JP2005298694A - プレコート鋼板用塗料組成物及びそれを用いたプレコート鋼板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 、加工性に優れ、且つホルマリン等の有害物質の放出量の少ない被膜を形成可能なプレコート鋼板用塗料組成物を提供すること、及び該塗料組成物を塗布してなるプレコート鋼板を提供すること。
【解決手段】 水酸基価5〜150mgKOH/gの水酸基含有ポリエステル樹脂(A)100重量部に基いてアミノ樹脂(B)を5〜50重量部及びホルマリン捕捉剤(C)を0.05〜20重量部含有してなることを特徴とするプレコート鋼板用塗料組成物。
【選択図】なし
【解決手段】 水酸基価5〜150mgKOH/gの水酸基含有ポリエステル樹脂(A)100重量部に基いてアミノ樹脂(B)を5〜50重量部及びホルマリン捕捉剤(C)を0.05〜20重量部含有してなることを特徴とするプレコート鋼板用塗料組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、成膜後の塗膜からのホルムアルデヒド化合物の放散量が低減されたプレコート鋼板用塗料組成物に関するものであり、該塗料組成物を用いたプレコート鋼板に関するものである。
プレコート鋼板は、コイル又は切り板に予め塗料が塗装されたものであり、これを切断、加工して工場や家屋の屋根や壁として使用されてきた。
近年、チヂミ模様塗装や印刷などによってプレコート鋼板の意匠性が向上するとともに、冷蔵庫やオーデオといった電化製品の外箱に利用されるようになり、さらに室内の壁や天井などの用途へも利用が拡大してきている。
プレコート鋼板は後加工されて製品となるため、高度の加工性が必要であり、プレコート鋼板用上塗り塗料の多くはポリエステル樹脂/アミノ樹脂硬化剤の系である。しかしながら、プレコート鋼板が室内に大面積で施工された場合、塗膜から放出されるホルマリンなどの有機化学物質による、シックハウス症候群といわれるようなアレルギー性疾患を引き起こす可能性がある。
従来、室内の壁は木材、壁土、壁紙などが主流であり、これらの上に塗装することによって、これらから発生する有害物質を除去する塗料(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)が開発されてきているが、新しく利用が増えてきているプレコート鋼板については対策が取られていないのが実情である。
本発明の目的は、加工性に優れ、且つホルマリン等の有害物質の放出量の少ない被膜を形成可能なプレコート鋼板用塗料組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、水酸基含有ポリエステル樹脂とアミノ樹脂を組合わせた系にホルマリン捕捉剤を特定量含有せしめることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明は、水酸基価5〜150mgKOH/gの水酸基含有ポリエステル樹脂(A)100重量部に基いてアミノ樹脂(B)を5〜50重量部及びホルマリン捕捉剤(C)を0.05〜20重量部含有してなることを特徴とするプレコート鋼板用塗料組成物に関する。
また、本発明は、金属板上に上記塗料組成物を乾燥膜厚で5〜40μmになるようにして塗装し素材到達最高温度160〜260℃で15〜120秒間焼付けることにより得られるプレコート鋼板に関する。
本発明のプレコート鋼板用塗料組成物は、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、アミノ樹脂(B)及びホルマリン捕捉剤(C)を含有してなるものであり、該塗料組成物を塗布してなるプレコート鋼板は、プレコート鋼板に求められる高度の加工性を有し、且つ塗膜からのホルマリンの放出が極めて少ないため、特に室内用として有用なものである。
本発明のプレコート鋼板用塗料組成物は、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、アミノ樹脂(B)及びホルマリン捕捉剤(C)を含有してなるものである。
水酸基含有ポリエステル樹脂(A)
本発明の塗料組成物の(A)成分である水酸基含有ポリエステル樹脂は、得られる塗膜の加工性、塗膜硬度、耐溶剤性、耐汚染性、及び樹脂の取扱い易さなどの観点から、数平均分子量1,000〜35,000、特に1,200〜10,000、水酸基価5〜150mgKOH/g、特に10〜50mgKOH/gを有することが好ましい。本発明において、数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものである。
本発明の塗料組成物の(A)成分である水酸基含有ポリエステル樹脂は、得られる塗膜の加工性、塗膜硬度、耐溶剤性、耐汚染性、及び樹脂の取扱い易さなどの観点から、数平均分子量1,000〜35,000、特に1,200〜10,000、水酸基価5〜150mgKOH/g、特に10〜50mgKOH/gを有することが好ましい。本発明において、数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものである。
上記ポリエステル樹脂は主に多塩基酸と多価アルコールとのエステル化物であって、多塩基酸としては無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などから選ばれた1種以上の二塩基酸およびこれらの酸の低級アルキルエステル化物が主に用いられ、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−tert−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが用いられ、多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することもできる。両成分のエステル化又はエステル交換反応は公知の方法で行なえる。ポリエステル樹脂としては、上記酸成分およびアルコール成分に加えて油脂肪酸を公知の方法で反応せしめたものであってもよく、油脂肪酸としては例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などがあげられる。この場合のポリエステル樹脂の油長は30%以下が塗料組成物の安定性の点から好ましい。
また、上記ポリエステル樹脂は、アクリル、ウレタン、エポキシ等によって変性されたものであってもよい。特にウレタン変性ポリエステル樹脂は、得られる皮膜の加工性を向上させることができる。該ウレタン変性ポリエステル樹脂は、例えば上記ポリエステル樹脂を製造する際、酸成分およびアルコール成分を反応させて得られる低分子量のポリエステル樹脂を、ポリイソシアネート化合物と公知の方法で反応させることにより容易に製造することができる。上記製造に用いるポリイソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどが挙げられる。
アミノ樹脂(B)
本発明の塗料組成物の(B)成分であるアミノ樹脂(B)は、上記水酸基含有ポリエステル樹脂(A)の水酸基と反応する基を有するものであり、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)の硬化剤として作用するものである。
本発明の塗料組成物の(B)成分であるアミノ樹脂(B)は、上記水酸基含有ポリエステル樹脂(A)の水酸基と反応する基を有するものであり、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)の硬化剤として作用するものである。
アミノ樹脂(B)としては、例えばメラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂が挙げられる。上記反応に用いられるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等が挙げられる。また、上記メチロール化アミノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル化したものもアミノ樹脂として使用できる。エーテル化に用いられるアルコールの例としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノールなどが挙げられる。上記アミノ樹脂のうち、メラミン樹脂が好ましく、特にメラミンとホルムアルデヒドとの付加反応生成物(1量体又は多量体)であるメチロール化メラミン樹脂中のメチロール基の一部又は全部をメチルアルコール及び/又はブチルアルコールによってエーテル化したものが得られる皮膜の硬度、加工性等の点から好ましい。
上記好ましいメラミン樹脂の市販品としては、例えば、サイメル303、同325、同327、同350、同730、同736、同738〔いずれも日本サイテックインダストリーズ社製〕、メラン522、同523〔いずれも日立化成社製〕、ニカラックMS001、同MX650〔三和ケミカル社製〕、スミマールM−55〔住友化学社製〕などのメチル化メラミン樹脂;サイメル232、同266、同XV−514〔いずれも日本サイテックインダストリーズ社製〕、ニカラックMX500、同MX600、同MS95〔いずれも三和ケミカル社製などのメチルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂;ユーバン20SE、同28SE〔いずれも三井化学社製〕、スーパーベッカミンJ−820−60、同L−117−60、同L−109−65、同G−821−60、同47−508−60、同L−118−60〔いずれも大日本インキ化学工業社製〕などを挙げることができる。
アミノ樹脂(B)の配合量は、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)100重量部に基いて5〜50重量部、特に10〜35重量部の範囲内が得られる皮膜の硬度、加工性等の点から好ましい。
また、本発明の塗料組成物にはアミノ樹脂(B)の硬化性を向上させるため、必要に応じて酸触媒(D)を添加することができる。
酸触媒(D)としては、スルホン酸化合物のアミン中和物が適しており、該スルホン酸化合物としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などの強度の酸であるスルホン酸化合物を挙げることができる。これらのスルホン酸化合物のうち、p−トルエンスルホン酸及び/又はドデシルベンゼンスルホン酸が好ましい。
スルホン酸化合物を中和するアミンとしては、スルホン酸化合物を中和でき、加熱硬化時に揮散するアミンであれば制限なく使用でき、1級アミン、2級アミン及び3級アミンのいずれであってもよいが、1級アミンを使用すると塗膜が着色しやすくなるため、2級及び/又は3級アミンが好ましい。アミン化合物としては、例えばジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジアリルアミン、ジアミルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−,2,6−,3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノールなどの第2級アミン;トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリアリルアミン、N−メチルジアリルアミン、N−メチルモルホリン、N,N,N´,N´−テトラメチル−1,2−ジアミノエタン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−エチルピリジンなどの第3級アミン;N−メチルピペラジンなどを挙げることができる。
酸触媒(D)の配合量は、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)100重量部に基いて0.1〜8重量部、特に0.3〜5重量部の範囲内が適度な硬化性を得る上で好ましい。
本発明の塗料組成物を用いて塗膜表面に微細なチヂミを生じさせることができる(例えば、特開平2−219881号公報、特開平5−39443号公報等参照。)。チヂミを生じさせるためには、例えばアミノ樹脂としてアルコキシメチルメラミン樹脂、特に1〜3核体程度の低核体のメトキシメチルメラミン樹脂を主成分とし、酸触媒としてスルホン酸化合物の2級アミン及び/又は3級アミン中和物を用い、アミンの添加量を調整することで得ることができる。好適なアミンの添加量としては、酸触媒のスルホン酸1当量に対しアミン1.5〜30当量、特に2〜10当量程度である。均一なチヂミを生ぜしめるため、ポリアミドパウダー、アクリルパウダー等の有機樹脂微粒子や、微粉シリカなどの無機微粒子を添加することが好ましい。
ホルマリン捕捉剤(C)
本発明の塗料組成物の(C)成分であるホルマリン捕捉剤は、本発明の塗料組成物を塗布して焼付ける工程におけるホルマリン化合物の揮散を抑えるとともに、焼付けて得られた塗膜からのホルマリン化合物の発生を抑えることができるものである。ホルマリン捕捉剤(C)としては、例えばアミン系化合物、結晶性層状りん酸化合物、多孔質材、光触媒などを挙げることができる。これらは単独であるいは2種以上を組合わせて使用できる。
本発明の塗料組成物の(C)成分であるホルマリン捕捉剤は、本発明の塗料組成物を塗布して焼付ける工程におけるホルマリン化合物の揮散を抑えるとともに、焼付けて得られた塗膜からのホルマリン化合物の発生を抑えることができるものである。ホルマリン捕捉剤(C)としては、例えばアミン系化合物、結晶性層状りん酸化合物、多孔質材、光触媒などを挙げることができる。これらは単独であるいは2種以上を組合わせて使用できる。
アミン系化合物としては、例えばアミノ基、ヒドラジド基、尿素結合、アミド基またはイミド基を有する化合物などが挙げられる。
アミノ基を有する化合物としては、例えばヒドロキシルアミン、クロルアミン、アンモニア、メタノールアミン、エタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ジシアノジアミド、エチレンイミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イモノビスプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、モルホリン、2−アミノ4,5−ジシアノイミダゾール、3−アザヘキサン−1,6−ジアミン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、α−アミノ−ε−カプロラクタム、アセトグアナミン、アセトアルデヒドアンモニア、4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジンなどが挙げられる。
ヒドラジド基を有する化合物としては、例えば蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等の2〜18個の炭素原子を有する飽和脂肪族カルボン酸ジヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等のモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸ジヒドラジド;フタル酸、テレフタル酸またはイソフタル酸ジヒドラジド、ならびにピロメリット酸のジヒドラジド、トリヒドラジドまたはテトラヒドラジド;ニトリロトリ酢酸トリヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド、エチレンジアミンテトラ酢酸テトラヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド、カルボン酸低級アルキルエステル基を有する低重合体をヒドラジンまたはヒドラジン水化物(ヒドラジンヒドラード)と反応させてなるポリヒドラジド(特公昭52−22878号参照);炭酸ジヒドラジド、ビスセミカルバジド;ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート及びそれより誘導されるポリイソシアネート化合物にジヒドラジン化合物や上記例示のジヒドラジドを過剰に反応させて得られる多官能セミカルバジド、該ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオール類やポリエチレングリコールモノアルキルエーテル類等の親水性基を含む活性水素化合物との反応物中のイソシアネート基に上記例示のジヒドラジドを過剰に反応させて得られる水系多官能セミカルバジド、或いは該多官能セミカルバジドと水系多官能セミカルバジドとの混合物(特開平8−151358号、特開平8−245878号参照)等が挙げられる。これらのうち、特に分子量100〜500のヒドラジド基又はセミカルバジド基を有するヒドラジン誘導体、例えばアジピン酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジドなどが好適である。
尿素結合を有する化合物としては、例えば尿素、チオ尿素、メチル尿素、エチル尿素、ジメチル尿素、ジエチル尿素、エチレン尿素、グアニル尿素、グアニルチオ尿素、アゾジカルボンアミド、グリコリルウレア、アセチルウレアなどが挙げられる。
アミド基を有する化合物としては、例えばホルムアミド、アセトアミド、ベンズアミド、オキサミド、オキサミン酸、コハク酸アミド、マロンアミドなどがある。イミド基を有する化合物としては、例えばスクシンイミド、フタルイミド、マレイミド、1−メチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、イソシアヌル酸などが挙げられる。
結晶性層状りん酸化合物としては、例えば上述のようなポリアミン化合物を層状りん酸化合物にインターカレートした化合物、結晶性層状りん酸化合物に亜鉛イオンや銀イオンなどの抗菌作用を有する金属イオンをインターカレートした化合物、さらに結晶性層状りん酸化合物に4級アンモニウム塩やチアゾール化合物などをインターカレートした化合物などが挙げられる(ここで、「インターカレート」とは、主に層状化合物又は層状物の層間の陽イオンとイオン交換することである。)。
多孔質材としては、例えば活性アルミナ、活性白土、ゼオライト、珪藻土、活性炭、セラミック活性炭などが挙げられる。
光触媒としては、紫外光及び/又は可視光を吸収して光触媒活性を発現し得るものであれば特に制限なく従来公知の光触媒が使用可能であり、例えば酸化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタン−酸化ジルコニウム複合酸化物、酸化珪素−酸化チタン複合酸化物、酸化珪素−酸化亜鉛複合酸化物塩等の酸化物半導体等が挙げられ、特に光触媒活性を有する酸化チタンが好適である。該光触媒は、ゾルやゲル状で使用できるとともに粉粒状で使用してもよい。
上記(C)成分として、さらにチタン、ジルコニウム、錫などの4価金属のりん酸塩;銅、亜鉛、マグネシウムなどの水酸化物;スルファミン酸又はスルファミン酸塩などが挙げられる。
これらのうち、(C)成分としては、特にヒドラジド基又はセミカルバジド基を有するヒドラジン誘導体、結晶性層状りん酸化合物にポリアミン化合物をインターカレートした化合物、結晶性層状りん酸化合物に金属をインターカレートした化合物及び活性アルミナの群から選ばれる少なくとも1種以上であることが望ましい。
上記ホルマリン捕捉剤(C)の配合量は、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)100重量部に基いて0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.2〜5重量部の範囲内が、ホルマリン放出量の低減効果や塗膜の外観の点から適当である。
本発明塗料組成物は、上記水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、アミノ樹脂(B)、ホルマリン捕捉剤(C)及び必要に応じて酸触媒(D)を含有してなるものであるが、取扱い上、および塗装性の面などから通常、有機溶剤が含有せしめられる。上記有機溶剤としては、上記(A)、(B)及び(C)の各成分を溶解ないしは分散できるものが使用でき、具体的には例えば、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤;トルエン、キシレン、高沸点石油系炭化水素などの炭化水素系溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤などが挙げられ、これらは単独で、又は2種以上混合して使用することができる。
本発明塗料組成物は、顔料を含有しないクリヤ塗料として使用することができるが、着色顔料を含有するエナメル塗料としても使用できる。着色顔料としては塗料分野で使用できる着色顔料、例えばシアニンブルー、シアニングリーン、アゾ系やキナクリドン系などの有機赤顔料などの有機着色顔料;チタン白、チタンエロー、ベンガラ、カーボンブラック、黄鉛、各種焼成顔料などの無機着色顔料;鱗片状アルミニウム顔料、パール顔料などの光輝性顔料などが使用できる。また、本発明組成物は、必要に応じてタルク、クレー、シリカ、マイカ、アルミナ等の体質顔料、充填剤、添加剤(消泡剤、レベリング剤、潤滑剤、UV吸収剤、光安定剤等)、有機高分子粉体などを含有していてもよい。
また、必要に応じて艶消し剤を添加して得られる塗膜の光沢を調整することが可能であり、光沢は特に限定されるものではない。
プレコート鋼板の製造方法
本発明塗料組成物は、必要により、洗浄、表面処理、プライマー塗装を施された金属平板に塗装し、焼付けることによりプレコート鋼板を製造することができる。
本発明塗料組成物は、必要により、洗浄、表面処理、プライマー塗装を施された金属平板に塗装し、焼付けることによりプレコート鋼板を製造することができる。
塗装する被塗装物としては、例えば冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、合金メッキ鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板、銅板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板などを挙げることができ、これらの金属板は、リン酸塩系表面処理剤、クロム酸塩系表面処理剤、ジルコニウム系表面処理剤などの表面処理剤により表面処理を施した金属板であることが好適である。本発明塗料組成物は、これらの被塗装物に直接に、またはプライマー塗膜を介して塗装することができる。プライマー塗膜としては、例えばエポキシ系、ポリエステル系、アクリル系およびこれらの変性プライマーなどが挙げられるが、加工性の面からポリエステルプライマー塗膜であることが特に好適であり、塗膜厚としては通常1〜10μm程度である。
本発明塗料組成物の塗装方法は、例えばカーテンフロー塗装、ロール塗装、浸漬塗装、スプレー塗装などが可能であり、通常、乾燥した後の塗膜厚が5〜40μm、好ましくは10〜30μm程度となるよう塗装される。また上記塗料組成物の焼付けは、通常、素材到達最高温度160〜260℃で15〜120秒間程度であり、特に180〜230℃で20〜70秒間程度が好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
ポリエステル樹脂の製造
製造例1
加熱装置、撹拌機、還流装置、水分離器、精留塔、温度計等を備えた通常のポリエステル樹脂製造装置を用い反応槽に無水フタル酸740部、イソフタル酸498部、アジピン酸145部、ネオペンチルグリコール735部および1.6−ヘキサンジオール236部を仕込み加熱した。原料が融解後、撹拌を開始し、反応温度を230℃まで昇温させ、230℃に2時間保持して生成する縮合水は精留塔を通じて系外へ留去した。ついで反応槽にキシロールを90部添加し溶剤縮合法に切り替えて反応を続け、酸価が5mgKOH/gに達した時点で反応を終了し冷却した。冷却後キシレンを1414部加えて固形分含量60%のポリエステル樹脂溶液A1を得た。得られた樹脂は水酸基価79mgKOH/gおよび数平均分子量約1,300であった。
製造例1
加熱装置、撹拌機、還流装置、水分離器、精留塔、温度計等を備えた通常のポリエステル樹脂製造装置を用い反応槽に無水フタル酸740部、イソフタル酸498部、アジピン酸145部、ネオペンチルグリコール735部および1.6−ヘキサンジオール236部を仕込み加熱した。原料が融解後、撹拌を開始し、反応温度を230℃まで昇温させ、230℃に2時間保持して生成する縮合水は精留塔を通じて系外へ留去した。ついで反応槽にキシロールを90部添加し溶剤縮合法に切り替えて反応を続け、酸価が5mgKOH/gに達した時点で反応を終了し冷却した。冷却後キシレンを1414部加えて固形分含量60%のポリエステル樹脂溶液A1を得た。得られた樹脂は水酸基価79mgKOH/gおよび数平均分子量約1,300であった。
製造例2
製造例1において、反応槽に最初に仕込む原料組成を無水フタル酸592部、イソフタル酸747部、アジピン酸145部、ネオペンチルグリコール735部および1.6−ヘキサンジオール295部およびトリメチロールプロパン68部の組成とする以外、同様に行ない、固形分60%のポリエステル樹脂溶液A2を得た。得られた樹脂は水酸基価42mgKOH/gおよび数平均分子量約2,100であった。
製造例1において、反応槽に最初に仕込む原料組成を無水フタル酸592部、イソフタル酸747部、アジピン酸145部、ネオペンチルグリコール735部および1.6−ヘキサンジオール295部およびトリメチロールプロパン68部の組成とする以外、同様に行ない、固形分60%のポリエステル樹脂溶液A2を得た。得られた樹脂は水酸基価42mgKOH/gおよび数平均分子量約2,100であった。
製造例3(比較例用)
製造例1において、反応槽に最初に仕込む原料組成を無水フタル酸895.4部、アジピン酸572.32部、ネオペンチルグリコール525部および1.6−ヘキサンジオール590部の組成とする以外、同様に反応を進め、酸価が2mgKOH/gになったところで冷却し、キシレンを加え、固形分60%のポリエステル樹脂溶液A3を得た。得られた樹脂は水酸基価3.4mgKOH/gおよび数平均分子量約3,300であった。
製造例1において、反応槽に最初に仕込む原料組成を無水フタル酸895.4部、アジピン酸572.32部、ネオペンチルグリコール525部および1.6−ヘキサンジオール590部の組成とする以外、同様に反応を進め、酸価が2mgKOH/gになったところで冷却し、キシレンを加え、固形分60%のポリエステル樹脂溶液A3を得た。得られた樹脂は水酸基価3.4mgKOH/gおよび数平均分子量約3,300であった。
塗料組成物の製造
実施例1
固形分60%のポリエステル樹脂溶液A1を100部、キシレン10部、チタン白顔料70部およびフタロシアニンブルー顔料5部の混合物をシェーカーにて分散した。ついで、このものにポリエステル樹脂溶液A1を42部、サイメル303(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製、低核体メチル化メラミン樹脂)15部、ケムキャッチH−6000HS(商品名、大塚化学社製、ヒドラジドを主成分としたホルムアルデヒド吸着剤)0.5部、ドデシルベンゼンスルホン酸0.3部及びジ−n−ブチルアミン1.2部を室温で混合し、さらにサイロイド74(商品名、富士シリシア社製、無定形シリカ微粉末、平均粒径約6μm)5部、DX33−401(商品名、東レシリコーン社製、シリコン樹脂微粒子、平均粒径約20μm)5部を加え、均一に撹拌し、ソルベッソ150(商品名、エクソンモービル化学社製、高沸点芳香族石油溶剤)とエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートとの1:1混合溶剤によって粘度80秒(フォードカップ#4、25℃)に調整して塗料B1を得た。
実施例1
固形分60%のポリエステル樹脂溶液A1を100部、キシレン10部、チタン白顔料70部およびフタロシアニンブルー顔料5部の混合物をシェーカーにて分散した。ついで、このものにポリエステル樹脂溶液A1を42部、サイメル303(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製、低核体メチル化メラミン樹脂)15部、ケムキャッチH−6000HS(商品名、大塚化学社製、ヒドラジドを主成分としたホルムアルデヒド吸着剤)0.5部、ドデシルベンゼンスルホン酸0.3部及びジ−n−ブチルアミン1.2部を室温で混合し、さらにサイロイド74(商品名、富士シリシア社製、無定形シリカ微粉末、平均粒径約6μm)5部、DX33−401(商品名、東レシリコーン社製、シリコン樹脂微粒子、平均粒径約20μm)5部を加え、均一に撹拌し、ソルベッソ150(商品名、エクソンモービル化学社製、高沸点芳香族石油溶剤)とエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートとの1:1混合溶剤によって粘度80秒(フォードカップ#4、25℃)に調整して塗料B1を得た。
実施例2
実施例1においてケムキャッチH−6000HS0.5部の代わりに活性アルミナDN−1A(商品名、水澤化学工業社製、活性酸化アルミニウム)5部を用いる以外は実施例1と同様にして製造し、塗料B2を得た。
実施例1においてケムキャッチH−6000HS0.5部の代わりに活性アルミナDN−1A(商品名、水澤化学工業社製、活性酸化アルミニウム)5部を用いる以外は実施例1と同様にして製造し、塗料B2を得た。
実施例3
実施例1においてケムキャッチH−6000HS0.5部の代わりにKフレッシュZA(商品名、テイカ社製、アミン化合物を層状りん酸塩の層間にインターカレートした層状化合物)2部を用いる以外は実施例1と同様にして製造し、塗料B3を得た。
実施例1においてケムキャッチH−6000HS0.5部の代わりにKフレッシュZA(商品名、テイカ社製、アミン化合物を層状りん酸塩の層間にインターカレートした層状化合物)2部を用いる以外は実施例1と同様にして製造し、塗料B3を得た。
実施例4
実施例1においてケムキャッチH−6000HS0.5部の代わりにシュークレンズKD−211G(商品名、ラサ工業社成、二酸化珪素と酸化亜鉛との複合酸化物塩)2部を用いる以外は実施例1と同様にして製造し、塗料B4を得た。
実施例1においてケムキャッチH−6000HS0.5部の代わりにシュークレンズKD−211G(商品名、ラサ工業社成、二酸化珪素と酸化亜鉛との複合酸化物塩)2部を用いる以外は実施例1と同様にして製造し、塗料B4を得た。
実施例5
実施例1においてケムキャッチH−6000HS0.5部の代わりにセブントールNS−103(商品名、武田薬品工業社製、チタンと亜鉛等の金属をインターカレートしたポリりん酸層状化合物)2部を用いる以外は実施例1と同様にして製造し、塗料B5を得た。
実施例1においてケムキャッチH−6000HS0.5部の代わりにセブントールNS−103(商品名、武田薬品工業社製、チタンと亜鉛等の金属をインターカレートしたポリりん酸層状化合物)2部を用いる以外は実施例1と同様にして製造し、塗料B5を得た。
実施例6
実施例1においてケムキャッチH−6000HS0.5部の代わりにAMT−100(商品名、テイカ社製、光触媒活性を有する酸化チタン)2部を用いる以外は実施例1と同様にして製造し、塗料B2を得た。
実施例1においてケムキャッチH−6000HS0.5部の代わりにAMT−100(商品名、テイカ社製、光触媒活性を有する酸化チタン)2部を用いる以外は実施例1と同様にして製造し、塗料B2を得た。
実施例7
固形分60%のポリエステル樹脂溶液A1を117部、スーパーベッカミンJ−820−60(商品名、大日本インキ化学工業社製、n−ブチルエーテル化メラミン樹脂)50部、IRIODIN 101(商品名、メルク社製、パール顔料)7部及びKフレッシュZA2部を混合し、均一に撹拌し、ソルベッソ150とエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートとの1:1混合溶剤によって粘度80秒(フォードカップ#4、25℃)に調整して塗料B7を得た。
固形分60%のポリエステル樹脂溶液A1を117部、スーパーベッカミンJ−820−60(商品名、大日本インキ化学工業社製、n−ブチルエーテル化メラミン樹脂)50部、IRIODIN 101(商品名、メルク社製、パール顔料)7部及びKフレッシュZA2部を混合し、均一に撹拌し、ソルベッソ150とエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートとの1:1混合溶剤によって粘度80秒(フォードカップ#4、25℃)に調整して塗料B7を得た。
実施例8
固形分60%のポリエステル樹脂溶液A2を117部、スーパーベッカミンJ−820−60(商品名、大日本インキ化学工業社製、n−ブチルエーテル化メラミン樹脂)50部、イリオジン101(商品名、メルク社製、パール顔料)7部及びKフレッシュZA2部を混合し、均一に撹拌し、さらに艶消し剤ミズカシルP−526(商品名、水澤化学工業社製、シリカ微粉末)8部を攪拌しながら添加した後、ソルベッソ150とエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートとの1:1混合溶剤によって粘度80秒(フォードカップ#4、25℃)に調整して塗料B8を得た。
固形分60%のポリエステル樹脂溶液A2を117部、スーパーベッカミンJ−820−60(商品名、大日本インキ化学工業社製、n−ブチルエーテル化メラミン樹脂)50部、イリオジン101(商品名、メルク社製、パール顔料)7部及びKフレッシュZA2部を混合し、均一に撹拌し、さらに艶消し剤ミズカシルP−526(商品名、水澤化学工業社製、シリカ微粉末)8部を攪拌しながら添加した後、ソルベッソ150とエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートとの1:1混合溶剤によって粘度80秒(フォードカップ#4、25℃)に調整して塗料B8を得た。
比較例1
実施例1においてケムキャッチH−6000HSを添加しない以外は実施例1と同様にして製造し、塗料B9を得た。
実施例1においてケムキャッチH−6000HSを添加しない以外は実施例1と同様にして製造し、塗料B9を得た。
比較例2
実施例8においてKフレッシュZAを添加しない以外は実施例8と同様にして製造し、塗料B10を得た。
実施例8においてKフレッシュZAを添加しない以外は実施例8と同様にして製造し、塗料B10を得た。
比較例3
実施例8においてポリエステル樹脂溶液A1の代わりにポリエステル樹脂溶液A3を用いる以外は実施例8と同様にして製造し、塗料B11を得た。
実施例8においてポリエステル樹脂溶液A1の代わりにポリエステル樹脂溶液A3を用いる以外は実施例8と同様にして製造し、塗料B11を得た。
試験塗板の作成及び評価
厚さ0.5mmのりん酸亜鉛処理電気亜鉛メッキ鋼板上に「KPカラー8620プライマー」(商品名、関西ペイント社製、プレコート鋼板用ポリエステル系プライマー)を乾燥膜厚が5μmとなるよう塗装し、素材到達最高温度220℃となるようにして45秒間焼付けプライマー塗装鋼板を得た。該プライマー塗膜の上に上記実施例及び比較例の塗料組成物をバーコータにて乾燥膜厚が約20μmとなるよう塗装し、素材到達最高温度が220℃となるようにして60秒間焼付けて各試験塗板を得た。得られた試験塗板について下記試験方法に従って試験を行い性能を評価した。得られた結果を後記表1に示す。
厚さ0.5mmのりん酸亜鉛処理電気亜鉛メッキ鋼板上に「KPカラー8620プライマー」(商品名、関西ペイント社製、プレコート鋼板用ポリエステル系プライマー)を乾燥膜厚が5μmとなるよう塗装し、素材到達最高温度220℃となるようにして45秒間焼付けプライマー塗装鋼板を得た。該プライマー塗膜の上に上記実施例及び比較例の塗料組成物をバーコータにて乾燥膜厚が約20μmとなるよう塗装し、素材到達最高温度が220℃となるようにして60秒間焼付けて各試験塗板を得た。得られた試験塗板について下記試験方法に従って試験を行い性能を評価した。得られた結果を後記表1に示す。
加工性:試験板を塗装面を外側にして折り曲げ、折り曲げ部の内側に厚さ0.5mmの鉄板を2枚挟んで万力で締め付けた後、該180°折り曲げられた試験板の加工部の塗膜面にセロハン粘着テープを貼り付け、急激に剥した時の塗膜の残存程度を下記基準で評価した。
◎:剥離はほとんど認められない。
○:わずかに剥離が認められるが実用範囲。
△:かなりの塗膜が剥離する。
×:ほとんど乃至全部の塗膜が剥離する。
◎:剥離はほとんど認められない。
○:わずかに剥離が認められるが実用範囲。
△:かなりの塗膜が剥離する。
×:ほとんど乃至全部の塗膜が剥離する。
耐溶剤性:メチルエチルケトン溶剤を浸み込ませたガーゼを人差し指に巻いて、試験板の塗膜面を荷重約4kg/cm2程度の圧力をかけてプライマー面が出るまで往復させてこすり、プライマー面が出るまでに要した往復のこすり回数から下記基準で評価した。
○:50回以上。
△:10回以上50回未満。
×:10回未満。
○:50回以上。
△:10回以上50回未満。
×:10回未満。
ホルマリン放出量:得られた試験塗板を焼付け後すぐに20℃の恒温室に保管し、24時間放置した後ホルマリン放出量を下記試験方法を用いて測定した。
※ホルマリン放出量・・・JIS K 5601−4−1の「デシケーター法」に準じて、ガラス製デシケーター内に、150mm×150mmに切断した試験塗板2枚を、一定量の蒸留水の入った容器と共に設置し、該デシケーターを20℃の恒温室に24時間置いた後、蒸留水に吸収されたホルマリンの濃度を測定して、試験塗板からのホルマリン放出量(mg/リットル)を求めた。
※ホルマリン放出量・・・JIS K 5601−4−1の「デシケーター法」に準じて、ガラス製デシケーター内に、150mm×150mmに切断した試験塗板2枚を、一定量の蒸留水の入った容器と共に設置し、該デシケーターを20℃の恒温室に24時間置いた後、蒸留水に吸収されたホルマリンの濃度を測定して、試験塗板からのホルマリン放出量(mg/リットル)を求めた。
Claims (5)
- 水酸基価5〜150mgKOH/gの水酸基含有ポリエステル樹脂(A)100重量部に基いてアミノ樹脂(B)を5〜50重量部及びホルマリン捕捉剤(C)を0.05〜20重量部含有してなることを特徴とするプレコート鋼板用塗料組成物。
- さらに、酸触媒(D)を水酸基含有ポリエステル樹脂(A)100重量部に基いて0.1〜8重量部含有するものである請求項1に記載のプレコート鋼板用塗料組成物。
- ホルマリン捕捉剤(C)が、ヒドラジド基又はセミカルバジド基を有するヒドラジン誘導体、結晶性層状りん酸化合物にポリアミン化合物をインターカレートした化合物、結晶性層状りん酸化合物に金属をインターカレートした化合物及び活性アルミナの群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1又は2に記載のプレコート鋼板用塗料組成物。
- 金属板上に請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗料組成物を乾燥膜厚で5〜40μmになるようにして塗装し素材到達最高温度160〜260℃で15〜120秒間焼付けることにより得られるプレコート鋼板。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗料組成物により得られる塗膜がチヂミ模様を有する塗膜である請求項4に記載のプレコート鋼板。
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- 2004-04-13 JP JP2004117848A patent/JP2005298694A/ja active Pending
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