以下、本発明の一実施例にかかる記録媒体再生装置の一例としてのCDチェンジャ1を、図5ないし図41に基づいて説明する。図5などに示すCDチェンジャ1は、自動車などの移動体に装備されて、記録媒体としてのCD2(図6などに示す)を複数収容して、これらのCD2から任意のCD2に記録された情報を読み出(再生)して、音声として出力する装置である。CD2は、勿論、円板状即ちディスク状に形成されており、コンピュータなどの電子機器で読みとることのできる情報を記録した記録媒体である。
CDチェンジャ1は、図6に示すように、機器本体3(図5に示す)と、図示しない操作部と、ディスク搬送部4と、ディスク再生部5と、収容部としてのディスク収容部6と、分離手段としての分離機構7とを備えている。なお、以下、図6中の矢印XをCDチェンジャ1の幅方向と記し、矢印YをCDチェンジャ1の奥行き方向と記し、矢印ZをCDチェンジャ1の厚み方向と記す。
機器本体3は、合成樹脂からなる図5に示す外側ケース8と、板金などからなる図6などに示す固定シャーシ9などを備えている。外側ケース8は、扁平な箱状に形成されている。外側ケース8には、CD2を出し入れ可能な挿入口10が設けられている。挿入口10は、外側ケース8の外壁を貫通している。挿入口10は、内側にCD2を通すことができる。挿入口10を通して、前記CD2は、外側ケース8即ち機器本体3内に収容されたり、該機器本体3内から排出される。
固定シャーシ9は、外側ケース8内に収容されているとともに、該外側ケース8に固定されている。固定シャーシ9は、図7に示すように、板状の底板11と、この底板11の外縁から立設した周板12とを備えている。底板11は、外側ケース8の図5中下側に位置する壁上に重ねられている。
操作部は、機器本体3と別体でかつこの機器本体3に接続している。操作部は、CDチェンジャ1の使用者により押圧されるなどして操作される。操作部は、使用者に操作されることで、挿入口10を通して機器本体3内に挿入されるCD2を保持する後述のホルダ19を設定するために用いられる。操作部は、使用者に操作されることで、挿入口10を通して機器本体3外に排出されるCD2を保持したホルダ19を設定するために用いられる。操作部は、使用者に操作されることで、複数のホルダ19に保持されたCD2のうち情報を読み出すCD2を設定するために用いられる。
ディスク搬送部4は、機器本体3内に収容されており、図6に示すように、ローラアーム13と、ローラ14とを備えている。ローラアーム13は、板金などからなり、長手方向が機器本体3の幅方向Xに沿った帯状に形成されている。ローラアーム13は、挿入口10の近傍に配され、機器本体3の固定シャーシ9に取り付けられている。
ローラ14は、ローラアーム13に軸芯周りに回転自在に支持されている。ローラ14の軸芯即ち長手方向は、CDチェンジャ1の幅方向Xに沿っている。ローラ14は、外周面に挿入口10内を通されるCD2が接触する。ローラ14は、複数の歯車15などを介して後述の駆動源としてのモータ41により、軸芯周りに回転される。ローラ14の外周面にCD2が接触し、ローラ14がモータ41により回転駆動されることで、ディスク搬送部4は、挿入口10内にCD2を通す。
ディスク再生部5は、機器本体3内に収容されており、図7に示すように、移動シャーシ16と、揺動シャーシ17と、移動手段としての移動機構60と、図示しないピックアップ再生部と、を備えている。移動シャーシ16は、板金などからなり、枠状に形成されている。移動シャーシ16は、ディスク収容部6のホルダ19の配列方向(互いに重なる方向)K(図7などに矢印で示す)に沿って移動自在に、固定シャーシ9の周板12などに支持されている。
揺動シャーシ17は、板金などからなり、帯板状に形成されている。揺動シャーシ17は、一端部を中心として回動自在に移動シャーシ16に支持されている。揺動シャーシ17は、一端部を中心として回動することで、ディスク収容部6に収容される複数のCD2間に他端部が侵入する状態と、ディスク収容部6に収容される複数のCD2間から他端部が抜け出る状態とに亘って変位自在になっている。
移動機構60は、図7などに示すように、第1のスライドシャーシ61と、第2のスライドシャーシと、揺動アーム63とを備えている。第1のスライドシャーシ61は、板金からなり、水平部64と、鉛直片65とを一体に備えている。水平部64は、平板状に形成され、かつ固定シャーシ9の板状の底板11上に重ねられている。
水平部64は、他端部が複数のCD2間から抜け出た状態の揺動シャーシ17の長手方向に沿ってスライド自在に前記底板11に支持されている。水平部64は、分離機構7の後述するモータ20の駆動力により、他端部が複数のCD2間から抜け出た状態の揺動シャーシ17の長手方向に沿って移動する。鉛直片65は、水平部64の縁から上方即ち第2のスライドシャーシに向かって延びている。
第2のスライドシャーシは、板金からなり、平板状に形成されている。第2のスライドシャーシは、移動シャーシ16と底板11との間に配されているとともに、移動シャーシ16に重ねられている。第2のスライドシャーシは、他端部が複数のCD2間から抜け出た状態の揺動シャーシ17の長手方向に沿ってスライド自在に移動シャーシ16に支持されている。
また、第2のスライドシャーシには、前述した鉛直片65が係止している。このため、第2のスライドシャーシは、鉛直片65とともに、モータ20の駆動力により、他端部が複数のCD2間から抜け出た状態の揺動シャーシ17の長手方向に沿って移動する。
揺動アーム63は、板金からなり、平板状に形成されている。揺動アーム63の平面形状は、図7に示すように、略く字状に形成されている。揺動アーム63は、前述した移動シャーシ16に中央部を中心として回転自在に支持されている。揺動アーム63は、一端部が前述した第2のスライドシャーシに連結している。揺動アーム63は、他端部が揺動シャーシ17に回転自在に連結している。揺動アーム63は、第2のスライドシャーシが前述した長手方向に沿ってスライドすると、中央部を中心として回転して、揺動シャーシ17の一端部を中心として、該揺動シャーシ17を揺動させる。
移動機構60は、モータ20の駆動力により、第1のスライドシャーシ61と第2のスライドシャーシを移動させるとともに、揺動アーム63を回転して、一端部を中心として揺動シャーシ17を揺動させる。移動機構60は、一端部を中心として揺動シャーシ17を揺動することで、ホルダ19に保持されたCD2の情報記録面と対向する位置に後述の光ピックアップ66を移動する。
ピックアップ再生部は、揺動シャーシ17に設けられている。ピックアップ再生部は、ターンテーブルと、ピックアップ部などを備えている。ターンテーブルは、回転テーブルと、スピンドルモータと、複数のクランプ爪とを備えている。回転テーブルは、揺動シャーシ17の他端部に回転自在に支持されている。回転テーブルは、円板状に形成されており、表面上にCD2が置かれる。
スピンドルモータは、揺動シャーシ17の他端部と回転テーブルとの間に設けられている。スピンドルモータは、回転テーブルを回転する。クランプ爪は、回転テーブルの表面から突没自在に設けられている。クランプ爪は、回転テーブルの表面から突出すると、回転テーブル上のCD2の中央孔内に突出して、回転テーブルとの間にCD2を挟む。クランプ爪は、回転テーブルとの間に挟むことで、CD2をクランプする。
ピックアップ部は、図7中に二点鎖線で示す再生手段としての光ピックアップ66と、ピックアップ移動部とを備えている。光ピックアップ66は、ターンテーブルに接離する方向に移動自在に揺動シャーシ17に支持されている。光ピックアップ66は、ターンテーブルに支持されたCD2から情報を読み出す。即ち、光ピックアップ66は、ホルダ19に保持されたCD2を再生する。ピックアップ移動部は、光ピックアップ66をターンテーブルに接離させる。なお、本実施形態における接離とは、一つのものが他のものに対して近づいたり離れたりすること、及びそれらが互いに近づいたり離れたりすることである。
ディスク再生部5は、揺動シャーシ17の他端部がCD2間に侵入して、ターンテーブルのクランプ爪がCD2をクランプするとともに、ターンテーブルの回転テーブルがCD2を回転する。ディスク再生部5は、ピックアップ部の光ピックアップ66が、ターンテーブルにより回転されたCD2から情報を読み出す。
ディスク収容部6は、機器本体3内に収容されており、図7に示すように、第1壁としての移動シャーシ18と、複数の保持部材としてのホルダ19とを備えている。移動シャーシ18は、板金などからなり、板状に形成されている。移動シャーシ18は、固定シャーシ9の底板11と間隔をあけて平行に配されている。移動シャーシ18は、固定シャーシ9の底板11との間にディスク再生部5を位置付けている。移動シャーシ18は、前述した矢印Kに沿って移動自在に固定シャーシ9の周板12などに支持されている。
ホルダ19は、合成樹脂からなり、板状に形成されている。ホルダ19の平面形状は、C字状に形成されている。ホルダ19は、底板11と移動シャーシ18との双方と平行な状態で、移動シャーシ18に支持されている。ホルダ19は、そのC字状に形成された開口部が挿入口10と相対する状態に配されている。
ホルダ19は、挿入口10を通して機器本体3に挿入されたCD2が、開口部を通して内側に侵入することで、このCD2を保持する。複数のホルダ19は、各々が保持するCD2の表面が互いに平行になるように、互いに重ねられて配されている。ホルダ19は、前記矢印Kに沿って移動自在に移動シャーシ18などに支持されている。各々のホルダ19には、外方向に向かって突出した突起29(図19ないし図33に示す)が設けられている。ディスク収容部6は、CD2を保持可能な複数のホルダ19を積層配列して収容する。
分離機構7は、機器本体3内に収容されており、モータ20(図7に示す)と、離間溝拡縮機構21(図10ないし図14に示す)と、連動移動機構22(図34ないし図41に示す)とを備えている。モータ20は、図7に示すように、固定シャーシ9に固定されている。
離間溝拡縮機構21は、図9に示すように、3つ設けられており、機器本体3の隅部に設けられている。離間溝拡縮機構21は、図10ないし図18に示すように、円柱状に形成されており、回転部材25と、第2部材としての移動部材26と、第1部材としてのカム部材24とを備えている。
回転部材25は、図16ないし図18に示すように、互いに同軸に配された円板部68と、円柱部69とを一体に備えている。円板部68は、円板状に形成され、固定シャーシ9の底板11に軸芯周りに回転自在に支持されている。円柱部69は、円柱状に形成されており、円板部68から立設している。
回転部材25の軸芯は、前述した矢印Kと平行に配されている。回転部材25は、円板部68の外縁部に設けられた歯が底板11に回転自在に設けられた複数の歯車67に噛み合っている。回転部材25は、これらの歯車67を介して、前述したモータ20の出力軸に取り付けられたピニオンと接続している。回動部材25は、モータ20の駆動力により歯車67とともに軸芯周りに回転される。回転部材25がモータ20の駆動力により軸芯周りに回転されることは、本明細書に記した回転部材25がモータ20の駆動力により移動されることを示している。回転部材25は、移動部材26とカム部材24の各々を同軸的に配するとともに、移動部材26とカム部材24の各々を回転させる。
移動部材26は、図15ないし図18に示すように、円管状に形成されており、回転部材25の外周に取り付けられてこの回転部材25と同軸に配されている。移動部材26と回転部材25とは、回転部材25に設けられた突起70と、移動部材26に設けられたキー溝とからなるキーにより互いに取り付けられている。移動部材26は、前述した矢印Kに沿って移動自在に回転部材25に取り付けられている。移動部材26は、カム部材24とは独立して、矢印Kに沿って、移動可能である。さらに、移動部材26の底板11から離れた側の縁(上端)には、係止溝71が設けられている。また、移動部材26は、前述した回転部材25と一体に(連動して)前述した軸芯周りに回転する。
また、前述した回転部材25と移動部材26には、図19ないし図33に示すように、第1壁としての移動シャーシ18が取り付けられているとともに、摺動部としての第2壁27が設けられている。この第2壁27は、後述の連結壁28から離れる方向であり、その上方から下方に向かって傾斜した傾斜面74a,74bを有している。この傾斜面74a,74bはホルダ19の突起29が摺動する摺動面に相当する。第2壁27は、第1摺動部としての第2壁27aと第2摺動部としての第2壁27bとにより構成される。移動シャーシ18と第2壁27は、移動部材26の軸芯方向の両縁に設けられており、矢印Kと平行な軸芯に沿って互いに間隔をあけて配されている。このため、移動シャーシ18と第2壁27は、移動部材26の両縁から外周方向に突出している。
移動シャーシ18は、移動部材26の固定シャーシ9の底板11から離れた側の縁に設けられた係止溝71に係止して、取り付けられている。このことを、本明細書では、第1壁としての移動シャーシ18が移動部材26の上端に設けられているという。このため、移動部材26は、移動シャーシ18と一体に(連動して)矢印Kに沿って移動する。また、移動シャーシ18は、移動部材26などが軸芯周りに回転することを許容する(妨げない)。移動シャーシ18は、前述した矢印Kに対し直交する方向に沿った平板状に形成されている。
第2壁27aは、回転部材25に設けられ、第2壁27bは移動部材26に設けられている。回転部材25では、第2壁27aは、図15ないし図18に示すように、円板部68の外縁から立設しており、断面形状が回転部材25の軸芯を中心とした円弧状に形成されている。このため、第2壁27aは、円板部68の外周に配されている。また、第2壁27aは、上述した傾斜面74a,74bの一部を構成する第1傾斜面74aを有している。
移動部材26では、第2壁27bは、図15ないし図18に示すように、固定シャーシ9の底板11寄りの縁(即ち、移動部材26の下端)に設けられている。第2壁27bは、移動部材26の外周に配され、移動部材26と同軸に配されている。第2壁27bは、後述の連結壁28と第2壁27aとの間に配されており、移動部材26の矢印K方向への移動により同方向に移動する。また、第2壁27bは、上述した傾斜面74a,74bの一部を構成する第2傾斜面74bを有している。移動部材26が回転部材25に対して矢印K方向における上方に向かって所定距離移動すると、第2壁27bは、後述の連結壁28と第2壁27aとの間に配置された状態を脱し、第2壁27a,27bの第1,第2傾斜面74a,74bが回転部材25と移動部材26とに亘って、同一面(面一)となる。同一面となった傾斜面74a,74bは、移動部材26から回転部材25に向かうにしたがって、移動シャーシ18から徐々に離れる方向に、前述した矢印Kとこの矢印Kに対し直交する方向との双方に交差した方向に延びている。また、上方に位置する第2壁27bが移動部材26と共に下方に移動して第2壁27aと後述の連結壁28との間に配置された状態では、第1,第2傾斜面74a,74bは、同一面(面一)にならない。つまり、傾斜面74a,74bが分割された状態となる。則ち、第1,第2傾斜面74a,74bは、本明細書に記した分割摺動面に相当する。
また、前述した移動シャーシ18と第2壁27との間において、矢印Kに沿って互いの間にカム部材24の後述のくさび部30が位置付けられていない部分では、前述した移動シャーシ18と第2壁27との間隔は、ホルダ19の数と突起29の矢印K方向の幅との積に等しい又は略等しい。
回転部材25と移動部材26は、前述した移動シャーシ18と第2壁27との間に、突起29を位置付けて、前述したホルダ19を保持する。また、回転部材25と移動部材26は、軸芯周りに回転することで、前述した移動シャーシ18と第2壁27との間で突起29が後述の連結壁28から接離するように矢印Kに対し交差する方向に沿って移動することを許容する。このため、カム部材24と回転部材25と移動部材26は、モータ20の駆動力により、後述の離間溝39,40の奥に向かって突起29が侵入する方向に移動される。さらに、カム部材24と回転部材25と移動部材26は、後述の収容位置で、すべてのホルダ19の突起29を、移動シャーシ18と第2壁27との間に位置付ける。
カム部材24は、図15ないし図18に示すように、円管状に形成されており、移動部材26の外周に取り付けられて、回転部材25及び移動部材26等と同軸に配されている。カム部材24と移動部材26とは、カム部材24に設けられた突起72と、移動部材26に設けられた突起とからなるキーにより互いに取り付けられている。カム部材24は、前述した矢印Kに沿って移動自在に移動部材26に取り付けられている。また、カム部材24は、前述した回転部材25及び移動部材26と一体(連動して)に前述した軸芯周りに回転する。
さらに、カム部材24の底板11から離れた側の縁に係止溝73が設けられている。カム部材24の係止溝73には、ディスク再生部5の移動シャーシ16が係止して、取り付けられている。このため、カム部材24は、移動シャーシ16即ち前述した光ピックアップ66と一体に(連動して)矢印Kに沿って移動する。このため、カム部材24は、矢印Kに沿って、移動可能である。また、移動シャーシ16は、カム部材24などが軸芯周りに回転することを許容する(妨げない)。
さらに、カム部材24は、くさび部30と、案内溝31と、連結壁28とを備えている。くさび部30は、前述した移動シャーシ18と、第2壁27との間に位置しているとともに、連結壁28と間隔をあけて配されている。このため、カム部材24のくさび部30は、前述した移動シャーシ18と第2壁27との間を矢印Kに沿って移動する。くさび部30は、連結壁28に向かうにつれて鋭角になるように形成されている。
案内溝31は、くさび部30に設けられている。案内溝31は、カム部材24のくさび部30の外周面に形成されている。即ち、案内溝31は、カム部材24のくさび部30の外周面から凹に形成されている。案内溝31の矢印Kに沿う溝幅は、一つの突起29の矢印Kに沿う幅と略等しい。案内溝31は、図19ないし図33に示すように、連結壁28に相対する開口部32と、ローディング部33と、ピックアップ侵入部34と、第1連結部35と、クランプ部36と、第2連結部37と、再生部38とを備えている。ローディング部33と、ピックアップ侵入部34と、クランプ部36と、再生部38とは、矢印Kに対し直交する方向に沿って延びている。第1連結部35と、第2連結部37とは、矢印Kとこの矢印Kに対し直交する方向との双方に対し交差する方向に沿って延びている。
ローディング部33は、開口部32に連なり、この開口部32の連結壁28から離れた側に配されている。ピックアップ侵入部34は、ローディング部33に連なり、このローディング部33の連結壁28から離れた側に配されている。さらに、ピックアップ侵入部34は、ローディング部33より回転部材25の第2壁27aから離れた側に配されている。
第1連結部35は、ピックアップ侵入部34に連なり、このピックアップ侵入部34の連結壁28から離れた側に配されている。第1連結部35は、ピックアップ侵入部34から離れるのにしたがって徐々に回転部材25の第2壁27aに近づく方向に延びている。クランプ部36は、第1連結部35に連なり、この第1連結部35の連結壁28から離れた側に配されている。第2連結部37は、クランプ部36に連なり、このクランプ部36の連結壁28から離れた側に配されている。第2連結部37は、クランプ部36から離れるのにしたがって徐々に回転部材25の第2壁27aに近づく方向に延びている。再生部38は、第2連結部37に連なり、この第2連結部37の連結壁28から離れた側に配されている。
案内溝31は、開口部32を通して、突起29が侵入することを許容する。即ち、案内溝31内には、突起29即ちホルダ19が摺動可能である。さらに、案内溝31は、ローディング部33と、ピックアップ侵入部34と、第1連結部35と、クランプ部36と、第2連結部37と、再生部38内に順に突起29が移動することを許容する。
ローディング部33内に位置付けられた突起29を設けたホルダ19は、挿入口10と矢印Yに沿って相対する。そして、ローディング部33内に位置付けられた突起29を設けたホルダ19は、挿入口10を通して挿入されたCD2を保持できるとともに、挿入口10を通して保持したCD2を機器本体3外に排出できる。
ピックアップ侵入部34内に位置付けられた突起29を設けたホルダ19は、図6中下方に位置する他のホルダ19から離れて、この図中下方に位置するホルダ19との間に揺動シャーシ17の他端部即ちピックアップ再生部が侵入することを許容する。クランプ部36内に位置付けられた突起29を設けたホルダ19は、保持したCD2をディスク再生部5のターンテーブルがクランプすることを許容する。再生部38内に位置付けられた突起29を設けたホルダ19は、ターンテーブルにクランプされたCD2から離されて、ターンテーブルにより回転されるCD2に干渉(接触)しない。即ち、CD2が回転することを許容する。
連結壁28は、前述した矢印Kに沿って直線状に延びている。連結壁28は、くさび部30に設けられた案内溝31の開口部32と矢印Kに対し直交する方向に沿って、間隔をあけて相対している。連結壁28は、移動シャーシ18と第2壁27bとを互いに連結する格好になっている。
こうして、カム部材24は、一つのCD2を保持するホルダ19の突起29が摺動可能に係合する案内溝31を有している。
前述した構成の回転部材25と、移動部材26と、カム部材24とは、図15に示すように、互いに同軸に配されている。また、移動部材26と、カム部材24とは、図15ないし図17に示すように、互いに独立して、矢印Kに沿って移動可能である。
また、前述した移動シャーシ18とカム部材24のくさび部30との間は、本明細書に記した第1離間溝39をなしている。第1離間溝39は、移動シャーシ18と、カム部材24のくさび部30の底板11から離れた側の上面部とで構成されている。第1離間溝39は、案内溝31に係合する一つのCD2を保持するホルダ19より上方(矢印K1側)に位置する他のホルダ19と係合する。
さらに、前述した第2壁27とカム部材24のくさび部30との間は、本明細書に記した第2離間溝40をなしている。第2離間溝40は、第2壁27の傾斜面74a,74bとカム部材24のくさび部30の底板11寄りの下面部とで構成されている。第2離間溝40は、案内溝31に係合する一つのCD2を保持するホルダ19より下方(矢印K2側)に位置する他のホルダ19と係合する。なお、後述するが、この第2離間溝40は、一のホルダ19の突起29を案内溝31の再生部38に位置付ける際の溝長と、案内溝31のローディング部33に位置付ける際の溝長とが異なる。再生部38に位置付ける際の溝長よりローディング部33に位置付ける際の溝長が短い。
第1離間溝39と第2離間溝40は、案内溝31に係合する一つのCD2を保持するホルダ19の他のホルダ19の突起29が侵入することを許容する(他のホルダ19が係合する)。第1離間溝39と第2離間溝40は、本明細書に記した離間溝をなしている。第1離間溝39と第2離間溝40即ち離間溝は、一つのCD2を保持するホルダ19の他のホルダ19が摺動可能に係合するとともに、カム部材24と移動部材26との相対的な移動により形成される。
第1離間溝39と第2離間溝40とは、カム部材24と移動部材26との相対的に矢印Kに沿って移動することで、互いに連動して矢印Kに沿った溝幅が可変する(拡がったり狭くなる)。即ち、第1及び第2離間溝39,40は、カム部材24と移動部材26との相対的な移動により矢印Kに沿った溝幅が相対的に可変する。また、カム部材24が矢印Kに沿ってスライドした際に、第1離間溝39の溝幅が拡がると第2離間溝40の溝幅が狭くなり、第2離間溝40の溝幅が拡がると第1離間溝39の溝幅が狭くなる。
また、第1離間溝39の溝幅と第2離間溝40の溝幅との和は、ホルダ19の数から1を引いて得られる数と一つの突起29の矢印K方向の幅との積に等しい又は略等しい。
前述した構成によれば、移動シャーシ18と第2壁27との間に位置付けられたすべてのホルダ19の突起29は、モータ20の駆動力が複数の歯車67を介して伝達されて、回転部材25と移動部材26とカム部材24とが一体に(連動して)回転(移動)することで、一つの突起29が案内溝31内に侵入する。残りの突起29のうち案内溝31に侵入した突起29より矢印K1(図10などに示す)側に位置するホルダ19の突起29が第1離間溝39内に侵入し、案内溝31に侵入した突起29より矢印K2(図10などに示す)側に位置するホルダ19の突起29が第2離間溝40内に侵入する。なお、矢印K1は、前述した矢印Kの一方側をなしているとともに、矢印K2は、前述した矢印Kの他方側をなしている。
すべてのホルダ19の突起29が、案内溝31に侵入することなく連結壁28に近づいて移動シャーシ18と第2壁27との間に位置する状態は、本明細書では、ホルダ19が収容位置に位置するという。また、カム部材24のくさび部30が連結壁28と間隔をあけているため、収容位置では、第1離間溝39と第2離間溝40とは、一体になっている。さらに、収容位置では、複数のホルダ19が互いに近接する。
突起29が、案内溝31の再生部38内と、第1及び第2離間溝39,40の奥に侵入する状態は、本明細書では、ホルダ19が再生位置に位置するという。再生位置では、カム部材24のくさび部30により、前記案内溝31内に突起29が侵入したホルダ19は、収容位置より他のホルダ19から離れる。再生位置では、情報を再生するCD2を保持したホルダ19が他のホルダ19から離れるとともに、情報を再生するCD2を保持したホルダ19と他のホルダ19との間に光ピックアップ66が侵入可能になる。
突起29が、移動部材26の第2壁27bと移動シャーシ18との間に位置し、案内溝31のローディング部33内と、第1及び第2離間溝39,40に侵入した状態は、本明細書では、ホルダ19がローディング位置に位置するという。
また、前述した再生位置では、第1離間溝39内に情報を再生するCD2を保持したホルダ19以外の矢印K1側のホルダ19の突起29が侵入する。第1離間溝39は、前記矢印K1側のホルダ19を、情報を再生するCD2を保持したホルダ19から離す。
さらに、再生位置とローディング位置では、第2離間溝40内に情報を再生するCD2を保持したホルダ19、又は搬送されるCD2を保持するホルダ19以外の矢印K2側のホルダ19の突起29が侵入する。第2離間溝40は、前記矢印K2側のホルダ19を、情報を再生するCD2を保持したホルダ19から離す。
連動移動機構22は、図34などに示すように、駆動源としてのモータ41(図7に示す)と、駆動シャーシ42(図7及び図8に示す)と、第2駆動シャーシ53(図7及び図8に示す)と、第1突起43と、第1孔44と、第2突起45と、第2孔46とを備えている。なお、図7には、駆動シャーシ42と第2駆動シャーシ53を2つずつ示しているが、実際には、駆動シャーシ42と第2駆動シャーシ53は一つずつ設けられている。
連動移動機構22は、ディスク収容部6のホルダ19を収容位置と再生位置とに亘って移動させる際には、移動部材26を、回転部材25に対し矢印Kに沿って移動して、回転部材25の第2壁27aから最も遠ざけておく。この際、第2壁27a,27bの第1,第2傾斜面74a,74bは同一面となる。そして、連動移動機構22は、再生位置に位置付けるCD2を保持したホルダ19の突起29が案内溝31に侵入できる位置に、カム部材24を位置付ける。
連動移動機構22は、ディスク収容部6のホルダ19を再生位置とローディング位置とに亘って移動させる即ちCD2を機器本体3内に出し入れする際には、カム部材24を、移動部材26に対し矢印Kに沿って移動して、回転部材25の第2壁27aに最も近づけておく。そして、連動移動機構22は、ローディング位置に位置付けられた即ち出し入れされたCD2を保持するホルダ19の突起29が案内溝31に侵入できる位置に、移動部材26を位置付ける。連動移動機構22は、駆動源としてのモータ41の駆動力により、前述したように、カム部材24即ちディスク再生部5の移動シャーシ16と、移動部材26即ちディスク収容部6の移動シャーシ18とを連動して、矢印Kに沿って移動する。なお、この連動移動機構22が摺動部移動手段に相当する。
モータ41は、固定シャーシ9の底板11などに取り付けられている。駆動シャーシ42は、板金からなり、板状に形成されている。駆動シャーシ42の平面形状は、矩形状に形成されている。駆動シャーシ42は、機器本体3の固定シャーシ9の周板12に、矢印Kに対し直交(交差)する方向に沿って移動自在に支持されている。
第2駆動シャーシ53は、板金からなり、板状に形成されている。第2駆動シャーシ53の平面形状は、矩形状に形成されている。第2駆動シャーシ53は、機器本体3の固定シャーシ9の周板12に、矢印Kに対し直交(交差)する方向に沿って移動自在に支持されている。第2駆動シャーシ53には、モータ41の駆動力により回転される歯車48と噛み合ったラック47が形成されている。
第1突起43は、ディスク収容部6の移動シャーシ18から駆動シャーシ42と第2駆動シャーシ53に向かって突出している。第1孔44は、駆動シャーシ42と第2駆動シャーシ53に設けられている。勿論、第1孔44は、駆動シャーシ42と第2駆動シャーシ53を貫通している。第1孔44には、図8に示すように、第1突起43が侵入する。
第1孔44は、図34ないし図41に示すように、第1平行部49と第1傾斜部50とを備えている、第1平行部49は、前述した矢印Kに対し直交する方向に沿って直線状に延びている。第1傾斜部50は、第1平行部49の端に連なりかつ前述した矢印Kと該矢印Kに対し直交する方向との双方に対し交差する方向に沿って直線状に延びている。第1傾斜部50は、第1平行部49から離れるにしたがって徐々に回転部材25の第2壁27に近づく方向に傾斜している。
第2突起45は、ディスク再生部5の移動シャーシ16から駆動シャーシ42に向かって突出している。第2孔46は、駆動シャーシ42に設けられている。勿論、第2孔46は、駆動シャーシ42を貫通している。第2孔46には、第2突起45が侵入する。
第2孔46は、第2傾斜部51と第2平行部52とを備えている。第2傾斜部51は、前述した矢印Kと該矢印Kに対し直交する方向との双方に対し交差する方向に沿って直線状に延びている。第2傾斜部51は、第2平行部52から離れるにしたがって、徐々に回転部材25の第2壁27から離れる方向に傾斜している。第2傾斜部51は、第1傾斜部50と平行である。第2平行部52は、第2傾斜部51の端に連なりかつ前述した矢印Kに対し直交する方向に沿って直線状に延びている。
第1突起43が第1傾斜部50内に位置付けられると、第2突起45が第2平行部52内に位置付けられる。第1突起43が第1平行部49内に位置付けられると、第2突起45が第2傾斜部51内に位置付けられる。
前述した連動移動機構22は、駆動源としてのモータ41の駆動力により、第2駆動シャーシ53を矢印Kに対し直交する方向に沿って移動する。すると、第2駆動シャーシ53の第1の孔44内を第1突起43が移動して、移動シャーシ18が第2駆動シャーシ53に対し矢印Kに沿って移動する。そして、駆動シャーシ43の第1の孔44内を第1突起43が移動して、駆動シャーシ43が矢印Kに対し直交する方向に沿って移動する。
このように、駆動シャーシ42は、駆動源としてのモータ41の駆動力により、第2駆動シャーシ53が矢印Kに対し直交する方向に沿ってスライドすることで、矢印Kに対し直交する方向に沿ってスライドする。即ち、駆動シャーシ42は、駆動源としてのモータ41の駆動力により、矢印Kに対し交差(直交)する方向に沿って固定シャーシ9の周板12に対し移動される。このため、連動移動機構22即ち分離機構7は、カム部材24と移動部材26との各々を矢印Kに沿って駆動(移動)する単一の駆動源としてのモータ41を備えている。
連動移動機構22は、駆動源としてのモータ41の駆動力により、ホルダ19をローディング位置に位置付ける際即ちCD2を機器本体3内に出し入れする際には、第2突起45が第2平行部52内を移動し、第1突起43が第1傾斜部50内を移動する位置に駆動シャーシ42を位置付ける。前述した連動移動機構22は、駆動源としてのモータ41の駆動力により、ホルダ19を再生位置と収容位置とに亘って移動する際には、第2突起45が第2傾斜部51内を移動し、第1突起43が第1平行部49内を移動する位置に駆動シャーシ42を位置付ける。
なお、連動移動機構22により、第2突起45が第2平行部52内に位置付けられると、カム部材24が最も回転部材25の第2壁27aに近づく。最も回転部材25の第2壁27aに近づいたカム部材24の案内溝31のローディング部33内に突起29が位置付けられたホルダ19は、前述した挿入口10を通して出し入れされるCD2を保持できる位置に位置付けられる。
前述した構成のCDチェンジャ1は、機器本体3内に収容した複数のCD2のうち前述した操作部などにより任意に選択された一つのCD2の情報を読み出す際には、図19に示すように、モータ20の駆動力によりすべてのホルダ19の突起29を連結壁28に接触させておく。さらに、ディスク再生部5の揺動シャーシ17の他端部即ちターンテーブルとピックアップ再生部を、複数のCD2間から退避させておく。また、駆動源としてのモータ41の駆動力により、図34に示すように、第1突起43が第1孔44の第1平行部49内に位置する位置に駆動シャーシ42を位置付ける。そして、図19に示すように、移動部材26に取り付けられた移動シャーシ18を回転部材25の第2壁27aから最も遠ざけておく。
そして、駆動源としてのモータ41の駆動力により、図35に示すように、第2突起45が第2孔46の第2傾斜部51内を移動して、情報が読み出される任意に選択された一つのCD2を保持したホルダ19の突起29が案内溝31に矢印Kに対し直交する方向に沿って相対する位置に、駆動シャーシ42を位置付ける。そして、図11及び図20に示すように、カム部材24の案内溝31を、矢印Kに対し直交する方向に沿って、情報が読み出される任意に選択された一つのCD2を保持したホルダ19の突起29と相対させる。なお、図11及び図20では、図中上から四つ目のホルダ19の突起29とカム部材24に設けられた案内溝31とを相対させている。
そして、モータ20の駆動力により、回転部材25と移動部材26及びカム部材24を一体に回転させる。そして、すべてのホルダ19の突起29が、連結壁28から徐々に離れる。すると、図21に示すように、情報が読み出される任意に選択された一つのCD2を保持したホルダ19の突起29が、案内溝31の開口部32に侵入する。さらに、他のCD2を保持したホルダ19の突起29が、カム部材24のくさび部30に接触するとともに、第1及び第2離間溝39,40に係合して溝内を移動する。なお、第2離間溝40内では同一面(面一)となった第1,第2傾斜面74a,74bに沿って摺動する。
さらに、モータ20の駆動力により、回転部材25と移動部材26及びカム部材24を一体に回転させると、図22に示すように、情報が読み出される任意に選択された一つのCD2を保持したホルダ19の突起29がローディング部33内に位置する。
その後、図23に示すように、前述した一つのCD2を保持したホルダ19の突起29が案内溝31のピックアップ侵入部34内に位置する。このとき、揺動シャーシ17が、一端部を中心として回転して、他端部即ちターンテーブルとピックアップ再生部が前述した一つのCD2と他のCD2との間に侵入する。
そして、前述した一つのCD2を保持したホルダ19の突起29が、第1連結部35内を通り、図24に示すように、クランプ部36内に位置する。このとき、ディスク再生部5のターンテーブルが前述した一つのCD2をクランプする。そして、前述した一つのCD2を保持したホルダ19の突起29が、第2連結部37内を通り、図12及び図25に示すように、再生部38内に位置する。
さらに、前述した一つのCD2の矢印K1側に位置するCD2を保持したホルダ19の突起29が、カム部材24のくさび部30により第1離間溝39の奥即ち連結壁28から離れた側に移動する。さらに、前述した一つのCD2の矢印K2側に位置するCD2を保持したホルダ19の突起29が、同一面(面一)になった第1,第2傾斜面74a,74bに沿って摺動することにより第2離間溝40の奥即ち連結壁28から離れた側に移動する。
そして、図12及び図25に示すように、カム部材24のくさび部30に設けられた案内溝31により、前述した一つのCD2を保持したホルダ19が位置決めされる。さらに、カム部材24のくさび部30と、移動シャーシ18及び第2壁27とにより即ち第1及び第2離間溝39,40により、前述した一つのCD2を保持したホルダ19を他のホルダ19から離す。さらに、他のホルダ19を、第1及び第2離間溝39,40により、位置決めする。
さらに、前述した一つのCD2を保持したホルダ19の突起29が再生部38内に位置すると、該ホルダ19が、ディスク再生部5のターンテーブルによりクランプされたCD2から遠ざけられる。そして、ホルダ19にCD2の回転が妨げられることが防止される。ターンテーブルがクランプしたCD2を回転するとともに、ピックアップ再生部の光ピックアップ66がCD2の所望の位置から情報を読み出す。前述した一つのCD2からの情報の読み出しを停止する際には、モータ20の駆動力により、回転部材25と移動部材26及びカム部材24を先ほどと逆向きに回転する。
前述したように、分離機構7は、カム部材24を矢印Kに沿って移動して、第1離間溝39の溝幅と第2離間溝40の溝幅とを連動して拡縮することで、所望のCD2を保持したホルダ19を位置決めするとともに他のホルダ19から離す。このように、分離機構7は、一つのCD2を保持したホルダ19と他のホルダ19とを、矢印Kに沿って、離間する。
例えば、図26に示すように、図中下から二番目のCD2を保持したホルダ19を再生位置に位置付ける際や、図27に示すように、図中上から二番目のCD2を保持したホルダ19を再生位置に位置付ける際も同様である。なお、図26及び図27に示す状態では、図36及び図37に示すように、第1突起43が第1平行部49内に位置するとともに、第2突起45が第2傾斜部51内に位置する。
また、前述した構成のCDチェンジャ1は、操作部などに命令により、機器本体3内に収容した複数のCD2のうち任意に選択された一つのCD2を機器本体3外に排出したり、CD2を機器本体3内に挿入して任意に選択された一つのホルダ19に保持させる際には、図10、図13及び図28に示すように、モータ20の駆動力によりすべてのホルダ19の突起29を連結壁28に接触させておく。さらに、ディスク再生部5の揺動シャーシ17の他端部即ちターンテーブルとピックアップ再生部を、複数のCD2間から退避させておく。
また、図38に示すように、駆動源としてのモータ41の駆動力により第2突起45が第2孔46の第2平行部52内に位置する位置に駆動シャーシ42を位置付ける。そして、図10、図13及び図28に示すように、カム部材24を回転部材25の第2壁27aに最も近づけておく。
そして、駆動源としてのモータ41の駆動力により、図39に示すように、第1突起43が第1孔44の第1傾斜部50内を移動して、機器本体3内に挿入されたCD2を保持する又は保持したCD2を機器本体3外に排出する一つのホルダ19の突起29が案内溝31に矢印Kに対し直交する方向に沿って相対する位置に、駆動シャーシ42を位置付ける。この際、第2壁27aの第1傾斜面74aと同一面(面一)の状態にある第2壁27bの第2傾斜面74bは移動部材26の下方への移動に伴い移動される。そして、傾斜面74a,74bの一部が分割される。
そして、図10、図13及び図29に示すように、カム部材24の案内溝31を、矢印Kに対し直交する方向に沿って、前述した一つのホルダ19の突起29と相対させる。なお、図10、図13及び図29では、図中上から四つ目のホルダ19の突起29とカム部材24に設けられた案内溝31とを相対させている。
そして、モータ20の駆動力により、回転部材25と移動部材26及びカム部材24を一体に回転させる。そして、すべてのホルダ19の突起29が、連結壁28から徐々に離れる。すると、図30に示すように、前述した一つのホルダ19の突起29が、案内溝31の開口部32に侵入する。さらに、前述した他のホルダ19の突起29が、カム部材24のくさび部30に接触するとともに、第1及び第2離間溝39,40に係合して溝内を移動する。なお、第2離間溝40の溝長は上述した一のホルダ19の突起29を案内溝31の再生部38に位置付ける際の溝長より短くなっている。この溝長は、第2壁27bの第2傾斜面74bの長さのみとなるため、不要な第2離間溝40の溝長を削除することができる。つまり、他のホルダ19を摺動させるために必要な第2傾斜面74bをもつ第2壁27bのみを下方に移動させて傾斜面74a,74bを分割させているため、記録媒体(CD2)を搬送する際に不要となる第1傾斜面74aを下方に移動させず、装置1自体の高さ方向Zの厚みを大きくさせない。
さらに、モータ20の駆動力により、回転部材25と移動部材26及びカム部材24を一体に回転させると、図14及び図31に示すように、前述した一つのホルダ19の突起29が、案内溝31のローディング部33内に位置する。さらに、前述した他のホルダ19の突起29が、カム部材24のくさび部30により第1離間溝39及び第2離間溝40に係合して移動し、第2離間溝40においては第2壁27bの第2傾斜面74bに沿って摺動する。
そして、図14及び図31に示すように、カム部材24のくさび部30に設けられた案内溝31により、前述した一つのホルダ19がローディング位置に位置決めされる。さらに、カム部材24のくさび部30と移動シャーシ18及び第2壁27とにより即ち第1及び第2離間溝39,40により、前述した一つのホルダ19を他のホルダ19から離す。さらに、第1及び第2離間溝39,40により、他のホルダ19を位置決めする。
そして、駆動源としてのモータ41の駆動力によりローラ14がCD2を出し入れする方向に応じて回転する。ローラ14が回転することで、挿入口10を通して機器本体3内にCD2の出し入れが行われる。前述したCD2の出し入れを停止する際には、ローラ14の回転を停止するとともに、モータ20の駆動力により、回転部材25と移動部材26及びカム部材24を先ほどと逆向きに回転する。
前述したように、カム部材24を矢印Kに沿って移動することで、第1離間溝39の溝幅と第2離間溝40の溝幅とを連動して拡縮することで、所望のホルダ19をローディング位置に位置決めするとともに他のホルダ19から離す。例えば、図32に示すように、図中上から二番目のホルダ19をローディング位置に位置付ける際や、図33に示すように、図中下から二番目のホルダ19をローディング位置に位置付ける際も同様である。なお、図32及び図33に示す状態では、図40及び図41に示すように、第2突起45が第2平行部52内に位置するとともに、第1突起43が、第1傾斜部50内に位置する。
本実施例によれば、任意に選択されたCD2を保持したホルダ19の突起29を案内溝31に係合させる。選択されたホルダ19の矢印K1側(上方)の他のホルダ19の突起29を第1離間溝39に係合させ、かつ矢印K2側(下方)の他のホルダ19の突起29を第2離間溝40に係合させる。こうして、突起29を案内溝31と第1離間溝39と第2離間溝40に係合させて、選択されたCD2を他のCD2から離して、選択されたCD2から情報を読み出す。
また、離間溝拡縮機構21により、第1及び第2離間溝39,40の溝幅が互いに連動して(相対的に)変化するとともに、第1離間溝39の溝幅と第2離間溝40の溝幅の和がホルダ19の数から1を引いて得られた数と突起29の幅との積に略等しい。このため、がたつくことなく、前述した選択されたCD2を保持したホルダ19と、他のホルダ19を位置決めできる。
このため、コイルばねを設けることなく、離間溝拡縮機構21が第1及び第2離間溝39,40の溝幅を連動して(相対的に)変化することで、選択された任意のCD2を保持したホルダ19を、他のホルダ19から離すことができる。これにより、CDチェンジャ1が自動車などに搭載されて、走行中などの振動が作用しても、ホルダ19が振動することを防止できる。したがって、確実に任意に選択されたCD2を保持したホルダ19を確実に再生位置に位置付けることができる。自動車などに搭載されて、走行中などの振動が作用しても、任意に選択されたCD2の情報を確実に再生することができる。
離間溝拡縮機構21が、移動部材26と、この移動部材26に矢印Kに沿って移動自在に設けられたカム部材24とを備えている。移動部材26に取り付けられた移動シャーシ18とカム部材24のくさび部30との間が第1離間溝39を形成し、移動部材26の第2壁27とカム部材24のくさび部30との間が第2離間溝40を形成し、カム部材24のくさび部30に案内溝31が形成されている。
このため、カム部材24を矢印Kに沿ってスライドすることで、第1及び第2離間溝39,40の溝幅を確実に連動して(相対的に)変化できる。さらに、任意に選択された情報が再生されるCD2を保持したホルダ19の位置に応じて、カム部材24がスライドする。したがって、確実に任意に選択されたCD2を保持したホルダ19を確実に再生位置に位置付けることができる。
カム部材24と光ピックアップ66とが一体に(連動して)移動するので、カム部材24と光ピックアップ66との相対的な位置が常に一定に保たれる。このため、カム部材24に設けられた案内溝31により再生位置に位置決めされたホルダ19に保持されたCD2から光ピックアップ66で情報を確実に再生することができる。
CD2から情報を読み出す際には、移動部材26を矢印K1側に移動させて、選択された情報を再生するCD2を保持したホルダ19の位置に応じて、カム部材24をスライドさせる。このため、CD2から情報を読み出す際には、任意のCD2を再生位置に位置付けることができる。したがって、任意のCD2から情報を読み出して再生できる。
また、CD2を出し入れする際には、カム部材24を矢印K2側に移動させて、このカム部材24の位置と出し入れするCD2に対応したホルダ19の位置に応じて、移動部材26をスライドさせる。このため、機器本体3に出し入れされるCD2を保持する又は保持したホルダ19と機器本体3との相対的な位置を一定に保つことができる。このため、CD2を挿入口10内を通して確実に出し入れすることができるとともに、機器本体3内に挿入されたCD2をホルダ19に確実に保持できる。
また、連動移動機構22により、ホルダ19を収容位置と再生位置とに亘って移動することと、ホルダ19をローディング位置に位置決めすることを一連の動作で行うことができる。このため、部品点数の削減とコストの低減を図ることができる。さらに、ホルダ19を収容位置と再生位置とに亘って移動する状態とCD2を出し入れする状態とをスムーズに切り換えることができる。
連動移動機構22が、第1孔44と第2孔46が設けられた駆動シャーシ42と、ディスク収容部6の移動シャーシ18に設けられた第1突起43と、ディスク再生部5の移動シャーシ16に設けられた第2突起45とを備えている。第1孔44は、第1傾斜部50と第1平行部49とからなり、第2孔46は、第2傾斜部51と第2平行部52とからなる。
CD2を出し入れする際には、第2突起45が第2平行部52内を移動し、第1突起43が第1傾斜部50内を移動する。これにより、CD2を出し入れする際には、ディスク再生部5の移動シャーシ18即ちカム部材24が、スライドせずに、位置決めされる。さらに、CD2を出し入れする際には、ディスク収容部6の移動シャーシ18と移動部材26即ちホルダ19が、矢印Kに沿って移動する。
このため、機器本体3に出し入れされるCD2を保持する又は保持したホルダ19と機器本体3との相対的な位置を一定に保つことができる。したがって、挿入口10内を通して、CD2を確実に出し入れすることができるとともに、機器本体3内に挿入したCD2をホルダ19に確実に保持できる。
ホルダ19を収容位置と再生位置とに亘って移動する際には、第1突起43が第1平行部49内を移動し、第2突起45が第2傾斜部51内を移動する。これにより、ホルダ19を収容位置と再生位置とに亘って移動する際には、ディスク収容部6の移動シャーシ18と移動部材26即ちホルダ19を、スライドせずに位置決めできる。さらに、ホルダ19を収容位置と再生位置とに亘って移動する際には、ディスク再生部5の移動シャーシ16即ちカム部材24が、矢印Kに沿って移動する。
このため、CD2から情報を読み出す際には、任意のCD2を再生位置に確実に位置決めすることができる。したがって、任意のCD2から情報を読み出して再生できる。
移動部材26が円柱状に形成され、カム部材24が円管状に形成されている。移動シャーシ18と第2壁27は移動部材26の両縁に設けられている。移動部材26とカム部材24と回転部材25は、同軸に配され、モータ20の駆動力により一体に回転する。このように、移動部材26とカム部材24と回転部材25を回転することで、ホルダ19を収容位置と再生位置とに亘って移動できる。したがって、移動部材26とカム部材24と回転部材25の移動軌跡を最小限にすることができ、機器本体3即ちCDチェンジャ1の小型化を図ることができる。
さらに、カム部材24と移動部材26とを矢印Kに沿ってスライドすることを単一のモータ41で行っている。このため、部品点数を抑制でき、CDチェンジャ1の小型化と低コスト化を図ることができる。
また、CD2を再生するときとCD2を搬送するときとで、他のホルダ19の突起29が摺動する離間溝の溝長を変えている。つまり、他のホルダ19の突起29を摺動する摺動面を分割するようにし、CD2を搬送するときに不要となる摺動面を移動させず、必要な摺動面のみを移動させて、その溝長を可変している。このことにより、不要な摺動面の移動により生じる装置の大型化を回避し、薄型化を図ることが可能となる。
前述した実施例では、記録媒体としてのCD2を複数収容するCDチェンジャ1を示している。しかしながら、本発明では、例えば、記録媒体としてのMD(Mini Disc)を複数収容するMDチェンジャや、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)などの他の記録媒体を複数収容する記録媒体再生装置に適用しても良い。
また、前述した実施形態では、カム部材24と回転部材25と移動部材26等を円柱状に形成し、軸芯周りに回転することで、これらを移動している。しかしながら、本発明では、カム部材24と回転部材25と移動部材26等を例えば板状などの円管及び円管状以外の形状に形成し、例えば、スライドなどの軸芯周りの回転以外の方向にこれらを移動しても良い。
さらに、前述した実施形態では、カム部材24と光ピックアップ66とを一体に移動している。しかしながら、本発明では、カム部材24と光ピックアップ66とを必ずしも一体に移動しなくても良い。要するに、本発明では、カム部材24と光ピックアップ66とを連動させて移動することで、これらの相対的な位置間隔を一定に保つことができれば良い。
また、前述した実施例では、連動移動機構22により、カム部材24の移動と、移動部材26の移動とを、一つの駆動源により行えるようにしている。しかしながら、カム部材24の移動と、移動部材26の移動とを、互いに独立した駆動源により行っても良い。
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。前述した実施例ではカム部材、移動部材について説明しているがこれにとらわれることなく、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。