JP2009227747A - 防錆塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗装金属板などにおける一般部の耐食性のみならず、加工部や端面部の耐食性に優れた塗膜を形成できる防錆塗料組成物を提供する。
【解決手段】(A)ガラス転移温度−15〜60℃で且つ水酸基価30〜250mgKOH/gの範囲内にあるアクリル樹脂及びガラス転移温度−20〜50℃で且つ水酸基価20〜100mgKOH/gの範囲内にあるポリエステル樹脂のうちの少なくとも1種の、水酸基含有皮膜形成性樹脂、(B)軟質有機成分で変性されたビスフェノール型エポキシ樹脂、(C)硬化剤及び(D)防錆顔料を含有する塗料組成物であって、該樹脂(B)における軟質有機成分が、炭素数4〜36の脂肪族多塩基酸、特定のアクリル樹脂及び特定のポリエステル樹脂のうちの少なくとも1種である防錆塗料組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐食性に優れた塗料組成物およびそれを用いた塗装金属板に関し、さらに詳しくは、非クロム系塗料組成物の場合においても、塗装金属板における平面部の耐食性のみならず、加工部や端面部の耐食性の向上に効果的な塗料組成物およびそれを用いた塗装金属板に関する。
従来、コイルコーティングなどによって塗装されたプレコート鋼板などのプレコート金属板は、建築物の屋根、壁、シャッター、ガレージなどの建築資材、各種家電製品、配電盤、冷凍ショーケース、鋼製家具及び厨房器具などの住宅関連商品として幅広く使用されている。
プレコート金属板からこれらの住宅関連商品を製造するには、通常、プレコート鋼板を切断しプレス成型し接合される。したがって、これらの住宅関連商品 には、切断面である金属露出部やプレス加工によるワレ発生部が存在することが多い。上記金属露出部やワレ発生部は、他の部分に比べて耐食性が低下しやすいので耐食性の向上のため、プレコート鋼板の下塗塗膜中にクロム系の防錆顔料を含ませることが一般的に行われてきた。
しかしながら、クロム系の防錆顔料は、防錆性に優れた6価クロムを含有していたり生成したりし、この6価クロムは人体への健康面、環境保護の観点から使用が制限されてきている。
これまで、非クロム系の防錆顔料としては、燐酸亜鉛、トリポリ燐酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛など数多くのものが市場に出ており、非クロム系顔料を組合せたプライマーとして、種々のものが提案されている。例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂とフェノール樹脂のビヒクル成分に、防錆顔料として、珪酸カルシウムとバナジン酸リンとの組合せや、炭酸カルシウムと珪酸カルシウムとリン酸アルミニウムとバナジン酸リンとの組合せの防錆顔料を配合した塗料が記載されている。また、特許文献2には、ポリエステルに、防錆顔料として、第2リン酸マグネシウムと酸化マンガン・酸化バナジウム焼成物との組合せや、リン酸カルシウムと酸化バナジウムとの焼成物を配合した塗料が記載されている。しかしながら、特許文献1及び2に記載された塗料から形成された塗膜は、クロム系顔料を使用した塗料に比べ、耐食性に劣るものであり、特に加工部及び端面部における耐食性が不十分である。また、耐アルカリ性や耐酸性などの耐薬品性が劣ることが多い。また、防錆顔料を多量に使用すると耐水性が劣ることが多く、プレコート金属板製造においてクロム系の防錆顔料を代替えするまでには至っていない。
また、特許文献3には、水酸基又はエポキシ基を含有する有機樹脂と硬化剤からなるビヒクル成分に、吸油量が30〜200ml/100g、細孔容積が0.05〜1.2ml/gであるシリカ微粒子を含有する塗料であって、かつ該塗料から形成される硬化塗膜のガラス転移温度が40〜125℃の範囲内である塗料組成物が記載されている。しかしながら、特許文献3に記載された塗料から形成された塗膜は、かなりの耐食性を示すが、クロム系顔料を使用した塗料に比べ、いまだ耐食性及び耐薬品性に劣るものであり、特に端面部における耐食性が不十分である。
特開平11−61001号公報 特開2000−199078号公報 特開2000−129163号公報
本発明の目的は、非クロム系防錆塗料組成物の場合であっても、塗装金属板などにおける一般部の耐食性のみならず、加工部や端面部の耐食性に優れた塗膜を形成できる防錆塗料組成物およびそれを用いた塗装金属板を提供することである。
そこで、本発明者らは、従来の上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、脂肪族多塩基酸及びアクリル樹脂で変性されたビスフェノール型エポキシ樹脂、架橋剤及び防錆顔料を含有する塗料組成物によって、平面部の耐食性のみならず、塗装金属板などにおける加工部や端面部の耐食性に優れた塗膜を形成できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、「1.(A)ガラス転移温度−15〜60℃で且つ水酸基価30〜250mgKOH/gの範囲内にあるアクリル樹脂及びガラス転移温度−20〜50℃で且つ水酸基価20〜100mgKOH/gの範囲内にあるポリエステル樹脂のうちの少なくとも1種の、水酸基含有皮膜形成性樹脂、(B)軟質有機成分で変性されたビスフェノール型エポキシ樹脂、(C)硬化剤及び(D)防錆顔料を含有する塗料組成物であって、該樹脂(B)における軟質有機成分が、炭素数4〜36の脂肪族多塩基酸、ガラス転移温度が−20〜50℃のアクリル樹脂及びガラス転移温度が−20〜50℃のポリエステル樹脂のうちの少なくとも1種であることを特徴とする防錆塗料組成物、
2.軟質有機成分で変性されたビスフェノール型エポキシ樹脂(B)が、軟質有機成分1〜50質量%とビスフェノール型エポキシ樹脂99〜50質量%とを反応させてなるものである上記項1記載の防錆塗料組成物、
3.炭素数4〜36の脂肪族多塩基酸がダイマー酸である上記項1又は2記載の防錆塗料組成物、
4.硬化剤(C)が、アミノ樹脂、フェノール樹脂及びブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物のうちの少なくとも1種の架橋剤である上記項1〜3のいずれか一項に記載の防錆塗料組成物、
5.防錆顔料(D)が、非クロム系防錆顔料である請求項1〜4のいずれか一項に記載の防錆塗料組成物、
6.防錆顔料(D)が、(1)五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びメタバナジン酸アンモニウムのうちの少なくとも1種のバナジウム化合物、(2)金属珪酸塩及びシリカ微粒子のうちの少なくとも1種の珪素含有化合物及び(3)リン酸系金属塩を含有するものであることを特徴とする上記項5記載の防錆塗料組成物、
7.表面に化成処理が施されていてもよい金属板の片面又は両面上に、上記項1〜6のいずれか一項に記載の塗料組成物に基く硬化塗膜が形成されてなることを特徴とする塗装金属板、
7.表面に化成処理が施されていてもよい金属板の片面又は両面上に、上記項1〜6のいずれか一項に記載の塗料組成物に基く硬化塗膜が形成され、該硬化塗膜の少なくとも片面上に、上塗り塗膜が形成されてなる複層塗膜を有することを特徴とする塗装金属板。」に関するものである。
また、本発明の実施態様として、
「A.珪素含有化合物(2)が、カルシウム、マグネシウム、亜鉛から選ばれる金属の金属珪酸塩である前記項5記載の防錆塗料組成物。
B.防錆顔料(C)が、(1)五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びメタバナジン酸アンモニウムのうちの少なくとも1種のバナジウム化合物、(2)金属珪酸塩及びシリカ微粒子のうちの少なくとも1種の珪素含有化合物及び(3)リン酸系金属塩を含有するものであって、該樹脂(A)及び該架橋剤(B)の合計固形分100質量部に対して、
該バナジウム化合物(1)の量が3〜50質量部、
該珪素含有化合物(2)の量が3〜50質量部、及び
該リン酸系金属塩(3)の量が3〜50質量部
であり、かつ上記化合物(1)、化合物(2)及び塩(3)の合計量が10〜150質量部であることを特徴とする前記項5記載の防錆塗料組成物、
C.さらに、ニ酸化チタン顔料及び体質顔料のうちの少なくとも1種の顔料成分を含有する前記項1記載の塗料組成物、
D.さらに、紫外線吸収剤及び紫外線安定剤のうちの少なくとも1種を含有する前記項1記載の塗料組成物。」が挙げられる。
本発明の塗料組成物は、クロム系の防錆顔料を含まない場合においても、平面部の耐食性に優れるのみならず、これまで非クロム系防錆塗料では達成が困難であった塗装金属板などにおける加工部や端面部の耐食性に優れた塗膜を形成できるという効果を発揮する。
本発明の塗料組成物に基く硬化塗膜が形成された塗装金属板は、平面部、加工部や端面部の耐食性に優れるものであり、クロム系の防錆顔料を含まない場合においても、ストロンチウムクロメートなど、従来のクロメート系防錆顔料を使用した塗料に基く硬化塗膜が形成された塗装金属板と同等以上の耐食性を有するものである。
本発明の塗料組成物に基く硬化塗膜が形成され、該硬化塗膜上に上塗塗膜が形成されてなる塗装金属板は、平面部、加工部や端面部の耐食性に優れるものである。被塗物となる金属板として、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板などの亜鉛合金メッキ鋼板を使用した場合、本発明塗料組成物を塗装することによって、平面部のみならず、端面部、加工部においても優れた耐食性を得ることができる。
本発明の塗料組成物は、水酸基含有皮膜形成性樹脂(A)、軟質有機成分で変性されたビスフェノール型エポキシ樹脂(B)、硬化剤(C)及び防錆顔料(D)を含有する塗料組成物である。
水酸基含有皮膜形成性樹脂(A)
本発明塗料組成物における水酸基含有皮膜形成性樹脂(A)は、アクリル樹脂及びポリエステル樹脂のうちの少なくとも1種の水酸基含有皮膜形成性樹脂である。
上記水酸基含有アクリル樹脂としては、その骨格に水酸基を有しているものが使用でき、水酸基含有重合性不飽和モノマーおよびこのモノマーと共重合可能な他のモノマーとを共重合させることによって得られる。水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ω−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ω−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能なモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸のアルキルエステル;エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル;スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリルなどが挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタアクリレート」を意味する。
上記水酸基含有アクリル樹脂には、ポリイソシアネート化合物を用いて変性したウレタン変性アクリル樹脂などの変性アクリル樹脂も包含される。変性に用いられるポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどが挙げられる。
水酸基含有皮膜形成性樹脂(A)として使用することができる上記水酸基含有アクリル樹脂は、ガラス転移温度が、−15℃〜60℃、好ましくは−10〜40℃の範囲内にあり、水酸基価が、30〜250mgKOH/g樹脂、好ましくは50〜150mgKOH/g樹脂である。また上記水酸基含有アクリル樹脂は、数平均分子量約2,000〜50,000であることが好ましく、3,000〜30,000であることがさらに好適である。
本明細書において、樹脂のガラス転移温度は、走査型示差熱分析によって測定されたものである。また、本明細書において、樹脂の平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフは、「HLC8120GPC」(東ソー社製)を使用した。カラムとしては、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」、「TSKgel G−2000HXL」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/分、検出器;RIの条件で行ったものである。
水酸基含有皮膜形成性樹脂(A)として使用することができる水酸基含有ポリエステル樹脂は、分子中に水酸基を有するポリエステル樹脂であり、オイルフリーポリエステル樹脂、油変性アルキド樹脂、また、これらの樹脂の変性物、例えばウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂などが挙げられる。
上記オイルフリーポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化物からなるものである。多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などから選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。両成分のエステル化又はエステル交換反応は、それ自体既知の方法によって行うことができる。酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が特に好ましい。
アルキド樹脂は、上記オイルフリーポリエステル樹脂の酸成分及びアルコール成分に加えて、油脂肪酸をそれ自体既知の方法で反応せしめたものであって、油脂肪酸としては、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などを挙げることができる。アルキド樹脂の油長は30%以下、特に5〜20%程度のものが好ましい。
ウレタン変性ポリエステル樹脂としては、上記オイルフリーポリエステル樹脂、又は上記オイルフリーポリエステル樹脂の製造の際に用いられる酸成分及びアルコール成分を反応させて得られる低分子量のオイルフリーポリエステル樹脂を、ポリイソシアネート化合物とそれ自体既知の方法で反応せしめたものが挙げられる。また、ウレタン変性アルキド樹脂は、上記アルキド樹脂、又は上記アルキド樹脂製造の際に用いられる各成分を反応させて得られる低分子量のアルキド樹脂を、ポリイソシアネート化合物とそれ自体既知の方法で反応せしめたものが包含される。ウレタン変性ポリエステル樹脂及びウレタン変性アルキド樹脂を製造する際に使用しうるポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどが挙げられる。上記のウレタン変性樹脂は、一般に、ウレタン変性樹脂を形成するポリイソシアネート化合物の量がウレタン変性樹脂に対して30重量%以下の量となる変性度合のものを好適に使用することができる。
以上に述べたポリエステル樹脂のうち、特に好適なものとしては、オイルフリーポリエステル樹脂が挙げられる。
水酸基含有被膜形成性樹脂(A)として使用することができる上記水酸基含有ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が−20℃〜50℃、好ましくは−10〜40℃、水酸基価が20〜100mgKOH/g樹脂、好ましくは30〜80mgKOH/g樹脂の範囲内にあり、数平均分子量が約2,000〜30,000であることが好ましく、3,000〜20,000であることがさらに好適である。
水酸基含有被膜形成性樹脂(A)は、上記ガラス転移温度及び水酸基価の範囲内とすることによって、内部応力を下げながら強靭な架橋構造の形成ができるため、得られる塗膜の高い防錆力の発揮に寄与しているものと考えられる。
軟質有機成分で変性されたビスフェノール型エポキシ樹脂(B)
本発明塗料組成物における軟質有機成分で変性されたビスフェノール型エポキシ樹脂(B)(以下、「変性樹脂(B)」と略称することがある。)は、軟質有機成分とビスフェノール型エポキシ樹脂を反応させてなる樹脂である。
上記軟質有機成分は、ビスフェノール型エポキシ樹脂と反応する官能基を有し、ビスフェノール型エポキシ樹脂を可塑化できる有機成分であり、炭素数4〜36の脂肪族多塩基酸、ガラス転移温度が−20〜50℃のアクリル樹脂及びガラス転移温度が−20〜50℃のポリエステル樹脂のうちの少なくとも1種である。
上記ポリエステル樹脂としては、オイルフリーポリエステル樹脂、油変性ポリエステル樹脂のいずれも包含し、シリコン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂など変性されたポリエステル樹脂であってもよい。
上記炭素数4〜36の脂肪族多塩基酸は、脂環式多塩基酸も包含する、炭素数4〜36、好ましくは8〜36の飽和又は不飽和の脂肪族多塩基酸であって、例えば、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロテレフタル酸、△1−テトラヒドロフタル酸、△2−テトラヒドロフタル酸、△3−テトラヒドロフタル酸、△4−テトラヒドロフタル酸、△1−テトラヒドロイソフタル酸、△2−テトラヒドロイソフタル酸、△3−テトラヒドロイソフタル酸、△4−テトラヒドロイソフタル酸、△1−テトラヒドロテレフタル酸、△2−テトラヒドロテレフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサクロロエンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂環式ジカルボン酸及びその無水物;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ドデカンジカルボン酸、スベリン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ブラシリン酸、シトラコン酸、クロロマレイン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその無水物;ヘキサヒドロトリメリット酸等の3価以上の脂肪族多塩基酸;これらの酸のメチルエステル、エチルエステル等のごとき低級アルキルエステル等が挙げられる。
変性樹脂(B)の製造に軟質有機成分として用いることができるアクリル樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ基と反応する反応性基を有するアクリル樹脂が挙げられる。該アクリル樹脂には、ウレタン変性アクリル樹脂などの変性アクリル樹脂も包含される。該反応性基としては、例えば、カルボキシル基、アミノ基、水酸基などを挙げることができ、アクリル樹脂としては、なかでもカルボキシル基を有するアクリル樹脂が好適に用いられる。
該カルボキシル基を有するアクリル樹脂は、カルボキシル基を有する重合性不飽和モノマー及びその他の重合性不飽和モノマーを既知の方法、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法により共重合して得られるものであり、なかでも溶液重合法によることが重合の制御のし易さなどの面から好適である。上記その他の重合性不飽和モノマーは(メタ)アクリル酸エステルを含有するものである。変性樹脂(B)を構成する共重合モノマー成分合計に基いて、(メタ)アクリル酸エステルの使用量が30〜98質量%の範囲にあることが好適である。
上記カルボキシル基を有する重合性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などを挙げることができる。
上記その他の重合性不飽和モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有重合性不飽和モノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジ(アルキル)アミノアルキル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物;アクリロニトリル、メタクリルニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、N−ビニル−2−ピロリドン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシラン、塩化ビニル、プロピレン、エチレン、C4〜C20のα−オレフイン等をを挙げることができる。これらは、1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタアクリレート」を意味する。
アクリル樹脂の数平均分子量はビスフェノール型エポキシ樹脂との相溶性や反応性等の観点から、溶液重合により合成されるものである場合、2000〜40000、特に3000〜30000の範囲内であるのが好ましい。
アクリル樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂との反応性、付着性の観点から、酸価が、3〜50mgKOH/g、特に5〜40mgKOH/gであるのが好ましい。また、アクリル樹脂の水酸基価は、塗膜の硬化性、耐水性の点から10〜300mgKOH/g、特に30〜250mgKOH/gであるのが好ましい。さらに、アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、得られる塗膜の加工性、硬度のバランスの面から−20℃〜50℃、好ましくは−20℃〜40℃の範囲内にあることが好適である。
変性樹脂(B)の製造に軟質有機成分として用いることができるポリエステル樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ基と反応する反応性基を有するポリエステル樹脂が挙げられる。該ポリエステル樹脂には、オイルフリーポリエステル樹脂、油変性ポリエステル樹脂のいずれも包含し、シリコン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂など変性されたポリエステル樹脂であってもよい。該反応性基としては、例えば、カルボキシル基、アミノ基、水酸基などを挙げることができ、ポリエステル樹脂としては、なかでもカルボキシル基を有するポリエステル樹脂が好適に用いられる。
上記ポリエステル樹脂のうち、オイルフリーポリエステル樹脂は、直接エステル化法、エステル交換法、開環重合法などの公知の方法を用いて製造することができる。直接エステル化法の具体例としては、主に多塩基酸と多価アルコールとを重縮合する方法が挙げられる。多塩基酸としては無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などから選ばれた1種以上の二塩基酸;無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが用いられ、酸成分として、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−tertブチル安息香酸などの一塩基酸も用いることができる。また、多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することもできる。
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂の製造は、上記多塩基酸と多価アルコールとを水酸基に対して酸基が過剰となる配合比にて公知の方法で行なうことができるし、また、水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基に無水トリメリット酸や無水フタル酸などの多塩基酸を後付加反応させることによって行うこともできる。
また、オイルフリーポリエステル樹脂は、多塩基酸の低級アルキルエステルと多価アルコールとのエステル交換による縮重合によっても製造することができる。さらに、オイルフリーポリエステル樹脂は、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどのラクトン類の開環重合によっても製造することができる。
また、ポリエステル樹脂のうち、油変性ポリエステル樹脂は、上記オイルフリーポリエステル樹脂に油脂肪酸を反応せしめたものであって、油脂肪酸としては例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などがあげられ、ポリエステル樹脂と油脂肪酸との反応も公知の方法で行なうことができ、その油長は、通常30%以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、ビスフェノール型エポキシ樹脂との相溶性や反応性等の観点から、1000〜30000、特に2000〜20000の範囲内にあることが好適である。ポリエステル樹脂の酸価は、ビスフェノール型エポキシ樹脂との反応性、付着性の観点から、3〜100mgKOH/g、特に5〜70mgKOH/gであるのが好ましい。また、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、得られる塗膜の加工性、硬度のバランスの面から−20℃〜50℃、好ましくは−20℃〜40℃の範囲内にあることが好適である。
変性樹脂(B)の製造に用いられるビスフェノール型エポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を1個以上、好ましくは2個以上有するビスフェノール型エポキシ樹脂であり、例えばエピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下に高分子量まで縮合させてなる樹脂、エピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下に、縮合させて低分子量のエポキシ樹脂とし、この低分子量エポキシ樹脂とビスフェノールとを重付加反応させることにより得られた樹脂のいずれであってもよい。
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、通常、数平均分子量が350〜5000、好ましくは400〜4000であり、エポキシ基含有量が0.5〜15.4ミリモル/g、好ましくは0.8〜10ミリモル/gのものであることが好適である。
上記ビスフェノールとしては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン[ビスフェノールB]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2−ヒドロキシ−1,3−オキシ−プロパン、p−(4−ヒドロキシフェニル)フェノール、オキシビス(4−ヒドロキシフェニル)、スルホニルビス(4−ヒドロキシフェニル)、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタンなどを挙げることができ、なかでもビスフェノールA、ビスフェノールFが好適に使用される。上記ビスフェノール類は、1種で又は2種以上の混合物として使用することができる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ジャパンエポキシレジン製の、エピコート828、同812、同815、同820、同834、同1001、同1004、同1007、同1009、同1010、同4004P、同4007P、同4210;旭チバ社製の、アラルダイトAER6099;及び三井化学(株)製の、エポミックR−309などを挙げることができる。
軟質有機成分とビスフェノール型エポキシ樹脂とを反応させて変性樹脂(B)を製造する方法は、特に限定されるものではない。軟質有機成分として、例えば、2種類のものが使用されるとき、2種類の軟質有機成分とビスフェノール型エポキシ樹脂とを同時に一括で反応させる方法、軟質有機成分1種とビスフェノール型エポキシ樹脂とを反応させた後、残りの軟質有機成分を反応させる方法などを挙げることができる。
上記反応は、例えば、これら各成分を溶解できる溶媒中において、必要に応じて反応触媒の存在下で、通常、100〜150℃にて1〜5時間程度反応させることによって好適に行うことができる。
上記反応触媒としては、例えば、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルフォスフォニウムブロマイド、トリフェニルベンジルフォスフォニウムクロライド等の4級塩触媒;トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミン類等を挙げることができる。
上記反応において、軟質有機成分の反応性基がカルボキシル基である場合には、(ビスフェノール型エポキシ樹脂中のエポキシ基)/(軟質有機成分中のカルボキシル基)の当量比が、10/1〜1/1、好ましくは5/1〜2/1の範囲内にあることが好適である。アクリル樹脂が、変性樹脂(B)の合成反応において、カルボキシル基以外のエポキシ基と反応する反応性基を有する場合、各反応性基の割合は、上記式において、「軟質有機成分中のカルボキシル基」を「カルボキシル基以外のエポキシ基と反応する反応性基」に置換した式の範囲内にあることが好適である。
変性樹脂(B)を製造する際の、軟質有機成分とビスフェノール型エポキシ樹脂の配合割合は、これら両者の合計100質量部を基準として下記の範囲内であることが好適である。
軟質有機成分:1〜50重量部、好ましくは5〜40重量部、
ビスフェノール型エポキシ樹脂:50〜99質量部、好ましくは60〜95質量部。
また、変性樹脂(B)を製造する際に、軟質有機成分として、脂肪族多塩基酸と軟質樹脂成分(アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂)を併用する場合、変性樹脂(B)を製造する際の、脂肪族多塩基酸と軟質樹脂成分とビスフェノール型エポキシ樹脂の配合割合は、これらの合計100質量部を基準として、下記の範囲内であることが好適である。
脂肪族多塩基酸:0.5〜30質量部、好ましくは2〜25質量部
軟質樹脂成分:0.5〜49質量部、好ましくは3〜38質量部
ビスフェノール型エポキシ樹脂:50〜99質量部、好ましくは60〜95質量部。
さらに、変性樹脂(B)は、軟質有機成分及びビスフェノール型エポキシ樹脂を反応させた後、エポキシ基が残存する場合、エポキシ基を封鎖するため、安息香酸、サリチル酸或いは2級アミン化合物などの封鎖剤を反応させたものであってもよい。また、場合によっては、封鎖剤を、軟質有機成とビスフェノール型エポキシ樹脂の反応時に反応させることもできる。
変性樹脂(B)は、軟質成分を構造中に有することで、架橋塗膜の応力緩和能力の発現に寄与し、加工性、加工部密着性の向上に寄与するものと考えられる。
硬化剤(C)
硬化剤(C)は、前記水酸基含有皮膜形成性樹脂(A)及び軟質有機成分で変性されたビスフェノール型エポキシ樹脂(B)と反応し、硬化塗膜を形成するものであり、加熱などにより樹脂(A)及び樹脂(B)と反応して硬化させることができるものであれば特に制限なく使用することができる。硬化剤(C)としては、なかでもアミノ樹脂、フェノール樹脂及びブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物が好適である。これらの硬化剤は、1種で又は2種以上組合せて使用することができる。
上記アミノ樹脂としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグラナミン、ステログタナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂が挙げられる。上記反応に用いられるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等が挙げられる。また、上記メチロール化アミノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル化したものもアミノ樹脂として使用できる。エーテル化に用いられるアルコールの例としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノールなどが挙げられる。
上記硬化剤として使用できるフェノール樹脂としては、フェノール成分とホルムアルデヒド類とを反応触媒の存在下で加熱して縮合反応させてメチロール基を導入して得られるメチロール化フェノール樹脂のメチロール基の一部または全てをアルコールでアルキルエーテル化してなるレゾール型フェノール樹脂が挙げられる。
レゾール型フェノール樹脂の製造においては、出発原料である上記フェノール成分として、2官能性フェノール化合物、3官能性フェノール化合物、4官能性以上のフェノール化合物などを使用することができる。
上記フェノール化合物として、例えば、2官能性フェノール化合物としては、o−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノールなどを挙げることができ、3官能性フェノール化合物としては、石炭酸、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノールなどが挙げられ、4官能性フェノール化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどを挙げることができる。中でも耐スクラッチ性の向上のためには3官能性以上のフェノール化合物、特に石炭酸及び/又はm−クレゾールを用いることが好ましい。これらのフェノール化合物は1種で、又は2種以上混合して使用することができる。
フェノール樹脂の製造に用いられるホルムアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又はトリオキサンなどが挙げられ、1種で又は2種以上混合して使用することができる。
メチロール化フェノール樹脂のメチロール基の一部をアルキルエーテル化するのに用いられるアルコールとしては、炭素原子数1〜8個、好ましくは1〜4個の1価アルコールを好適に使用することができる。 好適な1価アルコールとしてはメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどを挙げることができる。
フェノール樹脂は、樹脂(A)や樹脂(B)との反応性などの点からベンゼン核1核当りアルコキシメチル基を平均して0.5個以上、好ましくは0.6〜3.0個有するものが適している。
上記硬化剤として使用できるブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物におけるブロック化されていないポリイソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネートもしくはトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシアネートの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートもしくは4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードMDIの如き芳香族ジイソシアネート類の如き有機ジイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ジイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き各有機ジイソシアネート同志の環化重合体、更にはイソシアネート・ビウレット体等が挙げられる。
ブロック化ポリイソシアネート化合物は、上記ポリイソシアネート化合物のフリーのイソシアネート基をブロック化剤によってブロック化したものである。上記ブロック化剤としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノールなどのフェノール系;ε−カプロラクタム;δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムなどラクタム系;メタノール、エタノール、n−,i−又はt−ブチルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコールなどのアルコール系;ホルムアミドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどオキシム系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系などのブロック化剤を好適に使用することができる。上記ポリイソシアネート化合物と上記ブロック化剤とを混合することによって容易に上記ポリイソシアネート化合物のフリーのイソシアネート基をブロックすることができる。
前記水酸基含有皮膜形成性樹脂(A)と変性樹脂(B)と上記硬化剤(C)との配合割合は、(A)、(B)及び(C)成分の合計固形分100質量部に基づいて、下記範囲内であることが、耐食性、耐沸騰水性、加工性、硬化性などの点から好適である。
樹脂(A):5〜90質量部、好ましくは10〜80質量部、
樹脂(B):5〜90質量部、好ましくは10〜80質量部、
硬化剤(C):5〜45質量部、好ましくは10〜40質量部。
本発明塗料組成物の硬化性を上げるため必要に応じて硬化触媒を配合することができる。硬化剤(C)がアミノ樹脂、特に低分子量の、メチルエーテル化またはメチルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂を含有する場合には、硬化触媒としてスルホン酸化合物又はスルホン酸化合物のアミン中和物が好適に用いられる。スルホン酸化合物の代表例としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などを挙げることができる。スルホン酸化合物のアミン中和物におけるアミンとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミンのいずれであってもよい。これらのうち、塗料の安定性、反応促進効果、得られる塗膜の物性などの点から、p−トルエンスルホン酸のアミン中和物及び/又はドデシルベンゼンスルホン酸のアミン中和物が好適である。
硬化剤(C)がフェノ ール樹脂である場合、硬化触媒として、上記スルホン酸化合物又はスルホン酸化合物のアミン中和物が好適に用いられる。
硬化剤(C)がブロック化ポリイソシアネート化合物である場合には、硬化剤であるブロック化ポリイソシアネート化合物のブロック剤の解離を促進する硬化触媒が好適であり、好適な硬化触媒として、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、2−エチルヘキサン酸鉛などの有機金属触媒などを挙げることができる。
硬化剤(C)が2種以上の架橋剤の組合せである場合には、各硬化剤に有効な硬化触媒を組合せて使用することができる。
防錆顔料(D)
防錆顔料(D)としては、防錆性を有する顔料であれば、クロム系顔料、非クロム系顔料のいずれも使用することができるが、人体への健康面、環境保護の観点から非クロム系顔料であることが好適である。
クロム系防錆顔料としては、クロム酸ストロンチウム、クロム酸亜鉛、クロム酸亜鉛カリウム、クロム酸バリウム、クロム酸クロム、リン酸クロムなどを挙げることができる。非クロム系防錆顔料としては、燐酸亜鉛、トリポリ燐酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛珪酸カルシウム、五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム、メタバナジン酸アンモニウム、バナジン酸リン、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、第2リン酸マグネシウム、酸化マンガンと酸化バナジウムとの焼成物、リン酸カルシウムと酸化バナジウムとの焼成物、吸油量が30〜200ml/100g、細孔容積が0.05〜1.2ml/gであるシリカ微粒子などを挙げることができる。これらの防錆顔料は1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。
本発明塗料組成物において、防錆顔料(D)としては、なかでも下記(1)バナジウム化合物、(2)珪素含有化合物及び(3)リン酸系金属塩の組み合わせを好適に用いることができる。
バナジウム化合物(1)
バナジウム化合物(1)は、五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びメタバナジン酸アンモニウムのうちの少なくとも1種のバナジウム化合物である。五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びメタバナジン酸アンモニウムは、5価バナジウムイオンの水への溶出性に優れており、バナジウム化合物(1)から放出される5価バナジウムイオンが、素材金属と反応したり、他の防錆顔料混合物からのイオンと反応することにより耐食性向上に効果的に働く。
珪素含有化合物(2)
珪素含有化合物(2)は、金属珪酸塩及びシリカ微粒子のうちの少なくとも1種である。
金属珪酸塩は、二酸化珪素と金属酸化物とからなる塩であり、オルト珪酸塩、ポリ珪酸塩などのいずれであってもよい。珪酸塩としては、例えば、珪酸亜鉛、珪酸アルミニウム、オルト珪酸アルミニウム、水化珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムベリリウム、珪酸ナトリウム、オルト珪酸カルシウム、メタ珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ジルコニウム、オルト珪酸マグネシウム、メタ珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカルシウム、珪酸マンガン、珪酸バリウム、カンラン石、ザクロ石、トルトバイタイト、イキョク鉱、ベニトアイト、ネプチュナイト、リョクチュウ石、トウキ石、ケイカイ石、バラキ石、トウセン石、ゾノトラ石、タルク、ギョガン石、アルミノ珪酸塩、ホウ珪酸塩、ベリロ珪酸塩、チョウ石、フッ石などを挙げることができる。金属珪酸塩としては、なかでもオルト珪酸カルシウム、メタ珪酸カルシウムが好適である。
シリカ微粒子としては、シリカ微粒子である限り特に制限なく使用でき、例えば、表面が無処理のシリカ微粉末、表面が有機物で処理されたシリカ微粉末、カルシウムイオン交換シリカ微粒子、有機溶剤分散性コロイダルシリカなどを挙げることができる。
表面が無処理又は有機物で処理されたシリカ微粒子としては、平均粒子径0.5〜15μm、好ましくは1〜10μmを有するシリカ微粉末、有機溶剤分散性コロイダルシリカが挙げられる。シリカ微粉末としては、吸油量が30〜350ml/100g、好ましくは30〜150ml/100gの範囲内にあるものを好適に使用することができ、市販品として、サイリシア710、サイリシア740、サイリシア550、アエロジルR972(以上、いずれも富士シリシア化学(株)製)、ミズカシルP−73(水澤化学工業(株)製)、ガシル200DF(クロスフィールド社製)などを挙げることができる。
カルシウムイオン交換シリカは、微細な多孔質のシリカ担体にイオン交換によってカルシウムイオンが導入されたシリカ微粒子である。カルシウムイオン交換シリカの市販品としては、SHIELDEX(シールデックス、登録商標)C303、同AC−3、 同AC−5(以上、いずれもW.R.Grace & Co.社製)などを挙げることができる。カルシウムイオン交換シリカから放出されるカルシウムイオンは、電気化学的作用、種々の塩生成作用にかかわり、耐食性の向上に効果的に働く。また、塗膜中に固定化されるシリカは、腐食雰囲気下での塗膜の剥離抑制などに効果的に働く。有機溶剤分散性コロイダルシリカは、オルガノシリカゾルとも呼称され、アルコール類、グリコール類、エーテル類などの有機溶剤中に、粒子径が約5〜120nm程度のシリカ微粒子が安定に分散されたものであって、市販品としては、オスカル(OSCAL)シリーズ(触媒化成(株)製)、オルガノゾル(日産化学(株)製)などを挙げることができる。これらのうち、なかでもカルシウムイオン交換シリカ微粒子が好適である。
各金属珪酸塩及び各シリカ微粒子は、1種で又は2種以上を組合せて珪素含有化合物(2)として使用することができる。
リン酸系金属塩(3)
リン酸系金属塩(3)は、リン酸金属塩、リン酸水素金属塩及びトリポリリン酸金属塩のうちの少なくとも1種である。リン酸系金属塩の金属は、特に制限されるものではなく、好適な金属として、Ca、Zn、Al又はMgを挙げることができ、なかでもCaが特に好適である。
上記リン酸系金属塩としては、例えば、リン酸カルシウム、リン酸カルシウムアンモニウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸塩化フッ化カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素亜鉛、リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素アルミニウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸マグネシウムアンモニウム、トリポリリン酸ニ水素アルミニウムなどを挙げることができる。これらのうち、リン酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウムが耐食性の面から特に好適である。リン酸系金属塩(3)から放出されるリン酸イオン、Ca、Zn、Al又はMgなどの金属イオンが耐食性の向上に効果的に働く。
本発明塗料組成物において、前記水酸基含有皮膜形成性樹脂(A)と軟質有機成分で変性されたビスフェノール型エポキシ樹脂(B)と硬化剤(C)との合計固形分100質量部に対して、防錆顔料(D)の量が10〜150質量部、好ましくは15〜90質量部であることが耐食性の観点から好ましく、なかでも防錆顔料(D)として、上記バナジウム化合物(1)、珪素含有化合物(2)及びリン酸系金属塩(3)が下記範囲内にあることが、非クロム系であり、且つ耐食性向上の面から好適である。
バナジウム化合物(1):3〜50質量部、好ましくは5〜30質量部、
珪素含有化合物(2) :3〜50質量部、好ましくは5〜30質量部、
リン酸系金属塩(3) :3〜50質量部、好ましくは5〜30質量部。
本発明塗料組成物においては、防錆顔料混合物として、これら(1)、(2)及び(3)を所定量組合せることによって、相乗的に耐食性を向上させることができるものである。
本発明塗料組成物には、前記水酸基含有皮膜形成性樹脂(A)、変性樹脂(B)硬化剤(C)、防錆顔料(D)及び必要に応じて配合される硬化触媒以外に、塗料分野で使用できる着色顔料、体質顔料、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、有機溶剤;沈降防止剤、消泡剤、塗面調整剤などの添加剤等を必要に応じて配合することができる。
上記着色顔料としては、例えばシアニンブルー、シアニングリーン、アゾ系やキナクリドン系などの有機赤顔料などの有機着色顔料;チタン白、チタンエロー、ベンガラ、カーボンブラック、各種焼成顔料などの無機着色顔料を挙げることができ、なかでもチタン白を好適に使用することができる。
上記体質顔料としては、例えばタルク、クレー、マイカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等を挙げることができる。
上記紫外線吸収剤としては、例えば2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、イソオクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジン)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[ 2−ヒドロキシ−3−ジメチルベンジル−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、メチル− 3 −[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート/ポリエチレングリコール300との縮合物などのベンゾトリアゾール系誘導体;2−[4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2 −ヒドロキシフェニル−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン系誘導体;エタンジアミド−N−(2−エトキシフェニル)−N'−(2−エチルフェニル)−(オキサリックアミド)、エタンジアミド−N−(2−エトキシフェニル)−N'−(4−イソドデシルフェニル)−(オキサリックアミド)などの蓚酸アニリド系誘導体などを挙げることができる。
上記紫外線安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物;CHIMASORB944、TINUVIN144、TINUVIN292、TINUVIN770、IRGANOX1010、IRGANOX1098(以上、これらの商品名の製品は、いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の製品である。)などを挙げることができる。
紫外線吸収剤や紫外線安定剤を塗料中に配合することによって、この塗膜表面の光による劣化を抑制することができ、この塗料をプライマーとして使用した場合にも、上層塗膜を通過してプライマー塗膜表面に到達した光によるプライマー表面の劣化を抑制することができるので、プライマー塗膜表面の劣化によるプライマー塗膜と上層塗膜との層間剥離を防止でき、優れた層間密着性、耐食性を維持できる。
本発明塗料組成物に配合できる前記有機溶剤は、本発明組成物の塗装性改善などのために必要に応じて配合されるものであり、水酸基含有皮膜形成性樹脂(A)、変性樹脂(B)及び硬化剤(C)を溶解ないし分散できるものが使用でき、具体的には、例えば、トルエン、キシレン、高沸点石油系炭化水素などの炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアルコール系溶剤などを挙げることができ、これらは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
本発明塗料組成物は、本発明組成物から得られる硬化塗膜のガラス転移温度が40〜115℃、好ましくは50〜105℃であることが塗膜の耐食性、耐酸性及び加工性などの点から好適である。塗膜のガラス転移温度は、DINAMIC VISCOELASTOMETER MODEL VIBRON(ダイナミックビスコエラストメータ モデルバイブロン) DDV−IIEA型(東洋ボールドウィン社製、自動動的粘弾性測定機)を用いて周波数110Hzにおける温度分散測定によるtanδの変化から求めた極大値の温度である。
本発明塗料組成物が金属板上に塗装され、形成された塗膜は、優れた耐食性を示すが、その理由として本発明者らは、本発明塗料組成物における樹脂成分が、応力緩和能に優れ且つ弾性率と伸びのバランスに優れた塗膜を形成することができることによるものと考えている。
塗装金属板
本発明塗料組成物は、金属板上に塗装し硬化させることによって塗装金属板を得ることができる。塗装される金属板としては、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、鉄−亜鉛合金メッキ鋼板(ガルバニル鋼板)、アルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板(合金中アルミニウムを約55%含有する「ガルバリウム鋼板」、合金中アルミニウムを約5%含有する「ガルファン」など)、ニッケル−亜鉛合金メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、銅板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板等の金属板が挙げられ、これらの金属板表面は、化成処理がなされていてもよい。化成処理としては、例えば、リン酸亜鉛処理やリン酸鉄処理などのリン酸塩処理、複合酸化膜処理、リン酸クロム処理、クロメート処理などを挙げることができる。
本発明組成物は、上記金属板上に、ロールコート法、カーテンフローコート法、スプレー法、刷毛塗り法、浸漬法などの公知の方法により塗装することができる。本発明組成物から得られる塗膜の硬化膜厚は、特に限定されるものではないが、通常2〜10μm、好ましくは3〜6μmの範囲で使用される。塗膜の硬化は、使用する樹脂の種類などに応じて適宜設定すればよく、コイルコーティング法などによって塗装したものを連続的に焼付ける場合には、通常、素材到達最高温度が160〜250℃、好ましくは180〜230℃となる条件で15〜60秒間焼付けられる。バッチ式で焼付ける場合には、80〜200℃で10〜30分間焼付けることによっても行うことができる。また、架橋剤(B)として、ブロック化していないポリイソシアネートを用いる場合のような、塗膜形成過程における架橋反応に特に加熱を必要としない組み合わせの場合には、常法に従い、常温乾燥にて硬化させることも出来る。
本発明の塗装金属板は、化成処理されていてもよい金属板上に、上記本発明塗料組成物による塗膜が設けられており、この本発明塗料組成物による塗膜を形成した塗装金属板そのものを使用に供することができるが、さらに、この塗膜の上に上塗塗膜を設けることもできる。上塗塗膜の膜厚は、通常、8〜30μm、好ましくは10〜25μmであることが好適である。
上記上塗塗膜を形成する上塗塗料としては、例えばプレコート鋼板用として公知の、ポリエステル樹脂系、アルキド樹脂系、シリコン変性ポリエステル樹脂系、シリコン変性アクリル樹脂系、フッ素樹脂系などの各種上塗塗料を挙げることができる。加工性が特に重視される場合には高度加工用のポリエステル系上塗塗料を使用することによって加工性の特に優れた塗装鋼板を得ることができる。本発明の塗装金属板は、耐食性に優れた塗膜性能を示すことができる。
被塗物となる金属板として、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板を使用した場合、平面部の耐食性はかなり向上してきている一方、これまで、切断した端面部、成型加工した加工部においては、耐食性は不十分であったが、本発明塗料組成物を塗装することによって、端面部、加工部においても優れた耐食性を得ることができる。
また、被塗物の両面に本発明塗料組成物による塗膜が設けられていてもよく、さらに必要に応じて、本発明塗料組成物による塗膜の上に、上記上塗塗膜が形成されていてもよい。本発明塗料組成物における防錆顔料として、クロム系の防錆顔料を含まない非クロム系防錆顔料を使用することによって、環境衛生面で有利でかつ耐食性に優れた塗装金属板を得ることができる。
以下、製造例、実施例によって本発明をより具体的に説明する。本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、以下、「部」および「%」はいずれも質量基準によるものである。
合成例1 水酸基含有アクリル樹脂AC1溶液の製造
攪拌機、温度計及び冷却器が取り付けてある反応容器中にプロピレングリコールモノメチルエーテル100部を投入し、攪拌しながら反応容器内の温度を80℃まで上げた。80℃の温度に保持しながら下記に示すモノマーなどの原料の混合物を3時間かけて滴下し、さらに同温度で3時間保持し熟成し、固形分35%の水酸基含有アクリル樹脂AC1溶液を得た。
2−ヒドロキシエチルアクリレート 15.0部
2−ヒドロキシエチルメタアクリレート 11.0部
スチレン 20.0部
メチルメタクリレート 27.0部
n−ブチルアクリレート 27.2部
2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル 1.5部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 85.7部
合成例2〜8
モノマー組成を表1に示す配合とする以外は合成例1と同様にして合成を行ない、固形分35%の水酸基含有アクリル樹脂AC2〜AC8溶液を得た。水酸基含有アクリル樹脂AC8溶液は、変性ビスフェノール型エポキシ樹脂製造のための軟質有機成分溶液として使用する。表1中に得られた樹脂の性状値を示す。表中の配合量は、いずれも固形分質量による表示である。
合成例9 ポリエステル樹脂PE1溶液の合成
撹拌機、温度計、還流冷却器等の備わった反応槽に、下記の原料混合物を入れ、160℃から230℃まで3時間かけて昇温させ、生成した水を精留塔を通して留去した。230℃で1時間保持後、キシロールを添加し230℃でキシロールを還流させながら脱水しエステル化反応を行った。
エチレングリコール 0.9モル
ネオペンチルグリコール 0.1モル
イソフタル酸 0.95モル
酸価約0になった時点で140℃まで冷却し2時間保持し、冷却後、スワゾール1500(丸善石油化学(株)製、高沸点芳香族石油系溶剤)を加えて固形分35%のポリエステル樹脂PE1溶液を得た。得られた樹脂は、数平均分子量3,800、ガラス転移温度45℃、水酸基価30mgKOH/g、酸価約0mgKOH/gを有していた。
合成例10〜16
アルコール成分及び酸成分の配合を表1に示す配合とする以外は、合成例11と同様にして合成を行ない、固形分35%の各ポリエステル樹脂PE2〜PE8溶液を得た。表1中に得られた樹脂の性状値を示す。表中の配合量は、いずれもモル量による表示である。
ポリエステル樹脂PE1〜PE7は、いずれも水酸基含有ポリエステル樹脂であり、ポリエステル樹脂PE8は、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂である。ポリエステル樹脂PE8溶液は、変性ビスフェノール型エポキシ樹脂製造のための軟質有機成分溶液として使用する。
Figure 2009227747
Figure 2009227747
製造例1 変性ビスフェノール型エポキシ樹脂ME1溶液の製造
攪拌機、加温・温度制御装置を具備した反応容器中に、シクロヘキサノン43部、jER1004(ジャパンエポキシレジン社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量約925)90部を仕込み、攪拌しながら130℃に加温した。エポキシ樹脂が溶解したことを確認した後、ダイマー酸10部、臭化テトラエチルアンモニウム0.5部を添加し、引き続き4時間反応を継続した。樹脂酸価が1以下となったことを確認し、シクロヘキサノン67.7部、スワゾール1000(丸善石油化学(株)製、高沸点芳香族石油系溶剤)75部を加え、固形分35%のエポキシ樹脂ME1溶液を得た。
製造例2
製造例1において、jER1004の量を90部から95部に変更し、ダイマー酸の量を10部から5部に変更する以外は製造例1と同様に行い、固形分35%の変性エポキシ樹脂ME2溶液を得た。
製造例3
製造例1において、jER1004の量を90部から80部に変更し、ダイマー酸の量を10部から20部に変更する以外は製造例1と同様に行い、固形分35%の変性エポキシ樹脂ME3溶液を得た。
製造例4
製造例1において、jER1004をjER1001(ジャパンエポキシレジン社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量475)に変更し、ダイマー酸をアジピン酸に変更する以外は製造例1と同様に行い、固形分35%の変性エポキシ樹脂ME4溶液を得た。
製造例5
製造例1において、jER1004をjER1007(ジャパンエポキシレジン社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量約1800)に変更し、ダイマー酸10部を合成例8で得たアクリル樹脂AC8溶液29部(固形分量で10部)に変更する以外は製造例1と同様に行い、固形分35%の変性エポキシ樹脂ME5溶液を得た。
製造例6
製造例1において、90部のjER1004を80部のjER1007に変更し、ダイマー酸10部の代わりに合成例16で得たポリエステル樹脂PE8溶液57部(固形分量で20部)を使用する以外は製造例1と同様に行い、固形分35%の変性エポキシ樹脂ME6溶液を得た。
製造例7
製造例1において、jER1004の量を90部から70部に変更し、ダイマー酸10部の代わりにダイマー酸10部と合成例8で得たアクリル樹脂AC8溶液の57部(固形分量で20部)の組合せを使用する以外は製造例1と同様に行い、固形分35%の変性エポキシ樹脂ME7溶液を得た。
製造例8
製造例7において、合成例8で得たアクリル樹脂AC8溶液を、合成例16で得たポリエステル樹脂PE8溶液に変更する以外は製造例7と同様に行い、固形分35%の変性エポキシ樹脂ME8溶液を得た。
製造例1〜8における配合量を表2に示す。表2中の配合量は、いずれも固形分質量による表示である。
Figure 2009227747
製造例9 レゾール型フェノール樹脂C1溶液の製造
反応容器に、p−クレゾール100部、37%ホルムアルデヒド水溶液178部及び水酸化ナトリウム1部を配合し、60℃で3時間反応させた後、減圧下、50℃で1時間脱水した。ついでn−ブタノール100部とリン酸3部を加え、110〜120℃で2時間反応を行った。反応終了後、得られた溶液を濾過して生成したリン酸ナトリウムを濾別し、固形分約50%のレゾール型フェノール樹脂C1溶液を得た。得られた樹脂は、数平均分子量880で、ベンゼン核1核当たり平均メチロール基数が0.4個及び平均アルコキシメチル基数が1.0個であった。
製造例10 裏面用塗料の製造
jER1009F(ジャパンエポキシレジン社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量約2000)80部を混合溶剤1[シクロヘキサノン/エチレングリコールモノブチルエーテル/スワゾール1500(丸善石油化学(株)製、高沸点芳香族炭化水素系溶剤)=3/1/1(質量比)]120部に溶解したエポキシ樹脂溶液200部に、チタン白40部、バリタ40部及び混合溶剤2[スワゾール1500/シクロヘキサノン=1/1(質量比)]の適当量を混合し、ツブ(顔料粗粒子の粒子径)が20ミクロン以下となるまで顔料分散を行った。次いで、この分散物に、デスモジュールBL−3175(住化バイエルウレタン社製、メチルエチルケトオキシムでブロック化したHDIイソシアヌレート型ポリイソシアネート化合物溶液、固形分約75%)26.7部(固形分量で20部)、タケネートTK−1(武田薬品社製、有機錫系ブロック剤解離触媒、固形分約10%)2部を加えて均一に混合し、さらに上記混合溶剤2を加えて粘度約80秒(フォードカップ#4/25℃)に調整して裏面用塗料を得た。
防錆塗料組成物の製造
実施例1
製造例1で得た固形分35%の変性ビスフェノール型エポキシ樹脂ME1溶液160部(固形分量で56部)に、五酸化バナジウム20部、メタ珪酸カルシウム20部、リン酸カルシウム20部、チタン白20部、バリタ20部及び混合溶剤2[スワゾール1500/シクロヘキサノン=1/1(質量比)]の適当量を混合し、ツブ(顔料粗粒子の粒子径)が20ミクロン以下となるまで顔料分散を行った。次いで、この分散物に、合成例1で得た固形分35%の水酸基含有アクリル樹脂AC1溶液68.6部(固形分量で24部)デスモジュールBL−3175(住化バイエルウレタン社製、メチルエチルケトオキシムでブロック化したHDIイソシアヌレート型ポリイソシアネート化合物溶液、固形分約75%)26.7部(固形分量で20部)、タケネートTK−1(武田薬品社製、有機錫系ブロック剤解離触媒、固形分約10%)2部を加えて均一に混合し、さらに上記混合溶剤2を加えて粘度約80秒(フォードカップ#4/25℃)に調整して防錆塗料組成物を得た。
実施例2、4〜11及び13〜32並びに比較例2〜5及び7〜10
実施例1において、使用する水酸基含有皮膜形成性樹脂、変性ビスフェノール型エポキシ樹脂、硬化剤、付着付与剤、防錆顔料、その他顔料などを下記表3に示すとおりとする以外は、実施例1と同様に行い、各防錆塗料組成物を得た。但し、実施例8、9、17及び18においては、2部のタケネートTK−1に代えて、ネイキュア5225(米国キングインダストリイズ社製、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン中和溶液)1部を各々配合するものとする。
実施例3
製造例1で得た固形分35%の変性ビスフェノール型エポキシ樹脂ME1溶液114部(固形分量で40部)と合成例1で得た固形分35%の水酸基含有アクリル樹脂AC1溶液46部(固形分量で16部)との混合樹脂溶液160部に、五酸化バナジウム20部、メタ珪酸カルシウム20部、リン酸カルシウム20部、チタン白20部、バリタ20部及び混合溶剤2[スワゾール1500/シクロヘキサノン=1/1(質量比)]の適当量を混合し、ツブ(顔料粗粒子の粒子径)が20ミクロン以下となるまで顔料分散を行った。次いで、この分散物に、合成例1で得た固形分35%の水酸基含有アクリル樹脂AC1溶液23部(固形分量で8部)、デスモジュールBL−3175(住化バイエルウレタン社製、メチルエチルケトオキシムでブロック化したHDIイソシアヌレート型ポリイソシアネート化合物溶液、固形分約75%)26.7部(固形分量で20部)、タケネートTK−1(武田薬品社製、有機錫系ブロック剤解離触媒、固形分約10%)2部を加えて均一に混合し、さらに上記混合溶剤2を加えて粘度約80秒(フォードカップ#4/25℃)に調整して防錆塗料組成物を得た。
実施例12
実施例3において、使用する水酸基含有皮膜形成性樹脂、変性ビスフェノール型エポキシ樹脂、硬化剤、付着付与剤、防錆顔料、その他顔料などを下記表3に示すとおりとする以外は、実施例3と同様に行い、防錆塗料組成物を得た。
比較例1
jER1009F(ジャパンエポキシレジン社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量約2000)80部を混合溶剤1[シクロヘキサノン/エチレングリコールモノブチルエーテル/スワゾール1500(丸善石油化学(株)製、高沸点芳香族炭化水素系溶剤)=3/1/1(質量比)]149部に溶解して35%エポキシ樹脂溶液229部を得た。得られた35%エポキシ樹脂溶液のうちの160部(固形分量で56部)に、五酸化バナジウム20部、メタ珪酸カルシウム20部、リン酸カルシウム20部、チタン白20部、バリタ20部及び混合溶剤2[スワゾール1500/シクロヘキサノン=1/1(質量比)]の適当量を混合し、ツブ(顔料粗粒子の粒子径)が20ミクロン以下となるまで顔料分散を行った。次いで、この分散物に、35%エポキシ樹脂溶液のうちの残りの69部(固形分量で24部)、デスモジュールBL−3175(住化バイエルウレタン社製、メチルエチルケトオキシムでブロック化したHDIイソシアヌレート型ポリイソシアネート化合物溶液、固形分約75%)26.7部(固形分量で20部)、タケネートTK−1(武田薬品社製、有機錫系ブロック剤解離触媒、固形分約10%)2部を加えて均一に混合し、さらに上記混合溶剤2を加えて粘度約80秒(フォードカップ#4/25℃)に調整して防錆塗料組成物を得た。
比較例6及び11
比較例1において、使用する水酸基含有皮膜形成性樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、付着付与剤、防錆顔料、その他顔料などを下記表3に示すとおりとする以外は、比較例1と同様に行い、各防錆塗料組成物を得た。
表3における各成分の量は、いずれも固形分質量による表示である。
Figure 2009227747
Figure 2009227747
Figure 2009227747
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上記表3において、表中の(注)は、それぞれ下記の意味を有する。
(注1)jER 1009F:ジャパンエポキシレジン社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量約2000。
(注2)サイメル303:日本サイテックインダストリイズ(株)社製、商品名、メチルエーテル化メラミン樹脂。
(注3)Caイオン交換シリカ:W.R.Grace & Co.社製のSHIELDEX(シールデックス、登録商標)C303。
試験用塗装板の作成
上記実施例1〜32及び比較例1〜11で得た各防錆塗料組成物及び上塗塗料を用い、下記の塗装仕様にて各素材に塗装し焼付けを行い、各試験用塗装板を得た。
塗装仕様:
クロメート化成処理が施されたガルバリウム鋼板(板厚0.35mm、アルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板、合金中アルミニウムを約55%含有、合金メッキ目付量150g/m)に、前記製造例10で得た裏面用塗料を乾燥膜厚8μmとなるようにバーコーターにて塗装し、素材到達最高温度が180℃となるようにして30秒間焼き付けて裏面塗膜を形成した。この裏面塗膜を形成した塗装板の裏面塗膜と反対側のメッキ鋼板面に、上記各例で得た各防錆塗料組成物を乾燥膜厚5μmとなるようにバーコーターにて塗装し、素材到達最高温度が220℃となるようにして40秒間焼き付けて各プライマー塗膜を形成した。冷却後、これらのプライマー塗膜上に、KPカラー1580B40(関西ペイント社製、商品名、ポリエステル系上塗塗料、青色、硬化塗膜のガラス転移温度約70℃)をバーコーターにて乾燥膜厚が約15μmとなるように塗装し、素材到達最高温度が220℃となるようにして40秒間焼き付けて各試験用塗装板を得た。
塗膜性能試験
上記塗装仕様により得られた各試験用塗装板について、下記試験方法に従って塗膜性能試験を行った。試験結果を後記表4に示す。
試験方法
折り曲げ加工性:20℃の室温において、6cm×12cmの大きさに切断した各試験用塗装板に、折り曲げ部の長さが6cmとなるように、4T折り曲げ加工(塗装板の表面側を外側にして折り曲げ、その内側に塗装板と同じ厚さの板を4枚挟み、上記塗装板を万力にて180度折り曲げする加工)を施した。折り曲げ加工部の塗膜の耐ワレ性及び折り曲げ加工部の塗膜の密着性を下記基準により評価した。折り曲げ加工部の塗膜の密着性は、折り曲げ部分にセロハン粘着テープを貼り付け、そのテープを瞬時に剥がした時の折り曲げ加工部の塗膜の剥がれ程度を評価した。
(折り曲げ加工部の塗膜の耐ワレ性)
◎:加工部に塗膜のワレが認められない
○:加工部に塗膜のワレがわずかに認められる
△:加工部に塗膜のワレがかなり認められる
×:加工部に塗膜のワレが著しく認められる。
(折り曲げ加工部の塗膜の密着性)
◎:加工部に塗膜の剥がれが認められない
○:加工部に塗膜の剥がれがわずかに認められる
△:加工部に塗膜の剥がれがかなり認められる
×:加工部全面の塗膜が剥離する。
耐沸騰水性:5cm×10cmの大きさに切断した各試験用塗装板を約100℃の沸騰水中に5時間浸漬した後、引き上げて表面側の塗膜外観を評価するとともに、碁盤目テープ付着試験を行い評価した。碁盤目テープ付着試験は、JIS K−5400 8.5.2(1990)碁盤目テープ法に準じて、切り傷の隙間間隔を1mmとし、碁盤目100個を作り、その表面にセロハン粘着テープを密着させ、急激に剥がした後の塗面に残存する碁盤目の数を調べた。
◎:塗膜にフクレの発生、白化などの異常がなく、残存碁盤目数100個、
○:塗膜にフクレの発生、白化などの異常がなく、残存碁盤目数91〜99個、
△:塗膜にフクレ又は白化などの異常がわずかに認められ、残存碁盤目数91〜99個である、又は塗膜にフクレの発生、白化などの異常がないが、残存碁盤目数71〜90個、
×:塗膜にフクレの発生がかなりもしくは著しく認められる、又は残存碁盤目数70個以下。
耐アルカリ性:5cm×10cmの大きさに切断した各試験用塗装板裏面及び切断面を防錆塗料にてシールし、塗装板の表面側中央部に素地に達するクロスカットを入れた。この塗装板を30℃の5%水酸化ナトリウム水溶液に48時間浸漬した後、取出し洗浄し、室温にて乾燥した塗装板の表面側の塗膜外観を評価するとともに、クロスカット部にセロハン粘着テープを密着させ、急激に剥がした後の塗膜におけるカット部からの剥離幅(片側)を評価した。
◎:フクレの発生がなく、カット部からのテープ剥離幅が1.5mm以下、
○:フクレの発生がなく、カット部からのテープ剥離幅が1.5mmを超え、3mm以下、
△:フクレの発生が少し認められるが、カット部からのテープ剥離幅が3mm以下、又はフクレの発生が認められないが、カット部からのテープ剥離幅が3mmを超える、
×:フクレの発生が認められ、かつカット部からのテープ剥離幅が3mmを超える。
耐スクラッチ性:20℃の室温において、各試験用塗装板の表面側の塗面に10円銅貨の縁を約45度の角度で押し当て、3kgの荷重をかけて押し付けながら10円銅貨を10mm/秒の速度で約30mm引っ張って塗面に傷を付けた時の傷の程度及び塗膜の素地からの剥がれ難さから下記基準に従って評価した。
◎:傷の部分に金属の素地は見られない、
○:傷の部分に金属の素地がわずかに見られる、
△:傷の部分に金属の素地がかなり見られる、
×:傷の部分に塗膜がほとんど残らず金属の素地がきれいに見られる。
複合サイクル腐食試験(CCT試験):JASO M609−91(自動車用材料腐食試験 1991年)に準ずる。各試験用塗装板の長辺のエッジ部のバリが表面側塗膜面に向って右側において表面側に向き、左側において裏面側に向くように、6cm×12cmの大きさに切断した各試験用塗装板の表面側中央部に素地に達する狭角30度、線幅0.5mmのクロスカットをカッターナイフの背中を用いて入れ、塗装板上端エッジ部を防錆塗料にてシールし、上端部に4T折り曲げ加工部(塗装板の表面側を外側にして折り曲げ、その内側に塗装板と同じ厚さの板を4枚挟み、上記塗装板を万力にて180度折り曲げする加工)を設けた塗装板について、(35℃で5%食塩水噴霧2時間)−(60℃で乾燥4時間 相対湿度95%)−(50℃で湿潤2時間 相対湿度95%)を1サイクルとして、150サイクル(合計1200時間)試験を行った。この試験後の塗装板の4T折り曲げ加工部、クロスカット部、エッジ部の状態を評価した。
(4T加工部)4T加工部における錆部の合計長さを評価した。
◎:錆の発生が認められない、
○:白錆が認められるが20mm未満、
△:白錆が20mm以上でかつ40mm未満、
×:白錆が40mm以上、又は赤錆の発生が認められる。
(クロスカット部)クロスカット部の腐食状態を、0.5mmのカット幅の地金露出部における白錆発生長さ割合、及びカット部の左右のフクレ幅(両側の和)の平均値により、次の基準で評価した。
◎:地金露出部における白錆発生長さ割合50%未満でかつフクレ幅3mm未満、
○:地金露出部における白錆発生長さ割合50%以上でかつフクレ幅3mm未満、又は地金露出部における白錆発生長さ割合50%未満でかつフクレ幅3mm以上で5mm未満、
△:地金露出部における白錆発生長さ割合50%以上でかつフクレ幅5mm以上で10mm未満、
×:地金露出部における白錆発生長さ割合50%以上でかつフクレ幅10mm以上。
(エッジ部)塗装板の左右の長辺のエッジクリープ幅の平均値を求め、次の基準により評価した。
◎:5mm未満、
○:5mm以上でかつ10mm未満、
△:10mm以上でかつ20mm未満、
×:20mm以上。
耐候塩水噴霧試験:5cm×10cmの大きさに切断した試験用塗装板に、JIS K 5600 7.7に規定の塗膜の長期耐久性 促進耐候性(キセノンランプ法)試験のA法に基き、(湿潤18分間−乾燥102分間)の繰り返しサイクル条件でキセノンウェザメーターで500時間連続照射を行った。ついで裏面及び切断面を防錆塗料にてシールし、塗装板の表面中央に素地に達するクロスカットを入れた。この塗装板について、塩水噴霧試験(JIS Z−2371)を500時間行った後、平面部の外観を下記基準により評価した。
◎:カット部からのフクレ・錆進行幅がカットを跨いで平均3mm以下であり、その他異常が認められない、
○:カット部からのフクレ・錆進行幅が3mmを超え、かつ5mm以下であり、平面部その他に異常は認められない、又は、平面部に若干のフクレ発生が認められるものの、カット部からのフクレ・錆進行幅は、3mm以下である、
△:カット部からのフクレ・錆進行幅が3mmを超え、かつ5mm以下であり、平面部に若干のフクレ発生が認められる、
×:カット部からのフクレ・錆進行幅が5mmを越える、又は平面部に著しいフクレの発生が認められる。
Figure 2009227747
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Claims (8)

  1. (A)ガラス転移温度−15〜60℃で且つ水酸基価30〜250mgKOH/gの範囲内にあるアクリル樹脂及びガラス転移温度−20〜50℃で且つ水酸基価20〜100mgKOH/gの範囲内にあるポリエステル樹脂のうちの少なくとも1種の、水酸基含有皮膜形成性樹脂、(B)軟質有機成分で変性されたビスフェノール型エポキシ樹脂、(C)硬化剤及び(D)防錆顔料を含有する塗料組成物であって、該樹脂(B)における軟質有機成分が、炭素数4〜36の脂肪族多塩基酸、ガラス転移温度が−20〜50℃のアクリル樹脂及びガラス転移温度が−20〜50℃のポリエステル樹脂のうちの少なくとも1種であることを特徴とする防錆塗料組成物。
  2. 軟質有機成分で変性されたビスフェノール型エポキシ樹脂(B)が、軟質有機成分1〜50質量%とビスフェノール型エポキシ樹脂99〜50質量%とを反応させてなるものである請求項1記載の防錆塗料組成物。
  3. 炭素数4〜36の脂肪族多塩基酸がダイマー酸である請求項1又2記載記載の防錆塗料組成物。
  4. 硬化剤(C)が、アミノ樹脂及びブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物のうちの少なくとも1種の架橋剤である請求項1〜3のいずれか一項に記載の防錆塗料組成物。
  5. 防錆顔料(D)が、非クロム系防錆顔料である請求項1〜4のいずれか一項に記載の防錆塗料組成物。
  6. 防錆顔料(D)が、(1)五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びメタバナジン酸アンモニウムのうちの少なくとも1種のバナジウム化合物、(2)金属珪酸塩及びシリカ微粒子のうちの少なくとも1種の珪素含有化合物及び(3)リン酸系金属塩を含有するものであることを特徴とする請求項5記載の防錆塗料組成物。
  7. 表面に化成処理が施されていてもよい金属板の片面又は両面上に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の塗料組成物に基く硬化塗膜が形成されてなることを特徴とする塗装金属板。
  8. 表面に化成処理が施されていてもよい金属板の片面又は両面上に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の塗料組成物に基く硬化塗膜が形成され、該硬化塗膜の少なくとも片面上に、上塗り塗膜が形成されてなる複層塗膜を有することを特徴とする塗装金属板。
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