JP2005292413A - 環境対応型電子写真感光体 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光層の塗布形成に使用する溶剤としてハロゲン系溶剤を使用することなしに、従来と同等あるいは、それ以上の機能を有する環境に配慮した高性能な感光体を得ることを課題とする。
【解決手段】結合剤樹脂として、少なくとも端末の1つがメチレン基の炭素原子と結合しているPPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂を用いることにより、上記の課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光層の結合剤樹脂として特定の構造を有するPPE樹脂を含有する環境に配慮した電子写真感光体に関する。
さらに詳しくは、特定のPPE樹脂の少なくとも1つの端末基を装飾することにより塩化メチレン等のハロゲン系溶剤、キシレン、トルエン等の芳香族系溶剤を用いることなしに、電子写真性能(特に繰り返し特性)に優れた感光体作成に関する。更には末端基にビニル基導入することにより、硬化作用をもたせ、感光体の機械的強度を向上させることに関する。
電子写真技術は、即時性があり、高品質かつ保存性の高い画像が得られることなどから、近年複写機の分野にとどまらず、各種プリンターやファクシミリの分野で広く使われ、その技術分野は大きな広がりを見せている。
現在、大部分の複写機やプリンターなどにおいて、電子写真感光体(以下、「感光体」と略称する)として、OPC(Organic Photo Conductor )といわれる光導電性の有機化合物が用いられている。特に、OPC材料の性能向上が、昨今のコピーの一般大衆化時代をもたらしている。
しかしながら、従来からOPCは機能性の向上を第一として開発されてきた。この反面、感光体の製造において用いられる化学物(溶剤)の環境に対する配慮が欠けている面があった。
特に感光体製造においては、これらOPC材料を適当な溶剤に溶解、もしくは分散して用いることが主流となっている。
従来から、感光体の電荷発生材料および電荷輸送材料などの材料開発のポイントは、感光体の機能性の向上及び耐刷枚数の向上が第一であった。
これらの材料に求められる主な特性としては、高感度、高帯電性、光劣化および熱劣化が少ないこと、ならびに電荷発生効率または電荷輸送効率が大きいことなどが挙げられる。 更には耐刷枚数向上のため機械強度(耐磨耗性)の向上についてもその対応が必要であった。
このため、当該分野での(低分子化合物を中心として)OPC材料開発は盛んであり、精力的に輸送効率の高い新規材料、発生効率の高い材料の開発が進められてきた。
一方、感光体の感光層を形成する結合剤樹脂(マトリックス樹脂)についても、電荷発生材料や電荷輸送材料と同様に、感光体の機能性、耐磨耗性を重視する見地から、既存のいわゆる熱可塑性のエンジニヤリング樹脂を中心として開発が行われてきた。
上記開発において、熱可塑性のエンジニヤリング樹脂として、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂等のいわゆるポリエステル系のエンジニヤリング樹脂が用いられてきている。特にポリカーボネート樹脂は電荷輸送層の結合剤樹脂として感光体の機械的強度、電荷保持性、帯電性等の面より現在の感光体において、よく用いられている。これら樹脂本体については、近年DVD,CD等の基板対応の透明材料などにも用いられている安全、衛生面において、更には透明性、対候性においても問題のない樹脂である。しかしながら従来の感光体で用いられているこれらポリエステル系のエンジニヤリング樹脂は溶解性が悪くこのため、環境上問題のある特定のハロゲン含有炭化水素系有機溶剤(以下、「ハロゲン系溶剤」と略称する)またはテトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤を用いているのが現状である。当然これらポリエステル系エンジニヤリング樹脂の分子量の低いもの(1000から5000)、また特定の構造からの化学処理(長鎖のアルキル基の側鎖への導入)をすることにより、ある程度は溶解性を向上させることも出来るが、これら対応樹脂を使用した場合、機械的な強度の低下、電荷輸送材料の析出、不均一化、これによる帯電不足、感度低下等の問題点が生じてくる。
具体的には、感光層を形成するために電荷発生材料または電荷輸送材料、更には必要に応じて結合剤樹脂を分散あるいは溶解する有機溶剤として、塩化メチレン(ジクロロメタン)、ジクロロエタン、トリクロロエチレンおよびモノクロロベンゼンなどのハロゲン系溶剤が主要な溶剤として使用されている。特に塩化メチレン(ジクロロメタン)は作業性の効率面(蒸発性のよさ)より2層感光体での電荷輸送層形成用溶剤としてよく使われてきている。これら溶剤は衛生上健康障害をひきおこす度合いの大きい溶剤であり、(有機溶剤作業者テキスト:厚生労働省労働衛生課編)好ましい溶剤ではない。さらには発癌性の疑いの強い物質としてPRTR(環境汚染物質排出、移動登録)法の指定にもなっている。
一方テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤は肝臓障害、エーテル結合による酸化爆発の危険性、更には吸水作用の大きさに基づく乾燥時での空気中の水分吸収による膜特性の劣化現象をもたらし易い。
本発明は、感光層の塗布形成の際に溶剤としてハロゲン系溶剤、エーテル系溶剤を使用することなしに、従来と同等あるいはそれ以上の機能(耐刷性、高感度性、高帯電性)を有する製造面での環境対応した、従来の感光体と同等もしくはより高性能な感光体を得ることを課題とするものである。
本発明は、 導電性支持体上に少なくとも有機光導電材料と結合剤樹脂からなる感光層が形成された電子写真感光体であって、該結合剤樹脂の端末の1つが少なくとも
下記一般式(1)で示されるメチレン基の炭素原子とエーテル結合しているPPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂であることを特徴とする電子写真感光体
一般式(1)
Figure 2005292413
(式(1)中、R1は水素、メチル基であり、R2 は水素、メチル基、カルボキシ基及びそのエステル基である。)を提供することで上記課題を解決した。
結合剤樹脂に、特定のPPE樹脂を用いることにより、ハロゲン系溶剤の代わりに、環境に優しい非ハロゲン系有機溶剤を用いて感光層を形成することができ、高感度、高帯電性で、耐刷性の優れた感光体を環境に配慮した製法で得ることができた。
また、本発明のPPE樹脂の一部については加熱することにより、架橋反応が起こりこれにより耐摩耗性に優れた感光体を得ることができた。
これらのことより、本発明の感光体は、複写機やプリンター用の高性能感光体として好適に用いることができた。
本発明者はかかる現状に鑑み、鋭意研究を行った結果、感光層の塗布形成に使用する結合剤樹脂として、特定のPPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂(以下「PPE樹脂」と略称))を用いることにより、ハロゲン系溶剤の代わりに、環境に優しいアルコール系、ケトンエステル系の有機溶剤を用いて感光層を形成することができ、これにより、環境に配慮した高感度、高帯電性の高性能で、更には、アニ−ルすることにより樹脂の3次元化を行い、これにより耐磨耗性にも優れた感光体が得られることがわかった。また本発明のPPE樹脂本体についても感光体の結合剤樹脂として、新規材料である。
詳しくは下記一般式(1)で示される末端基を少なくとも一個有するPPE樹脂を結合剤樹脂として用いる。
一般式(1)
Figure 2005292413
(式(1)中、R1は水素、メチル基であり、R2 は水素、メチル基、カルボキシ基及びそのエステル基である。)
PPE樹脂としてはより好ましくは下記一般式(2)として示される。
一般式(2)
Figure 2005292413
(式2中、X、Yは芳香族の炭素原子を結合手とする2価の残基であり、R1、R2は式(1)と同義である。n、mは少なくともいずれか一方が0ではない、0から300の整数である。)
具体的には、式(1)のR2は水素、メチル基、カルボキシ基およびそのエステル基であるが、エステルとしてはメチル、エチル等のアルキルエステル、フェニル、トリル等のアリールエステルがあげられる。特に末端がカルボキシ基のものは、後述する電荷発生層での結合剤樹脂として好ましい。次に一般式(2)について説明すると、Xは1、4位、1、3位フェニレン基であり、この中にはメチル基、エチル基、メトキシ基等の置換体も含まれる。特にメチル基が複数置換した1、4位のフェニレン基は好ましい傾向にある。 ビフェニレン基としては2つのベンゼン環が互いに一重結合で直結しているものを意味しており、代表的なものとして4、4'位のビフェニレン基及びそのアルキル置換体があげられる。これらビフェニレン基についてもメチル基が対象的に複数置換した構造のものが好ましい。
ビスフェニレン基としては、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂の原料であるビスフェノール体を意味しており、これら化合物については主として本州化学より手に入れることができる。具体的にはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニル、1、1―ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1―ビス(4−ヒドロキシフェニル)ピペリドン、1、1―ビス(4−ヒドロキシフェニル)4,4−ジメチルシクロヘキサン等があげられる。
特に一般式(2)の樹脂の中でも、Xがビスフェニレン基(炭素原子、酸素原子を中心として同じ置換基が2個ある。)で示される重量分子量が数千から1万程度のPPE樹脂が、溶解性、電子写真特性等からも好ましいものである。溶解性の向上と化学構造との関係では、一般式(3)
Figure 2005292413
において、R3とR4が互いに結合した構造からなる、1、1― シクロヘキサン、4,4―ジメチル―1、1― シクロヘキサン、1、1― ピペリドン、1、1― シクロペンタン等の6員環及び5員環の単環式の環状体がよい傾向にある。
分子量との関係において、分子量が低いと皮膜特性の低下がおこり、また分子量が大きくなると、副生成物(末端の未反応である水酸基の残存)が生じやすくなり、このため安定した性能が得にくくなる。このためn、mは2〜10が適当である。ただ、単独のPPE樹脂の生成は合成上のコスト面(精製過程)を考慮にいれると、少しは残存することもやむをえない。これは少しぐらいの残存であれば溶解性には大きくは影響しない。更には、これによる電子写真特性への影響もあまりない。しかし、重量比で単独のPPE樹脂が比較的高分子量(1000以上)で、かつ単独体のPPE樹脂の割合が50%を超える場合は溶解性において問題となる。Yについては、水素またはメチル基、エチル基の置換体、非置換体がよく、特にオルソ位置換のメチル、ジメチル置換体が合成上このましい(副生成物が出来にくい。)。
一般式(3)の樹脂の中でも、Xが1、1―シクロヘキサン、1、1―シクロペンタン、1、1―ピペリドン等の5員環及び6員環の環状体を対象とするフェニレン基で示される分子量が1000から1万程度のPPE樹脂が、溶解性、電子写真特性、原料面等からも好ましいものである。
これら本発明のPPE樹脂についてその一部は、特開2003―12796号公報、特開2003―155340号公報等に記載されている。尚、Xが5員環及び6員環の環状体のPPE樹脂は、これら特許にも記載されていない新規な樹脂であるが、概略上記特許に記載されている製法により準じて得ることができる。
一般的な合成方法として、まずH―(―O―Y)n ―O―X―O―(Y―O―)m―Hを合成し、次にこのオリゴマ−に下記一般式(4)で表されるハロゲン化アシルの塩化メチレン溶液を加え、ピリジン、エチルアミンなどのアルキルアミン、ピペリジン等を触媒として用いて得ることができる。
一般式(4)
Figure 2005292413
(式(4)中、Xはハロゲンである。R,Rは式(1)と同義である。)
次に、代表的な本発明のPPE樹脂の合成について具体的に説明する。
なお、数平均分子量および重量平均分子量の測定にゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により求めた。
(合成例1)
PPE樹脂(A)
Figure 2005292413
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた2リットルの縦長の反応器にCuCl 1.3g(0.013 mol)、n、n-ジブチルアミン80.0g(0.62 mol)、メチルエチルケトン600ccを仕込み、反応温度40℃にて撹拌を行い、あらかじめ400ccのメチルエチルケトンに溶解させたビスフェノールA(2,2'―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパン)26.0g(0.12mol)と2,6-ジメチルフェノール76.5g(0.62mol)の混合溶液を2 L/minの空気のバブリングを行いながら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後30分間、2 L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Mの塩酸水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバポレイタ−で濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、753.4gを得た。このものの数平均分子量は1650、重量平均分子量2200、水酸基当量が470であった。
このようにして得られた白色粉末の2官能PPEオリゴマー体25.0g(水酸基0.043mol)とトリエチルアミン13.1g(0.129mol)をメチルエチルケトン250ccに溶解した。次いでこの溶液を撹拌装置、温度計、滴下漏斗のついた反応器を−10℃まで冷却し、アクリロイルクロライド12.1g (0.15 mol)の塩化メチレン溶液を200ml仕込んだ溶液に滴下漏斗から、反応液の温度が10℃以下になるように60分かけて滴下し、さらに滴下終了後60分間撹拌を行った。その後、この反応溶液を 0.1Nの塩酸水溶液で3回洗浄とイオン交換水での水洗さらにはろ過を行い、生成塩と不純物を除去した。次いで得られた溶液から塩化メチレンおよびメチルエチルケトンを留去し、メタノールにより洗浄し、減圧乾燥を行い、白色粉末のアクリル体24.2gを得た。
得られたものは、IRの分析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm-1)が消滅していた。代わりに1780cm-1にカルボニルの吸収が生じた。
PPE樹脂(B)& PPE樹脂(C)
Figure 2005292413
Figure 2005292413
PPE樹脂(A)の合成例1で合成した2官能PPEオリゴマーとアクリロイルクロライドの代わりにメタクリロイルクロライド及びクロトイルクロライドを用いて合成例1と同じようにしてオリゴマー体の末端をメタクリル化及びクロトイル化を行った。末端がメタクリル化したものをPPE樹脂(B)クロトイル化したものをPPE樹脂(C)とした。
このようにして得られたPPE 樹脂両方のIR分析からフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm-1)が消滅していた。また夫々新たに1780及び1760 cm-1にカルボニル基の吸収が認められた。
更に、バイルシュタイン試験によりハロゲン原子は存在していなかった。
(合成例2)
PPE樹脂(D)
Figure 2005292413
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた2リットルの縦長反応器にCuCl 1.3g(0.013 mol)、n、n-ジブチルアミン79.5g(0.62 mol)、メチルエチルケトン 600ccを仕込み、反応温度40℃にて撹拌を行い、予め500ccのメチルエチルケトンに溶解させたビスフェノールZ(1、1'―ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン)26.8g(0.10 mol)と2,6-ジメチルフェノール100.0g(0.82mol)を2 L/minの空気のバブリングを行いながら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後30分間、2 L /minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Mの塩酸水溶液で 3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバポレイタ−で濃縮し、さらに減圧乾燥を行い、87.5gを得た。このものの数平均分子量は2960 重量平均分子量3370、水酸基当量が440であった。
このようにして得られた白色粉末の2官能PPEオリゴマー体51.0g(水酸基0.060mol)とトリエチルアミン13.1g(0.129mol)をメチルエチルケトン350ccに溶解した。次いでこの溶液を撹拌装置、温度計、滴下漏斗のついた反応器を−10℃まで冷却し、アクリロイルクロライド(0.157mol)の塩化メチレン溶液を200cc仕込んだ溶液に滴下漏斗から、反応液の温度が10℃以下になるように60分かけて滴下し、さらに滴下終了後60分間撹拌を行った。その後、この反応溶液を 0.1Nの塩酸水溶液で3回洗浄とイオン交換水での水洗さらにはろ過を行い、生成塩と不純物を除去した。次いで得られた溶液から塩化メチレンおよびメチルエチルケトンを留去し、メタノールにより洗浄し、減圧乾燥を行い、白色粉末のアクリル体51.6gを得た。
得られたものは、IRの分析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm-1)が消滅していた。逆にビニル基の吸収ピーク(1405cm-1)及び1760 cm-1にカルボニルの吸収ピークが認められた。
またバイルシュタイン試験により塩素原子は存在していなかった。
PPE樹脂(E)
Figure 2005292413
PPE樹脂(D)の合成例2で合成した2官能PPEオリゴマーと無水マレイン酸を用いて合成例2と同じようにしてオリゴマー体の末端をマレオイル化を行った。この樹脂をPPE樹脂(E)とした。本反応は塩化メチレン溶液で単に加熱還流するだけで得られる。
このようにして得られたPPE 樹脂のIR分析からフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm-1)が消滅していた。同時に1680と1750cm-1にカルボン酸及びエステル結合からのカルボニル基のピークが発現していた。
バイルシュタイン試験により両方ともハロゲン原子は存在していなかった。
またPPE樹脂をエタノールでエステル化することによりPPE樹脂(F)がえられる。
PPE樹脂(F)
Figure 2005292413
(合成例3)
PPE樹脂(G)
Figure 2005292413
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた2Lの縦長反応器にCuCl 1.3g(0.013 mol)、ジ-n-ブチルアミン79.5g(0.62 mol)、メチルエチルケトン 600ccを仕込み、反応温度40℃にて撹拌を行い、予め600 ccのメチルエチルケトンに溶解させた2価のフェノール 2,2’,3,3’,5,5’-ヘキサメチル-[1,1’-ビフェニル]- 4,4’-ジオール27.9g(0.10mol)と2,3,6-トリメチルフェノール105.5g(0.8 mol)の混合溶液を2 L/minの空気のバブリングを行いながら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後30分間、2 L /minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Mの塩酸水溶液で 3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバポレイタ−で濃縮し、エタノールより洗浄後、減圧乾燥を行い、117.9gを得た。このものの数平均分子量は1970、重量平均分子量2430、水酸基当量が440であった。
このようにして得られた白色粉末の2官能PPEオリゴマー体51.0g(水酸基0.070mol)とトリエチルアミン13.1g(0.129mol)をメチルエチルケトン250ccに溶解した。次いでこの溶液を撹拌装置、温度計、滴下漏斗のついた反応器を−10℃まで冷却し、アクリロイルクロライド13.8g(0.150 mol)の塩化メチレン溶液を200cc仕込んだ溶液に滴下漏斗から、反応液の温度が10℃以下になるように60分かけて滴下し、さらに滴下終了後60分間撹拌を行った。その後、この反応溶液を 0.1Nの塩酸水溶液で3回洗浄とイオン交換水での水洗さらにはろ過を行い、生成塩と不純物を除去した。次いで得られた溶液から塩化メチレンおよびメチルエチルケトンを留去し、メタノールにより洗浄し、減圧乾燥を行い、白色粉末のアクリル体43、4gを得た。
得られたものは、IRの分析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm-1)が消滅していた。逆にビニル基の吸収ピーク(1405cm-1)が認められた。
バイルシュタイン試験により塩素原子は存在していなかった。
合成例3で用いた2官能PPEオリゴマー体(水酸基0.05mol)に対しアクリロオイルクロライド5.4g(0.06 mol)として合成を行った。同様に後処理により白色の粉末25.8gを得た。これのIRの分析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm-1)とカルボニル基の吸収ピーク(1760 cm-1)双方が認められた。この樹脂は未反応のフェノール性水酸基が残留していることが判明した。(本樹脂をPPE樹脂(H)とする。)
これら以外のPPE樹脂についても上記合成例に準じて容易に得ることができる。
上記の合成例からもわかる通り、ケトン系溶剤に易溶であり、特に非水和性であるメチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、更には酢酸エチル、酢酸プロピル等に易溶であることはより好ましいといえる。従来よく使用されている塩化メチレン、2塩化エタン、テトラヒドロフラン、モノクロロベンゼン等にも良好な溶解性を有している。
これらの有機溶剤は2種以上を混合して用いることもでき、塗布溶液の濃度、乾燥条件および必要とする感光層の被膜性により適宜選択される。
混合溶剤は、電荷発生材料や電荷輸送材料のような感光層の主要成分の溶解度をさらに向上させることができるので好ましい場合もある。最終的には、安全衛生面、電子写真特性やコストなどの諸条件を考慮した場合、酢酸エチル単独、メチルエチルケトン単独系か、またはこれら溶剤と蒸発速度の遅いかつ水和性の低い、酢酸プロピル等のケトン系、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤との混合溶剤が特に好ましい。
昨今、複写機やプリンターの感光体として、機能分離型感光体が汎用されている。この機能分離型感光体の構造は、基本的には導電性支持体上に、感光層として、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層と、この電荷発生層上に電荷輸送(移動)材料を主成分とする電荷輸送(移動)層とが形成された機能分離型の積層構造からなる。
電荷発生層は、目的とする波長域において光エネルギーにより電荷を効率良く発生する機能を有し、電荷輸送層は、その下層の電荷発生層から発生した電荷を効率良く輸送する機能を有する。電荷輸送材料自体が高分子タイプの化合物であれば結合剤樹脂を用いる必要はないが、電荷輸送効率などの性能面で低分子タイプを超える高分子タイプの輸送化合物は見出されていない。したがって、電荷輸送層を形成するためには低分子タイプの化合物を用いなければならず、結合剤樹脂が必要不可欠である。
このため、本発明の樹脂は、特に電荷輸送材料の結合剤樹脂として好適に用いられる。 この場合PPE樹脂の割合は40%〜60%の間が適切である。含有量が低いと電荷輸送材料の析出を招くことになり、逆に高いと電子写真特性の低下(感度低下)を招きやすくなる。また、本発明のPPE樹脂は、電荷発生層の結合剤樹脂としても用いることができる。この場合電荷発生層と輸送層の界面を整合した形で積層させることが重要となり、電荷発生層に占めるPPE樹脂の割合は30%以下が好ましい。発生層と輸送層双方にPPE樹脂を含有させることにより、層間での接着性は向上する。
さらには、電荷発生材料と電荷輸送材料を含有する単一層の感光層からなる単層型感光体、あるいは導電性支持体と感光層との間に中間層が設けられた感光体における結合剤樹脂としても用いることができる。
本発明の感光体における導電性支持体としては、通常この種の導電性支持体として使用されるものであれば特に限定されない。その材質としては、例えば、支持体自体が導電性をもつもの、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス鋼、ニッケルおよびチタンなどの金属材料を用いることができ、その他にアルミニウム、金、銀、銅、パラジウム、亜鉛、ニッケル、チタン、酸化インジウムまたは酸化錫などを蒸着したプラスチック(例えば、ポリエチレン)や紙、導電性ポリマーを含有するプラスチックなどが挙げられ、それらの形状としては、ドラム状、シート状およびシームレスベルト状のものなどが挙げられる。
次に本発明の感光体に用いられる他の材料について説明する。本発明の感光体の電荷発生材料としては、公知の化合物、すなわちビスアゾ系顔料およびトリスアゾ系顔料などのアゾ系顔料,結晶構造の違った、無金属フタロシアニン系顔料およびチタニウムフタロシアニン系顔料などのフタロシアニン系顔料などが用いられる。
電荷発生材料は、感光体の目的とする感光域において電荷を発生する機能を有し、感光体の用途により適宜選択される。一般に、複写機の用途ではアゾ系顔料が好ましく、プリンターの用途ではフタロシアニン系顔料が好ましい。これら顔料は通常0.01μから0.2μの微小粉末の状態で分散している。
電荷輸送材料としては、特許等で公知の化合物であるモノヒドラゾン化合物、ビスヒドラゾン化合物、トリフェニルアミン化合物、エナミン化合物更にはこれらが複合した化合物などが用いられる。具体的には、後記の実施例に記載のモノヒドラゾン+ビスエナミン化合物、ジエナミン化合物などが挙げられる。特にエナミンを有する化合物は輸送効率もよくかつ熱安定性にも優れている。
次に本発明の感光体の形成方法について、機能分離型感光体を例に説明する。
(電荷発生層の形成)
電荷発生層は、上記の電荷発生材料をアルコール系、ケトン系、エステル系溶剤に通常分散させ、得られた分散液を導電性支持体上に塗布することにより形成することができる。結合剤樹脂は必ずしも必要ないが、電荷発生材料の分散安定性、更には接着性のため添加することも必要になってくる。このため、添加する割合は30%以下が好ましく基板との接着から官能基を有する樹脂が好ましく、本発明のPPE樹脂は電荷発生層用樹脂としても好ましい。特にR2が−COOHであるもの(PPE樹脂(E))は分散性、接着性(注入効率性)に優れている。
具体的な電荷発生層の形成は、電荷発生材料に結合剤樹脂を溶かした溶液を加え、ボールミル、ダイノミル、ラボミル、サンドグラインダー、ペイントシェイカー(ペイントコンディショナー)または超音波分散機などによって粉砕、分散して得られる塗液を、シートの場合にはアプリケーター、ディップ、バーコーター、キャスティングおよびスピンコートなど、ドラムの場合にはスプレー法、垂直型リング法および浸漬塗工法などの方法により塗布して、電荷発生層を形成する。塗液の作成に際して、必要に応じてフィルターをかけることにより、分散粒子を調整してもよい。
本発明の樹脂以外でも結合剤樹脂として、公知の結合剤樹脂、例えば共重合体ナイロン、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテルおよび塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などを用いることができる。これら樹脂と本発明のPPE樹脂を混合して用いてもよい。これら公知の中でも本発明のPPE樹脂と比較的構造式の近いフェノキシ樹脂が特に好ましい。
電荷発生層用の溶剤としては、アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル系溶剤;エタノールなどのアルコール系溶剤等毒性の低い溶剤が使用できる。
電荷発生層における、結合剤樹脂と電荷発生材料との配合割合は、各配合成分の種類および感光体に要求される性能により適宜選択される。電荷発生層の膜厚は通常0.1〜0.5μm程度である。尚、膜厚は電荷トラップ防止の観点より、基本的には、薄いほどよい。
しかし、あまり薄くなると光学濃度が不十分にもなる。
(電荷輸送層の形成)
次いで、電荷発生層上に電荷輸送層を形成する。
電荷輸送層は、電荷発生層と同様に公知の方法により形成することができる。
例えば、電荷輸送材料を前記の溶剤(特にメチルエチルケトン、n―ブチルアルコール、酢酸エチル、酢酸アミル等)に溶解し、これに結合剤樹脂として本発明のPPE樹脂加え、得られた溶液を電荷発生層の場合と同様の方法でシートまたはドラムに塗布し乾燥後、アニールによってPPE樹脂を架橋(三次元)させて、電荷輸送層を形成する。このときより架橋化を促進するために、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ラウリルパーオキサイド(LPO)、AIBN等の重合開始剤をPPE樹脂に対して1%以下加えてもよい。このことにより本発明のPPE樹脂末端のビニル基が架橋促進に有効に働く。
架橋化さすことにより、膜強度は向上するが、架橋化が大きいと接着性が少し悪くなる傾向を有する。このため本発明でない他のPPE樹脂とブレンドしてもよい。
電荷輸送層の膜厚は、電荷保持膜厚(帯電性)から通常10〜50μm程度である。耐刷性からはより膜厚は厚いほうがよいことはゆうまでもない。
代表的な電荷輸送材料としては、アドバンスト有機マテリアルR&Dリポート(富士キメラ総研)に記載されている。この中でも、特開平6−43674、130697、332204、332205、110229、特開平7−134430、14674号公報等に記載されているモノエナミン、ジエナミン、ビスエナミン化合物が輸送効率の点より好ましい材料である。
電荷輸送層における、結合剤樹脂と電荷輸送材料との配合割合は、各配合成分の種類および電子写真感光体に要求される性能により適宜選択される。本発明のPPE樹脂は自己架橋性を有しているのが特徴であり、このため分子量の割には機械的強度がある。このため、従来の結合剤樹脂とほぼ同じ割合(1:0.8〜0.8:1重量比)でよい。
電荷発生層および/または電荷輸送層には、必要に応じてレベリング剤や酸化防止剤、トラップ防止剤などの各種添加剤を添加してもよい。酸化防止剤としては、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物および有機燐化合物などが挙げられる。トラップ防止剤としては、ナフチルシアナイド、ベンジルシアナイド及びその誘導体等があげられる。レベリング剤としては、花王より市販されているアニオン性、ノニオン性のフッ素系の界面活性剤が代表的なものとして用いられる。
場合により、電荷輸送層上の最表面層として公知の、例えば、熱可塑性あるいは熱硬化性ポリマーを主体とするオーバーコート層を設けることにより、表面の磨耗を防いでもよい。
本発明を実施例により具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
実施例1
アルミ蒸着膜が形成されたポリエステルフィルム(膜厚80μm)を導電性支持体とした。この上にPPE樹脂(E)を溶解した1%メチルエチルケトン溶液30ccに、電荷発生材料として、下記構造式(1)で表されるビスアゾ顔料0.5gを加えた。得られた溶液をペイントコンディショナー(レッドデェベル社製)にて、直径1.5mmのガラスビーズ100gと共に約30分間分散処理し、篩により濾過してガラスビーズを除いた。得られた分散液を上記導電性支持体上にアプリケーション法により塗布し、60℃で30分加熱乾燥して、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
構造式(1)
Figure 2005292413
次いで、メチルエチルケトン10ccに、合成例2のPPE樹脂(D)1gとを室温下で溶解し、さらに下記構造式(2)で表されるモノエナミン:ヒドラゾン化合物0.9gを溶解した。得られた溶液を直ちに上記の電荷発生層上にアプリケーション法により塗布し、室温で乾燥し、次いで温度100℃で約30分間加熱乾燥(アニ−ル)を行い、膜厚35.0μmの電荷輸送層を形成した。以上のようにして、電荷発生層と電荷輸送層から構成される、シート状の機能分離型電子写真感光体を得た。
構造式(2)
Figure 2005292413
得られた感光体の電子写真特性を、電子写真測定装置(緑電気社製、SP−428)により評価した。測定条件は、印加電圧:−5KV、光源:タングステンランプとした。V0 は初期電位(ボルト)、VR は50ルックスで0.2秒照射後の電位(ボルト)を示す。
また印加電圧:−5KV、除電光200ルックスの条件下において、500回連続して帯電+露光の繰り返しを行い、この時、電位低下、残留電位の上昇について調べた。
この結果、V0 は−630Vであり、VR は−7Vであった。また500回連続して帯電+露光の繰り返し後のV0 は−655V、VR は−25Vであり高感度でかつ安定した繰り返し特性を有する感光体であることが判明した。
実施例2〜4
合成例2のPPE樹脂(E)の代わりに、PPE樹脂(A)(B)およびXが
Figure 2005292413
であるPPE樹脂(D')(分子量3300)をそれぞれ電荷輸送材料として用いる以外は、実施例1と同様にして、シート状の機能分離型電子写真感光体を得た。得られた感光体の電子写真特性を、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2005292413
尚、実施例4の電荷輸送材料は下記構造式(3)で示されるジエナミン化合物を用いた。
構造式(3)
Figure 2005292413
これら各感光体は優れた電子写真特性を示しており、また接着性においても良好であった。
実施例5〜7
合成例2のPPE樹脂(D)の代わりに、PPE樹脂(C)、(E)、(H)をそれぞれ電荷輸送用結合剤樹脂材料として用いる以外は、実施例1と同様にして、シート状の機能分離型電子写真感光体を得た。得られた感光体の電子写真特性を、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2005292413
尚、表2中の電荷発生層の結合剤樹脂として、PPE樹脂(E)の代わりに酢酸ビニルを主体とした共重合体樹脂(酸性度23)を用いた。
いずれの上記感光体シートについて、セロハンテープによる剥離試験において当社の感光体をシール化させたものと比べてもなんら遜色はなかった。
これら各感光体は表2から優れた電子写真特性を示しており、また接着性においても良好であった。特にPPE樹脂(E)を電荷発生層の結合剤樹脂として用いた感光体の電子写真特性(残留電位)は表1及び表2からよい傾向を有している(表1のほうが少しデータがよい傾向を有する。)。
十分末端基がカルボニル化されていないPPE樹脂(H)でも優れた電子写真特性を示していることがわかる。
実施例8
合成例1から3のPPE樹脂及び実施例4で用いたPPE樹脂(AからHまでとD'の9種類)の溶解性について調べた。
溶解性の条件は樹脂1gを溶剤10ccに入れ50℃で超音波により強制的に溶解させた後、この溶液を5℃の冷蔵庫中に一昼夜放置し、各溶液の変化について目視により濁りの発生、及びゲル化変化について調査した。
調査に用いた溶剤はケトン系はアセトン、メチルエチルケトンであり、エステル系は酢酸エチル、酢酸プロピルであり、アルコール系はメタノール、n−ブチルアルコールであり、これら以外にジクロロエタン、トルエンであった。
その結果メタノール以外はすべて溶解性は良好であった。ただn−ブチルアルコールは合成例1のPPE樹脂溶液が白濁ゲル化したが、メチルエチルケトンを5cc加えた系では均一溶液になり、なんら溶解性に問題はなかった。
比較例として現在電荷輸送性樹脂としてよく用いられているポリカーボネートZ(三菱瓦斯化学製)について同様の溶解性について調べた所、トルエン、ジクロロエタン以外は50℃においても溶解しなかった。このことより、本発明のPPE樹脂は毒性面、安全面に問題の少ない溶剤によく溶解することが判った。
本発明の感光体は、複写機やプリンター以外にも、感光体を有するものに好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. 導電性支持体上に少なくとも有機光導電材料と結合剤樹脂からなる感光層が形成された電子写真感光体であって、該結合剤樹脂の端末の1つが少なくとも下記一般式(1)で示されるメチレン基の炭素原子とエーテル結合しているPPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂であることを特徴とする電子写真感光体
    一般式(1)
    Figure 2005292413
    (式(1)中、Rは水素、メチル基であり、R は水素、メチル基、カルボキシ基及びそのエステル基である。)。
  2. 導電性支持体上に少なくとも有機光導電材料と結合剤樹脂からなる感光層が形成された電子写真感光体であって、該結合剤樹脂の端末の1つが少なくとも
    下記一般式(2)で示されるPPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂であることを特徴とする電子写真感光体。
    一般式(2)
    Figure 2005292413
    (式(2)中、X、Yは芳香族の炭素原子を結合手とする2価の残基であり、R、 Rは式(1)と同義である。n、mは少なくともいずれか一方が0ではない、0から300の整数である。)。
  3. PPE樹脂中にラジカル重合開始剤を添加することを特徴とする請求項1,2記載の電子写真感光体。
  4. Yがオルソ位置換の炭素数1から4の低級アルキル基を置換したフェニレン基なるPPE樹脂であることを特徴とする請求項2記載の電子写真感光体。
  5. Xが4,4'位置換のビフェニレン基、1,4位置換のフェニレン基からなるPPE樹脂であることを特徴とする請求項2記載の電子写真感光体。
  6. Xが一般式(3)で示されるビスフェニレン基からなるPPE樹脂であることを特徴とする請求項2記載の電子写真感光体
    一般式(3)
    Figure 2005292413
    (式(3)中、Arは置換、非置換のフェニレン基であり、R 、Rは水素、炭素数1から4の低級アルキル基、置換、非置換のフェニル基であり、更にR 、Rは互いに結合することにより5員環、6員環の環状構造を形成してもよい。)。
  7. 電荷発生層と電荷輸送層に機能分離構造より構成された電子写真感光体において、電荷輸送層の結合剤樹脂として請求項1から6記載のPPE樹脂を用いることを特徴とする電子写真感光体。
  8. 電荷発生層と電荷輸送層に機能分離構造より構成された電子写真感光体において、電荷輸送層及び電荷発生層の結合剤樹脂として請求項1から6記載のPPE樹脂を用いることを特徴とする電子写真感光体。
  9. 電荷発生層と電荷輸送層に機能分離構造から構成された電子写真感光体において、電荷輸送層中にエナミン基を少なくとも1個有する化合物を含有していることを特徴とする請求項7,8記載の電子写真感光体。
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