JP2016150286A - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】局所的に膜厚が変化した欠陥の少ない光学フィルムを製造する。
【解決手段】本発明の光学フィルムの製造方法では、可撓性基材の巻回体2から、製膜面11と背面12とを備える長尺状の基材1が巻き出され、下流側へと連続的に搬送され、基材1の背面12が洗浄された後、基材1の製膜面11上に、液晶材料が塗布される。基材背面は、基材の背面と洗浄ロール41との間に洗浄液が供給され、洗浄ロールによって洗浄液が基材上に塗り拡げられることにより洗浄される。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶材料を用いた光学フィルムの製造方法に関する。
液晶材料は、一般の樹脂材料に比べて光学異方性が大きいため、位相差フィルムや偏光子等の光学フィルムに用いた場合に、フィルム厚みを小さくすることができ、デバイスの薄型化や軽量化に有利である。液晶光学フィルムは、フィルム基材上に、液晶材料(液晶モノマーおよび/または液晶ポリマー)を塗布し、必要に応じて、液晶モノマーの重合、液晶材料の配向処理、溶媒除去(乾燥)等を行い、液晶層を形成することにより製造される。
光学フィルムの製造において、基材上に付着した異物等が、塗布層と基材の界面や、塗布層中に取り込まれ、光学的な欠点になることが問題視されている。また、液晶材利用を用いた光学フィルムの製造では、基材上に異物が存在すると、その上に塗布される液晶に配向欠陥や突起欠陥が生じることも問題となる。
そのため、基材の塗布面を洗浄して異物を除去した後、液晶材料を塗布する方法が提案されている。基材に付着した異物除去方法としては、超音波エアを用いる方法(例えば特許文献1)、洗浄ガスを吹き付ける方法(例えば特許文献2)、基材を水洗する方法(例えば特許文献3)、粘着ロールと接触させる方法(例えば特許文献4)等が知られている。
液晶分子を所定方向に配向させるためにラビング処理が施された基材を用いる場合、基材表面には、異物が多数付着しているため、付着異物の除去を目的として、液晶材料の塗布前に洗浄処理が行われる。ラビング等の配向処理が施された基材の表面は、擦り洗いができないため、一般には、非接触の洗浄方法が採用される。例えば、特許文献5では、配向処理が施された基材の表面に紫外線を照射して、付着異物を除去する方法が開示されている。
特開平10−309553号公報 特開2009−66982号公報 特開2007−105662号公報 特開平9−304621号公報 特開2003−4948号公報
液晶光学フィルムのように基材に形成される塗布層の膜厚が小さい光学フィルムには、点状の干渉ムラのような欠点(以下、「スポットムラ」と称する場合がある)が生じる場合があった。本発明者らの検討によれば、基材の表面(液晶層の形成面)を洗浄することにより、液晶層、あるいは液晶層と基材との界面に起因する各種の欠陥を低減することはできるが、スポットムラの発生数にはほとんど変化がみられなかった
さらに検討を進めたところ、スポットムラが発生している部分は、フィルムの膜厚が局所的に小さくなっており、基材の搬送方向(MD)に周期的に表れる場合があり、塗布ロールに付着した異物による影響と推定された。そこで、本発明者らは、基材上に液晶材料を塗布する際の塗布ロールに異物除去用ブレード(スクレーパー)接触させて、ロール表面の清掃を行い、スポットムラの低減を試みた。しかし、ロール表面を清掃する方法では、スポットムラの低減効果を明確に確認することはできなかった。
上記に鑑み、本発明は、基材上に液晶層を形成する光学フィルムの製造において、局所的に膜厚が小さくなる「スポットムラ」欠陥の発生を低減させ、高品質の光学フィルムを得ることを目的とする。
上記に鑑みて検討の結果、基材を繰り出してから、液晶材料を塗布するまでの間に、基材の製膜面と反対側の面(背面)をインライン洗浄することにより、スポットムラが低減することが見出された。さらに検討の結果、洗浄液を介して基材の背面とロールとを接触させながらウェット洗浄することによって、スポットムラが大幅に低減することを見出し、本発明に至った。
本発明は、液晶材料を用いた光学フィルムの製造方法に関する。本発明の光学フィルムの製造方法では、可撓性基材の巻回体から、長尺状の基材が巻き出され、下流側へと連続的に搬送される(繰り出し工程)。基材は、製膜面である第一の主面と、製膜面の背面である第二の主面を有する。本発明の製造方法では、基材の第二の主面が洗浄され(洗浄工程)、その後、基材の第一の主面上に、液晶材料が塗布される(製膜工程)。
洗浄工程では、基材の背面と洗浄ロールとの間に洗浄液が供給され、洗浄ロールによって洗浄液が基材上に塗り拡げられることにより洗浄が行われる。洗浄ロールは、表面に凹凸パターンを有するものが好ましく、中でも、凹凸パターンの凸部がロールの周方向と非平行に延在しているものが好ましく用いられる。このように、本発明では、洗浄ロールと、基材の背面とを洗浄液を介して接触させながらウェット洗浄が行われることによって、基材の背面に付着した異物が除去され、スポットムラが減少すると考えられる。
本発明に用いられる洗浄ロールの例としては、グラビアロールやマイヤーバーロール等が挙げられる。また、洗浄液としては、水よりも沸点の低い高揮発性液体が好ましく用いられる。
本発明の製造方法によれば、局所的に膜厚が小さくなる「スポットムラ」欠陥の発生が抑制された高品質の光学フィルムが得られる。
光学フィルム製膜装置の一実施形態を表す模式図である。 グラビアロールの表面形状を説明するための模式的平面図である。 マイヤーバーロールの表面形状を説明するための模式的平面図である。 図3AのマイヤーバーロールのB1−B2線における断面図である。
図1は、本発明の光学フィルムの製造に用いられる製膜装置の一実施形態を表す模式図である。図1に示す製膜装置100では、長尺状の基材の巻回体2が繰り出し部10にセットされている。巻回体2から巻き出された基材1は、繰り出し部10から、製膜装置の下流側へと連続的に搬送され、ガイドローラ51,52を経て、ガイドローラ52の下流側に設けられた洗浄部40に搬送される(繰り出し工程)。洗浄部40で、基材1の背面が洗浄される(洗浄工程)。洗浄後の基材1は、さらに下流側へ搬送され、ガイドローラ54を経て、製膜部60へと搬送され、基材上への液晶材料の塗布が行われる(製膜工程)。
[基材]
基材1は、可撓性を有するものであればよく、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性等に優れるものが好ましく用いられる。基材は第一の主面、および第二の主面を有しており、第一の主面上に液晶層が形成される。以下、本明細書においては、第一の主面を「製膜面」と称し、その反対側の面である第二の主面を「背面」と称する。
基材としては、例えば、樹脂フィルム、金属箔、紙、布、およびこれらの積層体等が用いられる。中でも、表面平滑性に優れ、かつ基材自体からの異物の発生が少ないことから、樹脂フィルムが好適に用いられる。
基材フィルムを構成する樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル類;ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー;ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン;ポリノルボルネン等の環状ポリオレフィン;ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー;ポリカーボネート;塩化ビニル;イミド系ポリマー;スルホン系ポリマー;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリフェニレンスルフィド;ビニルアルコール系ポリマー;塩化ビニリデン;エポキシ系ポリマー等が挙げられる。これらの中から、液晶材料塗布時の溶媒に溶解しないものが好適に用いられる。
基材は無色透明でもよく、有色あるいは不透明のものでもよい。基材上に液晶層を形成後、基材と液晶層との積層体が、光学フィルムとして実用に供される場合、基材は、透明で、かつ光学特性が均一であるものが好ましく用いられる。
基材は、自己支持性と可撓性とを兼ね備えるものであれば、その厚みは特に限定されない。基材の厚みは、一般的に20μm〜200μm程度であり、30μm〜150μmが好ましく、35μm〜100μmがより好ましい。フィルム等の可撓性基材上に液晶層を形成する場合、基材の長さが有限であるために、連続製膜可能な長さが制限される。一般に、繰り出し部10や、製膜後の巻取部(不図示)は、架台にセットされる巻回体の重量や直径の上限が定められている。そのため、基材の厚みが小さければ、連続製膜長を大きくすることができ、生産性の向上が図られる。したがって、製膜性やハンドリング性を損なわない範囲で、基材の厚みは、可能な限り小さいことが好ましい。
一方、本発明者らの検討によれば、基材の厚みが小さい場合に、基材上に液晶層が形成された光学フィルムにおいて、スポットムラの発生数が増大する傾向がみられた。これに対して、後に詳述するように、本発明では、液晶材料の塗布前に所定の方法で基材の背面を洗浄することにより、基材の厚みが小さい場合でもスポットムラの発生が抑制される。
液晶分子を所定方向に配向させるために、配向基材を用いてもよい。配向基材としては、延伸高分子フィルム、表面をラビング処理したフィルム、表面にラビング配向膜を備えるフィルム等が挙げられる。配向膜としては、ポリビニルアルコール系薄膜、ポリイミド系薄膜、ポリシロキサン系薄膜、ガラス質高分子薄膜等を用いることができる。ラビング処理は、例えば、レーヨンやコットン等の細かい繊維からなるラビング布を巻きつけたラビングロールで、基材上を擦ることにより行われる。ラビングロールの配置角度を調整することにより、基材の搬送方向とラビング方向に所定の角度を持たせ、種々の光軸(液晶分子の配向方向)を持つ光学フィルムを作製することもできる。
ラビング処理基材が用いられる場合、ラビング処理後の基材の巻回体を製膜装置100の繰り出し部10にセットしてもよく、未処理の基材を繰り出し部10から繰り出した後に、基材のラビング処理を行ってもよい。液晶層への異物の混入防止や、工程汚染を防止する観点からは、ラビング処理後の基材の巻回体を製膜装置の繰り出し部にセットして用いることが好ましい。未処理の基材を繰り出し部から繰り出した後に、基材のラビング処理が行われる場合、基材の繰り出し後、洗浄処理よりも前に、ラビング処理が実施される。
基材フィルムの表面には、易接着処理、離型処理、帯電防止処理、ブロッキング防止処理等の処理が行われていてもよい。また、ブロッキング防止等の目的で、基材の幅方向の端部には、エンボス加工(ナーリング)等が施されていてもよい。
[液晶材料]
液晶材料は、液晶モノマーもしくは液晶ポリマー、またはこれらの混合物を含有する。液晶モノマーおよび液晶ポリマー(これらを総称して「液晶化合物」と記載する場合がある)は、サーモトロピック液晶性を示すものでも、リオトロピック液晶性を示すものでもよい。
液晶モノマーとしては、ネマチック性やスメクチック性等の配向性を示し、末端に、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合やエポキシ基等の重合性官能基を少なくとも1つ有する液晶性化合物が用いられる。液晶モノマーを含有する液晶材料は、液晶モノマーに加えて、重合開始剤を含有してもよい。重合性液晶モノマーの重合方法としては、たとえば、熱重合や紫外線重合等が挙げられ、重合方法に応じて適宜の重合開始剤が用いられる。
液晶ポリマーとしては、ネマチック性やスメクチック性等の液晶配向を示す、主鎖型液晶ポリマーもしくは側鎖型液晶ポリマー、またはこれらの複合型の液晶性化合物が用いられる。液晶ポリマーの分子量は特に制限されないが、重量平均分子量が2000〜100000程度のものが好ましい。
ネマチック性の液晶材料にカイラル剤を含有させたり、液晶ポリマーの構造中にキラル成分を導入することにより、液晶材料をコレステリック配向性とすることもできる。カイラル剤の種類や添加量は、コレステリック液晶の選択反射波長や、らせんピッチ等の設定値に応じて適宜決定できる。
基材上に液晶材料を塗布する際には、通常、液晶化合物の溶液が用いられる。液晶材料を溶解させる溶媒は、液晶材料の種類や基材の種類に応じて適宜に決定される。溶媒の具体例としては、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、フェノール、パラクロロフェノールなどのフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼンなどの芳香族炭化水素類、アセトン、酢酸エチル、tert−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、トリエチルアミン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ブチロニトリル、二硫化炭素等が挙げられる。溶媒は、二種類以上を混合して使用してもよい。
液晶材料溶液は、重合開始剤やカイラル剤等の他、必要に応じて、色素、レベリング剤、可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。液晶材料溶液の固形分や粘度等は、液晶材料の種類や分子量、液晶層の厚み、製膜方法等に応じて適宜に設定される。
[洗浄部]
基材1の搬送経路において、繰り出し部10と製膜部60との間に、洗浄部40が設けられている。洗浄部40では、基材1の背面12と洗浄ロール41とを洗浄液を介して接触させながらウェット洗浄が行われる。本発明においては、洗浄ロールと基材背面との間に供給された洗浄液が、洗浄ロールによって基材上に塗り拡げられる際に、洗浄液と基材との界面に剪断力が付与されることにより、基材に付着した異物等が効率的に洗浄除去され、スポットムラが抑制されると推定される。
図1に示す形態では、洗浄部40は、基材1の製膜面11に接触するように設けられたバックアップロール42と基材1の背面12に接触するように設けられた洗浄ロール41を備える。洗浄パン48内には、洗浄液47が貯留されており、洗浄ロール41の表面に付着した洗浄液は、余剰分がドクターブレード44で掻き落とされ、基材1の背面12へと導かれる。
<洗浄ロール>
洗浄ロール41としては、ナイフロール(コンマロール)、キスロール、グラビアロール、マイヤーバーロール等、溶液コーティングに用いられる各種ロールが用いられる。洗浄ロールは回転ロールであってもよく、無回転ロールでもよい。洗浄ロールが回転ロールである場合、回転方向は正転、逆転のいずれでもよい。
基材の洗浄効率を高める観点から、洗浄ロールの表面には凹凸が形成されていることが好ましい。洗浄ロール表面の凹凸パターンは、凸部がロールの周方向と非平行に延在していることが好ましい。洗浄ロール41の周方向と非平行に延在する凸部が基材の背面と接触することにより、基材に付着した異物等がより効率的に洗浄除去され、スポットムラが抑制される傾向がある。
周方向と非平行な方向に延在する凸部を有するロールとしては、例えば、グラビアロール、マイヤーバーロール、エンボスロール等が挙げられる。基材を傷付けることなく、洗浄液を基材背面に塗り拡げられることから、洗浄ロールとしては、グラビアロールおよびマイヤーバーロールが特に好ましく用いられる。
図2は、グラビアロールの表面の凹凸パターン形状の一例を示す平面図である。グラビアロール140の表面には、凹部(グラビア溝)141と凸部142とがパターン状に形成されている。洗浄ロールとしてグラビアロールが用いられる場合、この凹部に溜められた液が、基材表面に接するとともに、基材表面に付着した異物が凸部との接触によって掻き落とされ、異物が除去されると考えられる。なお、図2では、グラビアパターン形状として、四角形(スクエア型)のものが図示されているが、凸部が斜め方向に延在していれば、グラビアパターンの形状は特に限定されず、例えば、三角形、ハニカム型等の多角形状や斜線形状や波線形状等の線状でもよい。
図3Aは、マイヤーバーロール240の表面の凹凸パターン形状の一例を示す平面図であり、図3Bは、B1−B2線における断面図である。マイヤーバーロールは、ロール本体(シリンダ)241の表面に、ワイヤ等の細線242を螺旋状に巻回したものであり、細線242により、周方向と非平行な方向に延在する凸部が形成されている。洗浄ロールとしてマイヤーバーロールが用いられる場合、隣接する細線242の間隙に溜められた液が、基材表面に接するとともに、基材表面に付着した異物が螺旋状に巻回された細線242との接触により掻き落とされ、異物が除去されると考えられる。なお、図3AおよびBでは、一条の細線242がシリンダに巻回された形態が図示されているが、マイヤーバーは、多条の細線が巻回されたものでもよい。細線242は隙間なく巻回されていてもよく、一定の間隔で巻回されていてもよい。隣接する細線間の間隔は、細線の幅と同程度あるいはそれ以下が好ましい。
洗浄ロール表面の凸部の高さは特に限定されないが、一般的なグラビアロールやマイヤーバーロール等の凸部の高さと同様、0.1μm〜10μm程度の範囲が好ましい。凸部の高さが過度に小さいと、洗浄効果が不十分となる場合がある。一方、凸部高さが大きすぎると、洗浄液の展開厚みが大きくなるため、洗浄効率が低下したり、洗浄液の乾燥に長時間を要し、生産効率を低下させる場合がある。
<洗浄液>
洗浄工程では、洗浄ロール41と基材1の背面12との間に洗浄液が供給される。洗浄ロール41と基材1の背面12とが接することによって、基材の背面に洗浄液が塗り拡げられ、洗浄が行われる。洗浄液は、液体であり、基材1を溶解しないものであれば特に限定されず、水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合物等が用いられる。
繰り出し部10から製膜部60までの搬送経路上でのインライン洗浄を効率的に行う観点から、洗浄液としては、低沸点で揮発性の高い液体が好適に用いられる。高揮発性の液体としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル類;ジエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。また、これらの有機溶媒の混合物や、これらの有機溶媒と水との混合物等を用いることもできる。また、洗浄力の向上等を目的として、界面活性剤や親水性有機化合物等が洗浄液中に添加されてもよい。親水性有機化合物としては、水酸基、アミノ基、アミド基、イミノ基、イミド基、ニトロ基、シアノ基、イソシアネート基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基、カルボニル基、スルホン酸基、SO基等を有する有機化合物が挙げられる。
<洗浄方法>
洗浄方法は、洗浄ロール41と基材1の背面12との間に供給された洗浄液を、基材上に塗り拡げる方法であれば特に限定されない。洗浄液を洗浄ロールと基材との間に供給する方法も特に限定されない。図1では、洗浄パン48内の洗浄液47に洗浄ロール41を直接接触させる形態(ダイレクトグラビア法)が図示されているが、例えば、洗浄パン内の洗浄液に別のロール(オフセットロール)を接触させ、オフセットロール表面に付着した洗浄液を、オフセットロールと接するように配置された洗浄ロールに移動させる方法(オフセットグラビア)等を採用することもできる。洗浄ロール41の表面に洗浄液を付着させる方法以外に、基材1が洗浄ロール41と接する前に、スロットダイやスプレー等により基材1の背面12に洗浄液を塗布する方法、洗浄パン内で基材を走行させる方法、スプレー等により洗浄ロール41表面に洗浄液を付着させる方法等によって、洗浄ロール41と基材1の背面12との間に洗浄液を供給することもできる。
基材1は、洗浄ロール41と接触しながら、下流側(図1の左側)へ搬送されるため、洗浄ロール41と基材との間に供給された洗浄液は、必然的に基材表面に塗り拡げられる。洗浄ロール41と基材1の背面12とは直接接してもよく、ギャップを有していてもよい。洗浄ロールと基材の背面とのギャップは、例えば0.1μm〜10μm程度が好ましい。ギャップが過度に大きい場合は、ロールと基材とが洗浄液を介して接触する際の界面での剪断力が小さくなり、洗浄効率が低下する傾向がある。洗浄ロールが表面に凹凸パターンを有する場合、前述のように、ロール表面の凸部の高さにより、洗浄ロールと基材とのギャップを所望の範囲に調整できる。洗浄ロールが表面に凹凸パターンを有していない場合は、洗浄ロールと基材との相対的な位置関係によりギャップを調整できる。
図1では、洗浄部40で、基材1の背面12が洗浄ロール41と接触し、製膜面11がバックアップロール42と接する形態が図示されているが、基材1の背面12と洗浄ロール41とが洗浄液を介して接するように基材の搬送経路が構成されていれば、洗浄部40におけるバックアップロールは必ずしも必要ではない。また、バックアップロール42に代えて、表面に凹凸を有するロール等を用い、基材1の背面12と同時に製膜面11に対する洗浄が行われてもよい。
洗浄部40で背面12が洗浄された基材1は、ガイドローラ54を経て製膜部60へと搬送される。なお、洗浄部40から製膜部60へ基材が搬送される間に、基材表面に付着した洗浄液の乾燥が行われてもよい。乾燥方法は特に限定されず、クリーンエアを吹き付ける方法や、加熱オーブン内に基材を通過させる方法等が挙げられる。
[製膜部]
製膜部60では、基材1の製膜面11上に液晶材料溶液が塗布され、常法にしたがって製膜が行われる。図1では、エクストルージョンダイ61を用いたダイコータが図示されている。このコータでは、基材1の背面12をバックアップロール62と接触させながら、基材の製膜面上に、ダイ61のリップから吐出された液晶材料が塗布される。ダイからの液晶材料の塗布量および基材の搬送速度を調整することにより、液晶材料の塗膜の厚みが調整される。
製膜部60における製膜方法は、ダイコートに限定されず、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、スプレーコート、マイヤーバーコート、ナイフロールコート、エアーナイフコート、カーテンコート等の各種方法が用いられる。
液晶材料を用いた光学フィルムの特性は、液晶層の膜厚に依存する場合が多い。例えば、位相差フィルムのレターデーション値、旋光素子による光軸の回転角度、偏光子の吸光度は、液晶層の厚みに比例する。したがって、光学フィルムの特性を均一とするためには、製膜時の膜厚が均一であることが好ましい。膜厚を均一とするためには、図1に示すように、基材1の背面12をバックアップロール62で支持しながら製膜が行わることが好ましい。
一方、バックアップロール62と基材1の背面12との間に異物が存在すると、その押圧によって基材1の製膜面11が凸状に変形する。その上に液晶材料が塗布されると、基材が変形した部分の塗布厚みが局所的に小さくなり、スポットムラを生じると考えられる。これに対して、本発明では、基材1の背面12をインラインで洗浄することにより、付着異物が除去されるため、バックアップロールで基材を支持しながら製膜を行う場合でも、スポットムラの発生が抑制されると推定される。
液晶層の厚みは、目的とする光学フィルムの特性等に応じて、例えば、乾燥後の膜厚が0.1μm〜20μm程度となるように設定される。一般には、液晶層の厚みが小さいほど、スポットムラの発生が顕著となる傾向がある。これに対して、本発明では上記の洗浄工程を経ることにより、乾燥後の液晶層の膜厚が20μm以下の場合でも、スポットムラの発生が抑制される。そのため、本発明の製造方法は、塗布層の厚みが小さい液晶光学フィルムの製造に好適に用いられる。
[塗布後の工程]
基材1の製膜面11上に塗布された液晶材料の塗膜は、基材1とともに乾燥炉20内へ搬送されて、溶媒が除去され、液晶層が形成される。乾燥以外に、液晶分子の配向処理や、液晶モノマーの重合等が行われてもよい。例えば、サーモトロピック液晶性を示す液晶モノマーを用いる場合、モノマーが液晶相を示す温度領域以上になるまで加熱し、乾燥させた後、液晶相を示す状態の温度まで冷却し、紫外線照射により重合を行うことにより、液晶の配向状態を固定することが可能である。また、リオトロピック液晶は、剪断力を付与することにより、所定配向に液晶分子を配向させることもできる。
液晶層を形成後の基材は、そのまま基材と液晶層とを密着させた状態で巻き取ってもよい。基材上に形成された液晶層を他のフィルムに転写したり、基材と液晶層とを剥離した後、基材と液晶層とを別に巻き取ってもよい。また、基材から剥離された液晶層、あるいは他のフィルムに転写された液晶層を、乾燥、配向処理、延伸等の別の工程に供してもよい。
基材と密着させた状態で巻き取られた液晶層は、基材と一体で光学フィルムとして実用に供してもよい。また、基材上に液晶層を密着させた状態で、延伸等の別の工程に供することもできる。その後、基材と液晶層とを一体で光学フィルムとして用いてもよいし、基材から剥離した液晶層や、他のフィルム上に液晶層が転写されたものを、光学フィルムとして用いてもよい。液晶層上にさらに別のコーティング層等を塗布することもできる。
このようにして得られる本発明の光学フィルムは、スポットムラが低減され、光学的な欠陥が少ないため、画像表示装置用の光学フィルムとして用いることができる。画像表示装置用の光学フィルムとしては、具体的には、位相差板等の光学補償フィルム、偏光子、偏光子保護フィルム、旋光素子等が挙げられる。
以下に、液晶光学フィルムの作製に関する実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[作製例1:コレステリック液晶材料を用いたネガティブCプレートの作製]
作製例1A〜1Mでは、基材フィルムとして厚み75μmのポリエステルフィルム(ラビング処理なし)を用い、以下の塗布液を基材フィルム上に塗布して、コレステリック液晶層からなるネガティブCプレート(選択反射波長:200〜220nm)を備える光学フィルムを作製した。
<液晶材料の塗布液の調製>
下記のネマチック液晶モノマー:90重量部、
Figure 2016150286
下記式の重合性カイラル剤:10重量部、
Figure 2016150286
およびUV重合開始剤(商品名「イルガキュア907」 BASF社製):5重量部を、メチルエチルケトン:300重量部に溶解して、カイラル剤を含む重合性液晶材料溶液を調製した。
[作製例1A(実施例)]
基材フィルムの巻回体を、製膜装置の繰り出し部にセットし、基材フィルムを繰り出して走行させながら、イソプロピルアルコールを洗浄液として、基材フィルムの背面側に、基材の搬送方向と逆方向に回転するグラビアロールを接触させることにより、基材背面の洗浄を行った。洗浄後の基材の製膜面上に、上記の重合性液晶材料溶液を、乾燥後の膜厚が2μmとなるように塗布して、70℃で3分間乾燥させた後、室温に冷却し、紫外線を積算光量で300mJ/cm照射することにより、液晶モノマーを硬化させ、液晶分子の配向を固定した。得られた液晶層は、基材フィルムとの積層体として巻き取った。
[作製例1B(実施例)]
上記作製例1Aにおいて、基材フィルムの背面側に加えて、製膜面側も、イソプロピルアルコールを洗浄液として、グラビアロールを接触させながら洗浄を行った。すなわち、作製例1Bでは、基材フィルムの背面および製膜面の両面に対して、グラビアロールを接触させながら洗浄を行った。その後、作製例1Aと同様に、重合性液晶材料溶液の塗布、乾燥、冷却および紫外線照射を行い、基材フィルム上に液晶層を形成した。
[作製例1C,1D(実施例)]
グラビアロールに代えて、マイヤーバーロールを用いた。それ以外は、作製例1A,1Bと同様に洗浄を行った後、重合性液晶材料溶液の塗布、乾燥、冷却および紫外線照射を行い、液晶層を形成した。すなわち、作製例1Cでは、基材フィルムの背面に対してマイヤーバーロールを接触させながら洗浄が行われ、作製例1Dでは基材フィルムの両面に対してマイヤーバーロールを接触させながら洗浄が行われた。
[作製例1E(比較例)]
基材フィルムの背面、製膜面のいずれに対しても洗浄を行わずに、作製例1Aと同様に、重合性液晶材料溶液の塗布、乾燥、冷却および紫外線照射を行い、基材フィルム上に液晶層を形成した。
[作製例1F(比較例)]
上記作製例1Bにおいて、基材フィルムの背面側の洗浄を行わず、基材フィルムの製膜面のみに対して、グラビアロールを接触させながら洗浄を行った。その後、作製例1Aと同様に、重合性液晶材料溶液の塗布、乾燥、冷却および紫外線照射を行い、基材フィルム上に液晶層を形成した。
[作製例1G(比較例)]
上記作製例1Dにおいて、基材フィルムの背面側の洗浄を行わず、基材フィルムの製膜面のみに対して、マイヤーバーロールを接触させながら洗浄を行った。その後、作製例1Aと同様に、作製例1Aと同様に、重合性液晶材料溶液の塗布、乾燥、冷却および紫外線照射を行い、基材フィルム上に液晶層を形成した。
[作製例1H(比較例)]
作製例1Eと同様に、基材フィルムの背面、製膜面のいずれに対しても洗浄を行わずに、作製例1Aと同様に、重合性液晶材料溶液の塗布、乾燥、冷却および紫外線照射を行い、基材フィルム上に液晶層を形成した。作製例1Hでは、重合性液晶材料溶液の塗布時に、基材の背面に接するバックアップロールにスクレーパーを接触させ、バックアップロールを常時清掃しながら製膜を行った。
[作製例1I(比較例)]
製膜装置の製膜部の直前で基材の背面と接触するガイドロールを粘着ロールに変更して、粘着ロールとの接触による基材の背面の洗浄を行った。一方、作製例1Iでは、洗浄ロールを用いた洗浄は行われなかった。それ以外は作製例1Aと同様に、重合性液晶材料溶液の塗布、乾燥、冷却および紫外線照射を行い、基材フィルム上に液晶層を形成した。
[作製例1J(比較例)]
製膜装置の製膜部の直前で基材の製膜面と接触するガイドロールを粘着ロールに変更して、粘着ロールとの接触による基材の製膜面の洗浄を行った。一方、作製例1Jでは、洗浄ロールを用いた洗浄は行われなかった。それ以外は作製例1Aと同様に、重合性液晶材料溶液の塗布、乾燥、冷却および紫外線照射を行い、基材フィルム上に液晶層を形成した。
[作製例1K(比較例)]
製膜装置の製膜部の直前で基材の背面と接触するガイドロールおよび製膜面と接触するガイドロールのそれぞれを粘着ロールに変更して、粘着ロールとの接触による基材の背面および製膜面の洗浄を行った。一方、作製例1Kでは、洗浄ロールを用いた洗浄は行われなかった。それ以外は作製例1Aと同様に、重合性液晶材料溶液の塗布、乾燥、冷却および紫外線照射を行い、基材フィルム上に液晶層を形成した。
[作製例1L(比較例)]
作製例1Aと同様に、イソプロピルアルコールを洗浄液として、グラビアロールを接触させながら基材フィルムの背面側を洗浄した。その後、液晶材料溶液を塗布せずに、一旦基材フィルムを巻き取った(オフライン洗浄)。巻取り後の基材フィルムを再び製膜装置にセットして、基材フィルムの背面、製膜面のいずれに対しても洗浄を行わずに、重合性液晶材料溶液の塗布、乾燥、冷却および紫外線照射を行い、基材フィルム上に液晶層を形成した。
[作製例1M(比較例)]
上記作製例1Lにおいて、グラビアロールに代えてマイヤーバーロールを用いて、基材フィルムの背面側をオフライン洗浄した後、一旦基材フィルムを巻き取った。巻取り後の基材フィルムを再び製膜装置にセットして、基材フィルムの背面、製膜面のいずれに対しても洗浄を行わずに、重合性液晶材料溶液の塗布、乾燥、冷却および紫外線照射を行い、基材フィルム上に液晶層を形成した。
[評価]
暗室内で、上記作製例1A〜1Mで得られた光学フィルムを、基材フィルム上に液晶層を積層したままの状態で、液晶層側から白色光を照射し、膜厚変化により反射光に環状の干渉縞が生じている箇所の有無を目視で確認した。1mの領域における、環状の干渉縞が生じている箇所の数をカウントし、これをスポットムラ数とした。作製例1A〜1Mにおける基材の洗浄条件と、スポットムラ数の一覧を表1に示す。
Figure 2016150286
作製例1F,1Gでは、基材の製膜面の洗浄が行われたが、洗浄が行われなかった作製例1Eと対比して、スポットムラ数の明確な変化はみられなかった。また、バックアップロールを清掃した作製例1H、および製膜面を粘着ロールで洗浄した作製例1Jでも、スポットムラ数の明確な変化はみられなかった。
これに対して、インラインで背面の洗浄が行われた作製例1A〜1Dおよび作製例I,1Kでは、スポットムラ数が大幅に低減されていた。一方、オフラインで背面の洗浄が行われた作製例1L,1Mでは、スポットムラ数の明確な変化はみられなかった。これらの結果から、基材の背面をインライン洗浄することにより、スポットムラが大幅に低減することがわかる。
粘着ロールと接触させることにより基材の背面の洗浄が行われた作製例1I,1Kにおけるスポットムラ数は、1mあたりそれぞれ7個および6個であった。スポットムラによる不良が1mあたり6箇所存在する場合、光学フィルムを5インチの画面サイズの画像表示装置(1mあたり約140ピース)に用いると、不良率約4%に相当する。しかし、画面サイズが11インチの場合は不良率が約20%となり、画面サイズが20インチ以上になると不良率がほぼ100%に上昇する。したがって、光学フィルムを大型の画像表示装置の形成に用いる場合、粘着ロールによる洗浄では、スポットムラによる不良率が高く、良品の光学フィルムのピースを得ることが極めて困難であることがわかる。
これに対して、作製例1A〜1Dのように、洗浄液を介してロールと基材とを接触させ、基材背面のウェット洗浄を行うことによって、スポットムラがほとんどなく、大型の画像表示装置の形成にも好適に使用できる高品質の光学フィルムが得られることがわかる。
[作製例2:ラビング基材上へのポジティブAプレートの作製]
作製例2A〜2Mでは、基材フィルムとして、表面にラビング処理が施された厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルムを用い、以下の塗布液を基材フィルム上に塗布して、ネマチック液晶層からなるポジティブAプレートを備える光学フィルムを作製した。
<液晶材料の塗布液の調製>
ネマチック液晶相を示す液晶モノマー(商品名「Paliocolor LC242」 BASF社製):100重量部、および光重合開始剤(商品名「イルガキュア 907」 BASF社製):3重量部を、トルエン400重量部に溶解して、重合性液晶材料溶液を調製した。
<基材のラビング処理>
ケン化処理を施した厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルムに、特開2006−235611号の実施例1−1に記載の方法により、ラビング処理を施した。ラビング角度は、基材フィルムの搬送方向に対して24.3°傾斜させた。ラビング処理後の基材は、水洗および乾燥を行った後、一旦ロール状に巻き取った。
[作製例2A〜2D(実施例)]
ラビング処理済の基材フィルムの巻回体を、製膜装置の繰り出し部にセットし、基材フィルムを繰り出して走行させながら、作製例1A〜1Dと同様にして、基材の洗浄を行った。洗浄後の基材の製膜面上に、上記の重合性液晶材料溶液を、乾燥後の膜厚が1μmとなるように塗布して、90℃で2分間乾燥させた後、室温に冷却し、紫外線を積算光量で300mJ/cm照射することにより、液晶モノマーを硬化させ、液晶分子の配向を固定した。得られた液晶層は、基材フィルムとの積層体として巻き取った。
[作製例2E〜2M(比較例)]
ラビング処理済基材の洗浄方法を、作製例1E〜1Mと同様の方法に変更した。それ以外は上記作製例2A〜2Dと同様に、重合性液晶材料溶液の塗布、乾燥、冷却および紫外線照射を行い、基材フィルム上に液晶層を形成した。
[評価]
上記作製例1と同様の評価方法により、作製例2A〜2Mで得られた光学フィルムのスポットムラの数を評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2016150286
作製例2E〜2Mでは、作製例1E〜1Mと比較して、スポットムラの数が多くなる傾向がみられた。これは、ラビング処理時に生じた異物(ラビングかす等)が、基材表面に付着したことに起因すると推定される。一方、インラインで背面の洗浄が行われた作製例2A〜2Dでは、作製例1A〜1Dと同様に、スポットムラは観察されなかった。
これらの結果から、基材のラビング処理の有無や、液晶材料の種類に関わらず、本発明の方法により、基材の背面をインライン洗浄することにより、スポットムラがほとんどなく、高品質の光学フィルムが得られることがわかる。
1 :基材
11 :製膜面(第一の主面)
12 :背面(第二の主面)
2 :巻回体
10 :繰り出し部
20 :乾燥炉
40 :洗浄部
41 :洗浄ロール
42 :バックアップロール
44 :ドクターブレード
47 :洗浄パン
48 :洗浄液
51,52,54 :ガイドローラ
60 :製膜部
61 :ダイ
62 :バックアップロール
140 :グラビアロール
141 :凹部
142 :凸部
240 :マイヤーバーロール
241 :シリンダ
242 :細線(凸部)

Claims (4)

  1. 光学フィルムの製造方法であって、
    可撓性基材の巻回体から、第一の主面と第二の主面とを備える長尺状の基材が巻き出され、下流側へと連続的に搬送される繰り出し工程;
    前記基材の第二の主面が洗浄される洗浄工程;および
    前記基材の第一の主面上に、液晶材料が塗布される製膜工程、を有し、
    前記洗浄工程において、前記基材の第二の主面と洗浄ロールとの間に洗浄液が供給され、前記洗浄ロールによって前記洗浄液が基材上に塗り拡げられることにより前記基材の洗浄が行われる、光学フィルムの製造方法。
  2. 前記洗浄ロールは、表面に凹凸パターンを有し、前記凹凸パターンの凸部がロールの周方向と非平行に延在している、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 前記洗浄ロールが、グラビアロールまたはマイヤーバーロールである、請求項2に記載の光学フィルムの製造方法。
  4. 前記洗浄液が、水よりも沸点の低い液体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
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