JP2005280585A - 電極ピン付金属製ホルダ及びその製造方法並びにガス発生器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 金属製ホルダ5と電気を通電するための2本以上の電極ピン4とを有し、
前記各電極ピン4の頭部4aの直径が前記電極ピン4の端子部4bの直径よりも広く、前記各電極ピン4の一部を周方向に抱囲するプラスチック部材6が配置されており、前記ホルダ5が金属製であり、前記ホルダ5に、前記各電極ピン4がそれぞれ貫通する孔23が形成され、前記各電極ピン4が前記プラスチック部材6を介して前記孔23に固定され、前記孔23の一部に縮径部23aを有することを特徴とする電極ピン付金属製ホルダ。
及びその製造方法、並びに前記電極ピン付金属製ホルダを備えたガス発生器。
【選択図】図1
Description
また、外部からの水分の浸入を防止するために、Oリング110がホルダ106と点火手段105との間に配置されている。さらに、点火手段105の電極ピン105dをショートさせ、静電気などによる誤作動を防止するショーティングクリップ108がホルダ106に嵌め込まれている。
また、本発明は、上記目的を達成するために以下のような幾つかの特徴を主に有している。本発明において、以下の主な特徴は単独で、若しくは、適宜組合わされて備えられている。
本発明の電極ピン付金属製ホルダは、金属製ホルダ5と電気を通電するための2本以上の電極ピン4とを有し、前記各電極ピン4の頭部4aの直径が前記電極ピン4の端子部4bの直径よりも広く、前記各電極ピン4の一部を周方向に抱囲するプラスチック部材6が配置されており、前記ホルダ5に、前記各電極ピン4がそれぞれ貫通する孔23が形成され、前記各電極ピン4が前記プラスチック部材6を介して前記孔23に固定され、前記孔23の一部に縮径部23aを有することを特徴とする。
このような構成によると、電極ピンがガス発生器外部へ抜けにくい構造とすることができる。
このような構成によると、前記ホルダ5の縮径部23aによって変形させられた部分において、応力緩和され難く、反発力を保ち続ける為、湿気に対するシール性がきわめて良好で、経時的変化が少ない。また、高温条件下での機械強度が良好で、車両火災時など、高温にさらされ、ガス発生剤が自然着火した場合などに、前記電極ピン4の飛散が防止できる。
前記ホルダ5の孔23の周囲をプレス機などの押圧装置で押圧することにより、このような構成となり、容易に孔23に縮径部を設けることができる。
このような構成によると、車両火災時などにおいて、前記電極ピン4の飛散の防止がより確実にできる。また、前記電極ピン4の頭部4aの直径を変化させることにより、抵抗体の有効長さの調整範囲を容易に変更することが出来る。
このような構成によると、電極ピン付金属製ホルダを、簡便に製造することができる。
このような構成によると、湿気等に対するシール性が向上し、また、高温下でガス発生器が作動した場合でも、電極ピンが飛び出しにくいガス発生器を安価に提供できる。
このような構成によると、湿気等に対するシール性や接合部の強度がより向上する。また、図10の公知のホルダ106においては、カップ体103をかしめる為の溝加工が必要であるのに対し、本発明のガス発生器では不要になり、ホルダを安価に製造できる。さらに、かしめによるバリの発生も無いので、バリによる各種汚染、例えば生産設備、梱包資材やガス発生器を組み付けるモジュールへの汚染を防止することができる。
このような構成によると、点火部8を保護することができ、また着火薬を格納することもできる。
また、別の本発明のガス発生器は、前記カップ体3内に設置され、着火薬9を収納する着火薬ホルダ10を有しないことを特徴とする。
このような構成によると、コストを低減することができる。
このような構成によると、点火部8の静電気に対する耐性を高めることができる。また、前記ホルダ5の点火部8側の面と電極ピン4の頭部4aとの間の段差を埋め、点火部8を形成しやすくすることもできる。
また、別の本発明のガス発生器は、前記ホルダ5の点火部8側の面に絶縁部材11を有しないことを特徴とする。
このような構成によると、コストを低減することができる。
このようにすることにより、点火薬8aを突出部5cで囲われた空間内に充填するだけでよいため、点火部8の形成がより容易になる。また、点火薬8aを大量に充填することがより容易になるので、着火薬9及び着火薬ホルダ10を省略しても、ガス発生剤への確実な着火が可能となる。
このようにすることにより、着火薬ホルダ10として、樹脂製のものを使用しても、ガス発生器204内部で燃焼した着火薬9の火炎が、キャップ14に設けられた切欠き部14aより、より高い指向性を持ってガス発生剤2へ放出されるため、着火薬9の火炎により確実に効率良くガス発生剤2を着火できるようになる。
このようにすることにより、着火薬ホルダ10を省略することができ、コスト低減が可能となる。
このようにすることにより、モジュールに組み付けの際のように、ホルダ5の側面にストレスがかかる場合でも溶接部分の信頼性に影響が無い。
本実施形態に係る電極ピン付金属製ホルダは、略有底円筒状である。図1は本実施形態に係る電極ピン付金属製ホルダの軸方向断面図である。
図1において、本実施形態に係る電極ピン付金属製ホルダ101は、金属製ホルダ5と電気を通電するための2本以上の電極ピン4とを有している。前記各電極ピン4の頭部4aの直径は前記電極ピン4の端子部4bの直径よりも広く、前記各電極ピン4の径方向に所定の厚みを有して前記各電極ピン4の側面の一部を周方向に抱囲するプラスチック部材6が配置されている。前記ホルダ5は金属製であり、前記ホルダ5に、前記各電極ピン4がそれぞれ貫通する孔23が形成され、前記各電極ピン4が前記プラスチック部材6を介して前記孔23に固定されている。
前記孔23が塑性変形して縮径するようにホルダ5はプラスチック部材6の周囲で矢印方向にかしめられている。
また、ホルダ5の端子4b側には、ショーティングクリップ(図示せず)を挿入した場合に干渉しないように、プラスチック部材6のはみ出し部分の長さに対応した窪み5aが設けられている。この電極ピン付金属製ホルダを使用してガス発生器を組み立てた場合に使用するショーティングクリップにこの干渉を避ける手段が講じられていれば、この窪み5aは不要である。
そうすることによって、ホルダ5の孔23も塑性変形して一部縮径し、この縮径部23aに対応してプラスチック部材6も変形し、電極ピン4及びプラスチック部材6が孔23に挟み込まれ、ホルダ5に固定されている。
電極ピンは通常2本であるが、目的に応じ、3本もしくはそれ以上設けてもよい。
また、その材質は、絶縁性を有していることが必要で、エンジニアリングプラスチックが好ましく、特に、強度、耐熱性に優れた材料として、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド等の、スーパーエンジニアリングプラスチックがより好ましい。
電極ピン4の頭部は、ホルダ5の電極ピン4の頭部4a側の面より、通常突き出している。その突き出す高さは、製造上の要件や静電気対策上必要な距離等によるが、通常は約1乃至3mm程度である。
図3において、本実施形態に係るガス発生器201は、点火部8が設けられた上記の電極ピン付金属製ホルダと燃焼によりガスを発生させるガス発生剤2を装填するカップ体3を有し、ホルダ5とカップ体3の間には、着火薬ホルダ10が設置されている。設置方法としては、図3のように、着火薬ホルダ10にフランジ部10aを設け、フランジ部10aをホルダ5とカップ体3で挟み込むように設置してもよい。着火薬ホルダ10の内部では、点火部8及び着火薬9が接するように配置されている。そして、ホルダ5の側面とカップ体3の開口端部3cは溶接により接合されている。なお、この接合は、溶接のみならず、カップ体3の開口端部3cをかしめることによっても可能であるが、防湿の観点からすると、溶接が好ましい。
また、本実施形態に係る着火薬は、燃料成分、酸化剤成分及び少なくとも1種類以上の添加物を含有する着火薬が好ましい。燃料成分としてはピクラミン酸ナトリウム、ボロン、水素化チタン、ジルコニウム、アルミニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。酸化剤成分としては、過塩素酸カリウム、硝酸カリウム、硝酸ストロンチウム、塩基性硝酸銅、酸化銅よりなる群から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。
上記の電極ピン付金属製ホルダ4の2つの頭部4a間に抵抗体7を接続する。次いで、抵抗体7の周囲に点火薬8aを付着させる。抵抗体7の材質は、通常ニクロム線であり、その線径や材質等の詳細は必要とする発熱量や強度等により適宜定められる。接続は、半田付け、導電性エポキシ樹脂による接着、レーザー溶接、抵抗溶接等があげられるが、通常抵抗溶接が採用される。抵抗体7の周囲に点火薬8aを付着させる方法としては、例えばディッピング法やディスペンス法があげられる。また、点火薬8aの表面に、防湿性の皮膜を形成することにより、耐湿性等の耐環境性を高めることもできる。防湿性の皮膜用の材料としては、例えばシリコン等があげられる。
図4に示す本実施形態に係るガス発生器202において、前述の図3に示す第1実施形態に係るガス発生器201と異なる点は、ホルダ5の点火部8側の面に、静電気などによるスパークで着火薬が誤発火するのを防止する絶縁部材11が配置されている点である。
絶縁部材11の設置は、あらかじめ成形した物を設置しても良く、また上記のような材質のものを電極ピン付金属製ホルダと一体成型により設置しても良い。
このようにすることにより、絶縁性が向上するので、静電気テスト等における誤着火等の可能性をより低下させることができる。また、前記ホルダ5の点火部8側の面と電極ピン4の頭部4aとの間の段差を小さくし、または埋め、点火部8を形成しやすくすることもできる。
図5に示す本実施形態に係るガス発生器203において、前述の図3に示す第1実施形態に係るガス発生器201と異なる点は、ホルダ5の点火部8側に点火部8を囲む円筒状の突出部5cを設けている点である。この突出部5cで囲まれた内側の空間には点火薬8aが充填されている。突出部5cの高さは、ホルダ5の加工性と必要な点火薬の量によって、適宜定められる。
また、充填後の点火薬の露出表面をコーティング剤でコートしてもよい。コーティング剤は、防湿性で成膜性の材料が好ましく、例えばシリコン等があげられる。このようにすることにより、粉末状や顆粒状の点火薬8aを使用してもガス発生剤2と混合することが無い。
図6に示す本実施形態に係るガス発生器204において、前述の図3に示す第1実施形態に係るガス発生器201と異なる点は、着火薬ホルダ10のガス発生剤2側の外部を覆うようにキャップ14が設けられている点である。着火薬ホルダ10は樹脂製であり、キャップ14に用いられる材質としては、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、真鍮などがあげられ、プレス、鋳造、鍛造、切削等の工程により成形される。
図7に示す本実施形態に係るガス発生器205において、前述の図3に示す第1の実施形態例に係るガス発生器201と異なる点は、ホルダ5の点火部8側に点火部8を囲む円筒状の突出部5cを設けている点、及び突出部5cの開口端部に蓋30を設けている点である。
蓋30は樹脂製であっても、金属製であってもかまわない。着火薬9として、粉状、粒状のいずれでも使用可能であるが、粒状のものを用いると、蓋30は網等の孔を有しているものも使用可能である。また、点火薬8aとして、図に示されるような形状に形成したものだけではなく、図5の態様のように充填したものであってもよい。
図8に示す本実施形態に係るガス発生器206において、前述の図3に示す第1の実施形態に係るガス発生器201と異なる点は、ホルダ5とカップ体3の開口端部3cとの接合部分が、ホルダ5の側面ではなく、ホルダ5の点火部8側の面、即ち、有底筒状ホルダ5の底部5b側に存在する点である。
このようにすることにより、モジュールに組み付けの際のように、ホルダ5の側面にストレスがかかる場合でも溶接部分の信頼性に影響が無い。また、ホルダ5の点火部8側の面に溝5dを設けてもよい。
第6、第7実施形態では、着火薬ホルダ10を使用しているが、図5及び図7のような着火薬ホルダ10を使用しない態様でも実施可能である。
5 金属製ホルダ
4 電極ピン
4a 頭部
4b 端子部
6 プラスチック部材
23 貫通孔
23a 縮径部
Claims (16)
- 金属製ホルダ5と電気を通電するための2本以上の電極ピン4とを有し、
前記各電極ピン4の頭部4aの直径が前記電極ピン4の端子部4bの直径よりも広く、
前記各電極ピン4の一部を周方向に抱囲するプラスチック部材6が配置されており、
前記ホルダ5が金属製であり、
前記ホルダ5に、前記各電極ピン4がそれぞれ貫通する孔23が形成され、前記各電極ピン4が前記プラスチック部材6を介して前記孔23に固定され、前記孔23の一部に縮径部23aを有することを特徴とする電極ピン付金属製ホルダ。 - 前記電極ピン4において、前記孔23内に位置する部分の一部にくびれ部4cを有することを特徴とする請求項1に記載の電極ピン付金属製ホルダ。
- プラスチック部材6の材質がスーパーエンジニアリングプラスチックである請求項1又は2に記載の電極ピン付金属製ホルダ。
- 前記ホルダ5の孔23の周囲に押圧部27を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかの一項に記載の電極ピン付金属製ホルダ。
- 前記電極ピン4の頭部4aの直径が前記ホルダ5の孔23の縮径部23aの内径より大きく、約3.1mmより小さいことを特徴とする請求項1から4のいずれかの一項に記載の電極ピン付金属製ホルダ。
- 孔23にプラスチック部材6と電極ピン4とを配置してなる金属製ホルダ5の孔23の周囲を押圧して、孔23の一部を縮径し、電極ピン4を固定することを特徴とする電極ピン付金属製ホルダの製造方法。
- 燃焼によりガスを発生させるガス発生剤2を装填するカップ体3と、電気を通電するための2本以上の電極ピン4と、点火部8と、前記カップ体3と接合して前記ガス発生剤2を封止するホルダ5とを備えるガス発生器において、
電気を通電するための2本以上の電極ピン4とホルダ5が、請求項1から4のいずれかの一項に記載の電極ピン付金属製ホルダであり、
前記点火部8は、前記各電極ピン4の頭部同士を連結する抵抗体7と、少なくとも前記抵抗体7の周囲に形成される点火薬8aを有することを特徴とするガス発生器。 - 前記カップ体3と前記ホルダ5が溶接接合していることを特徴とする請求項7に記載のガス発生器。
- 前記カップ体3内に設置され、着火薬9を収納する着火薬ホルダ10を有する請求項7又は8に記載のガス発生器。
- 前記カップ体3内に設置され、着火薬9を収納する着火薬ホルダ10を有しない請求項7又は8に記載のガス発生器。
- 前記ホルダ5の点火部8側の面に絶縁部材11を有する請求項7から10のいずれかの一項に記載のガス発生器。
- 前記ホルダ5の点火部8側の面に絶縁部材11を有しない請求項7から10のいずれかの一項に記載のガス発生器。
- 前記ホルダ5の点火部8側に前記点火部8を囲む円筒状の突出部5cを設け、この突出部5cで囲まれた内側の空間に点火薬8aを充填している請求項7から12のいずれかの一項に記載のガス発生器。
- 前記着火薬ホルダ10のガス発生剤2側外部を覆うようにキャップ14を設けている請求項7から9、11から13のいずれかの一項に記載のガス発生器。
- 前記ホルダ5の点火部8側に前記点火部8を囲む円筒状の突出部5cを設け、かつ突出部5cの開口端部に蓋30を設けており、さらに突出部5cで囲まれた内側の空間には着火薬9が充填されている請求項7から12,14のいずれかの一項に記載のガス発生器。
- 前記ホルダ5とカップ体3の開口端部との接合部分が、ホルダ5の点火部8側の面に存在する請求項7から15のいずれかの一項に記載のガス発生器。
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