JP4878261B2 - ボールペンチップ及びボールペンリフィール - Google Patents

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本発明はボールハウスの底面の中心に開けられたインク誘導孔とそれを中心とする放射状の放射状溝を有するボールペン用チップに関する。
ボールペンチップでは、インクを筆記ボール近くに導くインク誘導孔と、実際に筆記に使用されるインクを溜めるボールハウスにインクを誘導する放射状の放射状溝とを備えている。このようなボールペンチップを用いた場合、筆記先端を上向きにした状態で筆記したとき(以下、「上向き筆記」という。)には、非常に短い筆記距離で空気を大量にチップ内に巻き込んでしまうため、インクが追従しなくなりついには筆記不能となる。
このような状態でペン先を上向きにしたまま放置すると、インク誘導孔や放射状溝に滞留していたインクがインク誘導孔の後部まで下がってしまい、書き始めにかすれが生じたり、酷い場合にはチップ後端に嵌合されているチューブ内のインクがチューブ後端まで下がってしまいそのボールペンが使用できない状態(以下、「逆流」という。)が生ずるという問題点があった。
逆流対策を講じた従来技術として、下記特許文献1に開示の発明がある。同発明では、インク誘導孔径を筆記ボール径の30〜55%とし、インク誘導孔長をインク誘導孔径の1.2〜2倍とし、放射状溝を切削加工して形成する際に生じたインク誘導孔に突出したバリを取り除くクリーニングツール径をインク誘導孔径の70〜97%とすることでチップ内に巻き込まれた空気の排出を容易にし、上向き放置時の逆流を抑えている。
また、下記特許文献2に開示の発明では、インク誘導孔径を筆記ボール径の30〜55%としたボールペンチップと曳糸性を有したインクとの組み合わせにより逆流対策を実現している。
特開平08−207482号公報 特開平08−197880号公報
前記の各従来技術においては確かに逆流に対する対策は講じられているが、性能としては不十分であった。
そこで本発明は、上向き筆記性能をさらに向上させることが可能であり、かつ逆流を起こすことがないボールペンチップ及びこれを利用したボールペンリフィールを提供することを課題とする。
上記の課題を解決すべく、本発明は、ホルダー21と、
前記ホルダー21の先端の外周が先細に形成されているテーパー部22と、
前記テーパー部22の内部空間として形成されたボールハウス29と、
前記ホルダー21の後端から前記ボールハウス29の近傍まで達する内部空間としてのバック孔32と、
前記ボールハウス29と前記バック孔32との間を連絡する断面円形の孔であるインク誘導孔33と、
前記ボールハウス29の底面30と前記インク誘導孔33とを連絡するように同インク誘導孔33の周囲に等配された複数の溝である放射状溝34と、
前記ボールハウス29内に位置する筆記ボール35と、
前記ボールハウス29の底面30において前記筆記ボール35の曲面の一部が転写されて形成されたボール受座31と、
前記テーパー部22の先端部分が内側にかしめられているカシメ部25とを備えるボールペンチップ20であって、
前記放射状溝34の溝幅は内周側より外周側の方が広く、
同放射状溝34の後端はインク誘導孔33の途中で留まるとともに、
前記インク誘導孔径をD(mm)及び前記インク誘導孔長をL(mm)としたときに、
R=L/D4
で定義される流体抵抗値Rが、300以上かつ500以下であることを特徴とする。
「ホルダー21」とは、ボールペンチップ20から「筆記ボール35」を除いた本体部分をいい、たとえば、ステンレス鋼等の金属製の「円柱材」を切削することにより形成される。あるいは、用途によってはパイプ材の塑性変形加工及び切削加工により形成されることもある。その他、本発明のホルダー21として使用できる金属は、たとえば、洋白、燐青銅、真鍮などの銅合金、アルミニウム合金、チタン合金、各種ステンレス鋼などが挙げられる。また、アセタール樹脂等の熱可塑性樹脂等のプラスチックの成形加工によってもホルダー21を形成することは可能である。
このホルダー21の先端側で先細に形成されている部分を「テーパー部22」という。たとえば、ホルダー21が金属製の円柱材より形成される場合にはこのテーパー部22は切削加工により形成されることとなる。ここでいう「先端」とは、ボールペンチップ20の筆記先端の側であり、またその反対側が「後端」であることはいうまでもない。なお、ホルダー21後端側については特に限定はないが、外径を減じるように切削して「インク収容管11」に直接挿入される部分、あるいはこれとの間に介在する継手等に挿入される部分を形成することもできる。
「ボールハウス29」とは、先端側からテーパー部22の内周に当たる部分に形成された空間をいい、この中に筆記ボール35が挿入される。ホルダー21が金属製の円柱材より形成される場合にはボールハウス29は先端からの切削加工で形成される。また、ホルダー21が比較的肉厚のパイプ材より形成される場合にはボールハウス29は円柱材のときとほぼ同様の切削加工で形成される。
「バック孔32」とは、ホルダー21の後端からボールハウス29に達しない近傍までに達する中心孔で、ホルダー21が金属製の円柱材より形成される場合には切削加工により形成される。また、比較的肉厚のパイプ材より形成される場合には後端からボールハウス29までの内部空間の内径を広げるように切削した空間がバック孔32となる。この中を「インク収容管11」に収容されるインクがボールハウス29まで誘導されることとなっている。
「インク誘導孔33」とは、バック孔32とボールハウス29とを連結するバック孔32よりも小径な中心孔である。
「放射状溝34」とは、インク誘導孔33周囲に複数等配された軸方向の溝である。ホルダー21が金属製の円柱材より形成される場合には放射状溝34はボールハウス29の底面30からブローチ加工ツールによる切削加工で形成される。また、比較的肉厚のパイプ材より形成される場合にもほぼ同様に、ボールハウス29の底面30からブローチ加工ツールによる切削加工で形成される。前記バック孔32の先端まで誘導されたインクは、インク誘導孔33からこの放射状溝34を経由して、ボールハウス29へ至ることとなる。なお、この放射状溝34は、バック孔32まで貫通せず、その後端はインク誘導孔33の途中で留まっている。
この放射状溝34の溝幅は内周側より外周側の方が広くなっている。すなわち、放射状溝34の断面は略扇形を呈することとなっている。このような放射状溝34の形状は、速書性を構造させるべくインク誘導孔径を小径にする場合に特に適している。すなわち、インク誘導孔33が小径の場合にはインクの流通を確保するために放射状溝34の幅をある程度確保しなければならないが、幅自体を均一にすると放射状溝34の根本側、すなわち内周側がインク誘導孔33の内周長に占める割合が大きくなり、実質的にインク誘導孔径が大きくなってしまう。これによりインク誘導孔33を小径にした意義が損なわれてしまう。そこで、本発明のように、放射状溝34の溝幅を内周側より外周側の方が広くすることで、インク誘導孔33が小径であることを保ちつつ、放射状溝34の断面積も確保することが可能となる。
「筆記ボール35」とは、たとえば、超硬合金、ステンレス鋼などの金属、ジルコニア、炭化ケイ素等のセラミック等から形成される球体であり、前記ボールハウス29に挿入される。ボールハウス29へ至ったインクは、筆記ボール35表面に付着して筆記面に転写されることになる。
「ボール受座31」とは、金属製のホルダー21の場合、ボールハウス29に挿入された筆記ボール35を、いわゆる「タタキ加工」により後方に押圧して、ボールハウス29の底面30に筆記ボール35の曲面が転写されてできた凹曲面をいう。なお、プラスチックのホルダー21の場合は、このような凹曲面を有するような金型で成型されることも可能である。
「カシメ部25」とは、筆記ボール35をボールハウス29に挿入した後のテーパー部22の小口を内方にカシメ加工して内径を減じ、筆記ボール35の脱落を防止する構造である。
本発明においてはさらに、インク誘導孔33の径(D)と長さ(L)との関係で
R=L/D4
で定義される流体抵抗値(R)について、300以上かつ500以下としている。
上記流体抵抗値は、上記式からも明らかなように、インク誘導孔長に比例して大きくなり、また、インク誘導孔径の四乗に反比例して大きくなる。すなわち、インクの流路であるインク誘導孔33の長さが長くなるほど、また、径が小さくなるほど流体抵抗値が大きくなることとなる。
これまでも一般的には、インク誘導孔径を小さくした方が毛管力が得られ、インクの途切れに対し有効であることは知られていた。ただし、インク誘導孔径が筆記ボール径に対し小さすぎるとインクの供給が不十分となり高速筆記時ではインクが追従しなくなる上に、インク誘導孔33を形成する際のツール径が細くなり折れ易く生産性に乏しくなる。
しかし、本発明においては、インク誘導孔径とインク誘導孔長とのバランスを考慮し、上記の通り、流体抵抗値が300以上かつ500以下となるのが好適であることとなった。ここで、流体抵抗値が250未満であると、上向き筆記性が低下するとともに、逆流が生じやすくなる。なお、流体抵抗値は、望ましくは、300以上かつ500以下がより好適である。すなわち、この範囲内であれば、逆流防止効果に加え、上向き筆記性も向上することとなる。
また、本発明は、上記ボールペンチップ20が先端に装着されるとともに、インクを内部に収容するインク収容管11とを有することを特徴とするボールペンリフィール10とすることができる。
すなわち、上記ボールペンチップ20における流体抵抗値の範囲は、特に、粘度が3.0Pa・sec以上で曳糸性に富む油性インクを内蔵するボールペンリフィール10に好適である。
また、本発明は、直径0.6mm以上の比較的大径の筆記ボール35を用いる場合に特に好適である。
本発明のボールペンチップを使用すると、上向き筆記において空気の巻き込みによるボールペンチップのインク誘導孔内のインクの途切れを抑えられ、上向きでの筆記可能距離を長くすることができる。また、上向き筆記時においてボールペンチップ内へ巻き込まれた空気の蓄積が抑えられるため、逆流を起こしにくくすることができる。さらに、高速筆記に対する追従性においてもボールペンチップ内に巻き込まれた空気の蓄積が少ないため、描線が切れた場合であっても短時間で回復することができる。
そして、上向き筆記の場合にも、連続的に筆記が可能であり、逆流を起こすことがないボールペンチップ及びこれを利用したボールペンリフィールを提供することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るボールペンリフィール10は、図1の一部断面正面図に示すように、ボールペンチップ20と、継手14と、インク収容管11とから構成される。
インク収容管11は、ポリプロピレン製の管であり、粘度が3Pa・sec以上の油性インク12が充填されている。
図2は、ボールペンチップ20の正面図である。ステンレス鋼製の円柱材のホルダー21の先端部分が先細に略円錐状に切削されてテーパー部22として形成されている。一方、後端部分は外径を減じた被挿入部28として形成されている。さらにテーパー部22の内側に抱持される筆記ボール35の先端部が先端縁から露出するとともに、テーパー部22の小口が内方に押圧されて縮径変形されたカシメ部25として形成されている。
前記図2並びにカシメ工程前の状態を示す図3の一部正面断面図及びカシメ工程後の状態を示す図4の一部正面断面図を参照しつつ、本発明に係るボールペンチップ20の製造工程を説明する。
まず、ステンレス鋼製の円柱材の先端側が先細に切削されてテーパー部22が形成される(図2参照)。次に、ホルダー21の後端付近の外径を減じるように切削して被挿入部28が形成される(図2参照)。
そして、ホルダー21の後端から、テーパー部22の中途部分に至るまで、バック孔32が穿孔される(図2及び図3参照)。次に、ホルダー21の先端からバック孔32まで、インク誘導孔33を貫通させた後、再び先端から筆記ボール35外径よりやや大径のドリルにて、ボールハウス29が切削形成される(図3参照)。続いて、ボールハウス29の底面30より、ブローチ加工ツールを用いて、インク誘導孔33の回りに放射状に等配された4本の放射状溝34が形成されている(図3及び図5参照)。この放射状溝34は、バック孔32までは貫通せず、インク誘導孔33の途中までで止められる。また、放射状溝34を形成するためのブローチ加工ツールの4本の突条刃の幅は、根本部分で最小となり、また縁部分で最大となっているので、図5の断面図に示すように、放射状溝34の断面形状は外周側が内周側より大きい略扇形を呈することとなっている。
ここで、ボールハウス29に超硬合金製の筆記ボール35が挿入され、続いて筆記ボール35は先端方向から叩かれる。これにより、ボールハウス29の底面30に筆記ボール35の球面の一部が押圧変形により転写される。これがボール受座31となる(図3参照)。
次いで、カシメツールによりテーパー部22の先端が内方に押圧変形されて、カシメ部25が形成される(図4参照)。
完成したボールペンチップ20は、その被挿入部28がインク収容管11の先端に挿入されて装着される(図1参照)。ボールペンリフィール10内には、油性インク12が注入される。かくして、ボールペンリフィール10が完成する(図1参照)。
本実施の形態においては、筆記ボール径が0.70mm、インク誘導孔径(D)が0.20mm、インク誘導孔長(L)が0.60mmという寸法関係となっている(図4参照)。これにより、
R=L/D4
で定義される流体抵抗値(R)は、375という値を取ることとなる。
以下、本発明の実施例を、比較例との対比において説明する。
(1)実施例及び比較例
各実施例及び比較例に係るボールペンチップのいずれも、筆記ボール径は0.7mm又は1.0mmで、前記の実施の形態のような放射状溝を備えたタイプのものとして形成した。これらボールペンチップは、インク収容管の先に装着され、前記の実施の形態のような形状のボールペンリフィールとした。なお、インク収容管及び収容するインクは市販の油性ボールペンのボールペンリフィール(SA−7N、インク色:黒、三菱鉛筆)で使用されているものである。これを、市販の油性ボールペン(SG−100−07、三菱鉛筆)の軸に装着して下記試験に供した。
各実施例及び比較例における筆記ボール径、インク誘導孔径(D)及びインク誘導孔長(L)並びにこれらD及びLより算出される流体抵抗値(R)を以下の表1に示す。
Figure 0004878261
(2)試験方法
下記の判定基準については「A」が最も良く、その次が「B」となり、「C」が最も悪い。
(2−1)上向き筆記試験
各実施例又は比較例に係るボールペンリフィールを装着したボールペンを、垂直に立てた筆記用紙(JIS規格P3201準拠)に対して筆記角度が筆記先端が60°、すなわち筆記先端が水平より上向きに30°になるように設置した。筆記加重は1.96N、筆記速度は6.6m/分として、連続直線筆記を行った。筆記距離は15mとした。各実施例及び比較例でそれぞれ10本のサンプルについてこの条件で筆記を行わせ、10本全数で筆記が可能であった場合は「A」、1本以上で描線の一部に途切れ又はカスレが見られるものの筆記は可能であった場合は「B」、1本以上で筆記が不可能であった場合は「C」とそれぞれ評価した。
(2−2)逆流試験
上記上向き筆記試験の直後に、筆記先端を上向きにして1時間放置し、インクの逆流の有無を確認した。サンプル数は上向き筆記試験と同様、各10本とした。
その結果、10本全数で逆流がなかった場合は「A」、1本以上5本以下で逆流が見られた場合は「B」、6本以上で逆流が見られた場合は「C」と評価した。
(2−3)高速追従性試験
各実施例又は比較例に係るボールペンリフィールを装着したボールペンを、JIS規格S6039に準拠した筆記試験機(ミニテック筆記試験機、三菱鉛筆)にセットした。筆記条件は、水平面上の筆記用紙に対して筆記角度が60°、筆記加重は1.96N、筆記速度は18m/分とした。各実施例及び比較例でそれぞれ5本のサンプルについてこの条件で連続筆記を行い、5本全数で描線の途切れやカスレが全くなかった場合は「A」、1本以上で描線の一部に途切れ又はカスレが見られるものの回復が早かった場合は「B」、1本以上で描線の一部に途切れ又はカスレが見られ回復も遅かった場合は「C」とそれぞれ評価した。
(3)結果
上記各試験の結果を、流体抵抗値(R)と対比したものを下記表2に示す。
Figure 0004878261
(3−1)逆流防止効果について
上記の結果、流体抵抗値(R)が250以上であった各実施例は、逆流が全く見られなかった。一方、流体抵抗値(R)が250未満である各比較例においては、逆流がサンプルの一部で生ずるか(比較例1、5)、あるいは全サンプルで生ずることとなった(比較例2〜4、5)。
これは、インク誘導孔の流体抵抗が低い場合は、毛細管力も小さく、それによって筆記先端を上向きにした際にインク誘導孔内のインクが下降しやすくなり、それにより逆流が生じやすくなるものと考えられる。よって、流体抵抗値(R)が250以上であることが、逆流防止に効果があったことがわかった。
(3−2)上向き筆記性について
各実施例のうち筆記ボール径を0.7mm及びインク誘導孔径(D)を0.20mmに固定した実施例1〜7においては、流体抵抗値(R)が300以上500以下であった実施例2〜5では全サンプルで上向き筆記性が「A」と良好であった。これに対し、流体抵抗値(R)が300を下回る実施例1では評価が「B」と上向き筆記性が低下した。一方、500を上回った実施例6及び7では評価が「C」と上向き筆記性が大きく低下した。なお、筆記ボール径及びインク誘導孔径を同じくする比較例1(流体抵抗値(R)は188)は上向き筆記性が実施例2〜5(流体抵抗値(R)は300〜500)に比べて「B」と劣っていた。
また、流体抵抗値(R)が300〜500の範囲を外れる実施例8及び9は、上向き筆記性が「B」と実施例2〜5に比べ劣ることとなった。
さらに、流体抵抗値(R)が250未満で逆流防止性が芳しくなかった比較例2〜6については、この上向き筆記性についても比較例5で「B」であった他は全て「C」とやはり結果は芳しくなかった。
これは、重力に逆らった上向き筆記を可能にするにはインク誘導孔にある程度の流体抵抗が必要である一方、それが大き過ぎると逆にインクの流れ自体が困難になるため上向き筆記性は低下するものと考えられる。よって、逆流防止効果に加えて、上向き筆記性も向上させるためには流体抵抗値が300以上500以下であることが望ましい。
(3−3)高速追従性について
流体抵抗値(R)が250以上500以下であった実施例1〜5及び8では、高速追従性には全く問題はなかった。また、上記範囲は下回るものの、それほど小さくはない比較例1でも高速追従性は問題なかった。しかし、250を大きく下回る比較例2〜4及び6では、空気の巻き込みが多いため高速追従性が著しく劣ることとなった。また、流体抵抗値(R)が、評価が「A」の比較例1(188)と「C」の比較例4(53)との間に位置する比較例5では、空気の巻き込みによる高速追従性の劣化がこれらの中程度(「B」)となった。一方、500を上回る実施例6、7及び9では流体抵抗の強さにより、高速追従性がやや劣ることとなった。
本発明は、ボールペン、特にインク粘度の比較的高い油性ボールペンへの利用に適している。
本発明の実施の形態に係るボールペンリフィールの一部断面正面図である。 本発明の実施の形態に係るボールペンチップの正面図である。 本発明の実施の形態に係るボールペンチップの製造工程を示す要部一部断面正面図である。 本発明の実施の形態に係るボールペンチップの要部一部断面正面図である。 図4のV−V断面図である(筆記ボールは除いてある。)。
符号の説明
10 ボールペンリフィール 11 インク収容管 12 油性インク
20 ボールペンチップ 21 ホルダー 22 テーパー部
25 カシメ部 28 被挿入部 29 ボールハウス
30 底面 31 ボール受座 32 バック孔
33 インク誘導孔 34 放射状溝 35 筆記ボール

Claims (2)

  1. ホルダーと、
    前記ホルダーの先端の外周が先細に形成されているテーパー部と、
    前記テーパー部の内部空間として形成されたボールハウスと、
    前記ホルダーの後端から前記ボールハウスの近傍まで達する内部空間としてのバック孔と、
    前記ボールハウスと前記バック孔との間を連絡する断面円形の孔であるインク誘導孔と、
    前記ボールハウスの底面と前記インク誘導孔とを連絡するように同インク誘導孔の周囲に等配された複数の溝である放射状溝と、
    前記ボールハウス内に位置する筆記ボールと、
    前記ボールハウスの底面において前記筆記ボールの曲面の一部が転写されて形成されたボール受座と、
    前記テーパー部の先端部分が内側にかしめられているカシメ部とを備えるボールペンチップであって、
    前記放射状溝の溝幅は内周側より外周側の方が広く、
    同放射状溝の後端はインク誘導孔の途中で留まるとともに、
    前記インク誘導孔径をD(mm)及び前記インク誘導孔長をL(mm)としたときに、
    R=L/D4
    で定義される流体抵抗値Rが、300以上かつ500以下であることを特徴とするボールペンチップ。
  2. ホルダーと、
    前記ホルダーの先端の外周が先細に形成されているテーパー部と、
    前記テーパー部の内部空間として形成されたボールハウスと、
    前記ホルダーの後端から前記ボールハウスの近傍まで達する内部空間としてのバック孔と、
    前記ボールハウスと前記バック孔との間を連絡する断面円形の孔であるインク誘導孔と、
    前記ボールハウスの底面と前記インク誘導孔とを連絡するように同インク誘導孔の周囲に等配された複数の溝である放射状溝と、
    前記ボールハウス内に位置する筆記ボールと、
    前記ボールハウスの底面において前記筆記ボールの曲面の一部が転写されて形成されたボール受座と、
    前記テーパー部の先端部分が内側にかしめられているカシメ部とを備えるボールペンチップと、
    前記ボールペンチップが先端に装着されるとともに、インクを内部に収容するインク収容管とを有することを特徴とするボールペンリフィールであって、
    前記放射状溝の溝幅は内周側より外周側の方が広く、
    同放射状溝の後端はインク誘導孔の途中で留まるとともに、
    前記インク誘導孔径をD(mm)及び前記インク誘導孔長をL(mm)としたときに、
    R=L/D4
    で定義される流体抵抗値Rが、300以上かつ500以下であることを特徴とするボールペンリフィール。
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