JP2005279577A - フィルムの清浄化方法 - Google Patents

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輝昭 山梨
Toshikazu Kiyohara
稔和 清原
Yasushi Fukuda
靖 福田
Takumi Omura
匠 大村
Kiyoshi Murata
潔 村田
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Abstract

【課題】連続走行しているフィルムを両面同時に高度に清浄化する。
【解決手段】以下の順序の工程による。
(a)ガイドロール上を通過するフィルムの表面に片面ずつ純水を噴射する工程;
(b)上昇走行するフィルムの両面に純水を膜状に流下させる工程;
(c)ガイドロール上を通過するフィルムの表面に片面ずつエアーナイフで空気を噴射する工程。
【選択図】 図1

Description

本発明は高清浄度のプラスチックフィルムを得るための清浄化方法に関する。特に、光学素子に使用されるプラスチックフィルムに適した清浄化方法に関する。
液晶表示装置等の製造に、プラスチックフィルム表面を一方向にラビング処理した基板フィルムが用いられている。基板フィルムは液晶セルにおける液晶分子の配向処理用に広く使用されている(例えば、特許文献1参照)。また、基板フィルム上に液晶性高分子層を形成したものを直接または該液晶性高分子層を透光性基板フィルム上に転写して視野角改良板、位相差板、色補償板等の光学素子の製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。このようなプラスチックフィルムの加工は高度に清浄な原料フィルムを用いてクリーンルーム内で行うが、原料フィルムに異物が混入したり、ラビング工程においてフィルム表面が削られることにより微細な粉塵が生じることがある。フィルム加工時に、搬送用の多数のロール間を通過することやラビング時の摩擦等により生じた静電気により、異物や粉塵がフィルム表面に付着しやすくなる。これらの異物や粉塵は、数10μm〜数100μm程度の微細な粒子であるが、これらが付着したフィルム表面に液晶性高分子性を塗布すると、数mmの塗布ムラとして現れる。また、このような粒子が付着したフィルムは次の工程に送られる前にいったんフィルムロールとして固く巻かれることがあり、巻張力によりフィルム層間の粒子がフィルムを変形させるが、その大きさは数mmにもなり、かつフィルムロールからフィルムを繰り出すと巻周期ごとに欠陥が現れる。このような欠陥は、製品の歩留まりを低下させる。
従来、プラスチックフィルムの高清浄化方法がいくつか提案されている。例えば、クリーンルーム内にて、超純水中に浸漬して洗浄する工程、該超純水中から引き上げたフィルムの両面に超純水を噴射して強制洗浄する工程、水分を除去する工程、静電気除電処理する工程の順に処理する方法が提案されている(特許文献3参照)。しかし、この方法が対象としているのは包装用のプラスチック製の袋であり、光学素子用のフィルム自体を対象とする場合には、欠陥を完全に除去するには至らない。また、フィルム表面に付着した水滴を乾燥除去すると水滴の跡が表面ムラになって残り製品の欠陥になる。
特開平6−110059号公報 特開平7−113993号公報 特許第3351431号公報(特許請求の範囲)
本発明が解決しようとする問題点は、長尺の走行しているフィルムの両面を同時に連続的に高度に清浄化する方法を提供することにある。特に光学素子用フィルムに適した高度に清浄なフィルムを製造するのに適した方法を提供することにある。
本発明は、以下の順序の工程を含むことを特徴とする走行フィルムを高度に清浄化する方法に関するものである。
(a)ガイドロール上を通過するフィルムの表面に片面ずつ純水を噴射する工程;
(b)上昇走行するフィルムの両面に純水を膜状に流下させる工程;
(c)ガイドロール上を通過するフィルムの表面に片面ずつエアーナイフで空気を噴射する工程。
本発明の方法によるときは、走行しているフィルムの表面を連続的に高度に清浄化することができる。得られた清浄化フィルムは、高度に清浄化されているのみならず、フィルム表面に水跡がない極めて清浄なフィルムであって、その表面に液晶性高分子等を塗布して光学素子材料として使用するのに適したものである。
また、本発明の清浄化方法は、純水と空気を使用するので環境汚染がない。
以下、本発明の一実施態様を模式的に示す図1に沿って本発明の方法を詳細に説明する。
フィルム1は、各種のものが使用できるが、例えば液晶性高分子を塗布する配向用基板としての高分子フィルム、その他の光学素子用フィルム、シートあるいは磁気テープ用基材フィルム等である。最も適しているのは、ラビング処理後の配向基板用フィルムである。配向基板用長尺フィルムは、高分子材料からなるもの、高分子材料と他の材料(たとえば、銅、ステンレス、鋼等の金属の箔等)との多層構造のいずれも使用できる。配向基板用フィルム自体を、銅、ステンレス、鋼などの金属箔とすることもできる。
この材料としては高分子材料が好ましく、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のいずれも使用できる。たとえばポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ナイロンなどのポリアミド;ポリエーテルイミド;ポリエーテルケトン;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリケトン;ポリエーテルスルフォン;ポリフェニレンサルファイド;ポリフェニレンオキサイド;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ポリアセタール;ポリカーボネート;ポリ(メタ)アクリレート;トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂;ポリビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂などが例示される。
フィルムの表面に配向膜を構成する材料としては各種の材料が使用できるが高分子化合物が好ましい。例えばポリイミド膜、アルキル鎖変性系ポバール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレートなどである。また無機物としてSiO斜方蒸着膜などの無機物斜方蒸着膜がある。ポリイミドの場合は、ポロアミック酸を塗布した後100℃から300℃で加熱して硬化させる。
工程(a)および(b)で使用する水は純水であるが、純粋な水の比抵抗(25℃)である18.3MΩ・cmに近い比抵抗を有する超純水の場合は、静電気の作用により水切れがしにくくなり、走行するフィルム面上に水滴が付着しやすくなる。この場合は静電除去手段を併用する。好ましい電気比抵抗は16未満、更に好ましくは15〜5MΩ・cmである。純水中の微粒子の数は0.2μm以上が20個/ml以下であることが好ましい。
純水と共に工程(a)で純水と共に噴射する空気、工程(c)でエアーナイフに使用する空気および清浄化装置の雰囲気空気は、清浄度クラスは高ければ高いほど望ましい。
工程(a):
フィルム1はフィルムロールから繰り出されて、洗浄室A内に送り込まれる。洗浄室A内でフィルムがガイドロール2および3に接触している箇所において、ロールと反対側のフィルム表面に純水噴射ノズル4および5から純水を噴射する。純水は空気と混合して噴射する方法によるのが好ましい。該噴射流は、ロール軸の方向に平行にフィルム幅をカバーする長さに配列された複数の噴射ノズルから噴射される。噴射位置はフィルムとロールが接触している位置とする。噴射位置がロールと接触していない箇所であるとフィルムがバタつくので好ましくない。
工程(b):
ついでフィルムはガイドロール8および10に誘導されて垂直に引き上げられる。ガイドロール9を所望に応じて設けることができる。垂直に上昇走行するフィルムの両面に純水を膜状に流下させる。これにより、フィルム表面に残存している微細な粒子を完全に洗い流す。
該洗浄後のフィルム面に水滴を同伴させないためには、フィルム面上を流下させる水を、直線状のスリットを有する吐出ノズル6および7からフィルム面に向かって垂直より下向きに連続した水膜状態で吐出することにより供給するのが好ましく、吐出された水がフィルム面上を流下する際の上限の水線が連続した直線であることが好ましい。直線状のスリットに換えて複数のノズルから水を吐出させる方法では、上昇するフィルム面上に水滴が残存し易いので好ましくない。
さらに、吐出された水膜がフィルムに当る角度は、フィルム面に垂直な面に対してなす角度として20度〜60度が好ましい。フィルム面に垂直ないし上向きに水を当てると、水線が乱れて直線を保ち難くなり上昇するフィルムに水滴が同伴される恐れがあるので好ましくない。
吐出用スリットの開口間隙は狭い方が好ましいが、あまり狭くすると吐出水膜が切れるので、0.1〜3.0mmが好ましい。スリットの幅、すなわち水膜の幅は、フィルム幅よりも広く取るのが好ましい。
ガイドロール9を用いる場合は、ガイドロール8およびでフィルムをピンチしてもよい。あるいは、ガイドロール8側にフィルムを沿わせ、一方のガイドロール9はフィルムと接触はしないがフィルム面上を流下して来た水がフィルム面とガイドロール9との間で滞留する程度の間隙にして運転することができる。
フィルムの両面に対して吐出する水は実質的に同一箇所に同時に両面から当たるようにするのが好ましい。これによりフィルムの揺らぎやバタつきがなくなり、水線の直線性が保たれる。
工程(c):
工程(c)は、フィルムがガイドロール11および12に接触している箇所において、ロールと反対側のフィルム表面にエアーナイフ13および14によって空気を噴射して、フィルムの両面に工程(b)で付着同伴した微量の水分を除去、または、せき止める工程である。エアーナイフは、ロール軸と平行にフィルム幅をカバーするスリットから噴射される。噴射方向は走行フィルムの上流側に数度傾けるようにするのが好ましい。これによって、走行しているフィルム表面上の水分をせき止められる。撥水性の大きなフィルムを用いる場合には、本発明におけるエアーナイフの作用は、フィルム表面の水分を単に乾燥除去するのではなく、フィルム表面の水滴がフィルムに同伴して次の工程へ行かないようにするのが主な作用である。エアーナイフに加熱空気を使用してフィルム表面の水滴を乾燥すると、水滴の跡がフィルム表面に残る。そのフィルム上に液晶性高分子を塗布して光学素子を製造すると、水跡が製品欠陥として表れる。エアーナイフの空気圧、噴射スリット開口幅およびスリット開口とフィルムとの距離はフィルムの種類、フィルムの走行速度等に応じて、適宜調節することが好ましい。エアーナイフは噴射位置がロールと接触していない箇所とするとフィルムがバタつくので好ましくない。
静電処理工程:
走行するフィルムには種々の原因で静電気が発生し、微細な粉塵がフィルムに付着する。また、本発明の洗浄工程では純水を使用するので、その比抵抗の低さに起因して、静電気の発生および静電気によるフィルム表面へ水が付着するおそれがある。静電気の発生を回避するためには、上述のように、比抵抗(25℃)が16〜18MΩ・cmと高い超純水よりも、比抵抗が15〜5程度の純水が好ましい。しかし、それにもかかわらず静電気の発生は避けられない場合には、静電気除去器を適宜設けることができる。また、洗浄処理前および洗浄処理後にも適宜静電気除去を行うことが好ましい。図1中に静電気除去器を符号Bで示したが、これら以外にも適宜設けることができる。静電気除去器は公知のものが好ましく使用できる。好ましいタイプは印加電圧方式(パルスAC方式)である。
ガイドロール:
本発明において、純水を使用するためガイドロールが水によって濡れる。その結果、場合によっては、フィルムとガイドロールの間に水膜ができて、フィルムとロールとの間で空回りが生じることがある。これを避けるために、撥水性の高い材質のロールを使用するか、水はけ促進のためロール表面にワイヤを巻きつける等の溝加工等がされたロールを用いる。もしくは、ガイドロールの一部分にポリエチレン等の撥水性のテープを巻くのが好ましい。これによって、フィルムとロールとの間に水膜が形成されてもテープ巻きした箇所には水膜が形成され難く、空回りすることがなくなる。
以上の工程(a)、(b)および(c)により高度に清浄化され乾燥されたフィルムは巻取りロールに巻き取られる。以上の工程はクリーンルーム内で行われる。清浄度は高ければ高い方が好ましい。図1に示した洗浄装置内の空気は上から下へ流れるように制御するのが好ましい。
配向基板フィルムをこのようにして高度洗浄化したものは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル、ELディスプレイ等の各種ディスプレイに備えられる各種光学フィルムおよび基板フィルム等を得る際に有用である。さらに具体的には、液晶性高分子等を塗工して得ることができるコレステリックフィルム、ホログラムフィルム、偏光板、カラー偏光板、位相差板、色補償フィルム、視野角改良フィルム、輝度向上フィルム、反射防止フィルム、旋光フィルム等を得る際に非常に有用であると言える。さらに本発明においては、例えば、フィルムのラビング面に液晶性高分子を塗工し、液晶状態にした場合、該液晶性高分子の液晶相の分子配列がラビング方向に対応して配向する。これを硬化または固化して固定すれば上記のような各種光学フィルムを得ることができる。液晶性を示す温度が高いサーモトロピック液晶性高分子の場合には、耐熱性の高い基板フィルムをラビング処理して、該フィルム上に配向液晶層を形成し、これを該基板から剥離して他の透光性基板上に転写して光学素子とすることができる。このようなサーモトロピック液晶性高分子としては、スメクチック、ネマチック、ねじれネマチック(コレステリック)、ディスコティック等のいずれかの液晶であることができる。これらの液晶性高分子を溶融状態または適当な溶剤に溶解した溶液として基板フィルム上に塗布し、温度をガラス転移温度以下に低下させると液晶相の分子配列状態が保持されるのである。
このような液晶性高分子としては、カルボン酸基、アルコール基、フェノール基、アミノ基、チオール基などを有する化合物を縮合させて成る縮合系液晶性高分子、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基など二重結合を有する液晶性化合物などを原料として得られる液晶性ビニルポリマー、アルコキシシラン基を有する液晶化合物などから合成される液晶性ポリシロキサン、エポキシ基を有する液晶性化合物などから合成される液晶性エポキシ樹脂および上記液晶性高分子の混合物などが例示できる。これらの各種液晶性高分子の中でも、得られるフィルムの光学特性などの点から縮合系液晶性高分子が最も好ましい。
縮合系液晶性高分子は、通常二官能性モノマーを適当な方法で縮合して得ることができる。当該二官能性モノマーとしては、芳香族またはシクロヘキサン環を有する二官能性モノマーが望ましく、具体的には、フェニレンジアミン等のジアミン類、ハイドロキノン、2−メチルハイドロキノン、レゾルシノール、カテコール、4−メチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール、2,3−ジヒドロキシナフタレン等のジオール類、1,4−フェニレンジチオール、1,2−フェニレンジチオール等のジチオール類、サリチル酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、7−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸類、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸等のアミノ酸類、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフィニルジカルボン酸、4,4’−スチルベンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸類などを例示できる。なかでもヒドロキシ基を持つ成分としてカテコール単位を必須構造単位として含有する縮合系液晶性高分子が最も好ましい。
縮合系液晶性高分子を調製する際の原料モノマーには、液晶性を破壊しない程度において、例えば、シュウ酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール等の脂肪族ジオール類、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノデカン等の脂肪族ジアミン類、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシヘキサン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸、ヒドロキシノナン酸、ヒドロキシデカン酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸類などが添加可能である。
また、必要に応じて液晶性高分子の主鎖末端を修飾するために、一官能性モノマーや三官能性モノマー等を原料モノマー中に添加することもできる。一官能性モノマーとしては、カルボン酸基、アミン基、アルコール基、フェノール基、チオール基などを一分子中に一個有する例えば芳香族カルボン酸類、脂肪族カルボン酸類、芳香族アミン類、脂肪族アミン類、フェノール類、脂肪族フェノール類が挙げられる。また三官能性モノマーとしては、例えばトリメリット酸、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシベンゼンカルボン酸、ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
これらのモノマーを縮合して縮合系液晶性高分子、具体的には液晶性ポリエステルを得る方法は、特に制限されるものではなく、当該分野で公知の如何なる方法も適宜採用することができる。例えば、カルボン酸を酸ハロゲン化物としたり、ジシクロヘキシルカルボジイミド等を存在させることによってカルボン酸を活性化した後、アルコール、アミン等と反応させる方法、フェノールを酢酸エステル化した後、カルボン酸と反応させ脱酢酸反応により合成する方法、カルボン酸をメチルエステルのようなエステル化物とした後、必要であれば適当な触媒の存在下、アルコールと反応させ脱アルコール反応により合成する方法などが任意に採用できる。
本発明の液晶性高分子には、上記したような縮合系液晶性高分子を単独で用いることもでき、また、2種類または3種類以上の縮合系液晶性高分子の混合物を用いることもできる。さらに、本発明の効果を損なわない範囲において光学活性な液晶性高分子、液晶性ビニルポリマー、液晶性ポリシロキサン、液晶性エポキシ樹脂等の各種液晶性高分子や非液晶性高分子などを適宜混合して用いることもできる。
図1に示す洗浄装置により高度洗浄を行った。ただし、ガイドロール9は除いた。該装置をクラス10のクリーンルーム内に設けた。装置内の温度は23℃に維持した。フィルム1として、あらかじめ表面をラビング処理した厚さ60μm、幅400mmの高分子フィルムを十分に静電除去したものを用いた。フィルムの走行速度は5m/分とした。
洗浄装置内で、ガイドロール2上およびガイドロール3上でフィルムに対して純水と空気とを混合したものを噴射ノズル4および5から、ガイドロールの中心軸の方向(フィルムの接線に垂直の方向)に、それぞれ吹き付けた。噴射水量はそれぞれ50リットル/分であった。使用した純水の性状は、電気比抵抗(25℃)10MΩcmであり、0.2μm以上の微粒子の数は20個/ml以下であった。
ついでガイドロール8と10との間を垂直に上昇しているフィルムの両面に吐出ノズル6および7から純水を膜状に吐出して吹き付けた。純水は上述の純水と同じものを用いた。水吐出スリット幅は700mm、スリットの間隙は0.2mm、水量は1m/時間であった。吐出水膜がフィル面に垂直な面となす角度は45°であった。
ガイドロール8から10cm上のフィルム表面に直線状の水線が存在し、水はその水線から下にフィルム表面に沿って流下し、ガイドロール8とフィルムとの接触線上に水溜りを形成した。目視では水線より上のフィルム表面には水滴は認められなかった。
次に、ガイドロール11、12に導かれて下方に走行するフィルムに、ガイドロール11、12上でフィルム表面にエアーナイフ13、14により、それぞれ空気を吹き付けた。空気の温度は23℃、エアーナイフの空気圧は700mmHO、エアーナイフの噴出し口間隙は0.2mm、空気吹き出し口とフィルム表面との距離は3mmであった。エアーナイフによる空気吹き付け線より上に小さな水滴が生じ、それらはその線より上に停滞していた。以上の工程において、静電気除去器Bには7000Vの電圧を印加して除電を行った。
実施例によって得られた清浄フィルムおよび未洗浄フィルムを配向基板フィルムとし、当該フィルムのラビング処理面上に、ロールコーターを使用して液晶性高分子物質溶液を300mm幅で塗布した。乾燥後200℃×15分間加熱処理して液晶性高分子を配向させ、次に室温まで冷却して液晶構造(ねじれネマチック配向構造)を固定化した。
得られた長尺の液晶性高分子層について、配向ムラの有無および欠陥数を観察したところ、実施例のフィルムを用いたものは、未洗浄フィルムに比べてゴミ起因となる欠陥が著しく減少していることが認められた。
評価に用いた液晶高分子溶液は以下のようにして製造した。
式(1)の液晶性高分子物質(対数粘度=0.22dl/g、Tg=61℃)、及び式(2)の(R)−3−メチルヘキサン−1,6−ジオール単位を含む光学活性な液晶性高分子物質(対数粘度=0.17dl/g)を合成した。
これらの高分子材料の合成は、オルトジクロルベンゼン溶媒中、トリエチルアミンの共存下で、ジカルボン酸単位に対応する酸塩化物とジオール化合物とを反応させることによって行った。
得られた式(1)の液晶性高分子物質18.1g及び式(2)の液晶性高分子物質1.9gの混合物を80gのN−メチルピロリドンに溶解させて液晶性高分子物質溶液を調製した。
Figure 2005279577
Figure 2005279577
なお上記の分折法および評価法は以下のとおりである。
(1)液晶性高分子の対数粘度測定
ウッベローデ型粘度計を用いて、フェノール/テトラクロロエタン(60/40重量比)混合溶媒中、30℃で測定した。
(2)配向ムラおよび欠陥検査の観察
配向ムラ観察はオリンパス光学(株)製BH2偏光顕微鏡を用いて行った。
(3)液晶性高分子の組成の決定
液晶性ポリエステルを重水素化クロロホルムに溶解し、400MHzのH−NMR(日本電子製JNM−GX400)で測定し組成を決定した。
本発明の方法によれば、フィルムの両面が連続的に極めて高度に清浄化される。本発明の方法は光学素子用フィルムに適した高清浄度のフィルムの製造に適している。さらに、半導体等の高清浄度が要求される分野に使用される包装資材等の製造にも適している。また、本発明の清浄化方法は、純水と空気を使用するので環境汚染が問題となる施設や環境で実施するのに好適である。
本発明の方法を実施する装置の一例を示す概念図である。
符号の説明
A 洗浄室
B 静電気除去器
1 フィルム
2、3、8,9,10,11,12 ガイドロール
4,5噴射ノズル
6,7 吐出ノズル
13,14 エアーナイフ

Claims (1)

  1. 以下の順序の工程を含むことを特徴とする走行フィルムを高度に清浄化する方法
    (a)ガイドロール上を通過するフィルムの表面に片面ずつ純水を噴射する工程;
    (b)上昇走行するフィルムの両面に純水を膜状に流下させる工程;
    (c)ガイドロール上を通過するフィルムの表面に片面ずつエアーナイフで空気を噴射する工程。
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