JP2005281115A - 気体精製装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アンモニア及び/又は水を含む水素気体、並びに、これとHe、Ne、Ar、N2等の不活性ガスの一種以上からなる混合気体の流路にアルカリ金属水素化物、アルカリ土類金属水素化物からなるフィルター層を設置したことを特徴とする気体精製装置、が提供される。水素と反応することによって金属水素化物と金属アミドとを同時に含む水素貯蔵材料に変化する金属イミド化合物を有する水素貯蔵材料前駆体であって、前記金属イミド化合物は、前記金属水素化物と前記金属アミドとの反応を経ることなく合成されたものに水素を貯蔵させた貯蔵材に吸蔵又は発生されるものの流路に設置したアルカリ金属水素化物、アルカリ土類金属水素化物からなるフィルター層を有することを特徴とする気体精製装置、が提供される。
【選択図】 図1
Description
Li3N十2H2=Li2NH十LiH十H2=LiNH2十2LiH …(1)
LiNH2十2LiH→Li2NH十LiH十H2↑ … (2)
Li2NH十LiH→Li3N十H2↑ …(3)
更に、これらの反応系内でLiNH2の分解等で生じたNH3が発生水素中に含まれ、このNH3が燃料電池に導入されるとその燃料電池を被毒させるという問題点があった。
水素貯蔵材料前駆体たるリチウムイミドは、下記(4)式に示されるように、水素と反
応することによって、水素貯蔵材料であるリチウムアミド(LiNH2)と水素化リチウム(L iH)との複合体に変化する。こうして得られたリチウムアミドと水素化リチウムの複合体は、所定温度に加熱することによって水素(H2)を放出し、リチウムイミドヘと変化する。つまり下記(4)式で示される化学反応は、異なる物質間で反応が可逆的に進行する、所謂、可逆的不均化反応であり、このような反応サイクルが繰り返される。
LiNH2十LiH=Li2NH十H2 … (4)
を混合し、これを所定の温度に加熱する方法によって行うことができる。しかし、固体材
料どうしを混合させる方法では、リチウムアミドと水素化リチウムとの微細複合化には限
度があり、また粉砕混合時間が長く掛かるという問題がある。そこで、リチウムイミドを、リチウムアミドと水素化リチウムとの反応を経ることなく合成する方法が、発明者らによって見出されている。
2LiNH2 → Li2NH 十 NH3 … (5)
めに、このようなリチウムイミドと水素とを反応させることによって、リチウムアミドと
水素化リチウムとが均一に微細複合化された水素貯蔵材料を得ることができる。
物質を担持させることが好ましい。この触媒機能物質としては、B、C、Mn、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、Rh、Li、Na、Nb、Mg、K、Ir、Nd、La、Ca、V、Ti、Cr、Cu、Zn、Al、Si、Ru、Mo、W、Ta、Zr、Hf、Agから選ばれた1種又は2種以上の金属又はその化合物又はその合金、あるいは水素貯蔵合金が挙げられる。これら金属の化合物としては、例えば、塩素化物等のハロゲン化物や酸化物、窒化物、その他の化合物等が挙げられる。
触媒機能物質を添加しておく方法や、合成されたリチウムイミドを触媒機能物質の試薬雰
囲気(液体又は蒸気)に晒して表面に触媒機能物質を吸着させる方法、合成されたリチ
ウムイミドに触媒微粉末を添加して混合する方法等が挙げられる。このような触媒機能物
質の担持量は、リチウムイミドの0.1質量%以上20質量%以下とすることが好ましい。触媒機能物質の担持量が0.1質量%以下であるとその効果は発揮されず、20質量%を超えると逆にリチウムイミド等の反応物質間の反応を阻害し、質量あたりの水素放出率が目減りすることとなる。
吸蔵材原料として、リチウムアミド(純度95%)、水素化リチウム(純度95%)、三塩化チタン(TiC13)、三塩化クロム(CrC13)(以上、いずれもシグマ・アルドリッチ社製)を用いた。ここで、三塩化チタンと三塩化クロムは触媒機能物質である。モレキュラーシーブスは、和光純薬工業社製、活性アルミナは、住友化学工業社製、セピオライトはトルコ産セピオライトであり、太平洋セメント社製である。カラムは、ステンレス製のGLサイエンス社製である。
出発原料のリチウムアミドを真空中450℃で加熱処理することにより、リチウムイミドを作製した。このリチウムイミドを遊星型ボールミル装置(Fritsch社製.P−5型)を用いて粉砕処理することにより、実施例1の試料を作製した。この粉砕処理は、リチウムイミドの粉末1gと所定量の高クロム鋼製ボールを高クロム鋼製のミル容器(容積:250m1)に入れ、このミル容器内を真空排気した後にミル容器内にアルゴンガス(グレード:α2)を内圧が1.OMPaとなるように導入し、室温20℃の下、250rpmで15分間行った。実施例2の試料はリチウムイミドと三塩化チタンとが質量比で100:5で配合された組成を有し、実施例3はこのリチウムイミドと三塩化チタンと三塩化クロムとが質量比で100:4:1で配合された組成を有する。実施例2、3の試料もまた実施例1と同様に遊星型ボールミル装置による粉砕混合処理により調整した。なお、粉砕混合処理後の試料は、酸化と水分吸着の影響を最小限とするために、アルゴンガス(Ar;純度99.995%)雰囲気のグローブボックス内で取り出され、後述する水素吸蔵処理およびアルゴンガス雰囲気での水素放出実験のための反応容器に移し替えた。実施例1〜3の作製条件を表1に示す。
反応容器内を真空排気した後に、反応容器内を3MPaの水素雰囲気とし、この反応容器を180℃で8時間保持することにより、実施例1〜3の水素吸蔵処理、つまりリチウムアミドと水素化リチウムからなる水素貯蔵材料への変換処理を行った。さらにその後、反応容器内を真空排気した。
また、上記装置においてArを同体積のHe、Ne、N2に置き換えた水素発生装置を設置した。(実施例5〜7)
フィルターは、直径6mm、長さ300cmのカラム内に次のとおり形成した。直径30meshの粒度に調製した水素化リチウム12mlを、直径30meshのモレキュラーシーブス5mlに混合させ担持した。フィルターを形成したカラムは、室温で20℃程度が保持されていたため通電して行うコントロールは不要であった。可逆反応は、抑制されていた。また、水分の除去性能を維持するため、水素化リチウムがリチウムイミドとなるとアンモニアとの反応が起こりにくくなるため、このフィルター層は、適宜あらたな水素化リチウムを付着、担持させたものに180分後に自動交換するレボルバーの回転形式カラムを設置した。
設置しないものを比較例1〜7として、実施例と同様に水素量、アンモニア量、水分量を測定した。
実施例1〜3から作製した水素貯蔵材料の試料がそれぞれ封入され、真空排気された反応容器を電気炉で室温〜250℃まで昇温速度5℃/分で加熱し、250℃で90分問保持した。250℃保持中は、反応容器からの放出ガス圧が20kPa以下となるようにバッファ容器を用いてガス圧を調整した。各温度および250℃で放出されたガスをガス採取ボンベに貯め、採取したガスを20℃に冷却し、放出ガス圧を圧力計で測定するとともに、配管を通じてガスクロマトグラフ(島津製作所製、GC9A、TCD検出器、カラム:Molecular Sieve5A)に導入し、水素量を測定した。水素放出量はこうして測定された水素量を加熱前の試料の質量で除した値とした。また、残存アンモニア量は、FIA(フローインジェクション分析)法で測定した。残存水分量の測定は、カールフィッシャー式微量水分測定計によった。
ともに、実施例では、比較例の相当する番号のものに対して、アンモニア量及び水分量がPPMオーダーまで格段に減少していることが判明した。
11;水素貯蔵材
2;気体精製装置
21;フィルター部
211;モレキュラーシーブス
212;水素化リチウム顆粒
22;飛散防止部材
23;レボルバー
3;気体導出口
4;気体導入口
Claims (10)
- アンモニア及び/若しくは水を含む水素気体又はこれらとHe、Ne、Ar、N2の不活性ガスから選ばれた一又は二以上からなる混合気体の流路にアルカリ金属水素化物及び/又はアルカリ土類金属水素化物からなるフィルター層を設置したことを特徴とする気体精製装置。
- アルカリ金属水素化物及び/又はアルカリ土類金属水素化物に、触媒機能物質として、B、C、Mn、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、Rh、Li、Na、Nb、Mg、K、Ir、Nd、La、Ca、V、Ti、Cr、Cu、Zn、A1、Si、Ru、Mo、W、Ta、Zr、Hf、Agから選ばれた1種又は2種以上の金属、その化合物若しくはその合金を添加することを特徴とする請求項1記載の気体精製装置。
- アルカリ金属水素化物及び/又はアルカリ土類金属水素化物が、水素化リチウム、水素化マグネシウム又は水素化カルシウムであることを特徴とする請求項1又は請求項2の気体精製装置。
- アンモニア及び/若しくは水を含む水素気体が、
金属水素化物と金属アミドにより構成される貯蔵材に吸蔵又はこれから発生されるものであり、
当該水素気体を発生する装置に設置されたことを特徴とする請求項1乃至3記載の気体精製装置。 - アンモニア及び/若しくは水を含む水素気体が、
水素と反応することによって金属水素化物と金属アミドとを同時に含む水素貯蔵材料に変化する金属イミド化合物を有する水素貯蔵材料前駆体であり、前記金属イミド化合物は、前記金属水素化物と前記金属アミドとの反応を経ることなく合成されたものに水素を貯蔵してなる貯蔵材に吸蔵又はこれから発生されるものであって、
当該水素気体を発生する装置に設置されたことを特徴とする請求項1乃至3記載の気体精製装置。 - アンモニア及び/又は水を含む水素気体が、
水素と反応することによって水素を放出可能となる水素貯蔵材料に可逆的に変化する水素貯蔵材料前駆体であり、金属アミド化合物の熱分解により生成した金属イミド化合物に水素を貯蔵してなる貯蔵材に吸蔵又はこれから発生されるものであって、
当該水素気体を発生する装置に設置されたことを特徴とする請求項1乃至3記載の気体精製装置。 - 前記フィルター層は、所定周期で代替可能な状態で設置されていることを特徴とする請求項1乃至6記載の気体精製装置。
- 前記フィルター層は、円筒形状のカラムに、3ミリメータ以下の顆粒状水素化リチウム、水素化カルシウム、水素化マグネシウム等を充填したことを特徴とする請求項1乃至7記載の気体精製装置。
- 前記フィルター層は、モレキュラーシーブス、活性アルミナ又はセピオライト粘土鉱物から選ばれた一又は二以上のものに水素化リチウム、水素化カルシウム、水素化マグネシウム等を浸漬、混合又は付着して担持させたことを特徴とする請求項1乃至7記載の気体精製装置
- 前記フィルター層は、定置式燃料電池用水素発生装置、燃料電池車両用水素発生装置に適用される水素発生装置に設置される気体精製装置に含まれることを特徴とする請求項1乃至9記載の気体精製装置。
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