JP2005274792A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、現像後に加熱処理を経て、基材を精密加工する工程に非常に適した感光性樹脂組成物および該組成物を用いたドライフィルムレジストを提供する。
【解決手段】(A)重量平均分子量4万〜13万であるカルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子30〜60質量%、(B)付加重合性モノマー15〜40質量%、(C)光重合開始剤0.01〜10質量%、(D)重量平均分子量が200〜5000の下記一般式(I)で表されるエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体7〜30質量%を含み、現像後に加熱処理する工程を含む導体パターン製造工程に用いられることを特徴とする感光性樹脂組成物を用いる。
HO−(E−O)m−(P−O)n−OH ・・・(I)
(式中、Eはエチレン基、Pはプロピレン基を表す。(E−O)及び(P−O)の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよくブロックの順序に制限は無い。mは0以上50以下、nは10以上50以下である。)
【選択図】選択図なし

Description

本発明は、レジストパターン形成後に加熱処理を経て基材を精密加工する工程、特にリードフレームや金めっきを要するプリント配線板を精密加工する工程に関するものであり、さらに前記工程に非常に適した感光性樹脂組成物および該組成物を用いたドライフィルムレジストレジストに関するものである。
従来、プリント配線板の精密加工用のレジストとして、支持フィルムと感光性樹脂層から成る、ドライフィルムレジスト(以下、DFR、と略称)が用いられている。
DFRは一般に支持フィルム上に感光性樹脂組成物を積層し、多くの場合、さらに支持フィルムとは反対側に保護フィルムを積層することにより作製される。ここで用いられる感光性樹脂組成物としては、現在、現像液として弱アルカリ水溶液を用いるアルカリ現像型が一般的である。
DFRを用いてプリント配線板を作製するには、まず保護フィルムを剥離した後、銅張積層板等の永久回路作成用基材上に、ラミネーター等を用いて、DFRを積層し、配線パターンマスクフィルム等を通し露光を行う。次に、必要に応じて支持フィルムを剥離し、現像液により未露光部分の感光性組成物を溶解、もしくは分散除去して現像し、基板上にレジストパターンを形成させる。
形成されたレジストパターンをマスクとして、基材の銅表面をエッチング、又はめっきによる処理を行い導体パターンを形成し、次いでレジストパターンを、現像液よりも強いアルカリ水溶液を用いて剥離して、プリント配線板等を製造する。エッチング工程には、塩化第二銅、塩化第二鉄、銅アンモニア錯体溶液等が用いられる。エッチングによる導体パターンの形成方法をエッチング法、めっきによる導体パターンの形成方法をめっき法とよぶ。
エッチング法はプリント配線板のほかにリードフレームの製造などにも用いられる。リードフレームの製造工程では密着性を確保する為、レジストパターンの形成後に加熱処理されることもある(特許文献1)。加熱処理されると密着性が確保されるがエッチング後DFRの剥離が困難になる場合がある。
めっき法においては、例えば金めっきなどをする場合には、現像後の基材を脱脂後、ニッケルめっきし続いて電解金めっき、または無電解金めっきを施し、その後強アルカリ溶液でレジストパターンを剥離しプリント配線板を製造する。このめっき工程はレジストに対して過酷な条件であるため、めっき中にレジストパターンと基材との間にめっき液が染み込むアンダープレーティングが起き易い。通常のめっき工程については、アンダープレーティングを防ぐための改良などが開示されているが(特許文献2)、金めっき工程などにおいてはレジストパターン形成後に加熱処理などが施される場合があるので、アンダープレーティングを防ぐことが出来てもめっき後DFRの剥離が困難になる場合がある。
特開平10−161308号公報 特開平5−11446号公報
本発明は、レジストパターンを形成した後基材を加熱処理してエッチングまたはめっきにより導体パターンを形成する工程に非常に適した感光性樹脂組成物、および該組成物を用いたドライフィルムレジストを提供することを目的する。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の化合物を含有する感光性樹脂組成物が、その目的に適合しうることを見いだし、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
(1) (A)重量平均分子量4万〜13万であるカルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子30〜60質量%、(B)付加重合性モノマー15〜40質量%、(C)光重合開始剤0.01〜10質量%、(D)重量平均分子量が200〜5000の下記一般式(I)で表されるエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体7〜30質量%を含み、現像後に加熱処理する工程を含む導体パターン製造工程に用いられることを特徴とする感光性樹脂組成物。
HO−(E−O)m−(P−O)n−OH ・・・(I)
(式中、Eはエチレン基、Pはプロピレン基を表す。(E−O)及び(P−O)の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよくブロックの順序に制限は無い。mは0以上50以下、nは10以上50以下である。)
(2) 感光性樹脂組成物100g当たりの二重結合濃度Dが0.07〜0.12モルである(1)記載の感光性樹脂組成物。
(3) (D)一般式(I)が重量平均分子量2000のポリプロピレングリコールである(1)または(2)記載の感光性樹脂組成物。
(4) 支持フィルム上に(1)、(2)または(3)記載の感光性樹脂組成物よりなる層を設け、支持フィルムとは反対側に保護フィルムを設けてなるドライフィルムレジスト。
(5) (4)に記載のドライフィルムレジストを基板上に積層し、露光し、現像し、レジストパターンを形成し、次いで加熱処理する工程を含むことを特徴とする導体パターンの製造方法。
(6) (4)に記載のドライフィルムレジストを基板上に積層し、露光し、現像し、レジストパターンを形成し、次いで加熱処理し、金めっきする工程を含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
(7) (4)に記載のドライフィルムレジストを基板上に積層し、露光し、現像し、レジストパターンを形成し、次いで加熱処理し、エッチングする工程を含むことを特徴とするリードフレームの製造方法。
レジストパターンを形成した後基材を加熱処理してエッチングまたはめっきにより導体パターンを形成する工程に、本発明の感光性樹脂組成物を用いた場合に、レジストパターンとして良好な密着性を有し、エッチングもぐり又はアンダープレーティングが少なく、かつ、良好な剥離性を有する感光性樹脂組成物および該組成物を用いたドライフィルムレジストを提供することができる。
以下、本願発明について具体的に説明する。特に断りが無い限り感光性樹脂組成物の各成分の配合量は、感光性樹脂組成物全質量基準に対する質量%で表される。
本発明における(D)成分は重量平均分子量が200〜5000の下記一般式(I)で表されるエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体である。
HO−(E−O)m−(P−O)n−OH ・・・(I)
(式中、Eはエチレン基、Pはプロピレン基を表す。(E−O)及び(P−O)の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよくブロックの順序に制限は無い。)
mは感光性樹脂組成物の相溶性の観点から50以下が好ましい。より好ましくは40以下である。nはフロー性の観点から10以上が好ましく、相溶性の観点から50以下が好ましい。より好ましくは15以上40以下である。
(E−O)及び(P−O)の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよい。
具体的には日本油脂(株)製ユニオールD−2000が挙げられる。
本発明における(D)成分は加熱後の剥離性の観点から7質量%以上が好ましく、30質量%以下が好ましい。より好ましくは8.5質量%以上、20質量%以下である。
さらに、本発明は(A)〜(D)成分以外にも付加的に以下の可塑剤を用いることができる。例えば、パラトルエンスルホン酸アミド、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル。なかでもパラトルエンスルホン酸アミドを用いることが好ましい。可塑化の観点から2質量%以上が好ましく、相溶性の観点から6質量%以下が好ましい。
本発明における(A)成分のアルカリ可溶性高分子としては、カルボン酸含有ビニル共重合体やカルボン酸含有セルロース等が挙げられる。
ここで、カルボン酸含有ビニル共重合体とは、α、β−不飽和カルボン酸の中から選ばれる少なくとも1種の第1単量体と、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドとその窒素上の水素をアルキル基またはアルコキシ基に置換した化合物、スチレン及びスチレン誘導体、(メタ)アクリロニトリル、及び(メタ)アクリル酸グリシジルの中から選ばれる少なくとも1種の第2単量体をビニル共重合して得られる化合物である。
カルボン酸含有ビニル共重合体に用いられる第1単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸半エステル等が挙げられ、それぞれ単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせてもよい。
カルボン酸含有ビニル共重合体における第1単量体の割合は、15質量%以上40質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以上35質量%以下である。アルカリ現像性を保持させるため、第1単量体の割合は15質量%以上であることが好ましく、カルボン酸含有ビニル共重合体の溶解度の観点から、40質量%以下であることが好ましい。
カルボン酸含有ビニル共重合体に用いられる第2単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられ、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カルボン酸含有ビニル共重合体における第2単量体の割合は、60質量%以上85質量%以下が好ましく、より好ましくは65質量%以上80質量%以下である。
カルボン酸含有ビニル共重合体の重量平均分子量は、2万以上30万以下の範囲が好ましく、より好ましくは3万以上15万以下である。硬化膜の強度を維持するために、カルボン酸含有ビニル共重合体の重量平均分子量は2万以上であることが好ましく、感光性樹脂組成物を積層して感光性樹脂層を形成する際の安定性の観点から、カルボン酸含有ビニル共重合体の重量平均分子量は30万以下であることが好ましい。
この場合の重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレンの検量線を用いて測定した重量平均分子量のことである。重量平均分子量は、日本分光(株)製ゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU−1580型、カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列、移動層溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン標準サンプルによる検量線使用)により重量平均分子量(ポリスチレン換算)として求められる。
カルボン酸含有ビニル共重合体は、単量体の混合物を、アセトン、メチルエチルケトン、イソプロパノール等の溶剤で希釈した溶液に、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤を適量添加し、過熱攪拌することにより合成することが好ましい。混合物の一部を反応液に滴下しながら合成する場合もある。また、反応終了後さらに溶剤を加えて、所望の濃度に調整する場合もある。その合成手段としては、溶液重合以外にも、塊状重合、懸濁重合及び乳化重合も用いられる。
カルボン酸含有セルロースとしては、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシエチル・カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
アルカリ可溶性高分子の含有量は、感光性樹脂組成物の全質量基準で30質量%以上60質量%以下の範囲が好ましい。より好ましくは40質量%以上60質量%以下である。アルカリ現像性を保持し良好なエッジフュージョン性を確保するために、アルカリ可溶性高分子の含有量は、30質量%以上であることが好ましく、感光性樹脂層を充分に硬化させレジストとしての耐性を確保するために、60質量%以下であることが好ましい。上記エッジフュージョン性とは、ドライフィルムレジストをロール状に巻いて保存する場合に、ロール端面から感光性樹脂組成物が染み出す現象の程度を表すものである。エッジフュージョン性が悪い場合、染み出した感光性樹脂組成物が、その隣接する上下層の染み出した感光性樹脂組成物と癒着する。そうなると、ドライフィルムレジストを巻状態から引き出す場合に、癒着部分が飛散する。飛散した感光性樹脂組成物は基材に積層したドライフィルムレジスト表面や、パターンマスクに付着し、露光を妨げ、レジストパターン、さらに配線パターンの欠点となる。
アルカリ可溶性高分子は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。現像速度と剥離速度、および耐現像、耐エッチング性のバランスの観点から、酸当量200〜400、重量平均分子量4万〜10万であるカルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子をさらに含有して用いることが好ましく、含有率は(A)全体を100質量%とした場合に20〜80%含有することが好ましい。
酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有する線状重合体の質量を言う。なお、酸当量の測定は、平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM−555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により行われる。
本発明において(B)成分は、公知の種類の化合物を使用できる。
例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネートなどの多価イソシアネート化合物と、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアクリレート化合物とのウレタン化化合物なども用いることができる。
また、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、1,4−テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、4−ノルマルオクチルフェノキシペンタプロピレングリコールアクリレート、4−ビス(トリエチレングリコールメタクリレート)ノナプロピレングリコール、ビス(テトラエチレングリコールメタクリレート)ポリプロピレングリコール、ビス(トリエチレングリコールメタクリレート)ポリプロピレングリコール、ビス(ジエチレングリコールアクリレート)ポリプロピレングリコール、4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレングリコール(メタ)アクリレート、4−ノルマルノニルフェノキシヘプタエチレングリコールジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラプロピレングリコールテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌレート誘導体などを用いることが出来る。
これらの付加重合性モノマーはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の一般式(I)およびそれら以外の付加重合性モノマーの総含有量は、感光性樹脂組成物の全質量基準で15質量%以上60質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以上50質量%以下である。感光性樹脂層を充分に硬化させ、レジストとしての強度を維持するために、上記の含有量は、15質量%以上であることが好ましい。また、エッジフュージョンが発生するのを防止するために、上記の付加重合性モノマーの総含有量は、60質量%以下であることが好ましい。
感光性樹脂組成物100g当たりの二重結合濃度Dは、密着性の観点から0.07モル以上、剥離性の観点から0.12以下である事が好ましい。さらに好ましくは0.08以上、0.11以下であることが好ましい。前記Dは、以下の計算式により得られる。
1.感光性樹脂組成物中に付加重合性モノマー[1]がW含まれる場合について二重結合濃度Dを計算する。
=(d/M) ・・・(計算式a)
:付加重合性モノマー[1]の二重結合濃度
:付加重合性モノマー[1]1分子が有する付加重合性二重結合のモル数
:付加重合性モノマー[1]の数平均分子量
例えば、感光性樹脂組成物中にトリエトキシメチロールプロパントリアクリレートが30g含まれる場合、トリエトキシメチロールプロパントリアクリレートについての二重結合濃度Dは以下の様に計算できる。
D=(3/428)=0.00701
2.付加重合性モノマー[2]、[3]、・・・についてもそれぞれ二重結合濃度D、D、・・・を計算式aと同様にして計算し、計算式bにより感光性樹脂組成物100g当たりの二重結合濃度Dを計算する。
=(D×W+D×W+D×W+・・・)×(100/W
・・・(計算式b)
:感光性樹脂組成物100g当たりの二重結合濃度
:感光性樹脂組成物中の付加重合性モノマー[1]の質量(g)
:感光性樹脂組成物中の付加重合性モノマー[2]の質量(g)
:感光性樹脂組成物中の付加重合性モノマー[3]の質量(g)



:感光性樹脂組成物の総質量(g)
(C)成分の、光重合開始剤としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジプロピルケタール、ベンジルジフェニルケタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−フルオロチオキサントン、4-フルオロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン[ミヒラーズケトン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどの芳香族ケトン類、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等のトリアリールイミダゾリルニ量体、9−フェニルアクリジン等のアクリジン類、α、α−ジメトキシ−α−モルホリノ−メチルチオフェニルアセトフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、N−アリール−α−アミノ酸さらに1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−o−ベンゾイルオキシム、2,3−ジオキソー3−フェニルプロピオジ酸エチル−2−(o−ベンゾイルカルボニル)−オキシム等のオキシムエステル類、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸及びp−ジイソプロピルアミノ安息香酸及びこれらのアルコールとのエステル化物、p−ヒドロキシ安息香酸エステルなどが挙げられる。
N−アリール−α−アミノ酸としては、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−フェニルグリシン、N−(n−プロピル)−N−フェニルグリシン、N−(n−ブチル)−N−フェニルグリシン、N−(2−メトキシエチル)−N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルアラニン、N−エチル−N−フェニルアラニン、N−(n−プロピル)−N−フェニルアラニン、N−(n−ブチル)−N−フェニルアラニン、N−メチル−N−フェニルバリン、N−メチル−N−フェニルロイシン、N−メチル−N−(p−トリル)グリシン、N−エチル−N−(p−トリル)グリシン、N−(n−プロピル)−N−(p−トリル)グリシン、N−(n−ブチル)−N−(p−トリル)グリシン、N−メチル−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−エチ ル−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−(n−プロピル)−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−メチル−N−(p−ブロモフェニル)グリシン、N−エチル−N−(p−ブロモフェニル)グリシン、N−(n−ブチル)−N−(p−ブロモフェニル)グリシン、N,N′−ジフェニルグリシン、N−メチル−N−(p−ヨードフェニル)グリシン、N−(p−ブロモフェニル)グリシン、N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−(o−クロロフェニル)グリシン等が挙げられる。特にN−フェニルグリシンが好適に用いられる。
その中でも感度と現像槽中のスラッジの観点から、特に2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体と、ミヒラーズケトンまたは4,4’−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと、N−フェニルグリシンとの組み合わせが好ましい。
(C)成分の光重合開始剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全質量基準で0.01質量%以上20質量%以下含まれることが好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。十分な感度を得るために、0.01質量%以上が好ましく、感光性樹脂層の底の部分を十分に硬化させるために、10質量%以下であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物の色相安定性、感光性樹脂組成物を基材に積層した後そして露光した後の、感光性樹脂の保存安定性、現像性、および基材表面の保存安定性の観点から、ベンゾトリアゾールおよびその誘導体を含むことが好ましい。
例えば、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、N(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N(N,N−ジ−2−ヒドロシキエチル)アミノメチレンベンゾトリアゾール、N(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノエチレンカルボキシベンゾトリアゾール、1−N−ジエチルアミノメチルカルボキシベンゾトリアゾール、1−N−ジプロピルアミノメチルカルボキシベンゾトリアゾール、1−N−ジブチルアミノメチルカルボキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。本発明の感光性樹脂組成物を基材に積層した後の保存安定性、現像性の観点および、本発明の感光性樹脂組成物を基材に積層し露光した後の保存安定性、現像性の観点から、1−N−ジブチルアミノメチルカルボキシベンゾトリアゾールが好ましい。
上記化合物の割合は、0.005質量%〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.01質量%〜3質量%である。本発明の感光性樹脂組成物を基材に積層した後の保存安定性、現像性の観点および、本発明の感光性樹脂組成物を基材に積層し露光した後の保存安定性、現像性の観点から、0.005質量%以上が好ましく、解像性の観点から5質量%以下が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物の熱安定性、保存安定性を向上させる為にラジカル重合禁止剤を含有させることは好ましい。このようなラジカル重合禁止剤としては、例えばp−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、t−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2’メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、アルミニウム N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン等が挙げられる。熱安定性、保存安定性の観点からアルミニウム N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には染料、顔料等の着色物質が含有されていてもよい。このような着色物質としては、例えばフクシン、フタロシアニングリーン、オーラミン塩基、カルコキシドグリーンS、パラマジェンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン、ベイシックブルー20、ダイヤモンドグリーン等が挙げられる。
また、本発明の感光性樹脂組成物に光照射により発色する発色系染料を含有させてもよい。このような発色系染料としては、ロイコ染料とハロゲン化合物の組み合わせが良く知られている。ロイコ染料としては、例えばトリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコマラカイトグリーン]等が挙げられる。一方ハロゲン化合物としては臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルホン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン等が挙げられる。上記ハロゲン化物としては露光時の発色効果やレジストパターンの現像時の密着性の観点からトリブロモメチルフェニルスルフォンが好ましい。
本発明におけるドライフィルムレジストは、支持フィルム上に前記感光性樹脂組成物を積層し感光性樹脂層を形成することにより作製する。
支持フィルムとしては、通常活性光線を透過させる透明な基材フィルムが用いられ、このような基材フィルムとしては厚み10μm以上100μm以下程度のポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合体フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム等の合成樹脂フィルムがあるが、通常適度な可とう性と強度を有するポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。必要に応じて1軸、2軸延伸などの延伸をほどこして用いることが出来る。
また、導体パターンの直線性の観点から、支持フィルムのヘーズは2.5%以下であるものが好ましく、より好ましくは1.0%以下である。特に高密度導体形成用途には、できるだけ透過光の散乱を抑えるという観点から、ヘーズは1.0%以下であることが好ましい。
本発明におけるドライフィルムレジストには、必要に応じて感光性樹脂層の支持フィルムとは反対側の面に、保護フィルムを設けることが出来る。感光性樹脂層との密着力において、感光性樹脂層と支持フィルムとの密着力よりも感光性樹脂層と保護フィルムの密着力が小さいことがこの保護フィルムに必要な特性であり、これにより保護フィルムが容易に剥離できる。
保護フィルムは、本発明の感光性樹脂層を保護するためのフィルムであり、このようなフィルムとしては10〜100μm厚程度のポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合体フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム等の合成樹脂フィルムがあるが、ポリエチレンフィルムまたはポリプロピレンフィルムが好ましく用いられる。保護フィルムの膜厚は10μm以上50μm以下が好ましい。さらに、保護フィルム中にある異物に起因する凹凸は感光性樹脂層に転写し、レジストパターンに欠損を生じる原因となる。レジストパターンに生じた欠損からは、形成の際たとえばエッチング液が染み込むなどして、回路の欠け、断線につながる。このため、高密度配線用途には特に、できるだけ、ゲル、触媒残渣などの異物が少ない保護フィルムを用いることが好ましい。
本発明におけるドライフィルムレジストの作製方法について説明する。支持フィルム、感光性樹脂層、及び保護フィルムを順次積層してドライフィルムレジストを作製する方法は、従来知られている方法を採用することができる。
例えば、感光性樹脂層に用いる感光性樹脂組成物を、これらを溶解する溶剤と混ぜ合わせ均一な溶液にしておき、まず支持フィルム上にバーコーターやロールコーターを用いて塗布して乾燥し、支持フィルム上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を積層する。このあと必要ならば感光性樹脂組成物を支持体ごと適宜乾燥させ、保護フィルムを積層する。
本発明において加熱工程とは、導体パターン製造工程において、現像後に設けられる工程であり、バッチ式のオーブンを使用する場合には通常120℃で15分〜30分、連続式のIRキュア炉を使用する場合は通常250℃で2分程度で行われる。代表的な加熱工程としては金めっきにおける耐めっき性向上のために行われる現像後加熱や、リードフレームの製造における耐エッチング性向上のために行われる現像後加熱などがあげられる。加熱温度が100℃以上である場合には加熱時間は10分以上で本発明の有利な効果が発揮される。また加熱温度が200℃以上である場合には加熱時間が2分以上である場合にも本発明の有利な効果が発揮される。
本発明における導体パターンの製造工程の一例を説明する。
(1)ラミネート工程
ドライフィルムレジストの保護フィルムを剥がしながら基材上にホットロールラミネーターを用いて密着させる工程。
(2)露光工程
所望の電極パターンを有するマスクフィルムを支持フィルム上に密着させ活性光線源を用いて露光を施す工程。
(3)現像工程
支持フィルムを剥離した後アルカリ現像液を用いて感光性樹脂層の未露光部分を溶解または分散除去、レジストパターンを基材上に形成する工程。
(4)加熱工程
現像によってレジストパターンが形成された評価基材を200〜300℃に設定した遠赤外炉中を2〜3分間ベルトコンベアにて通過させベーキングする工程。
(5)金めっき工程
金めっき用に使用する場合は、基材を脱脂後、通常ニッケルめっきを施した後、電解または無電解の金めっきを行いレジストにより被服されていない導体部分に金を析出させる工程。
(6)エッチング工程
リードフレーム用に使用する場合は、塩化第二鉄エッチング液でエッチングする工程。
(7)剥離工程
レジストパターンを、アルカリ剥離液を用いて基材から除去する工程。
上記(6)剥離工程で用いられるアルカリ剥離液としては、一般的に現像で用いたアルカリ水溶液よりも更に強いアルカリ性の水溶液、例えば1%以上40%以下の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルキルアミン類の水溶液が挙げられる。廃液処理の観点で、水酸化ナトリウムの剥離液を用いることが好ましい。
[実施例1〜4、比較例1〜4]
以下実施例によりさらに詳しく説明する。
1.金めっきパターンの作成方法。
金めっきパターンは、以下の各工程を経て製造される。
<感光性樹脂積層体の作製>
表1、2に示す成分と各10gのメチルエチルケトンを混合し、感光性樹脂組成物の溶液を調整し、19μm厚みのポリエチレンテレフタレートフイルムにバーコーターで均一に塗布し、90℃の乾燥機中で3分間乾燥して、38μm厚みの感光性樹脂層を形成した。次に、樹脂層の上に24μm厚みのポリエチレンフイルムを張り合わせて感光性樹脂積層体を得た。
<基材>
評価基材として1.6mm厚みの銅張り積層板を用いた。銅箔の厚みは35μmを使用した。銅箔表面は、3M社製スコッチブライト#600により2回バフロール研磨を行い整面した。
<ラミネート>
感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、60℃に予熱した上記銅張り積層板に、ホットロールラミネーター(旭化成(株)社製、AL−70)により、ポリエチレンフィルムを剥離した感光性樹脂積層体をラミネートした。ロール温度は105℃、エアー圧力は0.35MPa、ラミネート速度は2.0m/minとした。
<露光>
評価に必要なマスクフィルムを、上記によりラミネートした感光性樹脂層の支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルム上におき、超高圧水銀ランプ(オーク製作所製HMW−801)により80mJ/cmで露光した。
<現像>
上記により露光した感光性樹脂積層体のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、30℃の1質量%NaCO水溶液を40秒間スプレーし、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去し、レジストパターンを形成した。この際、未露光部分の感光性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間とした。
<ベーキング>
現像によってレジストパターンが形成された評価基材を300℃に設定した遠赤外炉中を3分間ベルトコンベアにて通過させベーキングした。この時、基材表面温度は最高250℃まで上昇した。比較のため、ベーキングを行わない評価基材も用意し次の金めっきを行った。
<金めっき>
評価基材をアトテックFRX10%溶液を用い40℃で3分間脱脂処理した。水洗後メルテックスAD−485にて35℃、1分間ソフトエッチングを行い、その後5%硫酸水溶液に室温で1分浸漬し、水洗した。
この評価用基材を50℃のWatt浴で1.5A/dm2の電流密度で30分ニッケルめっきを行い8μmのニッケル被膜を形成した。
水洗後、日本高純度化学製通性金めっき液テンペレジストEXの50℃浴で0.2A/dm2の電流密度にて10分間金めっきを行い、1μmの金被膜を形成した。
<レジスト剥離>
めっき後の評価基材を、50℃に加温した3質量%の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬してレジストを剥離し、金めっきパターンを製造した。レジストが剥離するまでの時間を最少剥離時間とした。
[実施例5〜8、比較例5〜8]
本発明をリードフレーム作例に使用した例を以下に述べる。
<基材>
日立冶金製42アロイ材(125μm厚み)を3%水酸化ナトリウム水溶液50℃で1分間スプレーし次いで水洗乾燥する。
<感光性樹脂の製作>、<ラミネート>、<露光>、<現像>、<ベーキング>、<レジスト剥離>工程は実施例1〜4と同様に行った。
<エッチング>
現像後にベーキングした基材を、45ボーメの塩化第二鉄溶液にて70℃4分間エッチングし、ついて水洗乾燥した。
2.評価方法
次に評価方法について説明する。
(1)めっき潜り性
アンダープレーティングの程度をレジスト剥離後に100倍の光学顕微鏡で観察し、潜りの程度より以下のように判定する。
◎:めっき潜りの値が0μm以下。
〇:めっき潜りの値が0μmを超え、1μm以下。
△:めっき潜りの値が1μmを超え、5μm以下。
×:めっき潜りの値が5μmを超える。
(2)エッチング潜り性
レジスト剥離後の基材を100倍の光学顕微鏡で観察し、ラインの欠け・細りの程度により以下のように判定する。
◎:欠け・細りの幅が0μm以下。
〇:欠け・細りの幅が0μmを超え、1μm以下。
△:欠け・細りの幅が1μmを超え、10μm以下。
×:欠け・細りの幅が10μmを超える。
(3)レジスト剥離性
めっき後の基板を50℃の3%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、レジストが剥離する時間を測定する。
現像後ベーキングでも剥離時間が1.5倍以下の増加にとどまるものが良好と判断する。
3.評価結果
実施例及び比較例の感光性樹脂組成物および評価結果を表1〜4に示す。なお表に示す符号の説明は以下のとおりである。
A−1:メタクリル酸メチル65重量%、メタクリル酸25重量%、アクリル酸ブチル10重量%の三元共重合体のメチルエチルケトン溶液(固形分濃度34%、重量平均分子量8万、酸当量340)
A−2:メタクリル酸メチル65重量%、メタクリル酸25重量%、アクリル酸ブチル10重量%の三元共重合体のメチルエチルケトン溶液(固形分濃度34%、重量平均分子量12万、酸当量340)
A−3:メタクリル酸メチル67重量%、メタクリル酸23重量%、アクリル酸ブチル10重量%の三元共重合体のメチルエチルケトン溶液(固形分濃度30%、重量平均分子量17万、酸当量370)
B−1:トリエトキシメチロールプロパントリアクリレート
B−2:平均8モルのプロピレンオキシドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキシドをさらに両端にそれぞれ平均3モル付加したグリコールのジメタクリレート
B−3:p−ノニルフェノキシヘプタエトキシジプロポキシアクリレート
B−4:ノナエチレングリコールジアクリレート
B−5:ヘキサメチレンジイソシアネートとオリゴプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製ブレンマーPP−1000)との反応物
C−1:2−(o−クロロフェニル)−4、5−ジフェニルイミダゾール二量体
C−2:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
D−1:ダイヤモンドグリーン
D−2:ロイコクリスタルバイオレット
E−1:ポリプロピレングリコール(日本油脂(株)製ユニオールD−2000)
E−2:ポリエチレンプロピレングリコール(分子量1900,EO/PO=1/1)
E−3:p−トルエンスルホンアミド
Figure 2005274792
Figure 2005274792
Figure 2005274792
Figure 2005274792
本発明は、現像後に加熱処理を経て、基材を精密加工する工程に用いても、レジストパターンとして良好な密着性を示しかつ、良好な剥離性を示すことが出来る感光性樹脂組成物および該組成物を用いたドライフィルムレジストを提供するので、金めっきやリードフレーム製造などの用途においても製造歩留まりがよく、産業上非常に有用である。

Claims (7)

  1. (A)重量平均分子量4万〜13万であるカルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子30〜60質量%、(B)付加重合性モノマー15〜40質量%、(C)光重合開始剤0.01〜10質量%、(D)重量平均分子量が200〜5000の下記一般式(I)で表されるエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体7〜30質量%を含み、現像後に加熱処理する工程を含む導体パターン製造工程に用いられることを特徴とする感光性樹脂組成物。
    HO−(E−O)m−(P−O)n−OH ・・・(I)
    (式中、Eはエチレン基、Pはプロピレン基を表す。(E−O)及び(P−O)の繰り返し単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよくブロックの順序に制限は無い。mは0以上50以下、nは10以上50以下である。)
  2. 感光性樹脂組成物100g当たりの二重結合濃度Dが0.07〜0.12モルである請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. (D)一般式(I)が重量平均分子量2000のポリプロピレングリコールである請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 支持フィルム上に請求項1、2または3記載の感光性樹脂組成物よりなる層を設け、支持フィルムとは反対側に保護フィルムを設けてなるドライフィルムレジスト。
  5. 請求項4に記載のドライフィルムレジストを基板上に積層し、露光し、現像し、レジストパターンを形成し、次いで加熱処理する工程を含むことを特徴とする導体パターンの製造方法。
  6. 請求項4に記載のドライフィルムレジストを基板上に積層し、露光し、現像し、レジストパターンを形成し、次いで加熱処理し、金めっきする工程を含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  7. 請求項4に記載のドライフィルムレジストを基板上に積層し、露光し、現像し、レジストパターンを形成し、次いで加熱処理し、エッチングする工程を含むことを特徴とするリードフレームの製造方法。
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