JP2005277318A - 高誘電体薄膜を備えた半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

高誘電体薄膜を備えた半導体装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 Hf系高誘電体薄膜上にシリコン含有の電極を有し、高性能なMISFET、MISキャパシタ等で成る高性能な半導体装置の製造を可能にする。
【解決手段】 シリコン基板11表面に、例えば0.5nm〜1nm程度の膜厚のSiO膜、Si膜、SiON膜等の第1誘電体膜13aを形成し、第1誘電体膜13a上に第2誘電体膜13bとして、HfAlOx、HfSiOxあるいはHfOの高誘電体薄膜を形成する。そして、シリコン(Si)化合物の原料ガスを用いて第2誘電体13b上にシリコン膜14を化学気相成長させる。この時の成膜温度は、原料ガスあるいは原料ガスの解離した中間生成物が第2誘電体膜13bを還元する温度より低く又は上記SiとOの化学結合が生じる温度より低くなるようにし、その成膜温度は590℃以下にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高誘電体薄膜を備えた半導体装置及びその製造方法に係り、詳しくは、ハフニウム(Hf)と酸素(O)の化学結合を含んだ高誘電体薄膜をゲート絶縁膜あるいは容量絶縁膜とした絶縁ゲート電界効果トランジスタ(MISFET)あるいは容量素子(キャパシタ)を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
近年、半導体装置、特にMISFETの微細化、高集積化が精力的に進められており、駆動電流確保、消費電力低減の観点からゲート絶縁膜の薄膜化が求められている。スケーリング則の要請から、ゲート絶縁膜として広く用いられてきた二酸化シリコン(SiO)膜は、その膜厚を2nm以下にすることが必要となっている。しかし、このような極薄のSiO膜をゲート絶縁膜として用いた場合、トンネル電流によるゲート漏れ電流が、ソース/ドレイン電流に対して無視できない値となり、MISFETの高性能化と低消費電力化の両立を達成する上での大きな問題となっている。
そこで、MISFETのゲート漏れ電流を低減させるために、SiO膜に比べて誘電率の大きな薄膜材料(以下、高誘電体薄膜材料と称す)をゲート絶縁膜に用いる方法が種々に検討されている。この種の高誘電体薄膜材料としては、ハフニア(HfO)、ジルコニア(ZrO)、アルミナ(Al)といった金属酸化物やハフニウムシリケート(HfSiOx)、ジルコニウムシリケート(ZrSiOx)といった金属シリケート、ハフニウムアルミネート(HfAlOx)、ジルコニウムアルミネート(ZrAlOx)といった金属アルミネート、La、Y等のランタノイド系元素の酸化物、等が挙げられる。なかでも、ハフニウム(Hf)を構成元素に含むHfO、HfSiOx、HfAlOx及びこれらの酸窒化膜(以下、Hf系高誘電体薄膜材料と呼称する)では、熱的安定性が比較的良好であるため、従来のLSI製造プロセスへの導入が比較的容易であると考えられている。上記の高誘電体薄膜材料は比誘電率が10以上であり、SiO膜の比誘電率3.9に比べて大きい。このため、実効的なゲート絶縁膜の膜厚(SiO膜への電気的換算膜厚:EOT(Equivalent Oxide Thickness))を小さい値に保ちつつ物理的膜厚を大きくできる。そして、上述したトンネル電流によるゲート漏れ電流を抑制することができ、消費電力を抑えることが可能となる。
上記MISFETの製造プロセスにおいては、そのシリコン(Si)ゲート電極に導電型不純物としてリン(P)、ヒ素(As)、ボロン(B)を導入した多結晶質シリコン(Poly−Si)や非晶質シリコン(α−Si)を用いてきた。これらのシリコン層から成るSiゲート電極では、導電型不純物を活性化するために、高温での熱処理が必要であるものの、その微細素子形成時の加工のし易さから、広く用いられている。上述のHf系高誘電体薄膜材料をゲート絶縁膜とするMISFETにおいても、従来の微細加工技術を活用するために、シリコンから成るゲート電極を用いたゲートスタック構造を前提とした開発研究が進められている。
2003年 ヴイ・エル・エス・アイ シンポジウム(VLSI Symposium 2003 Technical Digest)P9-10 International Electron Device Meeting(IEDM) 2001 Technical Digest, 30.1.1-30.1.4, p651-654, C.Hobbsら International Electron Device Meeting(IEDM) 2001 Technical Digest, 30.2.1-20.2.4, p455-458, Y. Kimら International Electron Device Meeting(IEDM) 2003 Technical Digest, M 27.5.1, 岩本ら International Workshop on Gate Insulator (IWGI) 2003 Extended Abstract, p10-14, S. De Gendtら 2003年秋期第64回応用物理学会学術講演会 講演予稿集、三橋ら、p716,30p-P2-5 International Workshop on Gate Insulator (IWGI) 2003 Extended Abstract, p150-155三橋ら
しかし、上述のHf系高誘電体薄膜材料を用いたゲート絶縁膜(以下、Hf系高誘電体ゲート絶縁膜と呼称する)とシリコンから成るゲート電極とのゲートスタック構造では、Siゲート電極/Hf系高誘電体ゲート絶縁膜の界面において相互反応が起こり、MISFETの特性がその予測したものから異なり、半導体装置の動作不良を引き起こすという大きな問題があった。
例えば、非特許文献1に示すC.Hobbsらによる研究調査結果では、HfOの薄膜材料をゲート絶縁膜に用い、ポリシリコンをゲート電極に用いp型Siゲート電極を形成する場合に、SiO膜をゲート絶縁膜に用いた場合に比べて、フラットバンド電圧が大きく負方向(MISFETのしきい値電圧(Vth)が深くなる方向)にシフトする問題のあることが報告されている。この場合、MISFETのしきい値電圧が著しく深くなるため、所望の低い動作電圧において、トランジスタの駆動電流が十分に得られなくなり大きな問題となる。同様の現象は、HfSiOxやHfAlOxの薄膜材料、又はこれらの窒化物をゲート絶縁膜に用いた場合にも起こり、特にHf系高誘電体ゲート絶縁膜に共通した問題になっている。ここで、上述のp型Siゲート電極とは、MISFETのゲート電極において、ゲート絶縁膜に接する領域の多結晶シリコンにボロン(B)等のp型導電型不純物を導入した構造をいう。
更には、上記Siゲート電極/Hf系高誘電体ゲート絶縁膜のゲートスタック構造のMISFETにおいて、Siゲート電極/Hf系高誘電体ゲート絶縁膜の界面に意図しない低誘電率層が形成され、その結果電気的換算膜厚が増加してしまいMISFETの性能が低下する問題があった(非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4参照)。そこで、成膜時におけるHf系高誘電体ゲート絶縁膜の物理的な膜厚を下げていくと、今度は上述したようなゲート漏れ電流を十分に低く抑えることが困難になってしまう。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、Hf系高誘電体薄膜上にシリコン含有の電極を有するMISFETあるいはMISキャパシタにおいて、高誘電体薄膜の電気的換算膜厚の増加を抑え、更にしきい値電圧が深くなる異常が発生するのを抑えて高性能の半導体装置を提供することを目的とする。
これまで、シリコン基板表面に成膜した高誘電体薄膜とシリコン基板との界面反応が、その後の高温の熱処理による上記シリコン基板と高誘電体膜との固相反応で生じることが知られていた(非特許文献5、非特許文献6、及び非特許文献7参照)。これに対して、本発明者は、Hf系高誘電体薄膜とSiゲート電極との界面反応は、シリコン膜の成膜中に起こることを初めて見出した。詳しくは後述する試行実験の結果として開示しているが、シリコン成膜中に生じる気相のSi活性種が、上記固相反応の場合よりもかなりの低温においてHf系高誘電体薄膜と熱反応する。本発明は、上記のような新知見に基づいてなされたものである。
すなわち、上記課題を解決するために、高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法にかかる第1の発明は、ハフニウム(Hf)と酸素(O)の化学結合を有する高誘電体薄膜が半導体基板上に形成された高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法であって、シリコン(Si)化合物の原料ガスを用いて前記高誘電体薄膜上にシリコン含有の半導体膜もしくは導電体膜を化学気相成長させる時の成膜温度が、前記原料ガスあるいは前記原料ガスの解離した中間生成物が前記高誘電体薄膜を還元する温度より低くなるようにして、前記半導体膜もしくは導電体膜を成膜するという構成を有している。
そして、第2の発明は、Hf−O(酸素)の化学結合を有する高誘電体薄膜が半導体基板上に形成された高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法であって、Si化合物の原料ガスを用いて前記高誘電体薄膜上にシリコン含有の半導体膜もしくは導電体膜を化学気相成長させる時の成膜温度が、前記原料ガスに存在したSiが前記O(酸素)と結合する温度より低くなるようにして、前記半導体膜もしくは導電体膜を成膜するという構成を有している。
そして、第3の発明は、Hf−O(酸素)の化学結合を有する高誘電体薄膜が半導体基板上に形成された高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法であって、Si化合物の原料ガスを用いて前記高誘電体薄膜上にシリコン含有の半導体膜もしくは導電体膜を化学気相成長させる時の成膜温度が590℃を超えないようにするという構成を有している。
上記発明において、前記シリコン含有の半導体膜は多結晶シリコン膜である。そして、前記原料ガスはモノシラン(SiH)ガスあるいはジシラン(Si)ガスである。
上記発明において、前記化学気相成長は熱CVD法でなされ、その成膜温度は550℃〜590℃の範囲に設定されることが好ましい。また、前記熱CVDの成膜圧力が0.2Pa〜10Paの範囲に設定されることが好ましい。
そして、第4の発明は、Hf−Oの化学結合を有する高誘電体薄膜が半導体基板上に形成された高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法であって、Si化合物の第1の原料ガスを用いて前記高誘電体薄膜表面にシリコン含有の第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜を化学気相成長させる時の成膜温度が、前記第1の原料ガスあるいは前記原料ガスの解離した中間生成物が前記高誘電体薄膜を還元する温度より低くなるようにして、第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜を成膜する工程と、前記第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜上に、Si化合物の第2の原料ガスを用いた化学気相成長により、前記還元する温度より高い成膜温度で第2の半導体膜もしくは第1の導電体膜を成膜する工程と、を有する構成となっている。
そして、第5の発明は、Hf−O(酸素)の化学結合を有する高誘電体薄膜が半導体基板上に形成された高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法であって、Si化合物の第1の原料ガスを用いて前記高誘電体薄膜表面にシリコン含有の第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜を化学気相成長させる時の成膜温度が、前記第1の原料ガスに存在したSiが前記O(酸素)と結合する温度より低くなるようにして、第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜を成膜する工程と、前記第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜上に、Si化合物の第2の原料ガスを用いた化学気相成長により、前記Siが前記O(酸素)と結合する温度より高い成膜温度で第2の半導体膜もしくは第2の導電体膜を成膜する工程と、を有する構成となっている。
そして、第6の発明は、Hf−O(酸素)の化学結合を有する高誘電体薄膜が半導体基板上に形成された高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法であって、Si化合物の第1の原料ガスを用いて前記高誘電体薄膜表面にシリコン含有の第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜を化学気相成長させる時の成膜温度が590℃を超えないようにして、第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜を成膜する工程と、前記第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜上に、Si化合物の第2の原料ガスを用いた化学気相成長により、590℃より高い成膜温度で第2の半導体膜もしくは第2の導電体膜を成膜する工程と、を有する構成となっている。
上記発明において、前記第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜は非晶質構造を有し、その膜厚は0.1nm〜5nmの範囲になるようにする。あるいは、前記第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜は多結晶構造であり、その膜厚は30nm〜150nmの範囲になるようにする。
上記発明において、前記Hf−Oの化学結合を有する高誘電体薄膜は、ハフニウムアルミネート(HfAlOx)、ハフニウムシリケート(HfSiOx)、ハフニア(HfO)あるいはその窒化物で成る。また、前記半導体膜は、シリコン膜あるいはシリコン・ゲルマニウム合金膜である。また、前記導電体膜は、高融点金属のシリサイド膜である。
そして、第7の発明は、上記高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法を用いて製造した半導体装置であって、前記高誘電体薄膜が絶縁ゲート電界効果トランジスタ(MISFET)のゲート絶縁膜であり、前記半導体膜もしくは導電体膜が前記MISFETのゲート電極を構成している。あるいは、前記半導体装置では、前記高誘電体薄膜がキャパシタの容量絶縁膜であり、前記半導体膜もしくは導電体膜が前記キャパシタの電極を構成している構造になっている。
本発明の構成によれば、Hf系高誘電体薄膜上にシリコン含有の半導体膜もしくは導電体膜から成る電極を有するMISFETあるいはMISキャパシタにおいて、その電気的換算膜厚の増加を抑え、更にしきい値電圧が深くなる異常が発生することを抑えて、高性能の半導体装置が再現性よくしかも安価に製造できる。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態の幾つかを詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1,2は、本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法を示す工程別素子断面図であり、半導体装置を構成するHf系高誘電体薄膜材料をゲート絶縁膜とするMISFETおよびその製造方法について示す。ここで、MISFETの構造については、その製造方法の説明の中で明らかになる。
半導体基板としてシリコン基板11を用意し、各素子領域間を分離するための素子分離領域12をSTI(Shallow Trench Isolation)で形成する。その後、素子領域に導電型不純物のイオン注入を行い、アニール処理を施すことでウェル(不図示)を形成する(図1(a))。
次いで、シリコン基板11表面の自然酸化膜の除去および洗浄等の前処理を行った後、熱酸窒化やプラズマ酸窒化等により、例えば0.5nm〜1nm程度の膜厚のSiO膜、Si膜、SiON膜等の第1誘電体膜13aを形成し、シリコン基板11表面の界面層を形成する(図1(b))。
続いて、図1(b)に示しているように、第2誘電体膜13bとして、HfAlOx、HfSiOxあるいはHfOの薄膜を形成する。第2誘電体膜13bには上記の誘電体薄膜の他、これらの膜を窒化処理した膜を用いることも可能である。上記の第2誘電体膜13bに用いたHfを含んだ高誘電体薄膜材料は、その比誘電率がSiO膜やSiON膜より大きいため、ある所定の電気的換算膜厚に対する物理的膜厚をSiO膜やSiON膜に比べて大きくすることができる。このため、ゲート漏れ電流を抑制できる。ここで、この成長にはALD(Atomic Layer Deposition)法やMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いることが好ましい。例えば、HfAlOxを第2誘電体膜13bの薄膜材料に用い、上記ALD法を用いる場合には、基板温度が300℃、成膜の原料ソースとして四塩化ハフニウム(HfCl)とトリメチルアルミニウム(TMA)を用い、水蒸気(HO)またはオゾン(O)を酸化剤として、膜厚2〜3nmのHfAlOxの薄膜を形成する。
このように、出来上がりのHf系高誘電体ゲート絶縁膜となるMISFETのゲート絶縁膜13は、界面層である上記第1誘電体膜13aと第2誘電体膜13bの積層構造により構成されることになる。このように、第1誘電体膜13aを界面層として挿入することで、第2誘電体膜13bとシリコン基板11との界面反応が抑制される。その結果、出来上がりのゲート絶縁膜13の電気的換算膜厚が薄く、且つ、特性が良好なMISFETを作製することが可能となる。
なお、この第2誘電体膜13bの形成後に、極微量酸素雰囲気中での熱処理を施すことが好ましい。上述したHfAlOxの薄膜材料を用いる場合では、ランプ式急速昇降温アニール(RTA)装置により、例えば1000℃程度の温度で数秒間熱処理を行う。この熱処理より誘電体膜中の酸素欠損が補償され、同時にこの誘電体膜中に含まれる導電型不純物の濃度を減少させることが出来る。そして、HfAlOx薄膜の膜質は改善され、ゲート漏れ電流をより一層下げることが出来る。
このようにして、MISFETのゲート絶縁膜13を構成する第2誘電体膜13bとしてHf系高誘電体薄膜を形成した後、この第2誘電体膜13b上にシリコン膜を堆積させる。上述したように、このシリコン膜の堆積時における成膜制御、特に成膜温度の制御が非常に重要になる。以下に、本発明の基礎になる本発明者らの試行実験の結果を開示しながら説明する。
上述したところのHf系高誘電体薄膜材料から成る第2誘電体膜13b上に、シリコン膜14を堆積させる。このシリコン成膜には、化学気相成長(CVD)法である減圧式CVD(LPCVD:Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法を用い、その反応ガスとしてモノシラン(SiH)ガスあるいはその窒素希釈ガスを用いる。そして、例えば、成膜温度が590℃、成膜圧力が2Paの条件で約40分間の成膜を行う。このようにして、膜厚が150nmの多結晶シリコン膜を形成する(図1(c))。
上記シリコン膜14の成膜において、MISFET製造の各種の熱プロセスを経て最終的に出来上がるMISFETの電気的特性の改善効果を最大限に得るためには、第1にシリコン膜14の成膜温度を590℃以下に設定することが重要となる。これについて図3を参照して説明する。
図3は、シリコン膜の成膜温度がHf系高誘電体薄膜に対して与える影響を調べた1つの結果であり、シリコン膜14の成膜温度に対して蓄積容量(C−V)特性から得られたHfAlOxの薄膜の電気的換算膜厚の関係をプロットしたグラフである。ここで、本発明者らは、シリコン基板上に形成したHfAlOxの薄膜表面に成膜温度を種々に変えてシリコン膜を成膜し、シリコン膜にボロン、リンあるいはヒ素等の不純物を導入し、熱処理を施してシリコン層中の上記不純物を活性化しMISキャパシタを製作してその電気特性を評価した。そして、このキャパシタのC−V特性より薄膜の電気的換算膜厚を求めた。図3において、縦軸に上記薄膜の電気的換算膜厚(EOT)を示し、横軸にシリコン膜の成膜温度を示す。ここで、上記Hf系高誘電体薄膜はHf組成が29%のHfAlOxの薄膜であり、その成膜時の条件は全て同一である。
図3にから判るように、シリコン膜の成膜温度が590℃を超えてくると、上記薄膜の電気的換算膜厚が急激に増大するようになる。これは、上記高誘電体材料がHfSiOxあるいはHfOの薄膜においても同様に見られる。これらの新知見は発明者らによって初めて得られた。
モノシランガス、あるいはジシラン(Si)ガスのようなシリコン(Si)化合物ガスを原料ガスとした熱CVD法によるシリコン膜の成膜においては、通常、中間生成物であるSiH等がその表面で熱分解し、中間生成物であるSi活性種の解離吸着と水素の発生が生じる。ここで、シリコン膜14の成膜温度が590℃を超えてくると、Hf系高誘電体薄膜表面で活性状態になったSi活性種等の中間生成物あるいはこの発生した水素が、特に上記薄膜上にシリコン膜が成長を始める初期段階において、上記高誘電体薄膜材料から成る薄膜を還元したり、その表面で活性な状態になった上記解離吸着のSiが薄膜中の酸素と反応し、上記薄膜よりも比誘電率の小さいSiOxを含む低誘電率層が形成するものと考えられる。従って、このような高誘電体薄膜とSiの界面反応を抑制する観点から、シリコン膜14の成膜温度を600℃以下、好ましくは590℃以下に設定するのが良い。
更に、本発明者らの検討では、上記シリコン膜14の成膜において、上述した最終的に出来上がるMISFETの電気的特性の改善効果を最大限に得るためには、更にシリコン膜の成膜温度を550℃以上にするのがより好ましいことが判った。これについて図4を参照して説明する。
MISFETのゲート絶縁膜の電気的換算膜厚が小さくなってくると、ゲート電極を構成するシリコン層中には高濃度の不純物が必要になる。この不純物濃度が低いと、いわゆるゲート電極の空乏化が生じ、MISFETの電気的特性において、見かけ上ゲート絶縁膜の膜厚が増加しMISFETの性能が低下してくる。
図4は、シリコン膜14の成膜温度と上記空乏化の関係を示すグラフである。ここで、本発明者らは、n導電型のシリコン基板上に形成したHfAlOxの薄膜表面に成膜温度を種々に変えてシリコン膜を成膜し、シリコン膜にボロン不純物を導入し、800℃程度の熱処理を施してシリコン層中の不純物を活性化しMISキャパシタを製作してその電気特性を評価した。先ず、図3の場合と同様にMISキャパシタのC−V特性より薄膜の電気的換算膜厚(EOT)を求めた。更に、高周波(100KHz)信号によるC−V測定より、MISキャパシタの電極に電圧(負電圧)を印加しシリコン基板の表面が反転する時の容量値を求め、その時の電気的膜厚をTinvとし、TinvとEOTの差すなわちΔTg=Tinv−EOTをゲート空乏化の指標とした。図4において、縦軸に上記ΔTgを示し、横軸にシリコン膜の成膜温度を示す。ここで、上記Hf系高誘電体薄膜はHf組成が29%のHfAlOxの薄膜であり、その成膜時の条件は全て同一である。
図4から判るように、シリコン膜の成膜温度が550℃より低くなる、上記ΔTgが急激に増大するようになる。この現象は、シリコン膜の結晶性に関係しており、この場合その非晶質化による不純物濃度の低下によるものと考えられる。図4より、シリコン膜の成膜温度が570℃以上においては、ΔTgはシリコン膜の成膜温度に無関係に一定の値になる。しかし、ΔTgは、その温度より低い温度、特に550℃より低い温度になると急増するようになる。ここで、シリコン膜へのイオン注入によるボロン不純物の導入及び熱処理によるその活性化の温度は、MISFET製作の場合と同じにしている。上述したように、これは、シリコン膜の成膜温度が550℃より低くなるとシリコン膜の非晶質化が顕著になり、上記活性化の熱処理における不純物拡散が充分にできなくなり、シリコン膜とHfAlOxの薄膜との界面領域のボロン不純物濃度が低下しこの領域の空乏化が増大したものと考えられる。
MISFET構造でのゲート電極の空乏化の増大は、トランジスタ動作時の実効的な電気的膜厚を増大させ、トランジスタ駆動能力を劣化させる。このために、シリコン膜の成膜温度は、550℃以上にする必要があり、好ましくは570℃以上にするのが良い。
そして、上記シリコン膜14の成膜では、成膜温度以外にもその成膜圧力も重要であることが判った。詳細な実験データの開示は省くが、上述した多結晶シリコン膜の成膜において、その膜中にミクロなボイド発生がないようにするために、成膜圧力を0.2Pa〜10Paの範囲にすることが必要になる。特にその圧力を1Pa〜2Pa範囲にするのが好ましい。
なお、シリコン膜の形成には、熱触媒分解式CVD(Cat−CVD)や、プラズマCVD等の成膜方法を用いることもできる。これらの成膜技術は、熱CVDの場合に比べて成長温度を低くしても、すなわち成膜温度を550℃より低くしても多結晶シリコン膜を得ることができ、上述したゲート電極の空乏化を生じさせないでシリコン成膜の低温化を可能にする好ましい成膜手法になる。
上述したようなシリコン膜の成膜方法により、第2高誘電体膜13b上に膜厚が150nmのシリコン膜14を成膜し、次いで、イオン注入および熱処理(850℃程度)で、シリコン膜14に導電型不純物を導入後、公知のフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、シリコン膜で成るゲート電極15、Hf系高誘電体薄膜材料から成る第2誘電体膜13bとSiON等から成る第1誘電体膜13aの積層膜から成るゲート絶縁膜13を順次にパターニングして、MISFETのゲート部を形成する(図2(a))。
その後、所定の導電型不純物イオンを注入して、エクステンション領域16を形成する。引き続いて、Si膜やSiO膜を公知のCVD技術を用い成膜後、公知のエッチング技術を用いて、絶縁膜から成るサイドウォール・スペーサ17を形成する。更に引き続いて、公知のイオン注入技術を用いて、導電型不純物を導入後、活性化のための熱処理(850℃)を施すことでソ−ス・ドレイン拡散層18を形成する。この後、サリサイド技術と呼ばれる公知の自己整合シリサイド形成技術を用いて、シリサイド層19をゲート電極15上及びソース・ドレイン拡散層18上に形成する。このサリサイド形成は、例えば、希弗酸等による所定の前洗浄を実施後、ニッケル(Ni)と窒化チタン(TiN)をそれぞれ約10nm堆積し、500℃程度の熱処理を約30秒施した後、未反応金属を除去洗浄することで行う(図2(b))。
このようにして、作製された図2(b)に示す構造のMISFETでは、上述したように、シリコン膜14の成膜温度を適切な範囲に設定することにより、ゲート絶縁膜13電気的換算膜厚を薄くし、更にはゲート電極15の空乏化に関係する電気的膜厚Tinvを薄くすることが出来るようになる。
そして、本発明者らは、MISFETのp型Siゲート電極を形成するシリコン膜の成膜温度を低くすることの更なる効果を見出した。この効果は、このシリコン膜の成膜温度を低くすることにより、上記課題として取り上げたp型Siゲート電極のMISFETのしきい値電圧が深くなる異常を抑制することができるというものである。これについて図5を参照して説明する。
図5は、本発明者らが、上述したMISFETの作製方法により、Hf系高誘電体ゲート絶縁膜上に種々にシリコン膜の成膜温度を変えてp型Siゲート電極を形成してpチャネルMISFETを作製し、そのしきい値電圧(Vth)に対して、シリコン膜の成膜温度が与える影響を調査した結果である。ここに示した調査結果の例では、Hf系高誘電体ゲート絶縁膜として、膜厚約1nmのSiON界面層と膜厚約3nmのHfAlOx膜(Hf組成は約30%)を積層した構造を用いている。また、トランジスタを作製する際の不純物の活性化温度は850℃にて行っている。この活性化温度では、この積層構造から成る高誘電体ゲート絶縁膜を通して、p型Siゲート電極から拡散されたボロンの突抜けによるVthシフトが、生じていないことは確認している。図5に示したように、同一の高誘電体ゲート絶縁膜に対して、シリコン膜の成膜温度を変えてp型Siゲート電極を形成した場合、成膜温度が低いほど、Vthが浅くなっていくことが判る。このVthシフトの抑制は、シリコン膜の成膜時に起こるHf系高誘電体ゲート絶縁膜とシリコン活性種との界面反応が抑制され、ゲート絶縁膜中での正の固定電荷の形成が抑えられたため生じたと考えられる。
図6は、本発明者らが、Hf系高誘電体ゲート絶縁膜上に種々の成膜温度にてシリコン膜を成膜し、これからpチャネルMISFETのp型Siゲート電極を作製し、出来上がった上記MISFETのオン動作電流に対して、シリコン膜の成膜温度が与える影響を調査した結果である。成膜温度を590℃以下に下げて成膜を行い作製したトランジスタでは、オン動作電流が増加していることが分かる。これは上述したように、トランジスタのしきい値電圧が浅くなったことと電気的換算膜厚が薄くなったことの両方の効果を反映したためと考えられる。
また、この場合に同時に作製したn型Siゲート電極を有するnチャネルMISFETについては、しきい値電圧の変化が上記p型Siゲート電極のpチャネルMISFETの場合より小さくなることが、本発明者らにより確認された。図7に代表例として、成膜温度620℃と590℃にて多結晶シリコン膜を成膜し、このシリコン膜からn型Siゲート電極を作製し、そのnチャネルMISFETのしきい値電圧のチャネル長依存性を示している。n型Siゲート電極を有するnチャネルMISFETでVthシフトが小さくなる理由は、ゲート絶縁膜中での正の固定電荷の生成と電気的換算膜厚とが、Vthシフトにおいて相殺する方向に働くためであると思われる。
このように、実施の形態1のMISFETのゲート構造及びその製造方法によれば、Hf系高誘電体ゲート絶縁膜上に多結晶Si電極を形成する際に、成膜温度を550℃〜590℃の範囲で最適に設定することにより、ゲート電極となるシリコン膜の成膜時における高誘電体ゲート絶縁膜との界面反応が抑制できるため、電気的換算膜厚の増加を防止し、更にゲート電極の空乏化を抑制することが出来る。更に、界面反応の抑制に伴い、Hf高誘電体ゲート絶縁膜中の正の固定電荷の形成を抑制できるため、p型Siゲート電極構造のpチャネルMISFETのしきい値電圧が深くなってしまう異常を抑えることが出来る。
このようにして、上記実施の形態では、電気的換算膜厚の低減効果とMISFETのしきい値電圧が浅くなった効果により、MISFETを作製した場合のトランジスタ特性であるオン動作電流が大幅に増加する。また、n型Siゲート電極構造のnチャネルMISFETについては、しきい値電圧は大きくは変化しないが、電気的換算膜厚は、p型Siゲート電極構造の場合と全く同様に小さくなるため、オン動作電流が増加する。その結果、これらのトランジスタで相補型MISFETを作製した場合に、n型、p型ともにオン動作電流が増加することが出来るため、駆動能力の高い相補型MISFETを簡便に且つ安価に、再現性良く作製することが出来るようになる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るHf系高誘電体薄膜を備えた半導体装置及びその製造方法について、図8,9を参照して説明する。図8,9はMISFETの製造方法を示す工程別素子断面図である。ここで、実施の形態2の特徴は、MISFETのゲート電極を構成するシリコン膜の成膜において、初めに低い第1の成膜温度で第1のシリコン膜を形成し、続いて第1の成膜温度より高い第2の成膜温度で更に第2のシリコン膜を形成するという、2段階の成膜温度を用いて所望のシリコン膜を形成するところにある。以下、実施の形態1と異なるところを主に説明する。MISFETの製造方法および構造において説明のないところは図1,2と同じであるものとしてよい。なお、MISFETの構造については、その製造方法の説明の中で同時に明らかになる。
図1で説明したのと同様にして、シリコン基板21に素子分離領域22等を形成し、第1誘電体膜23a、第2誘電体膜23bを積層して堆積させる(図8(a))。そして、第1のシリコン膜である下層シリコン膜24aを第2誘電体膜23b上に形成する(図8(b))。この第1のシリコン膜の成膜には、熱CVD法であるLPCVDを用い、その反応ガスとしてモノシラン(SiH)ガスあるいはその窒素希釈ガスを用い、第1の成膜温度は475℃である。ここで、下層シリコン膜24aは非晶質膜であり、その膜厚は膜厚5nm以下とするのが望ましく、より好適には膜厚1nm程度にするのが良い。このように下層シリコン膜24aを薄くすることで、図4を参照して説明したMISFETのゲート電極になった時のゲート電極の空乏化の問題は解消される。
ここで、下層シリコン膜24aに多結晶シリコンを形成しても良く、この場合は、LPCVD法を用いて、第1の成膜温度は570℃であり、反応ガスは同じで膜厚約40nmの第1のシリコン膜を形成することになる。ここで、第1のシリコン膜に多結晶シリコンを用いる場合にはその膜厚は30nm以上とするのが望ましく、より好適には膜厚40nmとするのが良い。これは、膜厚が薄すぎる場合には、多結晶シリコンの凝集が一部で生じ、一様に連続したシリコン膜が得られないためである。ここで、下層シリコン膜24aにより被覆されないで第2誘電体膜23bが露出した状態になると、後述する上層シリコン膜24bの成膜時に、実施の形態1で説明したように第2誘電体膜23bの還元反応が生じてしまい、Hf系高誘電体ゲート絶縁膜の局部的な劣化を招いてしまう。
続いて、下層シリコン膜24a上に第2のシリコン膜である上層シリコン膜24bを多結晶シリコンで形成する。この第2のシリコン成膜には、LPCVD法を用いて、その反応ガスとしてモノシラン(SiH)ガスあるいはその窒素希釈ガスを用い、第2の成膜温度を620℃にして膜厚約110nmの上層シリコン膜24bを形成する。ここで、上層シリコン膜24bは、多結晶シリコンであることが望ましい。これは、後工程で実施する不純物の活性化の熱処理時において、不純物の拡散を促進させるためである。また、多結晶シリコンを用いることで、後述するサリサイド工程において、安定して金属シリサイドを形成することができるからである。この実施の形態2では、上層シリコン膜24bの成膜温度は、590℃以下に制約される必要はなく、それよりも高温にしても良い。これは、Hf系高誘電体ゲート絶縁膜を構成する第2誘電体膜23bが既に下層シリコン膜24aに被覆されており、上層シリコン膜24bの成長表面に露出していないため、上述したHf系高誘電体薄膜材料と原料ガス、その中間生成物あるいはSi活性種との界面反応が起こらないためである。この場合のように第2の成膜温度を上げることにより、全体のシリコン膜の成膜速度が向上し、シリコン成膜でのスループットが改善され、MISFETの生産性が向上する。なお、このような2段階の成膜温度に制御するシリコン膜の成膜はマルチチャンバを備えた枚葉式成膜装置あるいは、高速昇降温機能を備えたCVD装置を用い、一成膜装置で連続して行うのが良い。
次に、実施の形態1と同様にイオン注入と熱処理とで上記上層/下層シリコン膜に導電型不純物を導入し、その後、公知のフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、上記下層シリコン膜24aおよび上層シリコン膜24bをパターンニングしこの積層構造のシリコン膜で成るゲート電極25を形成する。更に、第2誘電体膜23b、第1誘電体膜23aの積層膜をパターニングしゲート絶縁膜23を形成してMISFETのゲート部を形成する(図9(a))。
そして、後は実施の形態1で説明したのと全く同様に、エクステンション領域26、サイドウォール・スペーサ27、ソ−ス・ドレイン拡散層28を形成する。その後、サリサイド技術でシリサイド層29をゲート電極25上及びソース・ドレイン拡散層28上に形成する。
この実施の形態2によれば、第1のシリコン膜である下層シリコン膜24aが550℃よりも低い温度で成膜できるようになるために、図5で説明したように、この製法によりp型Siゲート電極を形成した場合には、上述した正の固定電荷の発生を更に抑制させることが可能になり、実施の形態1の場合よりもそのMISFETのしきい値電圧を更に浅くすることができる。このために、実施の形態1と同様な電気的換算膜厚(EOT)の低減効果としきい値電圧が浅くなった効果により、トランジスタを作製した場合のオン動作電流が増加しMISFETの性能が更に向上する。
また、この実施の形態2では、第2のシリコン膜である上層シリコン膜24bの成膜温度を590℃以上に上げて行うことが可能となり、上述したようにシリコン膜の成膜工程のスループットが改善され、半導体装置の製造における生産性が向上する。このようにして、駆動能力が非常に高い高誘電体ゲート絶縁膜を備えたMISFET、そして、このようなMISFETで構成される半導体装置を簡便且つ安価に、再現性良く、しかも生産性良く製造することが出来るようになる。
上記の実施の形態では、半導体装置を構成するMISFETにおける、Siゲート電極/高誘電体ゲート絶縁膜の構造の場合について種々に説明しているが、Siキャパシタ電極/高誘電体薄膜材料の構造を有するMISキャパシタも、全く同様にして形成できる。ここで、Siキャパシタ電極を構成することになるシリコン膜を実施の形態1あるいは実施の形態2で説明したのと全く同様にして成膜すれば良い。また、Hfを含む高誘電体薄膜材料としては、上述したように、HfAlOx、HfSiOxあるいはHfOの薄膜、あるいは0.5nm〜1nm程度の膜厚のSiO膜、Si膜、SiON膜との積層膜を用いる。このようにして、単位面積当たりの容量値が非常に高いキャパシタを半導体装置に用いることができる。このようにして形成したキャパシタは、その詳細構造の説明は省略するが、いわゆる1トランジスタ、1キャパシタ構成のDRAMのメモリセルのキャパシタに効果的に適用することが可能になる。また、アナログ回路を搭載する半導体装置に必要な大容量のキャパシタを形成する場合にも効果的に適用できるようになる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を限定するものでない。当業者においては、上記実施の形態に様々な変形・変更を施せることや、上記と同様の効果を達成するために様々な構成を採用できることが理解されよう。また、様々な技術分野の当業者において、本発明が上記実施の形態以外の用途における他の課題や適合性に対する解法を示唆していることがわかるであろう。開示目的のために本明細書に記載された実施の形態に対して本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能であり、それらの全てを特許請求の範囲でカバーすることが本出願人の意図するところである。
例えば、MISFETのゲート電極が、上記実施の形態の高融点金属シリサイド層/シリコン膜の構造以外に、シリコン膜単層構造、高融点金属シリサイド単層構造あるいは高融点金属/シリコン膜の構造、更には、シリコン・ゲルマニウム合金の構造、高融点金属シリサイド層/シリコン・ゲルマニウム合金膜の構造、あるいは高融点金属/シリコン・ゲルマニウム合金膜の構造であっても、本発明は同様に適用できる。そして、上記種々の構造をMISキャパシタ電極として用いても良い。
また、CVDによるシリコン膜の成膜において、導電型不純物を含有するホスフィン(PH)ガス、アルシン(AsH)ガスあるいはジボラン(B)ガスを同時に反応室に導入して成膜時に導電型不純物をシリコン膜にドーピングするようにしても良い。また、CVDで用いるシリコン化合物の原料ガスは、シリコンのハロゲン化合物たとえばジクロールシラン(SiHCl)のような塩素化合物、ジフルオロシラン(SiH)のようなフッ素化合物を含んでいても良い。あるいは、上記シリコンの化合物とゲルマン(GeH)ガス、水素ガスとの混合ガスを含んでいても良い。
また、Hf系高誘電体薄膜の他に、Zr系高誘電体薄膜でも、更に他の高誘電体薄膜でも本発明は同様に適用できる。但し、これらの高誘電体薄膜上へのCVDによるシリコン成膜について本発明者の詳細な実験調査は不充分であるが、これらの場合での成膜温度は、Hf系高誘電体薄膜の場合の上記590℃とは異なる温度になる。
また、本発明は、n型Siゲート電極を有するpチャネルMISFET、p型Siゲート電極を有するnチャネルMISFETの形成においても同様に適用できる。そして、実施の形態で具体的に説明したようなMISFETおよび上記MISFETを組み合わせて本発明の半導体装置を形成することができる。このように、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、実施の形態は適宜に変更されうるものである。
本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法を示す工程別素子断面図である。 図1に示す工程の続きの工程別断面図である。 本発明にかかるSiゲート電極に用いるシリコン膜の成膜温度に対する高誘電体薄膜の膜厚変化を示すグラフである。 本発明にかかるSiゲート電極に用いるシリコン膜の成膜温度に対するSiゲート電極の空乏化変化を説明するためのグラフである。 本発明にかかるSiゲート電極に用いるシリコン膜の成膜温度に対するP型Siゲート電極のMISFETの閾値変化を示すグラフである。 本発明にかかるSiゲート電極に用いるシリコン膜の成膜温度に対するMISFETのオン動作電流の変化を示すグラフである。 本発明にかかるSiゲート電極に用いるシリコン膜の成膜温度をパラメータとしたnチャネルMISFETの閾値のゲート長依存性を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態にかかる半導体装置の製造方法を示す工程別素子断面図である。 図8に示す工程の続きの工程別断面図である。
符号の説明
11,21 シリコン基板
12,22 素子分離領域
13,23 (高誘電体)ゲート絶縁膜
13a,23a 第1誘電体膜
13b,23b 第2誘電体膜
14 シリコン膜
15,25 ゲート電極
16,26 エクステンション領域
17,27 サイドウォール・スペーサ
18,28 ソース・ドレイン拡散層
19,29 シリサイド層
24a 下層シリコン膜
24b 上層シリコン膜

Claims (14)

  1. ハフニウム(Hf)と酸素(O)の化学結合を有する高誘電体薄膜が半導体基板上に形成された高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法であって、
    シリコン(Si)化合物の原料ガスを用いて前記高誘電体薄膜上にシリコン含有の半導体膜もしくは導電体膜を化学気相成長させる時の成膜温度が、前記原料ガスあるいは前記原料ガスの解離した中間生成物が前記高誘電体薄膜を還元する温度より低くなるようにして、前記半導体膜もしくは導電体膜を成膜する高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法。
  2. Hf−O(酸素)の化学結合を有する高誘電体薄膜が半導体基板上に形成された高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法であって、
    Si化合物の原料ガスを用いて前記高誘電体薄膜上にシリコン含有の半導体膜もしくは導電体膜を化学気相成長させる時の成膜温度が、前記原料ガスに存在したSiが前記O(酸素)と結合する温度より低くなるようにして、前記半導体膜もしくは導電体膜を成膜する高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法。
  3. Hf−O(酸素)の化学結合を有する高誘電体薄膜が半導体基板上に形成された高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法であって、
    Si化合物の原料ガスを用いて前記高誘電体薄膜上にシリコン含有の半導体膜もしくは導電体膜を化学気相成長させる時の成膜温度が590℃を超えないようにしたことを特徴とする高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法。
  4. 前記原料ガスがモノシラン(SiH)ガスあるいはジシラン(Si)ガスであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法。
  5. 前記化学気相成長が熱CVD法でなされ、その成膜温度が550℃〜590℃の範囲に設定されることを特徴とする請求項5記載の高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法。
  6. 前記熱CVDの成膜圧力が0.2pa〜10Paの範囲に設定されることを特徴とする請求項5記載の高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法。
  7. Hf−Oの化学結合を有する高誘電体薄膜が半導体基板上に形成された高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法であって、
    Si化合物の第1の原料ガスを用いて前記高誘電体薄膜表面にシリコン含有の第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜を化学気相成長させる時の成膜温度が、前記第1の原料ガスあるいは前記原料ガスの解離した中間生成物が前記高誘電体薄膜を還元する温度より低くなるようにして、第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜を成膜する工程と、
    前記第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜上に、Si化合物の第2の原料ガスを用いた化学気相成長により、前記還元する温度より高い成膜温度で第2の半導体膜もしくは第1の導電体膜を成膜する工程と、
    を有する高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法。
  8. Hf−O(酸素)の化学結合を有する高誘電体薄膜が半導体基板上に形成された高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法であって、
    Si化合物の第1の原料ガスを用いて前記高誘電体薄膜表面にシリコン含有の第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜を化学気相成長させる時の成膜温度が、前記第1の原料ガスに存在したSiが前記O(酸素)と結合する温度より低くなるようにして、第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜を成膜する工程と、
    前記第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜上に、Si化合物の第2の原料ガスを用いた化学気相成長により、前記Siが前記O(酸素)と結合する温度より高い成膜温度で第2の半導体膜もしくは第2の導電体膜を成膜する工程と、
    を有する高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法。
  9. Hf−O(酸素)の化学結合を有する高誘電体薄膜が半導体基板上に形成された高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法であって、
    Si化合物の第1の原料ガスを用いて前記高誘電体薄膜表面にシリコン含有の第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜を化学気相成長させる時の成膜温度が590℃を超えないようにして、第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜を成膜する工程と、
    前記第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜上に、Si化合物の第2の原料ガスを用いた化学気相成長により、590℃より高い成膜温度で第2の半導体膜もしくは第2の導電体膜を成膜する工程と、
    を有する高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法。
  10. 前記第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜は非晶質構造を有し、その膜厚は0.1nm〜5nmの範囲にすることを特徴とする請求項7,請求項8及び請求項9のいずれかに記載の高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法。
  11. 前記第1の半導体膜もしくは第1の導電体膜は多結晶構造であり、その膜厚は30nm〜150nmの範囲にすることを特徴とする請求項7,請求項8及び請求項9のいずれかに記載の高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法。
  12. 前記Hf−Oの化学結合を有する高誘電体薄膜は、ハフニウムアルミネート(HfAlOx)、ハフニウムシリケート(HfSiOx)、ハフニア(HfO)あるいはその窒化物で成ることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法。
  13. 前記半導体膜は、シリコン膜あるいはシリコン・ゲルマニウム合金膜であることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法。
  14. 前記導電体膜は、高融点金属のシリサイド膜であることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の高誘電体薄膜を備えた半導体装置の製造方法。

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