JP2003320782A - ボールペンチップ - Google Patents

ボールペンチップ

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JP2003320782A
JP2003320782A JP2002343171A JP2002343171A JP2003320782A JP 2003320782 A JP2003320782 A JP 2003320782A JP 2002343171 A JP2002343171 A JP 2002343171A JP 2002343171 A JP2002343171 A JP 2002343171A JP 2003320782 A JP2003320782 A JP 2003320782A
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ink
diameter
hole
house
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JP2002343171A
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Hiroyuki Muto
広行 武藤
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円柱材の切削により形成され、かつ小径のボ
ールが使用されるボールペンチップにおいて、インク流
通孔を形成するための切削量を適切にすることによっ
て、ボール沈みをできるだけ小さくしつつ十分なインク
供給を確保する。 【解決手段】 円柱材の一端の外周を先細に切削して形
成したテーパー部25と、前記テーパー部25の内周を切削
して形成したボールハウス23と、当該円柱材の他端か
ら、前記ボールハウス23の近傍まで穿孔して形成したイ
ンク誘導孔27と、前記ボールハウス23と前記インク誘導
孔27との間を貫通して形成したインク流通孔28と、前記
ボールハウス23内に挿入される直径0.3mm未満のボ
ール30とを備え、前記一端の辺縁を内側にカシメ加工す
ることによりカシメ部21を形成し、前記ボール30の直径
をD及び前記インク流通孔28の直径をFとしたときに、
0.4≦F/D≦0.6なる関係を満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円柱材を切削して
形成されるボールペンチップの形状に関する。すなわ
ち、本発明は、ボール径0.3mm未満の小径ボールを使用
したボールペンチップ、特に、ボール径0.29mm以下のボ
ールを有するボールペンチップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、円柱材を切削してホルダーに加工
したボールペンチップは種々のものが提供されている。
このようなボールペンチップとして、この円柱材の先端
近傍の外周を先細に切削してテーパー部を形成するとと
もに、その内周を切削してボールハウスを形成したもの
がある。一方、この円柱材の後端からこのボールハウス
の近傍までを穿孔してインク誘導孔とし、当該ボールハ
ウスの底面とこのインク誘導孔とを貫通させることでイ
ンク流通孔を設ける。そして、このボールハウスの底面
を後端へ向けてたとえば放射状にブローチ加工すること
でインク誘導溝を形成し、残った底面を受座とする。そ
して、ボールハウスにボールを挿入して、前記テーパー
部の先端を内方に押圧変形させカシメ部を形成する。す
なわち、この受座とカシメ部とによって、ボールが、脱
落することなく回転自在に抱持されることとなってい
る。
【0003】そして、ボール径が0.3mm未満の小径ボー
ルを使用したボールペンチップ、特に、ボール径が0.29
mm以下の場合には、ボールの小径化に伴い、インク流通
孔に連結するインク誘導孔もそのまま小径化すると、イ
ンクの供給が追いつかなくなり、カスレや描線切れなど
が発生することがある。特に、対直流性能を考慮した粘
度の擬塑性水性インクや、低粘度油性インクを使用した
ボールペンはその傾向が顕著である。
【0004】なお、小径ボールを使用したボールペンチ
ップの製造方法に関する先行技術としては、下記の特許
文献1が挙げられる。
【0005】
【特許文献1】特開昭53−82532号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記問題を解
決するために、インク誘導孔を大径にすると、ホルダー
のテーパー部と干渉してしまう。これを避けるために、
インク誘導孔のインク流通孔との連結部分を短くする方
法もあるが、逆にインク流通孔が長くなってしまうた
め、インクの供給に支障が生じる。
【0007】さらに、前記問題を解決するために、イン
ク誘導孔とインク流通孔との連結部にテーパー状の縮径
部を設ける方法があるが、一般的なボールペンチップの
外形テーパー角度は30度前後であり、前記連結部のテー
パー角度が大きいと、ホルダーテーパー部の肉厚が薄く
なり、インク誘導溝などをブローチ加工で形成する際
に、薄肉部の座屈による加工不良が発生する。一方、前
記連結部のテーパー角度を小さくすると、必然的にイン
ク誘導孔とインク流通孔との距離が長くなるのでインク
の供給に支障が生じやすくなり、高速筆記性が悪くな
る。
【0008】そこで、本発明は、上記問題を解決するた
めになされたものであり、ボール径0.3mm未満の小径ボ
ール、特に0.29mm以下のボールを有するボールペンチッ
プであっても、高速筆記性に優れ、加工もしやすいボー
ルペンチップを提供することを第1の課題とする。ま
た、ボールペンチップにとって避けるべき特性として、
いわゆる「ボール沈み」がある。ここでボール沈みと
は、回転するボールと受座との間に生じる摩擦によっ
て、受座が徐々に摩耗し、カシメ部先端からのボール出
寸法が少なくなる現象をいう。このボール沈みが大きく
なると、ボールによってインク誘導溝を塞ぎ、インクの
流出が妨げられ、筆記不能となる。また、ボール出寸法
が少なくなると筆記時にカシメ部がボールより先に紙面
に当たりやすくなるため、筆記の滑らかさを損なうこと
がある。
【0009】とりわけ、ボール径0.3mm未満の小径ボー
ル、特にボール径が0.29mm以下のボールが使用されるボ
ールペンチップでは、より大径のボールが使用されるボ
ールペンチップと比べ、ボールとホルダーとの摩擦速度
は変わらないものの、ボールの接触面積が小さいため、
接触部分の摩耗が激しく、その結果、ボール沈みが発生
しやすく、その対策が重要な課題となっていた。
【0010】ところが、受座におけるボールとの接触面
積を単純に大きくしようとすると、内方突起の押圧変形
による変形量が大きくならざるを得ない。そこで、ボー
ルとホルダーとの接触面積を広くしようとすると、いき
おいインク流通孔やインク誘導溝を狭くせざるを得ず、
高速筆記時のインク供給が不足するという問題点が生ず
る。
【0011】よって、本発明は、小径のボールが使用さ
れるボールペンチップにおいて、インク流通孔を形成す
るための切削量を適切にすることによって、ボール沈み
をできるだけ小さくしつつ十分なインク供給を確保する
ことを第2の課題とする。また、ボールペンチップに
は、筆記時におけるホルダー先端部と紙面との引っかか
りをできるだけ抑制することが必要とされる。さらに、
ホルダー先端部からのボール飛びを防止するため、カシ
メ部による保持を確実にすることも要求される。
【0012】ボール径0.3mm未満(特に径0.29mm未満)
の小径のボールを使用したボールペンチップでは、大径
ボールを使用したものに比べ、ホルダーからのボールの
出寸法が小さい。よって、筆記時にホルダー先端部が紙
面と接触しやすいため、書き味が悪くなりやすいととも
に、ホルダー先端部の摩耗によるボール飛びが問題とな
っていた。
【0013】加えて、ボール径0.3mm未満(特に径0.29m
m未満)の小径のボールを使用したボールペンチップで
は、大径ボールを使用したものに比べ、カシメによりボ
ールを保持する寸法が小さいため、カシメによるボール
保持力が小さくならざるをえない。よって、上記の摩耗
の問題も相まってボール飛びが起こりやすくなってい
る。
【0014】よって、本発明は、小径のボールが使用さ
れるボールペンチップにおいて、カシメ部の形成に要す
る変形量を適切にすることによって、ボール飛びを効果
的に防止しようとすることを第3の課題とする。さら
に、本発明は、小径のボールが使用されるボールペンチ
ップにおいて、インク流通孔を形成するための切削量を
適切にするとともに、カシメ部の形成に要する変形量を
適切にすることで、ボール沈みをできるだけ小さくしつ
つ十分なインク供給を確保し、かつボール飛びが起こり
にくいボールペンチップを提供することを第4の課題と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、以下のように構成されている。なお、符
号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本
発明の技術的範囲を限定するものではない。 (第1の発明)前記の第1の課題に鑑み、本発明のうち
の第1の発明は、ボール30と、ボール30を保持するため
のホルダー20とを備え、前記ホルダー20は、一端に、前
記ボール30を収納し回転自在に抱持するボールハウス23
を有するとともに、前記ボールハウス23から反ボール側
の他端に貫通し、前記ボール30にインクを供給するため
のインク孔40を有し、前記インク孔40は、前記ボールハ
ウス23から反ボール側に向かって設けられ、ボールハウ
ス23にインクを流通させるためのインク流通孔28と、前
記インク流通孔28の反ボール側に設けられ、前記インク
流通孔28にインクを導入するためのインク誘導孔27を少
なくとも有し、前記ホルダー20のボール側外周には、ボ
ール側に向かって縮径するテーパー部25を形成したボー
ルペンチップにおいて、前記ボール30の外径は0.3mm未
満であり、前記インク誘導孔27の前記インク流通孔28と
の連結部は、ボール側に向かってテーパー状に縮径する
縮径孔42と成し、前記縮径孔42の最大径Pは0.4mm以上
であり、かつ、前記縮径孔42のテーパー角度Qは、30度
以上90度以下であることを特徴とする。
【0016】前記ボール30は、筆記面にインクを塗布す
るためのものであり、超硬合金、焼入れ鋼、セラミック
等を用いて形成することができる。本発明においては、
その外径は0.3mm未満、望ましくは0.29mm以下に形成さ
れている。前記ホルダー20は、前記ボール30を保持する
ためのものである。すなわち、ホルダー20の一方側の端
部に設けられた円筒溝状のボールハウス23内に、ボール
30をその一部分がホルダー20から外部に突出するように
収納し、回転自在に抱持させるものである。
【0017】前記ホルダー20は、そのボール側外周に、
ボール側に向かって縮径するテーパー部25を形成してあ
る。さらに、前記ホルダー20は、前記ボールハウス23か
ら、反ボール側に向かって他方側の端部まで貫通するイ
ンク孔40を有している。インク孔40は、インクをボール
30に供給するためのものであるが、ボール30の外径に応
じて前記ボールハウス23もかなり小径となることから、
ボールハウス23内にインクがスムーズに流通するよう
に、インク孔40の反ボール側よりも小径に形成されるイ
ンク誘導孔27及びインク流通孔28を有している。
【0018】前記インク流通孔28は、前記ボールハウス
23から反ボール側に向かって設けられた、ボールハウス
23内にインクを供給するための孔であり、ボール30より
も小径に形成されている。前記インク誘導孔27は、前記
インク流通孔28の反ボール側に設けられた、インク流通
孔42にインクを導入するための孔であり、インク流通孔
42よりも大径であるが、インク孔40の反ボール側端部よ
りも小径に形成されている。
【0019】そして、前記インク誘導孔27のインク流通
孔28との連結部分は、ボール側に向かってテーパー状に
縮径する縮径孔42となっている。すなわち、内径の異な
る二つの孔を連結させるために、インク誘導孔27のボー
ル側をテーパー状に縮径させたものであり、縮径孔42の
最小径はインク流通孔28の内径Fと、縮径孔42の最大径
Pはインク誘導孔27の最小径と、それぞれ等しくなって
いる。
【0020】なお、前記インク流通孔28の周囲には、イ
ンク流通孔28の中心から放射状にインク誘導溝22を複数
本形成することができる。インク誘導溝22は、インク流
通孔28からボールハウス23にインクを十分流通させるた
めのスリットであり、ボールハウス23からインク誘導孔
27に貫通させてもよいし、ボールハウス23からインク流
通孔28の長さの途中まで設けられていてもよい。
【0021】本発明においては、前記縮径孔42の最大径
Pは、0.4mm以上に形成されている。このように形成す
ることにより、インク誘導孔27からインク流通孔28への
インクの導入をスムーズに行うことができ、その結果、
インクの供給不良によるカスレ、線切れが起こりにくく
なるものである。さらに、本発明においては、前記縮径
孔42の縮径孔テーパー角Qは、30度以上90度以下に形成
されている。このように形成することにより、ボールハ
ウス23へのインクの流通を妨げることなく、ブローチ加
工でインク誘導溝22などを形成する際に薄肉部が座屈す
る加工不良を起こしにくくすることができる。
【0022】なお、前記ホルダー20のテーパー部25のテ
ーパー角度Rは、35度以上であることが望ましい。この
ように形成することにより、前記縮径孔42の最大径P、
すなわちインク誘導孔27の最小径を大きく確保しなが
ら、薄肉部分をできるだけ厚く形成することができ、よ
り安定したインクの供給を行うことができるとと共に、
加工不良を起こしにくくすることができる。
【0023】(第2の発明)前記の第2の課題に鑑み、
本発明のうち第2の発明は、円柱材の一端の外周を先細
に切削して形成したテーパー部25と、前記テーパー部25
の内周を切削して形成したボールハウス23と、当該円柱
材の他端から、前記ボールハウス23の近傍まで穿孔して
形成したインク誘導孔27と、前記ボールハウス23と前記
インク誘導孔27との間を貫通して形成したインク流通孔
28と、前記ボールハウス23内に挿入される直径0.3m
m未満、望ましくは0.29mm以下のボール30とを備
えるとともに、前記一端の辺縁を内側にカシメ加工する
ことによりカシメ部を形成したボールペンチップ10であ
って、前記ボール30の直径をD及び前記インク流通孔28
の直径をFとしたときに、 0.4≦F/D≦0.6 なる関係を満たすことを特徴とする。
【0024】第2の発明における円柱材の材質は、ステ
ンレス鋼、とりわけフェライト系ステンレス鋼が望まし
い。また、ボール30の材質は、たとえば、超硬合金、焼
き入れ鋼、ステンレス鋼、セラミック等が望ましい。テ
ーパー部25の形成は、たとえば、テーパー状のバイトを
用いて行うことができる。
【0025】ボールハウス23の形成は、たとえば、ドリ
ル型の工具を用いて行うことができる。インク誘導孔27
の形成は、たとえば、リーマー型の工具を用いて行うこ
とができる。インク流通孔28の形成は、たとえば、ツイ
ストドリルを用いて行うことができる。ここで、インク
流通孔28の直径は、前記関係からボールハウス23の内径
より小径であることはいうまでもないが、インク誘導孔
27の直径より小径であることもまた要求される。なお、
インク流通孔28の周囲の望ましくは3箇所以上に、イン
クの流れを確保すべくインク誘導溝22を形成することが
望ましい。
【0026】カシメ加工は、たとえば、テーパー状のロ
ーラーを用いて行うことができる。上記により、直径0.
3mm未満、望ましくは0.29mm以下のボール30を収容する
円柱材製のボールペンチップ10において、インク流通孔
28を形成するための切削量を適切にすることで、加工の
影響によるボールハウス23の変形や割れを防止しつつ、
ボール沈みが起こりにくくなっている。
【0027】(第3の発明)前記の第3の課題に鑑み、
本発明のうち第3の発明は、円柱材の一端の外周を先細
に切削して形成したテーパー部25と、前記テーパー部25
の内周を切削して形成したボールハウス23と、当該円柱
材の他端から、前記ボールハウス23の近傍まで穿孔して
形成したインク誘導孔27と、前記ボールハウス23と前記
インク誘導孔27との間を貫通して形成したインク流通孔
28と、前記ボールハウス23内に挿入される直径0.3m
m未満、望ましくは0.29mm以下のボール30とを備
えるとともに、前記一端の辺縁を内側にカシメ加工する
ことによりカシメ部を形成したボールペンチップ10であ
って、前記ボール30の直径をD、このボール30の前記カ
シメ部の先端からの出寸法をG及びこのカシメ部の内径
をHとしたときに、 G/D≧0.25 かつ 0.005mm≦D−H≦0.010mm なる関係を満たすことを特徴とする。
【0028】第3の発明における円柱材及びボール30の
材質、並びにテーパー部25、ボールハウス23、インク誘
導孔27及びインク流通孔28の形成並びにカシメ加工につ
いては、前記第2の発明と同様である。上記により、直
径0.3mm未満、望ましくは0.29mm以下のボール30を収容
する円柱材製のボールペンチップ10において、カシメ部
21の形成に要する変形量を適切にすることで、筆記時の
引っかかりやボール飛びが効果的に防止されることとな
っている。
【0029】(第4の発明)前記の第4の課題に鑑み、
本発明のうち第4の発明は、円柱材の一端の外周を先細
に切削して形成したテーパー部25と、前記テーパー部25
の内周を切削して形成したボールハウス23と、当該円柱
材の他端から、前記ボールハウス23の近傍まで穿孔して
形成したインク誘導孔27と、前記ボールハウス23と前記
インク誘導孔27との間を貫通して形成したインク流通孔
28と、前記ボールハウス23内に挿入される直径0.3m
m未満、望ましくは0.29mm以下のボール30とを備
えるとともに、前記一端の辺縁を内側にカシメ加工する
ことによりカシメ部を形成したボールペンチップ10であ
って、前記ボール30の直径をD、前記インク流通孔28の
直径をF、前記ボール30の前記カシメ部の先端からの出
寸法をG及びこのカシメ部の内径をHとしたときに、 0.4≦F/D≦0.6、 G/D≧0.25 かつ 0.005mm≦D−H≦0.010mm なる関係を満たすことを特徴とする。
【0030】第4の発明における円柱材及びボール30の
材質、並びにテーパー部25、ボールハウス23、インク誘
導孔27及びインク流通孔28の形成並びにカシメ加工につ
いては、前記第2の発明と同様である。上記により、直
径0.3mm未満、望ましくは0.29mm以下のボール30を収容
する円柱材製のボールペンチップ10において、インク流
通孔28及びカシメ部21の形成に要する変形量を適切にす
ることで、加工の影響によるボールハウス23の変形や割
れを防止しつつ、ボール沈みが起こりにくくなっている
とともに、筆記時の引っかかりやボール飛びが効果的に
防止されることとなっている。
【0031】なお、上記の各発明の技術的特徴は、必要
に応じて、任意に組み合わせることが可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るボールペンチ
ップ及びその製造方法の1の実施の形態を、図示例と共
に説明する。 (1)図面の説明 図1は、本実施の形態に係るボールペンチップの先端部
分の正面図である。図2及び図3は、本実施の形態に係
るボールペンチップ10の正面図である。図4は、このボ
ールペンチップ10の先端部分の平面断面図である。図5
から図11までは、このボールペンチップ10の製造工程
を示す正面図である。
【0033】(2)ボールペンチップ10 ボールペンチップ10は、図1から図3までに示すよう
に、ボール30と、ボール30を保持するためのホルダー20
とを備えている。また、前記ホルダー20は、ボール30を
収納するためのボールハウス23、ボールハウス23に収納
したボール30が外部に飛び出さないようにするためのカ
シメ部21、及びボール30にインクを供給するためのイン
ク孔40を少なくとも備えている。
【0034】(2−1)ホルダー20 前記ホルダー20は、ボール30を保持するための略円筒形
の部材である。この前記ホルダー20は、黄銅、洋白、ス
テンレス鋼などの円柱材を用いて形成され、ボール30を
収納するためのボールハウス23、ボールハウス23に収納
したボール30が外部に飛び出さないようにするためのカ
シメ部21、及びボール30にインクを供給するためのイン
ク孔40とを有している。
【0035】また、ホルダー20のボール側(すなわち、
このホルダー20先端の外周)には、ボール側に向かって
縮径する先細のテーパー部25が形成されている。このテ
ーバー部の先端部分の内部空間は、ボール30が収容され
るボールハウス23となっている。一方、このテーパー部
25の先端部分の外周は、円錐状のカシメ部21となってい
る。このテーパー部25のテーパー角(外形テーパー角
R)は、35度以上に形成するのが好ましい。これは、外
形テーパー角Rと、後述するインク誘導孔27の内径(縮
径孔42の最大径)との関係において、インクの供給を良
好に行うとともに、加工時に座屈等が起こりにくくする
ために適当な角度だからであり、その根拠については後
述する。
【0036】ホルダー20の後端部分は、外径が小径とな
っており、インクリフィルとの接続がなされる接続部29
となっている(図2及び図3参照)。さらに、ホルダー
20の後端から、先端にかけての内部空間は、図2に示す
ように、内径が段階的に狭くなっているインク誘導孔27
となっている。そして、このインク誘導孔27とボールハ
ウス23とは、インク流通孔28で貫通している。これとと
もに、このインク流通孔28の周囲の4箇所において、放
射状のインク誘導溝22が形成されており、これによって
もインク誘導孔27とボールハウス23とが交通している。
【0037】(2−2)ボールハウス23 ボールハウス23は、ホルダー20の一端に設けられた、ボ
ール30を収納するための空間であり、その内径がボール
30のボール径Dよりも若干大きい円筒状の側壁51と、反
ボール側を頂点側とする円錐状の底面部52とを有してい
る(図1参照)。
【0038】また、このボールハウス23の後端面には、
所定直径(F)のインク流通孔28が設けられ、これによ
りインク誘導孔27と交通する。さらに、このインク誘導
孔27の周囲には、放射状に4箇所、前記インク誘導孔27
と交通するインク誘導溝22が穿孔される(図4参照)。
さらに、この底面部52には、ボール30の曲率とほぼ同一
の曲率を有する凹球面状のボール受座24が形成されてい
る。このボール受座24は、ボール30を後端から支持す
る。この底面部52の角度は、90度乃至170度の間で適宜
選択される。
【0039】(2−3)カシメ部21 カシメ部21は、ホルダー20のボールハウス23側の一端を
円錐形に形成したものであり、ボールハウス23に収納し
たボール30を先端側から支持するとともに、ボール30が
ボールハウス23から飛び出さないようにするためのもの
である。このカシメ部21は、テーパー部25の先端部分に
設けられている。
【0040】また、このカシメ部21は、円錐面状に形成
され、その内径(H)は、ボール30の直径(D)よりも小さ
くなるように形成されている(図1参照)。このカシメ
部21は、ボールハウス23にボール30を収納した後に、ホ
ルダー20の端部に圧延加工を施すことによって形成し、
カシメ部21の内径Hがボール30のボール径Dよりも小さ
くなるように形成されている。さらに、ボール30とカシ
メ部21の内縁との間には、微少な間隙が設けられてい
る。
【0041】ボール30は、その一部を前記ボールハウス
23から外部に突出させつつ、このカシメ部21により、ホ
ルダー20の先端に回転自在に抱持される。そして、筆記
時には、ボール30が回転することにより、ボール30に付
着したインクが筆記面に転写され、描線が描かれるので
ある。このさい、前述した微少な間隙(クリアランス2
6)がインクの通路となるものである。
【0042】(2−4)テーパー部25 前記テーパー部25は、筆記の際にホルダー20が筆記面に
接触しないようにするための構造である。このテーパー
部25は、カシメ部21近辺の外周に、カシメ部21と連続す
るようにして設けられ、先端側から後端側へかけて外径
を次第に大きくする円錐面状に形成されている。
【0043】(2−5)インク孔40 インク孔40は、前記ボールハウス23の底面部52からホル
ダー20の他端にわたり貫通する孔であり、ボールハウス
23に収納したボール30にインクを供給するためのもので
ある。さらに詳しくは、インク孔40には、図2に示すよ
うに、インク誘導孔27、インク流通孔28及びインク誘導
溝22が形成されている。
【0044】インク誘導孔27は、インク孔40のボール側
に設けられた、インク孔40の反ボール側よりも小径の孔
であり、インクをボールハウス23に収納したボール30に
導入して供給するためのものである。このインク誘導孔
27は、ホルダー20の内部空間として形成され、先述した
とおり、先端に向かって段階的に内径を狭めつつ、前記
インク流通孔28及び前記インク誘導溝22を通じてボール
ハウス23と交通している。すなわち、インク孔40の大径
部分から、小径のボールハウス23に内にインクを供給す
るために、徐々に内径を狭くし、孔内でインク詰まりが
起こりにくくしたものである。
【0045】さらに、インク誘導孔27の、後述するイン
ク流通孔28との連結部分は、ボール側に向かってテーパ
ー状に縮径する縮径孔42となっている。すなわち、縮径
孔42の最小径はインク流通孔28の内径と同一であり、最
大径はインク誘導孔27の最小径と同一である。そして、
この縮径孔42の最大径Pは、0.4mm以上に形成されてい
る。この寸法が0.4mm以下だと、インク誘導孔27からイ
ンク流通孔28へのインクの流通が妨げられ、筆記時のカ
スレの原因となる。従って、縮径孔42の最大径Pは、0.
4mm以上に形成するのが好ましいものである。なお、こ
の根拠については後述する。
【0046】さらに、この縮径孔42のテーパー角(縮径
孔テーパー角Q)は、30度以上90度未満に形成されてい
る。これは、前記縮径孔42の最大径Pとの関係で、縮径
孔テーパー角Qが30度以下だと必然的に縮径孔42の長さ
若しくはインク流通孔28の長さを長くする必要があり、
インクの流通に支障が生じやすい。一方縮径孔テーパー
角Qが90度以上だと、縮径孔42の長さは必然的に短くな
ることから、インク流通孔28の長さを長くするかインク
誘導孔27の端部をボール側に延長する必要が生じ、前者
の場合だとインクの流通に支障が生じやすく、後者の場
合だとホルダー20のテーパー部25部分の肉厚が薄くな
り、加工時に座屈による加工不良が起こりやすくなる。
従って、縮径孔テーパー角Qは、30度以上90度未満に形
成するのが好ましいのであるが、この根拠については後
述する。
【0047】インク流通孔28は、前記ボールハウス23の
底面部52と前記縮径孔42のボール側端部との間に設けら
れた孔であり、インク誘導孔27から導入されたインクを
ボールハウス23内に供給するためのものである。インク
誘導溝22は、前記インク流通孔28の中心から放射状に設
けられたスリットであり、インク誘導孔27から導入され
たインクを十分にボールハウス23内に供給するためのも
のである。インク誘導溝22は、インクの特性等に応じ
て、3乃至6本(本実施の形態では4本)設けられ、溝
幅は0.03乃至0.10mmの間で適宜選択される。
【0048】なお、図示した実施の形態においては、前
記インク誘導溝22がボールハウス23の底面部52からイン
ク誘導孔27に貫通して設けられているが、インクの特性
等に応じて、貫通させないで形成してもよい。 (2−6)ボール30 ボール30は、筆記面にインクを塗布するためのものであ
る。
【0049】このボール30は、超硬合金、ステンレス、
焼入鋼、ステンレス鋼又はセラミックなどを用いて球形
に形成されている。そして、本実施の形態においては、
ボール30のボール径Dは0.29mm以下に形成されている。
また、このボール30は、所定のボール出寸法(G)の分だ
け、カシメ部21からホルダー20の外部に突出させるよう
にしてボールハウス23に収納される(図1参照)。そし
て、カシメ部21とボール受座24とに支持されることによ
り、ホルダー20の先端側に回転自在に保持されている。
【0050】なお、ボール30は、紙面との適度な摩擦抵
抗を生ぜしめる表面粗さを有するように形成されること
により、筆記時にボールハウス23内で回転し、インク孔
40よりインクを引き込んで紙面にインクを塗布できるも
のである。また、ボール30とカシメ部21との間には、ク
リアランス26と呼ばれる微小な間隙が設けられている
(図1参照)。このクリアランス26が、筆記時における
インクの通路となっている。
【0051】そして、ボール30の回転に伴って、ボール
30とカシメ部21との間からインクが吐出されるとともに
ボール30の表面に付着したインクが筆記面に転写される
ことにより、筆記面に描線が描かれる。 (3)ボールペンチップ10の製造方法 次に、本実施の形態に係るボールペンチップ10の製造方
法について説明する。
【0052】まず、加工前の円柱材状のホルダー20の外
周をバイトにより小径に切削し、接続部29が形成される
(図5参照)。そして、以下の工程が順に実施される。 (3−1)インク誘導孔27形成工程 ホルダー20の後端から、最初は大径のドリルで途中まで
切削する。そして、ここから先端に向かって、数段階に
わたって順次ドリルの径を小径として先端近傍まで切削
し、インク誘導孔27を形成する(図5参照)。
【0053】(3−2)テーパー部25形成工程 ホルダー20の先端から所定距離まで、テーパー状のバイ
トを用いて円錐状に切削して、テーパー部25を形成する
(図6参照)。 (3−3)センタ孔28a工程 ホルダー20先端に、インク流通孔28を加工するためのド
リルを中心に誘導するため、円錐状のセンタ孔28aをセ
ンタ孔工具を用いて加工する(図7参照)。
【0054】(3−4)インク流通孔28形成工程 前記センタ孔28aの中心を目標に、ドリルを用いて、所
定寸法の内径(F、ただし、0.4≦F/D≦0.6)のイン
ク流通孔28を、インク誘導孔27との間に貫通させる(図
8参照)。 (3−5)仕上げ工程 前記テーパー部25の先端の内周面を、ドリルを用いて、
所定寸法の内径(M、ただしM>D)となるように切削
する。
【0055】この工程により、テーパー部25の先端の内
部空間がボールハウス23となり、また、その後端面が、
ボール受座24となる(図9参照)。 (3−6)溝切り工程 前記ボール受座24の先端側から、インク流通孔28の周囲
に、ブローチ工具を挿入してインク誘導孔27まで貫通さ
せて放射状に4本の溝を切削する。これらの溝がインク
誘導溝22となる(図10参照)。
【0056】(3−7)タタキ工程 前記ボールハウス23にボール30を挿入後、同ボール30の
上部を後端方向に押圧することによって、ボール受座24
をボール30の外形状に沿って変形させる(図11参
照)。この工程は、ボール受座24の耐摩耗性を向上させ
るとともに、ボール30とボール受座24との接触面積を広
くするために実行される。
【0057】(3−8)カシメ工程 カシメ工程は、ボールハウス23にボール30を挿入した後
に、テーパー部25の端部にカシメ部21を設ける工程であ
る。具体的には、上記タタキ工程後に、テーパー部25の
先端にテーパー状のローラーを用いてカシメ加工を施し
てカシメ部21を設けることで、ボールペンチップ10が形
成される(図1及び図2参照)。ただし、このカシメ加
工の変形量は、前記ボール出寸法G、前記ボール直径D
及び前記カシメ部先端内径Hが G/D≧0.25 かつ 0.005mm≦D−H≦0.010mm を満たす程度とする。
【0058】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれに制約されるもの
ではない。 (1)縮径孔最大径P、縮径孔テーパー角Q、及び外形
テーパー角Rについての評価 本発明に係るボールペンチップ10と、比較例のボールペ
ンチップをそれぞれ試作し、これらを用いて評価試験を
行った。
【0059】すなわち、ホルダー20における縮径孔最大
径P、縮径孔テーパー角Q、外形テーパー角Rのそれぞ
れ異なるボールペンチップを用いて、(1−1)高速筆
記性及び(1−2)加工性に関し、評価試験を行ったも
のである。なお、ボール30のボール径Dは0.25mmとし、
材質は超硬合金を使用した。ホルダー20は、ステンレス
鋼にて形成した。
【0060】また、インクは、摂氏25度、剪断速度38.4
sec-1における粘度が100mPa・secのものを使用し、その
成分は、下記の表1の通りとした。
【0061】
【表1】
【0062】(1−1)高速筆記性 高速筆記性は、筆記速度9m/分で螺旋筆記し、カスレ
の有無を評価した。その評価は、以下の通りである。 AA:カスレは全く発生しなかった。 A:カスレはほとんど発生しなかった。
【0063】B:カスレが少々発生したがあまり気にな
らない程度であった。 C:カスレがかなり発生した。 (1−2)加工性 加工性は、インク誘導溝22をブローチ加工で形成する際
に、座屈による加工不良が発生するかどうかを調査し
た。すなわち、下記の表2に示した各構成のボールペン
チップを10000個加工したときに、全体の何パーセント
に加工不良が発生したかを調査した。
【0064】その評価は、以下の通りである。 AA:加工不良は全く発生しなかった(0%)。 A:加工不良は発生したが、ごくわずかであった(0〜
0.02%)。 B:加工不良が少々発生したが、生産効率上問題ない程
度(0.02〜1%)。 C:加工不良がかなり発生した(1%以上)。
【0065】
【表2】
【0066】上記実験の結果、まず高速筆記性について
みると、比較例1、比較例3及び4に、カスレがかなり
発生した。すなわち、P及びRの値は実施例1乃至3と
同一であるがQ値が30度未満の場合の比較例1と、Q及
びRの角度は実施例2及び3と同一であるがP値が0.4m
m以下の場合の比較例3及び4である。比較例1におい
ては、Q値すなわち縮径孔テーパー角が小さいため、イ
ンク誘導孔27とインク流通孔28との距離が長くなり、イ
ンクの供給に支障が生じたものと考えられる。また、比
較例3及び4においては、P値すなわち縮径孔最大径が
小さいため、インク誘導孔27からインク流通孔28の間で
インク詰まりが生じたものと考えられる。
【0067】一方、実施例1においては、カスレが少々
発生したがあまり気にならない程度であった。これは、
Q値が30度であり、インク誘導孔27とインク流通孔28と
の距離が長くなり、インクの供給に少々支障が生じたも
のと考えられる。なお、実施例2乃至6については、い
ずれもカスレは発生しないかほとんど発生しなかった。
これはら、いずれも、P値が0.4mm以上、Q値が30度以
上90度以下に形成されている。
【0068】ここで、カスレはほとんど発生しなかった
実施例4のQ値は、カスレが少々発生した実施例1と同
じ30度であるが、P値が0.5mmと実施例1よりも大きく
形成してあるので、インクの供給がスムースになり、カ
スレはほとんど発生しなかったものと考えられる。ま
た、カスレが全く発生しなかった実施例5のQ値は、カ
スレがほとんど発生しなかった実施例2と同じ60度であ
るが、上述したのと同様の理由により、カスレが全く発
生しなかったものと考えられる。
【0069】次に、加工性についてみると、比較例2に
おいて、加工不良がかなり発生した。すなわち、P及び
Rの値は実施例1乃至3と同一であるがQ値が90度以上
の場合である。これは、Q値を大きくしたため縮径孔42
の長さが短くなり、インク誘導孔27をボール側に延長し
なければならなかったため、テーパー部25部分との肉厚
が薄くなり、加工不良を起こしやすくなったものと考え
られる。
【0070】また、実施例3及び6、比較例4におい
て、加工不良が少々発生した。これは、Q値が90度であ
り、上述したのと同様の理由により、加工不良を多少起
こしやすくなったものと考えられる。一方、その他の実
施例及び比較例については、加工不良は全く発生しない
か、発生してもごくわずかであった。すなわち、Q値が
25度の比較例1、Q値が30度の実施例1及び4、Q値が
60度の実施例2及び5、比較例3の場合である。
【0071】ここで、Q値が60度の実施例2及び5より
も、Q値が30度以下の比較例1、実施例1及び4の方
が、加工性において優れているのは、Q値が小さいほ
ど、テーパー部25部分との肉厚を厚く形成できるので、
座屈等が起こりにくくなるからであると考えられる。だ
たし、比較例1に示すように、Q値が小さすぎると、イ
ンクの流通に支障を生じ、カスレが発生する原因とな
る。
【0072】ところで、実施例1乃至3と、実施例4乃
至6とを比較すると、Q値が同じでも、高速筆記性にお
いて、実施例4乃至6の方が優れているという結果とな
っている。これは、R値を35度に形成したため、P値を
0.5mmと実施例1乃至3より大きく形成しても、テーパ
ー部25部分が薄肉にならないので、加工性を損なうこと
なく、よりインクの流通がスムーズになったものと考え
られる。
【0073】以上の評価を総合して勘案すると、まず比
較例については、比較例2は高速筆記性に優れているも
のの、加工性が劣り、比較例1及び3及び4は、加工性
はそこそこであったが高速筆記性が劣っている。従っ
て、高速筆記性に優れ、かつ加工もしやすいボールペン
チップの提供をするという本発明の目的を達し得ない。
一方、実施例1乃至6においては、高速筆記性及び加工
性の両面において、劣っているという評価はなく、高速
筆記性に優れ、かつ加工もしやすいボールペンチップの
提供が可能である。加えて、実施例4乃至6は、より高
速筆記性に優れたボールペンチップの提供が可能である
といえる。
【0074】そして、上記実施例1乃至3の評価に鑑
み、P値は0.4mm以上、Q値は30度以上90度以下、R値
は30度以上であることが好ましく、さらには、上記実施
例4乃至6の評価に鑑み、R値は35度以上とすることが
より好ましいという結論に達したのである。 (2)ボール径D、インク流通孔径F、ボール出寸法
G、カシメ部先端内径Hについての評価 (2−1)実施例及び比較例 実施例及び比較例に使用したボール30は、いずれも超硬
合金製で、ボール直径(D)は0.25mmとした。
【0075】ホルダー20には、SUS430製で、外径
2.3mmの円柱材を材料として用いた。下記の表3に、各
実施例及び各比較例におけるD、F/D、G/D、及び
(D−H)(ただし、Fはインク流通孔28の直径(mm)、
Gはボール出寸法(mm)、Hはカシメ部先端内径(mm))の
値をそれぞれ示す。
【0076】
【表3】
【0077】なお、以下の説明において、上記表3中の
値のうち、第2列に示すF/D値が0.4以上O.6以下であ
ることを、「第1条件」と称する。また、同表中の値の
うち、第3列に示すG/D値が0.25以上で、かつ、第4
列に示す(D−H)値が0.005以上0.010以下であること
を、「第2条件」と称する。すなわち、実施例7、実施
例8及び実施例11から実施例16までは第1条件を満
たす。また、実施例9から実施例16までは第2条件を
満たす。しかし、比較例5から8まではいずれも第1条
件及び第2条件のいずれも満たしていないこととなって
いる。
【0078】各実施例及び各比較例のボールペンチップ
10は、市販のボールペン(UM−151、三菱鉛筆株式
会社)に使用されるのと同じペン体に組み込まれ、筆記
に供された。また、このボールペンのインク収容管に
は、前記表1に示す成分を有する、いわゆる擬塑性水性
インクが充填され、筆記に供されることとなっている。
【0079】(2−2)試験項目 上記の各実施例及び各比較例について、下記のから
までの試験を実施し、それぞれ以下のように評価した。 引っかかり感 実施例及び比較例のそれぞれに係るボールペンチップ10
を組み込んだボールペンを用いて、筆記に伴う引っかか
り感を、被検者に実際に筆記を行わせる官能試験によっ
て評価した。具体的には、被検者が引っかかりを全く感
じないか、又は筆記には支障がない程度のかすかな引っ
かかりを感じたものを「A」、筆記にやや難がある程度
の引っかかりを感じたものを「B」、及び、筆記に著し
く支障を来す程度の引っかかりを感じたものを「C」と
それぞれ評価した。
【0080】高速筆記性 高速筆記性は、ISO規格14145−1に準拠した筆
記試験器を用いて、筆記速度9m/分、筆記角度60゜、及
び筆記負荷0.98N(100g重)の条件により筆記を行い、そ
の描線のかすれを視認することにより評価した。具体的
には、ほとんどかすれの認められないものを「A」、や
やかすれの認められるものを「B」、及び、著しくかす
れの認められるものを「C」とそれぞれ評価した。
【0081】ボール保持力 筆記によるボール保持力の変化は、ISO規格1414
5−1に準拠した筆記試験器を用いて、筆記速度4.5m/
分、筆記角度60゜、及び筆記負荷0.98N(100g重)の条件
により、600m筆記を行った後、カシメ部21のゆるみ具合
を観察することで評価した。具体的には、ほとんどカシ
メ部21のゆるみが見られないものを「A」、カシメ部21
のゆるみは認められるもののボール30が依然として保持
されているものを「B」、及び、カシメ部21のゆるみに
よりボール30が脱落したものを「C」とそれぞれ評価し
た。
【0082】ボール沈み 筆記によるボール30の沈みは、上述のと同様の条件で
筆記を行った後、ボール出寸法の減少を測定することで
評価した。具体的には、ボール出寸法の減少が25μm未
満のものを「A」、25μm以上35μm未満のものを
「B」、及び、35μm以上のものを「C」とそれぞれ評
価した。
【0083】なお、実際には、上記実施例7から16ま
で及び比較例5から8までを通じて、上記評価項目のい
ずれについても、「C」と評価されたものはなかった。 (2−3)第1条件の検討 以下、ボールペンチップ10が第1条件を満たす場合の効
果を、第2条件を満たさない場合と満たす場合とに分け
て検討する。
【0084】(2−3−1)第2条件を満たさない場合 下記の表4に示すように、実施例7並びに比較例5及び
比較例6は、G/D値及び(D−H)値が共通ではある
が、いずれも第2条件は満たしていない。そして、実施
例7は第1条件を満たしているのに対し、比較例5及び
比較例6は第1条件を満たしていない。
【0085】
【表4】
【0086】上記表4の結果から、第2条件は満たさな
いものの第1条件を満たした実施例7は、第1条件及び
第2条件のいずれも満たさない比較例5に対し、高速筆
記性()の項目において評価が優れている。また、第1
条件及び第2条件のいずれも満たさない比較例6に対し
ては、ボール沈み()の項目において評価が優れてい
る。
【0087】一方、下記の表5に示すように、実施例8
並びに比較例7及び比較例8は、G/D値及び(D−
H)値が共通ではあるが、いずれも第2条件は満たして
いない。そして、実施例8は第1条件を満たしているの
に対し、比較例7及び比較例8は第1条件を満たしてい
ない。
【0088】
【表5】
【0089】上記表5の結果から、第2条件は満たさな
いものの第1条件を満たした実施例8は、第1条件及び
第2条件のいずれも満たさない比較例7に対し、高速筆
記性()の項目において評価が優れている。また、第1
条件及び第2条件のいずれも満たさない比較例8に対し
ては、ボール沈み()の項目において評価が優れてい
る。
【0090】すなわち、ボールペンチップ10が、G/D
値及び(D−H)値の条件を同じくして、かつ、第2条
件を満たさない場合において、第1条件を満たすときに
は、第1条件を満たさないときに比べて明らかに性能の
向上が認められた。 (2−3−2)第2条件を満たす場合 下記の表6に示すように、実施例11、実施例12及び
実施例13並びに実施例9及び実施例10は、G/D値
及び(D−H)値が共通で、いずれも第2条件を満たし
ている。そして、実施例11、実施例12及び実施例1
3はいずれも第1条件を満たしているのに対し、実施例
9及び実施例10はいずれも第1条件を満たしていな
い。
【0091】
【表6】
【0092】上記表6の結果から、第2条件を満たしか
つ第1条件を満たす実施例11、実施例12及び実施例
13は、第2条件は満たすが第1条件は満たさない実施
例9に対し、いずれも高速筆記性()の項目において評
価が優れている。さらに、第2条件を満たしかつ第1条
件を満たす実施例11、実施例12及び実施例13は、
第2条件は満たすが第1条件は満たさない実施例10に
対し、いずれもボール沈み()の項目において評価が優
れている。
【0093】すなわち、G/D値及び(D−H)値の条
件が同じであって、かつ、第2条件を満たす場合におい
て、第1条件を満たすときには、第1条件を満たさない
ときに比べて明らかにボールペンチップ10の性能の向上
が認められた。なお、下記の表7に示すように、第2条
件を満たす範囲内でG/D値及び(D−H)値を変えた
場合においても、第1条件を満たす範囲内にある実施例
14から実施例16までの評価は一様に良好なものとな
っている。
【0094】
【表7】
【0095】(2−3−3)第1条件の効果 上記(2−3−1)及び(2−3−2)の結果から明ら
かなように、第2条件のいかんに関わらず、F/D値が
第1条件の下限(0.4)を下回る場合(表4の比較例5、
表5の比較例7、表6の実施例9)には、高速筆記性が
低下する。また、第2条件のいかんに関わらず、F/D
値が第1条件の上限(0.6)を上回る場合(表4の比較例
6、表5の比較例8、表6の実施例10)には、ボール
沈みが増大する。すなわち、第1条件は、高速筆記性及
びボール沈みの観点から、F/D値の適正範囲であると
いえる。
【0096】(2−4)第2条件の検討 以下、ボールペンチップ10が第2条件を満たす場合の効
果を、第1条件を満たさない場合と満たす場合とに分け
て検討する。 (2−4−1)第1条件を満たさない場合 下記の表8に示すように、実施例9並びに比較例5及び
比較例7は、F/D値が共通ではあるが、いずれも第1
条件は満たしていない。そして、実施例9は第2条件を
満たしているのに対し、比較例5及び比較例7は第2条
件を満たしていない。
【0097】
【表8】
【0098】上記表8の結果から、第1条件は満たさな
いものの第2条件を満たした実施例9は、第1条件及び
第2条件のいずれも満たさない比較例5に対し、ボール
保持力()の項目において評価が優れている。また、第
1条件及び第2条件のいずれも満たさない比較例7に対
しては、引っかかり感()の項目において評価が優れて
いる。
【0099】一方、下記の表9に示すように、実施例1
0並びに比較例6及び比較例8は、F/D値が共通では
あるが、いずれも第1条件は満たしていない。そして、
実施例10は第2条件を満たしているのに対し、比較例
6及び比較例8は第2条件を満たしていない。
【0100】
【表9】
【0101】上記表9の結果から、第1条件は満たさな
いものの第2条件を満たした実施例10は、第1条件及
び第2条件のいずれも満たさない比較例6に対し、ボー
ル保持力()の項目において評価が優れている。また、
第1条件及び第2条件のいずれも満たさない比較例8に
対しては、引っかかり感()の項目において評価が優れ
ている。
【0102】すなわち、ボールペンチップ10が、F/D
値の条件を同じくして、かつ、第1条件を満たさない場
合において、第2条件を満たすときには、第2条件を満
たさないときに比べて明らかに性能の向上が認められ
た。 (2−4−2)第1条件を満たす場合 下記の表10に示すように、実施例11及び実施例14
並びに実施例7及び実施例8は、F/D値が共通で、い
ずれも第1条件を満たしている。そして、実施例11及
び実施例14はいずれも第2条件を満たしているのに対
し、実施例7及び実施例8はいずれも第2条件を満たし
ていない。
【0103】
【表10】
【0104】上記表10の結果から、第1条件を満たし
かつ第2条件を満たす実施例11及び実施例14は、第
1条件は満たすが第2条件は満たさない実施例7に対
し、いずれもボール保持力()の項目において評価が優
れている。さらに、第1条件を満たしかつ第2条件を満
たす実施例11及び実施例14は、第1条件は満たすが
第2条件は満たさない実施例8に対し、いずれも引っか
かり感()の項目において評価が優れている。
【0105】すなわち、F/D値の条件が同じであっ
て、かつ、第1条件を満たす場合において、第2条件を
満たすときには、第2条件を満たさないときに比べて明
らかにボールペンチップ10の性能の向上が認められた。 (2−4−3)第2条件の効果 上記(2−4−1)及び(2−4−2)の結果から明ら
かなように、第1条件のいかんに関わらず、G/D値が
第2条件の下限(0.25)を下回り、かつ、(D−H)値が
第2条件の上限(0.O10mm)を上回る場合(表8の比較例
7、表9の比較例8、表10の実施例8)には、引っか
かり感が増大する。また、第1条件のいかんに関わら
ず、G/D値は第2条件を満たすが(D−H)値が第2
条件の下限(0.OO5mm)を下回る場合(表8の比較例5、
表9の比較例6、表10の実施例7)には、ボール保持
力が低下する。すなわち、第2条件は、引っかかり感及
びボール保持力の観点から、G/D値及び(D−H)値
の適正範囲であるといえる。
【0106】(2−5)評価のまとめ 上述の通り、第1条件及び第2条件のいずれか一方のみ
が満たされる場合であっても、これらの条件のいずれも
満たされない場合に比べると、明らかにボールペンチッ
プ10の性能は向上することとなっている(表4、表5、
表8、表9)。さらに、第1条件及び第2条件のいずれ
もが満たされる場合には、これらの条件のいずれも満た
されない場合はもちろん、これらの条件のいずれか一方
のみが満たされる場合と比べても、やはり明らかにボー
ルペンチップ10の性能は向上することとなっている(表
6、表10)。
【0107】すなわち、上記のF/D値の範囲の適正化
と、G/D値及び(D−H)値の範囲の適正化とは、そ
れぞれ別の側面からボールペンチップ10の性能の向上に
寄与するとともに、これらが相まって適正化される場合
には、ボールペンチップ10の性能はさらなる向上を見せ
ることとなっている。
【0108】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成されている
ので、以下に記す効果を奏する。すなわち、本発明のう
ち第1の発明の説明によれば、ボール径0.3mm未満の小
径ボール、特に0.29mm以下のボールを有するボールペン
チップであっても、高速筆記性に優れ、加工もしやすい
ボールペンチップを提供することができる。
【0109】また、外形テーパ角を適正にすることによ
り、さらに高速筆記性に優れ、加工もしやすいボールペ
ンチップを提供することができる。さらに、本発明のう
ち第1の発明の説明によれば、小径のボールが使用され
るボールペンチップにおいて、インク流通孔を形成する
ための切削量を適切にすることによって、ボール沈みを
できるだけ小さくしつつ十分なインク供給を確保するこ
とが可能となる。
【0110】また、本発明のうち第2の発明の説明によ
れば、小径のボールが使用されるボールペンチップにお
いて、カシメ部の形成に要する変形量を適切にすること
によって、ボール飛びを効果的に防止することが可能と
なる。さらに、本発明のうち第3の発明の説明によれ
ば、小径のボールが使用されるボールペンチップにおい
て、インク流通孔を形成するための切削量を適切にし、
かつ、カシメ部の形成に要する変形量を適切にすること
で、ボール沈みをできるだけ小さくしつつ十分なインク
供給を確保し、かつボール飛びが起こりにくいボールペ
ンチップを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1の実施の形態に係るボールペンチッ
プの先端部分を拡大した正面図である。なお、ホルダー
を断面で示している。
【図2】本発明の1の実施の形態に係るボールペンチッ
プの正面図である。なお、ホルダーを断面で示してい
る。また、奥側のインク誘導溝は省略してある。
【図3】本発明の1の実施の形態に係るボールペンチッ
プの正面図である。
【図4】本発明の1の実施の形態に係るボールペンチッ
プの先端部分の平面断面図である。ただし、ボールを除
いた状態で示している。
【図5】本発明の1の実施の形態に係るボールペンチッ
プの製造工程を示す正面図である。なお。ホルダーを断
面で示している。
【図6】本発明の1の実施の形態に係るボールペンチッ
プの製造工程を示す正面図である。なお。ホルダーを断
面で示している。
【図7】本発明の1の実施の形態に係るボールペンチッ
プの製造工程を示す正面図である。なお。ホルダーを断
面で示している。
【図8】本発明の1の実施の形態に係るボールペンチッ
プの製造工程を示す正面図である。なお。ホルダーを断
面で示している。
【図9】本発明の1の実施の形態に係るボールペンチッ
プの製造工程を先端部分を拡大して示す正面図である。
なお。ホルダーを断面で示している。
【図10】本発明の1の実施の形態に係るボールペンチ
ップの製造工程を先端部分を拡大して示す正面図であ
る。なお。ホルダーを断面で示している。
【図11】本発明の1の実施の形態に係るボールペンチ
ップの製造工程を先端部分を拡大して示す正面図であ
る。なお。ホルダーを断面で示している。
【符号の説明】
10 ボールペンチップ 20 ホルダー 21 カシメ部 22 インク誘導溝 23 ボールハウス 24 ボール受座 25 テーパー部 26 クリアランス 27 インク誘導孔 28 インク流通孔 28a センタ孔 29 接続部 30 ボール 40 インク孔 42 縮径孔 51 側壁 52 底面部 D ボール径 F インク流通孔径 G ボール出寸法 H カシメ部内径 P 縮径孔最大径 Q 縮径孔テーパー角 R 外形テーパー角

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボールと、 ボールを保持するためのホルダーとを備え、 前記ホルダーは、 一端に、前記ボールを収納し回転自在に抱持するボール
    ハウスを有するとともに、前記ボールハウスから反ボー
    ル側の他端に貫通し、前記ボールにインクを供給するた
    めのインク孔を有し、 前記インク孔は、 前記ボールハウスから反ボール側に向かって設けられ、
    ボールハウスにインクを流通させるためのインク流通孔
    と、 前記インク流通孔の反ボール側に設けられ、前記インク
    流通孔にインクを導入するためのインク誘導孔とを少な
    くとも有し、 前記ホルダーのボール側外周には、ボール側に向かって
    縮径するテーパー部を形成したボールペンチップにおい
    て、 前記ボールの外径は0.3mm未満であり、 前記インク誘導孔の前記インク流通孔との連結部は、ボ
    ール側に向かってテーパー状に縮径する縮径孔と成し、 前記縮径孔の最大径は0.4mm以上であり、かつ、前
    記縮径孔のテーパー角度は、30度以上90度以下であ
    ることを特徴とするボールペンチップ。
  2. 【請求項2】 前記ホルダーのテーパー部のテーパー角
    度は、35度以上であることを特徴とする請求項1記載
    のボールペンチップ。
  3. 【請求項3】 円柱材の一端の外周を先細に切削して形
    成したテーパー部と、 前記テーパー部の内周を切削して形成したボールハウス
    と、 当該円柱材の他端から、前記ボールハウスの近傍まで穿
    孔して形成したインク誘導孔と、 前記ボールハウスと前記インク誘導孔との間を貫通して
    形成したインク流通孔と、 前記ボールハウス内に挿入される直径0.3mm未満の
    ボールとを備えるとともに、 前記一端の辺縁を内側にカシメ加工することによりカシ
    メ部を形成したボールペンチップであって、 前記ボールの直径をD及び前記インク流通孔の直径をF
    としたときに、 0.4≦F/D≦0.6 なる関係を満たすことを特徴とするボールペンチップ。
  4. 【請求項4】 円柱材の一端の外周を先細に切削して形
    成したテーパー部と、 前記テーパー部の内周を切削して形成したボールハウス
    と、 当該円柱材の他端から、前記ボールハウスの近傍まで穿
    孔して形成したインク誘導孔と、 前記ボールハウスと前記インク誘導孔との間を貫通して
    形成したインク流通孔と、 前記ボールハウス内に挿入される直径0.3mm未満の
    ボールとを備えるとともに、 前記一端の辺縁を内側にカシメ加工することによりカシ
    メ部を形成したボールペンチップであって、 前記ボールの直径をD、このボールの前記カシメ部の先
    端からの出寸法をG及びこのカシメ部の内径をHとした
    ときに、 G/D≧0.25 かつ 0.005mm≦D−H≦0.010mm なる関係を満たすことを特徴とするボールペンチップ。
  5. 【請求項5】 円柱材の一端の外周を先細に切削して形
    成したテーパー部と、 前記テーパー部の内周を切削して形成したボールハウス
    と、 当該円柱材の他端から、前記ボールハウスの近傍まで穿
    孔して形成したインク誘導孔と、 前記ボールハウスと前記インク誘導孔との間を貫通して
    形成したインク流通孔と、 前記ボールハウス内に挿入される直径0.3mm未満の
    ボールとを備えるとともに、 前記一端の辺縁を内側にカシメ加工することによりカシ
    メ部を形成したボールペンチップであって、 前記ボールの直径をD、前記インク流通孔の直径をF、
    前記ボールの前記カシメ部の先端からの出寸法をG及び
    このカシメ部の内径をHとしたときに、 0.4≦F/D≦0.6、 G/D≧0.25 かつ 0.005mm≦D−H≦0.010mm なる関係を満たすことを特徴とするボールペンチップ。
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