JP5663236B2 - ボールペンチップ - Google Patents

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Description

本発明は、筆記ボールを収納するボールハウスの容積をより小さくしたボールペンチップに関する。
ボールペンチップは通常、先端の内部空間に筆記ボールを収納するボールハウスが設けられている。このボールハウス内で筆記ボールが占める空間を除いた部分は、後方のインク流路から送り込まれてきたインクが一時的に停留するインク溜まりとなっている。このインク溜まりに停留するインクは、筆記ボールが筆記面との摩擦で回転するのに連れて、筆記ボール表面に付着し、筆記面に転写され、これにより描線が形成される。このインク溜まりの容積は、使用するインクの粘度や筆記ボールの大きさなどに依存する。一般的には、この容積があまり小さ過ぎるとインクの吐出量が不足して描線がかすれたりする。一方、この容積があまり大き過ぎると逆にインクの吐出量が過剰になって、描線に必要以上のインクがぼた落ちすることになる。
ボールハウスの形状に関する従来技術としては、本件出願人による下記特許文献1に記載のものがある。これは、ボールハウスの内側面と底面とがなす入隅部分に空気や筆記用紙の繊維屑などが滞留するのを防止すべく、当該入隅部分に環状の連結面を設けたものである。ここで、該従来技術においては、通常のボールペンチップの構造と同様に、ボールペンチップの内部をその後端方向からボールハウス近傍まで貫通するいわゆるバック孔とボールハウスとの間を貫通するいわゆるインク孔が設けられているが、このインク孔はボールハウスに収納された筆記ボールの後端部分で常に閉塞された状態を保っている。このため、バック孔及びインク孔からボールハウスへインクを流通させるために、インク孔周囲に放射状にチャンネル溝が設けられている。そして、該従来技術では前記入隅部分に設けられた連結面は単にボールハウスの内側面と底面との境界を滑らかに接続するものに過ぎず、チャンネル溝はこの連結面を除いた底面部分にあくまで設けられているに過ぎない。
特開2002−321483号公報
粘度が低いインクを用いる場合、ボールペンチップ内でのインクの流動性がより高い。そのため、特に外径1.0mm程度の比較的大径の筆記ボールを用いる場合には、従来形状のボールハウスを備えたボールペンチップではインクの供給が過剰となり、描線におけるインクのぼた落ちが顕著であった。
このような問題点を解決すべく、本発明は、ボールペンチップにおけるボールハウスの容積を、描線のかすれが起きない程度にできるだけ小さくすることを課題とする。
上記の課題に鑑み、本発明に係るボールペンチップは、
円柱材を切削して形成されるホルダーと、
前記ホルダーの一端の外周を先細に切削して形成したテーパー部と、
前記テーパー部の内周を切削して形成され、内側面、底面、及びこれら内側面と底面とを環状に連結するテーパー状の連結面を備えたボールハウスと、
前記ホルダーの他端から前記ボールハウスの近傍まで穿孔して形成したバック孔と、
前記ボールハウスの底面と前記バック孔との間を貫通して形成したインク孔と、
前記インク孔の周囲に等配された複数箇所を前記ボールハウス側から放射状に切削して形成した溝であるチャンネル溝と、
前記ボールハウス内に収納される筆記ボールと、
前記ボールハウスの底面における前記インク孔周辺の領域において前記筆記ボールをバック孔方向へ押圧した際に該筆記ボールの曲面が転写されたボール受座と、
前記テーパー部の先端部分を内側にカシメ加工して形成したカシメ部と、
を備えるとともに、
前記ボールハウスの内径は前記筆記ボールの直径より大きく、
前記ホルダーの軸心を含む仮想断面において前記底面がなす角のうちボールハウス側の方をxとし、前記連結面がなす角のうちボールハウス側の方をyとしたときx>yであるとともに、
前記チャンネル溝は、前記底面と連結面との接線を跨るとともに、該チャンネル溝の外端縁は前記ボールハウスの内側面には達しないように切削されていることを特徴とする。
ここで、「筆記ボール」とは、筆記面にインクを転写して塗布するための構造をいう。この筆記ボールは、たとえば超硬合金、ステンレス鋼、セラミック等で形成することができる。
また、「ホルダー」とは、この筆記ボールを保持するための構造をいう。このホルダーは、たとえばステンレス鋼などの金属製の円柱材あるいは線材を切削して形成することができる。このホルダーには、ボールペンリフィルに装着された際に筆記先端側に位置する側が先細に形成され、この部分を「テーパー部」と称する。このテーパー部の内面に、上記筆記ボールを収納する空間である「ボールハウス」が設けられている。一方、このホルダーの後端側(すなわち、上記筆記先端側とは反対側)から、このボールハウスの近傍まで設けられた内部空間を「バック孔」と称する。さらに、このバック孔とボールハウスとを貫通する内部空間を「インク孔」と称する。
上記ボールハウスは、筆記ボールの直径よりもやや大きな内径の円筒状に形成されている「内側面」と、後端側に位置して後方へ向けて内径を次第に小さくする円錐面状に形成された「底面」と、これら内側面と底面とを環状に連結するとともにその内径が後方へ向けて次第に小さくなっているテーパー状の「連結面」とによってその内部空間が画されている。この底面の、軸心を含む中心部分に前記インク孔が設けられている。また、このインク孔の周囲には、放射状に等配された複数のチャンネル溝が設けられている。このチャンネル溝の外端縁は、底面を超えて連結面にまで至っている。換言すると、チャンネル溝は、連結面と底面とに跨るようにして設けられることとなっている。なお、このボールハウスの底面の、前記インク孔周辺の領域には、筆記ボールが収納され、これを後方へ押圧するいわゆる「叩き工程」によってその曲面が転写された凹曲面である「ボール受座」が形成されている。このボール受座に筆記ボールが接することで、インク孔は筆記ボールによって閉塞されるものの、その周囲に設けられているチャンネル溝でインク孔及びバック孔からのインクの流通は確保されている。
そして、前記テーパー部の先端縁を内向きに押圧変形させる「カシメ加工」によって先端縁の内径を小さくすることで、ボールハウスに収納された筆記ボールがホルダーの先端から脱落するのが防止されている。この部分を「カシメ部」と称する。
ここで、ホルダーの軸心を含む仮想断面において、底面がなす角のうちボールハウス側の方をxとし、連結面がなす角のうちボールハウス側の方をyとしたとき、x>yとなっている。すなわち、これにより、連結面を筆記ボールへ接近させることが可能となり、ボールハウスの容積をより小さくすることが可能となっている。ここで、xは100°〜160°の鈍角をなすことがボール受座を形成する点から望ましく、またyはxより小さければ特に限定されるものではないが、40°〜80°と鋭角をなすことがボールハウス容積を小さくする点からは望ましい。このような角度を形成する方法としては、ドリル等による切削加工で、まず内側面及び連結面を切削してから、底面を別のドリルで掘り下げるという二段階の工程によることが挙げられる。また、ボールハウスの内側面に相当する外径でかつ切っ先の先端角が上記角xであるドリルであって、その切っ先の後端縁の部分が上記角yに面取りされているような特殊なツールを用いて一段階の工程で形成することも可能である。
本発明に係るボールペンチップは、特に、低粘度ゲルインクや水性インクなど、粘度の低いインク、とりわけ25℃において剪断速度384sec-1の下での粘度が3〜300mPa・sec、望ましくは20〜40mPa・secになるように調整されたインクを用いるボールペンあるいはボールペンリフィルへの装着に適している。
また、比較的低粘度の油性インク、とりわけ25℃において剪断速度3.83sec-1の下での粘度が700〜8,000mPa・secになるように調整された油性インクを用いるボールペンあるいはボールペンリフィルへの装着にも適している。このような油性インクの組成としては、着色剤と、下記構造式(1)で表される溶剤がインク中の全溶剤の40重量%以上を占める主要剤と、この溶剤に可溶な樹脂を含むものを採用することができる。
なお、上記構造式(1)中、R1,R2,R3はそれぞれ独立してH又はCH3である。
上記構造式(1)に該当する主溶剤として具体的には、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メチル−1,3ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、へキシレングリコールなどが挙げられる。好適には3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールである。また、上記主溶剤の他に、主溶剤に対して相溶性に優れた補助溶剤を含むことができる。
前記溶剤に可溶な樹脂は、様々な目的のために用いられる。たとえば、固形分の調整、ペン先の摩耗抑制、色材の定着性及び固着性向上、粘度調整、耐擦過性の向上、顔料分散などが挙げられる。したがって、用いられる樹脂は目的に応じて、その種類や分子量、インク配合量が適宜選択される。具体的には、ケトン樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、テルペンフェノール樹脂を含むテルペン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、フェノール系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、尿素アルデヒド系樹脂、マレイン酸系樹脂、シクロヘキサン系樹脂、ポリビニルピロリドン、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラールなどが挙げられる。
このような、低粘度のインク使用における適性に鑑み、本発明に係るボールペンチップにおいては、前記チャンネル溝の後端は前記インク孔の途中に位置することが望ましい。すなわち、インクの流動性が高いことから、チャンネル溝はバック孔まで貫通している必要は必ずしもない。なお、高い流動性のインクを使用する際には、筆記先端からのインクの直流現象が起きやすいので、バック孔内部に、先端部分が押し棒となっているスプリングを内蔵し、この押し棒で筆記ボールを常に先端方向に付勢させることが望ましい。
また、本発明に係るボールペンチップは、少なくともボール径0.5mm以上、望ましくは1.0mm以上の、比較的大径の筆記ボールを用いる場合であって、上記の低粘度インクを用いる場合に適している。
本発明は、上記のように構成されているので、以下に記す効果を奏する。
すなわち、ボールハウスの内側面と底面との間に、これらを連結する連結面が設けられているので、これが設けられていない場合に比べボールハウスの容積が小さくなることとなっている。これによって、ボールハウス内のインク溜まりに滞留するインクがあまり多くならずに済むので、特に粘度の低いインクを使用する場合には、適度なインク流量を確保することできる。そして、描線におけるインクのぼた落ちを防止できるようになる。
本発明の第1の実施の形態に係るボールペンチップを正面断面図で示したものである。 本発明の第1の実施の形態に係るボールペンチップの先端部分を正面断面図(A)及びX−X断面図(B)で示したものである。 本発明の第1の実施の形態に係るボールペンチップを使用したボールペンリフィルを正面断面図で示したものである。 比較例に係るボールペンチップの先端部分を正面断面図で示したものである。 本発明の第2の実施の形態に係るボールペンチップを使用したボールペンリフィルを正面断面図で示したものである。 本発明の第2の実施の形態に係るボールペンチップの先端部分を正面断面図(A)及びY−Y断面図(B)で示したものである。 別の比較例に係るボールペンチップの先端部分を正面断面図で示したものである。
本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
(1)第1の実施の形態
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るボールペンチップ10を正面断面図で示したものである。
本第1の実施の形態に係るボールペンチップ10は、ステンレス鋼製のホルダー20と、その先端に抱持される超硬合金製の筆記ボール11と、その内部空間に収納されるステンレス鋼製のスプリング12とで構成される。
ホルダー20の先端部分は先細に形成されており、この部分がテーパー部21となっている。テーパー部21の内部空間はボールハウス30として形成されており、この中に筆記ボール11が収納されている。
ホルダー20の後端付近は外径を減じた縮径部23となっている。この部分が後述する継手42に圧入されることで、ボールペンチップ10がこの継手42に取り付けられることとなっている。
ホルダー20の後端から、ボールハウス30近傍までの内部空間はバック孔25として形成されている。このバック孔25とボールハウス30とをインク孔26が貫通している。
バック孔25の内部には、スプリング12が挿入されている。このスプリング12の先端部分は真っ直ぐな棒状に形成されており、この部分を押し棒13と称する。押し棒13の先端は、インク孔26を通って筆記ボール11の後端に接し、常に先端方向へ押圧している。なお、ホルダー20の後端の一部は内向きにかしめられており、この部分がスプリング12の脱落を防止する固定部24となっている。
図2は、本第1の実施の形態に係るボールペンチップ10の先端部分を正面断面図(A)及びX−X断面図(B)で示したものである。ただし、スプリング12は省略してある。また、図2(B)においては筆記ボール11も省略してある。
ボールハウス30は、軸心とほぼ平行な円筒面である内側面31と、この内側面31に連続して後方へ向かって鋭角のテーパー角(y)をもって縮径する連結面32と、さらにこの連結面32に連続して後方へ向かって鈍角のテーパー角(x)をもって縮径する底面33とを有している(図2(A)参照)。なお、図2(A)の断面図においては連結面32と底面33との接続部分は明確な頂点を有しているが、この接続部分を曲面として明確な頂点は有さないこととしてもよい。また、この底面33の、軸心側の環状の領域は、筆記ボール11の曲面が転写されたボール受座34となっている(図2(B)参照)。一方、テーパー部21の先端は、内向きに口径を狭めるように押圧変形されている(図2(A)参照)。この部分をカシメ部22と称し、ボールハウス30内に収納されたボールが先端から脱落しないように保持するものである。さらに、インク孔26の周囲には、放射状に6本のチャンネル溝27が等配されている(図2(B)参照)。このチャンネル溝27は、底面33と連結面32とに跨って形成されているとともに、その後端はインク孔26の途中にしか達せず、バック孔25までは貫通していない。なお、図2(B)における全てのチャンネル溝27の平面視における面積の合計は、ボールハウス30の平面視における面積の10〜15%が望ましい。また、同じく図2(B)におけるインク孔26と全てのチャンネル溝27の平面視における面積の合計は、ボールハウス30の平面視における面積の45〜55%が望ましい。この数値範囲のいずれについても下限値を下回る場合には筆記時に描線のかすれが生じるおそれがあり、また、上限値を上回る場合にはインクのボタ落ちが十分に防止できないおそれがある。
図3は、本第1の実施の形態に係るボールペンチップ10をボールペンリフィル40に装着した様子を示したものである。ボールペンチップ10は、ポリブチレンテレフタレート製の継手42を介してポリプロピレン製のインク収容管41の先端に装着される。なお、継手42とボールペンチップ10との間には、筆記先端を上向きに保持した際に、筆記先端から空気が流入してインク44がボールペンリフィル40後端から漏出するのを防止するための逆流防止ボール43が挿入されている。また、ボールペンチップ10の先端は、使用開始までの間、筆記先端を保護することを目的として樹脂玉47で被覆されている。
インク収容管41の内部にはインク44が収容される。その収容されたインク44の後端には、インク44の漏出防止目的でグリース状の追従体45が充填されている。またこの追従体45の中は、追従体45と比重をほぼ同じくした樹脂製の追従棒46を浮遊させている。この追従棒46は、インク44の消費に伴う追従体45の先端方向への追従を確実にすることと、追従体45自体が後端から漏出することとを防止する目的で設けられている。
(2)第2の実施の形態
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るボールペンチップ10をボールペンリフィル40に装着した様子を示したものである。ボールペンチップ10は、ポリブチレンテレフタレート製の継手42を介してポリプロピレン製のインク収容管41の先端に装着される。なお、継手42とボールペンチップ10との間には、筆記先端を上向きに保持した際に、筆記先端から空気が流入してインク44がボールペンリフィル40後端から漏出するのを防止するための逆流防止ボール43が挿入されている。ボールペンチップ10は、前記第1の実施の形態と同様にステンレス鋼製のホルダー20と、その先端に抱持される超硬合金製の筆記ボール11と、その内部空間に収納されるステンレス鋼製のスプリング12とで構成される。
インク収容管41の内部にはインク44が収容される。その収容されたインク44の後端には、インク44の漏出防止目的でグリース状の追従体45が充填されている。
図6は、本第2の実施の形態に係るボールペンチップ10の先端部分を正面断面図(A)及びY−Y断面図(B)で示したものである。ただし、スプリング12は省略してある。また、図6(B)においては筆記ボール11も省略してある。
ボールハウス30は、軸心とほぼ平行な円筒面である内側面31と、この内側面31に連続して後方へ向かって鋭角のテーパー角(y)をもって縮径する連結面32と、さらにこの連結面32に連続して後方へ向かって鈍角のテーパー角(x)をもって縮径する底面33とを有している(図6(A)参照)。なお、図6(A)の断面図においては連結面32と底面33のと接続部分は明確な頂点を有しているが、この接続部分を曲面として明確な頂点は有さないこととしてもよい。また、この底面33の、軸心側の環状の領域は、筆記ボール11の曲面が転写されたボール受座34となっている(図6(B)参照)。一方、テーパー部21の先端は、内向きに口径を狭めるように押圧変形されている(図6(A)参照)。この部分をカシメ部22と称し、ボールハウス30内に収納されたボールが先端から脱落しないように保持するものである。さらに、インク孔26の周囲には、放射状に5本のチャンネル溝27が等配されている(図6(B)参照)。このチャンネル溝27は、底面33と連結面32とに跨って形成されているとともに、その後端はインク孔26の途中にしか達せず、バック孔25までは貫通していない。ここで、本第2の実施の形態においてはバック孔25の先端部分25aは若干縮径している。なお、図6(B)における全てのチャンネル溝27の平面視における面積の合計は、ボールハウス30の平面視における面積の10〜15%が望ましい。また、同じく図6(B)におけるインク孔26と全てのチャンネル溝27の平面視における面積の合計は、ボールハウス30の平面視における面積の45〜55%が望ましい。この数値範囲のいずれについても下限値を下回る場合には筆記時に描線のかすれが生じるおそれがあり、また、上限値を上回る場合にはインクのボタ落ちが十分に防止できないおそれがある。
本発明の実施例を比較例と対照して説明する。
(1)実施例1
実施例1に係るボールペンチップ10は、前記第1の実施の形態で図示したものを用いた(図1及び図2参照)。より詳細には、使用した筆記ボール11の外径は1.0mmで、ボールハウス30内径を1.03mm、ボールハウス30の底面33の直径を0.85mm、インク孔26の径を0.6mm、底面33のテーパー角(x)を140°、連結面32のテーパー角(y)を50°とした。
一方、比較例1として用いたボールペンチップ10は、図4(スプリング12は省略)に示すように、上記実施例1に係るボールペンチップ10において、連結面32を欠き、それにより内側面31と底面33とが直接境界をなす点以外は上記実施例1と同様に形成したものである。
これら実施例1及び比較例1に係るボールペンチップ10を、図3に示すようなボールペンリフィル40に装着した。ボールペンリフィル40に収容されるインク44は、出願人製造のゲルインクボールペン(商品名:ユニボールシグノ、型番:UMN−152)で使用されるもので、インク色は青、赤及び黒の3色を用意した。
上記のボールペンリフィル40を、同ゲルインクボールペンの軸筒に装着して、以下の筆記試験に供した。
筆記試験は、同一の被験者に、上記のようにして調整されたゲルインクボールペンを用いてフリーハンドで直径約3cmの円を連続的に螺旋筆記させたもの(筆記試験1)と、同様に調整されたゲルインクボールペンを、JIS規格S6039に準拠した筆記試験機(ミニテック筆記試験機、三菱鉛筆)に装着し、筆記速度4.5m/分、筆記角度55°、筆記荷重0.8Nの筆記条件で、JIS規格P3201に準拠した筆記試験紙上に、直径3cmの円を連続的に螺旋筆記させたもの(筆記試験2)との2通りで実施した。
上記2通りの筆記試験ごとに、上記各インク色の実施例及び比較例について、それぞれ5本のボールペンリフィルを調整しこれらについて上記筆記試験が実施された。評価基準は、いずれの筆記試験についても、以下の通りとした。
評価A:描線上に全くインクのぼた落ちが見られずきれいな線が得られた。
評価B:描線上の所々に線の太さがやや太くなった部分が認められた。
評価C:描線上にインクの塊が認められた。
筆記試験の結果を下記表1に示す。
インク色が青の場合、筆記試験1では実施例1及び比較例1でいずれも5本とも評価Aと両者で差は見られなかったが、筆記試験2では実施例1が5本とも評価Aだったのに対し、比較例1は評価Bが3本、評価Cが2本と、明らかに実施例1の方が優れた評価を得ている。
インク色が赤の場合、筆記試験1では実施例1が5本とも評価Aだったのに対し、比較例1は評価Aが3本、評価Bが2本であり、実施例1の評価が上回った。そして、筆記試験2では実施例1が5本とも評価Aだったのに対し、比較例1は評価Bが3本、評価Cが2本と、明らかに実施例1の方が優れた評価を得ている。
インク色が黒の場合、筆記試験1及び2いずれの場合も、実施例1が5本とも評価Aだったのに対し、比較例1は評価Aが3本、評価Bが2本であり、実施例1の評価が上回った。
以上を総合すると、実施例1の筆記試験の評価は比較例1のそれを上回ることとなっていた。これは、実施例1のボールペンチップのボールハウスでは、内側面と底面との間に位置するテーパー状の連結面があることによって、ボールハウス内でのインク溜まりの容積が比較例1のそれよりも小さくなっていることで、比較的低粘度のインクの過剰な供給が抑制され、その結果、インクのぼた落ちが防止されているものと結論される。
(2)実施例2
実施例2に係るボールペンチップ10は、前記第2の実施の形態で図示したものを用いた(図6参照)。より詳細には、使用した筆記ボール11の外径は1.4mmで、ボールハウス30内径を1.41mm、ボールハウス30の底面33の直径を1.15mm、インク孔26の径を0.9mm、底面33のテーパー角(x)を120°、連結面32のテーパー角(y)を60°とした。
一方、比較例2として用いたボールペンチップ10は、図7(スプリング12は省略)に示すように、上記実施例2に係るボールペンチップ10において、連結面32を欠き、それにより内側面31と底面33とが直接境界をなす点以外は上記実施例2と同様に形成したものである。
これら実施例2及び比較例2に係るボールペンチップ10を、図5に示すようなボールペンリフィル40に装着した。ボールペンリフィル40に収容されるインク44は黒色のものを用意し、その組成は以下の通りとした。
スピロンブラックGMHスペシャル(保土ヶ谷化学工業):8.0重量%。
バリファーストバイオレット#1702(オリエント化学工業):20.0重量%。
スピロンイエローC−GNH(保土ヶ谷化学工業):5.0重量%。
ポリビニルブチラール BM−1(積水化学):6.0重量%。
YSポリスター T−130(ヤスハラケミカル):4.0重量%。
3−メトキシブタノール:57.0重量%。
上記組成で得られた油性インクの粘度は1,100mPa・sec(25℃、剪断速度:3.83sec-1)であった。
上記のボールペンリフィル40を、出願人製造の油性インクボールペン(商品名:ジェットストリーム、型番:SXN−158)の軸筒に装着して、前記実施例1と同様の筆記試験に供した。筆記試験の評価基準もまた前記実施例1と同様とした。筆記試験の結果を下記表2に示す。
以上より、筆記試験1では実施例2が5本とも評価Aだったのに対し、比較例2は評価Aが3本、評価Bが2本であり、実施例2の評価が上回った。そして、筆記試験2では実施例2が5本とも評価Aだったのに対し、比較例2は評価Bが3本、評価Cが2本と、明らかに実施例2の方が優れた評価を得ている。
以上を総合すると、油性インクの場合も、実施例2の筆記試験の評価は比較例2のそれを上回ることとなっていた。これは、実施例2のボールペンチップのボールハウスでは、内側面と底面との間に位置するテーパー状の連結面があることによって、ボールハウス内でのインク溜まりの容積が比較例2のそれよりも小さくなっていることで、比較的低粘度のインクの過剰な供給が抑制され、その結果、インクのぼた落ちが防止されているものと結論される。
本発明は、ボールペンに用いられるボールペンチップに利用可能である。
10 ボールペンチップ 11 筆記ボール 12 スプリング
13 押し棒
20 ホルダー 21 テーパー部 22 カシメ部
23 縮径部 24 固定部 25 バック孔
25a バック孔の先端部分
26 インク孔 27 チャンネル溝
30 ボールハウス 31 内側面 32 連結面
33 底面 34 ボール受座
40 ボールペンリフィル 41 インク収容管 42 継手
43 逆流防止ボール 44 インク 45 追従体
46 追従棒 47 樹脂玉

Claims (2)

  1. 円柱材を切削して形成されるホルダーと、
    前記ホルダーの一端の外周を先細に切削して形成したテーパー部と、
    前記テーパー部の内周を切削して形成され、内側面、底面、及びこれら内側面と底面とを環状に連結するテーパー状の連結面を備えたボールハウスと、
    前記ホルダーの他端から前記ボールハウスの近傍まで穿孔して形成したバック孔と、
    前記ボールハウスの底面と前記バック孔との間を貫通して形成したインク孔と、
    前記インク孔の周囲に等配された複数箇所を前記ボールハウス側から放射状に切削して形成した溝であるチャンネル溝と、
    前記ボールハウス内に収納される筆記ボールと、
    前記ボールハウスの底面における前記インク孔周辺の領域において前記筆記ボールをバック孔方向へ押圧した際に該筆記ボールの曲面が転写されたボール受座と、
    前記テーパー部の先端部分を内側にカシメ加工して形成したカシメ部と、
    を備えるとともに、
    前記ボールハウスの内径は前記筆記ボールの直径より大きく、
    前記ホルダーの軸心を含む仮想断面において前記底面がなす角のうちボールハウス側の方をxとし、前記連結面がなす角のうちボールハウス側の方をyとしたときx>yであるとともに、
    前記チャンネル溝は、前記底面と連結面との接線を跨るとともに、該チャンネル溝の外端縁は前記ボールハウスの内側面には達しないように切削されていることを特徴とするボールペンチップ。
  2. 前記チャンネル溝の後端は前記インク孔の途中に位置することを特徴とする請求項1記載のボールペンチップ。
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