JP2023089765A - ガス発生器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望のガス出力をより安定して得ることができるガス発生器の製造方法を提供する。【解決手段】本発明に基づくガス発生器の製造方法は、ハウジング本10を準備する工程と、仕切り部材50をハウジング本体10に挿入する工程と、第1開放端10a1側に位置する空間である第1空間10b1に予め定められた量のガス発生剤60を充填する工程と、第1開放端10a1を介して押し込み治具100を予め定められた長さだけ第1空間10b1に挿入することでガス発生剤60および仕切り部材50を押し込む工程と、押し込まれた後の位置において仕切り部材50をハウジング本体10に固定する工程と、第1空間10b1に弾性部材を挿入し、さらに第1開放端10a1に点火器を保持したホルダを組付ける工程と、第2開放端10a2側に位置する空間である第2空間10b2にフィルタを挿入し、さらに第2開放端10a2に閉塞部材を組付ける工程とを備える。【選択図】図7

Description

本発明は、自動車等に装備される乗員保護装置としてのエアバッグ装置に組み込まれるガス発生器の製造方法に関し、特に、サイドエアバッグ装置等に好適に組み込まれる外形が長尺円柱状のいわゆるシリンダ型ガス発生器の製造方法に関する。
従来、自動車等の乗員の保護の観点から、乗員保護装置であるエアバッグ装置が普及している。エアバッグ装置は、車両等衝突時に生じる衝撃から乗員を保護する目的で装備されるものであり、車両等衝突時に瞬時にエアバッグを膨張および展開させることにより、エアバッグがクッションとなって乗員の体を受け止めるものである。
ガス発生器は、このエアバッグ装置に組み込まれ、車両等衝突時にコントロールユニットからの通電によって点火器を着火し、点火器において生じる火炎によりガス発生剤を燃焼させて多量のガスを瞬時に発生させ、これによりエアバッグを膨張および展開させる機器である。
ガス発生器には、車両等に対する設置位置やガス出力等の仕様に基づき、種々の構成のものが存在している。その一つに、シリンダ型ガス発生器と称されるものがある。シリンダ型ガス発生器は、その外形が長尺円柱状であり、サイドエアバッグ装置やカーテンエアバッグ装置、ニーエアバッグ装置、シートクッションエアバッグ装置等に好適に組み込まれる。
通常、シリンダ型ガス発生器においては、ハウジングの軸方向の一端部に点火器が組付けられるとともに当該一端部側にガス発生剤が収容された燃焼室が設けられ、ハウジングの軸方向の他端部側にフィルタが収容されたフィルタ室が設けられ、当該フィルタ室を規定する部分のハウジングの周壁部にガス噴出口が設けられる。
このように構成されたシリンダ型ガス発生器においては、点火器が作動することでガス発生剤が燃焼室において燃焼し、燃焼室にて発生したガスがハウジングの軸方向に沿ってフィルタ室に流入することでフィルタの内部を通過し、フィルタを通過した後のガスがガス噴出口を介してシリンダ型ガス発生器の外部に噴出される。
一般に、ガス発生器においては、作動時において所望のガス出力が得られるように、ガス発生剤が振動等によって粉砕されることがないようこれを保持することが必要である。シリンダ型ガス発生器においては、たとえばコイルバネ等を用いることにより、ガス発生剤をハウジングの壁面等に向けて弾性付勢することでこれを保持することとし、これによってガス発生剤の粉砕が未然に防止されるように構成されている。
このコイルバネを具備したシリンダ型ガス発生器が開示された文献として、たとえば特開2017-193192号公報(特許文献1)がある。当該特許文献1に開示されたシリンダ型ガス発生器においては、ハウジングの内部の空間を軸方向に燃焼室とフィルタ室とに仕切る仕切り部材がハウジングの軸方向の途中位置に設けられるとともに、燃焼室が位置する側のハウジングの軸方向端部に点火器を保持するホルダが組付けられている。そして、燃焼室に収容されたガス発生剤が仕切り部材側に向けて弾性付勢されることで固定されるように、ホルダとガス発生剤との間にコイルバネが介装されている。
特開2017-193192号公報
ここで、通常、ガス発生剤は、その燃焼を促進させる観点から、多数の粒状の成形体にて構成される場合が多い。その場合、ガス発生剤の燃焼室への充填に際し、燃焼室内におけるガス発生剤の充填状態を精緻に管理することは事実上不可能となる。
そのため、製造するシリンダ型ガス発生器毎に、その充填状態に僅かではあるものの相違が生じることとなってしまい、結果としてこの点において意図しない個体差が発生してしまうことになる。これに伴い、ガス発生剤を全体として見た場合における当該ガス発生剤のホルダ側の端部の位置(以下、これを「薬面位置」とも称する)にも、個体差が生じてしまうことになる。
この点、上述したようにコイルバネを用いてガス発生剤を弾性付勢するように構成した場合には、ガス発生剤の薬面位置に応じてコイルバネの圧縮変形の程度が変わることにより、その差を吸収してガス発生剤を安定的に固定することが可能になる。
しかしながら、このように構成した場合にも、点火器とガス発生剤との間の距離に個体差が生じることは避けられない。この個体差(すなわち、点火器とガス発生剤との間の距離のばらつき)は、点火器が作動した時点からガスがガス噴出口を介して外部に噴出され始める時点までの時間やガス発生剤の燃焼特性自体に影響を与えることが知られており、作動時において所望のガス出力をより確実に得るためには、この点火器とガス発生剤との間の距離にばらつきが生じることを抑制する必要がある。
したがって、本発明は、上述した問題を解決すべくなされたものであり、所望のガス出力をより安定して得ることができるガス発生器の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に基づくガス発生器の製造方法は、以下の工程(A)~(G)を備える。
(A)軸方向の一端に第1開放端が設けられるとともに、軸方向の他端に第2開放端が設けられた長尺筒状のハウジング本体を準備する工程。
(B)上記ハウジング本体の内部の空間を軸方向にフィルタ室と燃焼室とに仕切るための仕切り部材を上記ハウジング本体に挿入する工程。
(C)上記仕切り部材によって仕切られた上記ハウジング本体の内部の空間のうち、上記第1開放端側に位置する空間である第1空間に、上記第1開放端を介して予め定められた量のガス発生剤を充填する工程。
(D)上記第1開放端を介して押し込み治具を予め定められた長さだけ上記第1空間に挿入することにより、上記押し込み治具によって上記ガス発生剤を上記仕切り部材側に向けて押し込むとともに、押し込まれた上記ガス発生剤によってさらに上記仕切り部材が上記第2開放端側に向けて押し込まれるようにする工程。
(E)上記押し込み治具の挿入によって上記第2開放端側に向けて押し込まれた後の位置において、上記仕切り部材を上記ハウジング本体に固定する工程。
(F)上記第1開放端を介して上記第1空間に弾性部材を挿入するとともに、上記第1開放端に点火器を保持したホルダを組付けることにより、上記ホルダによって上記弾性部材を上記ガス発生剤側に向けて押圧し、これにより上記ガス発生剤を上記仕切り部材側に向けて上記弾性部材によって弾性付勢することで固定しつつ、上記第1開放端を閉塞する工程。
(G)上記仕切り部材によって仕切られた上記ハウジング本体の内部の空間のうち、上記第2開放端側に位置する空間である第2空間に、上記第2開放端を介してフィルタを挿入するとともに、上記第2開放端に閉塞部材を組付けることにより、上記フィルタを上記仕切り部材と上記閉塞部材とによって挟み込んで固定しつつ、上記第2開放端を閉塞する工程。
上記本発明に基づくガス発生器の製造方法にあっては、上記仕切り部材を上記ハウジング本体に挿入する工程が、軽圧入によって行なわれることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器の製造方法にあっては、上記仕切り部材を上記ハウジング本体に固定する工程が、上記ハウジング本体の軸方向の任意の位置で上記仕切り部材を上記ハウジング本体に固定することができる固定方法によって行なわれることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器の製造方法にあっては、上記仕切り部材を上記ハウジング本体に固定する工程が、上記仕切り部材と上記ハウジング本体との間に介装されたOリングの弾性復元力によって実現されてもよい。
上記本発明に基づくガス発生器の製造方法にあっては、上記第2開放端を閉塞する工程が、上記ハウジング本体の軸方向の任意の位置で上記閉塞部材を上記ハウジング本体に固定することができる固定方法によって行なわれることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器の製造方法にあっては、上記第2開放端を閉塞する工程が、上記閉塞部材を上記ハウジング本体にかしめ固定することで行なわれてもよい。
上記本発明に基づくガス発生器の製造方法にあっては、上記第1開放端を閉塞する工程が、上記ホルダを上記ハウジング本体にかしめ固定することで行なわれてもよい。
本発明によれば、所望のガス出力をより安定して得ることができるガス発生器の製造方法とすることができる。
実施の形態1に係るガス発生器の製造方法に従って製造されたシリンダ型ガス発生器の一構成例を示す概略図である。 図1に示すシリンダ型ガス発生器の点火器近傍の拡大断面図である。 図1に示すシリンダ型ガス発生器の仕切り部材近傍の拡大断面図である。 図1に示すシリンダ型ガス発生器の閉塞部材近傍の拡大断面図である。 実施の形態1に係るガス発生器の製造方法を示すフロー図である。 実施の形態1に係るガス発生器の製造方法を説明するための模式図である。 実施の形態1に係るガス発生器の製造方法を説明するための模式図である。 実施の形態1に係るガス発生器の製造方法を説明するための模式図である。 実施の形態1に係るガス発生器の製造方法を説明するための模式図である。 実施の形態1に係るガス発生器の製造方法に従って製造されたシリンダ型ガス発生器の他の構成例を示す概略図である。 実施の形態1に係るガス発生器の製造方法に従って製造されたシリンダ型ガス発生器のさらに他の構成例を示す概略図である。 実施の形態2に係るガス発生器の製造方法に従って製造されたシリンダ型ガス発生器の一構成例を示す概略図である。 図12に示すシリンダ型ガス発生器の仕切り部材近傍の拡大断面図である。 実施の形態2に係るガス発生器の製造方法を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、サイドエアバッグ装置に組み込まれるシリンダ型ガス発生器に本発明を適用した場合を例示するものである。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るガス発生器の製造方法に従って製造されたシリンダ型ガス発生器の一構成例を示す概略図である。図2ないし図4は、それぞれ図1に示すシリンダ型ガス発生器の点火器近傍の拡大断面図、仕切り部材近傍の拡大断面図、および、閉塞部材近傍の拡大断面図である。まず、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法について説明するに先立って、これら図1ないし図4を参照して、当該製造方法に従って製造された一構成例に係るシリンダ型ガス発生器1Aについて説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法に従って製造されたシリンダ型ガス発生器1Aは、長尺円柱状の外形を有しており、軸方向に位置する一端部および他端部が閉塞された長尺円筒状のハウジングを有している。ハウジングは、ハウジング本体10と、ホルダ20と、閉塞部材30とを含んでいる。
ハウジング本体10、ホルダ20および閉塞部材30にて構成されたハウジングの内部には、内部構成部品としての点火器40、仕切り部材50、ガス発生剤60、コイルバネ70およびフィルタ80等が収容されている。また、ハウジングの内部には、上述した内部構成部品のうちのガス発生剤60が主として配置された燃焼室S1と、フィルタ80が配置されたフィルタ室S2とが位置している。
ハウジング本体10は、ハウジングの周壁部を構成しており、軸方向の両端に開口が形成された長尺円筒状の部材からなる。ホルダ20は、ハウジング本体10の軸方向と平行な方向に沿って延びる貫通部21を有する筒状の部材からなり、外周面に後述するかしめ固定のための環状凹部22を含んでいる。このかしめ固定のための環状凹部22は、ホルダ20の外周面に周方向に沿って延びるように設けられている。閉塞部材30は、閉塞部31および側壁部32を含むカップ状の部材からなり、側壁部32の外周面に後述するかしめ固定によって形成された環状凹部33を含んでいる。この環状凹部33は、側壁部32の外周面に周方向に沿って延びるように複数設けられている。
ハウジング本体10は、ステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材にて構成されていてもよいし、SPCEに代表される圧延鋼板をプレス加工することで円筒状に成形したプレス成形品にて構成されていてもよい。また、ハウジング本体10は、STKMに代表される電縫管にて構成されていてもよい。
特に、ハウジング本体10を圧延鋼板のプレス成形品や電縫管にて構成した場合には、ステンレス鋼や鉄鋼等の金属製の部材を用いた場合に比べて安価にかつ容易にハウジング本体10を形成することができるとともに、大幅な軽量化が可能になる。
一方、ホルダ20および閉塞部材30は、ステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材にて構成されている。
図1および図2に示すように、ホルダ20は、ハウジング本体10の軸方向の一方の開口端を閉塞するようにハウジング本体10に固定されている。具体的には、ハウジング本体10の上記一方の開口端にホルダ20が内挿された状態で、当該ホルダ20の外周面に設けられた環状凹部22に対応する部分のハウジング本体10が径方向内側に向けて縮径させられて当該環状凹部22に係合することにより、ホルダ20がハウジング本体10に対してかしめ固定されている。これにより、ハウジングの軸方向の一端部がホルダ20によって構成されることになる。
図1および図4に示すように、閉塞部材30は、ハウジング本体10の軸方向の他方の開口端を閉塞するようにハウジング本体10に固定されている。具体的には、ハウジング本体10の上記他方の開口端に閉塞部材30が内挿された状態で、当該閉塞部材30の側壁部32に対応する部分のハウジング本体10の所定位置が径方向内側に向けて縮径させられることにより、これに応じて閉塞部材30の側壁部32の外周面に上述した環状凹部33が形成され、これによってハウジング本体10の縮径させられた部分と閉塞部材30に形成された環状凹部33とが係合することにより、閉塞部材30がハウジング本体10に対してかしめ固定されている。これにより、ハウジングの軸方向の他端部が閉塞部材30によって構成されることになる。
これらかしめ固定は、ハウジング本体10を径方向内側に向けて略均等に縮径させる八方かしめと呼ばれるかしめ固定である。この八方かしめを行なうことにより、ハウジング本体10には、かしめ部12,13が設けられることになる。これにより、かしめ部12,13は、それぞれ環状凹部22,33に直接接触することになり、これらの間に隙間が生じることが防止されている。
図1および図2に示すように、点火器40は、ホルダ20によって支持されることでハウジングの軸方向の上述した一端部に組付けられている。点火器40は、ガス発生剤60を燃焼させるためのものであり、ハウジングの内部の空間に面するように設置されている。
点火器40は、点火部41と、一対の端子ピン42とを有している。点火部41は、スクイブカップを含んでおり、このスクイブカップの内部には、一対の端子ピン42に接続するように抵抗体(ブリッジワイヤ)が取付けられている。また、スクイブカップの内部には、抵抗体を取り囲むようにまたは抵抗体に接するように点火薬が充填されている。また、スクイブカップの内部には、必要に応じて伝火薬が装填されていてもよい。
ここで、抵抗体としては、一般にニクロム線やプラチナおよびタングステンを含む合金製の抵抗線等が用いられ、点火薬としては、一般にZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム)、ZWPP(ジルコニウム・タングステン・過塩素酸カリウム)、鉛トリシネート等が用いられる。また、伝火薬としては、B/KNO、B/NaNO、Sr(NO等に代表される金属粉/酸化剤からなる組成物や、水素化チタン/過塩素酸カリウムからなる組成物、B/5-アミノテトラゾール/硝酸カリウム/三酸化モリブデンからなる組成物等が用いられる。
衝突を検知した際には、端子ピン42を介して抵抗体に所定量の電流が流れる。抵抗体に所定量の電流が流れることにより、抵抗体においてジュール熱が発生し、点火薬が燃焼を開始する。燃焼により生じた高温の熱粒子は、点火薬を収納しているスクイブカップを開裂させる。抵抗体に電流が流れてから点火器40が作動するまでの時間は、抵抗体にニクロム線を利用した場合には一般に2ミリ秒以下である。
点火器40の点火部41には、略筒状の金属製の燃焼制御カバー43が外挿されている。燃焼制御カバー43は、作動時において点火器40にて発生する熱粒子を効率的にガス発生剤60に導くためのものであり、より詳細には、点火器40の点火部41にて発生する熱粒子の進行方向に指向性を与えるものである。
具体的には、点火部41が燃焼制御カバー43によって取り囲まれていることにより、点火部41の外表面を規定するスクイブカップの破裂の際に、当該スクイブカップのうちのガス発生剤60側に位置する先端部において主として開口が形成されることになり、これに伴って点火部41にて発生する熱粒子の進行方向がハウジング本体10の軸方向に絞られることになる。
そのため、上述した如くの燃焼制御カバー43を設けることにより、点火器40で発生する熱粒子を効率的にガス発生剤60に導くことが可能になる。
なお、点火器40および燃焼制御カバー43は、ホルダ20に設けられたかしめ部23によってホルダ20に固定されている。より詳細には、ホルダ20は、点火器40および燃焼制御カバー43をかしめ固定するためのかしめ部23をハウジングの内部の空間に面する方の軸方向端部に有しており、燃焼制御カバー43が取付けられた点火器40がホルダ20の貫通部21に内挿されて当該貫通部21を規定する部分の壁部に当て留めされた状態で上述したかしめ部23がかしめられることにより、点火器40および燃焼制御カバー43がホルダ20に挟持されて固定される。
これにより、点火器40は、その点火部41がハウジングの内部に向けて突出して位置するようにホルダ20に組付けられることになる。そのため、点火器40の作動時においては、点火薬が着火されることによってスクイブカップに開裂が生じ、当該開裂に伴ってスクイブカップが開口し、これにより点火器40にて発生した熱粒子が、燃焼室S1に流入することになる。
ここで、ホルダ20と点火器40との間には、Oリング等からなるシール部材24が介装されており、これによってホルダ20と点火器40との間の隙間がシール部材24によって埋め込まれることで当該隙間が封止されている。したがって、このように構成することにより、当該部分における気密性の確保が可能になる。
ホルダ20の外部に露出する方の軸方向端部には、上述した貫通部21の端部が位置しており、当該端部は、点火器40とコントロールユニット(不図示)とを結線するためのハーネスの雄型コネクタ(図示せず)を受け入れる雌型コネクタ部を構成している。この雌型コネクタ部を構成する貫通部21の上記端部の内部には、点火器40の端子ピン42の先端寄りの部分が露出して位置しており、当該端部に雄型コネクタが挿し込まれることにより、ハーネスの芯線と端子ピン42との電気的導通が実現されることになる。
図1および図3に示すように、ハウジングの内部の空間の所定位置には、仕切り部材50が配置されている。仕切り部材50は、ハウジングの内部の空間を軸方向において燃焼室S1とフィルタ室S2とに仕切るための部材である。
仕切り部材50は、有底略円筒状の形状を有しており、たとえばステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材にて構成されている。仕切り部材50は、ハウジング本体10の軸方向に直交するように配置された平板状の隔壁部51と、当該隔壁部51の周縁から立設された筒板状の環状壁部52とを有している。仕切り部材50は、その隔壁部51の外側の主面がフィルタ80に当接するように配置されており、環状壁部52の外周面は、ハウジング本体10の内周面に当接している。
隔壁部51のフィルタ80に当接する主面には、スコア51aが設けられている。スコア51aは、ガス発生剤60の燃焼による燃焼室S1の内圧上昇に伴って当該隔壁部51が破断して開口部が形成されるようにするためのものであり、たとえば放射状に互いに交差するように設けられた複数の溝にて構成される。スコア51aは、フィルタ80のうちの中空部81に対向する部分に設けられている。
環状壁部52との境界である隔壁部51の周縁部には、周方向に沿って延びる環状溝部が設けられている。この環状溝部には、Oリング53が収容されている。このように構成することにより、Oリング53は、仕切り部材50とハウジング本体10との間に介装されることになり、仕切り部材50およびハウジング本体10の双方に圧接触することになる。
これにより、仕切り部材50とハウジング本体10との間の隙間がOリング53によって埋め込まれることになる。そのため、当該隙間がOリング53によって封止されることにより、当該部分における気密性が確保できることになる。
Oリング53としては、十分な耐熱性および耐久性を有する部材が用いられることが好ましく、たとえばエチレンプロピレンゴムの一種であるEPDM樹脂製のOリング等が好適に利用可能である。
仕切り部材50は、ハウジング本体10に内挿された状態で当該ハウジング本体10に固定されている。より詳細には、仕切り部材50は、ハウジング本体の内部に圧入されており、これにより仕切り部材50の環状壁部52がハウジング本体10に圧接触している。そのため、当該環状壁部52が有する弾性復元力により、仕切り部材50がハウジング本体10に固定されている。
加えて、上述したように、仕切り部材50とハウジング本体10との間に介装されたOリングもまた、仕切り部材50とハウジング本体10とに圧接触しているため、当該Oリングが有する弾性復元力によっても、仕切り部材50がハウジング本体10に固定されている。
図1ないし図3に示すように、ハウジングの内部の空間のうち、ホルダ20と仕切り部材50とによって挟まれた空間(すなわち燃焼室S1)には、ガス発生剤60と、弾性部材としてのコイルバネ70とが配置されている。
ガス発生剤60は、点火器40が作動することによって生じた熱粒子によって着火されて燃焼することでガスを発生させる薬剤である。ガス発生剤60としては、非アジド系ガス発生剤を用いることが好ましく、ガス発生剤60は、一般に燃料と酸化剤と添加剤とを含む成形体として構成される。
燃料としては、たとえばトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体等またはこれらの組み合わせが利用される。具体的には、たとえばニトログアニジンや硝酸グアニジン、シアノグアニジン、5-アミノテトラゾール等が好適に利用される。
酸化剤としては、たとえば塩基性硝酸銅、塩基性炭酸銅等の塩基性金属塩、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アンモニアから選ばれたカチオンを含む硝酸塩等が利用される。硝酸塩としては、たとえば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が好適に利用される。
添加剤としては、バインダやスラグ形成剤、燃焼調整剤等が挙げられる。バインダとしては、たとえばカルボキシメチルセルロースの金属塩、ステアリン酸塩等の有機バインダや、合成ヒドロタルサイト、酸性白土等の無機バインダが好適に利用可能である。スラグ形成剤としては、窒化珪素、シリカ、酸性白土等が好適に利用可能である。燃焼調整剤としては、金属酸化物、フェロシリコン、活性炭、グラファイト等が好適に利用可能である。
ガス発生剤60の成形体の形状には、顆粒状、ペレット状、円柱状等の粒状のもの、ディスク状のものなど様々な形状のものがある。また、円柱状のものでは、成形体内部に貫通孔を有する有孔状(たとえば単孔筒形状や多孔筒形状等)の成形体も利用される。これらの形状は、シリンダ型ガス発生器1Aが組み込まれるエアバッグ装置の仕様に応じて適宜選択されることが好ましく、たとえばガス発生剤60の燃焼時においてガスの生成速度が時間的に変化する形状を選択するなど、仕様に応じた最適な形状を選択することが好ましい。また、ガス発生剤60の形状の他にもガス発生剤60の線燃焼速度、圧力指数などを考慮に入れて成形体のサイズや充填量を適宜選択することが好ましい。
コイルバネ70は、成形体からなるガス発生剤60が振動等によって粉砕されてしまうことを防止する目的で設けられるものであり、金属線材を曲げ加工することによって形成されたバネ部71および押圧部72を有している。バネ部71は、その一端がホルダ20に当接するように配置されており、その他端に押圧部72が形成されている。押圧部72は、たとえば金属線材が所定の間隔をもって略平行に配置されることで構成されており、ガス発生剤60に当接している。
これにより、コイルバネ70は、ホルダ20とガス発生剤60とによって挟み込まれることになり、コイルバネ70が圧縮変形することにより、ガス発生剤60が、当該コイルバネ70によって仕切り部材50側に向けて弾性付勢されることになる。したがって、燃焼室S1に収容されたガス発生剤60が仕切り部材50側に向けて弾性付勢されることで固定され、結果としてガス発生剤60がハウジングの内部において移動してしまうことが防止できることになる。
図1、図3および図4に示すように、ハウジングの内部の空間のうち、閉塞部材30と仕切り部材50とによって挟まれた空間(すなわちフィルタ室S2)には、フィルタ80が配置されている。フィルタ80は、ハウジング本体10の軸方向と平行な方向に沿って延びる中空部81を有する円筒状の部材からなり、その軸方向の一方の端面が閉塞部材30の側壁部32に当接しており、その軸方向の他方の端面が仕切り部材50の隔壁部51に当接している。
フィルタ80は、ガス発生剤60が燃焼することによって発生したガスがこのフィルタ80中を通過する際に、ガスが有する高温の熱を奪い取ることによってガスを冷却する冷却手段として機能するとともに、ガス中に含まれるスラグ(残渣)等を除去する除去手段としても機能する。上述したように円筒状の部材からなるフィルタ80を利用することにより、作動時においてフィルタ室S2を流動するガスに対する流動抵抗が低く抑えられることになり、効率的なガスの流動が実現可能となる。
フィルタ80としては、好適にはステンレス鋼や鉄鋼等からなる金属線材または金属網材の集合体にて構成されたものが利用できる。具体的には、メリヤス編みの金網や平織りの金網、クリンプ織りの金属線材の集合体、またはこれらをプレスにより押し固めたもの等が利用できる。
また、フィルタ80として、孔あき金属板を巻き回したもの等を利用することもできる。この場合、孔あき金属板としては、たとえば、金属板に千鳥状に切れ目を入れるとともにこれを押し広げて孔を形成して網目状に加工したエキスパンドメタルや、金属板に孔を穿つとともにその際に孔の周縁に生じるバリを潰すことでこれを平坦化したフックメタル等が利用できる。
フィルタ室S2を規定する部分のハウジング本体10には、ガス噴出口11が周方向および軸方向に沿って複数設けられている。これら複数のガス噴出口11は、フィルタ80を通過した後のガスをハウジングの外部に導出するためのものである。
次に、図1を参照して、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法に従って製造された上述した一構成例に係るシリンダ型ガス発生器1Aの作動時における動作について説明する。
図1を参照して、シリンダ型ガス発生器1Aが搭載された車両が衝突した場合には、車両に別途設けられた衝突検知手段によって衝突が検知され、これに基づいて車両に別途設けられたコントロールユニットからの通電によって点火器40が作動する。
点火器40が作動すると、点火薬またはこれに加えて伝火薬が燃焼することによって点火部41内の圧力が上昇し、これによって点火部41のスクイブカップが開裂する。点火薬が燃焼することで発生した熱粒子は、スクイブカップが開裂することにより、点火部41の外部へと流出する。
点火部41から流出した熱粒子には、上述した燃焼制御カバー43によって指向性が与えられ、これにより、当該熱粒子は、ガス発生剤60へと到達する。ガス発生剤60に到達した熱粒子は、ガス発生剤60を燃焼させ、これにより多量のガスが発生する。
燃焼室S1において多量のガスが発生することにより、燃焼室S1の圧力および温度が上昇し、燃焼室S1の内圧が所定の圧力に達することにより、仕切り部材50のうちのスコア51aが設けられた部分に破断が生じる。これにより、フィルタ80の中空部81に対向する部分において仕切り部材50に連通孔が形成されることになり、燃焼室S1とフィルタ室S2とが当該連通孔を介して連通した状態となる。
これに伴い、燃焼室S1において発生したガスが、仕切り部材50に形成された連通孔を介してフィルタ室S2へと流入する。フィルタ室S2に流れ込んだガスは、フィルタ80の中空部81を軸方向に沿って流動した後に径方向に向けて向きを変え、フィルタ80の内部を通流する。その際に、フィルタ80によって熱が奪われてガスが冷却されるとともに、ガス中に含まれるスラグがフィルタ80によって除去される。
そして、フィルタ80を通流した後のガスは、ガス噴出口11を介してハウジングの外部へと噴出される。ガス噴出口11から噴出されたガスは、シリンダ型ガス発生器1Aに隣接して設けられたエアバッグの内部に導入され、エアバッグを膨張および展開する。
ここで、図1を参照して、作動時において所望のガス出力がより確実に得られるようにするためには、上述したように、点火器40とガス発生剤60との間の距離D(より詳細には、点火器40の点火部41の先端面と前述の薬面位置との間の距離)が、予め定められた設計上の距離に正確に一致していることが必要である。このように構成することができれば、点火器40が作動した時点からガスがガス噴出口11を介して外部に噴出され始める時点までの時間やガス発生剤60の燃焼特性自体に個体差が生じることが抑制でき、作動時におけるガス出力に意図しない個体差が生じてしまうことが防止できる。
しかしながら、上述したように、ガス発生剤60の燃焼室S1への充填に際し、燃焼室S1内におけるガス発生剤60の充填状態を精緻に管理することは事実上不可能であるため、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法にあっては、以下の工程を経ることにより、点火器40とガス発生剤60との間の距離Dに個体差が生じることを防止している。
図5は、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法を示すフロー図であり、図6ないし図9は、いずれも当該製造方法を説明するための模式図である。このうち、図6は、図5に示す工程ST3が終了した後の状態を示す図であり、図7は、図5に示す工程ST4を示す図である。また、図8は、図5に示す工程ST6,ST7を示す図であり、図9は、図5に示す工程ST8,ST9を示す図である。以下、これら図5ないし図9を参照して、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法について説明する。
図5に示すように、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法にあっては、まず、工程ST1において、点火器組立体が製作される。
この点火器組立体は、ホルダ20に点火器40、シール部材24および燃焼制御カバー43が組付けられてなるものであり(図8参照)、予めこれらホルダ20、点火器40、シール部材24および燃焼制御カバー43を相互に組み合わせて一部品化したものである。なお、ホルダ20に対する点火器40および燃焼制御カバー43の組付けは、上述したように、ホルダ20に設けられたかしめ部23を用いて点火器40および燃焼制御カバー43がかしめ固定されることで行なわれる。
次に、図5に示すように、工程ST2において、ハウジング本体10への仕切り部材50の挿入が行なわれ、続いて工程ST3において、ハウジング本体10へのガス発生剤60の充填が行なわれる。
より詳細には、図6に示すように、まず、工程ST2において、軸方向の一端に第1開放端10a1が設けられるとともに、軸方向の他端に第2開放端10a2が設けられた長尺円筒状のハウジング本体10が準備され、このハウジング本体10に仕切り部材50が挿入される。その際、仕切り部材50の隔壁部51の周縁部に設けられた上述した環状溝部には、予めOリング53が嵌め込まれており、この状態において、仕切り部材50がハウジング本体10に挿入される。この仕切り部材50のハウジング本体10への挿入に際しては、仕切り部材50の隔壁部51がハウジング本体10の第2開放端10a2側を向くように、その向きが合わせられる。
このとき、仕切り部材50は、ハウジング本体10に対して軽圧入されることが好ましい。このようにすれば、ハウジング本体10に挿入された仕切り部材50の環状壁部52がハウジング本体10の内周面に圧接触することになるため、当該仕切り部材50をハウジング本体10の途中位置において容易に仮固定することが可能になる。また、上述したように、仕切り部材50の環状溝部に嵌め込まれたOリング53もまた、ハウジング本体10の内周面に圧接触することになるため、これによっても仕切り部材50がハウジング本体10の途中位置において仮固定されることになる。
また、このとき、仕切り部材50は、ハウジング本体10の第1開放端10a1側から図中矢印AR1方向に沿って軽圧入されることが好ましく、また、挿入後においては、仕切り部材50が、ハウジング本体10の軸方向の所定位置に配置されるようにすることが好ましい。
ここで、上記所定位置は、後述する工程ST4(図7参照)における押し込み治具100によるガス発生剤60および仕切り部材50の押し込み後の状態において、当該仕切り部材50が配置されるべき位置として許容される範囲のうちの最も第2開放端10a2側の位置(図中において符号P1で示す位置)よりも第1開放端10a1側の位置であって、かつ、工程ST3において所定量のガス発生剤60がハウジング本体10に充填された場合に、これが溢れ出してしまう位置のうちの最も第1開放端10a1側の位置(図中において符号P2で示す位置)よりも第2開放端10a2側の位置とされる。
これにより、ハウジング本体10の内部の空間は、仕切り部材50によって、第1開放端10a1側に位置する空間である第1空間10b1と、第2開放端10a2側に位置する空間である第2空間10b2とに区画される。なお、仕切り部材50は、必ずしも第1開放端10a1側からハウジング本体10に挿入される必要はなく、第2開放端10a2側からハウジング本体10に挿入されてもよい。
次に、工程ST3において、ハウジング本体10の第1開放端10a1を介して(すなわち、図中に示す矢印AR1方向に向けて)第1空間10b1に、予め定められた量のガス発生剤60が充填される。その際、仕切り部材50が、ガス発生剤60が充填される第1空間10b1の底を規定することになるため、これによりガス発生剤60が第1空間10b1内に収容された状態が維持できることになる。
このとき、ハウジング本体10に微振動を加えることとすれば、粒状のガス発生剤60同士の間に形成される隙間が適切に減じられることになり、製造するシリンダ型ガス発生器1A毎のガス発生剤60の充填状態が相応に近しい状態となる。
ここで、上述した「予め定めた量」とは、当該シリンダ型ガス発生器1Aに充填されるべきガス発生剤60の全量のことである。
次に、図5に示すように、工程ST4において、押し込み治具100によるガス発生剤60および仕切り部材50の押し込みが行なわれる。
より詳細には、図7に示すように、仕切り部材50が挿入されるとともにガス発生剤60が充填されてなるハウジング本体10に、その第1開放端10a1を介して(すなわち、図中に示す矢印AR2方向に向けて)押し込み治具100が予め定めた長さだけ第1空間10b1に挿入される。これにより、押し込み治具100によってガス発生剤60が仕切り部材50側に向けて(すなわち、図中に示す矢印AR3方向に向けて)押し込まれて移動するとともに、押し込まれたガス発生剤60によってさらに仕切り部材50が第2開放端10a2側に向けて(すなわち、図中に示す矢印AR3方向に向けて)押し込まれることで移動することになる。なお、仕切り部材50の移動に伴い、その環状溝部に嵌め込まれたOリング53もまた、第2開放端10a2側に向けて移動することになる。
その際、押し込み治具100による押し込みは、十分に弱い力で行なうことが好ましい。これは、押し込み治具100による押し込みを必要以上に強く行なった場合には、ガス発生剤60が粉砕されてしまうおそれがあるためである。また、押し込み治具100による押し込みが弱い力で行なわれた場合にも、上述したように仕切り部材50はハウジング本体10に対して軽圧入されて仮固定された状態のみにあるため、仕切り部材50は、比較的容易に移動することができる。
ここで、上述した「予め定めた長さ」とは、設計上、ハウジング本体10に対してガス発生剤60の薬面位置が配置されるべき位置(図中において符号P3で示す位置)とハウジング本体10の第1開放端10a1との間の距離と同じ長さ(図中において符号L0で示す長さ)である。
これにより、仕切り部材50は、押し込まれたガス発生剤60によってさらに第2開放端10a2側に向けて移動し、その後、押し込み治具100による押し込み力がガス発生剤60を介して仕切り部材50に印加されなくなることにより、ハウジング本体10の所定位置で停止することになる。なお、この停止位置は、上述した仕切り部材50が配置されるべき位置として許容される範囲のうちの最も第2開放端10a2側の位置(図中において符号P1で示す位置)と同じ位置かそれよりも第1開放端10a1側の位置となる。
以上により、ガス発生剤60および仕切り部材50が押し込み治具100によって押し込まれることにより、ハウジングの内部においてガス発生剤60が占有することとなる空間の軸方向長さLが、所定の大きさに定まることになる。
次に、図5に示すように、工程ST5において、仕切り部材50のハウジング本体10に対する固定が行なわれる。
より詳細には、当該工程ST5においては、仕切り部材50が、押し込み治具100の挿入によって第2開放端10a2側に向けて押し込まれた後の位置(すなわち、図7において示す位置)においてハウジング本体10に対して固定される。なお、本実施の形態においては、上述したように、仕切り部材50がハウジング本体10に対して圧入された構成であるため、また、Oリング53が仕切り部材50とハウジング本体10との間に介装された構成であるため、仕切り部材50は、上述した工程ST4が完了した時点でハウジング本体10に対して自ずと固定された状態となる。したがって、本実施の形態においては、特段の処理を行なうことなく、上述した押し込み治具100による押し込みが完了することでハウジング本体10に対する仕切り部材50の固定が実現できることになる。
次に、図5に示すように、工程ST6において、ハウジング本体10へのコイルバネ70の挿入が行なわれ、続いてST7において、ハウジング本体10への点火器組立体の組付けが行なわれる。
より詳細には、図8に示すように、まず、工程ST6において、ハウジング本体10の第1開放端10a1を介して(すなわち、図中に示す矢印AR4方向に向けて)第1空間10b1に、コイルバネ70が挿入される。その際、コイルバネ70の押圧部72がガス発生剤60側に位置するようにその向きが合わせられることにより、ハウジング本体10の第1空間10b1に挿入されたコイルバネ70は、その押圧部72がガス発生剤60に接触することになる。
次に、工程ST7において、ハウジング本体10の第1開放端10a1に点火器組立体が組付けられる。その際、点火器組立体は、図中に示す矢印AR5方向に向けてハウジング本体10の第1開放端10a1に内挿される。これにより、点火器40の点火部41がコイルバネ70のバネ部71に挿入されるとともに、ホルダ20がコイルバネ70のバネ部71の端部に当接することになる。
この状態において、コイルバネ70が有する弾性力に抗してさらに点火器組立体をハウジング本体10の第1開放端10a1に挿し込むことにより、コイルバネ70がホルダ20とガス発生剤60とによって挟み込まれることで圧縮される。なお、その際、予めコイルバネ70のバネ定数を適切に調整しておくことにより、点火器組立体の押し込みによって仕切り部材50がハウジング本体10の第2開放端10a2側に向けて移動してしまうことが防止できることになる。
そして、点火器組立体が所定位置に達した時点でその押し込みを停止し、当該位置において点火器組立体をハウジング本体10に固定する。なお、ハウジング本体10に対する点火器組立体の固定は、上述したように、ハウジング本体10をホルダ20にかしめ固定することで行なわれる。
これにより、上述した点火器40とガス発生剤60との間の距離D(図1参照)が、予め定められた設計上の距離にほぼ正確に一致することになる。
次に、図5に示すように、工程ST8において、ハウジング本体10へのフィルタ80の挿入が行なわれ、続いてST9において、ハウジング本体10への閉塞部材30の組付けが行なわれる。
より詳細には、図9に示すように、まず、工程ST8において、ハウジング本体10の第2開放端10a2を介して(すなわち、図中に示す矢印AR6方向に向けて)第2空間10b2に、フィルタ80が挿入される。これにより、フィルタ80の一方の軸方向端部が、仕切り部材50に当接するとともに、フィルタ80が、ハウジング本体10に設けられたガス噴出口11に面することになる。
次に、工程ST9において、ハウジング本体10の第2開放端10a2に閉塞部材30が組付けられる。その際、閉塞部材30は、その閉塞部31が第1開放端10a1側とは反対側を向くようにその向きが合わせられ、この状態において図中に示す矢印AR7方向に向けてハウジング本体10の第2開放端10a2に内挿される。
そして、閉塞部材30の側壁部32の端部がフィルタ80に当接した時点でその押し込みを停止し、当該位置において閉塞部材30をハウジング本体10に固定する。なお、ハウジング本体10に対する閉塞部材30の固定は、上述したように、ハウジング本体10を閉塞部材30にかしめ固定することで行なわれる。
以上の工程を経ることにより、図1に示す如くのシリンダ型ガス発生器1Aの製造が完了することになる。
このように、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法にあっては、ガス発生剤60を燃焼室S1に充填するに際して、予め定めた長さ(すなわち、図7中において符号L0で示す長さ)だけ押し込み治具100をハウジング本体の第1空間10b1に挿入することにより、ガス発生剤60および仕切り部材50をハウジング本体10の内部において移動させ、これによりガス発生剤60の薬面位置が、設計上、配置されるべき位置に配置されるようにしている。
そのため、上述した点火器40とガス発生剤60との間の距離D(図1参照)が、予め定められた設計上の距離にほぼ正確に一致することになり、これにより当該距離Dが、製造するシリンダ型ガス発生器毎にばらつくことが防止されている。したがって、この距離Dに個体差が生じることがなくなることに起因し、点火器40が作動した時点からガスがガス噴出口11を介して外部に噴出され始める時点までの時間やガス発生剤60の燃焼特性自体にも個体差が生じることが抑制できることになる。
したがって、本実施の形態に係るガス発生の製造方法に従えば、作動時におけるガス出力に意図しない個体差が生じてしまうことが防止でき、結果として所望のガス出力をより安定して得ることが可能になる。
なお、上述した本実施の形態に係るガス発生器の製造方法においては、仕切り部材50をハウジング本体10に挿入する工程(すなわち工程ST2)において、予め仕切り部材50にOリング53を組付けておくようにした場合を例示して説明を行なったが、必ずしもこのようにする必要はない。
たとえば、これに代えて、工程ST2においては、仕切り部材50のみをハウジング本体10に挿入し、その後、押し込み治具100によってガス発生剤60および仕切り部材50を押し込む工程(すなわち工程ST4)が完了した後に、ハウジング本体10の第2開放端10a2を介してハウジング本体10の内部にOリング53を挿し込み、これによってOリング53を仕切り部材50の上述した環状溝部に嵌め込むようにしてもよい。そのようにした場合には、このOリング53を仕切り部材50の環状溝部に嵌め込む工程が、上述した仕切り部材50をハウジング本体10に固定する工程(すなわち工程ST5)に相当することになる。
ここで、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法に従って製造されたシリンダ型ガス発生器は、上述したように、点火器40とガス発生剤60との間の距離D(図1参照)が、予め定められた設計上の距離にほぼ正確に一致することになる反面、ガス発生剤60の充填状態の如何により、製造するシリンダ型ガス発生器毎に、ハウジング本体10の軸方向における仕切り部材50の組付位置にばらつきが生じることにより、ハウジングの内部においてガス発生剤60が占有することとなる空間の軸方向長さL(図1参照)にばらつきが生じることになり、ひいては燃焼室S1の体積、ならびに、ハウジング本体10の軸方向における閉塞部材30の組付位置等にもばらつきが生じることになる。
図10は、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法に従って製造されたシリンダ型ガス発生器の他の構成例を示す概略図である。ここで、当該図10に示すシリンダ型ガス発生器1A’は、上述した工程ST4(図7参照)において、仕切り部材50が配置されるべき位置として許容される範囲のうちの最も第2開放端10a2側の位置(図7中において符号P1で示す位置)に、仕切り部材50が配置された場合の最終的な製品形態を示すものである。
この場合、仕切り部材50が図1に示すシリンダ型ガス発生器1Aよりもハウジング本体10の第2開放端10a2側の位置に配置されることにより、シリンダ型ガス発生器1A’においては、ハウジングの内部においてガス発生剤60が占有することとなる空間の軸方向長さL’が、図1に示すシリンダ型ガス発生器1Aにおける当該長さL(図1参照)よりも長くなり、これに伴って燃焼室S1の体積も大きくなる。
この燃焼室S1の体積の増加は、一見して作動時における燃焼室S1の過度の圧力低下を誘発し、高圧環境下においてより燃焼性が高まるガス発生剤60の性質に鑑みればガス出力の極端な低下に繋がるおそれがあるように考えられるところ、実際には、粒状のガス発生剤60が相対的に粗に配置されることでこれらの間に形成される隙間が大きくなる分だけ、点火器40にて発生する熱粒子が効率的に燃焼室S1内を移動できるようになるため、これによるガス発生剤60の燃焼の促進に起因した圧力上昇と相殺され、結果として、図1に示すシリンダ型ガス発生器1Aとの間でガス出力に大きな差は生じないことになる。
また、仕切り部材50が図1に示すシリンダ型ガス発生器1Aよりもハウジング本体10の第2開放端10a2側の位置に配置されることにより、シリンダ型ガス発生器1A’においては、フィルタ80および閉塞部材30もまた、図1に示すシリンダ型ガス発生器1Aよりもハウジング本体10の第2開放端10a2側(すなわち図中左側)の位置に配置されることになる。
しかしながら、上述したように、ハウジング本体10に対する閉塞部材30の組付けにかしめ固定を採用していることに伴い、ハウジング本体10の長さを予め冗長に設定しておくこととすれば、これらフィルタ80および閉塞部材30をハウジング本体10に固定することができることになり、また、最終的な製品形態における体格(特に、ハウジングの軸方向長さ)も、図1示すシリンダ型ガス発生器1Aと同等の体格とすることができる。
図11は、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法に従って製造されたシリンダ型ガス発生器のさらに他の構成例を示す概略図である。ここで、当該図11に示すシリンダ型ガス発生器1A”は、上述した工程ST4(図7参照)において、仕切り部材50が配置されるべき位置として許容される範囲のうちの最も第1開放端10a1側の位置に、仕切り部材50が配置された場合の最終的な製品形態を示すものである。
この場合、仕切り部材50が図1に示すシリンダ型ガス発生器1Aよりもハウジング本体10の第1開放端10a1側の位置に配置されることにより、シリンダ型ガス発生器1A”においては、ハウジングの内部においてガス発生剤60が占有することとなる空間の軸方向長さL”が、図1に示すシリンダ型ガス発生器1Aにおける当該長さL(図1参照)よりも短くなり、これに伴って燃焼室S1の体積も小さくなる。
この燃焼室S1の体積の減少は、一見して作動時における燃焼室S1の過度の圧力上昇を誘発し、高圧環境下においてより燃焼性が高まるガス発生剤60の性質に鑑みればガス出力の過度な上昇に繋がるおそれがあるように考えられるところ、実際には、粒状のガス発生剤60が相対的に密に配置されることでこれらの間に形成される隙間が小さくなる分だけ、点火器40にて発生する熱粒子の燃焼室S1内における移動が阻害されることになるため、これによるガス発生剤60の燃焼の鈍化に起因した圧力低下と相殺され、結果として、図1に示すシリンダ型ガス発生器1Aとの間でガス出力に大きな差は生じないことになる。
また、仕切り部材50が図1に示すシリンダ型ガス発生器1Aよりもハウジング本体10の第1開放端10a1側の位置に配置されることにより、シリンダ型ガス発生器1A”においては、フィルタ80および閉塞部材30もまた、図1に示すシリンダ型ガス発生器1Aよりもハウジング本体10の第1開放端10a1側(すなわち図中右側)の位置に配置されることになる。
しかしながら、上述したように、ハウジング本体10に対する閉塞部材30の組付けにかしめ固定を採用していることにより、これらフィルタ80および閉塞部材30をハウジング本体10に固定することは可能であり、また、最終的な製品形態における体格(特に、ハウジングの軸方向長さ)も、図1示すシリンダ型ガス発生器1Aと同等の体格とすることができる。
したがって、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法を採用することにより、製造するシリンダ型ガス発生器毎に仕切り部材50の組付け位置が異なることに起因した特段の支障も発生しないため、結果として所望のガス出力をより安定して得ることができるシリンダ型ガス発生器とすることができる。
また、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法を採用した場合には、上述したように、点火器40とガス発生剤60との間の距離D(図1、図10および図11参照)が、予め定められた設計上の距離にほぼ正確に一致することになるため、歩留まりが大幅に向上し、結果として製造コストを削減する効果を得ることもできる。
さらには、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法を採用することにより、ガス発生剤60に対する点火器40の組付け位置精度を向上させることができるため、点火器40とガス発生剤60との間の距離Dを、点火器40のスクイブカップの開裂が阻害されない範囲で最小化することが可能になる。そのため、点火薬の装填量の低減を図ることもでき、さらにはガス発生剤60の燃焼が促進されることでスラグの発生量を抑制することができ、結果としてフィルタ80を小型化することが可能となって、シリンダ型ガス発生器の小型軽量化に寄与することにもなる。
(実施の形態2)
図12は、実施の形態2に係るガス発生器の製造方法に従って製造されたシリンダ型ガス発生器の一構成例を示す概略図である。図13は、図12に示すシリンダ型ガス発生器の仕切り部材近傍の拡大断面図である。まず、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法について説明するに先立って、これら図12および図13を参照して、当該製造方法に従って製造された一構成例に係るシリンダ型ガス発生器1Bについて説明する。
図12および図13に示すように、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法に従って製造されたシリンダ型ガス発生器1Bは、上述した実施の形態1に係るガス発生器の製造方法に従って製造されたシリンダ型ガス発生器1Aと比較した場合に、仕切り部材50近傍の構成においてのみ相違している。
具体的には、シリンダ型ガス発生器1Bにおいては、上述したシリンダ型ガス発生器1Aが具備するOリング53(図3等参照)が設けられていない。これに伴い、仕切り部材50には、上述したシリンダ型ガス発生器1Aの仕切り部材50が有していた環状溝部(すなわち、Oリング53を収容するための部分)が設けられておらず、仕切り部材50は、隔壁部51にスコア51aが設けられたのみの有底円筒状の形状を有している。
仕切り部材50は、ハウジング本体10に内挿された状態で当該ハウジング本体10に接合されることで固定されている。より詳細には、仕切り部材50は、ハウジング本体10の内部に圧入されるとともに、仕切り部材50の環状壁部52とハウジング本体10との接触部またはその近傍においてこれらが溶接されることで固定されている。
これにより、仕切り部材50が内挿された部分に対応するハウジング本体10および仕切り部材50には、ハウジング本体10の周方向に沿って延びる溶接部14が形成されることになる。なお、仕切り部材50とハウジング本体10との溶接には、電子ビーム溶接やレーザ溶接、抵抗溶接等が好適に利用できる。
このように仕切り部材50をハウジング本体10に溶接によって固定した場合には、これら仕切り部材50とハウジング本体10との間の隙間が溶接部14によって埋め込まれることになり、これによって当該隙間が封止されることになる。したがって、このように構成することにより、当該部分における気密性の確保が可能になる。
図14は、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法を説明するための模式図である。次に、この図14と前述の図5とを参照して、本実施の形態に係るガス発生器の製造方法について説明する。なお、図14は、図5に示す工程ST5が終了した後の状態を示す図である。
本実施の形態に係るガス発生器の製造方法は、上述した実施の形態1に係るガス発生器の製造方法と同様の工程を経るものであるが、仕切り部材50をハウジング本体10に固定する工程(すなわち工程ST5)における具体的な処理のみが相違している。
より詳細には、図14に示すように、工程ST5においては、仕切り部材50が、押し込み治具100の挿入によって第2開放端10a2側に向けて押し込まれた後の位置(すなわち、図7において示す位置)においてハウジング本体10に対して固定されるが、当該固定には、溶接が用いられる。すなわち、工程ST5においては、ハウジング本体10の仕切り部材50が内挿された部分において、たとえば電子ビーム溶接やレーザ溶接、抵抗溶接等が行なわれることにより、ハウジング本体10の周方向に沿って延びる溶接部14が形成される。これにより、仕切り部材50は、ハウジング本体10に対して強固に固定されることになり、ハウジング本体10に対して移動することがなくなる。
したがって、このような工程ST5を経ることにより、より強固に仕切り部材50をハウジング本体10に固定した状態が実現できるため、その後に実施される点火器組立体のハウジング本体10の第1開放端10a1に対する組付けの際に、コイルバネ70が有する弾性力によって仕切り部材50がハウジング本体10の第2開放端10a2側に向けて移動してしまうことが確実に防止できる。
そのため、結果として、ガス発生剤60の薬面位置が、設計上、配置されるべき位置に確実に配置されるようになり、作動時におけるガス出力に意図しない個体差が生じてしまうことが防止でき、結果として所望のガス出力をより安定して得ることが可能になる。
(その他の形態等)
上述した実施の形態1,2に係るガス発生器の製造方法にあっては、仕切り部材をハウジング本体に固定する工程が、仕切り部材の環状壁部の弾性復元力と仕切り部材とハウジング本体との間に介装されたOリングの弾性復元力とによって実現される場合、または、溶接によって行なわれる場合を例示して説明を行なったが、仕切り部材をハウジング本体に固定する固定方法は、これに限定されるものではない。すなわち、ハウジング本体の軸方向の任意の位置で仕切り部材をハウジング本体に固定することができる固定方法であれば、どのような方法であってもこれを採用することができる。
また、上述した実施の形態1,2に係るガス発生器の製造方法にあっては、閉塞部材をハウジング本体に組付ける工程がかしめ固定することで行なわれる場合を例示して説明を行なったが、閉塞部材をハウジング本体に固定する固定方法は、これに限定されるものではない。すなわち、ハウジング本体の軸方向の任意の位置で閉塞部材をハウジング本体に固定することができる固定方法であれば、どのような方法であってもこれを採用することができ、たとえば溶接、ピン留め、ねじ留め等が利用できる。
ここで、上述した実施の形態1,2に係るガス発生器の製造方法にあっては、閉塞部材をハウジング本体にかしめ固定する際に、ハウジング本体の所定部位が縮径させられることで閉塞部材の側壁部にも変形が生じて当該側壁部に環状凹部が形成され、これによってハウジング本体の縮径させられた部分と閉塞部材に形成された環状凹部とが係合することにより、閉塞部材30がハウジング本体10に対してかしめ固定されるように構成した場合を例示して説明を行なったが、予め閉塞部材の側壁部に環状凹部を設けておくこととし、当該環状凹部に対応する部分のハウジング本体が径方向内側に向けて縮径させられて当該環状凹部に係合することにより、閉塞部材30がハウジング本体10に対してかしめ固定されるように構成してもよい。
また、上述した実施の形態1,2に係るガス発生器の製造方法にあっては、ホルダをハウジング本体に組付ける工程がかしめ固定することで行なわれる場合を例示して説明を行なったが、ホルダをハウジング本体に固定する固定方法は、これに限定されるものではない。
また、上述した実施の形態1,2に係るガス発生器の製造方法に従って製造されたシリンダ型ガス発生器は、点火器の作動に依らずに自動発火するオートイグニッション剤を具備しないものであったが、これを具備するように構成してもよい。当該オートイグニッション剤は、ガス発生剤よりも低い温度で自然発火するものであり、シリンダ型ガス発生器が組み込まれたエアバッグ装置が装備された車両等において万が一火災等が発生した場合に、シリンダ型ガス発生器が外部から加熱されることによって異常動作が誘発されないようにするためのものである。このオートイグニッション剤をシリンダ型ガス発生器に設ける場合には、たとえば当該オートイグニッション剤を燃焼室内の空間であってかつ仕切り部材に当接するように配置すればよい。
さらには、上述した実施の形態1,2においては、本発明をサイドエアバッグ装置に組み込まれるシリンダ型ガス発生器に適用した場合を例示して説明を行なったが、本発明の適用対象はこれに限られるものではなく、カーテンエアバッグ装置やニーエアバッグ装置、シートクッションエアバッグ装置等に組み込まれるシリンダ型ガス発生器や、シリンダ型ガス発生器と同様に長尺状の外形を有するいわゆるT字型ガス発生器にもその適用が可能である。
このように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A,1A’,1A”,1B シリンダ型ガス発生器、10 ハウジング本体、10a1 第1開放端、10a2 第2開放端、10b1 第1空間、10b2 第2空間、11 ガス噴出口、12,13 かしめ部、14 溶接部、20 ホルダ、21 貫通部、22 環状凹部、23 かしめ部、24 シール部材、30 閉塞部材、31 閉塞部、32 側壁部、33 環状凹部、40 点火器、41 点火部、42 端子ピン、43 燃焼制御カバー、50 仕切り部材、51 隔壁部、51a スコア、52 環状壁部、53 Oリング、60 ガス発生剤、70 コイルバネ、71 バネ部、72 押圧部、80 フィルタ、81 中空部、100 押し込み治具、S1 燃焼室、S2 フィルタ室。

Claims (7)

  1. 軸方向の一端に第1開放端が設けられるとともに、軸方向の他端に第2開放端が設けられた長尺筒状のハウジング本体を準備する工程と、
    前記ハウジング本体の内部の空間を軸方向にフィルタ室と燃焼室とに仕切るための仕切り部材を前記ハウジング本体に挿入する工程と、
    前記仕切り部材によって仕切られた前記ハウジング本体の内部の空間のうち、前記第1開放端側に位置する空間である第1空間に、前記第1開放端を介して予め定められた量のガス発生剤を充填する工程と、
    前記第1開放端を介して押し込み治具を予め定められた長さだけ前記第1空間に挿入することにより、前記押し込み治具によって前記ガス発生剤を前記仕切り部材側に向けて押し込むとともに、押し込まれた前記ガス発生剤によってさらに前記仕切り部材が前記第2開放端側に向けて押し込まれるようにする工程と、
    前記押し込み治具の挿入によって前記第2開放端側に向けて押し込まれた後の位置において、前記仕切り部材を前記ハウジング本体に固定する工程と、
    前記第1開放端を介して前記第1空間に弾性部材を挿入するとともに、前記第1開放端に点火器を保持したホルダを組付けることにより、前記ホルダによって前記弾性部材を前記ガス発生剤側に向けて押圧し、これにより前記ガス発生剤を前記仕切り部材側に向けて前記弾性部材によって弾性付勢することで固定しつつ、前記第1開放端を閉塞する工程と、
    前記仕切り部材によって仕切られた前記ハウジング本体の内部の空間のうち、前記第2開放端側に位置する空間である第2空間に、前記第2開放端を介してフィルタを挿入するとともに、前記第2開放端に閉塞部材を組付けることにより、前記フィルタを前記仕切り部材と前記閉塞部材とによって挟み込んで固定しつつ、前記第2開放端を閉塞する工程とを備えた、ガス発生器の製造方法。
  2. 前記仕切り部材を前記ハウジング本体に挿入する工程が、軽圧入によって行なわれる、請求項1に記載のガス発生器の製造方法。
  3. 前記仕切り部材を前記ハウジング本体に固定する工程が、前記ハウジング本体の軸方向の任意の位置で前記仕切り部材を前記ハウジング本体に固定することができる固定方法によって行なわれる、請求項1または2に記載のガス発生器の製造方法。
  4. 前記仕切り部材を前記ハウジング本体に固定する工程が、前記仕切り部材と前記ハウジング本体との間に介装されたOリングの弾性復元力によって実現される、請求項3に記載のガス発生器の製造方法。
  5. 前記第2開放端を閉塞する工程が、前記ハウジング本体の軸方向の任意の位置で前記閉塞部材を前記ハウジング本体に固定することができる固定方法によって行なわれる、請求項1から4のいずれかに記載のガス発生器の製造方法。
  6. 前記第2開放端を閉塞する工程が、前記閉塞部材を前記ハウジング本体にかしめ固定することで行なわれる、請求項5に記載のガス発生器の製造方法。
  7. 前記第1開放端を閉塞する工程が、前記ホルダを前記ハウジング本体にかしめ固定することで行なわれる、請求項1から6のいずれかに記載のガス発生器の製造方法。
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