JPH10264206A - 熱可塑性樹脂複合成形品の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂複合成形品の製造方法

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JPH10264206A
JPH10264206A JP10010832A JP1083298A JPH10264206A JP H10264206 A JPH10264206 A JP H10264206A JP 10010832 A JP10010832 A JP 10010832A JP 1083298 A JP1083298 A JP 1083298A JP H10264206 A JPH10264206 A JP H10264206A
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JP
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thermoplastic
mold
molding
thermoplastic elastomer
hard resin
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Application number
JP10010832A
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English (en)
Inventor
Tadashi Shimizu
正 志水
Takehiko Enomoto
武彦 榎本
Shinko Ito
眞弘 伊藤
Kenji Ogura
健二 小椋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Industry Co Ltd
JNC Corp
Denso Corp
Original Assignee
Shimizu Industry Co Ltd
Denso Corp
Chisso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱可塑性エラストマーのゲート駄肉やバリが生
じない、熱可塑性硬質樹脂部分の反りの小さい、製品形
状の制約が少ない、熱可塑性エラストマーと熱可塑性硬
質樹脂との熱可塑性樹脂複合成形品の製造方法を提供す
る。 【解決手段】熱可塑性エラストマーを溶融して第一金型
に充填して冷却固化して熱可塑性エラストマー成形物を
得る第一段成形を行い、ついでその第一段成形物を内部
に配置してなる第二金型に熱可塑性硬質樹脂を溶融して
充填して冷却固化する第二段成形を行い熱可塑性樹脂複
合成形品を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂複合
成形品の製造方法に関する。詳しくは、熱可塑性エラス
トマーと熱可塑性硬質樹脂とからなる複合成形品の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性エラストマーと熱可塑性
硬質樹脂との複合成形品を製造するには、エラストマー
よりなる成形品と熱可塑性硬質樹脂よりなる成形品を別
々に製造し、これらの成形品を両面テープで貼り付ける
方法がとられていたが、その貼りつけ作業は煩雑であっ
た。特公平2−8572号公報には、この成形品の貼り
つけ作業を省略する方法として、ポリプロピレン樹脂を
溶融射出し、ついで未加硫の熱可塑性エラストマーを溶
融射出して成形する方法が開示されている。しかし、こ
の成形法では熱可塑性エラストマーの流動性が悪いため
に大型成形品の製作が難しく、成形時にゲート駄肉やバ
リが生じる欠点がある。また、成形品の形状によって
は、ポリプロピレン樹脂成形部分が反り変形を起こし、
さらに、ポリプロピレン樹脂と非加硫の熱可塑性エラス
トマーが融着しない現象がおこるという課題が残ってい
る。さらに、一般にポリプロピレン樹脂(硬質材)に比
べ非加硫の熱可塑性エラストマー(軟質材)の方が成形
収縮率は大きくなる。このためポリプロピレン樹脂を成
形後、非加硫の熱可塑性エラストマーを成形すると、そ
の時間的ズレのためこの差は更に大きくなり成形収縮率
の差による成形品の変形および内部応力の発生が課題と
なっていた。熱可塑性硬質樹脂と熱可塑性エラストマー
との接合部において、熱可塑性エラストマー部のアンダ
ーカットが形成できないなど金型構造の改良を検討する
必要がある。特公平6−75927号公報には、熱可塑
性で、かつ弾性を有する材料からなるシーリング材を注
入して、シーリング部を形成した後、熱可塑性樹脂を注
入して熱可塑性樹脂を形成する樹脂製タンクの製造方法
が開示されている。しかし、該成形方法は、タンク等の
シーリング剤の成形を目的とするものであった。また、
該成形方法から製造される樹脂製タンクの軽量化、およ
びシーリング剤と熱可塑性樹脂との接着強度の点で改良
の価値があった。さらに、当該成形方法を自動車エアコ
ンの風量調節ダンパー等の可動部分の成形に用いた場合
には、得られた部品の熱可塑性エラストマーと熱可塑性
硬質樹脂との接着部が剥離してしまうおそれがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を解決することを目的とするものであり、熱可
塑性エラストマーと熱可塑性硬質樹脂との複合成形にお
いて、熱可塑性エラストマーのゲート駄肉やバリが生じ
ない、熱可塑性硬質樹脂部分の反りの小さい、製品形状
の制約が少ない複合成形品の製造方法を提供すること、
さらに、接着剤または締付金具等のあらたな接着手段を
用いることなく、可動部分に用いることのできる複合成
形品の製造法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱可塑性
エラストマーと熱可塑性硬質樹脂との複合成形におい
て、熱可塑性エラストマーを先に溶融成形し、ついで熱
可塑性硬質樹脂を溶融成形することにより、成形する時
間的ズレのため、成形収縮率の差は小さくなるか、また
はほとんどなくなるなどの理由により、上記の従来技術
の欠点が解決されることを見出し本発明を完成するに至
った。
【0005】本発明の複合成形品の製造方法は、熱可塑
性エラストマーを溶融して第一金型に充填して冷却固化
して熱可塑性エラストマー成形物を得る第一段成形、お
よびその第一段成形物を内部に配置してなる第二金型に
熱可塑性硬質樹脂を溶融して充填して冷却固化する第二
段成形からなることを特徴とする。好ましくは、第一金
型および第二金型がそれぞれコアとキャビティーから構
成され第二金型が第一金型のコアまたはキャビティーの
いずれか一方の金型を具備することからなる。または、
第一金型および第二金型がそれぞれコアとキャビティー
から構成され第一金型と第二金型が同一であることから
なる。さらに好ましくは、熱可塑性エラストマーおよび
熱可塑性硬質樹脂をそれぞれ180〜280℃で溶融す
ることからなる。
【0006】本発明の他の熱可塑性樹脂複合成形品の製
造方法は、まず熱可塑性エラストマー成型品を金型内の
所定の位置に配置し、つぎに熱可塑性硬質樹脂を加熱溶
融して金型に充填して成形することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いる熱可塑性硬質樹脂
は、結晶性を持つ熱可塑性硬質樹脂であり、低密度ポリ
エチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、結晶性プロピレン単独重合体、結晶性エチレン・
プロピレン共重合体、ポリメチルペンテンなどのオレフ
ィン系樹脂、アクリル・スチレン・アクリロニリトル共
重合体、アクリロニリトル・ブタジエン・スチレン共重
合体、メタクリル・スチレン共重合体、ナイロン樹脂、
ブチレンテレフタレート樹脂、エチレンテレフタレート
樹脂、スチレン樹脂、スチレン・アクリロニリトル共重
合体、カーボネート樹脂を例示できる。その中でも得ら
れる熱可塑性樹脂複合成形品の重量が軽量化されると共
に、接着性も向上することから、ポリプロピレンが好ま
しい。該ポリプロピレンとしては、剛性の高い熱可塑性
樹脂複合成形品が得られる理由によりアイソタクチック
ペンダント分率が0.94以上、結晶融点が163〜1
65℃のポリプロピレンが好ましく、複雑な形状または
厚みの薄い成形品の成形が容易である理由によりメルト
フローレート(230℃:21.18N)が10g/1
0分〜40g/10分が好ましい。本発明に用いる熱可
塑性硬質樹脂は、好ましくは23℃における曲げ弾性率
が600MPa以上より好ましくは800MPa以上で
ある。また、メルトフローレイト(230℃:21.1
8N)が5g/10分以上であることが望ましい。熱可
塑性硬質樹脂のメルトフローレイト(230℃:21.
18N)が5g/10分未満では、成形時における流動
性が低下し、成形品外観の低下および大型成形品の成形
が難しくなる。
【0008】本発明に用いる熱可塑性硬質樹脂には、そ
の他必要に応じてタルクやマイカなどの無機フィラー、
エチレン・プロピレン共重合ゴム、および一般の熱可塑
性硬質樹脂に用いられている公知の酸化防止剤や中和
剤、滑剤、帯電防止剤、顔料などを添加することができ
る。剛性の高い熱可塑性樹脂複合成形品が得られる理由
によりタルクを得られる熱可塑性樹脂複合成形品に対し
5〜20重量%添加することが好ましい。
【0009】本発明に用いる熱可塑性エラストマーと
は、常温においてゴム弾性を示し、一般の熱可塑性樹脂
と同様に成形でき、IPN(インターペネトーテッドネ
ットワーク、相互侵入網目構造)などの架橋型、非架橋
型ともに適用し得る。本発明で用いる熱可塑性エラスト
マーとして、アミド系熱可塑性エラストマー、オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー、スチレン・エチレン・ブチ
レン・スチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン
・プロピレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・
イソプレン・スチレン共重合体、スチレン・ブタジエン
ゴム、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合
体などのスチレン系熱可塑性エラストマー、エステル系
熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマ
ー、イソプレン系熱可塑性エラストマー、エチレン・プ
ロピレン・ジエン・エラストマーなどを例示できる。こ
れらの中で熱可塑性樹脂複合成形品の重量が軽量化され
熱可塑性硬質樹脂との接着強度が優れる理由によりオレ
フィン系熱可塑性エラストマーおよびエチレン・プロピ
レン・ジエン・エラストマーが好ましく、オレフィン系
熱可塑性エラストマーの中ではエチレン・プロピレン共
重合体エラストマーが好ましい。また、本発明に用いる
熱可塑性エラストマーは、これらのうちから選ばれた1
種であっても良く、2種以上の混合物であってもよい。
該エチレン・プロピレン・ジエン・エラストマーの柔軟
性をより高めるために、プロピレンオイルを配合するこ
とが例示できる。該エチレン・プロピレン・ジエン・エ
ラストマーのゴム弾性をより高めるために、過酸化物を
配合し溶融混練を行った熱可塑性エラストマーが例示で
きる。該エチレン・プロピレン・ジエン・エラストマー
と熱可塑性硬質樹脂との接着性をより高めるために、結
晶融点が125〜150℃のエチレン・プロピレン共重
合体を配合することが例示できる。本発明で用いる熱可
塑性エラストマーは、好ましくは23℃における曲げ弾
性率が500MPa以下より好ましくは300MPa以
下である。また。メルトフローレイト(230℃:2
1.18N)が0.1g/10分以上のものが望まし
い。熱可塑性エラストマーのメルトフローレイト(23
0℃:21.18N)が0.1g/10分未満では、成
形時における流動性が低下し、成形品外観の低下および
大型成形品の成形が難しくなる。
【0010】本発明で用いる熱可塑性エラストマーに
は、必要に応じて、一般的なオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーに用いられている有機過酸化物などの架橋剤、
滑剤、酸化防止剤、中和剤、顔料、滑剤、鉱物油および
帯電防止剤を添加することができる。
【0011】熱可塑性エラストマーは一般的な方法で製
造される。たとえば、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーはつぎの方法で製造される。結晶性エチレン・プロピ
レン共重合体、エチレン・プロピレン共重合体ゴムをイ
ンテグラルブレンドし、2軸押出機(池貝鉄工製 PC
M−45)にて、シリンダー温度を200℃に設定して
溶融混合し、ペレット状のオレフィン系熱可塑性エラス
トマーを得る。
【0012】本発明の複合成形品の製造方法における成
形には、熱プレス成形法や射出成形法など如何なる成形
法も適用できる。射出成形法においては、射出形態とし
てインサート式成形および多色式成形、キャビティ形態
として型可動回転式成形、型摺動式成形およびコアバッ
ク式成形などを示すことができる。
【0013】以下に代表的な型可動回転式成形法(コア
バック成形法、コア回転法)について、図1で説明す
る。型締め力200tの2色射出成形機(東芝機械製
IS200−BV)を金型通水温度40℃に設定して使
用する。まず、第一段成形として、シリンダー(S1
の温度を180℃に設定し、熱可塑性エラストマー
(ハ)を射出圧650kg/cm2、射出速度100m
m/秒で、コアー金型C1,キャビティーM1からなる第
一段金型に射出して成形する〔図1(a)参照〕。つぎ
に、コア部(C1,C2)を後退して回転させる〔図1
(b)参照〕。それから、第二段成形として、成形され
た熱可塑性エラストマー(E)がそのまま配置されたコ
ア(C1) とキャビティー(M2)で第二金型を構成す
る〔図1(c)〕。そのコア(C1) とキャビティー
(M2)との間隙部に温度240℃に設定したシリンダ
ー(S2)から熱可塑性硬質樹脂(イ)を、射出圧65
0kg/cm2、射出速度100mm/秒にて射出成形
(H)して複合成形品(CM)を得る。
【0014】
【実施例】以下の実施例および比較例は、本発明をより
具体的に説明するためのものであるが、本発明は、これ
ら実施例に限定されるものではない。
【0015】実施例、比較例の製造方法において成形さ
れた成形品について次の評価を行った。 成形品の反り:図2に示したように得られた複合成形品
〔幅100mm×長さ240mm×厚み(2+2)m
m〕の長さ方向の一端に荷重(2kg)を乗せ、反りに
よって生じる他端の浮きあがりを測定し、その最大値を
成形品の反りの値とした。 ゲート駄肉の有無:複合成形後に生じたゲート部におけ
るゲート駄肉(ゲートバリ)の発生の有無について評価
し、ゲート部における駄肉のあるものを×、ゲート部に
おける駄肉のないものを○とした。 接着性試験 はじめに熱可塑性エラストマーを射出成形し、つぎに熱
可塑性硬質樹脂を射出成形して、試験片の中央部分10
×10mmのみが接着して、その他の部分は接着してい
ない10×180×4mm(熱可塑性エラストマーの厚
みが2mm、熱可塑性硬質樹脂の厚みが2mm)の試験
片を各試験で5ずつ作製した。この試験片の一方の片の
熱可塑性硬質樹脂の部位を引張速度20mm/分の速度
で400mm引っ張り、5つの試験片全ての10×10
mm接着部が剥離した場合を×とし、全て剥がれなかっ
た場合を◎とし、1〜4個剥離した場合を○とした。
【0016】実施例および比較例に用いた熱可塑性硬質
樹脂、熱可塑性エラストマーをつぎに示す。 熱可塑性硬質樹脂(イ):結晶融点が164℃、アイソ
タクチックペンダット分率が0.95、メルトフローレ
ート(230℃:21.18N)が20g/10分であ
る結晶性ポリプロピレン80重量%、平均粒径が1.9
μmのタルク20重量%からなる組成物。 熱可塑性硬質樹脂(ロ):結晶融点が164℃、アイソ
タクチックペンダット分率が0.95、メルトフローレ
ート(230℃:21.18N)が20g/10分であ
る結晶性ポリプロピレン60重量%、平均粒径が1.9
μmのタルク40重量%からなる組成物。 熱可塑性硬質樹脂(ホ):結晶融点が215℃、メルト
フローレート(230℃:21.18N)が85g/1
0分である6−ナイロン。 熱可塑性エラストマー(ハ):メルトフローレート(2
30℃:21.18N)が6g/10分、結晶融点が1
35℃の結晶性エチレン・プロピレン共重合体40重量
部、ムーニー粘度が24ML1+4(100℃)、エチレ
ン含有量が75重量%のエチレン・プロピレン共重合体
エラストマー50重量部、パラフィン系鉱物油10重量
部、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン0.5重量部を配合し2軸押出機にてシリ
ンダー設定温度200℃にて溶融混合させたメルトフロ
ーレート(230℃:21.18N)が3g/10分の
もの。 熱可塑性エラストマー(ニ):メルトフローレート(2
30℃:21.18N)が6g/10分、結晶融点が1
35℃の結晶性エチレン・プロピレン共重合体40重量
部、ムーニー粘度が88ML1+4(100℃)、ヨウ素
化が12.5。プロピレン含有量が25重量%のエチレ
ン・プロピレン・ジエン・エラストマー50重量部、パ
ラフィン系鉱物油10重量部、1,3−ビス(t−ブチ
ルパーオキシイソプロピル)ベンゼン0.5重量部を配
合し2軸押出機にてシリンダー設定温度200℃にて溶
融混合させたメルトフローレート(230℃:21.1
8N)が1g/10分のもの。 熱可塑性エラストマー(ヘ):メルトフローレート(2
30℃:21.18N)が10g/10分のスチレン・
エチレン・ブタジエンゴム。
【0017】実施例1 型締め力200tの2色射出成形機(東芝機械製 IS
200−BV)を金型通水温度40℃に設定して使用し
た。第一段成形として、シリンダー(S1)の温度を1
80℃に設定し、熱可塑性エラストマー(ハ)を射出圧
650kg/cm2、射出速度100mm/秒で、コア
ー金型C1,キャビティーM1からなる第一段金型にに射
出して成形し、成形物(E)〔200mm×100mm
×2mm〕を得た。〔図1(a)参照〕。つぎに、密接
状態のコア(C1)を後退して回転させる〔図1(b)
参照〕。それから、第二段成形として、上記で成形物
(E)がそのまま配置されたコア(C1)とキャビティ
ー(M2)との間の間隙部2mmにしてに第二金型を構
成する〔図1(c)〕。その間隙部に温度240℃に設
定したシリンダー(S2)から熱可塑性硬質樹脂(イ)
を、射出圧650kg/cm2、射出速度100mm/
秒にて、射出して成形(H)して複合成形品(CM)
〔200mm×10mm×(2+2)mm〕を得た。成
形品の評価を表1に示す。
【0018】実施例2 熱可塑性硬質樹脂(イ)を熱可塑性硬質樹脂(ロ)に代
える以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示
す。
【0019】実施例3 熱可塑性エラストマー(ハ)を熱可塑性エラストマー
(ニ)に代える以外は、実施例1と同様に行った。結果
を表1に示す。
【0020】実施例4 実施例2と同様にして複合成形品を成形して後、コアC
1を後退させ回転させる。さらに第三段成形として、該
複合成形品がそのまま配置されたコアC1とキャビティ
ーM1で第三段成形用金型(第一金型と同じ)を構成す
る。この金型のキャビティーの間にできた間隙部2mm
に熱可塑性エラストマー(ハ)をシリンダー設定温度1
80℃、射出圧650kg/cm2、射出速度100m
m/秒、金型通水温度40℃に設定して射出成形して三
層の複合成形品〔200mm×10mm×(2+2+
2)mm〕を得た。結果を表1に示す。
【0021】実施例5 熱可塑性硬質樹脂(イ)を熱可塑性硬質樹脂(ホ)に代
える以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示
す。
【0022】実施例6 熱可塑性エラストマー(ハ)を熱可塑性エラストマー
(ヘ)に代える以外は、実施例1と同様に行った。結果
を表1に示す。
【0023】比較例1 実施例1と同じ成形機を用いて、まず、第一段成形とし
て、熱可塑性硬質樹脂(イ)を成形し、つぎに第二段成
形として、熱可塑性エラストマー(ハ)を成形した。す
なわち、第一段成形として、熱可塑性硬質樹脂(イ)
を、シリンダー設定温度240℃、射出圧650kg/
cm2、射出速度100mm/秒、金型通水温度40℃
にて射出成形を行なった。その後得られた成形物〔20
0mm×100mm×2mm〕が密接状態のコアを後退
して回転させる。つぎに、第二段階の成形として、キャ
ビティーとの間にできた間隙部2mmに熱可塑性エラス
トマー(ハ)を、シリンダー設定温度180℃、射出圧
650kg/cm2、射出速度100mm/秒、金型通
水温度40℃にて射出成形して、複合成形品〔200m
m×10mm×(2+2)mm〕を得た。
【0024】比較例2 熱可塑性硬質樹脂(イ)を熱可塑性硬質樹脂(ロ)に代
える以外は、比較例1と同様に行った。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示すように、熱可塑性エラストマー
を先に成形した実施例1〜6は、ゲート部における駄肉
が発生することはないが、比較例1および2では、ゲー
ト部における駄肉が発生し、成形品のソリ量が大きい。
本発明の製造方法は各種の複合成形品の成形性に優れ、
この製造方法で得られる複合成形品は、美観に優れると
いう効果を奏しているため、自動車エアコンの風量調節
ダンパー、ダクトの嵌合部、図3にあるようなカーエア
コンのハウジング部品と風量調節ダンパーとの密着部な
どの熱可塑性エラストマーと熱可塑性硬質樹脂との複合
成形に極めて有用である。また、本実施例から示される
ように、本発明を用いることにより、エアコンの風量調
節ダンパーのように可動する部分または常時外部からの
振動等をうける部品においても、締付けのための部品ま
たは構造を有していなくて、接着剤を用いることなく使
用することのできる強度をもつ複合材料を成形すること
ができることがわかった。
【0027】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂複合成形品の製造
方法は、ゲート部において駄肉が発生しないこと、得ら
れた成形品の反りが小さいことが特徴である。
【図面の簡単な説明】
【図1】コアバック式射出成形による本発明の実施例1
の複合成形品製造方法を示す図面である。
【図2】本発明の製造方法(実施例1)による複合成形
品を示す図面である。
【図3】自動車エアコンのハウジング部品と風量調節ダ
ンパーとの密着部を示す図面である。
【符号の説明】
1 コア M1 キャビティー S1 シリンダー C2 コア M2 キャビティー S2 シリンダー イ 熱可塑性硬質樹脂 ハ 熱可塑性エラストマー E 熱可塑性エラストマー成形部 H 熱可塑性硬質樹脂成形部 CM 複合成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 101:12 B29L 9:00 (72)発明者 榎本 武彦 千葉県市原市五井6358番地1号 (72)発明者 伊藤 眞弘 愛知県高浜市八幡町一丁目12番地10 (72)発明者 小椋 健二 愛知県刈谷市半城土中町二丁目21番地12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性エラストマーを溶融して第一金
    型に充填して冷却固化して熱可塑性エラストマー成形物
    を得る第一段成形、およびその第一段成形物を内部に配
    置してなる第二金型に熱可塑性硬質樹脂を溶融して充填
    して冷却固化する第二段成形からなることを特徴とする
    熱可塑性樹脂複合成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 第一金型および第二金型がそれぞれコア
    とキャビティーから構成され第二金型が第一金型のコア
    またはキャビティーのいずれか一方の金型を具備するこ
    とからなる請求項1記載の熱可塑性樹脂複合成形品の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 第一金型および第二金型がそれぞれコア
    とキャビティーから構成され第一金型と第二金型が同一
    であることからなる請求項1記載の熱可塑性樹脂複合成
    形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性エラストマーおよび熱可塑性硬
    質樹脂をそれぞれ180〜280℃で溶融することから
    なる請求項1、2もしくは3記載の熱可塑性樹脂複合成
    形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 まず熱可塑性エラストマー成型品を金型
    内の所定の位置に配置し、つぎに熱可塑性硬質樹脂を加
    熱溶融して金型に充填して成形することを特徴とする熱
    可塑性樹脂複合成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】 熱可塑性硬質樹脂がポリプロピレンであ
    る請求項1記載の熱可塑性樹脂複合成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 熱可塑性硬質樹脂がポリプロピレンであ
    り、熱可塑性エラストマーがポリオレフィン系エラスト
    マーである請求項1記載の熱可塑性樹脂複合成形品の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009293121A (ja) * 2008-05-07 2009-12-17 Iris Co Ltd めっき面を有する複合成形体とその製造方法
JP2013507543A (ja) * 2009-10-07 2013-03-04 成栗 李 人工芝用充填材及びこれを含む人工芝
JPWO2016076113A1 (ja) * 2014-11-10 2017-04-27 株式会社村田製作所 樹脂多層基板の製造方法
CN114904095A (zh) * 2022-03-25 2022-08-16 江阴嘉鸿医疗科技有限公司 一种热塑性弹性体护帽及其制作方法

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