JP2005274512A - 電気泳動用マイクロチップ - Google Patents

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Abstract

【課題】 サンプル量の無駄を抑えることができ、閉じた泳動用チャネルの端部にきれいにサンプルを移送することができ、サンプル必要量の調整が可能であり、サンプルとゲルときれいに合一させることができ、しかも、溶液の電気分解により発生したガスを除去することができる電気泳動用マイクロチップを提供する。
【解決手段】 サンプル注入部と電気泳動部とからなり、前記サンプル注入部は、所定の容積を有する容積部を有し、該容積部にはサンプル導入用のポートと、正圧を印加するための加圧ポートと、引圧を印加するための第1の引圧ポートとが接続されており、
前記電気泳動部は、電気泳動用チャネルと、ゲル電解質導入用のポートと、引圧を印加するための第2の引圧ポートとを有し、
加圧ポートは逆止弁を介して容積部上流側に接続され、第1の引圧ポートは第1の空気抜き弁を介して容積部下流側に接続され、
第2の引圧ポートは第2の空気抜き弁を介して電気泳動用チャネルに接続され、
前記容積部と前記電気泳動用チャネルとは細管で連通されている電気泳動用マイクロチップ。
【選択図】 図2

Description

本発明は電気泳動装置に関する。更に詳細には、本発明は、2枚の基板間に形成された微細流路において電気泳動を行うように構成された電気泳動用マイクロチップに関する。
極微量のタンパクや核酸(例えば、DNA)などの試料を分析する場合には、従来より電気泳動装置が使用されてきた。その代表的な装置としてスラブゲル電気泳動装置がある。電気泳動する際に、従来は試料をラジオアイソトープでラベルし、分析していたが、この方法では手間と時間がかかる難点があった。更に、放射能管理の点から常に最大限の安全性と管理が求められ、特別な施設内でなければ分析を行うことができない。このため、最近では、試料を蛍光体でラベルする方式が検討されている。
光を用いる方法では、蛍光ラベルしたDNA断片をゲル中を泳動させるが、泳動開始部から、15〜20cm下方に各泳動路毎に光励起部と光検出器を設けておき、ここを通過するDNA断片を順に計測する。例えば、配列を決定しようとするDNA鎖を鋳型として酵素反応(ダイデオキシ法)による操作で末端塩基種がわかった種々の長さのDNAを複製し、これらに蛍光体を標識する。つまり、蛍光体で標識されたアデニン(A)断片群,シトシン(C)断片群,グアニン(G)断片群およびチミン(T)断片群を得る。これらの断片群を混合して電気泳動用ゲルの別々の泳動レーン溝に注入し、電圧を印加する。DNAは負の電荷を持つ鎖状の重合体高分子のため、ゲル中を分子量に反比例した速度で移動する。短い(分子量の小さい)DNA鎖ほど早く、長い(分子量の大きい)DNA鎖ほどゆっくりと移動するので、分子量によりDNAを分画できる。
特許文献1には、レーザで照射される電気泳動装置のゲル上のラインと光ダイオードアレイの配列方向が電気泳動装置内のDNA断片の泳動方向と直角となるように構成されたDNA塩基配列決定装置が開示されている。この装置では、一対のガラス板の間にポリアクリルアミドなどのゲル電解質を充填し、ゲル電気泳動層を形成した後、該ゲル電気泳動層の一端にDNAサンプルを注入し、ゲル電気泳動層の両端をバッファ液に浸漬させながら、その両端に電圧を印加してDNAサンプルを電気泳動させることによりゲル電解質層上にDNA断片を展開する。光を用いる方法では、蛍光ラベルしたDNA断片をゲル中を泳動させるが、泳動開始部から、15〜20cm下方に各泳動路毎に光励起部と光検出器を設けておき、ここを通過するDNA断片を順に計測する。例えば、配列を決定しようとするDNA鎖を鋳型として酵素反応(ダイデオキシ法)による操作で末端塩基種がわかった種々の長さのDNAを複製し、これらに蛍光体を標識する。つまり、蛍光体で標識されたアデニン(A)断片群,シトシン(C)断片群,グアニン(G)断片群およびチミン(T)断片群を得る。これらの断片群を混合して電気泳動用ゲルの別々の泳動レーン溝に注入し、電圧を印加する。DNAは負の電荷を持つ鎖状の重合体高分子のため、ゲル中を分子量に反比例した速度で移動する。短い(分子量の小さい)DNA鎖ほど早く、長い(分子量の大きい)DNA鎖ほどゆっくりと移動するので、分子量によりDNAを分画できる。
しかし、このような装置では一度に多量のサンプルを取り扱うことができるという利点があるものの、ゲル内でのジュール熱による発熱が問題となるため高電圧を印加して分析することが出来なかった。このため、分析時間(泳動時間)に長時間(数十時間)も要し、DNA診断などのような迅速な分析を必要とするような要望には答えることができなかった。
そこで、これに代わる装置として、特許文献2に記載されるように、2枚の基板を接合し、何れか一方の基板の接合面に電気泳動路となるべき微細流路(チャネル)を形成し、この微細流路と連通し、かつ、大気に開放されたポートを設けた「マイクロチップ」と呼ばれる小型装置が提案されている。
特許文献2に記載された従来のDNA電気泳動用マイクロチップは、図18に示されるように、ガラス又は合成樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン又はアクリル樹脂)などの透明基板100に分離用チャネル102と、この分離用チャネル102と直交する導入用チャネル104を有する。このマイクロチップは、分離用チャネル102と導入用チャネル104が交差していることから、別名、クロスインジェクション方式チップとも呼ばれている。分離用チャネル102の両端にはグランド側泳動媒体用ウエル106と高電圧側泳動媒体用ウエル108が配設されている。また、導入用チャネル104の一方の端部にはグランド側のDNAサンプル用ウエル110と高電圧側泳動媒体用ウエル112が配設されている。
図19は図18におけるXIX-XIX線に沿った断面図である。図示されているように、透明基板100を貫通するように泳動媒体用ポート106及び108が設けられ、この基板100の下面側に、泳動媒体用ポート106及び108に連通する分離用チャネル102が配設されている。基板100の下面側に透明又は不透明な素材(例えば、ガラス又は合成樹脂フィルム)からなる対面基板114が貼り合わされている。この対面基板114の存在により、ポート及び溝内に泳動媒体及びDNAサンプルなどを注入することができる。
図20は図18に示されたマイクロチップの使用方法を示す模式図である。先ず、ステップ(1)で、分離用チャネル102の高電圧側泳動媒体用ポート108に電気泳動用の分離用泳動路となるべき泳動媒体(例えば、ゲル電解質)を分注する。次いで、ステップ(2)において、このポート108から静かに圧力をかけて、分離用チャネル102及び導入用チャネル104に泳動媒体を充填させる。次いで、ステップ(3)において、ポート106とポート112に泳動媒体を分注する。次いで、ステップ(4)において、ポート110にDNAサンプル(遺伝子断片)を分注する。その後、ステップ(5)において、導入用チャネル104のポート110をグランド側とし、ポート112を高電圧側とし、導入用チャネル104に電圧を印加し、DNAサンプルをウエル110からポート112に向かって泳動させる。次いで、ステップ(6)において、導入用チャネル104への電圧印加を止め、分離用チャネル102のポート106をグランド側とし、ポート108を高電圧側とし、分離用チャネル102に電圧を印加し、チャネルの交差部116に存在するDNAサンプル(遺伝子断片)をポート108に向かって泳動させる。分離用チャネル102の途中に光学測定位置118が存在し、この位置まで泳動された分離断片に光源(図示されていない)から励起光が照射され、断片に標識された蛍光体から発生された蛍光を受光手段(図示されていない)で受光し、分析を行う。
しかし、図18に示されるようなクロスインジェクション方式チップの場合、大多数のサンプルが導入用チャネル104のポート110に止まったまま使用されず、無駄に廃棄されてしまうという欠点があった。サンプルの増幅は手間とコストのかかるPCR法により行われるが、このような手間とコストをかけて増幅した大多数のサンプルが使用されるずに廃棄されてしまうのは極めて不経済である。
これに対して、非特許文献1には、疎水性細管ベント方式によりサンプル及びゲル電解質を電気泳動チャネルに注入する電気泳動用マイクロチップが提案されている。図21に、この電気泳動用マイクロチップの要部を示す。図示されているように、電気泳動用チャネル200の一端にはサンプル及びゲル電解質をチャネル内に送入するためのポート202が配設されている。電気泳動用チャネル200の他端には一方の電極204が配設され、チャネルの途中に他方の電極206が配設されている。電極204に隣接して第1の気送チャネル208が配設され、この第1の気送チャネル208の近傍に第2の気送チャネル210が配設されている。各気送チャネルは複数本の疎水性細管ベント(Hydrophobic Microcapillary Vent, HMCV)212により電気泳動用チャネル200と連通している。各気送チャネルは各ポート(図示されていない)からチューブ(図示されていない)を介して空気ポンプ(図示されていない)に連結されている。電極間距離は数mm程度(例えば、3〜5mm程度)であり、印加電圧は数V(例えば、5V)程度である。
図22を参照しながら、疎水性細管ベント方式による電気泳動用マイクロチップの電気泳動チャネルへのサンプル及びゲル電解質注入操作の手順を示す。ステップ(A)において、ポート202からサンプルを注入し、同時に気送チャネル208から吸引して、電気泳動チャネル200内にサンプル214を満たす。疎水性細管ベント212は疎水性なので液体サンプルは疎水性細管ベント212を介して気送チャネル208に入り込むことはない。次いで、ステップ(B)において、気送チャネル210から加圧気体をベント212を介して電気泳動用チャネル200内に送入すると、気送チャネル210の疎水性ベント212の境界付近でサンプルは2分され、気送チャネル208側のサンプル214は残り、その他のサンプルはポート202に押し戻されるので、ポート202から余剰サンプル214をピペット(図示されていない)などで回収する。その後、ステップ(C)において、ポート202からゲル電解質を注入し、同時に気送チャネル210から吸引して、電気泳動用チャネル200内にゲル電解質216を満たす。このようにして電気泳動チャネル200内にサンプル214とゲル電解質216が充填されたら、電極204をグランド(GND)側とし、電極206との間に電圧を印加すればサンプルのDNAは泳動分画される。
非特許文献1に記載された疎水性細管ベント方式による電気泳動用マイクロチップでは、サンプル必要量のみを電気泳動するので、一見するとサンプル必要量を減少させることができるように思われるが、次のような欠点を有する。
(a)サンプルの無駄が多くなる。
非特許文献1では、一且、電気泳動に必要なサンプル最より過剰な量が入ったポート202から泳動用チャネル200の全長にわたってサンプル214を導入する。すなわち、気送チャネル208を引圧にしたのち、気送チャネル210から正圧の空気を送り出すことで、不必要量のサンプル214をすべてポート202に戻し、サンプル必要量の秤取を行なう。しかしここではひとつのポート202をサンプル214とゲル216で共用しているため、次工程でのゲル導入の際、ポート202に戻された余剰サンプル214を取り除かなくてはならず、無駄となる可能性がある。また、一且サンプル214を泳動チャネル200全長にわたって導入するため、余剰サンプル除去後も泳動レーン壁面などにサンプル214の取り残しが生じる可能性があり、電気泳動結果に悪影響を及ぽすと推測される。
(b)ポート202からのサンプル214の導入距離が長く、サンプル必要量を秤取できない。
非特許文献1では、ポート202からの導入距離が非常に長く、サンプル導入時の移送中にサンプル214が泳動用チャネル200の壁面などにとられる可能性がある。そのため、サンプル必要量が秤取できないことがあると推測される。
(c)サンプル必要量の調整が困難である。
非特許文献1では、サンプルの秤取を行なう疎水性細管ベント212に繋がる気送チャネル208及び210が或る間隔で断続的に配置されているため、サンプル量の調整が困難である。
(d)サンプル214とゲル216の界面をきれいに合わせることは困難である。
電気泳動において、バンドを明確に分離するためには、サンプルとゲルの界面を直線状に合一させることが効果的である。非特許文献1では、疎水性細管ベント212に繋がる気送チャネル210を引圧にすることで両者の合一を行なうが、これらの疎水性細管ベント212はピッチ12.5μmと断続的な溝であり、かつ、泳動チャネル200の片側から引圧にしていることで、界面が直線状でほなく傾斜を持つ可能性があり、きれいに合―することは困難である。
(e)DNAの分離分解能を向上させることは難しい。
非特許文献1では、電極間隔を3mm、分離泳動電圧を5Vとして、DNAの分離を行なっている。5Vという低電圧の印加であるため、一般に起こりうる溶液の電気分解による電極部でのガスの発生は見られなかったと推測できる。しかし、DNAの分離分解能を向上させようとすると、一般的には泳動距離を長くとり、分離泳動電圧は高圧を必要とする。そのため、溶液の電気分解による電極部でのガスの発生は避けられない。ガスの発生はガスが溶液を寸断させ、泳動用チャネル200内に電流が流れなくなるといった障害を新たに発生きせてしまう。
特開昭63−21556号公報 特開平11−183437号公報 S. Kaneda et al., Combining Droplet-based Liquid Handling and On-Chip Capillary Electrophoresis with A New Sample Injection Method, Micro TAS 2003, 2003, p.1278-1282
従って、本発明の目的は、サンプル量の無駄を抑えることができ、閉じた泳動用チャネルの端部にきれいにサンプルを移送することができ、サンプル必要量の調整が可能であり、サンプルとゲルときれいに合一させることができ、しかも、溶液の電気分解により発生したガスを除去することができる電気泳動用マイクロチップを提供することである。
前記課題を解決するための手段として第1に、少なくとも微細流路構造が形成された少なくとも一枚のPDMS基板と、一対の電極が形成された対面基板とからなり、前記PDMS基板の微細流路構造形成面と前記対面電極の電極形成面とを貼り合わせた電気泳動用マイクロチップにおいて、
前記電気泳動用マイクロチップはサンプル注入部と電気泳動部とからなり、
前記サンプル注入部は、所定の容積を有する容積部を有し、該容積部にはサンプル導入用のポートと、正圧を印加するための加圧ポートと、引圧を印加するための第1の引圧ポートとが接続されており、
前記サンプル導入用ポートは途中に開閉弁が配設された第1の流路により前記容積部と連通されており、
前記加圧ポートは逆止弁を介して前記容積部と接続され、該逆止弁は所定の容積を有する圧力室と、該圧力室の内部に延びると共に前記容積部の上流側に連通する第2の流路と、該圧力室の周縁部に連通すると共に前記加圧ポートに連通する第3の流路とを有し、前記圧力室内の第2の流路の周囲が気体透過性の隔壁により仕切られており、
前記第1の引圧ポートは第1の空気抜き弁を介して前記容積部と接続され、該第1の空気抜き弁は所定の容積を有する圧力室と、該圧力室の内部に延びると共に前記容積部の下流側に連通する第4の流路と、該圧力室の周縁部に連通すると共に前記第1の引圧ポートに連通する第5の流路とを有し、前記圧力室内の第4の流路の周囲が気体透過性の隔壁により仕切られており、
前記電気泳動部は、電気泳動用チャネルと、ゲル電解質導入用のポートと、引圧を印加するための第2の引圧ポートとを有し、
前記ゲル電解質導入用ポートは途中に開閉弁が配設された第6の流路により前記電気泳動用チャネルの一方の端部と連通されており、
前記第2の引圧ポートは第2の空気抜き弁を介して前記電気泳動用チャネルと接続され、該第2の空気抜き弁は所定の容積を有する圧力室と、該圧力室の周縁部に連通すると共に前記第2の引圧ポートに連通する第7の流路とを有し、前記圧力室は前記電気泳動用チャネルの少なくとも一部を取り囲むように配置され、前記圧力室と前記電気泳動用チャネルとの間が気体透過性の隔壁により仕切られており、
前記一対の電極は前記電気泳動用チャネルと交差するように所定の間隔で配置され、
前記容積部と前記電気泳動用チャネルとは細管により連通されていることを特徴とする電気泳動用マイクロチップを提供する。
前記課題を解決するための手段として第2に、前記逆止弁の隔壁は下部の基板と非接着にされており、加圧ポートから圧力を印加して圧力室を正圧にすると圧力室全体が厚み方向に向かって膨大することにょり前記隔壁が持ち上げられ、隔壁と下部の基板との間に隙間を生じることができることを特徴とする前記第1の電気泳動用マイクロチップを提供する。
前記課題を解決するための手段として第3に、前記第2の空気抜き弁の圧力室は電気泳動用チャネルとゲル電解質導入用ポートの周囲の大部分を取り囲むように配置されていることを特徴とする前記第1の電気泳動用マイクロチップを提供する。
前記課題を解決するための手段として第4に、一方の電極が電気泳動用チャネルの端部に該チャネルの幅方向と直交するように配置され、所定の間隔で他方の電極が該チャネルの幅方向と直交するように配置されていることを特徴とする前記第1の電気泳動用マイクロチップを提供する。
前記課題を解決するための手段として第5に、前記サンプル導入用ポート及びゲル電解質導入用ポートが大気に向かって開放された開口を有することを特徴とする前記第1の電気泳動用マイクロチップ。
前記課題を解決するための手段として第6に、前記サンプル導入用ポート及びゲル電解質導入用ポートが大気に向かって開放されていない閉塞空間であることを特徴とする前記第1の電気泳動用マイクロチップ。
前記課題を解決するための手段として第7に、前記加圧ポート、第1の引圧ポート及び第2の引圧ポートが大気に向かって開放された開口を有することを特徴とする前記第1のの電気泳動用マイクロチップを提供する。
前記課題を解決するための手段として第8に、前記加圧ポート、第1の引圧ポート及び第2の引圧ポートが大気に向かって開放されていない閉塞空間であることを特徴とする前記第1の電気泳動用マイクロチップを提供する。
本発明の電気泳動用マイクロチップによれば、DNAサンプル量の無駄が抑えられるので、サンプル量の削減につながり、コストダウンが図れる。また、閉じた流路(電気泳動用チャネル)の端部にきれいにサンプルを移送できることで、DNAの分離分解能を向上させることができる。また、電気泳動用チャネルにおいてサンプルとゲル電解質とをその境界界面できれいに合一させることができるので、DNAの分離分解能を向上させることができる。更に、溶液の電気分解により発生したガスを取り除くことができるので、長い泳動距離で、しかも高電圧を印加できるので、DNAの分離分解能を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の電気泳動用マイクロチップの一例について具体的に説明する。図1は本発明の電気泳動用マイクロチップ1の概念的断面図である。図1に示されるように、本発明の電気泳動用マイクロチップ1は基本的に、電気泳動用チャネル3やポート5a,5bなどを形成したPDMS基板7と、ガラス上にCr(クロム)とPt(白金)を蒸着させエッチングなどにより適当なパターニングを施すことにより形成された電極パターン9a,9bを有する電極基板11とを、それぞれ電気泳動用チャネル形成面及び電極面を貼り合わせ面として、PDMS基板のもつ自己吸着性を利用することにより両者を貼り合わせた構造からなる。特に本発明を限定する趣旨ではないが、一例として、PDMS基板7の厚さは約2mm、電極基板11の厚さは1mm、電気泳動用チャネル3の高さは50μm、電極パターン9a,9bの高さは数μmである。電極パターン9a,9bが電極基板11の上面より数μm盛り上がっているが、PDMS基板7と電極基板11の間の密着性に問題はない。なお、電気泳動用チャネル3を形成したPDMS基板7と電極基板11は、酸素プラズマ、エキシマUVなどの公知慣用の表面改質処理を施してから恒久接着し、電気泳動用マイクロチップとして使用しても差し支えない。ただし、この場合、電極基板11の再利用はできず、“使い捨て”にすると分析費用のコストアップ原因となる。また、電極パターン9a,9bについては、必ずしも、両極ともPt蒸着膜のパターン電極を使用する必要は無く、適宜PDMS基板7に開けられた電気泳動用チャネル3に連通する大気に開放されるか又は開放されていない適当なポートなどから電極となり得る材質を挿入するなどして使用することもできる。
図2は本発明の電気泳動用マイクロチップ1の一例のレイアウト構成パターンを示す概要平面図である。前記のようにPDMS基板7側に電気泳動用チャネル3やポート5a,5bなどの構成要素が形成され、ガラス基板11側に電極9a,9bが形成されている。従って、電気泳動用チャネル3などはPDMS基板7の貼り合わせ面側に位置しているので作図的には破線で図示すべきであるが、説明の便宜上、図2においては、本発明の電気泳動用マイクロチップ1における構成要素(例えば、微細流路、開閉弁、容積部、空気抜き弁、ポート、電極など)は全て実線で描かれている。
図2に示されるように、本発明の電気泳動用マイクロチップ1は、概ねサンプル分注部Aと電気泳動部Bとから構成されている。サンプル分注部Aは所定量のサンプルを秤取して電気泳動部Bに供給する機能を有する。サンプル分注部Aは、大気に開放又は開口しているポート5aを有する。この開口ポート5aからピペット(図示されていない)などの公知常用の器具によりサンプルを供給する。ポート5aは流路13aと開閉弁15aを介して容積部17に連通されている。容積部17は細管19により電気泳動用チャネル3と連通しており、容積部17内のサンプルはこの細管19を介して電気泳動用チャネル3内に送出される。細管19は例えば、高さ50μm、幅10μm、長さ200μmである。容積部17のポート5a寄り上端には流路13bを介して逆止弁20が接続されており、この逆止弁20は流路13cを介して加圧ポート23に接続されている。また、容積部17の細管19寄り下端には流路13dを介して空気抜き弁21aに接続され、この空気抜き弁21aは流路13eを介して引圧ポート25aに接続されている。
電気泳動部Bは電気泳動用チャネル3を有する。一例として、電気泳動用チャネル3の幅は200μm、高さは50μmである。この電気泳動用チャネル3は、一端に電気泳動のためのゲル電解質(例えば、ポリアクリルアミドゲルなど)を送入するための、大気に開放又は開口しているポート5bを有する。ポート5bは流路13fを介して電気泳動用チャネル3に連通されており、流路13fの途中には開閉弁15bが配設されている。電気泳動用チャネル3の他端には空気抜き弁21bが配設され、この空気抜き弁21bは流路13gを介して引圧ポート25bに接続されている。また、電気泳動用チャネル3は、空気抜き弁21b寄りの他端部に、チャネルを横断する第1の電極9a(例えば、Pt電極)を有し、チャネルの途中にチャネルを横断する第2の電極9b(例えば、Pt電極)を有する。泳動分析時には、電極9a及び9bは外部の電源27に接続され、電極9aはグランド(GND電極として機能し、電極9bは陽極として機能する。電極9a及び9bはプリント技法又はエッチング技法など公知慣用の方法によりガラス基板11の貼り合わせ面上に容易に形成することができる。
図2における、ポート5a及び5bはパンチなどの工具を用いてPDMS基板7に貫通穴を開けることにより形成される。本発明では、直径2.4mmの内径を有するポート5a及び5bを開設した。一般的に、ポート5aはサンプル及び試薬類などを送入する目的に使用され、ポート5bはゲル電解質を送入する目的に使用される。しかし、所望により、ポート5a及び5bは前記以外の目的にも使用できる。別法として、サンプル注入用ポート5a、ゲル電解質注入用ポート5bは図示されたような大気に向かって開口された実施態様に限らず、大気に対して開口されていない閉塞したポートとし、図3に示すように中空針30をポート上面から突き刺し、この中空針30を注射器32又は供給ポンプ(図示されていない)などに接続し、サンプル及びゲル電解質を各ポートに供給することもできる。このような閉塞ポートに中空針を突き刺して液体を供給する装置及び方法は本願出願人の先願である特願2003−358909号明細書に詳述されている。
図2における、加圧ポート23,引圧ポート25a及び25bは、パンチなどの工具を使用して、PDMS基板7に直径2mmの貫通穴を穿設することにより形成することができる。その穴に例えば、シリコンチューブ(外径2mm、内径1mm)を差込、接着剤などで固着させ、チューブの他端を空気ポンプなどに接続することにより、加圧及び引圧ポートとして機能させることができる。別法として、加圧ポート23、引圧ポート25a及び25bを貫通穴とせず、図3に示すように中空針30を閉塞ポートに突き刺し、この中空針30を注射器32又は空気ポンプ(図示されていない)などに接続することにより加圧及び引圧ポートとして機能させることもできる。このような中空針を閉塞ポートに突き刺して加圧及び/又は引圧ポートとすることは本願出願人の先願である特願2003−358909号明細書に詳述されている。
図2における、逆止弁20は流路13cから流路13bの方向に向かって流体(例えば、空気)を流すことはできるが、その逆方向には流すことができない。このような機能を有する逆止弁は本願出願人の先願である特願2003−374046号明細書に詳述されている。図4は逆止弁20の部分拡大平面図である。逆止弁20は圧力室34と隔壁36とからなる。隔壁36の下面(図4のグレー部分)は下部のガラス基板11に対して非接着に構成されている。隔壁36の下面を酸素プラズマ又はエキシマUV光で表面改質処理しないと、この部分だけ選択的に非接着性にできる。
図4におけるV−V線に沿った断面図を図5に示す。図5(A)は加圧ポート23から正圧が印加されていない状態の断面図である。流路13bに液体が充満されても、隔壁36により流れが阻止され、流路13cには流れ込まない。特に、流路13bから空気が吸引され、圧力室34が負圧になるほど、大気圧により隔壁36が基板11へ強く押し付けられ流体阻止効果が高まる。図5(B)は加圧ポート23から正圧が印加された状態の断面図である。圧力室34内が正圧になると、圧力室34全体は厚み方向(すなわち、上方)へ向かって膨大する。その結果、隔壁36は基板11から離れる。その隙間を通して気体(空気)は流路13bに流れ込み、容積部17内の液体を流動させる。
図2における、空気抜き弁21aは、流路13d内の空気を流路13eへ向かって抜き取る機能を果たす。同様に、空気抜き弁21bは、電気泳動用チャネル3内の空気を流路13gへ向かって抜き取る機能を果たす。このような機能を果たす空気抜き弁21a及び21bは本願出願人の先願である特願2003−374046号明細書に詳述されている。図6は空気抜き弁21aの動作原理を示す模式的平面図である。空気抜き弁21aは図4に示された逆止弁20と同様に、圧力室34と隔壁36とからなる。図4の逆止弁と異なる点は、空気抜き弁21aでは隔壁36がガラス基板11に自己吸着していることである。引圧ポート25aから流路13eを負圧に吸引すると、流路13d内の空気が隔壁36を透過して圧力室34から流路13eに流れる。従って、流路13d内の液体38は隔壁36に接する流路13dの終端に向かって流れる。そして、液体38が流路13dの終端に達すると流れは停止する。空気抜き弁21bも同様に機能する。弁21a及び21bが空気抜き弁として機能するのは、PDMSが気体透過性の物質であるため、隔壁36を通して空気が透過できるためである。
一般的に、高分子膜の気体透過性に関しては下記の近似式が成り立つ。
Q=D・ΔP・S/L
{式中、Qは気体透過量(m/s)であり、Dは比例係数(m・s/kg)であり、ΔPは膜前後の差圧(Pa)であり、Sは膜の表面積であり、Lは膜厚(m)である。}
本発明に当てはめると、隔壁36を透過して流れる気体の流量、すなわち流路13dに引き込まれて流れる液体の流量は、隔壁前後の差圧ΔPと隔壁の面積Sに比例し、隔壁の厚さLに反比例する。本発明者らの実験では、PDMSの場合、比例計数Dは約2〜3x10−15(m・s/kg)と計測された。これを本発明に当てはめると、隔壁36を透過して流れる気体の流量を増大させるには、(1)隔壁36前後の差圧を大きくする、(2)隔壁36の面積を大きくする、及び(3)隔壁36の厚さを薄くすればよい。
図7は、図6におけるVII-VII線に沿った断面図である。前記のように、気体透過量を増大させるには、隔壁36の厚さを薄くすればよいのであるが、隔壁36の厚さをあまり薄くし過ぎると、PDMS基板7のモールディング成形において型から離型する際に、隔壁36が破損する危険性が高まる。PDMS基板7の離型の際の隔壁36の破損を避けるために、流路の高さをHとすると、隔壁36の厚さLは、L≧1/2Hの関係を満たすことが好ましい。例えば、流路13dの高さHが50μmの場合、隔壁36の厚さLは25μm以上であることが好ましい。隔壁36の厚さの上限値は100μm程度である。これ以上の厚さになると気体が隔壁36を透過することが困難になる。
図2における、容積部17はポート5aに入っている液体を一定量秤取するために使用される。従って、分析に必要なサンプル量が予め決定されていれば、その既定サンプル量に合わせて容積部17の容量を決定することができる。これにより、無駄に廃棄されるサンプル量を最小限に抑えることができる。一例として、サンプル量が3nl(ナノリットル)であれば、容積部17のサイズは、幅200μm×長さ300μm×高さ50μmとすることができる。
次に、本発明の電気泳動用マイクロチップ1による電気泳動手順について具体的に例証する。
(I)容積部17へのサンプル導入
容積部17へのサンプルの導入手順について図8を参照しながら説明する。
(1)大気に向かって開口しているポート5aからピペット(図示されていない)などの公知常用の器具を用いてサンプルと、必要に応じて試薬類を別々に、又は一緒に滴下する。
(2)開閉弁15bを閉じる。これにより、細管19に連通する電気泳動用チャネル3からの空気の流入が阻止される。
(3)開閉弁15aを開け、引圧ポート25aを引圧にすることにより空気抜き弁21aが閉じられ、開口ポート5aから容積部17内にサンプル(試薬類)を導入し、容積部17及び流路13dを満たす。なお、容積部17とは図8においてグレーに着色された区画を意味する。
(II)電気泳動用チャネル3へのサンプル注入
(1)図9に示されるように、加圧ポート23から圧力を加えて正圧にすることにより逆止弁20が開かれ(図5B参照)、容積部17に秤取された必要量のみをとり、流路13bなどに存在する残りのサンプルを開口ポート5aに戻す。所望により、このサンプルは再利用することもできる。
(2)次いで、開閉弁15aを閉じて、開口ポート5aからのサンプルの流入を抑え、また、開閉弁15bを開き、細管19に連通する電気泳動用チャネル3を大気圧解放とする。
(3)次いで、図10に示されるように、加圧ポート23から適正な正圧(ここでは注入圧力)を印加し、逆止弁20を開いて(図5B参照)、容積部17内のサンプルを細管19を通して電気泳動用チャネル3に注入する。このような容積部から電気泳動用チャネル3にサンプルを注入する方法は、本願出願人の先願である特願2003−180567号明細書に詳述されている。注入動作を繰り返すことにより、サンプル(試薬類)必要量の調整が可能である。また、細管19を電気泳動用チャネル3の端部付近に配置することで、サンプル導入距離を短くとることができ、電気泳動用チャネル3の壁面にサンプルが取られることが抑制される。
(III)注入されたサンプルの電気泳動用チャネル左端部(電極9a側)への移送
図11に示されるように、電気泳動用チャネル3へのサンプル注入が完了したら、引圧ポート25bを引圧にすることにより空気抜き弁21bが閉じられ、注入されたサンプルを電気泳動用チャネル3の左端部(電極9a側)に移送させる。
電気泳動において、閉じられたチャネルで泳動することは、一般に電気浸透流が発生せず、明確なバンドの分離を可能にする。しかし、通常、端部が閉じられたチャネルにおいて、チャネル内の液体を閉じられた側へ移送させることはできず、移送するためには、空気抜き等の手段を必要とする。本発明では、空気抜き弁21bが電気泳動用チャネル3内の空気を排除するので、閉じられた電気泳動用チャネル3の左端部(電極9a側)へ移送することができる。また、ここでは、注入されたサンプルの気液界面形状は直角方向に直線的となり、きれいな気液界面を形成する。このことは後工程のサンプルとゲルとの界面を直線として形成することに効果的である。
非特許文献1では、疎水性細管ベント(HMCV)は泳動レーンの片側から引圧しているが(図22参照)、本発明では電気泳動用チャネル(泳動レーン)3の両側から対称に引圧しているため、閉じられたチャネルの端部にきれいな気液界面を形成することができる。図12は気液界面形状の悪い例を示す模式図である。
(IV)電気泳動用チャネル3へのゲル電解質の導入及びサンプルとの合一
図13を参照しながら電気泳動用チャネル3へのゲル電解質の導入手順を説明する。
(1)容積部17から細管19を通して電気泳動用チャネル3への空気の流入がないことを確認する。細管19がサンプルなどの液体で満たされており、容積部17は逆止弁20を通して注入圧力が溜まった状態である。
(2)開口ポート5bからピペット(図示されていない)などの公知常用の器具を用いてゲル電解質(例えば、ポリアクリルアミドゲル)を滴下する。
(3)開閉弁15bを開いた状態にし、引圧ポート25bを引き続き引圧状態にし、空気抜き弁21bを閉じた状態とし、開口ポート5bから電気泳動用チャネル3へゲル電解質を引き込み、チャネル3をゲル電解質で満たす。
(4)このとき、電気泳動用チャネル3内がゲル電解質で満たされると同時に、既に電気泳動用チャネル3の左端部(電極9a側)に注入されたサンプルとの合一が行われる。
空気抜き弁21bが閉じていることにより、図14(A)に示されるように、電気泳動用チャネル3内の空気が電気泳動用チャネル3の両側の隔壁36を通して排除される。その結果、図14(B)に示されるように、サンプルとゲルとの界面は空気の混入がなく、しかも電気泳動用チャネル3の幅に等しい長さの直線状となる。サンプルとゲルの界面を電気泳動用チャネル3に直角方向に直線的に形成することは、電気泳動において明確なバンド分離に有利であり、大変効果がある。
(V)電気泳動
図15を参照しながら電気泳動手順について説明する。
(1)引圧ポート25aから引圧しながら、空気抜き弁21bは閉じたまま、すなわち電気泳動用チャネル3と圧力室34との間の隔壁36を通して空気が排除されている状態にする。
(2)電極9aをグランド(GND)、電極9bを陽極とするように、電源27から両極間に所定の電圧を印加する。DNA電気泳動の場合、DNAサンプルはマイナスの電荷を帯びており、電極9bに引き寄せられる。次第に塩基対(bp:base pair)の長さによってゲル電解質中で篩い分けられる。多くの場合、DNAサンプルは蛍光試薬で標識されており、これによりバンドに分離していく様子を蛍光顕微鏡(図示されていない)を用いて観察する。
また、両電極間に電圧を印加することにより、溶液の電気分解によりガスが発生する。ガスの発生は印加電圧が高いほど起こりやすい。このガス発生現象は避けることができない。これにより溶液が分断され、電気泳動用チャネル3内に電流が流れなくといった弊害が新たに発生する。このように電気分解中に発生したガスは、本発明の電気泳動用マイクロチップ1によれば、空気抜き弁21bの働きにより、電気泳動用チャネル3と空気抜き弁21bの圧力室34との間の隔壁36をガスが透過できるので、電極部(電極9a及び9bの周辺)に発生したガスは直ちに排除され、ガスによる弊害が生じる前に電気泳動用チャネル3内には気体の残留を無くすことができる。従って、空気抜き弁21bは2つの機能を果たすことができる。ひとつは電極部に発生したガスの排除機能であり、もうひとつはサンプルやゲル電解質の導入機能である。
本発明の電気泳動用マイクロチップ1におけるPDMS基板7への微細構造(すなわち、流路13a〜g,容積部17,細管19,逆止弁20,空気抜き弁21a,21b,開閉弁15a,15b,電気泳動用チャネル3など)は全て公知慣用の光リソグラフィー法により形成することができる。このような技法は当業者に公知であり、また、前記特許文献2及び非特許文献1などの様々な公知文献にも詳述されている。従って、PDMS基板7への微細構造の形成について、これ以上詳細に説明する必要は無いであろう。
図2に示されるようなレイアウト構造を有する電気泳動用マイクロチップを作製し、電気泳動実験を行った。詳細な実験条件を下記に示す。
(1)マイクロチップ
PDMS基板(厚さ2mm)+ガラス基板(厚さ1mm,電極パターン付)
PDMSの吸着力のみでガラス基板と貼り合わせた(恒久接着せず)。
(2)ポート
開口ポート5a,5bは内径2.4mmであった。
引圧ポート25a,25b及び加圧ポート23は下穴内径2mmであり、シリコンチューブ(外径2mm,内径1mm)を接着剤RTV(KE45T)で接着した。
(3)インジェクション方式
注入機構を使用した。容積部17のサイズは幅200μm、高さ50μm、長さ300μmであり、注入量は3nLであった。
(4)泳動レーン
幅200μm、高さ50μmであった。
(5)電極
電極は、Cr(薄膜)+Pt(厚さ2μm)、幅200μmであった。電極間距離は5mmであった。
(6)DNAサンプル
G210A(プロメガ)、バンド数11本、塩基対長100〜1000bp(100bpおき)+1500bp、濃度0.13μg/μL(バンド当たり0.01μg/μL、但し、1500bpのみ0.03μg/μL)。ピペットで開口ポート5aに3μL分注した。
(7)蛍光試薬
SYBRグリーンI 核酸ゲルステイン1万倍(分子プローブ)。励起光波長254nm及び497nm、蛍光波長520nm。希釈倍率100倍。使用量3μL。開口ポート5aでDNAサンプルと混合した。
(8)泳動ゲル
0.4%HPMC(アルドリッチ社製No.20032-8)×0.5TBEを使用した。
ピペットで開口ポート5bに10μL分注した。
(9)泳動電源
スイッチング電源又はシリーズ電源を使用した。電圧は5〜40V(トリマーで調整)。
(10)泳動電圧
8.6V、電圧勾配1.72V/mm、電流1.5→0.4μA(測定値)
(11)蛍光観察
顕微鏡としてニコン倒立顕微鏡を、光源として高圧水銀ランプを、フィルターとしてニコンFITC(EX460−500、DM505、BA515)を、カメラとしてチルドカメラ(浜松ホトニクス社製)を、記録手段としてテレビデオをそれぞれ使用した。
実験結果を図16に示す。図16に示されるように、バンドの分離は極めて明瞭に行うことができた。なお、泳動速度は約2mm/分(500bp)であった。図17は電気泳動によるバンド分離状態を示す連続写真である。
本発明の電気泳動用マイクロチップの好ましい実施態様について具体例を挙げて説明してきたが、本発明は例示された実施態様だけに限定されない。例えば、電極9a,9bが形成される基板11の材料はガラスだけに限定されず、絶縁性のある材料(例えば、シリコン、セラミック、絶縁性合成樹脂など)であれば全て使用できる。
本発明の電気泳動用マイクロチップは遺伝子解析、臨床診断、薬物スクリーニングなどの化学、生化学、薬学、医学、獣医学分野のみならず、化学工業、環境計測などの幅広い用途に使用できる。常用サイズの同種の装置に比べて、本発明の電気泳動用マイクロチップは(1)サンプル及び試薬の使用量が著しく少ない、(2)分析時間が短い、(3)感度が高い、(4)現場に携帯し、その場で分析できる、及び(5)使い捨てできるなどの利点を有する。
本発明の電気泳動用マイクロチップの一例の概念的断面図である。 本発明の電気泳動用マイクロチップの一例のレイアウト構成パターンを示す概要平面図である。 図2に示された電気泳動用マイクロチップにおける閉塞ポートに対する液体供給手段又は圧力制御手段の一例を示す部分概要断面図である。 図2に示された電気泳動用マイクロチップにおける逆止弁20の部分拡大平面図である。 図4におけるV-V線に沿った断面図であり、(A)は常圧又は引圧状態を示し、(B)は加圧状態を示す。 図2に示された電気泳動用マイクロチップにおける空気抜き弁21aの部分拡大概要平面図である。 図6におけるVII-VII線に沿った部分概要断面図である。 図2に示された本発明の電気泳動用マイクロチップによる電気泳動手順の一部を示す部分概要平面図である。 図2に示された本発明の電気泳動用マイクロチップによる電気泳動手順の一部を示す部分概要平面図である。 図2に示された本発明の電気泳動用マイクロチップによる電気泳動手順の一部を示す部分概要平面図である。 図2に示された本発明の電気泳動用マイクロチップによる電気泳動手順の一部を示す部分概要平面図である。 泳動レーンに注入されたサンプルの好ましくない界面の具体例を示す部分概要平面図である。 図2に示された本発明の電気泳動用マイクロチップによる電気泳動手順の一部を示す部分概要平面図である。 図13における電気泳動用チャネル3の左端部(電極9a側)の部分拡大概要平面図である。 図2に示された本発明の電気泳動用マイクロチップによる電気泳動手順の一部を示す部分概要平面図である。 実施例1におけるDNAサンプルの電気泳動によるバンド分離実験結果を示す写真図である。 実施例1におけるDNAサンプルの電気泳動によるバンド分離実験を示す連続写真図である。 特許文献2に示された従来のDNA電気泳動用マイクロチップの一例の概要平面図である。 図18におけるXIX-XIX線に沿った概要断面図である。 図18に示されたDNA電気泳動用マイクロチップの使用方法を示す模式的説明図である。 非特許文献1に示された電気泳動用マイクロチップの部分概要平面図である。 非特許文献1に示された電気泳動用マイクロチップの電気泳動チャネルへのサンプル及びゲル電解質注入操作手順を示す部分概要平面図である。
符号の説明
1 本発明の電気泳動用マイクロチップ
3 電気泳動用チャネル
5a サンプル注入用ポート
5b ゲル電解質注入用ポート
7 PDMS基板
9a,9b 電極
11 ガラス基板
13a〜13g 流路
15a,15b 開閉弁
17 容積部
19 細管
20 逆止弁
21a,21b 空気抜き弁
23 加圧ポート
25a,25b 引圧ポート
27 電源
30 針
32 注射器
34 圧力室
36 隔壁

Claims (8)

  1. 少なくとも微細流路構造が形成された少なくとも一枚のPDMS基板と、一対の電極が形成された対面基板とからなり、前記PDMS基板の微細流路構造形成面と前記対面電極の電極形成面とを貼り合わせた電気泳動用マイクロチップにおいて、
    前記電気泳動用マイクロチップはサンプル注入部と電気泳動部とからなり、
    前記サンプル注入部は、所定の容積を有する容積部を有し、該容積部にはサンプル導入用のポートと、正圧を印加するための加圧ポートと、引圧を印加するための第1の引圧ポートとが接続されており、
    前記サンプル導入用ポートは途中に開閉弁が配設された第1の流路により前記容積部と連通されており、
    前記加圧ポートは逆止弁を介して前記容積部と接続され、該逆止弁は所定の容積を有する圧力室と、該圧力室の内部に延びると共に前記容積部の上流側に連通する第2の流路と、該圧力室の周縁部に連通すると共に前記加圧ポートに連通する第3の流路とを有し、前記圧力室内の第2の流路の周囲が気体透過性の隔壁により仕切られており、
    前記第1の引圧ポートは第1の空気抜き弁を介して前記容積部と接続され、該第1の空気抜き弁は所定の容積を有する圧力室と、該圧力室の内部に延びると共に前記容積部の下流側に連通する第4の流路と、該圧力室の周縁部に連通すると共に前記第1の引圧ポートに連通する第5の流路とを有し、前記圧力室内の第4の流路の周囲が気体透過性の隔壁により仕切られており、
    前記電気泳動部は、電気泳動用チャネルと、ゲル電解質導入用のポートと、引圧を印加するための第2の引圧ポートとを有し、
    前記ゲル電解質導入用ポートは途中に開閉弁が配設された第6の流路により前記電気泳動用チャネルの一方の端部と連通されており、
    前記第2の引圧ポートは第2の空気抜き弁を介して前記電気泳動用チャネルと接続され、該第2の空気抜き弁は所定の容積を有する圧力室と、該圧力室の周縁部に連通すると共に前記第2の引圧ポートに連通する第7の流路とを有し、前記圧力室は前記電気泳動用チャネルの少なくとも一部を取り囲むように配置され、前記圧力室と前記電気泳動用チャネルとの間が気体透過性の隔壁により仕切られており、
    前記一対の電極は前記電気泳動用チャネルと交差するように所定の間隔で配置され、
    前記容積部と前記電気泳動用チャネルとは細管により連通されていることを特徴とする電気泳動用マイクロチップ。
  2. 前記逆止弁の隔壁は下部の基板と非接着にされており、加圧ポートから圧力を印加して圧力室を正圧にすると圧力室全体が厚み方向に向かって膨大することにょり前記隔壁が持ち上げられ、隔壁と下部の基板との間に隙間を生じることができることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動用マイクロチップ。
  3. 前記第2の空気抜き弁の圧力室は電気泳動用チャネルとゲル電解質導入用ポートの周囲の大部分を取り囲むように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動用マイクロチップ。
  4. 一方の電極が電気泳動用チャネルの端部に該チャネルの幅方向と直交するように配置され、所定の間隔で他方の電極が該チャネルの幅方向と直交するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動用マイクロチップ。
  5. 前記サンプル導入用ポート及びゲル電解質導入用ポートが大気に向かって開放された開口を有することを特徴とする請求項1に記載の電気泳動用マイクロチップ。
  6. 前記サンプル導入用ポート及びゲル電解質導入用ポートが大気に向かって開放されていない閉塞空間であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動用マイクロチップ。
  7. 前記加圧ポート、第1の引圧ポート及び第2の引圧ポートが大気に向かって開放された開口を有することを特徴とする請求項1に記載の電気泳動用マイクロチップ。
  8. 前記加圧ポート、第1の引圧ポート及び第2の引圧ポートが大気に向かって開放されていない閉塞空間であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動用マイクロチップ。
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