JP6324099B2 - ガス発生器 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等に装備される乗員保護装置としてのエアバッグ装置に組み込まれるガス発生器に関し、より特定的には、長尺状の外形を有するガス発生器に関する。
従来、自動車等の乗員の保護の観点から、乗員保護装置であるエアバッグ装置が普及している。エアバッグ装置は、車両等衝突時に生じる衝撃から乗員を保護する目的で装備されるものであり、車両等衝突時に瞬時にエアバッグを膨張および展開させることにより、展開されたエアバッグで乗員の体を受け止めるものである。ガス発生器は、このエアバッグ装置に組み込まれ、車両等衝突時に瞬時にガスを発生させてエアバッグを膨張および展開させる機器である。
ガス発生器には、車両等に対する設置位置や出力等の仕様に基づき、種々の構成のものが存在している。その一つに、シリンダ型ガス発生器と称されるものが存在する。一般に、シリンダ型ガス発生器は、その外形が長尺円柱状であり、サイドエアバッグ装置や助手席側エアバッグ装置、カーテンエアバッグ装置、ニーエアバッグ装置、シートクッションエアバッグ装置等に好適に組み込まれる。
上述したシリンダ型ガス発生器の具体的な構造が開示された文献としては、たとえば特開2010−260387号公報(特許文献1)や特開2011−143777号公報(特許文献2)等がある。なお、長尺状の外形を有するガス発生器としては、このシリンダ型ガス発生器の他にも、いわゆるT字型ガス発生器と呼ばれるもの等が存在している。
特開2010−260387号公報 特開2011−143777号公報
ガス発生器においては、点火器の作動時においてガス発生剤を安定的に燃焼させることが重要である。ここで、ガス発生剤を安定的に燃焼させるためには、ガス発生剤を所定の高圧環境にて燃焼させることが必要であるため、ガス発生器においては、ハウジングに設けられるガス噴出口の大きさを所定の大きさに絞ることにより、点火器の作動時においてハウジングの内部の圧力が相当程度の圧力にまで高まるようにその設計がなされている。
一方、ガス発生器が組み込まれたエアバッグ装置が装備された車両等において火災が発生した場合等には、ガス発生器が外部から加熱されることにより、ガス発生器の内部の温度が数百度程度にまで昇温されてしまうケースがある。その場合において、ガス発生剤や伝火薬の温度がその自然発火温度に達してしまうと、異常動作が誘発されることとなる。
当該異常動作が誘発された場合には、ガス発生器自体が既に外部からの加熱によって高温の状態にあるため、ガス発生剤の燃焼によりハウジングの内部の圧力が上述した点火器の作動時において必要になる圧力よりもはるかに高い圧力にまで上昇してしまうことになり、これによりハウジングに破断が生じてしまうことが懸念される。ハウジングにこのような破断が生じた場合には、ハウジングの破片や内部構成部品が周囲に飛散してしまうことになる。
そのため、通常のガス発生器においては、ガス発生剤や伝火薬よりも低い温度で自然発火するオートイグニッション剤と呼ばれる薬剤をハウジングの内部に装填しておき、ガス発生器が外部から加熱された場合にも、比較的低温のうちにオートイグニッション剤が発火することでガス発生剤を燃焼させ、これによりいわゆるオートイグニッション動作を発現させてハウジングの内部の圧力が破壊圧にまで達しないように調整することが行なわれている。
一方で、たとえばオートイグニッション剤を具備しないシリンダ型ガス発生器においてハウジングの内部の圧力が異常に高くなってしまった場合等、上述した異常動作が誘発された場合には、ハウジングの筒状部に軸方向に沿って延びるように亀裂が発生し、当該亀裂がハウジングの周方向に沿って広がるように開口することで筒状部が裂けるかたちでハウジングが破断する場合が多い。当該亀裂が発生する起点となる箇所は、筒状部のうちの最も機械的強度が弱い部分であると考えられるが、当該部分がどこに位置しているかを予め把握することは困難であり、ハウジングが破断した場合の破片や内部構成部品の飛散方向を制御することは、事実上できなかった。
したがって、本発明は、何らかの理由によってハウジングの内部の圧力が異常に高くなった場合においても、その動作を安定的に制御することが可能なガス発生器を提供することを目的とする。
本発明に基づくガス発生器は、ガス発生剤が燃焼することによってガスが発生する燃焼室を内部に含み、発生したガスを外部に向けて噴出するためのガス噴出口が設けられた長尺円柱状の外形を有するハウジングと、上記ガス発生剤を燃焼させるための点火器とを備えている。上記ハウジングは、当該ハウジングの軸方向に沿って延びる筒状部と、当該ハウジングの軸方向の一端および他端を閉塞する一対の閉塞部とを有しており、上記筒状部は、相対的に厚みの厚い非脆弱部と、相対的に厚みの薄い脆弱部とを含んでいる。上記脆弱部は、上記燃焼室を規定する部分の上記筒状部に上記ハウジングの周方向に沿って線状に延びる溝部が設けられることにより、当該溝部が設けられた部分の上記筒状部によって構成されている。上記脆弱部は、上記点火器が作動することで上記ガス発生剤が燃焼する通常動作状態における上記燃焼室の圧力によっても当該脆弱部を起点として上記筒状部に破断が生じることがない厚みに設定されているとともに、上記ガス発生剤が自然発火温度に達した場合に上記点火器が作動することなく上記ガス発生剤が燃焼する異常動作状態における上記燃焼室の圧力によって当該脆弱部を起点として上記筒状部に破断が生じる厚みに設定されている。
ここで、燃焼室とは、ガス発生剤が収容された空間を含み、当該空間から圧力隔壁を介して隔てられていない空間のすべてを含むものとする。なお、圧力隔壁とは、ガス発生器の作動時において、当該圧力隔壁を構成する壁部によって隔てられた2つの空間のそれぞれの圧力に十分な圧力差が生じた状態を維持可能なものを意味し、これら2つの空間が連通するように当該壁部に孔が設けられているか否かを問わないものとする。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記溝部が、上記筒状部の外周面に設けられていることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記ハウジングの軸方向の所定の長さにわたって、上記脆弱部が、その厚みが一定の大きさとなるように形成された部分を含んでいることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記ハウジングの周方向と直交する断面における上記溝部の形状が、台形状または四角形状であることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記ハウジングの周方向と直交する断面における上記溝部の形状が、三角形状であってもよい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記溝部が、上記筒状部を周回するように設けられていることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記溝部が、上記ハウジングの周方向に沿って相互に離間して複数設けられていてもよい。
本発明によれば、何らかの理由によってハウジングの内部の圧力が異常に高くなった場合においても、その動作を安定的に制御することが可能なガス発生器とすることができる。
本発明の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器の側面図および底面図である。 本発明の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器の模式断面図である。 本発明の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器の要部拡大断面図である。 本発明の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器が具備されたサイドエアバッグ装置を自動車に装備する場合の設置位置の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器をサイドエアバッグ装置に組み込む場合の組付構造の一例を示す概略図である。 第1変形例に係るシリンダ型ガス発生器の要部断面図である。 第2変形例に係るシリンダ型ガス発生器の要部断面図である。 本発明の実施の形態2におけるシリンダ型ガス発生器の要部拡大断面図である。 本発明の実施の形態3におけるシリンダ型ガス発生器の要部拡大断面図である。 検証試験における比較例および実施例1ないし11の試験条件および試験結果を示した表である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、サイドエアバッグ装置に組み込まれるシリンダ型ガス発生器に本発明を適用した場合を例示するものである。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器の外観構造を示す図であり、図1(A)は正面図、図1(B)は右側面図である。図2は、図1に示すシリンダ型ガス発生器の内部構造を示す図であり、図2(A)は、図1(A)および図1(B)に示すIIA−IIA線に沿った模式断面図、図2(B)は、図1(A)に示すIIB−IIB線に沿った模式断面図である。また、図3は、図2(A)に示した領域IIIの拡大断面図である。まず、これら図1ないし図3を参照して、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aの外観構造および内部構造について説明する。
図1および図2に示すように、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aは、長尺円柱状の外形を有しており、軸方向の両端が閉塞されたハウジング10を有している。ハウジング10は、筒状部11aおよび閉塞部11bを有する軸方向の片側が閉塞された有底円筒状のハウジング本体11と、ハウジング本体11の軸方向と同方向に沿って延びる貫通部18を有する筒状のホルダ15とを含んでいる。ホルダ15は、その外周面の所定位置に後述するかしめ固定のための溝状の受け部16を有しており、当該受け部16は、ホルダ15の外周面に周方向に沿って延びるように環状に形成されている。
ホルダ15は、ハウジング本体11の開口端を閉塞するようにハウジング本体11に固定されている。具体的には、ハウジング本体11の開口端にホルダ15の一部が内挿された状態で、当該ホルダ15の外周面に設けられた受け部16に対応する部分のハウジング本体11の筒状部11aを径方向内側に向けて縮径させて当該受け部16に係合させることにより、ホルダ15がハウジング本体11に対してかしめ固定されている。これにより、ハウジング10の軸方向の一端が、ホルダ15によって構成されることになり、ハウジング10の軸方向の他端が、ハウジング本体11の閉塞部11bによって構成されることになる。
当該かしめ固定は、ハウジング本体11の筒状部11aを径方向内側に向けて略均等に縮径される八方かしめと呼ばれるかしめ固定である。この八方かしめを行なうことにより、ハウジング本体11の筒状部11aには、かしめ部13が設けられることになり、当該かしめ部13が受け部16に密着することになる。これにより、ハウジング本体11とホルダ15との間に生じる隙間が気密に封止されることになり、ハウジング10の内部の空間が密閉される。
ハウジング本体11は、ステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材にて構成されていてもよいし、SPCEに代表される圧延鋼板をプレス加工することで有底円筒状に成形された金属製のプレス成形品、またはSTKMに代表される電縫管の軸方向端部の一方をクロージング処理して有底円筒状に成形された金属製の成形品にて構成されていてもよい。特に、ハウジング本体11を圧延鋼板のプレス成形品や電縫管の成形品で構成した場合には、ステンレス鋼や鉄鋼等の金属製の部材を用いた場合に比べて安価にかつ容易にハウジング本体11を形成することができるとともに、大幅な軽量化が可能になる。一方、ホルダ15は、ステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材にて構成されている。
なお、図1ないし図3に示すように、ハウジング本体11の筒状部11aの所定位置には、所定形状の溝部14が設けられることにより脆弱部11a1が形成されているが、その詳細については、後述することとする。
図2に示すように、ハウジング本体11およびホルダ15によって構成されるハウジング10の内部の空間には、仕切り部材70が配置されている。この仕切り部材70は、ハウジング10の内部の空間を軸方向に燃焼室40Aとフィルタ室40Bとに仕切るものである。燃焼室40Aは、ハウジング10の軸方向の略中央部に位置しており、内部に後述するカップ状部材30、伝火薬35、コイルバネ38、密閉容器50、ガス発生剤54、クッション材55および区画部材60が収容されている。フィルタ室40Bは、ハウジング10の軸方向の他端側(すなわち、ハウジング本体11の閉塞部11b側)に位置しており、内部に後述するフィルタ80が収容されている。
ハウジング10の軸方向の一端(すなわち、ホルダ15寄りの部分)には、点火器(スクイブ)20および伝火薬(エンハンサ)35が配置されている。点火器20および伝火薬35は、ガス発生剤54を燃焼させるための火炎を発生させるためのものであり、このうちの伝火薬35は、カップ状部材30に収容されている。
点火器20は、ホルダ15の貫通部18に内挿されてかしめ固定されている。より詳細には、ホルダ15は、ハウジング10の内部の空間に面する側の端部にかしめ部19aを有しており、点火器20が貫通部18に内挿されてホルダ15に当て留めされた状態で当該かしめ部19aをかしめることにより、点火器20がホルダ15に挟持されて点火器20がホルダ15に固定されている。
点火器20は、火炎を発生させるためのものであり、基部21と、点火部22と、端子ピン23とを含んでいる。基部21は、一対の端子ピン23が挿通されることでこれを保持するための部位であり、点火部22に隣接して設けられている。点火部22は、その内部に作動時において着火する点火薬と、この点火薬を燃焼させるための抵抗体とを含んでいる。端子ピン23は、点火薬を着火させるために点火部22に接続されている。
より詳細には、点火器20においては、基部21によって保持された一対の端子ピン23が点火部22内に挿入され、その先端を連結するように抵抗体(ブリッジワイヤ)が取付けられ、この抵抗体を取り囲むようにまたはこの抵抗体に接するように点火部22内に点火薬が充填されている。抵抗体としては、一般にニクロム線やプラチナおよびタングステンを含む合金製の抵抗線等が利用され、点火薬としては、一般にZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム)、ZWPP(ジルコニウム・タングステン・過塩素酸カリウム)、鉛トリシネート等が利用される。また、点火部22を囲うスクイブカップは、一般に金属製またはプラスチック製である。
衝突を検知した際には、端子ピン23を介して抵抗体に所定量の電流が流れる。抵抗体に所定量の電流が流れることにより、抵抗体においてジュール熱が発生し、この熱を受けて点火薬が燃焼を開始する。燃焼により生じた高温の火炎は、点火薬を収納しているスクイブカップを破裂させる。抵抗体に電流が流れてから点火器20が作動するまでの時間は、抵抗体にニクロム線を利用した場合には3ミリ秒以下である。
点火器20とホルダ15との間には、シール部材25が介装されている。シール部材25は、点火器20とホルダ15との間に生じる隙間を気密に封止することによってハウジング10の内部の空間を密閉するためのものであり、点火器20をホルダ15にかしめ固定する際に上記隙間に挿入される。シール部材25としては、十分な耐熱性および耐久性を有する材料からなるものを利用することが好ましく、たとえばEPDM製のOリング等を利用することが好適である。なお、別途、シール部材25が介装される部分に液状のシール剤を塗布しておけば、さらにハウジング10の内部の空間の密閉性を高めることができる。
上述したように、伝火薬35は、カップ状部材30に収容されている。カップ状部材30は、有底筒状の形状を有しており、点火器20の点火部22を覆うように配置されている。カップ状部材30は、頂壁部31、側壁部32およびフランジ部33を有しており、その内部に伝火薬35が収容された伝火室34を含んでいる。
カップ状部材30は、ホルダ15にかしめ固定されている。より具体的には、ホルダ15は、ハウジング10の内部の空間に面する側の端部にかしめ部19bを有しており、当該かしめ部19bによってカップ状部材30のフランジ部33がかしめられることにより、フランジ部33が挟持されてカップ状部材30がホルダ15に固定されている。
カップ状部材30は、頂壁部31および側壁部32のいずれにも開口を有しておらず、カップ状部材30がホルダ15に固定された状態において、その内部に設けられた伝火室34を完全に密閉している。このカップ状部材30は、点火器20が作動することによって伝火薬35が着火された場合に伝火室34内の圧力上昇や発生した熱の伝導に伴って破裂または溶融するものである。カップ状部材30の材質としては、銅やアルミニウム、銅合金、アルミニウム合金等の金属薄板(箔)をプレス加工等することで成形された金属部材や、射出成形やシート成形等を行なうことで形成された樹脂部材等が利用できる。
伝火薬35は、点火器20が作動することによって生じた火炎によって点火され、燃焼することによって熱粒子を発生する。伝火薬35としては、ガス発生剤54を確実に燃焼開始させることができるものであることが必要であり、一般的には、B/KNO、B/NaNO、Sr(NO等に代表される金属粉/酸化剤からなる組成物など、ガス発生剤54よりも燃焼速度が速くかつ高発熱性の組成物が用いられる。
伝火薬35は、粉状のものや、バインダによって所定の形状に成形されたもの等が利用される。バインダによって成形された伝火薬の形状としては、たとえば顆粒状、円柱状、シート状、球状、単孔円筒状、多孔円筒状、タブレット状など種々の形状がある。なお、バインダとしては、好適にはヒドロタルサイト類、ニトロセルロース等が使用できるが、特にこれらに限定されるものではない。
なお、カップ状部材30の側壁部32とハウジング本体11の筒状部11aとの間には、コイルバネ38が配置されている。当該コイルバネ38は、密閉容器50、仕切り部材70およびフィルタ80をハウジング10の内部において軸方向に固定するための部材であり、同時にこれら構成部品の軸方向長さのばらつきを吸収するための部材でもある。そのため、コイルバネ38は、密閉容器50とホルダ15とによってハウジング10の軸方向において挟み込まれて固定されている。なお、コイルバネ38に代えて、たとえばセラミックスファイバの成形体や発泡シリコーン等からなるクッション材を利用することとしてもよい。
ハウジング10の内部の空間のうち、カップ状部材30が配置された空間に隣接する空間には、密閉容器50が配置されている。密閉容器50は、有底筒状のカップ部51と、当該カップ部51の開口を閉塞するキャップ部52とを含んでおり、ハウジング本体11の筒状部11aに内挿されている。密閉容器50においては、カップ部51とキャップ部52とが組み合わされて接合されることにより、密閉容器50の内部に形成される収容空間53が当該密閉容器50の外部から気密に封止されている。
カップ部51およびキャップ部52としては、銅やアルミニウム、銅合金、アルミニウム合金等の金属薄板(箔)をプレス加工等することで成形された金属部材や、射出成形やシート成形等を行なうことで形成された樹脂部材等が利用できる。また、カップ部51とキャップ部52との接合には、ろう付けや接着、巻き締め(かしめ)等が好適に用いられる。当該接合の際にシール剤を使用すれば、気密性をさらに高めることもできる。
密閉容器50の収容空間53には、ガス発生剤54と、クッション材55と、区画部材60とが収容されている。より詳細には、密閉容器50のカップ状部材30が位置する側の密閉容器50の端部部分には、クッション材55が配置されており、当該クッション材55が配置された部分を除く部分に、ガス発生剤54および区画部材60が配置されている。
区画部材60は、内部に中空部65を有する一端が閉塞された有底筒状の部材にて構成されており、フランジ部61と、円筒状部62と、底部63とを有している。区画部材60は、密閉容器50内の収容空間53をガス発生剤54およびクッション材55が収容された空間と上述した中空部65とに区画するためのものである。区画部材60は、たとえばステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材にて構成されている。
フランジ部61は、密閉容器50の仕切り部材70側の端部に配置されており、フランジ部61の仕切り部材70側の主面は、密閉容器50の仕切り部材70側の軸方向端部51aに当接している。円筒状部62は、ハウジング10の軸方向に沿って内径および外径が一定とされた直管状に延びる円筒形状を有しており、フランジ部61の内周縁から連続して延び、密閉容器50の仕切り部材70側の端部から収容空間53の内部に向けて突出して位置している。底部63は、円筒状部62から連続して延び、円筒状部62の点火器20側の端部を閉塞している。なお、底部63は、密閉容器50の点火器20側の端部から所定の距離をもって離間して配置されており、点火器20側に向かうにつれてその外形が徐々に小さくなる先細り形状を有している。
ガス発生剤54は、区画部材60によって区画された空間のうち、上述した中空部65を除く空間であってかつクッション材55が位置しない空間に収容されている。すなわち、ガス発生剤54は、区画部材60の円筒状部62および底部63を径方向に取り巻く空間と、ハウジング10の軸方向に沿って区画部材60とクッション材55との間に位置する空間とに充填されている。
ガス発生剤54は、点火器20によって点火された伝火薬35が燃焼することによって生じた熱粒子によって着火され、燃焼することによってガスを発生させるものである。ガス発生剤54の各々は、一般に燃料と酸化剤と添加剤とを含む成形体として形成される。燃料としては、たとえばトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体等またはこれらの組み合わせが利用される。具体的には、たとえばニトログアニジンや硝酸グアニジン、シアノグアニジン、5−アミノテトラゾール等が好適に利用される。また、酸化剤としては、たとえば塩基性硝酸銅等の塩基性硝酸塩や、過塩素酸アンモニウムや過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アンモニアから選ばれたカチオンを含む硝酸塩等が利用される。硝酸塩としては、たとえば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が好適に利用される。また、添加剤としては、バインダやスラグ形成剤、燃焼調整剤等が挙げられる。バインダとしては、たとえばヒドロキシプロピレンメチルセルロース等のセルロース誘導体や、カルボキシメチルセルロースの金属塩、ステアリン酸塩等の有機バインダや、合成ヒドロキシタルサイト、酸性白土等の無機バインダが好適に利用可能である。スラグ形成剤としては窒化珪素、シリカ、酸性白土等が好適に利用可能である。また、燃焼調整剤としては、金属酸化物、フェロシリコン、活性炭、グラファイト等が好適に利用可能である。
ガス発生剤54の成形体の形状としては、顆粒状、ペレット状、円柱状、ディスク状など様々な形状のものが挙げられる。また、有孔状(たとえば単孔筒形状や多孔筒形状等)の成形体も利用可能である。これらの形状は、シリンダ型ガス発生器1Aが組み込まれるエアバッグ装置の仕様に応じて適宜選択されることが好ましく、たとえばガス発生剤54の燃焼時においてガスの生成速度が時間的に変化する形状を選択するなど、仕様に応じた最適な形状を選択することが好ましい。また、ガス発生剤54の形状の他にもガス発生剤54の線燃焼速度、圧力指数などを考慮に入れて成形体のサイズや充填量を適宜選択することが好ましい。
なお、ガス発生剤54としては、燃料としてグアニジン系化合物を含み、酸化剤として塩基性硝酸銅を含むものを利用することが特に好適である。このグアニジン系化合物と塩基性硝酸銅とを含むガス発生剤を利用することとすれば、アジ化化合物のような毒性の問題が生じることもなく、また燃焼温度がスラグの融点よりも低くなってスラグを固形物として効果的にフィルタ80にて捕捉することができることになる。
区画部材60の円筒状部62には、第1連通孔64が周方向および軸方向に沿って複数個設けられている。第1連通孔64は、ガス発生剤54が収容された空間と区画部材60の中空部65とを連通させるための孔であり、ガス発生剤54よりも小径の孔にて構成されている。なお、第1連通孔64は、区画部材60の底部63には設けられていないことが好ましい。これは、当該底部63に第1連通孔64が存在すると、主として、シリンダ型ガス発生器1Aの動作時においてその孔が閉塞されてしまい、性能にばらつきが生じ易くなってしまうためである。
クッション材55は、成形体からなるガス発生剤54が振動等によって破砕されることを防止するための破砕防止部材であり、好適にはセラミックスファイバの成形体や発泡シリコーン等が利用される。このクッション材55は、作動時において伝火薬35の燃焼によって開口または分断し、場合によっては焼失する。
上述したように、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、密閉容器50にガス発生剤54を封入した構成であるため、予めガス発生剤54を密閉容器50に封入しておくことにより、シリンダ型ガス発生器1Aの組立作業が容易化するのみならず、ハウジング10に別途気密処理を施すことも不要になり、部品点数の削減と構成の簡素化が可能になる。また、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、ガス発生剤54に加え、区画部材60およびクッション材55を密閉容器50に予め封入した構成であるため、シリンダ型ガス発生器1Aの組立作業がさらに容易化する効果も得られる。
仕切り部材70は、上述したように、ハウジング10の内部の空間を軸方向に燃焼室40Aとフィルタ室40Bとに仕切っている。仕切り部材70は、ハウジング10の内部の空間において上述した密閉容器50に接するように配置されており、環状板部71と、筒状突出部72と、第2連通孔73とを有している。
環状板部71は、密閉容器50に接してハウジング10の軸線と直交するように配置されている。筒状突出部72は、環状板部71の内周縁から連続して延び、上述した密閉容器50から遠ざかる方向に向けて突出して位置している。第2連通孔73は、筒状突出部72によって規定され、区画部材60の中空部65とフィルタ室40Bとを連通するための孔である。ここで、筒状突出部72は、環状板部71から遠ざかるにつれてその内径が拡径する形状を有しており、その外周面がフィルタ80に接触している。
仕切り部材70は、フィルタ80の燃焼室40A側の端部に取付けられており、フィルタ80と上述した密閉容器50とによって挟み込まれることでハウジング10の内部において支持されている。仕切り部材70は、圧力隔壁として機能するものであり、たとえばステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の板状部材をプレス加工等することによって形成される。
ここで、仕切り部材70は、ハウジング10の筒状部11aに対して嵌合または遊嵌されており、ハウジング10の筒状部11aには、当該仕切り部材70を固定するためのかしめ加工は施されていない。ここで、嵌合とは、いわゆる圧入固定を含むものであり、仕切り部材70の環状板部71の外周端が筒状部11aの内周面に接触した状態で取付けられた状態を言う。また、遊嵌とは、仕切り部材70の環状板部71の外周端と筒状部11aの内周面とが全周にわたって必ずしも接触しておらず、多少の隙間(あそび)をもって内挿された状態を言う。なお、組立ての容易化の観点からは、仕切り部材70をハウジング10の筒状部11aに対して遊嵌することが好ましい。
このように仕切り部材70を嵌合または遊嵌させただけの構成とした場合にも、上述したように筒状突出部72が環状板部71から遠ざかるにつれてその内径が拡径する形状を有していることにより、シリンダ型ガス発生器1Aの作動時において傾斜面にて構成された筒状突出部72がガスの推力を受けて外側に広がるように変形することにより、当該推力が筒状突出部72およびフィルタ80を介してハウジング10の筒状部11aにブレーキ力として作用することになるため、仕切り部材70が圧力隔壁として十分に機能することになる。なお、仕切り部材70の筒状突出部72は、環状板部71から遠ざかるにつれてその内径が縮径する形状に構成されていてもよい。
フィルタ室40Bには、上述したようにフィルタ80が配置されている。フィルタ室40Bは、仕切り部材70を介して燃焼室40Aに隣接して設けられており、燃焼室40Aよりもハウジング10の他端側(すなわち、ハウジング本体11の閉塞部11b側)に位置している。
フィルタ80は、ハウジング10の軸方向と同方向に沿って延び、その軸方向端面に達する中空連通部81を有する円筒状の部材からなり、その軸方向の燃焼室40A側の端面が仕切り部材70に当接しており、他方の端面がハウジング本体11の閉塞部11bに当接している。また、フィルタ80の外周面は、ハウジング本体11の筒状部11aの内周面に当接している。このような円筒状の部材からなるフィルタ80を利用すれば、作動時においてフィルタ室40Bを流動するガスの流動抵抗が低く抑えられ、効率的なガスの流動が実現可能となる。
フィルタ80は、たとえばステンレス鋼や鉄鋼等の金属線材を巻き回して焼結したものや、金属線材を編み込んだ網材をプレス加工することによって押し固めたもの、あるいは孔あき金属板を巻き回したもの等が利用される。ここで、網材としては、具体的にはメリヤス編みの金網や平織りの金網、クリンプ織りの金属線材の集合体等が利用される。また、孔あき金属板としては、たとえば、金属板に千鳥状に切れ目を入れるとともにこれを押し広げて孔を形成して網目状に加工したエキスパンドメタルや、金属板に孔を穿つとともにその際に孔の周縁に生じるバリを潰すことでこれを平坦化したフックメタル等が利用される。この場合において、形成される孔の大きさや形状は、必要に応じて適宜変更が可能であり、同一金属板上において異なる大きさや形状の孔が含まれていてもよい。なお、金属板としては、たとえば鋼板(マイルドスチール)やステンレス鋼板が好適に利用でき、またアルミニウム、銅、チタン、ニッケルまたはこれらの合金等の非鉄金属板を利用することもできる。
このように金属線材や網材を円筒状に巻き回して焼結したり押し固めたりすることで形成されたフィルタや、エキスパンドメタルおよびフックメタル等にて構成されたフィルタは、その内部に空隙が含まれることになり、上述したガスの流動を可能にする。フィルタ80は、燃焼室40Aにて生成されたガスがこのフィルタ80中を通過する際に、当該ガスが有する高温の熱を奪い取ることによってこれを冷却する冷却手段として機能するとともに、当該ガス中に含まれる残渣(スラグ)等を除去する除去手段としても機能する。
フィルタ室40Bを規定する部分のハウジング本体11の筒状部11aには、ガス噴出口12が設けられている。このガス噴出口12は、シリンダ型ガス発生器1Aの内部において生成されたガスを外部に放出するための孔であり、ハウジング本体11の筒状部11aの周方向および軸方向に沿って複数個設けられている。
なお、シリンダ型ガス発生器1Aのホルダ15が配置された側の端部には、雌型コネクタ(不図示)が取付けられる。より詳細には、ホルダ15に設けられた凹部17にシリンダ型ガス発生器1Aとは別途設けられる衝突検知センサからの信号を伝達するハーネスの雄型コネクタが接続される雌型コネクタが取付けられる。雌型コネクタには、必要に応じてショーティングクリップ(不図示)が取付けられる。このショーティングクリップは、シリンダ型ガス発生器1Aの搬送時等において静電放電等によってシリンダ型ガス発生器1Aが誤動作することを防止するために取付けられるものであり、エアバッグ装置への組付け段階においてハーネスの雄型コネクタが雌型コネクタに挿し込まれることによってその端子ピン23への接触が解除されるものである。
図4は、上述した本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器が具備されたサイドエアバッグ装置を自動車に装備する場合の設置位置の一例を示す概略図である。また、図5は、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器をサイドエアバッグ装置に組み込む場合の組付構造の一例を示す概略図である。次に、これら図4および図5を参照して、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aが具備されたサイドエアバッグ装置100を自動車に装備する場合の設置位置の一例および本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aをサイドエアバッグ装置100に組み込む場合の組付構造の一例について説明する。なお、図4においては、エアバッグ110が展開した状態を示しており、図5(B)は、図5(A)中に示すVB−VB線に沿った概略断面図である。
図4に示すように、サイドエアバッグ装置100は、たとえばステアリングホイール300が設けられた運転席のシート200に設けられる。シート200は、ヘッドレスト210と、背もたれ部220と、腰掛け部230とを含んでおり、サイドエアバッグ装置100は、このうちの背もたれ部220の側部に組み込まれる。ここで、サイドエアバッグ装置100が設けられる背もたれ部220の側部は、車両のドア側の部位である。
サイドエアバッグ装置100は、エアバッグ110と、リテーナ120(図5参照)と、上述したシリンダ型ガス発生器1Aとを主として備えている。エアバッグ110は、シリンダ型ガス発生器1Aから噴出されたガスが導入されて展開する袋状の部材であり、自動車が側突した場合において、シート200に着座した乗員Pと車両のドア側の側壁との間において展開することにより、乗員Pを側突の衝撃から保護するものである。
図5に示すように、シリンダ型ガス発生器1Aは、シート200の背もたれ部220の内部に埋設されたシートフレーム221の側面にリテーナ120を介して取付けられている。リテーナ120は、上端および下端に開口が設けられた板金製の筒状部材からなり、このリテーナ120の中空部内にシリンダ型ガス発生器1Aが収容されている。シリンダ型ガス発生器1Aは、リテーナ120によって保持されており、リテーナ120は、その重ね合わせ部121においてボルト125およびナット126によってシートフレーム221に固定されている。なお、上述したエアバッグ110は、その一部がリテーナ120とシートフレーム221との間に介装されることでこれらによって挟持されており、エアバッグ110の残る部分によって、シリンダ型ガス発生器1Aおよびリテーナ120が覆われている。
リテーナ120の所定位置には、板金製の筒状部材の周壁の所定部位を切り欠くことによってカバー部122と、かしめ部123と、噴出窓124とが形成されている。このうち、カバー部122は、シリンダ型ガス発生器1Aのハウジング本体11の筒状部11aを覆う部位であり、当該筒状部11aと距離をもって位置している。かしめ部123は、当該筒状部11aを周方向の4点において保持して固定する部位であり、当該4点において筒状部11aに接触している。また、噴出窓124は、シリンダ型ガス発生器1Aに設けられたガス噴出口12から噴出されたガスをエアバッグ110の内部に放出するための部位であり、当該ガス噴出口12に対応した位置に設けられている。
かしめ部123は、その周方向の所定位置に一対の突出部123aと一対の当接部123bとを有している。一対の突出部123aおよび一対の当接部123bは、シリンダ型ガス発生器1Aの筒状部11aを取り囲むように位置しており、これら一対の突出部123aおよび一対の当接部123bによって筒状部11aが挟み込まれて保持されることにより、シリンダ型ガス発生器1Aがリテーナ120に固定されている。なお、一対の突出部123aは、シリンダ型ガス発生器1Aがリテーナ120に組付けられる前に予めリテーナ120に形成された部位であり、一対の当接部123bは、かしめ部123の所定部位がシリンダ型ガス発生器1A側に向けてかしめられることで形成された部位である。
なお、かしめ部123は、シリンダ型ガス発生器1Aのハウジング本体11の筒状部11aに設けられた溝部14(すなわち脆弱部11a1)よりもガス噴出口12が位置する側にのみ設けられていることが好ましく、当該溝部14よりもホルダ15側に位置する部分の筒状部11aは、リテーナ120によって直接固定されていないことが好ましい。
次に、以上において説明したシリンダ型ガス発生器1Aの作動時における動作について図2,図4および図5を参照して説明する。
本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aが組み込まれたエアバッグ装置が装備された自動車が衝突した場合には、別途設けられた衝突検知手段によって衝突が検知され、これに基づいて点火器20が作動する。点火器20が作動すると、点火薬の燃焼によって点火部22内の圧力が上昇し、これによって点火部22が破裂し、火炎が点火部22の外部へと流出する。
伝火室34に収容された伝火薬35は、点火器20が作動することによって生じた火炎によって点火されて燃焼し、多量の熱粒子を発生させる。発生した多量の熱粒子は、カップ状部材30を溶融または破裂させ、さらに密閉容器50のキャップ部52を溶融または破裂させ、その後クッション材55を開口または分断し、ガス発生剤54が収容された空間へと流入する。
ガス発生剤54が収容された空間へと流入した熱粒子は、点火器20が位置する側から順次ガス発生剤54を着火して燃焼させ、多量のガスを発生させる。このようにして発生したガスは、区画部材60に設けられた第1連通孔64を通過して区画部材60の中空部65に流入し、その先に位置する密閉容器50のカップ部51の軸方向端部51aを破裂させ、仕切り部材70に設けられた第2連通孔73を経由してフィルタ室40Bへと流入する。
フィルタ室40Bに流れ込んだガスは、フィルタ80の中空連通部81内を経由してフィルタ80へと進入し、当該フィルタ80中を通過することで所定の温度にまで冷却されてガス噴出口12からシリンダ型ガス発生器1Aの外部へと噴出される。ガス噴出口12から噴出されたガスは、エアバッグ110の内部に導かれてエアバッグ110を膨張および展開させる。
ここで、上述したように、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにあっては、ハウジング本体11の筒状部11aの所定位置に溝部14が設けられることによって脆弱部11a1が形成されている。以下、この溝部14および脆弱部11a1について、図1ないし図3を参照してより詳細に説明する。
図1ないし図3に示すように、ハウジング本体11の筒状部11aのうち、燃焼室40Aを規定する部分の所定位置には、ハウジング10の周方向に沿って線状に延びる溝部14が設けられている。当該溝部14は、筒状部11aの外周面に設けられており、その延在方向において途切れずに周回するように形成されている。当該溝部14は、ハウジング10の周方向と直交する断面におけるその形状が台形状となるように構成されている。なお、当該溝部14は、ハウジング本体11を製作する際にプレス加工を施すことで形成されてもよいし、切削加工を施すことで形成されてもよい。
溝部14は、圧力容器であるハウジング10の一部に脆弱部11a1を形成するために設けられたものであり、溝部14によって形成された脆弱部11a1は、その周囲に位置するハウジング本体11の筒状部11aの非脆弱部よりも薄く構成されている。上述したように、溝部14の断面形状が台形状であるため、脆弱部11a1は、ハウジング10の軸方向の所定の長さにわたって、その厚みが一定の大きさになるように形成された部分を含んでいる。
これにより、何らかの理由によってハウジングの内部の圧力が異常に高くなった場合においても、当該脆弱部11a1を起点として意図的にハウジング本体11に破断を生じさせることができるため、シリンダ型ガス発生器1Aの挙動を制御することが可能になる。
ここで、図3に示すように、脆弱部11a1の厚みT2は、上述した非脆弱部の厚みT1よりも小さく、点火器20が作動することでガス発生剤54が燃焼するシリンダ型ガス発生器1Aの通常の動作状態においてガス発生剤54を安定的に燃焼させるために必要となる圧力が当該脆弱部11a1に加わった場合においても、これが破断することがない厚みであって、かつ、この通常の動作状態よりも燃焼室40Aの圧力が高圧になった場合に、その圧力が所定の値となった時点で当該脆弱部11a1が起点となってハウジング本体11が破断する厚みに設定される。これにより、シリンダ型ガス発生器1Aの通常の動作時においては、ハウジング10が破断することが防止でき、その動作が保証できることになる。
また、ハウジングの内部の圧力が異常に高くなった場合における燃焼室40Aの圧力の上昇の上限値は、脆弱部11a1の厚みや大きさ、形状等によって決定されるため、溝部14の形状および大きさ等を変更することでこれを所望の値に規定することができる。すなわち、上述したように溝部14の断面形状が台形状となるように構成する場合には、その開放部の幅W1や底部の幅W2、深さDを変更することで上記上限値を所望の値に設定することができる。なお、非脆弱部の厚みT1にもよるが、後述する検証試験の結果からも明らかなように、実仕様条件を考慮した場合には、溝部14の深さDは、0.7[mm]以上0.9[mm]以下とされることが好ましく、底部の幅W2は、0.5[mm]以上1.0[mm]以下とされることが好ましい。
以上のように構成することにより、ハウジングの内部の圧力が異常に高くなった場合においては、上述した脆弱部11a1が設けられた部分においてハウジング本体11に周方向に沿って亀裂が発生し、これによってハウジング本体11が軸方向において二分割されるように破断することになる。そのため、図5において示した組付構造を採用しつつ、図4に示すようにシリンダ型ガス発生器1Aの軸方向の延長線上に乗員Pが位置することがないようにサイドエアバッグ装置100をシート200に装備することにより、図4および図5中に示す矢印AR方向に向けて高温高圧のガスが噴出するとともに、破断後に細かい破片が四方に飛散することが抑制できる。
したがって、ハウジング10が破断することでハウジング10の破片や内部構成部品が乗員側に向けて飛来することが抑制できる。
以上において説明したように、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aとすることにより、何らかの理由によってハウジングの内部の圧力が異常に高くなった場合においても、その動作を安定的に制御することが可能なシリンダ型ガス発生器とすることができる。
なお、本実施の形態においては、脆弱部11a1が形成された位置をクッション材55が配置された部分に対応する部分の筒状部11aとした場合を例示して説明を行なったが、脆弱部11a1が設けられる位置はこれに限定されず、燃焼室40Aを規定する部分の筒状部11aであれば、どの位置に形成されていてもよい。
図6および図7は、上述した本実施の形態に基づいた第1変形例および第2変形例に係るシリンダ型ガス発生器の要部断面図である。次に、これら図6および図7を参照して、本実施の形態に基づいた第1変形例および第2変形例に係るシリンダ型ガス発生器1B,1Cについて説明する。
図6および図7に示すように、第1変形例および第2変形例に係るシリンダ型ガス発生器1B,1Cは、上述した本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aと比較した場合に、ハウジング本体11の筒状部11aに設けられた溝部14の形成位置の構成において相違している。すなわち、図6に示す第1変形例に係るシリンダ型ガス発生器1Bにあっては、溝部14がハウジング10の周方向の1箇所において途切れた構成を有しており、図7に示す第2変形例に係るシリンダ型ガス発生器1Cにあっては、溝部14がハウジング10の周方向の複数箇所において途切れることで溝部14が相互に離間した構成を有している。
これら構成を採用した場合にも、当該溝部14が途切れた部分が十分に小さく構成された場合には、上述した本実施の形態において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2におけるシリンダ型ガス発生器の要部拡大断面図である。以下、この図8を参照して、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Dについて説明する。
図8に示すように、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Dは、上述した実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器1Aと比較した場合に、ハウジング本体11の筒状部11aに設けられた溝部14の形状が相違している。具体的には、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Dにあっては、溝部14が、ハウジング10の周方向と直交する断面におけるその形状が四角形状となるように構成されている。これにより、脆弱部11a1は、ハウジング10の軸方向の所定の長さにわたって、その厚みが一定の大きさになるように形成された部分を含んでいる。
ここで、脆弱部11a1の厚みT2は、上述した非脆弱部の厚みT1よりも小さく、点火器20が作動することでガス発生剤54が燃焼するシリンダ型ガス発生器1Dの通常の動作状態においてガス発生剤54を安定的に燃焼させるために必要となる圧力が当該脆弱部11a1に加わった場合においても、これが破断することがない厚みであって、かつ、この通常の動作状態よりも燃焼室40Aの圧力が高圧になった場合に、その圧力が所定の値となった時点で当該脆弱部11a1が起点となってハウジング本体11が破断する厚みに設定される。これにより、シリンダ型ガス発生器1Dの通常の動作時においては、ハウジング10が破断することが防止でき、その動作が保証できることになる。
また、ハウジングの内部の圧力が異常に高くなった場合における燃焼室40Aの圧力の上昇の上限値は、脆弱部11a1の厚みや大きさ、形状等によって決定されるため、溝部14の形状および大きさ等を変更することでこれを所望の値に規定することができる。すなわち、上述したように溝部14の断面形状が四角形状となるように構成する場合には、その開放部の幅W1(当該幅W1は、本実施の形態においては底部の幅W2と同じになる)や深さDを変更することで上記上限値を所望の値に設定することができる。
以上において説明した本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Dとした場合にも、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3におけるシリンダ型ガス発生器の要部拡大断面図である。以下、この図9を参照して、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Eについて説明する。
図9に示すように、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Eは、上述した実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器1Aと比較した場合に、ハウジング本体11の筒状部11aに設けられた溝部14の形状が相違している。具体的には、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Eにあっては、溝部14が、ハウジング10の周方向と直交する断面におけるその形状が三角形状となるように構成されている。
ここで、脆弱部11a1の厚みT2は、上述した非脆弱部の厚みT1よりも小さく、点火器20が作動することでガス発生剤54が燃焼するシリンダ型ガス発生器1Eの通常の動作状態においてガス発生剤54を安定的に燃焼させるために必要となる圧力が当該脆弱部11a1に加わった場合においても、これが破断することがない厚みであって、かつ、この通常の動作状態よりも燃焼室40Aの圧力が高圧になった場合に、その圧力が所定の値となった時点で当該脆弱部11a1が起点となってハウジング本体11が破断する厚みに設定される。これにより、シリンダ型ガス発生器1Eの通常の動作時においては、ハウジング10が破断することが防止でき、その動作が保証できることになる。
また、ハウジングの内部の圧力が異常に高くなった場合における燃焼室40Aの圧力の上昇の上限値は、脆弱部11a1の厚みや大きさ、形状等によって決定されるため、溝部14の形状および大きさ等を変更することでこれを所望の値に規定することができる。すなわち、上述したように溝部14の断面形状が三角形状となるように構成する場合には、その開放部の幅W1や深さDを変更することで上記上限値を所望の値に設定することができる。
以上において説明した本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Eとした場合にも、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
以下、本発明の効果を検証するために行なった検証試験について説明する。図10は、検証試験における比較例および実施例1ないし11の試験条件および試験結果を示した表である。
検証試験においては、実施例1ないし6として、本発明が適用された上述の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器1Aに具備されるハウジングの構成に準じたものを6種類、5サンプルずつ製作し、実施例7ないし9として、本発明が適用された上述の実施の形態2におけるシリンダ型ガス発生器1Dに具備されるハウジングの構成に準じたものを3種類、5サンプルずつ製作し、本発明が適用された上述の実施の形態3におけるシリンダ型ガス発生器1Eに具備されるハウジングの構成に準じたものを2種類、5サンプルずつ製作し、比較例として、本発明が適用されていないシリンダ型ガス発生器に具備されるハウジングを1種類、5サンプルずつ製作し、これらすべてのサンプルをハイドロバースト試験機にかけることにより、その破壊圧(すなわち、破断強度)を測定した。なお、これら実施例1ないし11および比較例1に係るサンプルの全体としての形状および寸法は、いずれも共通に設定した。
実施例1ないし6に係るサンプルは、上述の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいて、ハウジング本体11に設けられた断面視台形状の溝部14の深さD、開放部の幅W1、底部のW2および脆弱部11a1の厚みT2(図3参照)をそれぞれ異ならせたものであり、その詳細については、図10に示す通りである。なお、非脆弱部の厚みT1はいずれも同一とした。
実施例7ないし9に係るサンプルは、上述の実施の形態2におけるシリンダ型ガス発生器1Dにおいて、ハウジング本体11に設けられた断面視四角形状の溝部14の深さD、開放部の幅W1(当該幅W1は、底部の幅W2と同じである)および脆弱部11a1の厚みT2(図8参照)をそれぞれ異ならせたものであり、その詳細については、図10に示す通りである。なお、非脆弱部の厚みT1はいずれも同一とした。
実施例10および11に係るサンプルは、上述の実施の形態3におけるシリンダ型ガス発生器1Eにおいて、ハウジング本体11に設けられた断面視三角形状の溝部14の深さD、開放部の幅W1および脆弱部11a1の厚みT2(図9参照)をそれぞれ異ならせたものであり、その詳細については、図10に示す通りである。なお、非脆弱部の厚みT1はいずれも同一とした。
比較例に係るサンプルは、上述の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器1Aに具備されるハウジング10に比較して、ハウジング本体11に溝部14が設けられておらず、そのため脆弱部11a1を一切有していないものである。
図10に示すように、これら比較例1および実施例1ないし11に係るサンプルをハイドロバースト試験機にかけたところ、比較例に係るサンプルにおいては、いずれもハウジングの筒状部に軸方向に亀裂が発生し、当該亀裂がハウジングの周方向に沿って広がるように開口することにより、その破片が四方に飛散するように破壊することが確認された一方、実施例1ないし11に係るサンプルにおいては、いずれも脆弱部が形成された位置を起点にハウジングの筒状部に周方向に亀裂が発生し、ハウジングが軸方向において二分割されるように破断することにより、その破片がハウジングの軸方向に飛散するように破壊することが確認された。
また、実施例1ないし6に係るサンプル間、実施例7ないし9に係るサンプル間および実施例10および11に係るサンプル間でそれぞれ比較した場合に、溝部の体積が増加することに伴い、破断強度が徐々に低下することも確認された。
さらには、図10においては記載していないものの、実施例3に係るサンプル間、実施例8に係るサンプル間および実施例10に係るサンプル間でそれぞれ破断強度のばらつきを確認したところ、破断強度のばらつきσ[MPa]が、それぞれ0.3[MPa]、0.3[MPa]、1.0[MPa]の範囲に抑制されていることも確認された。
以上の結果に基づけば、上述した本発明の実施の形態の如くのシリンダ型ガス発生器とすることにより、何らかの理由によってハウジングの内部の圧力が異常に高くなった場合においても、その動作を安定的に制御することが可能になることが実験的にも確認されたと言える。
上述した本発明の実施の形態1ないし3およびその変形例においては、ハウジング本体の筒状部の外周面に所定の形状の溝部を設けることで脆弱部を形成した場合を例示したが、ハウジング本体の筒状部の内周面に所定の形状の溝部を設けることで脆弱部を形成してもよいし、ハウジング本体の筒状部の外周面および内周面の対応する位置にそれぞれ所定の形状の溝部を設けることで脆弱部を形成してよい。
また、上述した本発明の実施の形態1ないし3およびその変形例においては、ハウジング本体の筒状部上においてハウジングの軸方向に対して直交して延びるように線状の溝部が設けられることで脆弱部が形成された場合を例示したが、ハウジング本体の筒状部上においてハウジングの軸方向に対して少なくとも交差して延びるように線状の溝部が設けられることで脆弱部が形成されていればよく、たとえば螺旋状に溝部が設けられることで脆弱部が形成されていてもよい。
また、上述した本発明の実施の形態1ないし3およびその変形例においては、シリンダ型ガス発生器に外部の部材に固定するための固定機構を特に設けず、リテーナを用いてこれを外部の部材に固定するように構成した場合を例示したが、シリンダ型ガス発生器に外部の部材に固定するための固定機構を設けることとしてもよい。その場合の構成としては、たとえばハウジング本体にボルト部を立設することでこれを固定機構とし、当該ボルト部を外部の部材にナット等によって固定する構造が例示される。
また、上述した本発明の実施の形態1ないし3およびその変形例においては、ガス発生剤、クッション材および区画部材が密閉容器に収容されてなるシリンダ型ガス発生器を例示して説明を行なったが、必ずしもこのように構成されている必要はなく、密閉容器を用いず、これら部材をハウジングに直接収容させた構成としてもよい。ただし、その場合には、ガス発生剤が吸湿することを防止するための気密処理が、ハウジングの所定部位に別途施されていることが必要である。
また、上述した本発明の実施の形態1ないし3およびその変形例においては、ガス発生剤の燃焼を促進させるために伝火薬が装填されてなるシリンダ型ガス発生器を例示して説明を行なったが、当該伝火薬は必ずしも必須の構成ではなく、燃焼開始のためのガス発生剤の感度を向上させること等によって伝火薬の装填を不要とすることも可能である。
また、上述した本発明の実施の形態1ないし3およびその変形例においては、ハウジング本体とホルダとをかしめ固定することで連結してなるシリンダ型ガス発生器を例示して説明を行なったが、ハウジング本体とホルダとの固定に溶接等を利用することも当然に可能である。
加えて、上述した本発明の実施の形態1ないし3およびその変形例においては、本発明をサイドエアバッグ装置に組み込まれるシリンダ型ガス発生器に適用した場合を例示して説明を行なったが、本発明の適用対象はこれに限られるものではなく、助手席用エアバッグ装置やカーテンエアバッグ装置、ニーエアバッグ装置、シートクッションエアバッグ装置等に組み込まれるシリンダ型ガス発生器や、シリンダ型ガス発生器と同様に長尺状の外形を有するいわゆるT字型ガス発生器にもその適用が可能である。
さらに、本発明は、オートイグニッション剤が具備されていないガス発生器およびオートイグニッション剤が具備されているガス発生器のいずれにもその適用が可能である。ここで、オートイグニッション剤が具備されていないガス発生器に本発明を適用した場合には、その適用による安全性の確保が実現できることになり、オートイグニッション剤が具備されているガス発生器に本発明を適用した場合には、その適用による安全性の確保とオートイグニッション剤を具備していることによる安全性の確保との二重の意味において安全性の確保が実現できることになる。
ここで、オートイグニッション剤を具備しているガス発生器に本発明を適用する場合においては、ハウジングの内部の圧力の異常な上昇によってハウジングに上述した脆弱部を起点とした破断が発生するハウジングの破断圧を、オートイグニッション動作時におけるハウジングの内部の最大圧力よりもさらに高く設定することが好ましい。このように構成することにより、上述した二重の意味での安全性の確保が実現可能になる。なお、オートイグニッション剤としては、公知の種々の組成のものが利用できるが、伝火薬にこれを含める場合には、たとえば硼素/5-アミノテトラゾール、硝酸カリウム、三酸化モリブデンからなる組成物を用いることができる。また、ガス発生剤にオートイグニッション剤を含めることとしてもよいし、オートイグニッション剤のみを独立してハウジングの内部に収容することとしてもよい。
このように、今回開示した上記実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A〜1E ガス発生器、10 ハウジング、11 ハウジング本体、11a 筒状部、11a1 脆弱部、11b 閉塞部、12 ガス噴出口、13 かしめ部、14 溝部、15 ホルダ、16 受け部、17 凹部、18 貫通部、19a,19b かしめ部、20 点火器、21 基部、22 点火部、23 端子ピン、25 シール部材、30 カップ状部材、31 頂壁部、32 周壁部、33 フランジ部、34 伝火室、35 伝火薬、38 コイルバネ、40 燃焼室、50 密閉容器、51 カップ部、51a 軸方向端部、52 キャップ部、53 ガス発生剤収容空間、54 ガス発生剤、55 クッション材、60 区画部材、61 フランジ部、62 円筒状部、63 底部、64 第1連通孔、65 中空部、70 仕切り部材、71 環状板部、72 筒状突出部、73 第2連通孔、80 フィルタ、81 中空部、100 エアバッグ装置、110 エアバッグ、120 リテーナ、121 重ね合わせ部、122 カバー部、123 固定部、123a,123b 当接部、124 噴出窓、125 ボルト、126 ナット、200 シート、210 ヘッドレスト、220 背もたれ部、221 シートフレーム、230 腰かけ部、300 ステアリングホイール。

Claims (7)

  1. ガス発生剤が燃焼することによってガスが発生する燃焼室を内部に含み、発生したガスを外部に向けて噴出するためのガス噴出口が設けられた長尺円柱状の外形を有するハウジングと、
    前記ガス発生剤を燃焼させるための点火器とを備え、
    前記ハウジングは、当該ハウジングの軸方向に沿って延びる筒状部と、当該ハウジングの軸方向の一端および他端を閉塞する一対の閉塞部とを有し、
    前記筒状部は、相対的に厚みの厚い非脆弱部と、相対的に厚みの薄い脆弱部とを含み、
    前記脆弱部は、前記燃焼室を規定する部分の前記筒状部に前記ハウジングの周方向に沿って線状に延びる溝部が設けられることにより、当該溝部が設けられた部分の前記筒状部によって構成され、
    前記脆弱部が、前記点火器が作動することで前記ガス発生剤が燃焼する通常動作状態における前記燃焼室の圧力によっても当該脆弱部を起点として前記筒状部に破断が生じることがない厚みに設定されているとともに、前記ガス発生剤が自然発火温度に達した場合に前記点火器が作動することなく前記ガス発生剤が燃焼する異常動作状態における前記燃焼室の圧力によって当該脆弱部を起点として前記筒状部に破断が生じる厚みに設定されている、ガス発生器。
  2. 前記溝部が、前記筒状部の外周面に設けられている、請求項1に記載のガス発生器。
  3. 前記ハウジングの軸方向の所定の長さにわたって、前記脆弱部が、その厚みが一定の大きさとなるように形成された部分を含んでいる、請求項1または2に記載のガス発生器。
  4. 前記ハウジングの周方向と直交する断面における前記溝部の形状が、台形状または四角形状である、請求項3に記載のガス発生器。
  5. 前記ハウジングの周方向と直交する断面における前記溝部の形状が、三角形状である、請求項1または2に記載のガス発生器。
  6. 前記溝部が、前記筒状部を周回するように設けられている、請求項1から5のいずれかに記載のガス発生器。
  7. 前記溝部が、前記ハウジングの周方向に沿って相互に離間して複数設けられている、請求項1から5のいずれかに記載のガス発生器。
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