JP2005294132A - 外装モールドハーネス及びその製造方法並びにこの外装モールドハーネス搭載の自動車 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車などに配索されるワイヤハーネスにグロメットを一体成形した外装モールドハーネスを提供すること。
【解決手段】
オレフィン系樹脂被覆電線12の電線被覆材12aの外周面に熱可塑性エストラマによるグロメット14がモールド成形により一体的に成形されている。またその外装モールドハーネス10はハンディタイプのグロメット成形金型20により簡便に製作される。
【選択図】図1
【解決手段】
オレフィン系樹脂被覆電線12の電線被覆材12aの外周面に熱可塑性エストラマによるグロメット14がモールド成形により一体的に成形されている。またその外装モールドハーネス10はハンディタイプのグロメット成形金型20により簡便に製作される。
【選択図】図1
Description
本発明は、外装モールドハーネスに関し、さらに詳しくは、例えば自動車に配索されるワイヤハーネスにグロメット、プロテクタ、クランプ等の外装部品が一体的に取り付けられた外装モールドハーネス及びその外装モールドハーネスの製造方法、並びにこの外装モールドハーネスが搭載された自動車に関する。
従来、例えば自動車のエンジンルームから車室内へワイヤハーネスが配索されるような場合には、そのワイヤハーネスにグロメットのような外装部品を装着し、エンジンルームと車室とを仕切る車体パネルの貫通穴にそのグロメットを嵌め込むことにより貫通穴を通るワイヤハーネスの保護、あるいはエンジンルーム側からの車室への防水、防塵、遮音等を図ることが行われている。
そして、このワイヤハーネスに装着されるグロメットとしては、例えば特開2003−125521号公報に示されるようにワイヤハーネスとは別体のものとして製造し、このグロメットに電線あるいはワイヤハーネスを通し、電線の外周面にグロメットの電線方向に延設されるベロ部をテープ巻きする等により固定した上でこのグロメットを車体パネルの貫通穴に嵌め込むようなことが行われている。
一方、グロメットが電線やワイヤハーネスにインサートモールドにより一体成形されたものも、例えば、実開昭60−67615号公報、特開平7−249338号公報、特開平7−249338公報、特開平10−321069号公報、特開平11−167834号公報、特開2001−6467号公報などにより知られている。これらの公報に示されるものは概して、金型にワイヤハーネスをセットし、その周りにゴムあるいはポリ塩化ビニール(PVC)やポリスチレン系のエストラマーを注入してグロメットを一体的に成形するものである。
しかしながら、これらの従来技術として示されるものはいずれも電線の被覆材がポリ塩化ビニル(PVC)樹脂である。PVC樹脂の電線被覆材は、難燃性に優れ、これに耐摩耗性や引張強さ等の機械的特性、柔軟性、加工性等の各種必要特性に応じて可塑材や安定剤等が適宜配合されている。しかし、一方で、例えば上述した特開2003−125521号公報に示されるようなものは、テープ巻きで固定したグロメットと電線の固着強度が足りないという問題があった。また、グロメットをインサートモールドにより電線に一体成形した各種公報のものでもPVC電線との接着強度が足りないという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、電線へのグロメット等の外装部品の固着強度・接着強度の高い電線−外装部品一体型の外装モールドハーネスを提供すること、自動車などへのワイヤハーネスの配索時に簡単に取り付けできる外装モールドハーネスの製造方法を提供すること、そしてこのような外装モールドハーネスが搭載された自動車を提供することにある。これにより外装モールドハーネスの加工コスト並びに車体へのワイヤハーネスの配索作業コストの低廉化、更には自動車へ搭載した時に自動車の軽量化と共に、高強度、耐振動性の改善による信頼性の向上をも図るものである。
上記課題を解決するために本発明に係る外装モールドハーネスは、請求項1に記載のように、オレフィン系樹脂被覆電線の電線被覆剤の外周面に熱可塑性エストラマによる外装部品がモールド成形により一体的に形成されてなることを要旨とする。
前記オレフィン系樹脂の電線被覆材としては、請求項2に記載のように、ポリエチレン系、ポリプロピレン系などの各種材料が含まれる。その中で特に、前記オレフィン系樹脂の電線被覆材は、ポリプロピレン、プロピレンを主成分とするプロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン/エチレン−プロピレンブロック共重合体より選択された1種又は2種以上の混合物からなることが望ましい。
一方、前記熱可塑性エストラマによる外装部品の材料は、請求項3に記載のように、スチレン−ブタジエン系、スチレン−イソプレン系、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン系、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系より選択された1種又は2種以上の混合物からなるものであることが望ましい。
さらに本発明に係る外装モールドハーネスの製造方法は、請求項4に記載のように、オレフィン系樹脂被覆電線を外装部品1個取りの上型と下型とからなるハンディタイプの金型のパーティング面に形成されるワイヤーハーネス貫挿溝に該ワイヤーハーネス貫挿溝の途中部位に形成される外装部品形状のキャビティ内に熱可塑性エストラマを注入し、前記オレフィン系樹脂被覆電線の外周面に熱可塑性エストラマによる外装部品を一体成形するようにしたことを要旨とする。
そしてさらに本発明は、請求項1ないし3に記載の外装モールドハーネス、若しくは請求項4に記載の製造方法により製造された外装モールドハーネスが搭載された自動車を要旨とする。
本発明の請求項1に記載の外装モールドハーネスによれば、電線被覆材にハロゲン成分を含まないオレフィン系樹脂が用いられているので自動車の火災時や電気電子機器の焼却廃棄時などに大気汚染となる有害なハロゲン系ガスを放出しないばかりでなく、このオレフィン系被覆電線に熱可塑性エストラマによる外装部品がインサートモールド成形により一体化されたものであるから電線被覆材と外装部品との固着力・接着力が高く、自動車への配索時あるいは高振動での使用状態においても外れることなく安定して使用できる。
しかも従来のようにベロ部のテープ巻きによりグロメットを電線に装着するものではないからベロ部の省略、あるいは固着力の強化によるグロメットの薄肉化により材料コストの低減が図れるなどの利点もある。
また、請求項2に記載のように、外装モールドハーネスの電線被覆材がオレフィン系樹脂の中でも特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレンを主成分とするプロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン/エチレン−プロピレンブロック共重合体より選択された1種又は2種以上の混合物からなるものであれば、電線被覆材料としての耐摩耗性に優れ、被覆電線としての柔軟性・加工性にも優れるほか、非架橋状態での耐摩耗性も高いものが得られる。
さらに、請求項3に記載のように、熱可塑性エストラマによる外装部品の材料が、スチレン−ブタジエン系、スチレン−イソプレン系、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン系、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系より選択された1種又は2種以上の化合物からなるものであれば、ハロゲン成分を含まないことにより燃焼時の環境汚染の問題もないことはもとより、外装部品と電線被覆材とのインサートモールド成形による強固な固着力・接着力が得られる。
そして本発明の請求項4に記載のように、この外装モールドハーネスを、オレフィン系樹脂被覆電線を外装部品1個取りの上型と下型とからなるハンディタイプの金型のパーティング面に形成されるワイヤハーネス貫挿溝にセットし、該ワイヤハーネス貫挿溝の途中部位に形成されるその外装部品形状のキャビティ内に熱可塑性エストラマを注入し、前記オレフィン系樹脂被覆電線の外周面に熱可塑性エストラマによる外装部品を一体成形するようにして製造すれば、例えば自動車へのワイヤハーネスの配索作業においてその作業現場での組付け(アセンブル)も可能となるし、予め図板上でワイヤハーネスを配索して電線端末にコネクタ端子を接続する等の作業においてその図板上でワイヤハーネスに外装部品をモールド成形することも可能となるものである。したがって製造工程の簡略化が図れるなどの利点がある。
そして更に、このような外装モールドハーネスを自動車に搭載することにより自動車の軽量化が図れるばかりでなく、組付けが容易簡略化されて作業時間の短縮、並びに作業コストの低廉化に寄与し、更には外装部品と電線被覆材との接合強度、耐振動性の向上により自動車への信頼性も高まることになる。
以下に本明の実施形態について詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る外装モールドハーネスの外観を示している。この外装モールドハーネス10はオレフィン系樹脂被覆電線12の電線被覆材12aの外周面に熱可塑性エストラマによる外装部品の一例としてグロメット14がインサートモールド成形により一体的に固着(溶着)形成されたものである。外装部品の例としては、その他にプロテクタやクランプ等も挙げられる。
このオレフィン系樹脂被覆電線12は、銅、アルミ線などの芯線の周りにオレフィン系樹脂による電線被覆材12aが被覆されたものであって、そのオレフィン系樹脂としては、前述したように、ポリエチレン系、ポリプロピレン系などの各種のオレフィン系樹脂が含まれる。そして例えば、ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの重合体、プロピレンを主体とする重合体であって、分子構造中にハロゲン元素を含まないものを言う。これら重合体の構造としては、単独重合体、ランダム重合体、交互重合体、ブロック重合体であっても良く、特に限定されるものではない。
具体的には、ポリプロピレン、プロピレンを主成分(50wt%以上)とするプロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン/エチレン−プロピレンブロック共重合体等が挙げられる。尚、これらは1種又は2種以上混合して用いても良く、特に限定されるものではない。また、プロピレン系樹脂としては、加工性、押出成形性等を向上させる観点から、JIS K 6758に準拠して測定(温度 230℃、加重2.16kg下で測定)したメルトフローレイト(以下「MFR」と言う)が0.1g〜5g/10分の範囲にあるものが好ましい。
これに通常は難燃剤として金属水和物、金属酸化物などが配合される。難燃剤として配合される金属水和物は、ハロゲン元素を含まない水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等が好適なものとして挙げられる。中でも、水酸化マグネシウムの分解温度が360℃近辺と高いことから好適である。これらの金属水和物の平均粒径としては、耐摩耗性等の機械的特性をより向上させる観点から、0.1〜20μmのものを用いることが好ましい。この際、ポリマー中への分散性やポリマーとの反応性を高める観点から、金属水和物の粒子表面は、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、メタクリロキシシラン等のシランカップリング剤又はステアリング酸、オレイン酸等の高級脂肪酸等で表面処理されていても良い。
一方、熱可塑性エストラマによる外装部品の材料としては、スチレン−ブタジエン系、スチレン−イソプレン系、スチレン−エチレン−ブタジエン系、オレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系(PVC)、ポリアミド系、ふっ素ゴム系などの各種の熱可塑性エストラマが挙げられるが、その中でも特に燃焼時の環境汚染の問題を考慮すれば、PVC系、ふっ素ゴム系は避けた方が良い。またポリウレタン系やポリアミド系はオレフィン系樹脂被覆材との相溶性が良くないので避けた方が良い。
熱可塑性エストラマは、架橋点に相当するハードセグメントと、常温付近でゴム状弾性を示すソフトセグメントとその分子構造中に備えていることから、加熱により軟化し、外力によって塑性変形するが、常温付近でゴム状弾性を示すという性質を有しているものである。特にスチレン系熱可塑性エストラマはハードセグメントとしてのスチレン系樹脂と、ソフトセグメントとしてのゴム系樹脂との共重合体であって、分子構造中にハロゲン成分を含んでいない。
例えば、ハードセグメントとして、ポリスチレン、ポリo−メチルスチレン、ポリm−メチルスチレン、ポリp−メチルスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリβ−メチルスチレン、ポリジメチルスチレン、ポリトリメチルスチレン等が挙げられ、ソフトセグメントとして、ポリブタジエン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体、水素添加スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、水素添加スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体等が挙げられる。尚、これらからなるスチレン系熱可塑性エストラマは1種又は2種以上混合して用いても良く、特に限定されるものではない。
図2は、この外装モールドハーネス10を自動車への配索作業現場などにおいて簡便に製作できるハンディタイプのグロメット成形金型を示したものである。このグロメット成形金型20は、ヒンジ22を介して上型24と下型26とが開閉可能に設けられ、上型24と下型26との分割面(パーティングライン面)にはそれぞれ、半割状のワイヤハーネス貫挿溝28a,28bが形成されると共に、そのワイヤハーネス貫挿溝28a,28bの途中にグロメット形状に対応した同じく半割状のグロメット成形用キャビティ30a,30bがそれぞれ形成されている。このキャビティ30a,30bの容量はグロメット形状からおおむね20cc程度のものである。
そして、上型24、下型26の外壁面には、ペルチェ素子による放熱板32が取り付けられ、キャビティ30a,30bに注入された溶融状態の熱可塑性エストラマはこの放熱板32による吸熱・放散効果により速やか温度を下げて凝固(固化)されるものである。
このグロメット成形金型20を用いて上記の外装モールドハーネス10を製造するに際しては、その金型を開いた状態で下型26のワイヤハーネス貫挿溝28bにオレフィン系樹脂被膜電線12を挿着(セット)し、上型24を閉じる。そして図示しないゲートより溶融状態の熱可塑性エストラマを上型24と下型26とにより形成されるグロメット成形用キャビティ30a,30b内に注入する。このキャビティ30a,30b内に注入された熱可塑性エストラマは速やかに熱放散が行なわれて電線被覆材の外周面に凝結固化されるから、金型を開いてその電線被覆材12aにグロメット14が一体的に形成された外装モールドハーネス10を取り出せば良いことになる。
図3は、このようにしてグロメット成形金型20により製作された外装モールドハーネス10の拡大断面を示したものである。図示されたように、グロメット14の断面形状としては、外見上椀形をしたグロメット本体42の漸次小径となる底側端面に短軸部44が延設され、またグロメット本体42の大径側の外周面には車体パネルPの貫通穴46への嵌合溝48が周設される。
尚、この実施形態では、グロメット14の全体に亘って充分に熱可塑性エストラマが充填されるように、短軸部44側より熱可塑性エストラマがキャビティ30a,30b内に注入されるように配慮されている。すなわち、図1及び図3に示したようにグロメット14の短軸部44にランナ45が示されるが、前記金型20の図示しないノズルより注入される熱可塑性エストラマは、スプル、ゲートを介して短軸部44側よりキャビティ30a,30b内に充填され、グロメット本体42側のキャビティ内まで全体に亘って充填されるものである。
これにより熱可塑性エストラマのキャビティ30a,30b全体に亘っての充填性が良く、また熱の流れからして電線被覆材全体12aとグロメット14との熱溶着性も良くなり、接合強度の高いものが得られる。しかもこのように熱可塑性エストラマの充填性が良くなることにより金型20の射出(注入)圧力の低減を図ることもでき、ハンディタイプの金型の更なる小型化も可能となるものである。
この外装モールドハーネス10を車体パネルPに装着するに際しては、電線をグロメット14の小径側あるいは大径側より車体パネルPの貫通穴46に通し、グロメット本体42の大径側端面を車体パネルPに押圧し、弾性力により嵌め込むことにより装着されるものである。
次にこの外装モールドハーネス10の電線被覆材12aとグロメット14とのとの相溶性について各種の実験を行ったのでそれについて説明する。外装モールドハーネス10の電線被覆材12aの材料としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)の各種材料を選択した。一方、グロメット(外装)材料としては、スチレン系(SBS)、スチレン系(SIS)、スチレン系(SEBS)、オレフィン系、塩化ビニル系、ウレタン系の各種材料を選択した。
実験方法としては、電線材料に見立てたそれぞれの材料シートに溶融させたグロメット材料を付着させて、これを剥がしたとき凝集剥離の起きるものを相溶性あり(○印)、界面剥離の起きるものを相溶性なし(×印)、判断の難しかったものを△印として判定した。その結果を表1に示す。
この表1より、オレフィン系樹脂であるPP,PE,EEA,EVAに対しては、スチレン系のSBS,SIS,SEBS及びオレフィン系の熱可塑性エストラマが好適に用いられることがわかった。そしてPVCの電線被覆材に対しては、スチレン系及びオレフィン系の熱可塑性エストラマは不適であることもわかった。
そして更に、実際の実験結果として、1.5mm径の塩ビ系の電線に別体として製作したポリスチレン系エストラマによるグロメットを装着し、19mmの長さのベロ部から40mm程テープ巻きした時のグロメットの固定強度は50Nであったのに対して、1.5mm径のポリオレフィン系の電線被覆材に接着部の長さが15mmのポリスチレン(SEBS)グロメットを射出成形したものでは、100N以上の接着強度が得られた。ちなみに塩ビ系の電線被覆材にポリスチレン系グロメットを射出成形したものでは10N以下の接着強度しか得られず、いかにポリオレフィン系の電線被覆材とポリスチレン系グロメットとの相溶性が良いかがわかる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記実施例においては、電線被覆材への外装部品のインサート成型を自動車へのワイヤハーネスの配索作業現場において直接行なう場合について説明したが、そうではなく例えば、図板を用いて図板上で予めワイヤハーネスの配索、電線端末への端子の取付け、コネクタへの接続等を行う作業の場合にもそのワイヤハーネスの途中部位の適所に予め外装部品を装着したいような場合にも適用できるものである。
また、上記実施例では外装部品の例としてグロメット14の例を挙げて説明したが、例えば、図4に示したプロテクタ50、あるいは、図5に示したタイバンド付きクランプ60などにも適用できる。図4に示したプロテクタ50は、ワイヤハーネスの電線分岐部などにインサートモールドにより一体形成したもので、プロテクタ本体52に一体的に形成された取付板54に形成されるネジ止め穴56にネジ58を通すことで自動車のエンジンボディや車体フレームなどに取付けられる。
また、図5に示したタイバンド付きクランプ60は、ワイヤハーネスをテープ巻き62した後、その箇所にインサートモールドにより一体形成したもので、そのクランプ部分をやはりエンジンボディや車体フレームの嵌合穴(図示せず)に嵌め込むことで取り付けられる。そしてこのようにプロテクタやタイバンド付きクランプがワイヤハーネスにインサートモールドにより一体形成されることにより自動車へのワイヤハーネスの配索作業は一層効率的に行われることになる。
尚、この例でもプロテクタ50やタイバンド付きクランプ60は上述したような材料の熱可塑性エストラマが用いられ、電線被覆材との相溶性が担保されているが、図5に示したようにテープ巻き62を介してインサートモールド成形されるような場合には、そのテープの材料も電線被覆材と同種のオレフィン系樹脂材料であることが望ましいことは言うまでもないことである。
本発明に係る外装モールドハーネスは、特に自動車に配索されるワイヤハーネスがエンジンルームから車室内へ仕切りパネルあるいはドアフレームの貫通穴に通されるような場合に好適なものとして使用することができる。あるいは、ワイヤハーネスに外装部材としてプロテクタやタイバンド付きクランプが装着されるものなど幅広く適用できるものである。
10 外装モールドハーネス
12 オレフィン系樹脂被覆電線
12a 電線被覆材
14 グロメット
20 グロメット成形金型
24 上型
26 下型
28a,28b ワイヤハーネス貫挿溝
30a,30b グロメット成型用キャビティ
32 放熱板
42 グロメット本体
44 短軸部
P 車体パネル
46 貫通穴
50 プロテクタ
60 タイバンド付きクランプ
12 オレフィン系樹脂被覆電線
12a 電線被覆材
14 グロメット
20 グロメット成形金型
24 上型
26 下型
28a,28b ワイヤハーネス貫挿溝
30a,30b グロメット成型用キャビティ
32 放熱板
42 グロメット本体
44 短軸部
P 車体パネル
46 貫通穴
50 プロテクタ
60 タイバンド付きクランプ
Claims (5)
- オレフィン系樹脂被覆電線の電線被覆材の外周面に熱可塑性エストラマによる外装部品がモールド成形により一体的に形成されてなることを特徴とする外装モールドハーネス。
- 前記オレフィン系樹脂の電線被覆材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレンを主成分とするプロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン/エチレン−プロピレンブロック共重合体より選択された1種又は2種以上の混合物からなることを特徴とする請求項1に記載の外装モールドハーネス。
- 前記熱可塑性エストラマによる外装部品の材料は、スチレン−ブタジエン系、スチレン−イソプレン系、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン系、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系より選択された1種又は2種以上の混合物からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の外装モールドハーネス。
- オレフィン系樹脂被覆電線を外装部品1個取りの上型と下型とからなるハンディタイプの金型のパーティング面に形成されるワイヤハーネス貫挿溝にセットし、該ワイヤーハーネス貫挿溝の途中部位に形成されるその外装部品形状のキャビティ内に熱可塑性エラストマを注入し、前記オレフィン系樹脂被覆電線の外周面に熱可塑性エストラマによる外装部品を一体成形するようにしたことを特徴とする外装モールドハーネスの製造方法。
- 請求項1ないし3に記載の外装モールドハーネス、若しくは請求項4に記載の製造方法により製造された外装モールドハーネスが搭載された自動車。
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