以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、サイドエアバッグ装置に組み込まれるシリンダ型ガス発生器に本発明を適用した場合を例示するものである。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器の概略図である。図2および図3は、それぞれ図1に示すシリンダ型ガス発生器の点火器近傍の拡大断面図およびガス噴出口近傍の拡大断面図である。また、図4は、図1に示すシリンダ型ガス発生器の構成およびガス通路室におけるガスの流れを示す模式図である。まず、これら図1ないし図4を参照して、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aの構成について説明する。
図1ないし図3に示すように、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aは、長尺円柱状の外形を有しており、軸方向に位置する一端部および他端部が閉塞されたハウジングを有している。このハウジングの内部に設けられた空間には、内部構成部品としての点火器28、仕切り部材30A、カップ状部材40A、内筒部材50A、ガス発生剤70、クッション部材71およびフィルタ90等が配置されている。
また、ハウジングの内部に設けられた空間は、上述したカップ状部材40Aおよび内筒部材50Aによって複数の空間に分けられており、当該複数の空間には、ガス発生剤70が主として収容された燃焼室S1と、燃焼室S1にて発生したガスをハウジングの外部に向けて排出するガス排出室S3と、これら燃焼室S1とガス排出室S3とを繋ぐガス通路室S2とが含まれている。なお、本実施の形態においては、ハウジングの内部の空間のうちのガス排出室S3に該当する空間が、上述した仕切り部材30Aによってさらに第1空間S3Aと第2空間S3Bとに分けられている。
ハウジングは、周壁部11および閉塞部12を有する軸方向の片側が閉塞された有底長尺円筒状のハウジング本体10と、ハウジング本体10の軸方向と同方向に沿って延びる貫通部21を有する筒状のホルダ20とによって構成されている。ホルダ20は、その外周面の所定位置に後述するかしめ固定のための環状溝部23を有しており、当該環状溝部23は、ホルダ20の外周面に周方向に沿って延びるように形成されている。
ホルダ20は、ハウジング本体10の開口端を閉塞するようにハウジング本体10に固定されている。具体的には、ハウジング本体10の開口端にホルダ20が内挿された状態で、当該ホルダ20の外周面に設けられた環状溝部23に対応する部分のハウジング本体10の周壁部11を径方向内側に向けて縮径させて当該環状溝部23に係合させることにより、ホルダ20がハウジング本体10に対してかしめ固定されている。これにより、ハウジングの軸方向の一端部が、ホルダ20によって構成されることになり、ハウジングの軸方向の他端部が、ハウジング本体10の閉塞部12によって構成されることになる。
当該かしめ固定は、ハウジング本体10の周壁部11を径方向内側に向けて略均等に縮径される八方かしめと呼ばれるかしめ固定である。この八方かしめを行なうことにより、ハウジング本体10の周壁部11には、かしめ部14が設けられることになり、当該かしめ部14が環状溝部23に密着することになる。これにより、ハウジング本体10とホルダ20との間に隙間が生じることが防止されている。
ハウジング本体10は、ステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材にて構成されていてもよいし、SPCEに代表される圧延鋼板をプレス加工することで有底円筒状に成形された金属製のプレス成形品、またはSTKMに代表される電縫管の軸方向端部の一方をクロージング処理して有底円筒状に成形された金属製の成形品にて構成されていてもよい。特に、ハウジング本体10を圧延鋼板のプレス成形品や電縫管の成形品で構成した場合には、ステンレス鋼や鉄鋼等の金属製の部材を用いた場合に比べて安価にかつ容易にハウジング本体10を形成することができるとともに、大幅な軽量化が可能になる。一方、ホルダ20は、ステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材にて構成されている。
図1および図2に示すように、点火器28は、ホルダ20によって支持されることでハウジングの軸方向の上述した一端部に組付けられている。点火器28は、ガス発生剤70を燃焼させるためのものであり、ハウジングの内部の空間に面するように設置されている。より詳細には、ホルダ20は、点火器28をかしめ固定するためのかしめ部22をハウジングの内部の空間に面する方の軸方向端部に有しており、点火器28が貫通部21に内挿されてホルダ20の貫通部21を規定する部分の壁部に当て留めされた状態で上述したかしめ部22がかしめられることにより、点火器28がホルダ20に挟持されて固定されている。
点火器28は、点火部28aと、一対の端子ピン28bとを含んでいる。点火部28aの内部には、一対の端子ピン28bに接続するように抵抗体(ブリッジワイヤ)が取付けられており、この抵抗体を取り囲むようにまたはこの抵抗体に接するように点火部28a内に点火薬が充填されている。また、点火部28a内には、必要に応じて伝火薬が装填されていてもよい。
ここで、抵抗体としては、一般にニクロム線やプラチナおよびタングステンを含む合金製の抵抗線等が用いられ、点火薬としては、一般にZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム)、ZWPP(ジルコニウム・タングステン・過塩素酸カリウム)、鉛トリシネート等が用いられる。また、伝火薬としては、B/KNO3、B/NaNO3、Sr(NO3)2等に代表される金属粉/酸化剤からなる組成物や、水素化チタン/過塩素酸カリウムからなる組成物、B/5−アミノテトラゾール/硝酸カリウム/三酸化モリブデンからなる組成物等が用いられる。なお、点火部28aを囲うスクイブカップは、一般に金属製またはプラスチック製である。
衝突を検知した際には、端子ピン28bを介して抵抗体に所定量の電流が流れる。抵抗体に所定量の電流が流れることにより、抵抗体においてジュール熱が発生し、点火薬が燃焼を開始する。燃焼により生じた高温の火炎は、点火薬を収納しているスクイブカップを破裂させる。抵抗体に電流が流れてから点火器28が作動するまでの時間は、抵抗体にニクロム線を利用した場合には一般に2ミリ秒以下である。
ホルダ20の外周面には、上述した環状溝部23とは異なる他の環状溝部24が設けられている。環状溝部24には、Oリング等からなるシール部材26が収容されている。これにより、ホルダ20に設けられた環状溝部24内に収容されたシール部材26が、当該ホルダ20とハウジング本体10の周壁部11とによって挟み込まれることになり、当該部分における気密性が確保されることになる。
また、点火器28とホルダ20との間には、Oリング等からなるシール部材27が介装されている。シール部材27は、点火器28とホルダ20との間に隙間が生じることを防止するためのものであり、これによってハウジングの内部の空間が気密に封止されることになる。
ホルダ20の外部に露出する方の軸方向端部には、上述した貫通部21に連続して窪み部25が設けられている。窪み部25は、点火器28とコントロールユニット(不図示)とを結線するためのハーネスの雄型コネクタ(図示せず)を受け入れる雌型コネクタ部を形成しており、当該窪み部25内には、点火器28の端子ピン28bの先端寄りの部分が露出して位置している。当該雌型コネクタ部としての窪み部25には、雄型コネクタが挿し込まれ、これによりハーネスの芯線と端子ピン28bとの電気的導通が実現される。
なお、ハウジングに対する点火器28の組付構造やハウジングと点火器28との間のシール構造は、上述した組付構造やシール構造に限定されるものではなく、他の組付構造やシール構造を採用することとしても当然によい。
図1および図3に示すように、ハウジングの内部の空間の所定位置には、仕切り部材30Aが配置されている。仕切り部材30Aは、ハウジングの内部の空間を軸方向に仕切るための部材であり、略円盤状の形状を有している。より詳細には、仕切り部材30Aは、その主面がハウジングの軸方向と直交するように配置された所定の厚みを有する仕切り部31を有しており、当該仕切り部31の中央部には、軸方向に沿って貫通して延びる第3連通孔37が設けられており、当該仕切り部31の外周面には、周方向に沿って延びる環状溝部34が設けられている。仕切り部材30Aは、上述したホルダ20と同様に、たとえばステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等の金属製の部材にて構成されている。
仕切り部材30Aは、ハウジング本体10の軸方向の途中位置に配置されており、ハウジング本体10に固定されている。具体的には、ハウジング本体10に仕切り部材30Aが内挿された状態で、当該仕切り部材30Aの外周面に設けられた環状溝部34に対応する部分のハウジング本体10の周壁部11を径方向内側に向けて縮径させて当該環状溝部34に係合させることにより、仕切り部材30Aがハウジング本体10に対してかしめ固定されている。
当該かしめ固定も、上述した八方かしめと呼ばれるかしめ固定である。この八方かしめを行なうことにより、ハウジング本体10の周壁部11には、かしめ部15が設けられることになり、当該かしめ部15が環状溝部34に密着することになる。これにより、ハウジング本体10と仕切り部材30Aとの間に隙間が生じることが防止されている。
ここで、環状溝部34には、Oリング等からなるシール部材39が収容されている。これにより、仕切り部31に設けられた環状溝部34内に収容されたシール部材39が、上記かしめ固定の際に仕切り部31とハウジング本体10の周壁部11とによって挟み込まれることになり、当該部分における気密性が確保されることになる。
また、仕切り部材30Aの仕切り部31の一対の主面のうち、ハウジング本体10の閉塞部12側に位置する主面には、シールテープ38が貼付されている。当該シールテープ38は、仕切り部31に設けられた第3連通孔37を閉塞するためのものであり、このシールテープ38としては、片面に粘着部材が塗布されたアルミニウム箔等が利用される。
図1ないし図4に示すように、ハウジングの内部の空間のうち、ホルダ20と仕切り部材30Aとによって挟まれた空間には、カップ状部材40Aおよび内筒部材50Aが配置されている。カップ状部材40Aおよび内筒部材50Aは、上述したようにハウジングの内部の空間を相互に分ける部材として機能するものである。
カップ状部材40Aは、有底略円筒状の形状を有しており、円筒状の第2筒部42と、第2筒部42の軸方向の一端を閉塞する隔壁部43と、第2筒部42の軸方向の他端から外側に向かって延びるフランジ部44と、第2筒部42の所定位置に設けられた複数の第2連通孔46とを含んでいる。当該カップ状部材40Aは、その軸方向がハウジング本体10の軸方向と略平行となるように配置されており、このうちのフランジ部44が仕切り部材30Aに当接するように位置している。
一方、内筒部材50Aは、長尺円筒状の形状を有しており、円筒状の第1筒部51と、第1筒部51の一方の軸方向端部から径方向外側に向けて広がるように形成されたスカート部53と、第1筒部51の所定位置に設けられた複数の第1連通孔55とを含んでいる。当該内筒部材50Aは、その軸方向がハウジング本体10の軸方向と略平行となるように配置されており、スカート部53の外周面の一部がハウジング本体10の内周面に当接するとともに、当該スカート部53が設けられた上記一方の軸方向端部とは反対側に位置する他方の軸方向端部が上述したカップ状部材40Aの隔壁部43の外縁部に設けられた環状の段差部に嵌め込まれている。
ここで、カップ状部材40Aおよび内筒部材50Aは、それらの軸線が同一直線上に位置するように配置されており、これにより内筒部材50Aの第1筒部51とカップ状部材40Aの第2筒部42とがハウジングの軸方向に沿って連続して位置している。当該第1筒部51および第2筒部42は、ハウジング本体10と所定の距離をもって位置するように配置されており、これにより当該第1筒部51および第2筒部42によって、ハウジングの内部の空間を径方向に区画する筒状部が構成されることになる。
また、カップ状部材40Aの隔壁部43は、上述したように内筒部材50Aの他方の軸方向端部がカップ状部材40Aに嵌め込まれることにより、第1筒部51および第2筒部42からなる筒状部の内側に位置することになる。そのため、当該隔壁部43は、第1筒部51および第2筒部42からなる筒状部の内側の空間を軸方向に隔てる部位として機能することになる。
なお、上述した内筒部材50Aは、ハウジング本体10に圧入されることでハウジング本体10に固定されていることが好ましい。このように構成することにより、内筒部材50Aのみならず、上述したカップ状部材40Aについても、これを仕切り部材30Aと内筒部材50Aとによって挟み込むことによってハウジング本体10に対して固定することができる。
カップ状部材40Aおよび内筒部材50Aは、いずれもガス発生剤70が燃焼した場合にもその圧力上昇に伴って破裂することがないように、十分に高い機械的強度を有する部材にて構成されている。カップ状部材40Aおよび内筒部材50Aとしては、たとえば金属製の板状部材をプレス加工等することによって形成されたものが用いられ、好適には普通鋼や特殊鋼等の鋼板(たとえば、冷間圧延鋼板やステンレス鋼板等)からなる部材が利用される。
以上により、ハウジングの内部の空間は、仕切り部材30A、カップ状部材40Aおよび内筒部材50Aによって複数の空間に分けられることになる。具体的には、カップ状部材40Aの第2筒部42およびフランジ部44ならびに内筒部材50Aの第1筒部51およびスカート部53によって、ハウジングの内部の空間が、燃焼室S1およびガス排出室S3とガス通路室S2とに分けられることになるとともに、カップ状部材40Aの隔壁部43によって燃焼室S1とガス排出室S3とが隔てられることになる。さらには、仕切り部材30Aの仕切り部31によって、上述したガス排出室S3が、カップ状部材40A側(すなわち、ハウジングの上記一端部側)に位置する第1空間S3Aと、ハウジング本体10の閉塞部12側(すなわち、ハウジングの上記他端部側)に位置する第2空間S3Bとに仕切られることになる。
これにより、燃焼室S1は、内筒部材50Aの第1筒部51およびカップ状部材40Aの隔壁部43によって規定される空間を主として含むことになり、ガス排出室S3は、カップ状部材40Aの第2筒部42および隔壁部43によって規定される空間を主として含むことになる。また、ガス通路室S2は、内筒部材50Aの第1筒部51およびカップ状部材40Aの第2筒部42と、ハウジング本体10のうちの、これら第1筒部51および第2筒部42からなる筒状部に対向する部分である対向壁部11aとによって規定される空間を主として含むことになる。
図1ないし図3に示すように、上述した内筒部材50Aの第1筒部51およびカップ状部材40Aの隔壁部43によって規定される空間と、点火器28と内筒部材50Aとの間に位置する空間とによって構成される燃焼室S1には、ガス発生剤70が装填されており、また、当該燃焼室S1のうちの点火器28寄りの部分には、ホルダ20とガス発生剤70との間に介在するようにクッション部材71が配置されている。
ガス発生剤70は、点火器28が作動することによって生じた熱粒子によって着火されて燃焼することでガスを発生させる薬剤である。ガス発生剤70としては、非アジド系ガス発生剤を用いることが好ましく、一般に燃料と酸化剤と添加剤とを含む成形体として構成される。燃料としては、たとえばトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体等またはこれらの組み合わせが利用される。具体的には、たとえばニトログアニジンや硝酸グアニジン、シアノグアニジン、5−アミノテトラゾール等が好適に利用される。また、酸化剤としては、たとえば塩基性硝酸銅等の塩基性硝酸塩や、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アンモニアから選ばれたカチオンを含む硝酸塩等が利用される。硝酸塩としては、たとえば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が好適に利用される。また、添加剤としては、バインダやスラグ形成剤、燃焼調整剤等が挙げられる。バインダとしては、たとえばカルボキシメチルセルロースの金属塩、ステアリン酸塩等の有機バインダや、合成ヒドロキシタルサイト、酸性白土等の無機バインダが好適に利用可能である。スラグ形成剤としては、窒化珪素、シリカ、酸性白土等が好適に利用可能である。また、燃焼調整剤としては、金属酸化物、フェロシリコン、活性炭、グラファイト等が好適に利用可能である。
ガス発生剤70の成形体の形状には、顆粒状、ペレット状、円柱状等の粒状のもの、ディスク状のものなど様々な形状のものがある。また、円柱状のものでは、成形体内部に貫通孔を有する有孔状(たとえば単孔筒形状や多孔筒形状等)の成形体も利用される。これらの形状は、シリンダ型ガス発生器1Aが組み込まれるエアバッグ装置の仕様に応じて適宜選択されることが好ましく、たとえばガス発生剤70の燃焼時においてガスの生成速度が時間的に変化する形状を選択するなど、仕様に応じた最適な形状を選択することが好ましい。また、ガス発生剤70の形状の他にもガス発生剤70の線燃焼速度、圧力指数などを考慮に入れて成形体のサイズや充填量を適宜選択することが好ましい。
クッション部材71は、成形体からなるガス発生剤70が振動等によって粉砕されてしまうことを防止する目的で設けられるものであり、金属線材を曲げ加工することによって形成されたバネ部71aおよび押圧部71bを有している。バネ部71aは、その一端がホルダ20に当接するように配置されており、その他端に押圧部71bが形成されている。押圧部71bは、金属線材が所定の間隔をもって略平行または渦巻状に配置されることで構成されており、ガス発生剤70に当接している。これにより、ガス発生剤70は、クッション部材71によって隔壁部43側に向けて付勢されることになり、ハウジングの内部において移動してしまうことが防止されている。なお、上述した如くのクッション部材71に代えて、たとえばセラミックスファイバの成形体やロックウール、発泡樹脂(たとえば発泡シリコーン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン等)、クロロプレンおよびEPDMに代表されるゴム等からなるクッション材を利用することとしてもよい。
ハウジングの内部の空間のうち、仕切り部材30Aに隣接する空間であってかつ当該仕切り部材30Aとハウジング本体10の閉塞部12とによって挟まれた空間である上記第2空間S3Bには、フィルタ90が配置されている。フィルタ90は、ハウジング本体10の軸方向と同方向に延びる中空部を有する円筒状の部材からなり、その軸方向の一方の端面が閉塞部12に当接しており、その軸方向の他方の端面が仕切り部材30Aの仕切り部31に上述したシールテープ38を介して当て留めされている。
フィルタ90は、ガス発生剤70が燃焼することによって発生したガスがこのフィルタ90中を通過する際に、ガスが有する高温の熱を奪い取ることによってガスを冷却する冷却手段として機能するとともに、ガス中に含まれるスラグ(残渣)等を除去する除去手段としても機能する。上述したように円筒状の部材からなるフィルタ90を利用することにより、作動時においてガスに対する流動抵抗が低く抑えられることになり、効率的なガスの流動が実現可能になる。
フィルタ90としては、好適にはステンレス鋼や鉄鋼等からなる金属線材または金属網材の集合体にて構成されたものが利用できる。具体的には、メリヤス編みの金網や平織りの金網、クリンプ織りの金属線材の集合体、またはこれらをプレスにより押し固めたもの等が利用できる。また、これに代えて、孔あき金属板を巻き回したもの等も利用できる。この場合、孔あき金属板としては、たとえば、金属板に千鳥状に切れ目を入れるとともにこれを押し広げて孔を形成して網目状に加工したエキスパンドメタルや、金属板に孔を穿つとともにその際に孔の周縁に生じるバリを潰すことでこれを平坦化したフックメタル等が利用できる。
図1ないし図4に示すように、燃焼室S1とガス通路室S2とを区画する部分である内筒部材50Aの第1筒部51には、上述したように複数の第1連通孔55が設けられている。当該複数の第1連通孔55は、第1筒部51の周方向および軸方向に沿って並べて設けられている。複数の第1連通孔55は、燃焼室S1とガス通路室S2とを連通させるためのものであり、ガス発生剤70が燃焼することで燃焼室S1にて発生したガスを通過させ、これにより当該ガスをガス通路室S2に向けて流出させるためのものである。
また、図1、図3および図4に示すように、ガス通路室S2とガス排出室S3のうちの上記第1空間S3Aとを区画する部分であるカップ状部材40Aの第2筒部42には、上述したように複数の第2連通孔46が設けられている。当該複数の第2連通孔46は、第2筒部42の周方向に沿って並べて設けられている。複数の第2連通孔46は、ガス通路室S2とガス排出室S3とを連通させるためのものであり、ガス通路室S2に流入したガスを通過させ、これにより当該ガスをガス排出室S3のうちの上記第1空間S3Aに向けて流出させるためのものである。
さらに、図1および図3に示すように、仕切り部材30Aの仕切り部31には、上述したように第3連通孔37が設けられている。第3連通孔37は、上記第1空間S3Aと上記第2空間S3Bとを連通させるためのものであり、上記第1空間S3Aに流入したガスを通過させ、これにより当該ガスを上記第2空間S3Bに向けて流出させるためのものである。ここで、仕切り部31に設けられた第3連通孔37は、当該仕切り部31に貼付されたシールテープ38によって閉塞されている。これにより、シリンダ型ガス発生器1Aの非作動時において、燃焼室S1、ガス通路室S2および上記第1空間S3Aの気密性が確保されることになる。
一方、図1および図3に示すように、フィルタ90に対面する部分のハウジングの周壁部11には、ガス噴出口13が当該周壁部11の周方向および軸方向に沿って複数設けられている。当該複数のガス噴出口13は、ハウジングの内部の空間と外部の空間とを連通させるためのものであり、フィルタ90を通過した後のガスをハウジングの外部に導出するためのものである。
図1ないし図4に示すように、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、ハウジングの内部の空間のうち、上述したガス通路室S2に螺旋状金属線材80Aが配置されている。螺旋状金属線材80Aは、巻回軸と平行な方向において所定の巻回ピッチとなるように当該巻回軸周りに金属線材が巻回されることで構成されたものであり、たとえばコイルバネ等によって構成される。当該螺旋状金属線材80Aは、その巻回軸が第1筒部51および第2筒部42からなる筒状部の軸線と合致するように配置されることにより、ハウジング本体10の上述した対向壁部11aの内側であって第1筒部51および第2筒部42からなる筒状部の外側に介装されている。
図4に示すように、螺旋状金属線材80Aは、シリンダ型ガス発生器1Aの作動時において、ガス通路室S2が螺旋状の流路を有することとなるように当該ガス通路室S2を区画するための部材である。当該螺旋状金属線材80Aをガス通路室S2に配置により、第1筒部51に設けられた複数の第1連通孔55を通過した後のガスは、図中において矢印Gで示すようにガス通路室S2を螺旋状に移動することになる。このようにガス通路室S2を螺旋状に移動した後のガスは、第2筒部42に設けられた複数の第2連通孔46に流入することでガス通路室S2から排出されることになる。
ここで、螺旋状金属線材80Aは、シリンダ型ガス発生器1Aの非作動時において必ずしも第1筒部51および第2筒部42からなる筒状部および対向壁部11aに接触している必要はなく、いずれか一方のみに接触するように配置されていてもよいし、単にこれらの間に遊嵌されていてもよい。これは、シリンダ型ガス発生器1Aの作動時において、燃焼室S1内に装填されたガス発生剤70が燃焼を開始することに起因した燃焼室S1の内圧上昇に伴い、筒状部のうちの第1筒部51が僅かながら膨張(すなわち径方向に拡張)し、これによって自ずと膨張した第1筒部51によって螺旋状金属線材80Aが対向壁部11aとの間で挟持されることになるためである。
なお、図1ないし図4に示すように、螺旋状金属線材80Aの巻回軸方向における一対の終端部のうち、点火器28側に位置する点火器側終端部81(すなわち、ハウジングの上記一端部側に位置する終端部)は、第1筒部51を含む内筒部材50Aおよび/またはハウジング本体10に固定されていることが好ましい。これは、シリンダ型ガス発生器1Aの作動時において、燃焼室S1の内圧上昇に伴ってガス通路室S2の内圧も上昇するため、当該ガス通路室S2の内圧の上昇を受けて螺旋状金属線材80Aが仕切り部材30A側に向けて移動してしまうことを防止するためである。ここで、当該固定方法としては、たとえば溶接による固定やCリングによる固定、複数の第1連通孔55のうちの特定の孔に当該螺旋状金属線材80Aの一部を挿入することによる固定等、種々の方法が利用できる。
また、螺旋状金属線材80Aの巻回軸方向における一対の終端部のうち、ガス噴出口13側に位置するガス噴出口側終端部82(すなわち、ハウジングの上記他端部側に位置する終端部)は、カップ状部材40Aのフランジ部44に当接していることが好ましく、さらには、螺旋状金属線材80Aのガス噴出口側終端部82がフランジ部44に当接することにより、当該螺旋状金属線材80Aが巻回軸方向に沿って適度に圧縮された状態で組付けられていることが好ましい。このように構成することにより、シリンダ型ガス発生器1Aの非作動時においても螺旋状金属線材80Aがガス通路室S2の内部において移動することが防止でき、安定的に当該螺旋状金属線材80Aを組付けることができる。
次に、上述した図1ないし図4を参照して、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aの作動時における動作について説明する。
本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aが搭載された車両が衝突した場合には、車両に別途設けられた衝突検知手段によって衝突が検知され、これに基づいて車両に別途設けられたコントロールユニットからの通電によって点火器28が作動する。
燃焼室S1に装填されたガス発生剤70は、点火器28が作動することによって生じた火炎によって着火されて燃焼し、多量のガスを発生させる。これにより、燃焼室S1にて発生したガスは、内筒部材50Aの第1筒部51に設けられた複数の第1連通孔55を介してガス通路室S2へと流れ込む。その際、ガス通路室S2に流れ込んだガスは、ハウジングの径方向に沿ってハウジング本体10の周壁部11の内周面に吹き付けられることになる。
ハウジング本体10の周壁部11の内周面に吹き付けられたガスは、その後、ガス通路室S2の内部を螺旋状に移動することになり(図4参照)、その際、ガスがハウジング本体10の周壁部11および螺旋状金属線材80Aに接触することで熱が奪われて冷却されるとともに、ガス中に含まれるスラグが、当該周壁部11の内周面および当該螺旋状金属線材80Aの表面に付着することで相当程度除去される。その後、ガス通路室S2を螺旋状に移動したガスは、カップ状部材40Aに設けられた複数の第2連通孔46を介してガス排出室S3のうちの上記第1空間S3Aへと流れ込む。
上記第1空間S3Aに流れ込んだガスは、当該第1空間S3Aの内部の圧力を上昇させ、これに伴って仕切り部材30Aに設けられた第3連通孔37を閉塞しているシールテープ38が破られることになる。これにより、上記第1空間S3Aに流れ込んだガスは、その向きを変えて第3連通孔37を介してガス排出室S3のうちの上記第2空間S3Bへと流れ込む。
上記第2空間S3Bに流れ込んだガスは、ハウジングの軸方向に沿って流動してハウジング本体10の閉塞部12に吹き付けられる。その際、閉塞部12に吹き付けられたガスは、当該閉塞部12の内面に接触することで熱が奪われてさらに冷却されるとともに、当該ガス中に含まれるスラグが、当該閉塞部12の内面に付着することでさらに相当程度除去される。
閉塞部12に吹き付けられたガスは、その後、向きを代えてフィルタ90へと到達してフィルタ90中を通過する。フィルタ90をガスが通過する際には、フィルタ90によってさらに熱が奪われてガスが冷却されるとともに、当該ガス中に含まれるスラグがフィルタ90によってさらに除去される。
フィルタ90を通過した後のガスは、ハウジング本体10に設けられたガス噴出口13を介してハウジングの外部へと噴出される。噴出されたガスは、シリンダ型ガス発生器1Aに隣接して設けられたエアバッグの内部に導入され、エアバッグを膨張および展開する。
以上において説明した本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aは、ガス通路室S2に螺旋状金属線材80Aを配置することにより、当該ガス通路室S2を流動するガスの流動方向が螺旋状となるように構成されたものであるため、当該螺旋状金属線材80Aがガス通路室S2に配置されていない構成のシリンダ型ガス発生器に比べて、ガスがガス通路室S2を通過する際にハウジング本体10の周壁部11に接触する程度を適切に高めることができる。さらには、螺旋状金属線材80A自体が相当程度に熱容量を有しているため、ガス通路室S2を通過するガスを当該螺旋状金属線材80Aによっても冷却することができる。したがって、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aとすることにより、ガス通路室S2におけるガスの冷却性能を格段に高めることができ、効率的なガスの冷却が可能となる。
また、上記構成を採用することにより、ガス通路室S2におけるガスの冷却性能を格段に高めることができるばかりでなく、ハウジング本体10の周壁部11および螺旋状金属線材80Aにガスが吹き付けられることでより多くのスラグを捕集することもでき、スラグ捕集機能をより高めることもできる。
さらには、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにあっては、ハウジングの内部の空間を径方向に区画する筒状部(すなわち、第1筒部51および第2筒部42)が、別部品である内筒部材50Aおよびカップ状部材40Aのそれぞれ一部によって構成されるとともに、筒状部の内側の空間を軸方向に隔てる隔壁部43が、第2筒部42と一体化されることでカップ状部材40Aの一部によって構成されている。
そのため、上記構成を採用することにより、第2筒部42および隔壁部43を含むカップ状部材40Aと、第1筒部51を含む内筒部材50Aとの2部品のみにより、ハウジングの内部の空間が燃焼室S1とガス通路室S2とガス排出室S3とに分けられることになり、簡素な構成が実現できるとともにその組付けも容易となる。
なお、上記に代えて、第1筒部と第2筒部とを別部品にて構成するとともに、第1筒部と隔壁部とを一体化させた単一部品にて構成することも当然に可能である。
ここで、内筒部材50Aの第1筒部51に設けられた複数の第1連通孔55の総開口面積をD1とし、カップ状部材40Aの第2筒部42に設けられた複数の第2連通孔46の総開口面積をD2とし、仕切り部材30Aの仕切り部31に設けられた第3連通孔37の総開口面積D3とし、ハウジング本体10の周壁部11に設けられた複数のガス噴出口13の総開口面積をD4とした場合には、これら総開口面積D1〜D4のうち、複数の第2連通孔46の総開口面積D2が、他の総開口面積D1,D3,D4よりも小さくなるように構成されていることが好ましい。
このように構成した場合には、ハウジングおよび仕切り部材30Aに加えてカップ状部材40Aがもっぱら圧力隔壁として機能することになり、シリンダ型ガス発生器1Aの作動時におけるハウジングの内部の空間の内圧(特に燃焼室S1の内圧)を当該カップ状部材40Aによって相当程度に高圧に維持することが可能になる。そのため、ガス発生剤70の持続的な燃焼が維持できるとともに、内筒部材50Aやフィルタ90等の意図しない変形を抑制することができる。
ただし、その場合には、螺旋状金属線材80Aを組付けるに際し、当該螺旋状金属線材80Aの一部がカップ状部材40Aに設けられた複数の第2連通孔46の一部を覆うように組付けられてしまうことが避けられない。そのため、上記構成を採用する場合には、この点を考慮に含め、螺旋状金属線材80Aの線径や断面形状、巻回ピッチ等、ガス通路室S2の径方向における厚み等、ならびに、複数の第2連通孔46の口径や数、レイアウト等を最適化し、如何様に螺旋状金属線材80Aが組付けられた場合にも、上記条件が満たされるように設計することが必要である。
また、上記に代えて、複数の第1連通孔55の総開口面積D1、複数の第2連通孔46の総開口面積D2、第3連通孔37の総開口面積D3、および、複数のガス噴出口13の総開口面積D4のうち、第3連通孔37の総開口面積D3が、他の総開口面積D1,D2,D4よりも小さくなるように構成されていてもよい。
このように構成した場合には、ハウジングに加えて仕切り部材30Aがもっぱら圧力隔壁として機能することになり、シリンダ型ガス発生器1Aの作動時におけるハウジングの内部の空間の内圧(特に燃焼室S1の内圧)を当該仕切り部材30Aによって相当程度に高圧に維持することが可能になる。そのため、ガス発生剤70の持続的な燃焼が維持できるとともに、カップ状部材40Aや内筒部材50A、フィルタ90等の意図しない変形を抑制することができる。
図5は、図1に示すシリンダ型ガス発生器のガス通路室の特定部位の寸法と螺旋状金属線材の寸法との関係を示す模式断面図である。以下、この図5を参照して、ガス通路室S2の特定部位の寸法と螺旋状金属線材80Aの寸法との関係の好適な設計例について説明する。
図5に示すように、上述した本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aにおいては、ガス通路室S2のハウジングの上記他端部側に位置する軸方向端部(すなわち、第2筒部42とフランジ部44と境界部)から複数の第2連通孔46のうちの、ハウジングの上記他端部側に位置する端部までの間の距離をDとし、螺旋状金属線材80Aをガス通路室S2内においてその巻回軸方向に沿って最も圧縮した状態における軸方向長さをLとした場合に、当該距離Dと軸方向長さLとが、D>Lの関係を満たしていることが好ましい。
当該条件を満たすことにより、シリンダ型ガス発生器1Aの作動時において、何らかの理由によって万が一、ガスの推力を受けて螺旋状金属線材80Aがガス通路室S2の内部において仕切り部材30A側に向けて移動してしまった場合にも、当該螺旋状金属線材80Aによって複数の第2連通孔46が閉塞されてしまうことがなく、より安全なシリンダ型ガス発生器1Aの動作を確保することができる。
図6は、上述した本実施の形態に基づいた第1変形例に係るシリンダ型ガス発生器の構成およびガス通路室におけるガスの流れを示す模式図である。以下、この図6を参照して第1変形例に係るシリンダ型ガス発生器1A’について説明する。
図6に示すように、第1変形例に係るシリンダ型ガス発生器1A’は、上述した本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aと比較した場合に、上述した螺旋状金属線材80Aに代えて、巻回軸方向における長さが当該螺旋状金属線材80Aよりも短い螺旋状金属線材80A’を備えている点においてのみ相違している。
具体的には、螺旋状金属線材80A’は、巻回軸方向における一対の終端部のうち、ガス噴出口13側に位置するガス噴出口側終端部82が、上述した本実施の形態における螺旋状金属線材80Aとは異なり、ガス通路室S2のガス噴出口13側の軸方向端部にまで達することなくガス通路室S2の軸方向における途中位置において途切れている。より詳細には、螺旋状金属線材80A’は、ガス通路室S2のうち、複数の第1連通孔55に面する部分には介装されているものの、複数の第2連通孔46に面する部分には介装されていない。
このように構成した場合にも、螺旋状金属線材80A’が設けられた範囲内において、ガスがガス通路室S2内を螺旋状に移動することになるため、上述した本実施の形態におけるガス発生器1Aの場合と同様に効率的なガスの冷却が可能になる。
また、このように構成した場合には、上述した本実施の形態におけるガス発生器1Aとは異なり、カップ状部材40Aに設けられた複数の第2連通孔46が螺旋状金属線材80A’の一部によって覆われることがなくなる。そのため、複数の第2連通孔46の総開口面積D2を上述した他の総開口面積D1,D3,D4よりも小さく構成することでカップ状部材40Aを圧力隔壁として機能させる場合等において、その設計が比較的容易になる効果が得られる。
なお、上記効果を得るためには、作動時において螺旋状金属線材80A’がガスの推力を受けてガス通路室S2の内部において仕切り部材30A側に向けて移動することを確実に防止することが必要であり、当該観点からは、螺旋状金属線材80A’のガス噴出口側終端部82が、当該ガス噴出口終端部82が配設された位置において、第1筒部51を含む内筒部材50A、第2筒部52を含むカップ状部材40Aおよびハウジング本体10のうちの少なくともいずれかに固定されていることが好ましい。
また、本第1変形例においては、ガス通路室S2のうちの複数の第1連通孔55に面する部分のすべてに螺旋状金属線材80A’が跨るように配置された場合を例示したが、当該第1連通孔55に面する部分のうちのハウジングの軸方向における途中位置に螺旋状金属線材80A’のガス噴出口側終端部82が位置するように構成することも当然に可能である。すなわち、螺旋状金属線材80A’は、ガス通路室S2のうちの第2連通孔46に面する部分よりもハウジングの軸方向に沿った点火器28側の位置にのみ配置されてもよく、また、ガス通路室S2のうちの複数の第1連通孔55に面する部分にのみ配置されてもよく、さらには、当該複数の第1連通孔55に面する部分のうちの一部にのみ配置されてもよい。
図7は、上述した本実施の形態に基づいた第2変形例に係るシリンダ型ガス発生器の構成およびガス通路室におけるガスの流れを示す模式図である。以下、この図7を参照して、第2変形例に係るシリンダ型ガス発生器1Bについて説明する。
図7に示すように、第2変形例に係るシリンダ型ガス発生器1Bは、上述した本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aと比較した場合に、巻回ピッチが一様である螺旋状金属線材80Aに代えて、部位に応じて異なる巻回ピッチを有する螺旋状金属線材80Bを備えている点においてのみ相違している。
具体的には、螺旋状金属線材80Bは、相対的に狭い巻回ピッチP1を有する狭ピッチ部83aと、相対的に広い巻回ピッチP2を有する広ピッチ部83bとを有しており、狭ピッチ部83aが内筒部材50Aの第1筒部51の外側に位置するとともに、広ピッチ部83bがカップ状部材40Aの第2筒部42の外側に位置するように、当該螺旋状金属線材80Bが配置されている。
このように構成した場合には、広ピッチ部83bを第2筒部42の外側に配置することで、螺旋状金属線材80Bの一部によって複数の第2連通孔46の一部が覆われてしまうことによる第2連通孔46の総開口面積D2の低下を抑制しつつ、狭ピッチ部83aを第1筒部51の外側に配置することで、より高いガスの冷却性能を得ることが可能になり、より高性能のシリンダ型ガス発生器とすることができる。
図8は、上述した本実施の形態に基づいた第3変形例に係るシリンダ型ガス発生器の筒状部の構成を示す側面図および断面図である。以下、この図8を参照して、第3変形例に係るシリンダ型ガス発生器について説明する。
図8に示すように、第3変形例に係るシリンダ型ガス発生器は、上述した本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Aと比較した場合に、上述した内筒部材50Aに代えて、これとは形状が一部において異なる内筒部材50Bを備えてなるものである。なお、図8(A)においては、当該内筒部材50Bとカップ状部材40Aとが組み合わされた状態におけるこれら部材の側面を図示しており、図8(B)においては、図8(A)中に示すVIIIB−VIIIB線に沿った内筒部材50Bの断面を図示している。また、図8(C)は、本第3変形例に係るシリンダ型ガス発生器が作動した際に、図8(B)に示した内筒部材50Bの断面にどのような形状変化が生じるかを模式的に表わした断面図である。
図8(A)および図8(B)に示すように、内筒部材50Bは、略円筒状の第1筒部51と、第1筒部51の一方の軸方向端部から径方向外側に向けて広がるように形成されたスカート部53と、第1筒部51の所定位置に設けられた複数の第1連通孔55とを含んでいる。ここで、内筒部材50Bの第1筒部51およびスカート部53には、これら第1筒部51およびスカート部53に跨って延びるようにスリット57が形成されている。当該スリット57は、内筒部材50Bの軸方向における両方の軸方向端部に達するように延在しており、内筒部材50Bの周方向において1箇所のみ設けられている。
このように構成された内筒部材50Bは、スリットを有することなく円筒状に形成された内筒部材50Aに比べて、径方向においてより容易に変形することになる。したがって、図8(C)に示すように、シリンダ型ガス発生器の作動時においては、燃焼室S1内に装填されたガス発生剤70が燃焼を開始することに起因した燃焼室S1の内圧上昇に伴い、筒状部のうちの第1筒部51が大きく膨張(すなわち径方向に拡張)し、これによって膨張した第1筒部51によって確実に螺旋状金属線材80Aがハウジング本体10の対向壁部11aとの間で挟持されることになる。
したがって、上記のように構成することにより、シリンダ型ガス発生器の作動時において、ガス通路室S2を流動するガスの流動方向を螺旋状にすることがより確実に担保できることになる。
なお、上述した本実施の形態ならびにその第1変形例ないし第3変形例に係るシリンダ型ガス発生器においては、上述したように、ガス通路室S2に螺旋状金属線材を設けることでガスの冷却性能やスラグの捕集機能が格段に高まる効果が得られるものである。そのため、当該効果の程度によっては、フィルタ90を上記第2空間S3Bへ設置することを必要とせず、フィルタ90の設置自体を廃止することも可能になる。その場合には、部品点数の削減やさらなる組付け作業の容易化等が図られることになるとともに、シリンダ型ガス発生器の大幅な軽量化も図られることになる。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2におけるシリンダ型ガス発生器のガス噴出口近傍の拡大断面図である。以下、この図9を参照して、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Cについて説明する。
図9に示すように、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Cは、上述した実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器1Aと比較した場合に、形状の異なるカップ状部材40Bおよび螺旋状金属線材80Cを備えている点においてのみ相違している。
具体的には、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Cにあっては、カップ状部材40Bが、上述したフランジ部44を有しておらず、第2筒部42および隔壁部43のみからなる有底筒状の形状を有しており、また、螺旋状金属線材80Cが、その仕切り部材30A側の終端部であるガス噴出口側終端部82に有孔板状部84を有している。ここで、有孔板状部84は、螺旋状金属線材80Cの終端部が、当該螺旋状金属線材80Cの巻回軸と直交する方向に所定の間隔をもって略平行または渦巻状に配置されることにより、略板状の形状を有するように構成された部位である。
ここで、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Cにあっては、螺旋状金属線材80Cの有孔板状部84が仕切り部材30Aに当接するように配置されているとともに、カップ状部材40Bの第2筒部42の端部が有孔板状部84に当接するように配置されている。これにより、仕切り部材30Aに設けられた第3連通孔37は、螺旋状金属線材80Cの有孔板状部84によって覆われた状態とされている。
このように構成した場合にも、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果が得られることになる。また、上記構成を採用することにより、シリンダ型ガス発生器1Cの作動時において、第3連通孔37を介して上記第1空間S3Aから上記第2空間S3Bにガスが流入する際に、第3連通孔37を覆うように設けられた螺旋状金属線材80Cの有孔板状部84にガスが吹き付けられることで当該部分においてガスの冷却とスラグの捕集が行なわれることになるため、さらなるガスの冷却効率の向上とスラグ捕集機能の向上とが図られることになる。
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3におけるシリンダ型ガス発生器の概略図であり、図11は、図10に示すシリンダ型ガス発生器の点火器近傍の拡大断面図である。以下、これら図10および図11を参照して、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Dについて説明する。
図10および図11に示すように、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Dは、上述した実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器1Aと比較した場合に、ハウジングの内部の空間を燃焼室S1とガス通路室S2とガス排出室S3とに分ける部品の構成が相違している。
具体的には、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Dにあっては、上述した実施の形態1におけるシリンダ型ガス発生器1Aの仕切り部材30A、カップ状部材40Aおよび内筒部材50Aに代えて、仕切り部材30Bと内筒部材50Bとを備えている。これにより、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Dにあっては、ハウジングの内部の空間を径方向に区画することによって燃焼室S1およびガス排出室S3とガス通路室S2とを分ける筒状部が、内筒部材50Bの一部のみによって構成されており、当該筒状部の内側の空間を軸方向に隔てることによって燃焼室S1とガス排出室S3とを分ける隔壁部が、仕切り部材30Bの一部によって構成されている。
より詳細には、仕切り部材30Bは、一対の円盤状の部位である仕切り部31および隔壁部33と、これら仕切り部31および隔壁部33を接続する中実でかつ支柱状のロッド部32とを有している。仕切り部31および隔壁部33は、それらの主面がハウジングの軸方向と略直交するように配置されており、ロッド部32は、その軸方向がハウジングの軸方向と略平行となるように配置されている。
一方、内筒部材50Bは、第1筒部51および第2筒部52を含む長尺円筒状の筒状部と、当該筒状部の一方の軸方向端部に設けられたスカート部53とを有している。第1筒部51および第2筒部52を含む筒状部は、その軸方向がハウジング本体10の軸方向と略平行となるように配置されている。また、第1筒部51および第2筒部52を含む筒状部のうち、隔壁部33よりもハウジングの上記一端部側に位置する部分である第1筒部51には、第1連通孔55が周方向および軸方向に沿って複数設けられており、隔壁部33よりもハウジングの上記他端部側に位置する部分である第2筒部52には、第2連通孔56が周方向に沿って複数設けられている。
内筒部材50Bは、ハウジング本体10に固定された仕切り部材30Bに隣接するように当該仕切り部材30Bとホルダ20との間に位置しており、ハウジング本体10と仕切り部材30Bとに固定されている。具体的には、内筒部材50Bの仕切り部材30B側の端部は、仕切り部材30Bの仕切り部31に当接するように当て留めされており、内筒部材50Bのホルダ20側の端部である上記スカート部53の一部は、ハウジング本体10の周壁部11の内周面に当接するように配置されている。
ここで、仕切り部材30Bの隔壁部33は、内筒部材50Bの第1筒部51および第2筒部52を含む筒状部の内側の所定位置に配置されている。具体的には、仕切り部材30Bのロッド部32は、内筒部材50Bの当該筒状部に内挿されように仕切り部31から立設されており、これによって隔壁部33は、ロッド部32の軸方向の長さ分だけ内筒部材50Bの筒状部の内側へと入り込んで位置している。そのため、当該隔壁部33により、第1筒部51および第2筒部52を含む筒状部の内側の空間が軸方向に2つの空間に隔てられることになり、当該2つの空間のうちの仕切り部31側の空間にロッド部32が位置することになる。
なお、隔壁部33は、第1筒部51および第2筒部52を含む筒状部に圧入されていることが好ましい。このように構成することにより、隔壁部33の外周面と第1筒部51および第2筒部52を含む筒状部の内周面とが密着することになり、これらの間に隙間が生じることが防止できる。
以上により、ハウジングの内部の空間は、仕切り部材30Bおよび内筒部材50Bによって複数の空間に分けられることになる。具体的には、仕切り部材30Bの仕切り部31の外縁部ならびに内筒部材50Bの第1筒部51およびスカート部53によって、ハウジングの内部の空間が、燃焼室S1およびガス排出室S3とガス通路室S2とに分けられることになるとともに、仕切り部材30Bの隔壁部33によって燃焼室S1とガス排出室S3とが隔てられることになる。さらには、仕切り部材30Bの仕切り部31の中央部によって、上述したガス排出室S3が、内筒部材50B側(すなわち、ハウジングの上記一端部側)に位置する第1空間S3Aと、ハウジング本体10の閉塞部12側(すなわち、ハウジングの上記他端部側)に位置する第2空間S3Bとに仕切られることになる。
ここで、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Dにおいても、ハウジングの内部の空間のうち、上述したガス通路室S2に螺旋状金属線材80Aが配置されている。当該螺旋状金属線材80Aは、その巻回軸が第1筒部51および第2筒部42からなる筒状部の軸線と合致するように配置されることにより、ハウジング本体10の対向壁部11aの内側であって第1筒部51および第2筒部42からなる筒状部の外側に介装されている。なお、螺旋状金属線材80Aの巻回軸方向における一対の終端部のうち、ガス噴出口13側に位置するガス噴出口側終端部82(すなわち、ハウジングの上記他端部側に位置する終端部)は、仕切り部材30Bの仕切り部31の外縁部に当接している。
このように構成した場合にも、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果が得られることになり、ガスの冷却効率の向上とスラグ捕集機能の向上とが図られることになる。
また、上記構成を採用することにより、ハウジングの内部の空間を径方向に区画する筒状部(すなわち、第1筒部51および第2筒部52)が、一体化された単一部品である内筒部材50Bによって構成されるとともに、筒状部の内側の空間を軸方向に隔てる隔壁部33が、内筒部材50Bとは異なる仕切り部材30Bの一部によって構成されることになる。そのため、第1筒部51および第2筒部52を含む内筒部材50Bと、隔壁部33を含む仕切り部材30Bとの2部品のみにより、ハウジングの内部の空間が燃焼室S1とガス通路室S2とガス排出室S3とに分けられることになり、さらには、ガス排出室S3が、仕切り部材30Bの仕切り部31によって上記第1空間S3Aと上記第2空間S3Bとに分けられることになり、簡素な構成が実現できるとともにその組付けも容易となる。
さらには、シリンダ型ガス発生器1Dの作動時において、上記第1空間S3Aに流れ込んだガスは、当該第1空間S3Aに配置されたロッド部32に吹き付けられることになる。ここで、ロッド部32は、比較的大きい熱容量を有しているため、ロッド部32に吹き付けられたガスは、当該ロッド部32の外周面に接触することで熱が奪われてさらに冷却されるとともに、当該ガス中に含まれるスラグは、ロッド部32の外周面に付着することでさらに相当程度除去されることになる。したがって、上記構成を採用することにより、さらなるガスの冷却効率の向上とスラグ捕集機能の向上とが図られることになる。
(実施の形態4)
図12は、本発明の実施の形態4におけるシリンダ型ガス発生器のガス噴出口近傍の拡大断面図である。以下、この図12を参照して、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Eについて説明する。
図12に示すように、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Eは、上述した実施の形態3におけるシリンダ型ガス発生器1Dと比較した場合に、仕切り部材30Bに代えて隔壁部材60を備えている点と、内筒部材50Bに代えて形状の異なる内筒部材50Cを備えている点と、フィルタ90を備えていない点とにおいて主として構成が異なっている。
具体的には、本実施の形態におけるシリンダ型ガス発生器1Eにあっては、内筒部材50Cが、第1筒部51および第2筒部52を含む長尺円筒状の筒状部と、当該筒状部の一方の軸方向端部に設けられたスカート部53と、当該筒状部の他方の軸方向端部に設けられたスカート部54とを有している。当該スカート部54は、第1筒部51および第2筒部52を含む筒状部のハウジングの上述した他端部側(すなわち閉塞部12側)から径方向外側に向けて広がるように形成されている。
ここで、内筒部材50Cの閉塞部12側の端部である上記スカート部54は、ハウジング本体10に設けられたかしめ部15に当て留めされるとともに、その一部がハウジング本体10の周壁部11の内周面に当接している。これにより、内筒部材50Cは、その軸方向の両端に設けられたスカート部53,54を介してハウジング本体10の所定位置に固定されることになる。
一方、隔壁部材60は、内筒部材50Cの第1筒部51および第2筒部52を含む筒状部の内側の空間を軸方向に隔てる隔壁部63と、当該隔壁部63からハウジング本体10の閉塞部12側に向かって立設されたロッド部62とのみを有しており、上述した実施の形態に3における仕切り部材30Bが備えていた仕切り部31を有していない。そのため、当該シリンダ型ガス発生器1Eにあっては、ガス排出室S3が2つの空間には仕切られておらず、単一の空間によってのみ構成されている。
ここで、隔壁部材60の隔壁部63の外縁部には、燃焼室S1側に向かって立設した筒状の立壁部63aが設けられている。当該立壁部63aは、その外周面が内筒部材50Cの内周面に当接しており、これにより組付け時における隔壁部材60の姿勢が安定するとともに、当該隔壁部63によって隔てられる燃焼室S1とガス排出室S3との間の気密性が高められることになる。
また、隔壁部材60のロッド部62は、ハウジングの上述した他端部であるハウジング本体10の閉塞部12の内面に当接している。これにより、隔壁部材60は、ハウジング本体10と内筒部材50Cとに固定されている。
また、ガス排出室S3には、上述した実施の形態3におけるフィルタ90の如くの部材は配置されていない。その一方で、ガス排出室S3を規定するハウジング本体10の周壁部11のうち、複数のガス噴出口13が設けられた部分の内周面には、シールテープ16が貼付されている。当該シールテープ16は、ハウジング本体10に設けられた複数のガス噴出口13を閉塞するためのものであり、このシールテープ16としては、片面に粘着部材が塗布されたアルミニウム箔等が利用される。これにより、シリンダ型ガス発生器1Eの非作動時において、燃焼室S1、ガス通路室S2およびガス排出室S3の気密性が確保されることになる。
以上において説明した本実施の形態における構成は、ガス通路室S2に螺旋状金属線材80Aを配置することでガスの冷却性能やスラグの捕集機能が格段に高まり、その結果、上述した如くのフィルタ90をガス排出室S3に設置する必要がなくなった場合の構成を例示するものである。そのため、このように構成することにより、上述した実施の形態3における効果に加え、部品点数の削減やさらなる組付け作業の容易化等の効果が得られることになるとともに、シリンダ型ガス発生器の大幅な軽量化が図られる効果も得られることになる。
上述した本発明の実施の形態1ないし4およびその変形例においては、いずれも燃焼室が内筒部材よりもホルダ側に位置する空間を含むように構成した場合を例示したが、必ずしもこのように構成する必要はない。すなわち、ホルダの一部が内筒部材に内挿された状態で内筒部材が固定されていてもよく、その場合には燃焼室は、隔壁部よりもハウジングの上述した一端部側(すなわち、ホルダ側)の空間であってかつ筒状部よりも径方向内側の空間によってのみ構成されることになる。
また、上述した本発明の実施の形態1ないし4およびその変形例においては、点火器の点火部内に点火薬のみまたは点火薬と伝火薬とが装填された場合を例示して説明を行なったが、伝火薬を装填する場合にこれが点火器の点火部内に装填されている必要は必ずしもなく、点火器の点火部とガス発生剤との間の位置にたとえばカップ状の部材や容器等を用いてこれが装填されていてもよい。
また、上述した本発明の実施の形態1ないし4およびその変形例においては、ハウジング本体とホルダとを、また仕切り部材を備える場合にはこれに加えてハウジング本体と仕切り部材とを、かしめ固定することでこれらを連結した場合を例示して説明を行なったが、ハウジング本体とホルダおよび/または仕切り部との固定に溶接等を利用することも当然に可能である。
加えて、上述した本発明の実施の形態1ないし4およびその変形例においては、本発明をサイドエアバッグ装置に組み込まれるシリンダ型ガス発生器に適用した場合を例示して説明を行なったが、本発明の適用対象はこれに限られるものではなく、助手席用エアバッグ装置やカーテンエアバッグ装置、ニーエアバッグ装置、シートクッションエアバッグ装置等に組み込まれるシリンダ型ガス発生器や、シリンダ型ガス発生器と同様に長尺状の外形を有するいわゆるT字型ガス発生器にもその適用が可能である。
さらには、上述した本発明の実施の形態1ないし4およびその変形例において示した特徴的な構成は、装置構成上、許容される範囲で当然に相互にその組み合わせが可能である。たとえば、上述した本発明の実施の形態1ないし3およびその変形例において示した構成において、上述した本発明の実施の形態4の如くにフィルタを廃止することとしてもよく、その場合に、上述した本発明の実施の形態4の如くに仕切り部までをも廃止することなくこれを残置させることとしてもよい。
このように、今回開示した上記実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。