JP2022144932A - ガス発生器 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストの削減と軽量化とが図られたガス発生器を提供する。【解決手段】ガス発生器1は、金属製のハウジング本体10と、ホルダ組立体20と、点火器40とを備える。ホルダ組立体20は、点火器40を保持する金属製のホルダ部20Aと、点火器40の端子ピン43に接続される接続コネクタを受け入れ可能な樹脂製のコネクタ部20Bとを有する。ホルダ部20Aは、筒状の第1胴部21と、第1胴部21から突出する環状突部22とを含み、コネクタ部20Bは、筒状の第2胴部24と、第2胴部24から延設された筒状部25とを含む。筒状部25は、ハウジング本体10に内挿されるとともに第1胴部21に外挿され、筒状部25に対応する部分のハウジング本体10が縮径していることにより、当該縮径した部分のハウジング本体10と第1胴部21とによって挟み込まれることで圧縮し、ハウジング本体10と第1胴部21との間の隙間を封止する。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等に装備される乗員保護装置としてのエアバッグ装置に組み込まれるガス発生器に関し、特に、サイドエアバッグ装置等に好適に組み込まれる外形が長尺円柱状のいわゆるシリンダ型ガス発生器に関する。
従来、自動車等の乗員の保護の観点から、乗員保護装置であるエアバッグ装置が普及している。エアバッグ装置は、車両等衝突時に生じる衝撃から乗員を保護する目的で装備されるものであり、車両等衝突時に瞬時にエアバッグを膨張および展開させることにより、エアバッグがクッションとなって乗員の体を受け止めるものである。
ガス発生器は、このエアバッグ装置に組み込まれ、車両等衝突時にコントロールユニットからの通電によって点火器を着火し、点火器において生じる火炎によりガス発生剤を燃焼させて多量のガスを瞬時に発生させ、これによりエアバッグを膨張および展開させる機器である。
ガス発生器には、車両等に対する設置位置や出力等の仕様に基づき、種々の構成のものが存在している。その一つに、シリンダ型ガス発生器と称されるものがある。シリンダ型ガス発生器は、その外形が長尺円柱状であり、サイドエアバッグ装置やカーテンエアバッグ装置、ニーエアバッグ装置、シートクッションエアバッグ装置等に好適に組み込まれる。
通常、シリンダ型ガス発生器においては、ハウジングの軸方向の一端部に点火器が組付けられるとともに当該一端部側にガス発生剤が収容された燃焼室が設けられ、ハウジングの軸方向の他端部側にフィルタが収容されたフィルタ室が設けられ、当該フィルタ室を規定する部分のハウジングの周壁部にガス噴出口が設けられる。
このように構成されたシリンダ型ガス発生器においては、燃焼室にて発生したガスがハウジングの軸方向に沿ってフィルタ室に流入することでフィルタの内部を通過し、フィルタを通過した後のガスがガス噴出口を介して外部に噴出される。
一般に、ガス発生器においては、ガス発生剤が外部から気密に封止されていることが重要である。これは、ガス発生剤が吸湿してしまった場合に、所望のガス出力特性が得られなくなってしまうおそれがあるためである。
シリンダ型ガス発生器において、ガス発生剤が吸湿してしまうことを防止する方法としては、点火器の作動によって発生する熱または圧力によって溶融または破裂する脆弱な部材からなる容器にガス発生剤を収容し、当該容器を密閉後、これをハウジングの内部に配置する方法がある。当該方法が採用されたシリンダ型ガス発生器は、たとえば特開2018-69924号公報(特許文献1)において開示されている。
しかしながら、上記方法を採用した場合には、製造コストが圧迫されてしまう問題がある。すなわち、上述した脆弱な部材からなる容器は、その部品コストが比較的高く、また、当該容器内にガス発生剤を収容した後にこれを密閉する作業は相当程度の手間を要するものであるため、この点においても製造コストが増大してしまう。
一方、シリンダ型ガス発生器において、ガス発生剤が吸湿してしまうことを防止する他の方法としては、ガス発生剤が収容された燃焼室が気密に封止されることとなるように、ハウジングの各所にたとえばOリングやシールテープ等を設ける方法がある。当該方法が採用されたシリンダ型ガス発生器は、たとえば特開2008-296763号公報(特許文献2)において開示されている。
当該特許文献2に開示されたシリンダ型ガス発生器においては、略円筒状のハウジング本体と、点火器を保持するとともにハウジング本体の開口端に内挿されたホルダとを含むようにハウジングが構成されており、このうちのハウジング本体とホルダとの間にたとえばOリング等からなるシール部材が介装され、また、燃焼室とフィルタ室とを仕切り部材に設けられた連通孔を閉鎖するようにたとえばシールテープ等からなるシール部材が貼付され、これによりこれら部分における気密性が確保されている。なお、このような手法を採用することにより、密閉容器を使用する場合に比べ、製造コストを抑制することができることになる。
特開2018-69924号公報 特開2008-296763号公報
しかしながら、上記特許文献2に開示されたシリンダ型ガス発生器においては、上述したホルダの機能や特性として、点火器の保持、点火器に接続されるコネクタの受け入れ、ハウジング本体との間での強固な接続、ガス発生器の作動時における燃焼室の内圧上昇に耐え得る強度等が求められることになるため、必然的にホルダの形状が複雑化し、さらには高い加工精度も求められることになり、結果としてホルダの部品コストが高くなってしまう問題がある。
さらには、当該ホルダが比較的大きな金属製の部品であるため、必然的にシリンダ型ガス発生器の重量が増加してしまう問題もある。
したがって、本発明は、上述した問題を解決すべくなされたものであり、製造コストの削減と軽量化とが図られたガス発生器を提供することを目的とする。
本発明に基づくガス発生器は、ハウジング本体と、ホルダ組立体と、点火器とを備えている。上記ハウジング本体は、ガス発生剤が収容された燃焼室を内部に含む筒状の金属製の部材からなる。上記ホルダ組立体は、上記ハウジング本体の軸方向の開口端に内挿されており、上記ハウジング本体の軸方向と平行な方向に沿って延びる貫通孔状の中空開口部を含んでいる。上記点火器は、点火薬が収容された点火部および当該点火部に接続された端子ピンを含んでおり、上記点火部が上記燃焼室側に位置しかつ上記端子ピンが上記燃焼室側とは反対側に位置した状態で上記中空開口部の内部に少なくともその一部が配置されている。上記ホルダ組立体は、上記燃焼室側に位置するとともに上記点火器を受け入れて当該点火器を保持する金属製のホルダ部と、上記燃焼室側とは反対側に位置するとともに上記端子ピンに接続される接続コネクタを受け入れ可能な樹脂製のコネクタ部とを有している。上記ホルダ部は、上記中空開口部を規定する筒状の第1胴部と、上記ハウジング本体の径方向に沿って上記第1胴部から突出する環状突部とを含んでいる。上記コネクタ部は、上記中空開口部を規定する筒状の第2胴部と、上記第2胴部から上記燃焼室側に向けて延設された筒状部とを含んでいる。上記筒状部は、上記ハウジング本体の上記開口端に内挿されているとともに、上記環状突部から見て上記燃焼室側と反対側に位置する部分の上記第1胴部に外挿されている。上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記筒状部に対応する部分の上記ハウジング本体が径方向内側に向けて縮径していることにより、当該縮径した部分の上記ハウジング本体と上記第1胴部とによって上記筒状部が挟み込まれて圧縮し、これにより上記筒状部によって上記ハウジング本体と上記第1胴部との間の隙間が封止されている。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記筒状部の内径が上記第2胴部の内径よりも大きく、かつ、上記第2胴部の内周面と上記筒状部の内周面とを接続する環状段差面が上記コネクタ部に設けられることにより、上記燃焼室側に位置する上記コネクタ部の軸方向端部に、上記環状段差面および上記筒状部の内周面によって規定される第1室が設けられていてもよい。その場合には、上記第1胴部が上記第1室に内挿されているとともに、上記燃焼室側とは反対側に位置する上記第1胴部の軸方向端面が上記環状段差面に当接していることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記第2胴部の内径が上記第1胴部の内径よりも大きいことにより、上記ホルダ組立体の上記燃焼室側とは反対側に位置する軸方向端部に、上記燃焼室側とは反対側に位置する上記第1胴部の軸方向端面および上記第2胴部の内周面によって規定される第2室が設けられていてもよい。その場合には、上記端子ピンに接続される接続コネクタの受け入れ部が、上記第2室によって構成されていることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記第1胴部の外周面が、上記燃焼室側に向かうにつれて縮径していてもよい。
上記本発明に基づくガス発生器は、さらに、上記ハウジング本体の内部に配置されたフィルタと、上記ハウジング本体の内部に配置されることにより、上記ハウジング本体の内部の空間を、上記ハウジング本体の軸方向において、上記フィルタが配置されたフィルタ室と上記燃焼室とに仕切る仕切り部材とを備えていてもよい。その場合には、上記仕切り部材が、上記ハウジング本体に溶接されることで固定されていてもよい。
本発明によれば、製造コストの削減と軽量化とが図られたガス発生器とすることができる。
実施の形態に係るシリンダ型ガス発生器の概略図である。 図1に示すシリンダ型ガス発生器の点火器近傍の拡大断面図である。 図1に示すシリンダ型ガス発生器の仕切り部材近傍の拡大断面図である。 図1に示すシリンダ型ガス発生器におけるホルダ組立体の組付手順を示す断面図である。 図1に示すシリンダ型ガス発生器におけるホルダ組立体の組付手順を示す断面図である。 第1ないし第4変形例に係るシリンダ型ガス発生器のホルダ組立体の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、サイドエアバッグ装置に組み込まれるシリンダ型ガス発生器に本発明を適用した場合を例示するものである。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、実施の形態に係るシリンダ型ガス発生器の概略図である。図2および図3は、それぞれ図1に示すシリンダ型ガス発生器の点火器近傍の拡大断面図および仕切り部材近傍の拡大断面図である。まず、これら図1ないし図3を参照して、本実施の形態に係るシリンダ型ガス発生器1の構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るシリンダ型ガス発生器1は、長尺円柱状の外形を有しており、軸方向に位置する一端部および他端部が閉塞された長尺円筒状のハウジングを有している。ハウジングは、ハウジング本体10と、ホルダ組立体20と、閉塞部材30とを含んでいる。
ハウジング本体10、ホルダ組立体20および閉塞部材30にて構成されたハウジングの内部には、内部構成部品としての点火器40、仕切り部材50、ガス発生剤60、コイルバネ70およびフィルタ80等が収容されている。また、ハウジングの内部には、上述した内部構成部品のうちのガス発生剤60が主として配置された燃焼室S1と、フィルタ80が配置されたフィルタ室S2とが位置している。
ハウジング本体10は、ハウジングの周壁部を構成しており、軸方向の両端に開口が形成された長尺円筒状の部材からなる。ホルダ組立体20は、ハウジング本体10の軸方向と平行な方向に沿って延びる貫通孔状の中空開口部を有する筒状の部材からなり、後述するホルダ部20Aとコネクタ部20Bとを有している。閉塞部材30は、閉塞部31および側壁部32を含むカップ状の形状を有しており、側壁部32の周面に後述するかしめ固定のための環状凹部33を有している。このかしめ固定のための環状凹部33は、側壁部32の周面に周方向に沿って延びるように形成されている。
ハウジング本体10は、ステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材にて構成されていてもよいし、SPCEに代表される圧延鋼板をプレス加工することで円筒状に成形したプレス成形品にて構成されていてもよい。また、ハウジング本体10は、STKMに代表される電縫管にて構成されていてもよい。
特に、ハウジング本体10を圧延鋼板のプレス成形品や電縫管にて構成した場合には、ステンレス鋼や鉄鋼等の金属製の部材を用いた場合に比べて安価にかつ容易にハウジング本体10を形成することができるとともに、大幅な軽量化が可能になる。
一方、ホルダ組立体20のうちのホルダ部20Aおよび閉塞部材30は、ステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材にて構成されている。
ホルダ組立体20は、ハウジング本体10の軸方向の一方の開口端を閉塞するようにハウジング本体10に固定されている。具体的には、ハウジング本体10の上記一方の開口端にホルダ組立体20が内挿された状態で、当該ホルダ組立体20の外周面に向けてハウジング本体10の所定位置が径方向内側に向けて縮径させられることにより、ホルダ組立体20がハウジング本体10に対してかしめ固定されている。これにより、ハウジングの軸方向の一端部がホルダ組立体20によって構成されることになる。なお、当該かしめ固定の詳細について、後において説明することとする。
閉塞部材30は、ハウジング本体10の軸方向の他方の開口端を閉塞するようにハウジング本体10に固定されている。具体的には、ハウジング本体10の上記他方の開口端に閉塞部材30が内挿された状態で、当該閉塞部材30の側壁部32の周面に設けられた環状凹部33に対応する部分のハウジング本体10が径方向内側に向けて縮径させられて当該環状凹部33に係合することにより、閉塞部材30がハウジング本体10に対してかしめ固定されている。これにより、ハウジングの軸方向の他端部が閉塞部材30によって構成されることになる。
これらかしめ固定は、ハウジング本体10を径方向内側に向けて略均等に縮径させる八方かしめと呼ばれるかしめ固定である。この八方かしめを行なうことにより、ハウジング本体10には、かしめ部12,13が設けられることになる。これにより、かしめ部12,13は、それぞれホルダ組立体20の外周面および環状凹部33に直接接触することになり、これらの間に隙間が生じることが防止されている。
なお、ハウジング本体10に対する閉塞部材30の組付構造は、上述した組付構造に限定されるものではなく、他の組付構造を採用することとしてもよい。また、ハウジング本体10と閉塞部材30とを別体とはせずに、有底筒状の形状を有する一つの部材にてこれを構成することとしてもよい。
図1および図2に示すように、点火器40は、ホルダ組立体20によって支持されることでハウジングの軸方向の上述した一端部に組付けられている。点火器40は、ガス発生剤60を燃焼させるためのものであり、ハウジングの内部の空間に面するように設置されている。
点火器40は、火炎を発生させるためのものであり、スクイブとも称される。点火器40は、基部41と、点火部42と、一対の端子ピン43とを含んでいる。基部41は、点火部42および一対の端子ピン43を保持する部位であり、ホルダ組立体20に対して固定される部位でもある。基部41は、一対の端子ピン43が挿通されることでこれを保持している。
点火部42は、その内部に、作動時において着火して燃焼することで火炎を発生する点火薬と、この点火薬を着火させるための抵抗体(ブリッジワイヤ)とを含んでいる。一対の端子ピン43は、点火薬を着火させるために点火部42に接続されている。
より詳細には、点火部42は、カップ状に形成されたスクイブカップを含んでおり、このスクイブカップ内に挿入された一対の端子ピン43の先端を連結するように上述した抵抗体が取付けられ、この抵抗体を取り囲むようにまたはこの抵抗体に近接するようにスクイブカップ内に点火薬が装填された構成を有している。また、点火部42内には、必要に応じて伝火薬が装填されていてもよい。
ここで、抵抗体としては、一般にニクロム線やプラチナおよびタングステンを含む合金製の抵抗線等が用いられ、点火薬としては、一般にZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム)、ZWPP(ジルコニウム・タングステン・過塩素酸カリウム)、鉛トリシネート等が用いられる。また、伝火薬としては、B/KNO、B/NaNO、Sr(NO等に代表される金属粉/酸化剤からなる組成物や、水素化チタン/過塩素酸カリウムからなる組成物、B/5-アミノテトラゾール/硝酸カリウム/三酸化モリブデンからなる組成物等が用いられる。
衝突を検知した際には、端子ピン43を介して抵抗体に所定量の電流が流れる。抵抗体に所定量の電流が流れることにより、抵抗体においてジュール熱が発生し、点火薬が燃焼を開始する。燃焼により生じた高温の熱粒子は、点火薬を収納しているスクイブカップを開裂させる。抵抗体に電流が流れてから点火器40が作動するまでの時間は、抵抗体にニクロム線を利用した場合には一般に2ミリ秒以下である。
点火器40は、その点火部42がハウジングの内部に向けて突出して位置するとともに、その一部がホルダ組立体20の上述した中空開口部の内部に配置された状態でホルダ組立体20に固定されている。これにより、点火器40は、その点火部42が燃焼室S1側に位置するとともに、その端子ピン43が燃焼室S1側とは反対側に位置している。なお、当該点火器40のホルダ組立体20に対する固定構造の詳細については、後において説明することとする。
図1および図3に示すように、ハウジングの内部の空間の所定位置には、仕切り部材50が配置されている。仕切り部材50は、ハウジングの内部の空間を軸方向において燃焼室S1とフィルタ室S2とに仕切るための部材である。
仕切り部材50は、有底円筒状の形状を有しており、たとえばステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材にて構成されている。仕切り部材50は、ハウジング本体10の軸方向に直交するように配置された平板状の隔壁部51と、当該隔壁部51の周縁から立設された筒板状の環状壁部52とを有している。仕切り部材50は、その隔壁部51の外側の主面がフィルタ80に当接するように配置されており、環状壁部52の外周面は、ハウジング本体10の内周面に当接している。
隔壁部51のフィルタ80に当接する主面には、スコア51aが設けられている。スコア51aは、ガス発生剤60の燃焼による燃焼室S1の内圧上昇に伴って当該隔壁部51が破断して開口部が形成されるようにするためのものであり、たとえば放射状に互いに交差するように設けられた複数の溝にて構成される。スコア51aは、フィルタ80のうちの中空部81に対向する部分に設けられている。
仕切り部材50は、ハウジング本体10に内挿された状態で当該ハウジング本体10に接合されることで固定されている。より詳細には、仕切り部材50は、ハウジング本体10の内部に圧入されるとともに、仕切り部材50の環状壁部52とハウジング本体10との接触部またはその近傍においてこれらが溶接されることで固定されている。
これにより、仕切り部材50が内挿された部分に対応するハウジング本体10および仕切り部材50には、ハウジング本体10の周方向に沿って延びる溶接部90が形成されることになる。なお、仕切り部材50とハウジング本体10との溶接には、電子ビーム溶接やレーザ溶接、抵抗溶接等が好適に利用できる。
このように仕切り部材50をハウジング本体10に溶接によって固定した場合には、これら仕切り部材50とハウジング本体10との間の隙間が溶接部90によって埋め込まれることになり、これによって当該隙間が封止されることになる。したがって、このように構成することにより、当該部分における気密性の確保が可能になる。
なお、仕切り部材50のハウジング本体10への固定方法は、上述した圧入および溶接を利用した固定方法に限られず、他の固定方法を利用してもよい。また、その場合における仕切り部材50とハウジング本体10との間の気密性の確保は、Oリングやシールテープ等を適宜の位置に設けること等でこれを実現することができる。
図1ないし図3に示すように、ハウジングの内部の空間のうち、ホルダ組立体20と仕切り部材50とによって挟まれた空間(すなわち燃焼室S1)には、ガス発生剤60と、コイルバネ70とが配置されている。
ガス発生剤60は、点火器40が作動することによって生じた熱粒子によって着火されて燃焼することでガスを発生させる薬剤である。ガス発生剤60としては、非アジド系ガス発生剤を用いることが好ましく、ガス発生剤60は、一般に燃料と酸化剤と添加剤とを含む成形体として構成される。
燃料としては、たとえばトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体等またはこれらの組み合わせが利用される。具体的には、たとえばニトログアニジンや硝酸グアニジン、シアノグアニジン、5-アミノテトラゾール等が好適に利用される。
酸化剤としては、たとえば塩基性硝酸銅、塩基性炭酸銅等の塩基性金属塩、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アンモニアから選ばれたカチオンを含む硝酸塩等が利用される。硝酸塩としては、たとえば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が好適に利用される。
添加剤としては、バインダやスラグ形成剤、燃焼調整剤等が挙げられる。バインダとしては、たとえばカルボキシメチルセルロースの金属塩、ステアリン酸塩等の有機バインダや、合成ヒドロタルサイト、酸性白土等の無機バインダが好適に利用可能である。スラグ形成剤としては、窒化珪素、シリカ、酸性白土等が好適に利用可能である。燃焼調整剤としては、金属酸化物、フェロシリコン、活性炭、グラファイト等が好適に利用可能である。
ガス発生剤60の成形体の形状には、顆粒状、ペレット状、円柱状等の粒状のもの、ディスク状のものなど様々な形状のものがある。また、円柱状のものでは、成形体内部に貫通孔を有する有孔状(たとえば単孔筒形状や多孔筒形状等)の成形体も利用される。これらの形状は、シリンダ型ガス発生器1が組み込まれるエアバッグ装置の仕様に応じて適宜選択されることが好ましく、たとえばガス発生剤60の燃焼時においてガスの生成速度が時間的に変化する形状を選択するなど、仕様に応じた最適な形状を選択することが好ましい。また、ガス発生剤60の形状の他にもガス発生剤60の線燃焼速度、圧力指数などを考慮に入れて成形体のサイズや充填量を適宜選択することが好ましい。
コイルバネ70は、成形体からなるガス発生剤60が振動等によって粉砕されてしまうことを防止する目的で設けられるものであり、金属線材を曲げ加工することによって形成されたバネ部71および押圧部72を有している。バネ部71は、その一端がホルダ組立体20および/または点火器40に当接するように配置されており、その他端に押圧部72が形成されている。押圧部72は、たとえば金属線材が所定の間隔をもって略平行に配置されることで構成されており、ガス発生剤60に当接している。
これにより、ガス発生剤60は、コイルバネ70によって仕切り部材50側に向けて弾性付勢されることになり、ハウジングの内部において移動してしまうことが防止されている。
ここで、コイルバネ70のホルダ組立体20側の端部は、点火器40の点火部42に接するように、または、所定のクリアランスをもって点火器40の点火部42に近接配置されるように、当該点火部42を取り囲んでいる。このように構成することにより、点火器40の作動時において点火部42のスクイブカップが開裂する際に、当該スクイブカップの開き具合がコイルバネ70によって規制されることになる。
そのため、スクイブカップの開き具合が適切に規制されることにより、点火部42にて発生する熱粒子の進行方向がハウジング本体10の軸方向に絞られることになり、当該熱粒子を効率的にガス発生剤60に導くことができる。すなわち、点火部42を取り囲む部分のコイルバネ70は、点火部42にて発生する熱粒子の進行方向に指向性を与える機能も有している。
図1に示すように、ハウジングの内部の空間のうち、閉塞部材30と仕切り部材50とによって挟まれた空間(すなわちフィルタ室S2)には、フィルタ80が配置されている。フィルタ80は、ハウジング本体10の軸方向と平行な方向に沿って延びる中空部81を有する円筒状の部材からなり、その軸方向の一方の端面が閉塞部材30の側壁部32に当接しており、その軸方向の他方の端面が仕切り部材50の隔壁部51に当接している。
フィルタ80は、ガス発生剤60が燃焼することによって発生したガスがこのフィルタ80中を通過する際に、ガスが有する高温の熱を奪い取ることによってガスを冷却する冷却手段として機能するとともに、ガス中に含まれるスラグ(残渣)等を除去する除去手段としても機能する。上述したように円筒状の部材からなるフィルタ80を利用することにより、作動時においてフィルタ室S2を流動するガスに対する流動抵抗が低く抑えられることになり、効率的なガスの流動が実現可能となる。
フィルタ80としては、好適にはステンレス鋼や鉄鋼等からなる金属線材または金属網材の集合体にて構成されたものが利用できる。具体的には、メリヤス編みの金網や平織りの金網、クリンプ織りの金属線材の集合体、またはこれらをプレスにより押し固めたもの等が利用できる。
また、フィルタ80として、孔あき金属板を巻き回したもの等を利用することもできる。この場合、孔あき金属板としては、たとえば、金属板に千鳥状に切れ目を入れるとともにこれを押し広げて孔を形成して網目状に加工したエキスパンドメタルや、金属板に孔を穿つとともにその際に孔の周縁に生じるバリを潰すことでこれを平坦化したフックメタル等が利用できる。
フィルタ室S2を規定する部分のハウジング本体10には、ガス噴出口11が周方向および軸方向に沿って複数個設けられている。これら複数個のガス噴出口11は、フィルタ80を通過した後のガスをハウジングの外部に導出するためのものである。
次に、図1を参照して、本実施の形態に係るシリンダ型ガス発生器1の作動時における動作について説明する。
図1を参照して、本実施の形態に係るシリンダ型ガス発生器1が搭載された車両が衝突した場合には、車両に別途設けられた衝突検知手段によって衝突が検知され、これに基づいて車両に別途設けられたコントロールユニットからの通電によって点火器40が作動する。
点火器40が作動すると、点火薬またはこれに加えて伝火薬が燃焼することによって点火部42内の圧力が上昇し、これによって点火部42のスクイブカップが開裂し、点火薬またはこれに加えて伝火薬が燃焼することで発生した熱粒子が点火部42の外部へと流出する。
点火部42から流出した熱粒子には、上述したコイルバネ70によって指向性が与えられ、これにより燃焼室S1内に収容されたガス発生剤60に達する。ガス発生剤60に達した熱粒子は、ガス発生剤60を燃焼させ、これにより燃焼室S1内において多量のガスが発生する。
これに伴い、燃焼室S1の圧力が上昇し、当該燃焼室S1の内圧が所定の圧力にまで達することにより、仕切り部材50のうちのスコア51aが設けられた部分に破断が生じる。これにより、フィルタ80の中空部81に対向する部分において仕切り部材50に開口部が形成されることになり、燃焼室S1とフィルタ室S2とが当該開口部を介して連通した状態となる。
これに伴い、燃焼室S1において発生したガスが、仕切り部材50に形成された開口部を介してフィルタ室S2へと流入する。フィルタ室S2に流れ込んだガスは、フィルタ80の中空部81を軸方向に沿って流動した後に径方向に向けて向きを変え、フィルタ80の内部を通流する。その際に、フィルタ80によって熱が奪われてガスが冷却されるとともに、ガス中に含まれるスラグがフィルタ80によって除去される。
そして、フィルタ80を通流した後のガスは、ハウジング本体10に設けられたガス噴出口11を介してハウジングの外部へと噴出される。噴出されたガスは、シリンダ型ガス発生器1に隣接して設けられたエアバッグの内部に導入され、エアバッグを膨張および展開する。
ここで、上述したように、本実施の形態に係るシリンダ型ガス発生器1は、ハウジングの一部としてホルダ組立体20を有しており、当該ホルダ組立体20は、ハウジング本体10の上述した一端部側の開口端に取付けられている。以下、このホルダ組立体20の構成、および、点火器40のホルダ組立体20に対する固定構造、ならびに、当該ホルダ組立体20のハウジング本体10に対する固定構造について、図2を参照して詳細に説明する。
図2に示すように、ホルダ組立体20は、燃焼室S1側に位置する金属製のホルダ部20Aと、燃焼室S1側とは反対側に位置する樹脂製のコネクタ部20Bとを有している。ホルダ組立体20は、予めこれらホルダ部20Aおよびコネクタ部20Bが相互に組付けられることで一体化された部品として構成され、これがハウジング本体10の上述した一端部側の開口部に取付けられる。
ホルダ部20Aは、その中央部に軸方向に沿って延びる貫通部を有する偏平な略円盤状の部材にて構成されており、筒状の第1胴部21と、第1胴部21の外周面から外側に向けて突出する環状突部22とを含んでいる。
ホルダ部20Aは、その軸方向がハウジング本体10の軸方向と平行となるようにハウジング本体10に内挿されている。これにより、ホルダ部20Aに設けられた貫通部は、ホルダ組立体20の上述した中空開口部の一部を規定しており、また、環状突部22は、ハウジング本体10の径方向に沿って第1胴部21から突出している。なお、上述した環状突部22は、第1胴部21の燃焼室S1側の端部に設けられている。
ホルダ部20Aは、ハウジング本体10の内部に設けられた燃焼室S1を規定しており、圧力隔壁として機能する部材である。そのため、ホルダ部20Aは、シリンダ型ガス発生器1の作動時における燃焼室S1の内圧上昇に耐え得る高い強度を有することとなるように、上記の如く金属製の部材にて構成されている。
また、ホルダ部20Aは、点火器40を受け入れてこれを保持するための部材でもあり、ホルダ部20Aを受け入れるために、その軸方向の燃焼室S1側の端部に凹状形状の収容部23aを有している。この収容部23aは、ホルダ部20Aに設けられた貫通部に通じている。また、ホルダ部20Aの燃焼室S1側の端部には、収容部23aを取り囲むようにかしめ部23bが設けられている。かしめ部23bは、点火器40をホルダ部20Aにかしめ固定するための部位である。
点火器40は、その基部41がホルダ部20Aの収容部23aに収容された状態でホルダ部20Aに固定されている。具体的には、ホルダ部20Aの収容部23aに基部41が挿入されるとともに、当該基部41が収容部23aの底面に当て留めされ、この状態においてホルダ部20Aに設けられたかしめ部23bが折り曲げられることにより、点火器40がホルダ部20Aに固定されている。これにより、点火器40は、ホルダ部20Aによって保持されることになる。
ここで、ホルダ部20Aと点火器40との間には、Oリング等からなるシール部材29が介装されており、これによってホルダ部20Aと点火器40との間の隙間がシール部材29によって埋め込まれることで当該隙間が封止されている。したがって、このように構成することにより、当該部分における気密性の確保が可能になる。なお、点火器40の固定方法は、上述したかしめ部23bを用いた固定方法に限られず、他の固定方法を利用してもよい。
コネクタ部20Bは、その中央部に軸方向に沿って延びる貫通部を有する略円筒状の部材にて構成されており、筒状の第2胴部24と、第2胴部24の軸方向の一端から当該軸方向に沿って延設された筒状部25と、第2胴部24の軸方向の他端に設けられたフランジ部26とを含んでいる。
コネクタ部20Bは、その軸方向がハウジング本体10の軸方向と平行となるようにハウジング本体10に一部が内挿されている。より詳細には、コネクタ部20Bのうち、フランジ部26を除く部分がハウジング本体10の開口端に内挿されており、フランジ部26は、ハウジング本体10の外部において、当該ハウジング本体10の軸方向の端面に当接している。これにより、コネクタ部20Bに設けられた貫通部は、ホルダ組立体20の上述した中空開口部の一部を規定しており、また、筒状部25は、第2胴部24から燃焼室S1側に向けて延びている。
ここで、上述したホルダ部20Aは、コネクタ部20Bに圧入されることで固定されている。より詳細には、ホルダ部20Aの第1胴部21がコネクタ部20Bの筒状部25に圧入されており、これにより第1胴部21と筒状部25とが圧接触することでこれらホルダ部20Aとコネクタ部20Bとが容易には離脱しないように固定されている。
コネクタ部20Bは、点火器40の端子ピン43に接続される接続コネクタを受け入れるためのものである。このコネクタ部20Bの内部には、点火器40の端子ピン43が配置されている。上述したコネクタ部20Bに設けられた貫通部は、この接続コネクタを受け入れるための部位を構成している。
より詳細には、シリンダ型ガス発生器1においては、点火器40が、外部に設けられた車両等のコントロールユニット(不図示)と電気的に接続される必要があり、この電気的な接続には、通常ハーネスが用いられる。このハーネスの先端には、雄型コネクタが取付けられており、コネクタ部20Bには、この雄型コネクタに接続可能な雌型コネクタが設けられる必要がある。コネクタ部20Bに設けられた上記貫通部は、この雌型コネクタを構成している。
なお、雌型コネクタとして機能する上記貫通部にハーネスの雄型コネクタが挿し込まれることにより、ハーネスの芯線と端子ピン43との電気的導通が実現され、これにより点火器40と車両等のコントロールユニットとの結線が行なわれることになる。
また、コネクタ部20Bは、ハウジング本体10とホルダ部20Aとの間の気密性を確保する部材としても機能する。このハウジング本体10とホルダ部20Aとの間の気密性を確保するための部位は、コネクタ部20Bのうちの主として筒状部25によって発揮される。
具体的には、筒状部25は、ハウジング本体10の開口端に内挿されるとともに、ホルダ部20Aの第1胴部21に外挿されている。これにより、ハウジング本体10の軸方向における筒状部25が位置する部分においては、ハウジング本体10の径方向内側から径方向外側にかけて、ホルダ部20Aの第1胴部21、コネクタ部20Bの筒状部25、ハウジング本体10の順で、これら部位が配置されることになる。すなわち、第1胴部21は、筒状部25によって取り囲まれており、筒状部25は、ハウジング本体10によって取り囲まれている。
そして、当該筒状部25に対応する部分(すなわち筒状部25を覆う部分)のハウジング本体10には、径方向内側に向けて縮径したかしめ部12が設けられている。このかしめ部12が設けられることにより、金属製の部材からなるハウジング本体10のかしめ部12と、金属製の部材からなるホルダ部20Aの第1胴部21とにより、樹脂製の部材からなるコネクタ部20Bの筒状部25が挟み込まれることになり、これにより当該筒状部25によってハウジング本体10と第1胴部21との間の隙間が封止されている。
ここで、ハウジング本体10にかしめ部12が設けられる際には、当該ハウジング本体10と第1胴部21とによって筒状部25が挟み込まれることにより、その荷重を受けて筒状部25に圧縮変形が生じる。これにより、筒状部25とハウジング本体10とが密着するとともに、筒状部25と第1胴部21とが密着することになる。
そのため、ハウジング本体10および第1胴部21のそれぞれに密着した状態で筒状部25がこれらハウジング本体10と第1胴部21との間に介装された状態になるため、上述した隙間の封止が実現できることになる。したがって、このように構成することにより、当該部分における気密性の確保が可能になる。
コネクタ部20Bの材質としては、特にこれが制限されるものではないが、たとえば6ナイロン、66ナイロン、および、これらにガラスフィラーが充填されたもの等に代表されるようなナイロン系樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等を好適に用いることができる。
なお、ホルダ部20Aにおいては、第1胴部21よりも燃焼室S1側の位置に環状突部22が設けられている。そのため、環状突部22は、ホルダ組立体20がハウジング本体10から抜け落ちることを防止するストッパとしての機能も有している。この環状突部22のストッパとしての機能は、シリンダ型ガス発生器1の製造時や非動作時に発揮されるのみならず、動作時において燃焼室S1の内圧上昇に伴う圧力を受けた際にも発揮されるものである。
ここで、本実施の形態に係るシリンダ型ガス発生器1においては、筒状部25の内径R1が第2胴部24の内径R2よりも大きく、かつ、コネクタ部20Bに、第2胴部24の内周面24aと筒状部25の内周面25aとを接続する環状段差面27が設けられている。これにより、燃焼室S1側に位置するコネクタ部20Bの軸方向端部には、環状段差面27と筒状部25の内周面25aによって規定される第1室28aが設けられている。
この第1室28aには、ホルダ部20Aの第1胴部21が内挿されており、また、燃焼室S1とは反対側に位置する第1胴部21の軸方向端面21aが、環状段差面27に当接している。
このように構成することにより、ホルダ部20Aとコネクタ部20Bとの固定が、上述したように、ホルダ部20Aをコネクタ部20Bに圧入することで行なえることになり、しかもハウジング本体10の軸方向に沿ってホルダ部20Aとコネクタ部20Bとの位置決めが精度よく行なえることになる。
また、本実施の形態に係るシリンダ型ガス発生器1においては、第2胴部24の内径R2が第1胴部21の内径R3よりも大きい。これにより、ホルダ組立体20の燃焼室S1側とは反対側に位置する軸方向端部に、燃焼室S1側とは反対側に位置する第1胴部21の軸方向端面21aと第2胴部24の内周面24aによって規定される第2室28bが設けられている。
この第2室28bは、上述したコネクタ部20Bに設けられた貫通部に相当し、コネクタ部20Bに設けられるべき上述した雌型コネクタを構成することになる。
このように構成することにより、コネクタ部20Bに設けられるべき上述した雌型コネクタを容易に当該コネクタ部20Bに設けることが可能になり、ホルダ組立体20の構成をより簡素化することが可能になる。
図4および図5は、図1に示すシリンダ型ガス発生器におけるホルダ組立体の組付手順を示す断面図である。次に、これら図4および図5を参照して、本実施の形態に係るシリンダ型ガス発生器1におけるホルダ組立体20の組付手順について説明する。
ホルダ組立体20をハウジング本体10に組付けるに際しては、まず、図4に示すように、ホルダ部20Aに点火器40を組付けたものが準備され、これがコネクタ部20Bに対して組付けられる。具体的には、ホルダ部20Aの第1胴部21がコネクタ部20Bの筒状部25に圧入されることにより、点火器40が組付けられたホルダ部20Aが、コネクタ部20Bに対して組付けられる。
次に、ホルダ部20Aがコネクタ部20Bに組付けられたホルダ組立体20に対して、ハウジング本体10が外挿される。その際、ハウジング本体10の開口端は、コネクタ部20Bの第2胴部を覆うように外挿され、さらにハウジング本体10の軸方向端面が、コネクタ部20Bのフランジ部26に当接されるようにする。
なお、このとき、ホルダ部20Aが、ハウジング本体10に圧入されるようにしてもよい。すなわち、ホルダ部20Aの環状突部22の周面がハウジング本体10の内主面に圧接触するように、ハウジング本体10がホルダ組立体20に対して外挿されてもよい。このように構成することにより、ハウジング本体10とホルダ組立体20とがこの圧入によって仮固定されることになるため、その後のハンドリングが行ない易くなる。
次に、図5に示すように、ハウジング本体10の所定位置を縮径させるためのかしめ加工が施される。より詳細には、コネクタ部20Bの筒状部25に対応する部分のハウジング本体10が、当該ハウジング本体10の径方向内側に向けて(すなわち、図中矢印A方向に向けて)縮径させられることにより、ハウジング本体10にかしめ部12が設けられる。
これにより、ハウジング本体10のかしめ部12と、ホルダ部20Aの第1胴部21とにより、コネクタ部20Bの筒状部25が挟み込まれることになり、当該筒状部25によってハウジング本体10と第1胴部21との間の隙間が封止される。
上述した一連の工程を経ることにより、ホルダ組立体20のハウジング本体10に対する組付けが完了することになり、ハウジング本体10の上述した一端部側の開口端が、ホルダ組立体20によって閉塞されることになる。
以上において説明した本実施の形態に係るシリンダ型ガス発生器とすることにより、ハウジング本体10とホルダ組立体20との間の隙間の封止が、当該ホルダ組立体20の一部である樹脂製のコネクタ部20Bの筒状部25によって実現できることになる。そのため、当該部分の封止に、別部品からなるOリング等のシール部材を用いる必要がなくなるため、部品コストの削減が可能になるとともに、その組付作業も大幅に容易化することになる。
さらには、従来においては金属製の単一の部品にて構成されていたホルダを、金属製のホルダ部20Aと樹脂製のコネクタ部20Bとの複合部品であるホルダ組立体20にて構成することにより、金属材料の使用量を飛躍的に削減できることになり、これに伴って大幅な軽量化が図られることになる。加えて、金属製の単一の部品にてホルダを構成する場合に必要であった高い加工精度での加工が不要になり、さらにはホルダの構成が大幅に簡素化するため、この点においても材料コストの削減や加工コストの削減が可能になる。
したがって、本実施の形態に係るシリンダ型ガス発生器1とすることにより、従来に比して製造コストの削減と軽量化とが図られることになる。
図6は、上述した実施の形態に基づいた第1ないし第4変形例に係るシリンダ型ガス発生器のホルダ組立体の断面図である。以下、この図6を参照して、第1ないし第4変形例に係るシリンダ型ガス発生器1A~1Dのホルダ組立体20について説明する。
図6(A)に示す第1変形例に係るシリンダ型ガス発生器1Aのホルダ組立体20は、上述した実施の形態に比較して、ホルダ部20Aの第1胴部21の形状のみが相違している。
具体的には、第1変形例に係るホルダ組立体20においては、第1胴部21の外周面21bが、燃焼室S1側(すなわち、コネクタ部20B側とは反対側)に向かうにつれて縮径する傾斜形状を有している。そのため、ホルダ組立体20がハウジング本体10に組付けられる前の状態においては、コネクタ部20Bの筒状部25とホルダ部20Aの第1胴部21との間には、隙間が生じている。
このように構成した場合には、ハウジング本体10にかしめ部12が設けられる際に、コネクタ部20Bの筒状部25が、ハウジング本体10の径方向内側に向けて傾倒しつつ荷重を受けて圧縮変形することになる。このとき、ハウジング本体10に設けられるかしめ部12によってホルダ部20Aの第1胴部21に加えられる荷重が、点火器40の端子ピン43が位置する側に向けて作用することになる。
したがって、当該構成を採用した場合には、かしめ部12がより強固にホルダ部20Aに加わることになり、上述した実施の形態において説明した効果に加え、ホルダ組立体20がハウジング本体10から抜け落ちることがより確実に防止できる効果を得ることができる。
図6(B)ないし図6(D)に示す第2ないし第4変形例に係るシリンダ型ガス発生器1B~1Dのホルダ組立体20は、上述した実施の形態に比較して、いずれもコネクタ部20Bの筒状部25の形状のみが相違している。
具体的には、第2ないし第4変形例に係るホルダ組立体20にあっては、いずれも、ハウジング本体10に設けられるかしめ部12に対応した位置の筒状部25の外周面に、予め凹状の部位が形成されている。
ここで、図6(B)に示す第2変形例に係るホルダ組立体20にあっては、当該凹状の部位が断面C字状の形状を有するように構成されており、図6(C)に示す第3変形例に係るホルダ組立体20にあっては、当該凹状の部位を設けることによって筒状部25に形成される薄肉部が、ハウジング本体10に設けられるかしめ部12に対応した位置から燃焼室S1側(すなわち、コネクタ部20Bのフランジ部26側とは反対側)に向けて延びるように構成されており、図6(D)に示す第4変形例に係るホルダ組立体20にあっては、当該凹状の部位を設けることによって筒状部25に形成される薄肉部が、ハウジング本体10に設けられるかしめ部12に対応した位置から燃焼室S1側とは反対側(すなわち、コネクタ部20Bのフランジ部26側)に向けて延びるように構成されている。
このように構成した場合には、ハウジング本体10にかしめ部12が設けられる際に、ハウジング本体10のかしめ部12とコネクタ部20Bの筒状部25との密着性が高まることになる。
したがって、当該構成を採用した場合には、上述した実施の形態において説明した効果に加え、ハウジング本体10および第1胴部21の間の封止性能を高めることが可能になる。
上述した本発明の実施の形態ならびにその変形例において示した特徴的な構成は、本発明の趣旨に照らして逸脱しない範囲において、当然にこれを相互組み合わせることができる。
また、上述した本発明の実施の形態ならびにその変形例においては、本発明をサイドエアバッグ装置に組み込まれるシリンダ型ガス発生器に適用した場合を例示して説明を行なったが、本発明の適用対象はこれに限られるものではなく、カーテンエアバッグ装置やニーエアバッグ装置、シートクッションエアバッグ装置等に組み込まれるシリンダ型ガス発生器や、シリンダ型ガス発生器と同様に長尺状の外形を有するいわゆるT字型ガス発生器にもその適用が可能である。
このように、今回開示した上記実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1,1A~1D シリンダ型ガス発生器、10 ハウジング本体、11 ガス噴出口、12,13 かしめ部、20 ホルダ組立体、20A ホルダ部、20B コネクタ部、21 第1胴部、21a 軸方向端面、21b 外周面、22 環状突部、23a 収容部、23b かしめ部、24 第2胴部、24a 内周面、25 筒状部、25a 内周面、26 フランジ部、27 環状段差面、28a 第1室、28b 第2室、29 シール部材、30 閉塞部材、31 閉塞部、32 側壁部、33 環状凹部、40 点火器、41 基部、42 点火部、43 端子ピン、50 仕切り部材、51 隔壁部、51a スコア、52 環状壁部、60 ガス発生剤、70 コイルバネ、71 バネ部、72 押圧部、80 フィルタ、81 中空部、90 溶接部、S1 燃焼室、S2 フィルタ室。

Claims (5)

  1. ガス発生剤が収容された燃焼室を内部に含む筒状の金属製のハウジング本体と、
    前記ハウジング本体の軸方向の開口端に内挿され、前記ハウジング本体の軸方向と平行な方向に沿って延びる貫通孔状の中空開口部を含むホルダ組立体と、
    点火薬が収容された点火部および当該点火部に接続された端子ピンを含み、前記点火部が前記燃焼室側に位置しかつ前記端子ピンが前記燃焼室側とは反対側に位置した状態で前記中空開口部の内部に少なくともその一部が配置された点火器とを備え、
    前記ホルダ組立体は、前記燃焼室側に位置するとともに前記点火器を受け入れて当該点火器を保持する金属製のホルダ部と、前記燃焼室側とは反対側に位置するとともに前記端子ピンに接続される接続コネクタを受け入れ可能な樹脂製のコネクタ部とを有し、
    前記ホルダ部は、前記中空開口部を規定する筒状の第1胴部と、前記ハウジング本体の径方向に沿って前記第1胴部から突出する環状突部とを含み、
    前記コネクタ部は、前記中空開口部を規定する筒状の第2胴部と、前記第2胴部から前記燃焼室側に向けて延設された筒状部とを含み、
    前記筒状部が、前記ハウジング本体の前記開口端に内挿されるとともに、前記環状突部から見て前記燃焼室側と反対側に位置する部分の前記第1胴部に外挿され、
    前記筒状部に対応する部分の前記ハウジング本体が径方向内側に向けて縮径していることにより、当該縮径した部分の前記ハウジング本体と前記第1胴部とによって前記筒状部が挟み込まれて圧縮し、これにより前記筒状部によって前記ハウジング本体と前記第1胴部との間の隙間が封止されている、ガス発生器。
  2. 前記筒状部の内径が前記第2胴部の内径よりも大きく、かつ、前記第2胴部の内周面と前記筒状部の内周面とを接続する環状段差面が前記コネクタ部に設けられることにより、前記燃焼室側に位置する前記コネクタ部の軸方向端部に、前記環状段差面および前記筒状部の内周面によって規定される第1室が設けられ、
    前記第1胴部が前記第1室に内挿されているとともに、前記燃焼室側とは反対側に位置する前記第1胴部の軸方向端面が前記環状段差面に当接している、請求項1に記載のガス発生器。
  3. 前記第2胴部の内径が前記第1胴部の内径よりも大きいことにより、前記ホルダ組立体の前記燃焼室側とは反対側に位置する軸方向端部に、前記燃焼室側とは反対側に位置する前記第1胴部の軸方向端面および前記第2胴部の内周面によって規定される第2室が設けられ、
    前記端子ピンに接続される接続コネクタの受け入れ部が、前記第2室によって構成されている、請求項1または2に記載のガス発生器。
  4. 前記第1胴部の外周面が、前記燃焼室側に向かうにつれて縮径している、請求項1から3のいずれかに記載のガス発生器。
  5. 前記ハウジング本体の内部に配置されたフィルタと、
    前記ハウジング本体の内部に配置されることにより、前記ハウジング本体の内部の空間を、前記ハウジング本体の軸方向において、前記フィルタが配置されたフィルタ室と前記燃焼室とに仕切る仕切り部材とをさらに備え、
    前記仕切り部材が、前記ハウジング本体に溶接されることで固定されている、請求項1から4のいずれかに記載のガス発生器。
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