係数は0.184である。
ボール径φ0.70mmの場合、ボール径φ0.38mmと比べて摩擦係数は小さくなっているが、θを45°とした場合、ボール径φ0.70mmにおいても摩擦係数を大幅に低減することができた。
このように、ボール3を当接面53aに当接させた状態において中心Oと交点Aとを結ぶ直線Mと軸線Lとのなす角度θを、35°≦θ≦55°とすることにより、摩擦係数が低減された理由は、以下のように考える。
ボール3の当接面53aは、ボール3をボール抱持室50のボール抱持室後端壁52aに押圧することで、ボール抱持室後端壁52aを球面状に塑性変形させて加工している。押圧加工は塑性変形と同時に弾性変形を生じるため、力を除いた際に弾性変形域が元の位置に戻るスプリングバックを生じる。押圧加工によるスプリングバックの発生は不可避である。
ボールペンチップ1の軸線とボール3の中心と交点Aを結ぶ直線のなす角が45°に近くなると、ボール3をボール抱持室後端壁52aに押圧した際に生じるスプリングバックの縦方向と横方向の大きさが略等しくなる。これは、交点Aの部分が脆弱なために、弾性変形を生じやすく、交点Aがスプリングバックの起点として働くためと考えらえる。
一方、交点Aの位置が45°よりも小さくなるに従い、ボール3によりボール抱持室50のボール抱持室後端壁52aを押圧して当接面53aを形成する際に、ボール抱持室後端壁52a横方向に発生する弾性変形が大きくなる。その結果、形成された当接面53aは、押圧力が解除されると、スプリングバックによってボール3と当接面53aの外周縁近傍で接触する。したがって、筆記時の摩擦係数が大きくなり、書き味が悪化する。
また、交点Aの位置が45°よりも大きくなるに従い、ボール3によりボール抱持室50のボール抱持室後端壁52aを押圧して当接面53aを形成する際に、ボール抱持室後端壁52aの縦方向に発生する弾性変形が大きくなる。その結果、形成された当接面53aは、押圧力が解除されると、スプリングバックによってボール3と当接面53aの内周縁近傍で接触する。この場合、当接面53aの外周縁近傍とボール3とが接する場合よりは影響は小さいが、やはり摩擦係数が大きくなり、書き味が悪化する。
交点Aの位置が45°近傍の場合、スプリングバックの縦方向と横方向のバランスが調和し、これにより、当接面53aがボール3と略同一の表面形状に形成され、スプリングバックの影響が小さくなると考えられる。
また、x/ボール径が90%以下において摩擦係数が最大で約20%低減することができたのは、ボール抱持室50と第1バック孔41との間の距離xがボール径の90%より大きくなると、交点Aに応力が集中しにくくなり、スプリングバックの起点として働きにくくなるためと考えられる。
以上のように、ボールペンチップ1の軸線L、ボール3の中心O、第1バック孔41の先端壁41ba(バック孔円錐台状空間部41bの側面)と側壁41aa(バック孔円柱状空間部41aの内面)との交点Aとしたときに、ボール3を当接面53aに当接させた状態において中心Oと交点Aとを結ぶ直線Mと軸線Lとのなす角度θを、図中矢印で示す35°≦θ≦55°(35°以上55°以下、45°±10°の範囲)とすることが好ましい。より好ましくは40°≦θ≦50°(40°以上50°以下、45±5°の範囲)、さらに好ましくは42°≦θ≦48°(42°以上48°以下、45°±3°の範囲)である。
これにより、スプリングバックが発生する方向を制御し、当接面53aを球面状に加工でき、当接面53aとボール3とを面接触させることが可能になり、最大で約20%の摩擦係数を低下させることができる。
このような好ましい範囲とすると、ボール3の当接面53aを、バック孔40を深くして、交点Aの位置を調整するといった簡単な手法で、略球面状に加工でき、書き味のよいボールペンチップ1を提供できる。
なお、特にボール3が、例えばφ0.50mm未満の小さいボールペンチップ1においては、複雑な加工を取ることが困難となるので、特に効果的である。
また、従来、バック孔を深くして、交点Aをより肉薄にすると、ボール3を押圧して当接面53aを形成する際に、交点Aの部分で亀裂や折れが発生するのではないかという懸念があったが、実施形態によると、交点Aだけでなく、斜面42aと第2バック孔42の側面との交点にも力を分散できるため、摩擦係数を低下する効果を妨げることなく、このような亀裂や破壊を防ぐ効果がある。
なお、本実施形態では、ボールペンチップ1が、先端に向かって径が徐々に小さくなる、いわゆる砲弾型であるが、これに限定されない。すなわち、ボールペンチップは、いわゆるニードル形状のものであってもよい。
α 抱持室円錐台状空間部の頂角
β バック孔円錐台状空間部の頂角
θ 直線Mと軸線Lとのなす角度
A 交点
L ボールペンチップの軸線
M 中心Oと交点Aとを結ぶ直線
O ボールの中心
1 ボールペンチップ
1a ブランク材
2 チップ本体
3 ボール
21 中央部
22 先端部
23 シャンク部
30 バリ
40 バック孔
41 第1バック孔
41a バック孔円柱状空間部
41aa 側壁
41b バック孔円錐台状空間部
41ba バック孔先端壁
42 第2バック孔
43 第3バック孔
50 ボール抱持室
51 抱持室円柱状空間部
52 抱持室円錐台状空間部
52a ボール抱持室後端壁
53 略球面状空間部
53a 当接面
54 かしめ部
55 インク誘導溝
60 インク誘導孔
101 棒状押圧部材
101a 突条部
110 ドリル
RB1 当接面の外周縁直径
Y バック孔円柱状空間部の長さ

Claims (8)

  1. 軸線方向に延びるブランク材の後端側から、前記軸線方向に延び且つ前記後端側から順次径が縮小する複数のバック孔を形成するとともに、先端側から、ボール抱持室と、該ボール抱持室及び前記複数のバック孔のうちの最先端に位置する第1バック孔よりも径が小さいインク誘導孔と、を形成する貫通孔形成ステップと、
    径方向に突出した突条部が設けられた押圧部材を、前記ブランク材の前記先端側から前記インク誘導孔に押し込んで前記インク誘導孔の側面に前記ボール抱持室から前記第1バック孔へと貫通するインク誘導溝を形成するインク誘導溝形成ステップと、
    前記ブランク材の前記後端側から、前記第1バック孔よりも大径の切削工具を、第1バック孔先端壁から前記後端側に0.001mm~0.200mmの位置まで挿入し、前記切削工具により前記インク誘導溝の前記第1バック孔先端壁側に形成されたバリを除去した後、前記切削工具を前記第1バック孔先端壁と当接させずに、前記切削工具を前記バック孔から取り出すバリ除去ステップと、
    を含む、ボールペンチップの製造方法。
  2. 前記第1バック孔先端壁は円錐台状であり、該第1バック孔先端壁の頂角と、前記切削工具の先端の頂角とは、略同一である、
    請求項1に記載のボールペンチップの製造方法。
  3. 前記貫通孔形成ステップにおいて、
    前記第1バック孔を、該第1バック孔の径が、前記ボール抱持室で抱持するボールの径の80%以上で形成する、
    請求項1または2に記載のボールペンチップの製造方法。
  4. 前記バリ除去ステップの後に、
    前記ボール抱持室後端壁に、ボールが内接する略球面状の当接面を、前記当接面の外周縁直径が前記ボールの径の80%以上95%以下で形成する当接面形成ステップを含む、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のボールペンチップの製造方法。
  5. 前記貫通孔形成ステップにおいて、
    後に行われる前記当接面形成ステップで形成される前記当接面に当接するようにして前記ボールが配置された場合に、前記ボールの中心となる位置から前記ボールペンチップの軸線に対してθの角度で延びる直線上に、第1バック孔側壁と前記第1バック孔先端壁との交点がくるように、前記第1バック孔を形成する、
    請求項4に記載のボールペンチップの製造方法。
  6. 前記貫通孔形成ステップにおける前記θは、35°以上、55°以下である、
    請求項5に記載のボールペンチップの製造方法。
  7. 後端側から軸線方向に延び且つ前記後端側から順次径が縮小する複数のバック孔と、
    先端側に形成されるボール抱持室と、
    前記ボール抱持室及び前記複数のバック孔のうちの最先端に位置する第1バック孔を連結し該第1バック孔よりも径が小さいインク誘導孔と、
    前記インク誘導孔の側面に形成され前記ボール抱持室から前記第1バック孔に延びるインク誘導溝と、を備え、
    前記第1バック孔は、後端側から、径が一定のバック孔円柱状空間部と、前記バック孔円柱状空間部の先端から、前記インク誘導孔に向って径が小さくなるバック孔円錐台状空間部と、を有し、
    前記バック孔円柱状空間部の長さYが、0.001mm≦Y≦0.200mmであり、
    前記第1バック孔の後端側に第2バック孔が設けられ、前記第1バック孔と前記第2バック孔との間には斜面が形成され、前記斜面を側面に含む円錐の頂角β2と、前記バック孔円錐台状空間部の頂角βとが略同一である、
    ボールペンチップ。
  8. 前記バック孔円柱状空間部の長さYが、0.001mm≦Y≦0.100mmである、
    請求項7に記載のボールペンチップ。
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