JP2019010870A - ボールペンチップ - Google Patents
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Abstract
【課題】筆記時の筆圧の大小でインキ吐出量をコントロールでき抑揚のある筆跡が得られ、しかも、落下等の衝撃が加わってもボールが外部に脱落することを防止できるボールペンチップを提供する。【解決手段】ボール受け座5が、軸方向前方に向かうに従い次第に拡径する傾斜面を備え、比較的小さな筆圧で筆記した際、ボール受け座5の傾斜面にボール3が回転可能に接触され、ボール3とボール抱持部6との間にインキ流通用の径方向の隙間9が形成され、比較的大きな筆圧で筆記した際、ボール受け座5の傾斜面にボール3が圧接されることにより、ボール抱持部6が弾性的に径方向外方に拡径変形され、ボール3とボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9が、比較的小さい筆圧で筆記した際のインキ流通用の径方向の隙間9よりも大きく形成される【選択図】 図1
Description
本発明は、ボールペンチップに関する。
この種のボールペンチップにおいて、特許文献1には、樹脂製のチップ本体におけるボール抱持孔の前端位置にボールがその内面に水密に接触してシール可能なボール抜け止め用の先端開口絞り縁部を設け、チップ本体におけるボールの後方の内面部に、ボールを前方に押して上記のようにチップ本体の先端開口絞り縁部に当接させる板バネ片と、ボールが同板バネ片に抗して所要量後退したときに同ボールに当接して後退を阻止するストッパー片とをチップ本体に一体的に設けたことを特徴とするボールを使用する修正具又は筆記用ボールペンにおける先端チップが開示されている。
前記特許文献1のボールペンチップは、非筆記時に先端開口絞り縁部(本願発明の前端縁部に相当)にボールを当接させるために、板バネ片等でボールが前方に付勢されているため、弱い筆圧でもボールがストッパー片に当接される。そのため、前記特許文献1のボールペンチップは、筆圧の大小でインキ吐出量は大きく変化せず略一定であり、筆圧の大小で筆記時のインキ吐出量をコントロールできず、筆跡幅が変化する抑揚のある筆跡を得ることができない。
また、前記特許文献1のボールペンチップは、射出成形でチップ本体を得る場合、先端開口絞り縁部はアンダーカットとなるため、径方向内方に余り大きく突出させることができず、それにより、十分なボール保持力を有する先端開口絞り縁部を得ることができず、落下等の衝撃でボールが外部に脱落するおそれがある。
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、筆記時の筆圧の大小でインキ吐出量をコントロールでき抑揚のある筆跡が得られ、しかも、落下等の衝撃が加わってもボールが外部に脱落することを防止できるボールペンチップを提供しようとするものである。尚、本発明で、「前」とは、ボールペンチップ先端側を指し、「後」とは、その反対側を指す。
本願の第1の発明は、合成樹脂製のチップ本体2と、前記チップ本体2の前端に一体に形成された内向きの前端縁部4と、前記前端縁部4の後方のチップ本体2の内部に一体に形成されたボール受け座5と、前記前端縁部4と前記ボール受け座5との間のチップ本体2の前端部に形成されるボール抱持部6と、前記ボール抱持部6内に回転可能に抱持されたボール3と、を備えたボールペンチップであって、前記ボール3が、常時、前方への非付勢状態で、前記ボール抱持部6内を前後方向に移動可能に設けられ、前記ボール受け座5が、軸方向前方に向かうに従い次第に拡径する傾斜面を備え、比較的小さな筆圧で筆記した際、前記ボール受け座5の傾斜面にボール3が回転可能に接触され、前記ボール3と前記ボール抱持部6との間にインキ流通用の径方向の隙間9が形成され、比較的大きな筆圧で筆記した際、前記ボール受け座5の傾斜面にボール3が圧接されることにより、前記ボール抱持部6が弾性的に径方向外方に拡径変形され、前記ボール3と前記ボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9が、前記比較的小さな筆圧で筆記した際のインキ流通用の径方向の隙間9よりも大きく形成されることを要件とする。
前記第1の発明のボールペンチップ1は、比較的大きな筆圧で筆記した際、前記ボール受け座5の傾斜面にボール3が圧接されることにより、前記ボール抱持部6が弾性的に径方向外方に拡径変形され、前記ボール3と前記ボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9が、前記比較的小さな筆圧で筆記した際のインキ流通用の径方向の隙間9よりも大きく形成されることにより、筆記時の筆圧の大小でインキ吐出量をコントロールでき、筆跡幅が変化する抑揚のある筆跡を得ることができる。
また、前記第1の発明のボールペンチップ1は、前記ボール3が、常時、前方への非付勢状態で、ボール抱持部6内を前後方向に移動可能に設けられ、しかも、筆記時、インキの吐出性を向上させるために前端縁部4の内径を予め大きくする設定する必要がないため、非筆記時、前端縁部4の内径を予め小さく設定でき、前端縁部4による十分なボール保持力を得る。その結果、落下等の衝撃が加わってもボール3が外部に脱落することを防止できる。
本願の第2の発明は、前記第1の発明のボールペンチップ1において、前記ボール受け座5が、前記傾斜面を構成する第1の座51と、該第1の座51から後方に一体に連設される第2の座52とを備え、比較的小さな筆圧で筆記した際、前記ボール3が、前記第1の座51と接触状態にあり且つ前記第2の座52と非接触状態にあり、比較的大きな筆圧で筆記した際、前記ボール3が、前記第1の座51及び前記第2の座52の両者に接触状態にあり、比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7の内径が、比較的大きな筆圧で筆記した際の前記第2の座52と前記ボール3との接触部8の内径より大きく設定されることを要件とする。
前記第2の発明のボールペンチップ1は、前記ボール受け座5が、前記傾斜面を構成する第1の座51と、該第1の座51から後方に一体に連設される第2の座52とを備え、比較的小さな筆圧で筆記した際、前記ボール3が、前記第1の座51と接触状態にあり且つ前記第2の座52と非接触状態にあり、比較的大きな筆圧で筆記した際、前記ボール3が、前記第1の座51及び前記第2の座52の両者に接触状態にあり、比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7の内径が、比較的大きな筆圧で筆記した際の前記第2の座52と前記ボール3との接触部8の内径より大きく設定されることにより、比較的大きな筆圧で筆記した際、第1の座51とボール3との圧接によりボール抱持部6を容易に拡径変形することができるとともに、第2の座52で容易にボール3の後方移動を規制でき、インキの過剰吐出を防止できる。
本願の第3の発明は、前記第2の発明のボールペンチップ1において、前記第2の座52と軸線とのなす角度βが、前記第1の座51と軸線となす角度αより大きいことを要件とする。
前記第3の発明のボールペンチップ1は、前記第2の座52と軸線とのなす角度βが、前記第1の座51と軸線となす角度αより大きいことにより、一層、第1の座51とボール3との圧接によりボール抱持部6を容易に拡径変形することができるとともに、第2の座52で容易にボール3の後方移動を規制でき、インキの過剰吐出を防止できる。
本願の第4の発明は、前記第3の発明のボールペンチップ1において、前記第1の座51と軸線とのなす角度αが45度以下であり、前記第2の座52と軸線とのなす角度βが45度より大きいことを要件とする。
前記第4の発明にボールペンチップ1は、前記第1の座51と軸線とのなす角度αが45度以下であり、前記第2の座52と軸線とのなす角度βが45度より大きいことにより、確実に、第1の座51とボール3との圧接によりボール抱持部6を容易に拡径変形することができるとともに、第2の座52で容易にボール3の後方移動を規制でき、インキの過剰吐出を防止できる。前記第1の座と軸線とのなす角度αは40度以上が好ましい。それにより、比較的大きな筆圧で筆記した際、ボール3が第1の座に食いつくことを防止でき、円滑なボール3の回転が維持される。
本願の第5の発明は、前記第2乃至第4の発明の何れかのボールペンチップ1において、前記ボール受け座5が、中心孔53と該中心孔53より径方向外方に放射状に延びる複数のインキ誘導溝54とを備え、前記中心孔53及び前記インキ誘導溝54が軸方向に貫通され、前記第1の座51及び前記第2の座52に、前記インキ誘導溝54が開口されることを要件とする。
前記第5の発明のボールペンチップ1は、前記ボール受け座5が、中心孔53と該中心孔53より径方向外方に放射状に延びる複数のインキ誘導溝54とを備え、前記中心孔53及び前記インキ誘導溝54が軸方向に貫通され、前記第1の座51及び前記第2の座52に、前記インキ誘導溝54が開口されることにより、筆圧の大小によらずボール3に十分なインキが供給され、高速で筆記をした場合でも、筆跡途切れや筆跡うすの発生を抑えることができる。
本願の第6の発明は、前記第1乃至第5の発明の何れかのボールペンチップ1において、前記チップ本体2の前端部外面に、小外径部21と、該小外径部21より後方に段部23を介して連設され且つ該小外径部21より大きい外径を有する大外径部22とを備え、前記段部23が、前記ボール受け座5の傾斜面より後方に位置されることを要件とする。
前記第6の発明のボールペンチップ1は、前記チップ本体2の前端部外面に、小外径部21と、該小外径部21より後方に段部23を介して連設され且つ該小外径部21より大きい外径を有する大外径部22とを備え、前記段部23が、前記ボール受け座5の傾斜面(第1の座51)よりも後方に位置されることにより、ボール抱持部6を薄肉に形成でき、ボール抱持部6を容易に拡径変形させることができる。
本願の第7の発明は、合成樹脂製のチップ本体2と、前記チップ本体2の前端に一体に形成された内向きの前端縁部4と、前記前端縁部4の後方のチップ本体2の内部に一体に形成されたボール受け座と、前記前端縁部4と前記ボール受け座との間のチップ本体2の前端部に形成されるボール抱持部と、前記ボール抱持部内に回転可能に抱持されたボール3と、を備えたボールペンチップであって、前記ボール3が常時前方に付勢され、非筆記時、前記前端縁部4内面に前記ボール3が密接され、前記ボール3が前記ボール抱持部内を前後方向に移動可能に設けられ、前記ボール受け座が、軸方向前方に向かうに従い次第に拡径する傾斜面を備え、比較的小さな筆圧で筆記した際、前記ボール受け座の傾斜面にボール3が回転可能に接触され、前記ボール3と前記ボール抱持部との間にインキ流通用の径方向の隙間が形成され、比較的大きな筆圧で筆記した際、前記ボール受け座の傾斜面にボール3が圧接されることにより、前記ボール抱持部が弾性的に径方向外方に拡径変形され、前記ボール3と前記ボール抱持部との間のインキ流通用の径方向の隙間が、前記比較的小さな筆圧で筆記した際のインキ流通用の径方向の隙間よりも大きく形成されることを要件とする。
前記第7の発明のボールペンチップ1は、比較的大きな筆圧で筆記した際、前記ボール受け座5の傾斜面にボール3が圧接されることにより、前記ボール抱持部6が弾性的に径方向外方に拡径変形され、前記ボール3と前記ボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9が、前記比較的小さな筆圧で筆記した際のインキ流通用の径方向の隙間9よりも大きく形成されることにより、筆記時の筆圧の大小でインキ吐出量をコントロールでき、筆跡幅が変化する抑揚のある筆跡を得ることができる。
また、前記第7の発明のボールペンチップ1は、筆記時、インキの吐出性を向上させるために前端縁部4の内径を予め大きくする設定する必要がないため、非筆記時、前端縁部4の内径を予め小さく設定でき、前端縁部4による十分なボール保持力を得る。その結果、落下等の衝撃が加わってもボール3が外部に脱落することを防止できる。さらに、前端縁部4の内径を予め小さく設定できるため、前方付勢されたボール3が前端縁部4の内面に安定して密接することができる。
本願の第8の発明は、前記第7の発明のボールペンチップ1において、前記ボール受け座が、前記傾斜面を構成する第1の座と、該第1の座から後方に一体に連設される第2の座とを備え、比較的小さな筆圧で筆記した際、前記ボール3が、前記第1の座と接触状態にあり且つ前記第2の座と非接触状態にあり、比較的大きな筆圧で筆記した際、前記ボール3が、前記第1の座及び前記第2の座の両者に接触状態にあり、比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座と前記ボール3との接触部の直径が、比較的大きな筆圧で筆記した際の前記第2の座と前記ボール3との接触部の内径より大きく設定されることを要件とする。
前記第8の発明のボールペンチップ1は、前記ボール受け座5が、前記傾斜面を構成する第1の座51と、該第1の座51から後方に一体に連設される第2の座52とを備え、比較的小さな筆圧で筆記した際、前記ボール3が、前記第1の座51と接触状態にあり且つ前記第2の座52と非接触状態にあり、比較的大きな筆圧で筆記した際、前記ボール3が、前記第1の座51及び前記第2の座52の両者に接触状態にあり、比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7の内径が、比較的大きな筆圧で筆記した際の前記第2の座52と前記ボール3との接触部8の内径より大きく設定されることにより、比較的大きな筆圧で筆記した際、第1の座51とボール3との圧接によりボール抱持部6を容易に拡径変形することができるとともに、第2の座52で容易にボール3の後方移動を規制でき、インキの過剰吐出を防止できる。
本願の第9の発明は、前記第8の発明のボールペンチップ1において、前記第2の座52と軸線とのなす角度βが、前記第1の座51と軸線となす角度αより大きいことを要件とする。
前記第9の発明のボールペンチップ1は、前記第2の座52と軸線とのなす角度βが、前記第1の座51と軸線となす角度αより大きいことにより、一層、第1の座51とボール3との圧接によりボール抱持部6を容易に拡径変形することができるとともに、第2の座52で容易にボール3の後方移動を規制でき、インキの過剰吐出を防止できる。
本願の第10の発明は、前記第9の発明のボールペンチップ1において、前記第1の座51と軸線とのなす角度αが45度以下であり、前記第2の座52と軸線とのなす角度βが45度より大きいことを要件とする。
前記第10の発明にボールペンチップ1は、前記第1の座51と軸線とのなす角度αが45度以下であり、前記第2の座52と軸線とのなす角度βが45度より大きいことにより、確実に、第1の座51とボール3との圧接によりボール抱持部6を容易に拡径変形することができるとともに、第2の座52で容易にボール3の後方移動を規制でき、インキの過剰吐出を防止できる。前記第1の座と軸線とのなす角度αは40度以上が好ましい。それにより、比較的大きな筆圧で筆記した際、ボール3が第1の座に食いつくことを防止でき、円滑なボール3の回転が維持される。
本願の第11の発明は、前記第8乃至第10の発明の何れかのボールペンチップ1において、前記ボール受け座5が、中心孔53と該中心孔53より径方向外方に放射状に延びる複数のインキ誘導溝54とを備え、前記中心孔53及び前記インキ誘導溝54が軸方向に貫通され、前記第1の座51及び前記第2の座52に、前記インキ誘導溝54が開口されることを要件とする。
前記第11の発明のボールペンチップ1は、前記ボール受け座5が、中心孔53と該中心孔53より径方向外方に放射状に延びる複数のインキ誘導溝54とを備え、前記中心孔53及び前記インキ誘導溝54が軸方向に貫通され、前記第1の座51及び前記第2の座52に、前記インキ誘導溝54が開口されることにより、筆圧の大小によらずボール3に十分なインキが供給され、高速で筆記をした場合でも、筆跡途切れや筆跡うすの発生を抑えることができる。
本願の第12の発明は、前記第7乃至第11の発明の何れかのボールペンチップ1において、前記チップ本体2の前端部外面に、小外径部21と、該小外径部21より後方に段部23を介して連設され且つ該小外径部21より大きい外径を有する大外径部22とを備え、前記段部23が、前記ボール受け座5の傾斜面より後方に位置されることを要件とする。
前記第12の発明のボールペンチップ1は、前記チップ本体2の前端部外面に、小外径部21と、該小外径部21より後方に段部23を介して連設され且つ該小外径部21より大きい外径を有する大外径部22とを備え、前記段部23が、前記ボール受け座5の傾斜面(第1の座51)よりも後方に位置されることにより、ボール抱持部6を薄肉に形成でき、ボール抱持部6を容易に拡径変形させることができる。
本発明のボールペンチップは、筆記時の筆圧の大小でインキ吐出量をコントロールでき抑揚のある筆跡が得られ、しかも、落下等の衝撃が加わってもボールが外部に脱落することを防止できる。
<第1の実施の形態>
本発明のボールペンチップの第1の実施の形態を図1乃至図10に示す。
本発明のボールペンチップの第1の実施の形態を図1乃至図10に示す。
本実施の形態のボールペンチップ1は、合成樹脂製のチップ本体2と、該チップ本体2の前端に回転可能に抱持されるボール3とを備える。前記チップ本体2の前端には径方向内方に突出する内向きの前端縁部4が一体に形成され、前記前端縁部4の後方のチップ本体2の内部にはボール受け座5が一体に形成される。前記前端縁部4と前記ボール受け座5との間にボール抱持部6が形成され、前記ボール抱持部6に、ボール3が回転可能に抱持される。
前記チップ本体2は、例えば、ポリアセタール樹脂の射出成形により得られる。前記ボール3は直径0.7mmのものが採用される。前記ボール3の材質は特に限定されないが、一般に金属またはセラミックスからなるものが用いられる。前記ボール3は、例えば、炭化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、炭化ケイ素などのセラミックスやステンレス鋼などの金属が用いられる。また、前記ボール3は、セラミックスと金属性結合材とからなる超硬合金を用いてもよい。このような超硬合金としては、タングステンカーバイトと、コバルトまたはニッケルなどの金属性結合材とからなるものが知られている。
・前端縁部
前端縁部4は、径方向内方に突出された環状の内向突起よりなり、内向突起の最小内径は、ボール3の直径より小さく形成される。前記前端縁部4は、チップ本体2を射出成形で得る場合、アンダーカットとなるが、内方への適度な突出量に設定されているため、射出成形により適正形状を得ることができる。
前端縁部4は、径方向内方に突出された環状の内向突起よりなり、内向突起の最小内径は、ボール3の直径より小さく形成される。前記前端縁部4は、チップ本体2を射出成形で得る場合、アンダーカットとなるが、内方への適度な突出量に設定されているため、射出成形により適正形状を得ることができる。
・ボール受け座
前記ボール受け座5が、軸方向前方に向かうに従い次第に拡径する傾斜面(円錐凹面)からなる第1の座51と、該第1の座51から後方に一体に連設される、軸方向前方に向かうに従い次第に拡径する傾斜面(円錐凹面)または軸線に対する垂直面からなる第2の座52とを備える。
ボール抱持部6の拡径変形前の状態において、前記第2の座52と軸線とのなす角度βが、前記第1の座51と軸線とのなす角度αより大きく設定される。具体的には、前記第1の座51と軸線とのなす角度αは、45度以下(好ましくは40度〜45度)に設定され、前記第2の座52と軸線とのなす角度βは、45度より大きく(好ましくは、角度αより5度〜15度大きく)設定される。
前記ボール受け座5が、軸方向前方に向かうに従い次第に拡径する傾斜面(円錐凹面)からなる第1の座51と、該第1の座51から後方に一体に連設される、軸方向前方に向かうに従い次第に拡径する傾斜面(円錐凹面)または軸線に対する垂直面からなる第2の座52とを備える。
ボール抱持部6の拡径変形前の状態において、前記第2の座52と軸線とのなす角度βが、前記第1の座51と軸線とのなす角度αより大きく設定される。具体的には、前記第1の座51と軸線とのなす角度αは、45度以下(好ましくは40度〜45度)に設定され、前記第2の座52と軸線とのなす角度βは、45度より大きく(好ましくは、角度αより5度〜15度大きく)設定される。
比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7の直径(即ち第1の座51とボール3との接触部7の最小の直径)が、比較的大きな筆圧で筆記した際の前記第2の座52と前記ボール3との接触部8の内径(即ち第2の座52とボール3との接触部8の最小の直径)より大きく設定される。
前記ボール受け座5が、中心孔53と該中心孔53より径方向外方に放射状に延びる複数(例えば6本)のインキ誘導溝54とを備え、前記中心孔53及び前記インキ誘導溝54が軸方向に貫通され、前記第1の座51及び前記第2の座52に、前記インキ誘導溝54が連続して開口される。
前記インキ誘導溝54の径方向外端部が、比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7の近傍に位置される。それにより、インキ吐出量の変化量を大きく設定でき、抑揚のある筆跡が容易に得られる。
前記比較的大きな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7におけるインキ誘導溝54の開口面積(図8参照)は、前記比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7におけるインキ誘導溝54の開口面積(図3参照)よりも大きくなる。
前記インキ誘導溝54の径方向外端部が、比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7の近傍に位置される。それにより、インキ吐出量の変化量を大きく設定でき、抑揚のある筆跡が容易に得られる。
前記比較的大きな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7におけるインキ誘導溝54の開口面積(図8参照)は、前記比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7におけるインキ誘導溝54の開口面積(図3参照)よりも大きくなる。
・段部
前記チップ本体2の先端部外面に、小外径部21と、該小外径部21より後方に段部23を介して連設され且つ該小外径部21より大きい外径を有する大外径部22が形成される。前記小外径部21及び前記大外径部22が、後方に向かうに従い外径が拡径する形状を有する。前記小外径部21の軸線に対する傾斜角度は、前記大外径部22の軸線に対しする傾斜角度より小さく設定される。前記小外径部21の後端と、前記大外径部22の前端とは、円錐面または曲面(凸曲面または凹曲面)よりなる段部23が形成される。前記段部23が、前記ボール受け座5の第1の座51及び第2の座52よりも後方に位置される。
前記チップ本体2の先端部外面に、小外径部21と、該小外径部21より後方に段部23を介して連設され且つ該小外径部21より大きい外径を有する大外径部22が形成される。前記小外径部21及び前記大外径部22が、後方に向かうに従い外径が拡径する形状を有する。前記小外径部21の軸線に対する傾斜角度は、前記大外径部22の軸線に対しする傾斜角度より小さく設定される。前記小外径部21の後端と、前記大外径部22の前端とは、円錐面または曲面(凸曲面または凹曲面)よりなる段部23が形成される。前記段部23が、前記ボール受け座5の第1の座51及び第2の座52よりも後方に位置される。
本実施の形態のボールペンチップ1は、比較的大きな筆圧で筆記した際、前記ボール受け座5の傾斜面にボール3が圧接されることにより、前記ボール抱持部6が弾性的に径方向外方に拡径変形され、前記ボール3と前記ボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9が、前記比較的小さな筆圧で筆記した際のインキ流通用の径方向の隙間9よりも大きく形成されることにより、筆記時の筆圧の大小でインキ吐出量をコントロールでき、筆跡幅が変化する抑揚のある筆跡を得ることができる。
本実施の形態のボールペンチップ1は、ボール3が、常時、前方への非付勢状態で、ボール抱持部6内を前後方向に移動可能に設けられ、しかも、筆記時、インキ吐出性を向上させるために前端縁部4の内径を予め大きくする設定する必要がないため、非筆記時、前端縁部4の内径を予め小さく設定でき、前端縁部4による十分なボール保持力を得る。その結果、落下等の衝撃が加わってもボール3が外部に脱落することを防止できる
・筆記時
本実施の形態のボールペンチップ1は、非筆記状態(または比較的小さな筆圧で筆記した際)の前端縁部4の内径(前端縁部4の最小内径)は、例えば、ボール3の直径が0.7mmの場合、は、0.67mmに設定される。非筆記状態のボール3とボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9は、0.015mmに設定される。前記ボール3とボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9は、ボール3の最大外径部とボール抱持部6との間で測定した。
本実施の形態のボールペンチップ1は、非筆記状態(または比較的小さな筆圧で筆記した際)の前端縁部4の内径(前端縁部4の最小内径)は、例えば、ボール3の直径が0.7mmの場合、は、0.67mmに設定される。非筆記状態のボール3とボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9は、0.015mmに設定される。前記ボール3とボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9は、ボール3の最大外径部とボール抱持部6との間で測定した。
本実施の形態のボールペンチップ1は、大きな筆圧で筆記した際、ボール抱持部6が径方向外方に拡径変形され、第2の座52にボール3が当接した状態の前端縁部4の内径は、0.69mmに設定される。このとき、ボール3とボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9は、0.025〜0.03mmに設定される。前記ボール3とボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9は、ボール3の最大外径部とボール抱持部6との間で測定した。
本実施の形態のボールペンチップ1は、前記ボール受け座5が、前記傾斜面を構成する第1の座51と、該第1の座51から後方に一体に連設される第2の座52とを備え、比較的小さな筆圧で筆記した際、前記ボール3が、前記第1の座51と接触状態にあり且つ前記第2の座52と非接触状態にあり、比較的大きな筆圧で筆記した際、前記ボール3が、前記第1の座51及び前記第2の座52の両者に接触状態にあり、比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7の内径が、比較的大きな筆圧で筆記した際の前記第2の座52と前記ボール3との接触部8の内径より大きく設定されることにより、比較的大きな筆圧で筆記した際、第1の座51とボール3との圧接によりボール抱持部6を容易に拡径変形することができるとともに、第2の座52で容易にボール3の後方移動を規制でき、インキの過剰吐出を防止できる。
本実施の形態のボールペンチップ1は、前記第2の座52と軸線とのなす角度βが、前記第1の座51と軸線となす角度αより大きいことにより、一層、第1の座51とボール3との圧接によりボール抱持部6を容易に拡径変形することができるとともに、第2の座52で容易にボール3の後方移動を規制でき、インキの過剰吐出を防止できる。
本実施の形態のボールペンチップ1は、前記第1の座51と軸線とのなす角度αが45度以下であり、前記第2の座52と軸線とのなす角度βが45度より大きいことにより、確実に、第1の座51とボール3との圧接によりボール抱持部6を容易に拡径変形することができるとともに、第2の座52で容易にボール3の後方移動を規制でき、インキの過剰吐出を防止できる。前記第1の座51は40度以上が好ましい。それにより、比較的大きな筆圧で筆記した際、ボール3が第1の座51に食いつくことを防止でき、円滑なボール3の回転が維持される。
本実施の形態のボールペンチップ1は、前記ボール受け座5が、中心孔53と該中心孔53より径方向外方に放射状に延びる複数のインキ誘導溝54とを備え、前記中心孔53及び前記インキ誘導溝54が軸方向に貫通され、前記第1の座51及び前記第2の座52に、前記インキ誘導溝54が開口されることにより、筆圧の大小によらずボール3に十分なインキが供給され、高速で筆記をした場合でも、筆跡途切れや筆跡うすの発生を抑えることができる。
本実施の形態のボールペンチップ1は、前記チップ本体2の前端部外面に、小外径部21と、該小外径部21より後方に段部23を介して連設され且つ該小外径部21より大きい外径を有する大外径部22とを備え、前記段部23が、前記ボール受け座5の傾斜面(第1の座51)よりも後方に位置されることにより、ボール抱持部6を薄肉に形成でき、ボール抱持部6を容易に拡径変形させることができる。
<ボールペンの例>
図10に本実施の形態のボールペンチップ1を用いたボールペン10を示す。
ボールペン10は、ボールペンチップ1と、該ボールペンチップ1が前端に取り付けられた軸筒101と、該軸筒101内に収容され、インキが含浸可能な繊維加工体からなるインキ吸蔵体102と、該インキ吸蔵体102の前端に後端が接続され且つボールペンチップ1のボール受け座5の中心孔53及びインキ誘導溝54に前端が接続される繊維加工体よりなるインキ誘導部材103と、軸筒の後端に固着される尾栓104とからなる。前記ボールペンチップ1が、軸筒101の前端開口部に圧入固着され、前記尾栓104が軸筒101の後端開口部に圧入固着される。前記インキ吸蔵体102の前端は、軸筒101内部の当接壁部に当接され、前記インキ吸蔵体102の後端は、尾栓104の前端に当接される。
図10に本実施の形態のボールペンチップ1を用いたボールペン10を示す。
ボールペン10は、ボールペンチップ1と、該ボールペンチップ1が前端に取り付けられた軸筒101と、該軸筒101内に収容され、インキが含浸可能な繊維加工体からなるインキ吸蔵体102と、該インキ吸蔵体102の前端に後端が接続され且つボールペンチップ1のボール受け座5の中心孔53及びインキ誘導溝54に前端が接続される繊維加工体よりなるインキ誘導部材103と、軸筒の後端に固着される尾栓104とからなる。前記ボールペンチップ1が、軸筒101の前端開口部に圧入固着され、前記尾栓104が軸筒101の後端開口部に圧入固着される。前記インキ吸蔵体102の前端は、軸筒101内部の当接壁部に当接され、前記インキ吸蔵体102の後端は、尾栓104の前端に当接される。
<第2の実施の形態>
本発明のボールペンチップの第2の実施の形態を図11乃至図22に示す。
本発明のボールペンチップの第2の実施の形態を図11乃至図22に示す。
本実施の形態のボールペンチップ1は、合成樹脂製のチップ本体2と、該チップ本体2の前端に回転可能に抱持されるボール3とを備える。前記チップ本体2の前端には径方向内方に突出する内向きの前端縁部4が一体に形成され、前記前端縁部4の後方のチップ本体2の内部にはボール受け座5が一体に形成される。前記前端縁部4と前記ボール受け座5との間にボール抱持部6が形成され、前記ボール抱持部6に、ボール3が回転可能に抱持される。また、チップ本体2内にボール3を前方に付勢する弾発体11が収容される。
前記チップ本体2は、例えば、ポリアセタール樹脂の射出成形により得られる。前記ボール3は直径0.7mmのものが採用される。前記ボール3の材質は特に限定されないが、一般に金属またはセラミックスからなるものが用いられる。前記ボール3は、例えば、炭化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、炭化ケイ素などのセラミックスやステンレス鋼などの金属が用いられる。また、前記ボール3は、セラミックスと金属性結合材とからなる超硬合金を用いてもよい。このような超硬合金としては、タングステンカーバイトと、コバルトまたはニッケルなどの金属性結合材とからなるものが知られている。
・前端縁部
前端縁部4は、径方向内方に突出された環状の内向突起よりなり、内向突起の最小内径は、ボール3の直径より小さく形成される。前記前端縁部4は、チップ本体2を射出成形で得る場合、アンダーカットとなるが、内方への適度な突出量に設定されているため、射出成形により適正形状を得ることができる。ボール3が弾発体11により常時前方に付勢され、非筆記時、ボール3が前端縁部4の内面に環状に密接され、ボールペンチップ前端からのインキ漏出や空気混入を抑止できる。
前端縁部4は、径方向内方に突出された環状の内向突起よりなり、内向突起の最小内径は、ボール3の直径より小さく形成される。前記前端縁部4は、チップ本体2を射出成形で得る場合、アンダーカットとなるが、内方への適度な突出量に設定されているため、射出成形により適正形状を得ることができる。ボール3が弾発体11により常時前方に付勢され、非筆記時、ボール3が前端縁部4の内面に環状に密接され、ボールペンチップ前端からのインキ漏出や空気混入を抑止できる。
・ボール受け座
前記ボール受け座5が、軸方向前方に向かうに従い次第に拡径する傾斜面(円錐凹面)からなる第1の座51と、該第1の座51から後方に一体に連設される、軸方向前方に向かうに従い次第に拡径する傾斜面(円錐凹面)または軸線に対する垂直面からなる第2の座52とを備える。
ボール抱持部6の拡径変形前の状態において、前記第2の座52と軸線とのなす角度βが、前記第1の座51と軸線とのなす角度αより大きく設定される。具体的には、前記第1の座51と軸線とのなす角度αは、45度以下(好ましくは40度〜45度)に設定され、前記第2の座52と軸線とのなす角度βは、45度より大きく(好ましくは、角度αより5度〜15度大きく)設定される。
前記ボール受け座5が、軸方向前方に向かうに従い次第に拡径する傾斜面(円錐凹面)からなる第1の座51と、該第1の座51から後方に一体に連設される、軸方向前方に向かうに従い次第に拡径する傾斜面(円錐凹面)または軸線に対する垂直面からなる第2の座52とを備える。
ボール抱持部6の拡径変形前の状態において、前記第2の座52と軸線とのなす角度βが、前記第1の座51と軸線とのなす角度αより大きく設定される。具体的には、前記第1の座51と軸線とのなす角度αは、45度以下(好ましくは40度〜45度)に設定され、前記第2の座52と軸線とのなす角度βは、45度より大きく(好ましくは、角度αより5度〜15度大きく)設定される。
比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7の直径(即ち第1の座51とボール3との接触部7の最小の直径)が、比較的大きな筆圧で筆記した際の前記第2の座52と前記ボール3との接触部8の内径(即ち第2の座52とボール3との接触部8の最小の直径)より大きく設定される。
前記ボール受け座5が、中心孔53と該中心孔53より径方向外方に放射状に延びる複数(例えば6本)のインキ誘導溝54とを備え、前記中心孔53及び前記インキ誘導溝54が軸方向に貫通され、前記第1の座51及び前記第2の座52に、前記インキ誘導溝54が連続して開口される。
前記インキ誘導溝54の径方向外端部が、比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7の近傍に位置される。それにより、インキ吐出量の変化量を大きく設定でき、抑揚のある筆跡が容易に得られる。
前記比較的大きな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7におけるインキ誘導溝54の開口面積(図8参照)は、前記比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7におけるインキ誘導溝54の開口面積(図3参照)よりも大きくなる。
前記インキ誘導溝54の径方向外端部が、比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7の近傍に位置される。それにより、インキ吐出量の変化量を大きく設定でき、抑揚のある筆跡が容易に得られる。
前記比較的大きな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7におけるインキ誘導溝54の開口面積(図8参照)は、前記比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7におけるインキ誘導溝54の開口面積(図3参照)よりも大きくなる。
・段部
前記チップ本体2の先端部外面に、小外径部21と、該小外径部21より後方に段部23を介して連設され且つ該小外径部21より大きい外径を有する大外径部22が形成される。前記小外径部21及び前記大外径部22が、後方に向かうに従い外径が拡径する形状を有する。前記小外径部21の軸線に対する傾斜角度は、前記大外径部22の軸線に対しする傾斜角度より小さく設定される。前記小外径部21の後端と、前記大外径部22の前端とは、円錐面または曲面(凸曲面または凹曲面)よりなる段部23が形成される。前記段部23が、前記ボール受け座5の第1の座51及び第2の座52よりも後方に位置される。
前記チップ本体2の先端部外面に、小外径部21と、該小外径部21より後方に段部23を介して連設され且つ該小外径部21より大きい外径を有する大外径部22が形成される。前記小外径部21及び前記大外径部22が、後方に向かうに従い外径が拡径する形状を有する。前記小外径部21の軸線に対する傾斜角度は、前記大外径部22の軸線に対しする傾斜角度より小さく設定される。前記小外径部21の後端と、前記大外径部22の前端とは、円錐面または曲面(凸曲面または凹曲面)よりなる段部23が形成される。前記段部23が、前記ボール受け座5の第1の座51及び第2の座52よりも後方に位置される。
・弾発体
弾発体11は、金属製(例えばステンレス鋼製)の線材から構成され、軸方向にストレート状に延びるロッド部と、該ロッド部の後端に一体に連設されるコイル部とからなる。前記ロッド部の前端がボール3の後面に当接され、前記コイル部の後端がチップ本体2内面の係止壁部24に係止される。
弾発体11は、金属製(例えばステンレス鋼製)の線材から構成され、軸方向にストレート状に延びるロッド部と、該ロッド部の後端に一体に連設されるコイル部とからなる。前記ロッド部の前端がボール3の後面に当接され、前記コイル部の後端がチップ本体2内面の係止壁部24に係止される。
本実施の形態のボールペンチップ1は、比較的大きな筆圧で筆記した際、前記ボール受け座5の傾斜面にボール3が圧接されることにより、前記ボール抱持部6が弾性的に径方向外方に拡径変形され、前記ボール3と前記ボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9が、前記比較的小さな筆圧で筆記した際のインキ流通用の径方向の隙間9よりも大きく形成されることにより、筆記時の筆圧の大小でインキ吐出量をコントロールでき、筆跡幅が変化する抑揚のある筆跡を得ることができる。さらに、前端縁部4の内径を予め小さく設定できるため、前方付勢されたボール3が前端縁部4の内面に安定して密接することができる。
本実施の形態のボールペンチップ1は、筆記時、インキ吐出性を向上させるために前端縁部4の内径を予め大きくする設定する必要がないため、非筆記時、前端縁部4の内径を予め小さく設定でき、前端縁部4による十分なボール保持力を得る。その結果、落下等の衝撃が加わってもボール3が外部に脱落することを防止できる
・筆記時
本実施の形態のボールペンチップ1は、非筆記状態(または比較的小さな筆圧で筆記した際)の前端縁部4の内径(前端縁部4の最小内径)は、例えば、ボール3の直径が0.7mmの場合、は、0.67mmに設定される。非筆記状態のボール3とボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9は、0.015mmに設定される。前記ボール3とボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9は、ボール3の最大外径部とボール抱持部6との間で測定した。
本実施の形態のボールペンチップ1は、非筆記状態(または比較的小さな筆圧で筆記した際)の前端縁部4の内径(前端縁部4の最小内径)は、例えば、ボール3の直径が0.7mmの場合、は、0.67mmに設定される。非筆記状態のボール3とボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9は、0.015mmに設定される。前記ボール3とボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9は、ボール3の最大外径部とボール抱持部6との間で測定した。
本実施の形態のボールペンチップ1は、大きな筆圧で筆記した際、ボール抱持部6が径方向外方に拡径変形され、第2の座52にボール3が当接した状態の前端縁部4の内径は、0.69mmに設定される。このとき、ボール3とボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9は、0.025〜0.03mmに設定される。前記ボール3とボール抱持部6との間のインキ流通用の径方向の隙間9は、ボール3の最大外径部とボール抱持部6との間で測定した。
本実施の形態のボールペンチップ1は、前記ボール受け座5が、前記傾斜面を構成する第1の座51と、該第1の座51から後方に一体に連設される第2の座52とを備え、比較的小さな筆圧で筆記した際、前記ボール3が、前記第1の座51と接触状態にあり且つ前記第2の座52と非接触状態にあり、比較的大きな筆圧で筆記した際、前記ボール3が、前記第1の座51及び前記第2の座52の両者に接触状態にあり、比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座51と前記ボール3との接触部7の内径が、比較的大きな筆圧で筆記した際の前記第2の座52と前記ボール3との接触部8の内径より大きく設定されることにより、比較的大きな筆圧で筆記した際、第1の座51とボール3との圧接によりボール抱持部6を容易に拡径変形することができるとともに、第2の座52で容易にボール3の後方移動を規制でき、インキの過剰吐出を防止できる。
本実施の形態のボールペンチップ1は、前記第2の座52と軸線とのなす角度βが、前記第1の座51と軸線となす角度αより大きいことにより、一層、第1の座51とボール3との圧接によりボール抱持部6を容易に拡径変形することができるとともに、第2の座52で容易にボール3の後方移動を規制でき、インキの過剰吐出を防止できる。
本実施の形態のボールペンチップ1は、前記第1の座51と軸線とのなす角度αが45度以下であり、前記第2の座52と軸線とのなす角度βが45度より大きいことにより、確実に、第1の座51とボール3との圧接によりボール抱持部6を容易に拡径変形することができるとともに、第2の座52で容易にボール3の後方移動を規制でき、インキの過剰吐出を防止できる。前記第1の座51は40度以上が好ましい。それにより、比較的大きな筆圧で筆記した際、ボール3が第1の座51に食いつくことを防止でき、円滑なボール3の回転が維持される。
本実施の形態のボールペンチップ1は、前記ボール受け座5が、中心孔53と該中心孔53より径方向外方に放射状に延びる複数のインキ誘導溝54とを備え、前記中心孔53及び前記インキ誘導溝54が軸方向に貫通され、前記第1の座51及び前記第2の座52に、前記インキ誘導溝54が開口されることにより、筆圧の大小によらずボール3に十分なインキが供給され、高速で筆記をした場合でも、筆跡途切れや筆跡うすの発生を抑えることができる。
本実施の形態のボールペンチップ1は、前記チップ本体2の前端部外面に、小外径部21と、該小外径部21より後方に段部23を介して連設され且つ該小外径部21より大きい外径を有する大外径部22とを備え、前記段部23が、前記ボール受け座5の傾斜面(第1の座51)よりも後方に位置されることにより、ボール抱持部6を薄肉に形成でき、ボール抱持部6を容易に拡径変形させることができる。
<ボールペンの例>
図21及び図22に本実施の形態のボールペンチップ1を用いたボールペン10を示す。
ボールペン10は、ボールペンチップ1と、該ボールペンチップ1が前端開口部に圧入固着されたインキ収容筒121と、該インキ収容筒121内に収容されるインキ121aと、該インキ収容筒121内に収容され、該インキ121aの後端に配置され且つインキ121aの消費に伴って前進する追従体121bとからなる。
前記インキ121aは、例えば、水性インキ、油性インキが挙げられる。
前記追従体121bは、インキの消費に伴い前進し且つインキの後退(即ち逆流)を防止するものであり、例えば、高粘度流体、弾性材料よりなる可動栓、または高粘度流体中に固体物を収容させた構成等が挙げられる。
図21及び図22に本実施の形態のボールペンチップ1を用いたボールペン10を示す。
ボールペン10は、ボールペンチップ1と、該ボールペンチップ1が前端開口部に圧入固着されたインキ収容筒121と、該インキ収容筒121内に収容されるインキ121aと、該インキ収容筒121内に収容され、該インキ121aの後端に配置され且つインキ121aの消費に伴って前進する追従体121bとからなる。
前記インキ121aは、例えば、水性インキ、油性インキが挙げられる。
前記追従体121bは、インキの消費に伴い前進し且つインキの後退(即ち逆流)を防止するものであり、例えば、高粘度流体、弾性材料よりなる可動栓、または高粘度流体中に固体物を収容させた構成等が挙げられる。
1 ボールペンチップ
2 チップ本体
21 小外径部
22 大外径部
23 段部
24 係止壁部
3 ボール
4 前端縁部
5 ボール受け座
51 第1の座(傾斜面)
52 第2の座
53 中心孔
54 インキ誘導溝
6 ボール抱持部
7 第1の座とボールとの接触部
8 第2の座とボールとの接触部
9 径方向の隙間
α 第1の座の軸線となす角度
β 第2の座の軸線となす角度
10 ボールペン
101 軸筒
102 インキ吸蔵体
103 インキ誘導部材
104 尾栓
11 弾発体
12 ボールペン
121 インキ収容筒
121a インキ
121b 追従体
2 チップ本体
21 小外径部
22 大外径部
23 段部
24 係止壁部
3 ボール
4 前端縁部
5 ボール受け座
51 第1の座(傾斜面)
52 第2の座
53 中心孔
54 インキ誘導溝
6 ボール抱持部
7 第1の座とボールとの接触部
8 第2の座とボールとの接触部
9 径方向の隙間
α 第1の座の軸線となす角度
β 第2の座の軸線となす角度
10 ボールペン
101 軸筒
102 インキ吸蔵体
103 インキ誘導部材
104 尾栓
11 弾発体
12 ボールペン
121 インキ収容筒
121a インキ
121b 追従体
Claims (12)
- 合成樹脂製のチップ本体と、前記チップ本体の前端に一体に形成された内向きの前端縁部と、前記前端縁部の後方のチップ本体の内部に一体に形成されたボール受け座と、前記前端縁部と前記ボール受け座との間のチップ本体の前端部に形成されるボール抱持部と、前記ボール抱持部内に回転可能に抱持されたボールと、を備えたボールペンチップであって、
前記ボールが、常時、前方への非付勢状態で、前記ボール抱持部内を前後方向に移動可能に設けられ、
前記ボール受け座が、軸方向前方に向かうに従い次第に拡径する傾斜面を備え、比較的小さな筆圧で筆記した際、前記ボール受け座の傾斜面にボールが回転可能に接触され、前記ボールと前記ボール抱持部との間にインキ流通用の径方向の隙間が形成され、比較的大きな筆圧で筆記した際、前記ボール受け座の傾斜面にボールが圧接されることにより、前記ボール抱持部が弾性的に径方向外方に拡径変形され、前記ボールと前記ボール抱持部との間のインキ流通用の径方向の隙間が、前記比較的小さな筆圧で筆記した際のインキ流通用の径方向の隙間よりも大きく形成されることを特徴とするボールペンチップ。 - 前記ボール受け座が、前記傾斜面を構成する第1の座と、該第1の座から後方に一体に連設される第2の座とを備え、
比較的小さな筆圧で筆記した際、前記ボールが、前記第1の座と接触状態にあり且つ前記第2の座と非接触状態にあり、
比較的大きな筆圧で筆記した際、前記ボールが、前記第1の座及び前記第2の座の両者に接触状態にあり、
比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座と前記ボールとの接触部の直径が、比較的大きな筆圧で筆記した際の前記第2の座と前記ボールとの接触部の内径より大きく設定される請求項1に記載のボールペンチップ。 - 前記第2の座と軸線とのなす角度が、前記第1の座と軸線となす角度より大きい請求項2に記載のボールペンチップ。
- 前記第1の座と軸線とのなす角度が45度以下であり、前記第2の座と軸線とのなす角度が45度より大きい請求項3に記載のボールペンチップ。
- 前記ボール受け座が、中心孔と該中心孔より径方向外方に放射状に延びる複数のインキ誘導溝とを備え、前記中心孔及び前記インキ誘導溝が軸方向に貫通され、前記第1の座及び前記第2の座に、前記インキ誘導溝が開口される請求項2乃至4の何れかに記載のボールペンチップ。
- 前記チップ本体の前端部外面に、小外径部と、該小外径部より後方に段部を介して連設され且つ該小外径部より大きい外径を有する大外径部とを備え、前記段部が、前記ボール受け座の傾斜面より後方に位置される請求項1乃至5の何れかに記載のボールペンチップ。
- (追加)
合成樹脂製のチップ本体と、前記チップ本体の前端に一体に形成された内向きの前端縁部と、前記前端縁部の後方のチップ本体の内部に一体に形成されたボール受け座と、前記前端縁部と前記ボール受け座との間のチップ本体の前端部に形成されるボール抱持部と、前記ボール抱持部内に回転可能に抱持されたボールと、を備えたボールペンチップであって、
前記ボールが常時前方に付勢され、非筆記時、前記前端縁部内面に前記ボールが密接され、前記ボールが前記ボール抱持部内を前後方向に移動可能に設けられ、
前記ボール受け座が、軸方向前方に向かうに従い次第に拡径する傾斜面を備え、比較的小さな筆圧で筆記した際、前記ボール受け座の傾斜面にボールが回転可能に接触され、前記ボールと前記ボール抱持部との間にインキ流通用の径方向の隙間が形成され、比較的大きな筆圧で筆記した際、前記ボール受け座の傾斜面にボールが圧接されることにより、前記ボール抱持部が弾性的に径方向外方に拡径変形され、前記ボールと前記ボール抱持部との間のインキ流通用の径方向の隙間が、前記比較的小さな筆圧で筆記した際のインキ流通用の径方向の隙間よりも大きく形成されることを特徴とするボールペンチップ。 - 前記ボール受け座が、前記傾斜面を構成する第1の座と、該第1の座から後方に一体に連設される第2の座とを備え、
比較的小さな筆圧で筆記した際、前記ボールが、前記第1の座と接触状態にあり且つ前記第2の座と非接触状態にあり、
比較的大きな筆圧で筆記した際、前記ボールが、前記第1の座及び前記第2の座の両者に接触状態にあり、
比較的小さな筆圧で筆記した際の前記第1の座と前記ボールとの接触部の直径が、比較的大きな筆圧で筆記した際の前記第2の座と前記ボールとの接触部の内径より大きく設定される請求項7に記載のボールペンチップ。 - 前記第2の座と軸線とのなす角度が、前記第1の座と軸線となす角度より大きい請求項8に記載のボールペンチップ。
- 前記第1の座と軸線とのなす角度が45度以下であり、前記第2の座と軸線とのなす角度が45度より大きい請求項9に記載のボールペンチップ。
- 前記ボール受け座が、中心孔と該中心孔より径方向外方に放射状に延びる複数のインキ誘導溝とを備え、前記中心孔及び前記インキ誘導溝が軸方向に貫通され、前記第1の座及び前記第2の座に、前記インキ誘導溝が開口される請求項8乃至10の何れかに記載のボールペンチップ。
- 前記チップ本体の前端部外面に、小外径部と、該小外径部より後方に段部を介して連設され且つ該小外径部より大きい外径を有する大外径部とを備え、前記段部が、前記ボール受け座の傾斜面より後方に位置される請求項7乃至11の何れかに記載のボールペンチップ。
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