JP4782869B2 - 情報処理装置 - Google Patents
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Description
本発明は、自動車などに搭載される情報処理装置に関し、更に詳しくは、記録媒体を機器本体内に出し入れ自在であり、この機器本体内に収容した記録媒体に記録された情報を再生する情報処理装置に関する。
例えば、移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下インパネと呼ぶ)には、情報処理装置としてのCDプレーヤ(例えば、特許文献1参照)が取り付けられる。CDプレーヤは、記録媒体としてのCompact Disc(以下CDと呼ぶ)が記録した情報を読み出す。
特許文献1に示されたCDプレーヤは、前記インパネに取り付けられる機器本体と、前記機器本体に開口した記録媒体挿入口と、CDを機器本体の内外に出し入れする搬送部としての搬送ユニットと、前記CDに記録された情報を読み出すための再生ユニット等を備えている。機器本体は、複数の板金などが互いに組み付けられて箱状に形成されたシャーシを備えている。記録媒体挿入口は、内側に前記CDが通される。
搬送ユニットは、記録媒体挿入口内を通されたCDを所定の再生位置まで搬送したり、前記再生位置からCDを記録媒体挿入口まで搬送して該CDを機器本体内から排出する。搬送ユニットは、互いに接離自在に設けられた一対の挟持部材と、これらの挟持部材同士を互いに近づく方向に付勢する付勢手段としてのコイルばねとを備えている。
これら一対の挟持部材のうち一方は、回転自在に設けられたローラアームと、このローラアームの一端に回転自在に支持されてモータなどの駆動源によって回転駆動される搬送ローラを備えている。搬送ローラは、前記モータなどの駆動源によって回転駆動されることによって、CDを搬送する。他方の挟持部材は、摩擦係数の小さい滑り部材を備えている。滑り部材は、前記搬送ローラとの間に前記CDを挟んで、該CDの搬送方向を案内する。搬送ユニットは、一対の挟持部材間にCDを挟んで、前記CDを搬送する。
再生ユニットは、機器本体内に収容されたCDをクランプして、当該CDの情報を読み出す。
前述したCDプレーヤは、搬送ユニットが機器本体にCDを出し入れし、再生ユニットが機器本体内のCDの情報を読み出して再生する。
特開2000−207802号公報
従来のCDプレーヤは、使用者が誤ってCDを2枚同時に挿入(収容)するのを防止するために、記録媒体挿入口の開口を絞って1枚以上挿入できないようにしたり、ローラアームの支点位置を調整して、ローラアームの搬送ローラを支持していない他端部が2枚以上同時に挿入されたときにはCDに衝突して挿入できないようにしていた。
しかしながら、記録媒体挿入口を絞り過ぎるとCDに傷を付けやすくなってしまう。また、ローラアームの他端部を衝突させる場合も、CDを傷つけないために、ローラアームは剛性を高く形成していないため、使用者が強引に挿入すると、ローラアームが撓んで2枚同時に挿入されてしまうことがあった。
CDが2枚同時に挿入されてしまうと、内部のメカに不具合が発生するのは勿論であるが、内部メカが発生する搬送力ではローラアームを撓ませて2枚排出することができないという問題があった。
したがって、本発明の目的は、例えば、記録媒体が複数同時に挿入された場合でも当該記録媒体を機器本体から確実に排出できる情報処理装置を提供することにある。
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の情報処理装置は、駆動源と、前記駆動源の駆動力により、記録媒体を機器本体に出し入れする搬送部と、を備え、前記搬送部が、搬送部本体と、前記駆動源の駆動力により回転駆動する搬送ローラと、一端部に前記搬送ローラを回転自在に支持するとともに前記搬送部本体に回転自在に支持されたローラアームと、前記搬送部本体に設けられかつ前記駆動源からの駆動力を前記搬送ローラに伝達するための第1の歯車と、前記ローラアームに設けられかつ前記第1の歯車と噛み合って前記駆動源からの駆動力を前記搬送ローラに伝達するための第2の歯車と、前記搬送部本体に設けられかつ前記搬送ローラとの間に前記記録媒体を挟みこむ挟持部材とを備えた情報処理装置において、前記ローラアームの回転中心を移動自在とするとともに、前記第1の歯車から前記第2の歯車が押圧される力によって、前記記録媒体を前記機器本体内に収容する際には前記ローラアームの他端部を前記記録媒体に近づける方向に回転させ、前記記録媒体を前記機器本体外に排出する際には前記ローラアームの他端部を前記記録媒体から遠ざける方向に回転させる回転支持部を備えたことを特徴としている。
1 CDチェンジャ(情報処理装置)
2 CD(記録媒体)
3 機器本体
4 ディスク搬送部(搬送部)
13 モータ(駆動源)
20 本体シャーシ(搬送部本体)
21 ローラアーム
22 搬送ローラ
23 ディスクガイド(狭持部材)
24 第1の歯車
25 第2の歯車
26 回転支持部
31 突出ピン
32 切欠き(通し部)
2 CD(記録媒体)
3 機器本体
4 ディスク搬送部(搬送部)
13 モータ(駆動源)
20 本体シャーシ(搬送部本体)
21 ローラアーム
22 搬送ローラ
23 ディスクガイド(狭持部材)
24 第1の歯車
25 第2の歯車
26 回転支持部
31 突出ピン
32 切欠き(通し部)
以下、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる情報処理装置は、記録媒体を収容する際に、ローラアームの他端部を第1の歯車から第2の歯車が押圧される力によって記録媒体に近づける方向に移動させ、記録媒体を排出する際に、ローラアームの他端部を第1の歯車から第2の歯車が押圧される力によって記録媒体から遠ざける方向に移動させている。こうすることで、記録媒体を挿入する際に、例えば2枚同時に挿入しようとしても、従来と同様にローラアームの他端部が近づけられるために2枚目の記録媒体にはローラアームが衝突するので挿入を阻止でき、また、強引に挿入されてしまった場合でも、排出時はローラアームの他端部が記録媒体から遠ざけられるため、ローラアームに衝突することなく2枚同時に排出することができる。
また、本発明の情報処理装置では、回転支持部が、突出ピンと、この突出ピンを移動自在に通すとともにローラアームを記録媒体に接離する方向に延在した通し部とを備えていても良い。この場合、記録媒体の排出時と収容時とで、ローラアームの回転中心が記録媒体から移動するために、排出時にはローラアームの他端部を記録媒体から遠ざけることができる。
以下、本発明の一実施例にかかる情報処理装置の一例としてのCDチェンジャ1を、図1ないし図9に基づいて説明する。図1などに示すCDチェンジャ1は、自動車などの移動体に装備されて、記録媒体としてのCD2(図2などに示す)を複数収容して、これらのCD2から任意のCD2に記録された情報を読み出(再生)して、音声として出力する装置である。CD2は、勿論、円板状即ちディスク状に形成されており、コンピュータなどの電子機器で読みとることのできる情報を記録した記録媒体である。
CDチェンジャ1は、図2に示すように、機器本体3(図1に示す)と、図示しない操作部と、駆動源としてのモータ13(図3に示す)と、搬送部としてのディスク搬送部4と、ディスク再生部5と、収容部としてのディスク収容部6と、ディスク移動機構7とを備えている。なお、以下、図2中の矢印XをCDチェンジャ1の幅方向と記し、矢印YをCDチェンジャ1の奥行き方向と記し、矢印ZをCDチェンジャ1の厚み方向と記す。
機器本体3は、合成樹脂などからなる図1に示す外側ケース8と、板金などからなる図2などに示す固定シャーシ9などを備えている。外側ケース8は、扁平な箱状に形成されている。外側ケース8には、CD2を出し入れ可能な挿入口10が設けられている。挿入口10は、外側ケース8の外壁を貫通している。挿入口10は、内側にCD2を通すことができる。挿入口10を通して、前記CD2は、外側ケース8即ち機器本体3内に収容されたり、該機器本体3内から排出される。
固定シャーシ9は、外側ケース8内に収容されているとともに、該外側ケース8に固定されている。固定シャーシ9は、図2に示すように、板状の底板11と、この底板11の外縁から立設した周板12と、前記底板11と間隔をあけて設けられた中間板14とを備えている。
底板11は、外側ケース8の図1中下側に位置する壁上に重ねられている。中間板14は、挿入口10と図2中手前側に位置する一つの周板12との双方の近傍に配置され、かつ底板11と平行に設けられている。
操作部は、機器本体3と別体でかつこの機器本体3に接続している。操作部は、CDチェンジャ1の使用者により押圧されるなどして操作される。操作部は、使用者に操作されることで、挿入口10を通して機器本体3内に挿入されるCD2を保持する後述のホルダ19を設定するために用いられる。操作部は、使用者に操作されることで、挿入口10を通して機器本体3外に排出されるCD2を保持したホルダ19を設定するために用いられる。操作部は、使用者に操作されることで、複数のホルダ19に保持されたCD2のうち情報を読み出すCD2を設定するために用いられる。
モータ13は、固定シャーシ9の底板11などに取り付けられ、前述した挿入口10と図2中手前側に位置する一つの周板12の近傍に配されている。モータ13は、出力軸の軸芯が、挿入口10の長手方向即ち機器本体3の幅方向Xに沿っている。モータ13の出力軸には、ウォーム15(図3ないし図7に示す)が取り付けられている。
また、ウォーム15には、図3に示すように、中間板14に回転自在に支持された一つの歯車16が噛み合っているとともに、更に、この一つの歯車16に中間板14に回転自在に支持された他の歯車17が噛み合っている。
ディスク搬送部4は、機器本体3内に収容されており、後述する搬送ローラ22とディスクガイド23との間にCD2を挟み込んで、搬送ローラ22がモータ13に回転駆動されることで、CD2を機器本体3に出し入れする。このように、搬送ローラ22即ちディスク搬送部4は、機器本体3の内外にCD2を搬送する。このディスク搬送部4の詳細な構成は、後ほど、説明する。
ディスク再生部5は、機器本体3内に収容されており、移動シャーシと、この移動シャーシに揺動自在に支持された揺動シャーシと、クランプ再生部とを備えている。移動シャーシは、枠状に形成され、厚み方向Z即ちCD2同士が重ねられる方向に沿って移動自在に固定シャーシ9の周板12などに支持されている。
揺動シャーシは、帯板状に形成されている。揺動シャーシは、一端部を中心として回転自在に移動シャーシに支持されている。揺動シャーシは、一端部を中心として回転することで、ディスク収容部6に収容される複数のCD2間に他端部が侵入する状態と、ディスク収容部6に収容される複数のCD2間から他端部が抜け出る状態とに亘って変位自在になっている。
クランプ再生部は、揺動シャーシ上に設けられている。クランプ再生部は、CD2をクランプするターンテーブルと、当該ターンテーブルを回転するスピンドルモータと、ターンテーブルにクランプされたCD2の径方向に移動自在でかつCD2からの情報を読み出すピックアップなどを備えている。クランプ再生部は、揺動シャーシの他端部がCD2間に侵入して、ターンテーブルが該CD2をクランプして、スピンドルモータが当該CD2を回転する。そして、クランプ再生部は、ターンテーブルが回転しているCD2からピックアップが情報を読み出す。
ディスク再生部5は、揺動シャーシの他端部がCD2間に侵入して、ターンテーブルがCD2をクランプするとともに、ターンテーブルがCD2を回転する。ディスク再生部5は、ピックアップが、ターンテーブルにより回転されたCD2から情報を読み出す。
ディスク収容部6は、機器本体3内に収容されており、図2に示すように、移動シャーシ18と、複数の保持部材としてのホルダ19とを備えている。移動シャーシ18は、板金などからなり、板状に形成されている。移動シャーシ18は、固定シャーシ9の底板11と間隔をあけて平行に配されている。移動シャーシ18は、固定シャーシ9の底板11との間にディスク再生部5を位置付けている。移動シャーシ18は、前述した厚み方向Z即ちCD2同士が重ねられる方向に沿って移動自在に固定シャーシ9の周板12などに支持されている。
ホルダ19は、合成樹脂からなり、板状に形成されている。ホルダ19の平面形状は、C字状に形成されている。ホルダ19は、底板11と移動シャーシ18との双方と平行な状態で、移動シャーシ18に支持されている。ホルダ19は、そのC字状に形成された開口部が挿入口10と相対する状態に配されている。
ホルダ19は、挿入口10を通して機器本体3に挿入されたCD2が、開口部を通して内側に侵入することで、このCD2を保持する。複数のホルダ19は、各々が保持するCD2の表面が互いに平行になるように、互いに重ねられて配されている。ホルダ19は、前記厚み方向Zに沿って移動自在に移動シャーシ18などに支持されている。ディスク収容部6は、CD2を保持可能な複数のホルダ19を積層配列して収容する。
ディスク移動機構7は、機器本体3内に収容されており、ディスク再生部5とディスク収容部6の双方の移動シャーシ18を厚み方向Zに沿って移動させるとともに、ディスク収容部6の各ホルダ19を厚み方向Zに沿って移動させる。ディスク移動機構7は、機器本体3内のCD2から情報を読み出す際には、ディスク収容部6の移動シャーシ18を底板11から最も遠ざけて即ち最も上昇させて、ディスク再生部5の移動シャーシを厚み方向Zに沿って移動させる。そして、ディスク移動機構7は、ディスク収容部6のホルダ19を厚み方向Zに沿って移動させて、一つのCD2を保持したホルダ19を他のホルダ19から遠ざけて、これらのホルダ19間に揺動シャーシの他端部を侵入させて、ディスク再生部5のクランプ再生部に前述した一つのCD2から情報を読み出させる。
ディスク移動機構7は、機器本体3の内外にCD2を出し入れする際には、ディスク再生部5の移動シャーシを底板11に最も近づけて即ち最も降下させて、ディスク収容部6の移動シャーシ18を厚み方向Zに沿って移動させる。そして、ディスク移動機構7は、ディスク収容部6のホルダ19を厚み方向Zに沿って移動させて、機器本体3に挿入されたCD2を保持する又は保持したCD2を機器本体3外に排出する一つのホルダ19を他のホルダ19から遠ざけるとともに、この一つのホルダ19をディスク搬送部4の後述のローラアーム21とディスクガイド23との間と奥行き方向Yに沿って並ぶ位置に位置付けて、機器本体3に挿入されたCD2を前述した一つのホルダ19に保持させたり、前述した一つのホルダ19に保持されたCD2を機器本体3外に排出させる。
ディスク搬送部4は、図3及び図4に示すように、搬送部本体としての本体シャーシ20と、ローラアーム21と、搬送ローラ22と、挟持部材としてのディスクガイド23と、第1の歯車24と、第2の歯車25と、回転支持部26(図5に示す)とを備えている。
本体シャーシ20は、板金で構成されて、挿入口10と図2中手前側の一つの周板12との双方の近傍即ちモータ13と中間板14の近傍に配置されている。本体シャーシ20は、底板11と平行な平行部27と、この平行部27から立設した立設部28とを一体に備えている。
本体シャーシ20は、ディスク再生部5の移動シャーシに取り付けられている。このため、本体シャーシ20即ちディスク搬送部4は、ディスク再生部5のクランプ再生部とともに厚み方向Zに沿って移動自在となる。
ローラアーム21は、板金などからなり、長手方向が機器本体3の幅方向Xに沿った帯状に形成されている。ローラアーム21は、挿入口10の近傍に配され、回転支持部26の後述する突出ピン31などによって、奥行き方向Yの機器本体3の奥寄りの一端部を中心として、本体シャーシ20に幅方向X回りに回転自在に支持されている。
搬送ローラ22は、その軸芯が幅方向Xと平行に配置され、ローラアーム21の他端部に軸芯周りに回転自在に支持されている。搬送ローラ22の図3中手前側の端部には、ローラ駆動用の歯車29が同軸的に固定されている。搬送ローラ22は、外周面に挿入口10内を通されるCD2が接触する。また、搬送ローラ22の前述した端部には、当該搬送ローラ22即ちローラアーム21の他端部をディスクガイド23に向かって付勢するコイルばね30が取り付けられている。即ち、このコイルばね30は、搬送ローラ22即ちローラアーム21とディスクガイド23とを互いに近づける方向に付勢する付勢手段となっている。
ディスクガイド23は、CD2との摩擦係数の小さな合成樹脂で構成され、帯板状に形成されている。ディスクガイド23は、その長手方向が幅方向Xと平行に配置され、かつ本体シャーシ20に設けられている。ディスクガイド23は、コイルばね30によって搬送ローラ22が付勢されることで、表面上に位置付けるCD2を搬送ローラ22との間に挟みこむ。
第1の歯車24は、ローラ駆動用の歯車29と間隔をあけて配置され、かつ本体シャーシ20に回転自在に支持されている。第1の歯車24は、前述した他の歯車17と噛み合っている。このため、第1の歯車24は、モータ13の駆動力を搬送ローラ22に伝達して、当該搬送ローラ22を軸芯回りに回転するために用いられる。
第2の歯車25は、ローラアーム21に回転自在に設けられ、前述した第1の歯車24とローラ駆動用の歯車29との双方と噛み合っている。このため、第2の歯車25は、モータ13の駆動力によって、回転されるとともに、ローラ駆動用の歯車29即ち搬送ローラ22を軸芯回りに回転させる。このため、第2の歯車25は、モータ13の駆動力を搬送ローラ22に伝達して、当該搬送ローラ22を軸芯回りに回転するために用いられる。
回転支持部26は、図5に示すように、ローラアーム21に設けられた突出ピン31と、本体シャーシ20の立設部28に設けられた通し部としての切欠き32と、を備えている。突出ピン31は、柱状に形成され、かつローラアーム21の奥行き方向Yの機器本体3の奥寄りの一端部から幅方向Xに沿って突出している。
切欠き32は、立設部28の挿入口10寄りの線から機器本体3の奥に向かって、当該立設部28を切り欠いて形成されている。切欠き32は、内側に突出ピン31を位置付けて、当該突出ピン31を中心として、ローラアーム21を回転自在に支持している。即ち、突出ピン31は、ローラアーム21の回転中心をなしている。また、切欠き32は、突出ピン31よりも大きく形成されて、内側で当該突出ピン31が移動することを許容している。
切欠き32は、CD2を機器本体3に出し入れする際に、第1の歯車24から第2の歯車25が押圧される力のベクトルT1,T2(図6及び図7に示す)に対して接離(近づいたり離れることをいう)する方向に延在している。また、切欠き32は、後述するようにCD2を出し入れする際に、歯車24,25同士が噛み合う噛合箇所Kにおいて、第1の歯車24から第2の歯車25が押圧される力のベクトルT1,T2(図6及び図7に示す)に対して交差する方向に延在している。切欠き32の噛合箇所K寄りの端(図示例では下縁32a)がCD2を収容する際に第1の歯車24から第2の歯車25が押圧される力のベクトルT1(図6に示す)の前方側に位置し、切欠き32の噛合箇所Kから離れた側の端(図示例では上縁32b)がCD2を排出する際に第1の歯車24から第2の歯車25が押圧される力のベクトルT2(図7に示す)の前方側に位置するように、切欠き32は、前述したベクトルT1,T2に対して交差する方向に延在している。つまり、切欠き32は、ローラアーム21を記録媒体に接離する方向に延在している(厚み方向Zに延在している)。
このような構成によって、切欠き32は、第1及び第2の歯車24,25同士が噛み合う噛合箇所K(図6及び図7に示す)及び前述した力のベクトルT1,T2に突出ピン31が接離する方向に移動することを許容する。図示例では、切欠き32は、略厚み方向Zに沿って突出ピン31が移動することを許容する。このように、切欠き32は、突出ピン31よりも力のベクトルT1,T2に接離する方向に延在している。なお、ベクトルT1,T2は、前述した噛合箇所Kにおいて、歯車24,25の接線方向に沿っている。
前述した構成によれば、回転支持部26は、モータ13の駆動力により、搬送ローラ22を回転させてCD2を出し入れする際に、第1の歯車24が本体シャーシ20に設けられかつ第2の歯車25がローラアーム21に設けられているので、第1の歯車24が第2の歯車25を回転させるときの反力によって、突出ピン31を切欠き32内で移動させかつローラアーム21を突出ピン31を中心として回転させるモーメントM1,M2(図6及び図7に示す)を生じる。
図示例では、CD2を機器本体3内に収容する際には、図6に示すように、第2の歯車25は、矢印K1方向に回転される。すると、勿論、第2の歯車25は、第1の歯車24の回転によって、厚み方向Zに沿ってディスクガイド23に近づく方向に押圧される。このように、第2の歯車25は、第1の歯車24によってベクトルT1の力で押圧される。そして、突出ピン31が切欠き32の下縁32aに当接して、この切欠き32の下縁32aと前述したベクトルT1との間の長さL1をアームとした図6中に矢印M1方向のローラアーム21の他端部21aがディスクガイド23から近づけられる回転モーメントを生じる。
また、CD2を機器本体3外に排出する際には、図7に示すように、第2の歯車25は、矢印K2方向に回転される。すると、勿論、第2の歯車25は、第1の歯車24の回転によって、厚み方向Zに沿ってディスクガイド23から遠ざかる方向に押圧される。このように、第2の歯車25は、第1の歯車24によってベクトルT2の力で押圧される。そして、突出ピン31が切欠き32の上縁32bに当接して、この切欠き32の上縁32bと前述したベクトルT2との間の長さL2をアームとした図7中に矢印M2方向のローラアーム21の他端部21aがディスクガイド23に遠ざけられる回転モーメントを生じる。
図8および図9に図6および図7を簡略化した説明図を示す。図8はCD2の挿入(収容)時の説明図、図9はCD2の排出時の説明図である。挿入時は、前述のとおり、突出ピン31が切欠き32の下縁32aに当接して矢印M1方向のローラアーム21の他端部21aがディスクガイド23に近づけられる回転モーメントを生じる。このため、ディスクガイドと23とローラアーム21の他端部21aとの間に約CD1枚分の隙間が生じる。この隙間はCD1枚は通すがCD2枚以上は通さない大きさである。2枚以上同時に挿入しようとすると、図8に示すようにローラアーム21に衝突するので、同時に挿入することを防止できる。
排出時も、前述のとおり、突出ピン31が切欠き32の上縁32bに当接して矢印M2方向のローラアーム21の他端部21aがディスクガイド23に遠ざけられる回転モーメントを生じる。このため、ディスクガイドと23とローラアーム21の他端部21aとの間にCD2枚分以上の隙間が生じる。この隙間は最低2枚分のCDを通す大きさである。したがって、もし、使用者が強引に2枚同時に挿入してしまったとしても、図9に示したようにローラアーム21に衝突しないので、排出することができる。
本実施例によれば、CD2を挿入する際には、突出ピン31が切欠き32の下縁32aに当接して矢印M1方向の回転モーメントによってローラアーム21の他端部21aがCD2に近づけられ、ディスクガイド23との間にCD2が1枚分通れるだけの隙間を生じされることで、2枚以上同時に挿入することを防止する。また、CD2を排出する際には、突出ピン31が切欠き32の上縁32bに当接して矢印M2方向の回転モーメントによってローラアーム21の他端部21aがCD2から遠ざけられ、ディスクガイド23との間にCD2が少なくとも2枚以上通れるだけの隙間を生じされることで、2枚以上同時に挿入されたとしても確実に排出することができる。
前述した実施例では、記録媒体としてのCD2を複数収容するCDチェンジャ1を示している。しかしながら、本発明では、例えば、記録媒体としてのCD、DVD(Digital Versatile Disc)やMD(Mini Disc)を一枚以上収容する情報処理装置に適用しても良い。
また、本発明では、突出ピン31を本体シャーシ20に設け、ローラアーム21に切欠き32などの通し部を設けても良い。また、本発明では、通し部を種々の形状に形成しても良い。さらに、本発明では、突出ピン31と切欠き32に限らず、回転支持部26を種々の構成にしても良い。
前述した実施例によれば、以下のCDチェンジャ1が得られる。
(付記)モータ13と、
前記モータ13の駆動力により、CD2を機器本体3に出し入れするディスク搬送部4と、を備え、
前記ディスク搬送部4が、本体シャーシ20と、前記モータ13の駆動力により回転駆動する搬送ローラ22と、一端部に前記搬送ローラ22を回転自在に支持するとともに前記本体シャーシ20に回転自在に支持されたローラアーム21と、前記本体シャーシ20に設けられかつ前記モータ13からの駆動力を前記搬送ローラ22に伝達するための第1の歯車24と、前記ローラアーム21に設けられかつ前記第1の歯車24と噛み合って前記モータ13からの駆動力を前記搬送ローラ22に伝達するための第2の歯車25と、前記本体シャーシ20に設けられかつ前記搬送ローラ22との間に前記CD2を挟みこむディスクガイド23とを備えたCDチェンジャ1において、
前記ローラアーム21の回転中心を移動自在とするとともに、前記歯車24から前記歯車25が押圧される力によって、前記CD2を前記機器本体3内に収容する際には前記ローラアーム21の他端部21aを前記CD2に近づける方向に回転させ、前記CD21を前記機器本体3外に排出する際には前記ローラアーム21の他端部21aを前記CD2から遠ざける方向に移動させ回転させる回転支持部26を備えたことを特徴とするCDチェンジャ1。
前記モータ13の駆動力により、CD2を機器本体3に出し入れするディスク搬送部4と、を備え、
前記ディスク搬送部4が、本体シャーシ20と、前記モータ13の駆動力により回転駆動する搬送ローラ22と、一端部に前記搬送ローラ22を回転自在に支持するとともに前記本体シャーシ20に回転自在に支持されたローラアーム21と、前記本体シャーシ20に設けられかつ前記モータ13からの駆動力を前記搬送ローラ22に伝達するための第1の歯車24と、前記ローラアーム21に設けられかつ前記第1の歯車24と噛み合って前記モータ13からの駆動力を前記搬送ローラ22に伝達するための第2の歯車25と、前記本体シャーシ20に設けられかつ前記搬送ローラ22との間に前記CD2を挟みこむディスクガイド23とを備えたCDチェンジャ1において、
前記ローラアーム21の回転中心を移動自在とするとともに、前記歯車24から前記歯車25が押圧される力によって、前記CD2を前記機器本体3内に収容する際には前記ローラアーム21の他端部21aを前記CD2に近づける方向に回転させ、前記CD21を前記機器本体3外に排出する際には前記ローラアーム21の他端部21aを前記CD2から遠ざける方向に移動させ回転させる回転支持部26を備えたことを特徴とするCDチェンジャ1。
付記によれば、CD2を挿入する際に、例えば2枚同時に挿入しようとしても、従来と同様にローラアーム21の他端部21aが近づけられるために2枚目のCD2にはローラアーム21が衝突するので挿入を阻止でき、また、強引に挿入されてしまった場合でも、排出時はローラアーム21の他端部21aがCD2から遠ざけけられるため、ローラアーム21に衝突することなく2枚同時に排出することができる。
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
Claims (2)
- 駆動源と、
前記駆動源の駆動力により、記録媒体を機器本体に出し入れする搬送部と、を備え、
前記搬送部が、搬送部本体と、前記駆動源の駆動力により回転駆動する搬送ローラと、一端部に前記搬送ローラを回転自在に支持するとともに前記搬送部本体に回転自在に支持されたローラアームと、前記搬送部本体に設けられかつ前記駆動源からの駆動力を前記搬送ローラに伝達するための第1の歯車と、前記ローラアームに設けられかつ前記第1の歯車と噛み合って前記駆動源からの駆動力を前記搬送ローラに伝達するための第2の歯車と、前記搬送部本体に設けられかつ前記搬送ローラとの間に前記記録媒体を挟みこむ挟持部材とを備えた情報処理装置において、
前記ローラアームの回転中心を移動自在とするとともに、前記第1の歯車から前記第2の歯車が押圧される力によって、前記記録媒体を前記機器本体内に収容する際には前記ローラアームの他端部を前記記録媒体に近づける方向に回転させ、前記記録媒体を前記機器本体外に排出する際には前記ローラアームの他端部を前記記録媒体から遠ざける方向に回転させる回転支持部を備えたことを特徴とする情報処理装置。 - 前記回転支持部は、前記ローラアームと前記搬送部本体とのうち一方に設けられた突出ピンと、他方に設けられかつ前記突出ピンを通す通し部とを備え、前記通し部が前記ローラアームを記録媒体に接離する方向に延在していることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
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