JP2005291261A - 被固定部材の固定構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被固定部材を固定するためにボルトに嵌合した樹脂製のナットが脱落することを防止することができる被固定部材の固定構造を提供する。
【解決手段】 中空部8に係止爪9,9を有する樹脂製のナット3を、非固定部材4の貫通孔11に挿通したボルト2に中空部8の係止爪9,9を係止させて嵌合させ被固定部材4を固定する被固定部材の固定構造であって、ナット3の少なくとも一部分の外形形状を平面視多角形状とし、被固定部材4の貫通孔11の近傍に、ボルト2に嵌合したナット3の平面視多角形状とした部分が係合可能な突出壁部12,12を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、中空部に係止爪を有する樹脂製のナットを、被固定部材の貫通孔に挿通したボルトに前記中空部の係止爪を係止させて嵌合させ前記被固定部材を固定する被固定部材の固定構造に関する。
従来のナットとして、ボルトに螺合することにより被固定部材を固定する金属製のナットの他に、樹脂製のナットが知られている。この樹脂製のナットは、ボルトを挿入するための中空部にボルトに係止するための係止爪を備えた構造となっている(例えば、特許文献1参照。)。
このような樹脂製のナットは、金属製のナットとは異なり、回転させることなく、中空部に挿入したボルトに前記係止爪を係止させてボルトに嵌合して被固定部材を固定することから、被固定部材を固定する場所が狭く工具を使用することができなかったり、或いはボルトが下向きに設置されているなど、作業が行い難い場合であっても容易な取り付けが可能である。
実開昭63−40616号公報
しかしながら、前記樹脂製のナットは、ボルトに装着した状態で車両(ボデー、パネル、補機など)から伝わる熱によって樹脂が劣化するおそれがあり、また、自動車部品の車両への固定に用いた場合などにあっては、車両の振動によっても樹脂が劣化するおそれがある。このような樹脂の劣化などの原因により、ボルトに嵌合した樹脂製のナットが回転し、ボルトから脱落してしまうおそれがある。
本発明の目的は、被固定部材を固定するためにボルトに嵌合した樹脂製のナットが脱落することを防止することができる被固定部材の固定構造を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、中空部に係止爪を有する樹脂製のナットを、被固定部材の貫通孔に挿通したボルトに前記中空部の係止爪を係止させて嵌合させ前記被固定部材を固定する被固定部材の固定構造であって、前記ナットにナット側回転規制部を形成し、前記被固定部材の前記貫通孔の近傍に、前記ボルトに嵌合した前記ナットの前記ナット側回転規制部が係合可能な被固定部材側回転規制部を設けたことを特徴とする。
このような請求項1に記載の発明では、被固定部材の貫通孔に挿通したボルトに、前記係止爪を係止させることにより前記樹脂製のナットを嵌合して前記被固定部材を固定した状態において、樹脂製のナットが劣化して回転しようとしたとしても、該ナットのナット側回転規制部が前記被固定部材に設けられた被固定部材側回転規制部と係合し、回転が規制される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の前記ナット側回転規制部を、前記ナットの少なくとも一部分の外形形状を平面視多角形形状とすることにより構成し、前記被固定部材側回転規制部を、前記被固定部材から突出する突出壁部で構成したことを特徴とする。
このような請求項2に記載の発明では、前記ボルトに嵌合して被固定部材を固定している樹脂製のナットが劣化して回転しようとしても、少なくとも一部分の外形形状が平面視多角形形状のナットは、前記被固定部材に設けられた突出壁部に係合して、回転が規制される。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の前記ナット側回転規制部を、外形形状が平面視円形状の前記ナットの外側面の一部を切り欠いて切欠平面を形成することにより構成し、前記被固定部材側回転規制部を、前記被固定部材から突出する突出壁部で構成したことを特徴とする。
このような請求項3に記載の発明では、前記ボルトに嵌合して被固定部材を固定している樹脂製のナットが劣化して回転しようとしたとしても、前記切欠平面を形成したナットが前記被固定部材に設けられた突出壁部に係合して、回転が規制される。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の前記突出壁部の高さを、前記ボルトに嵌合したナットの一部分と揃う高さとしたことを特徴とする。
このような請求項4に記載の発明では、前記ボルトに前記ナットを嵌合したときには、該ナットの一部分と突出壁部の上部とが揃った状態となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の前記被固定部材側回転規制部を、前記被固定部材から突出するピンで構成し、前記ナット側回転規制部を、前記ピンを挿入可能な貫通孔部を前記ナットの側部に形成することにより構成したことを特徴とする。
このような請求項5に記載の発明では、前記ナットは、その側部に形成された前記貫通孔部に前記ピンを挿入した状態で前記ボルトに嵌合する。これにより、前記ボルトに嵌合している前記ナットが劣化して回転しようとした場合、前記貫通孔部に前記ピンが挿入されていることから、回転が規制される。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の前記被固定部材側回転規制部を、前記被固定部材から突出するピンで構成し、前記ナット側回転規制部を、前記ピンを位置させるための空隙部を有する間隔を空けて前記ナットの側部に設けられた一対の壁部で構成したことを特徴とする。
このような請求項6に記載の発明では、前記ナットは、その側部に設けられた一対の壁部の間の前記空隙部に前記ピンを位置させた状態で前記ボルトに嵌合する。これにより、前記ボルトに嵌合している前記ナットが劣化して回転しようとしたとしても、前記ピンが一対の壁部の何れかの壁部と係合して回転が規制される。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の前記ピンの突出長を、前記ボルトに嵌合したナットの一部分と揃う長さとしたことを特徴とする。
このような請求項7に記載の発明では、前記ボルトに前記ナットを嵌合したときには、該ナットの一部分と前記ピンの上部とが揃った状態となる。
本発明によれば、ボルトに嵌合して被固定部材を固定している樹脂製のナットが劣化して回転しようとしたとしても、その回転が規制されるので、ナットの脱落を防止することができ、これにより、被固定部材の確実な固定が可能である。
さらに、請求項4又は7に記載の発明によれば、前記ナットが前記ボルトに完全に嵌合していない場合には、前記ピンと前記ナットの一部分とが揃っていない状態となるので、作業者が目視、或いは手で触ることによってこれを確認することで、容易に不十分な嵌合状態を発見することができ、被固定部材を確実に固定することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例について詳細に説明する。
図1は本発明に係る被固定部材の固定構造の第1実施形態において被固定部材を固定する前の状態を示す図、図2は図1に示す状態から被固定部材を固定した状態を示す図である。
図において、符号1は自動車ボディを示しており、この自動車ボディ1に設けられたボルト2に樹脂製のナット3を嵌合させて被固定部材4を自動車ボディ1に固定するようになっている。
前記ナット3は、胴部5と鍔部6とが一体に形成されたナット本体7を有するとともに、中空部8を有しており、中空部8には前記ボルト2に嵌合させたときにボルトに係止させるための一対の係止爪9,9がナット本体7と一体に設けられている。この一対の係止爪9,9は、鍔部6側の開口部近傍の中空内壁10から反対側(胴部5側)の開口部に向かって立ち上げられ、互いに対向するようにして形成されている。そして、これら一対の係止爪9,9の間にボルトを挿通して係止爪9,9の先端部をボルトの雄ねじ部2aに係止させてナット3をボルト2に嵌合して被固定部材4を固定するようになっている。
前記胴部5は四角筒状に形成され、また前記鍔部6は平面視正方形形状に形成されている。そして、このように鍔部6を平面視正方形形状に形成することにより、ナット側回転規制部が構成されている。
前記被固定部材4としては、例えば、ワイヤハーネスプロテクタや電気接続箱等の自動車部品を挙げることができ、かかる被固定部材4には、ボルト2を挿通するための円形状の貫通孔11が形成されている。
被固定部材4の貫通孔11の近傍には、被固定部材4の表面から突出する突出壁部12,12が設けられている。この突出壁部12,12は、互いに対向して平行な状態で設けられており、被固定部材側回転規制部を構成している。突出壁部12,12の間隔は、貫通孔11に挿通したボルト2にナット3を押し込んで嵌合して被固定部材4を固定したときに、該突出壁部12,12の間に前記ナット3の鍔部6を受け入れることができ、且つ、ボルト2に嵌合しているナット3を形成する樹脂が劣化してナット3が回転しようとしたとしても鍔部6が突出壁部12に当接(係合)してそれ以上の回転が規制されるようになっている(図2参照)。
突出壁部12,12の被固定部材4の表面からの高さは、前記鍔部6の肉厚と同じとなっていて、ナット3を被固定部材4においてボルト2に嵌合したときに突出壁部12,12の上面12a,12aと、鍔部6の胴部5側の面6aとが揃い、段差のない状態となるようになっている(図2参照)。
次に、自動車ボディ1への被固定部材4の固定について説明する。被固定部材4は、ナット3をボルト2に嵌合させることにより、図2に示すように自動車ボディ1に固定される。これについて詳しく説明すると、先ず、図1に示す状態から、被固定部材4の貫通孔11にボルト2を挿通する。そして、ボルト2にナット3の中空部8を挿入し、挿入したボルト2を係止爪7,7を弾性変形させてその間に挿通し、鍔部6が被固定部材4の表面に当接するまで押し込み、ボルト2の雄ねじ部2aに係止爪7,7を食い込ませて係止させる。このとき、鍔部6が被固定部材4の表面に当接して完全に嵌合した状態では、突出壁部12,12の上面12a,12aと鍔部6の胴部5側の面6aとが揃い、段差のない状態となる。作業者は、目視或いは手で触ることにより、突出壁部12,12の上面12a,12aと鍔部6の胴部5側の面6aとの間に段差がないかを確認することにより、ナット3がボルト2に完全に嵌合しているか確認できる。以上のようにしてナット3をボルト2に嵌合させることにより、被固定部材4が自動車ボディ1に固定される。
このようにしてボルト2に嵌合した樹脂製のナット3は、樹脂が劣化して回転しようとしたとしても、平面視正方形形状の鍔部6が突出壁部12に当接(係合)してその回転が規制される。
以上説明した本例の被固定部材の固定構造によれば、ボルト2に嵌合することにより被固定部材4を固定している樹脂製のナット3が劣化して回転しようとしたとしても、鍔部6が突出壁部12に当接して回転が規制されるので、ナット3の脱落を防止することができ、これにより、被固定部材4の確実な固定が可能である。
また、ナット3をボルト2に嵌合させたときに、突出壁部12,12の上面12a,12aと鍔部6の胴部5側の面6aとの間に段差がある場合には、ナット3の鍔部6が被固定部材4の表面に当接しておらず、嵌合が不十分な状態であり、作業者は、前記段差を目視或いは手で触ることによって確認することで、容易に不十分な嵌合状態を発見することができ、被固定部材4を確実に固定することができる。
なお、上記第1実施形態において、被固定部材4の固定位置とボルト2の位置との誤差を吸収することができるよう、前記被固定部材4の貫通孔11が図3に示すように長孔形状となっていてもよい。このような長孔形状の貫通孔11に対応して、前記被固定部材側回転規制部を構成する突出壁部12,12は、被固定部材4の幅方向の全長に渡って形成されている。そして、突出壁部12,12は、上記第1実施形態と同様、貫通孔11に挿通したボルト2にナット3を押し込んで嵌合して被固定部材4を固定したときに、該突出壁部12,12の間に前記ナット3の鍔部6を受け入れることができ、且つ、ナット3を形成する樹脂が劣化してナット3が回転したとしても鍔部6が突出壁部12に当接してそれ以上の回転が規制されるように形成されている。
次に、本発明に係る被固定部材の固定構造の第2実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図4は本発明に係る被固定部材の固定構造の第2実施形態において被固定部材を固定する前の状態を示す図、図5は図4に示す状態から被固定部材を固定した状態を示す図である。
本例においては、被固定部材4には、被固定部材側回転規制部として四角枠形状の突出壁部20が貫通孔11の周りに設けられている。この突出壁部20は、貫通孔11に挿通したボルト2にナット3を押し込んで嵌合して被固定部材4を固定したときに、四角枠形状で囲まれた部分に前記ナット3の鍔部6を受け入れることができ、且つ、ボルト2に嵌合しているナット3を形成する樹脂が劣化してナット3が回転したとしても鍔部6が突出壁部20に当接(係合)してそれ以上の回転が規制されるようになっている(図5参照)。
突出壁部20の被固定部材4の表面からの高さも、上記第1実施形態と同様、鍔部6の肉厚と同じものとなっている。
このような本例においても、上記第1実施形態と同様にしてボルト2にナット3を嵌合させて被固定部材4を自動車ボディ1に固定するが、ナット3は、図5に示すように、四角枠形状の突出壁部20で囲まれた部分においてボルト2に嵌合する。このとき、突出壁部20の上面20aとボルト2に嵌合したナット3の鍔部6の胴部5側の面6aとが揃い、段差のない状態となる。ボルト2に嵌合した樹脂製のナット3は、樹脂が劣化して回転しようとしたとしても、平面視四角形状の鍔部6が突出壁部20に当接(係合)してその回転が規制される。
以上のことから、本例の被固定部材の固定構造においても、ボルト2に嵌合した樹脂製のナット3の劣化による脱落を防止することができる。また、突出壁部20の上面20aとナット3の鍔部6の胴部5側の面6aとの間に段差があることを作業者が目視或いは手で触ることにより確認することで、ボルト2へのナット3の嵌合が不十分であることを容易に発見することができる。
次に、本発明に係る被固定部材の固定構造の第3実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図6は本発明に係る被固定部材の固定構造の第3実施形態において被固定部材を固定する前の状態を示す図、図7は図6に示す状態から被固定部材を固定した状態を示す図である。
図において、符号30は、本例における樹脂製のナットを示しており、このナット30は円筒状の胴部31と鍔部32とが一体に形成されたナット本体33を有し、中空部34に、ナット本体33と一体に形成された一対の係止爪35,35が設けられている。一対の係止爪35,35は、上記第1実施形態の係止爪9,9と同様にして形成され、これら一対の係止爪35,35の間にボルト2を挿通して係止爪35,35を係止させることによりナット30をボルト2に嵌合して被固定部材4を自動車ボディ1に固定するようになっている。
前記鍔部32は平面視円形状の一部を2箇所切り欠いた形状となっている。すなわち、鍔部32の側面には、2つの切欠平面36,36が互いに対向するようにして形成されている。このようにして鍔部32に切欠平面36,36を形成することにより、ナット側回転規制部が構成されている。
本例では、被固定部材4の貫通孔11の近傍に設けられた突出壁部12,12は、ナット30が、鍔部32の切欠平面36,36と対向する状態で被固定部材4上において挿通したボルト2に嵌合することができる間隔を空けて、且つ、ボルト2に嵌合しているナット3を形成する樹脂が劣化してナット3が回転しようとしたとしても、鍔部32が突出壁部12に当接(係合)してそれ以上の回転が規制されるような間隔を空けて設けられている。
また、突出壁部12,12の被固定部材4の表面からの高さは、鍔部32の肉厚と同じとなっていて、ナット3を被固定部材4上においてボルト2に嵌合したときに突出壁部12,12の上面12a,12aと、鍔部32の胴部31側の面32aとが揃い、段差のない状態となるようになっている(図7参照)。
このような本例においても、上記第1実施形態と同様にしてボルト2にナット30を嵌合させて被固定部材4を自動車ボディ1に固定するが、ナット30は、図7に示すように、互いに対向する平行な突出壁部12,12の間に、切欠平面36,36が突出壁部12,12と対向するようにしてボルト2に嵌合する。このとき、突出壁部12,12の上面12a,12aとボルト2に嵌合したナット30の鍔部32の胴部31側の面32aとが揃い、段差のない状態となる。ボルト2に嵌合した樹脂製のナット30は、樹脂が劣化して回転しようとしたとしても、鍔部32が突出壁部12に当接(係合)してその回転が規制される。
以上のことから、本例の被固定部材の固定構造においても、ボルト2に嵌合した樹脂製のナット30の劣化による脱落を防止することができる。また、突出壁部12,12の上面12a,12aとナット30の鍔部32の胴部31側の面32aとの間に段差があることを作業者が目視或いは手で触ることにより確認することで、ボルト2へのナット30の嵌合が不十分であることを容易に発見することができる。
尚、本例において、前記切欠平面36と、それに対応する突出壁部12は、1つだけ形成されていても良い。
また、上記第1〜第3実施形態において、突出壁部12又は20の高さは、ナット3又は30の長さと同じとなるように、すなわち、ナット3又は30を被固定部材4上においてボルト2に嵌合したときに、突出壁部12又は20の上面12a又は20aと胴部5又は31の上部端面とが揃うように形成しても良い。
次に、本発明に係る被固定部材の固定構造の第4実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図8は本発明に係る被固定部材の固定構造の第4実施形態において被固定部材を固定する前の状態を示す図、図9は図8に示す状態から被固定部材を固定した状態を示す図である。
図において符号40は本例における樹脂製のナットを示しており、このナット40は、円筒状の胴部41と平面視円形状の鍔部42とが一体に形成されたナット本体43を有し、中空部44に、ナット本体43と一体に形成された一対の係止爪45,45が設けられている。一対の係止爪45,45は、上記第1実施形態の係止爪9,9と同様にして形成され、これら一対の係止爪45,45の間にボルト2を挿通して係止爪45,45を係止させることによりナット40をボルト2に嵌合して被固定部材4を自動車ボディ1に固定するようになっている。
ナット40の胴部41の側部には、貫通孔部形成壁46が形成されている。この貫通孔部形成壁46は、鍔部42の胴部41側の面42a及び胴部41の側面41aにおいて鍔部42及び胴部41と一体に形成されている。そして、貫通孔部形成壁46は、その上部端面46aが胴部41の上部端面41bと揃って平坦に続くように、すなわち、胴部41の高さと同じとなるように形成されている。
また、貫通孔部形成壁46は、貫通孔部47を有するようにして形成されている。この貫通孔部47は、鍔部42の下面から貫通孔部形成壁46の上部端面46aまで貫通形成され、被固定部材4に設けられた後述のピンを挿入することができるように構成されている。このようにしてナット40の側部に貫通孔部47を形成することにより、ナット側回転規制部が構成されている。
被固定部材4の貫通孔11の近傍には、被固定部材側回転規制部を構成するピン48が設けられている。このピン48は、貫通孔11に挿通したボルト2にナット40を被固定部材4上で嵌合したときに、前記ナット40の側部の貫通孔部47に挿入することができる位置に設けられている。
ピン48の突出長、すなわち被固定部材4の表面からの高さは、前記ナット40の長さと同じとなっており、貫通孔11に挿通したボルト2にナット40を嵌合して前記貫通孔部47にピン48を挿入したときに、ピン48の上面48aと、貫通孔部形成壁46の上部端面46a及び胴部41の上部端面41bとが揃い、段差のない状態となるようになっている。
このような本例においても、上記第1実施形態と同様にしてボルト2にナット40を嵌合させて被固定部材4を自動車ボディ1に固定するが、ナット40の嵌合の際には、図9に示すように、ナット40の側部の貫通孔部47に、被固定部材4に設けられたピン48を挿入する。このとき、ピン48の上面48aと、貫通孔形成壁46の上部端面46a及び胴部41の上部端面41bとが揃い、段差のない状態となる。ボルト2に嵌合した樹脂製のナット40は、樹脂が劣化して回転しようとしたとしても、ピン48が貫通孔部47内で貫通孔形成壁46に当接(係合)してその回転が規制される。
以上のことから、本例の被固定部材の固定構造においても、ボルト2に嵌合した樹脂製のナット40の劣化による脱落を防止することができる。また、ピン48の上面48aと、貫通孔形成壁46の上部端面46a及び胴部41の上部端面41bとの間に段差があることを作業者が目視或いは手で触ることにより確認することで、ボルト2へのナット40の嵌合が不十分であることを容易に発見することができる。
次に、本発明に係る被固定部材の固定構造の第5実施形態について説明する。なお、第1実施形態、第4実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。 図10は本発明に係る被固定部材の固定構造の第5実施形態において被固定部材を固定する前の状態を示す図、図11は図10に示す状態から被固定部材を固定した状態を示す図である。
図において符号50は本例における樹脂製のナットを示しており、このナット50は、上記第4実施形態と同様、胴部41と鍔部42とが一体に形成されたナット本体43と、中空部44に設けられた一対の係止爪45とを有している。
前記胴部41の側面41aには、ナット側回転規制部を構成する一対の壁部51,51が設けられている。この一対の壁部51,51は、空隙部52を有する間隔を空けて設けられている。この空隙部52には、ナット50を被固定部材4上においてボルト2に嵌合したときに、被固定部材4に設けられたピン48を位置させることができるようになっている。なお、空隙部52には、鍔部42は形成されていない。
尚、本例においても、ピン48の長さは、ナット50の長さと同じ長さとなっており、被固定部材4上においてナット50をボルト2に嵌合してピン48を空隙部52に位置させたときに、ピン48の上面48aとナット50の胴部41の上部端面41bとが揃うようになっている。
本例では、被固定部材4に形成されている貫通孔11は、長孔形状となっており、被固定部材4の固定位置とボルト2の位置との誤差を吸収することができるようになっている。
このような本例においても、上記第1実施形態と同様にしてボルト2にナット50を嵌合させて被固定部材4を自動車ボディ1に固定するが、ナット50の嵌合の際には、図11に示すように、ナット50の側部に設けられた一対の壁部51,51の間の空隙部52にピン48を位置させる。このとき、ピン48の上面48aと、胴部41の上部端面41bとが揃い、段差のない状態となる。ボルト2に嵌合した樹脂製のナット50は、樹脂が劣化して回転しようとしたとしても、ピン48が空隙部52において一対の壁部51,51の何れかに当接(係合)してその回転が規制される。
なお、図12〜図14に示すように、被固定部材4を自動車ボディ1に固定する際におけるボルト2の貫通孔11内での位置が変わったとしても、ボルト2に嵌合したナット50の側部に設けられた一対の壁部51,51の間の空隙部52に、ピン48が位置することができるようになっている。すなわち、ピン48の空隙部52における位置は、貫通孔11内におけるボルト2の位置によって多少変動するが、ボルト2が貫通孔11内で何れの位置にある場合でも、ナット50が回転しようとした場合に、ピン48が一対の壁部51,51の何れかに当接(係合)することができるようになっている。
以上説明した本例の被固定部材の固定構造においても、ボルト2に嵌合した樹脂製のナット50の劣化による脱落を防止することができる。また、ピン48の上面48aと、ナット50の胴部41の上部端面41bとの間に段差があることを作業者が目視或いは手で触ることにより確認することで、ボルト2へのナット50の嵌合が不十分であることを容易に発見することができる。
本発明に係る被固定部材の固定構造の第1実施形態において被固定部材を固定する前の状態を示す図。 図1に示す状態から被固定部材を固定した状態を示す図。 図1に示す第1実施形態における被固定部材に形成された貫通孔の変形例を示す図。 本発明に係る被固定部材の固定構造の第2実施形態において被固定部材を固定する前の状態を示す図。 図4に示す状態から被固定部材を固定した状態を示す図。 本発明に係る被固定部材の固定構造の第3実施形態において被固定部材を固定する前の状態を示す図。 図6に示す状態から被固定部材を固定した状態を示す図。 本発明に係る被固定部材の固定構造の第4実施形態において被固定部材を固定する前の状態を示す図。 図8に示す状態から被固定部材を固定した状態を示す図。 本発明に係る被固定部材の固定構造の第5実施形態において被固定部材を固定する前の状態を示す図。 図10に示す状態から被固定部材を固定した状態を示す図。 図10に示す被固定部材の固定構造の第5実施形態において被固定部材を固定した状態を示す図。 図10に示す被固定部材の固定構造の第5実施形態において被固定部材を固定した状態を示す図。 図10に示す被固定部材の固定構造の第5実施形態において被固定部材を固定した状態を示す図。
符号の説明
2 ボルト
3,30,40,50 ナット
4 被固定部材
8,34,44 中空部
9,35,45 係止爪
11 貫通孔
12,20 突出壁部
36 切欠平面
47 貫通孔部
51 壁部
52 空隙部

Claims (7)

  1. 中空部に係止爪を有する樹脂製のナットを、被固定部材の貫通孔に挿通したボルトに前記中空部の係止爪を係止させて嵌合させ前記被固定部材を固定する被固定部材の固定構造であって、
    前記ナットにナット側回転規制部を形成し、前記被固定部材の前記貫通孔の近傍に、前記ボルトに嵌合した前記ナットの前記ナット側回転規制部が係合可能な被固定部材側回転規制部を設けた
    ことを特徴とする被固定部材の固定構造。
  2. 前記ナット側回転規制部を、前記ナットの少なくとも一部分の外形形状を平面視多角形形状とすることにより構成し、前記被固定部材側回転規制部を、前記被固定部材から突出する突出壁部で構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載の被固定部材の固定構造。
  3. 前記ナット側回転規制部を、外形形状が平面視円形状の前記ナットの外側面の一部を切り欠いて切欠平面を形成することにより構成し、前記被固定部材側回転規制部を、前記被固定部材から突出する突出壁部で構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載の被固定部材の固定構造。
  4. 請求項2又は3に記載の前記突出壁部の高さを、前記ボルトに嵌合したナットの一部分と揃う高さとした
    ことを特徴とする被固定部材の固定構造。
  5. 前記被固定部材側回転規制部を、前記被固定部材から突出するピンで構成し、前記ナット側回転規制部を、前記ピンを挿入可能な貫通孔部を前記ナットの側部に形成することにより構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載の被固定部材の固定構造。
  6. 前記被固定部材側回転規制部を、前記被固定部材から突出するピンで構成し、前記ナット側回転規制部を、前記ピンを位置させるための空隙部を有する間隔を空けて前記ナットの側部に設けられた一対の壁部で構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載の被固定部材の固定構造。
  7. 請求項5又は6に記載の前記ピンの突出長を、前記ボルトに嵌合したナットの一部分と揃う長さとした
    ことを特徴とする被固定部材の固定構造。
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