JP3977314B2 - マイクロチップ - Google Patents

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Description

本発明は透明基板内にマイクロチャネルと呼ばれる微細流路やポートなどの極微細構造を有するマイクロチップに関する。更に詳細には、本発明は単一のチャネルでDNAサンプルのゲル電気泳動分析を可能にする構造を有するマイクロチップに関する。
最近、マイクロスケール・トータル・アナリシス・システムズ(μTAS)又はラブ・オン・チップ(Lab-on-Chip)などの名称で知られるように、基板内に所定の形状の流路を構成するマイクロチャネル及びポートなどの微細構造を設け、該微細構造内で物質の化学反応、合成、精製、抽出、生成及び/又は分析など各種の操作を行うことが提案され、一部実用化されている。このような目的のために製作された、基板内にマイクロチャネル及びポートなどの微細構造を有する構造物は総称して「マイクロチップ」と呼ばれる。
マイクロチップは遺伝子解析、臨床診断、薬物スクリーニング及び環境モニタリングなどの幅広い用途に使用できる。常用サイズの同種の装置に比べて、マイクロチップは(1)サンプル及び試薬の使用量が著しく少ない、(2)分析時間が短い、(3)感度が高い、(4)現場に携帯し、その場で分析できる、及び(5)使い捨てできるなどの利点を有する。マイクロチップの材質や構造及び製造方法は例えば、特許文献1、特許文献2及び非特許文献1などに提案されている。
極微量のDNAサンプルの塩基配列を決定する方法として、ゲル電気泳動法が広く実施されている。この方法では、DNAサンプルを電気泳動用ゲルの泳動レーン溝に注入し、電圧を印加する。DNAは負の電荷を持つ鎖状の重合体高分子のため、ゲル中を分子量に反比例した速度で移動する。短い(分子量の小さい)DNA鎖ほど早く、長い(分子量の大きい)DNA鎖ほどゆっくりと移動するので、分子量によりDNAを分画できる。最近は、マイクロチップを用いてゲル電気泳動を実施することが行われるようになってきた。このようなマイクロチップにより電気泳動を行う方法は特許文献3及び特許文献4などに記載されている。
従来のDNA電気泳動用マイクロチップは、図11に示されるように、ガラス又は合成樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン又はアクリル樹脂)などの透明基板100に分離用チャネル102と、この分離用チャネル102と直交する導入用チャネル104を有する。このマイクロチップは、分離用チャネル102と導入用チャネル104が交差していることから、別名、クロスインジェクション方式チップとも呼ばれている。分離用チャネル102の両端にはグランド側泳動媒体用ウエル106と高電圧側泳動媒体用ウエル108が配設されている。また、導入用チャネル104の一方の端部にはグランド側のDNAサンプル用ウエル110と高電圧側泳動媒体用ウエル112が配設されている。
図12は図11におけるXII−XII線に沿った断面図である。図示されているように、透明基板100を貫通するように泳動媒体用ウエル106及び108が設けられ、この基板100の下面側に、泳動媒体用ウエル106及び108に連通する分離用チャネル102が配設されている。基板100の下面側に透明又は不透明な素材(例えば、ガラス又は合成樹脂フィルム)からなる対面基板114が貼り合わされている。この対面基板114の存在により、ウエル及び溝内に泳動媒体及びDNAサンプルなどを注入することができる。
図13は図11に示されたマイクロチップの使用方法を示す模式図である。先ず、ステップ(1)で、分離用チャネル102の高電圧側泳動媒体用ウエル108に電気泳動用の分離用泳動路となるべき泳動媒体(例えば、ゲル電解質)を分注する。次いで、ステップ(2)において、このウエル108から静かに圧力をかけて、分離用チャネル102及び導入用チャネル104に泳動媒体を充填させる。次いで、ステップ(3)において、ウエル106とウエル112に泳動媒体を分注する。次いで、ステップ(4)において、ウエル110にDNAサンプル(遺伝子断片)を分注する。その後、ステップ(5)において、導入用チャネル104のウエル110をグランド側とし、ウエル112を高電圧側とし、導入用チャネル104に電圧を印加し、DNAサンプルをウエル110からウエル112に向かって泳動させる。次いで、ステップ(6)において、導入用チャネル104への電圧印加を止め、分離用チャネル102のウエル106をグランド側とし、ウエル108を高電圧側とし、分離用チャネル102に電圧を印加し、チャネルの交差部116に存在するDNAサンプル(遺伝子断片)をウエル108に向かって泳動させる。分離用チャネル102の途中に光学測定位置118が存在し、この位置まで泳動された分離断片に光源(図示されていない)から励起光が照射され、断片に標識された蛍光体から発生された蛍光を受光手段(図示されていない)で受光し、分析を行う。
特開2001−157855号公報 米国特許第5965237号明細書 国際公開第98/58247号パンフレット 特開2000−283960号公報 David C. Duffy et al, Rapid Prototyping of Microfluidic Systems in Poly(dimethylsiloxane), Analytical Chemistry, Vol.70, No.23, December 1, 1988, pp.4974-4984
マイクロチップを用いてDNAサンプルをゲル電気泳動する場合、DNAサンプルが十分な濃度を有することが必要である。このため、分析すべきDNAサンプルの濃度が不十分な場合、サンプルを濃縮して濃度を高める前処理を行わなければならない。従来、DNAサンプルの濃縮は、例えば、エタノール沈殿法やイソプロピルアルコール法などによりDNAを塩析するか、透析膜などを利用して膜内にDNAを貯めるか、又はDNAをガラスビーズに化学的に結合させ、そのビーズを液量の少ない溶液中に移すなどの方法により行われてきた。しかし、このようなDNA濃縮方法は煩雑であるばかりか、多大な時間と費用を要する。従って、分析すべきDNAサンプルの濃度が不十分な場合、迅速分析の要求を満たすことが困難となる。
また、別の問題点として、高電圧の印加によりDNAサンプルやゲル電解質などが電気分解され、気泡が発生することがある。この発生した気泡がチャネル内に取り込まれると、気泡によりチャネルが閉塞され、ゲル電気泳動の続行が困難又は不可能となることがある。特に、ウエル110と交差部116までの距離が長い場合、DNAサンプルを移動させるために印加された高電圧により電気分解が起こりやすい。
更に、他の問題点として、図11に示されるようなクロスインジェクション方式チップでは、流動性のあるメチルセルロースなどのようなポリマーゲルを使用すると、ポリアクリルアミドなどの硬化型ゲルに比べて電気泳動による分離精度が劣ることが指摘されている。
従って、本発明の目的は、極めて簡単にDNAサンプルを濃縮できるばかりか、電気分解が起こり難く、しかも高い分離精度が得られる、DNAサンプルのゲル電気泳動用マイクロチップを提供することである。
前記課題を解決するための手段として、請求項1に係る発明の特徴は、第1の基板と、該第1の基板と貼り合わされる第2の基板とからなるマイクロチップにおいて、前記第1の基板の一方の面に所定の幅と深さのチャネルを有し、かつ該チャネルの両端に、該第1の基板を貫通し、そして該チャネルに連通する第1のウエル及び第2のウエルを有し、前記第2の基板の、前記第1の基板の前記チャネル形成面と貼り合わされる面上に、サンプル濃縮用電極を前記チャネルと交差するように有することである。
前記のように構成された請求項1に係る発明によれば、第2の基板上のサンプル濃縮用電極を用いることによりDNAサンプルを濃縮することができる。例えば、第1のウエルからサンプル濃縮用電極まで希薄なDNAサンプルを充填し、第1のウエル側をグランドとし、サンプル濃縮用電極に電圧を印加すると、DNAは負の電荷を持つためDNA分子だけをサンプル濃縮用電極付近に集中させ、そのサンプル濃度を高めることができる。
前記課題を解決するための手段として、請求項2に係る発明の特徴は、前記第2の基板の、前記第1の基板の前記チャネル形成面と貼り合わされる面上に、第1の端部電極及び第2の端部電極を更に有することである。
前記のように構成された請求項2に係る発明によれば、電気泳動に必要な端部電極が2個とも第2の基板上に形成されているので、サンプル濃縮用電極付近にDNAサンプルが集中されたら、引き続いて電気泳動分析に入ることができる。
前記課題を解決するための手段として、請求項3に係る発明の特徴は、前記第1の端部電極は前記第1のウエルと交差するように配設され、前記第2の端部電極は前記チャネルと交差するように配設されていることである。
前記のように構成された請求項3に係る発明によれば、従来のように外部電極をウエルの浸漬させる必要性が無くなり、分析作業性を向上させることができる。
前記課題を解決するための手段として、請求項4に係る発明の特徴は、前記第1の端部電極は前記チャネルと交差するように配設され、前記第2の端部電極は前記第2のウエルと交差するように配設されていることである。
前記のように構成された請求項4に係る発明によれば、第1の端部電極とサンプル濃縮用電極との間隔を小さくすることができ、印加電圧を下げることができるばかりか、DNAサンプルを迅速にサンプル濃縮用電極に集中させることができる。
前記課題を解決するための手段として、請求項5に係る発明の特徴は、前記第1の端部電極及び前記第2の端部電極は、前記サンプル濃縮用電極を間に挟んで前記チャネルと交差するように配設されていることである。
前記のように構成された請求項5に係る発明によれば、サンプル濃縮用電極と第2の端部電極とが同じチャネル上に配設されているので、泳動時間を短縮することができる。
前記課題を解決するための手段として、請求項6に係る発明の特徴は、第1のウエルと、第2のウエルと、これらウエルを接続するチャネルと、該チャネルに交差するサンプル濃縮用電極とからなる組を2個有することである。
前記のように構成された請求項6に係る発明によれば、1枚のマイクロチップで2回分の分析を同時にすることができる。従って、同一検体であれば、ダブルチェックを行うことにより、分析結果の信頼性を向上させることができ、また異なる検体であれば、処理効率が高まり分析作業時間が短縮されるばかりか、分析コストを低減させることができる。
前記課題を解決するための手段として、請求項7に係る発明の特徴は、第1の基板と、該第1の基板と貼り合わされる第2の基板とからなるマイクロチップにおいて、前記第1の基板の一方の面に所定の幅と深さのチャネルを有し、前記第2の基板の、前記第1の基板の前記チャネル形成面と貼り合わされる面上に、第1の端部電極と、第2の端部電極と、これら第1及び第2の端部電極の中間に配置されたサンプル濃縮用電極とを、前記チャネルと交差するように有することである。
前記のように構成された請求項7に係る発明によれば、マイクロチップのチャネルをPCR法によるDNAサンプルの増幅などの目的に使用した後に、その場で同じチャネルを用いて電気泳動を実施することもできる。この際、第1の端部電極とサンプル濃縮用電極との間に電圧を印加することによりサンプル濃縮用電極付近にDNAサンプルを集積させることができ、次いで、第1の端部電極と第2の端部電極との間で電圧を印加することによりサンプル濃縮用電極付近に集積されたDNAサンプルを高い精度で鎖長解析することができる。このような場合、チャネルの両端にオープンウエルが存在する必要性は必ずしも存在しない。従って、チャネルと電極の組合せを有効かつ広範な目的に使用することが可能となる。
前記課題を解決するための手段として、請求項8に係る発明の特徴は、前記チャネルは第1のチャネルと第2のチャネルとに分断されており、前記第1のチャネルと前記第2のチャネルとは、これらのチャネルよりも細いチャネルにより相互に連通されており、前記第1の端部電極、サンプル濃縮用電極及び第2の端部電極は前記第1のチャネル側に存在し、前記第1の端部電極は前記第1のチャネルの分断部分寄りに配設されていることである。
前記のように構成された請求項8に係る発明によれば、第1のチャネルをPCR法によるDNAサンプルの増幅のための反応区画として使用し、引き続き、その場で電気泳動を実施することもできる。
前記課題を解決するための手段として、請求項9に係る発明の特徴は、前記チャネルは第1のチャネルと第2のチャネルとに分断されており、前記第1のチャネルと前記第2のチャネルとは、これらのチャネルよりも細いチャネルにより相互に連通されており、前記第1の端部電極、サンプル濃縮用電極及び第2の端部電極は前記第1のチャネル側に存在し、前記第1の端部電極は前記第1のチャネルの分断部分寄りに配設されており、前記第1の端部電極と前記サンプル濃縮用電極との間の前記第1のチャネル部分に微量液体秤取構造が接続されており、前記微量液体秤取構造はメインチャネルと、このメインチャネルと直交する微量液体秤取チャネルと、この微量液体秤取チャネルを前記第1のチャネルに連通させるためのこれらのチャネルよりも細い接続用チャネルとからなることである。
前記のように構成された請求項9に係る発明によれば、前記第1の端部電極と前記サンプル濃縮用電極との間の前記第1のチャネル部分に一定量のサンプルを正確に注入することができる。
前記課題を解決するための手段として、請求項10に係る発明の特徴は、前記電極は白金又は金からなることである。
前記のように構成された請求項10に係る発明によれば、導電性の高い白金又は金から電極を構成することにより、電圧印加を確実に行うことができる。
前記課題を解決するための手段として、請求項11に係る発明の特徴は、前記電極は前記第2の基板上に印刷又は転写法により形成されていることである。
前記のように構成された請求項11に係る発明によれば、電極を正確に、かつ容易に第2の基板上に形成することができる。
前記課題を解決するための手段として、請求項12に係る発明の特徴は、第1の基板と、該第1の基板と貼り合わされる第2の基板とからなり、前記第1の基板の一方の面に所定の幅と深さのチャネルを有し、かつ該チャネルの両端に、該第1の基板を貫通し、そして該チャネルに連通する第1のウエル及び第2のウエルを有し、前記第2の基板の、前記第1の基板の前記チャネル形成面と貼り合わされる面上に、第1の端部電極及び前記第2の端部電極を有し、該第1の端部電極及び前記第2の端部電極との間に、サンプル濃縮用電極を前記チャネルと交差するように有するマイクロチップを用いることからなる電気泳動方法であって、
(A)少なくともサンプル濃縮用電極が存在するチャネル内に電気泳動用ゲル物質を注入するステップと、
(B)前記第1の端部電極をグランドとし、前記サンプル濃縮用電極に低電圧を印加して、前記ゲル物質内の前記サンプルを前記サンプル濃縮用電極付近に集積させるステップと、
(C)前記サンプル濃縮用電極をオープンにし、前記第1の端部電極をグランドとし、前記第2の端部電極に低電圧を印加して、前記サンプル濃縮用電極付近に集積された前記サンプルを前記第2の端部電極に向かって泳動させるステップとからなることである。
前記のように構成された請求項12に係る発明によれば、サンプルの濃度が希薄であっても、サンプル濃縮用電極付近にサンプルを集積させることができ、分離されるバンドがシャープになり優れた分析結果が得られる。
本発明のマイクロチップによれば、DNAサンプルの濃度を高めるための前処理は全く不要となる。また、第1のウエルとサンプル濃縮用電極との間隔を小さくすることによりサンプル濃縮用電極にDNAサンプルを集中させるために印加される電圧を低くすることができ、その結果、電気分解が起こり難くなる。更に、DNAサンプルを濃縮できるので、第1のウエルに添加するDNAサンプル量が少なくて済み、直線状のチャネルにも注入可能となる。その結果、ポリアクリルアミドのような硬化型ゲルを利用することも可能となり、電気泳動による分離精度を高めることができる。しかも、本発明のマイクロチップによれば、サンプル濃縮用電極部分にDNAサンプルを集中させることができるので、従来のマイクロチップのようなクロスインジェクション用のDNAサンプル導入用チャネル及びその導入用チャネル両端のウエルを配設する必要も無くなる。
また、本発明のマイクロチップによれば、PCR法によるDNA増幅をチャネル内で実施した後、その場で電気泳動分析を行うこともでき、分析効率が飛躍的に向上する。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施態様について説明する。図1は本発明のマイクロチップの一例の平面図である。図2は図1におけるII−II線に沿った断面図である。本発明のマイクロチップ1は基本的に第1の基板3と第2の基板5とからなる。第1の基板3の一方の面にはチャネル7が形成されており、このチャネル7の両端には第1の基板3を貫通する第1のウエル9と第2のウエル11が穿設されている。第2の基板5は第1の基板3のチャネル7が形成されている方の面に貼り合わされている。これにより、第1の基板3のチャネル7と第1のウエル9及び第2のウエル11の下端が封止され、第1のウエル9からチャネル7内にゲル電解質溶液及びDNAサンプルを注入することができる。第2の基板5の第1の基板3との貼り合わせ面にはサンプル濃縮用電極13が配設されている。サンプル濃縮用電極13はチャネル7と交差するように配設する事が好ましい。
図1のマイクロチップ1を用いて電気泳動を行う場合、従来のマイクロチップと同様に第1のウエル9及び第2のウエル11に電極を浸漬させることができる。しかし、外部からウエル内に電極を浸漬したり抜き出したりするのは不便であり、分析の作業性も低下する。そのため、図3に示されるように、サンプル濃縮用電極13と同様に、第2の基板5の貼り合わせ面上に、電気泳動用の第1の端部電極15を第1のウエル9と交差するように配設し、電気泳動用の第2の端部電極17を第2のウエル11と交差するように配設することもできる。これにより、電気泳動のためにウエル9及び11内にいちいち電極を浸漬したり抜き出したりする手間が不要になり、分析の作業性が向上する。
電気泳動用の第1の端部電極15及び第2の端部電極17は必ずしもウエル9,11と交差させる必要は無い。従って、図4(A)、(B)及び(C)に示されるように、必要に応じて端部電極15,17をウエル9,11及び/又はチャネル7の適宜の位置に配設することができる。端部電極の配設位置は、印加電圧、DNAサンプルの泳動距離、蛍光検出位置及び/又は分離精度などを総合的に考慮して適宜決定することができる。
第1の基板3の形成材料としては、例えば、エラストマータイプのシリコン樹脂であるPDMS(ポリジメチルシロキサン)を使用することが好ましい。PDMSは良好なモールド転写性や透明性、耐薬品性、生体適合性などマイクロチップの部材として優れた特徴を有する。従って、PDMSにより形成されたマイクロチップは、微細なチャネル(流路)を形成する際に、作業が繁雑なエッチングや、切削などの機械加工などの処理プロセスが不要であり、単純かつ安価な型取りと封止だけで極めて簡単に微細流路を形成することができる。PDMS以外の基板材料(例えば、ガラス又はポリメチルメタクリレート(PMMA)など)も同様に使用できる。第1の基板3は透明であっても、不透明であってもよい。一方、第2の基板5の形成材料としては、例えば、PDMS、ガラス、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などを適宜する使用することができる。第2の基板5も透明であっても、不透明であってもよい。しかし、本発明のマイクロチップ1が光学的検出手段と併用される場合には、第1の基板3及び/又は第2の基板5は透明であることが好ましい。第1の基板3がPDMSである場合、第2の基板5はガラスから形成すると、両者を貼り合わせるだけで、強固に接着させることができる。
第1の基板3に配設されるチャネル7の幅は数十μm〜数百μmの範囲内であり、深さ(又は高さ)は数十μm〜数百μmの範囲内であり、長さは数十mmの範囲内であることができる。また、第1のウエル9及び第2のウエル11の開口径は数mm程度である。一般的に、第1のウエル9はゲル電解質及び被分析DNAサンプルの注入用として使用され、第2のウエル11はこれらの排出用として使用される。
第2の基板5に配設される電極13,15及び17は例えば、金(Au)又は白金(Pt)から形成することができる。その他、炭素(ダイヤモンドを含む)、パラジウム、水銀、半導体なども電極形成材料として使用できるが、電気分解の起こり難さの点から金又は白金が好ましく、特に白金が好ましい。電極の幅は数十μm〜数百μmの範囲内であり、厚さは数μm程度であることが好ましい。電極の厚さが厚すぎると、電極がチャネル7内で堰のようになり、ゲル電解質及び/又は被分析DNAサンプル溶液の注入を阻害するので好ましくない。電極13,15及び17の幅はチャネル7の幅と大体同一であることが好ましい。これにより、電極とチャネルの交差部は正方形になるので電圧の印加を一定にすることができる。電源(図示されていない)との接続を可能にするため、チャネルと交差しない方の電極13,15及び17の端部は第2の基板5の側面に露出させることが好ましい。別法として、第1の基板3の幅よりも若干大きな幅を有する第2の基板5を使用することにより、チャネルと交差しない方の電極13,15及び17の端部を第2の基板5の上面に露出させることができる。電極13,15及び17は例えば、蒸着、印刷、転写などの公知慣用の技法を用いて第2の基板5の貼り合わせ面上に容易に配設することができる。
図5は図1及び図2に示されたマイクロチップ1の製造方法を示す工程図である。先ず、ステップ(a)において、最終製品のマイクロチップ1のサイズ(例えば、20mmx20mm又は20mmx30mm)と概ね同じサイズのシリコンウエハ20を準備する。シリコンウエハ20は予め乾燥させたり、表面処理などの所望の前処理を施すこともできる。その後、ステップ(b)において、適当なレジスト材料(例えば、ネガティブフォトレジストSU−8など)を2000rpm〜5000rpmの回転速度で数秒間〜数十秒間にわたってスピン塗布し、オーブン中で乾燥させ、所望の厚さのレジスト膜22を形成する。次いで、ステップ(c)において、このレジスト膜22上にマスク24を通して、適当な露光装置(図示されていない)で露光する。マスク24は本発明のマイクロチップ1におけるチャネル7に対応するレイアウトパターンを有する。その後、ステップ(d)において、適当な現像液(例えば、1−メトキシ−2−プロピル酢酸)中で現像し、上面にチャネル7に対応する微細構造26を有するマスター28を生成する。所望により、このマスター28を有機溶媒(例えば、イソプロピルアルコール)及び蒸留水で洗浄することができる。更に、マスター28の表面をフルオロカーボンの存在下で反応性イオンエッチングシステムにより処理することができる。このフルオロカーボン存在下の反応性イオンエッチング処理は、後のステップにおいて、PDMSのマスター28からの離型性を改善する。次いで、ステップ(e)において、前記のマスター28の上面に、PDMSプレポリマーと硬化剤を適度な割合で混合し、脱気したPDMSプレポリマー混合液を流し込む。この際、型枠を使用し、鋳込み型とし、その中にPDMSプレポリマー混合液を流し込んで型取りすることが好ましい。PDMSプレポリマー混合液としては、例えば、米国のダウ・コーニング社製のSYLGARD 184 SILICONE ELASTOMERが好適に使用できる。これは液状のPDMSプレポリマーと硬化剤を10対1の割合で混合するものである。塗布後、常温で十分な時間放置するか、又は、例えばオーブン中で65℃で1時間加熱するか若しくは135℃で15分間加熱して硬化させ、PDMS中間基板30を生成させる。PDMS中間基板30は透明性の高いゴム状の樹脂であり、マスター28の微細構造26が転写されている。その後、ステップ(f)において、PDMS中間基板30をマスター28から剥離し、PDMS中間基板30の上面から下部のチャネル7に連通するウエル9(11)をパンチ32で穿設することによりにPDMS基板(第1の基板)3を得る。次いで、ステップ(g)において、サンプル濃縮用電極13が上面に配設された第2の基板5に、PDMS基板(第1の基板)3をチャネル7形成面を下側にして貼り合わせる。最後に、ステップ(h)において、完成された本発明のマイクロチップ1を回収する。
図6は本発明の更に別の実施態様に係るマイクロチップ1Eの概要平面図である。図6に示されたマイクロチップ1Eは図3に示されたマイクロチップ1Aと異なり、第1の基板3及び第2の基板5に、チャネル7、ウエル9,11、サンプル濃縮用電極13、第1の端部電極15及び第2の端部電極17が2セット形成されている。図6のマイクロチップ1Eによれば、1台のマイクロチップで2個の検体を同時に又は時間を変えて分析することができ、同一検体のダブルチェックに利用すれば分析結果の信頼度が高まり、一方、別々の検体の分析に利用すれば作業時間の短縮や分析コストの低減に役立つ。電気泳動方向を目視可能に示すために第1の基板3及び第2の基板5の角端部の1箇所に切欠部34を設けることもできる。
図7は本発明の更に他の実施態様に係るマイクロチップ1Fの部分概要平面図である。図7のマイクロチップ1Fでは、第1の端部電極15と第2の端部電極17及びこれら両端部電極間のサンプル濃縮用電極13とのセットが第1のチャネル36と交差するように配設されている。この第1のチャネル36は必ずしも端部にウエルを有する必要が無い。例えば、第1のチャネル36はこのチャネルよりも細い接続用チャネル38により第2のチャネル40に連通させることができる。第2のチャネル40の他端にはポンプ又はバルブ(図示されていない)などを接続することもできる。すなわち、換言すれば、本発明のマイクロチップ1Fではウエルが存在しなくても、チャネルにサンプルの供給とゲルの充填が可能であれば、電気泳動を行うことが可能である。従って、例えば、第1のチャネル36(又は別の図示されていない反応用チャネル)でPCR法によるDNA断片の増幅反応を実施した後、その増幅に使用した部位を利用して、引き続き電気泳動を実施することも可能である。
図8(A)は、図7のマイクロチップ1Fの第1のチャネル36において、PCR法によるDNA断片の増幅反応の終了時点の状態を示す模式図である。言うまでもなく、PCR法によるDNA断片の増幅反応は第1のチャネル36以外の別の反応用チャネル(図示されていない)において実施することもでき、その反応用チャネルから第1のチャネル36に増幅産物を移動させてもよい。PCR法によるDNA断片の増幅反応が終了したら、増幅されたDNAサンプルをビーズ42に吸着させる。電気泳動に過剰な(すなわち、ビーズ42に吸着しきれない)増幅産物は細管38を介して第2のチャネルに排液させることもできる。斯くして、充填されるビーズ42の量を調整することにより、最終的な電気泳動のためのDNAサンプル量を規定することができる。図8(A)において、増幅されたDNA断片はビーズ42に吸着された状態で第1のチャネル36内に保存されている。ビーズ42は例えば、シリカビーズ又は磁性体ビーズなどである。磁性体ビーズを使用すると、チップ外から磁石を当てることによりビーズを任意の箇所に移動させることができるという利点がある。第1のチャネル36と第2のチャネル40との間はこれらのチャネルよりも細い接続用チャネル38が存在するので、ビーズ40は第1のチャネル36の端部で堰き止められる。
図8(B)は、マイクロチップ1Fの第1のチャネル36に電気泳動用のゲル44(例えば、ハイドロキシメチルセルロース溶液)を充填した状態を示す模式図である。矢線方向からビーズ42を接続用チャネル38方向へ押しやるようにゲル44を充填する。このとき、接続用チャネル38から第2のチャネル40に向かって空気が逃げるために、ゲル44の充填が可能になる。ゲル充填時の圧力によりゲルの一部が接続用チャネル38を介して第2のチャネル40に流入するが、特に問題は無い。
図8(C)は電気泳動を実施している状態を示す模式図である。ゲル44を充填すると、コロイド塩析によりビーズ42に吸着していたDNAがゲル中に溶出される。第1の端部電極15をグランドとし、サンプル濃縮用電極13に数V(例えば、DC5V)の電圧を印加すると、サンプル濃縮用電極13上にDNAを集積させることができる(図8(C)(1)参照)。その後、サンプル濃縮用電極13をオープンとし、第2の端部電極17に数V(例えば、DC5V)を印加すると、サンプル濃縮用電極13上のDNAサンプルが逐次、電気泳動され、その鎖長解析が可能となる(図8(C)(2)参照)。
図9は本発明の更に他の実施態様に係るマイクロチップ1Gの部分概要平面図である。マイクロチップ1Gはマイクロチップ1Fと同様に、第1の端部電極15と第2の端部電極17及びこれら両端部電極間のサンプル濃縮用電極13とのセットが第1のチャネル36と交差するように配設されている。マイクロチップ1Fと異なり、マイクロチップ1Gでは、第1のチャネル36に対して、第1の端部電極15とサンプル濃縮用電極13との間に微量液体秤取構造46が接続されている。このような微量液体秤取構造46は特願2002−302692号明細書に記載されている。微量液体秤取構造46はメインチャネル48と、このメインチャネル48と直交する微量液体秤取チャネル50と、この微量液体秤取チャネル50を第1のチャネル36に連通させるためのこれらのチャネルよりも細い接続用チャネル52とからなる。
図10(A)は、図9に示されたマイクロチップ1Gにおいて、微量液体秤取構造46のメインチャネル48内にDNA吸着ビーズ42が充填されている状態を示す。
図10(B)は、図10(A)において、微量液体秤取構造46のメインチャネル48内にDNA溶出用の低塩濃度のバッファ液(例えば、TEバッファ液又はTBEバッファ液など)を注入すると、ビーズ42に吸着されていたDNAがバッファ液に溶け出し、溶出DNA含有バッファ液54が得られる。溶出DNA含有バッファ液54は微量液体秤取チャネル50にも満たされる。
図10(C)は、図10(B)において、微量液体秤取構造46のメインチャネル48の一方の端部から空気圧などの圧力を加えることにより、メインチャネル48の他方の端部から溶出DNA含有バッファ液54を排出させると、細管52の存在により、前記排出圧力だけでは、微量液体秤取チャネル50内の溶出DNA含有バッファ液54は排出されず、そのまま残るので、微量液体秤取チャネル50の容積に対応する量の溶出DNA含有バッファ液54を秤取することができる。
図10(D)に示されるように、微量液体秤取構造46のメインチャネル48内の溶出DNA含有バッファ液54が全て排出されたら、第1のチャネル36に電気泳動用のゲル44(例えば、ハイドロキシメチルセルロース溶液)を充填する。矢線方向からゲル44を充填する。このとき、接続用チャネル38から第2のチャネル40に向かって空気が逃げるために、ゲル44の充填が可能になる。ゲル充填時の圧力によりゲルの一部が接続用チャネル38を介して第2のチャネル40に流入するが、特に問題は無い。
次いで、図10(E)に示されるように、微量液体秤取構造46のメインチャネル48の他方の端部を閉じ、一方の端部から空気圧などの圧力を加えることにより、微量液体秤取チャネル50内の溶出DNA含有バッファ液54を細管52を介して、第1のチャネル36の電気泳動用ゲル44内に注入する。この場合、ゲル内に注入された溶出DNA含有バッファ液54はゲル内で拡散してしまう。
そこで、図10(F)に示されるように、第1の端部電極15をグランドとし、サンプル濃縮用電極13にDC5Vの電圧を印加すると、ゲル内に拡散していた溶出DNA含有バッファ液54をサンプル濃縮用電極13上に集積させることができる。
次いで、図10(G)に示されるように、サンプル濃縮用電極13をオープンとし、第1の電極15をグランドとして、第2の端部電極17にDC5Vを印加すると、サンプル濃縮用電極13上の集積DNAサンプルが逐次、電気泳動され、その鎖長解析が可能となる。通常、電気泳動では、ゲルとDNA溶液との境界面が、分離されて行くバンドの形状となる。歪んでいれば、分離されるバンドもその歪みを引きずって行く。これに対して、本発明のように、サンプル濃縮用電極13上にDNAサンプルを集積させてから電気泳動すると、分離されるバンドがシャープとなり、鎖長解析が正確に行える。つまり、本発明のマイクロチップ1Gを使用すると、DNAサンプル注入で歪んだゲルとの境界面を修正させ、バンドの修正に効果があるばかりか、バンド精度を上げる効果も得られる。
第1の基板3の素材としてPDMSを使用し、第2の基板5の素材としてガラスを使用し、図5に示される製造プロセスに従って図4(B)に示されるマイクロチップ1Cを製造した。PDMS製の第1の基板3の幅は20mm、長さは50mm、厚さは2mmであり、ガラス製の第2の基板5の幅及び長さは第1の基板3と同一であるが、厚さは1mmであった。第1の基板3の片側に、幅100μm、深さ100μm、長さ30mmのチャネル7を形成させ、チャネル7の両端に内径1mmの第1のウエル9と第2のウエル11を穿設した。第2の基板の片側には、蒸着法により最細幅100μm、厚さ1μm、長さ3mmのサンプル濃縮用電極13,第1の端部電極15及び第2の端部電極17がそれぞれ、チャネル7の各位置に対応するように形成されていた。第1の基板3のチャネル形成面と第2の基板の電極形成面をそれぞれ対向させ、両者を貼り合わせて一体化させた。第1の端部電極15とサンプル濃縮用電極13との間隔は1mmであり、サンプル濃縮用電極13と第2の端部電極17との間隔は12mmであった。
前記のようにして作製されたマイクロチップ1Cの第1のウエル9から、最終濃度0.6%−0.5X:TBE(電気泳動用緩衝液)のハイドロキシメチルセルロース(HPMC)ゲル溶液を充填し、チャネル7及び第2のウエル11を満たした。同様のゲル溶液に蛍光標識したDNAサンプルを溶解させ、第1のウエル9からサンプル濃縮用電極13上にまで充填した。
第1の端部電極15をグランド(G)とし、サンプル濃縮用電極13に5Vを印加すると、蛍光ラベルされたDNAサンプルがサンプル濃縮用電極13の近傍に集積された。更に、第1の端部電極をグランド(G)とし、サンプル濃縮用電極13をオープン(O)にし、第2の端部電極17に5Vを印加するとサンプル濃縮用電極13の近傍に集積された蛍光ラベルDNAサンプルを第2の端部電極17にまで移送させることができた。
本発明のマイクロチップの特徴は、第1のウエル9と第2のウエル11とを結ぶチャネル7の間の任意の箇所に2つの電極と該電極間にサンプル濃縮用電極を設けることにより、そのサンプル濃縮用電極近傍へDNAサンプルを運搬することが可能であるということである。この原理を利用すると、前記のような電気泳動のサンプルインジェクション技術として応用又は利用することが可能となる。これは、通常、DNA量が多くなり電気泳動による分離が困難となるため、従来のマイクロチャネル式電気泳動では、チャネル構造を十字状に交差させた“クロスインジェクション”方式を採用している。この“クロスインジェクション”方式を採用した場合、メチルセロースなどのような流動性のあるポリマーゲルを使用しなければならない。これに対して、本発明のマイクロチップによる方式を採用すると、第1のウエル9に充填されるDNAサンプル量が少なくて済み、直線状のチャネル7に直接インジェクションすることも可能となる。この直線状のチャネル7に直接インジェクションできるということは、ポリアクリルアミドのような硬化型ゲルを利用する事も可能となり、電気泳動による分離精度を向上させることが可能となる。
前記のように本発明のマイクロチップによれば、被分析DNAサンプルを濃縮するための前処理が不要なため、例えば、犯罪現場などにおいて採取された血液や体液などのようなDNAを含有する証拠などをその場で直接分析することも可能となる。また、食品製造現場や医療現場などで緊急に分析しなければならないときにも有用性を発揮する。
本発明のマイクロチップの一例の概要平面図である。 図1におけるII-II線に沿った断面図である。 本発明のマイクロチップの別の例の概要平面図である。 本発明のマイクロチップの更に別の例の概要平面図である。 本発明のマイクロチップの製造方法の一例を示す製造工程図である。 本発明のマイクロチップの他の例の概要平面図である。 本発明のマイクロチップの他の例の部分概要平面図である。 図7に示されたマイクロチップを用いて電気泳動する方法を説明する模式図である。 図7に示されたマイクロチップを用いて電気泳動する方法を説明する模式図である。 図7に示されたマイクロチップを用いて電気泳動する方法を説明する模式図である。 本発明のマイクロチップの他の例の部分概要平面図である。 図9に示されたマイクロチップを用いて電気泳動する方法を説明する模式図である。 図9に示されたマイクロチップを用いて電気泳動する方法を説明する模式図である。 図9に示されたマイクロチップを用いて電気泳動する方法を説明する模式図である。 図9に示されたマイクロチップを用いて電気泳動する方法を説明する模式図である。 図9に示されたマイクロチップを用いて電気泳動する方法を説明する模式図である。 図9に示されたマイクロチップを用いて電気泳動する方法を説明する模式図である。 図9に示されたマイクロチップを用いて電気泳動する方法を説明する模式図である。 従来のマイクロチップの一例の概要平面図である。 図11におけるXII−XII線に沿った断面図である。 図11に示されたマイクロチップによるDNAサンプルインジェクションと電気泳動の原理を説明する概要図である。
符号の説明
1,1A−1G 本発明のマイクロチップ
3 第1の基板
5 第2の基板
7 チャネル
9 第1のウエル
11 第2のウエル
13 サンプル濃縮用電極
15 第1の端部電極
17 第2の端部電極
36 第1のチャネル
38 接続細管
40 第2のチャネル
42 吸着ビーズ
44 電気泳動用ゲル
46 微量液体秤取構造
48 メインチャネル
50 微量液体秤取チャネル
52 接続細管

Claims (11)

  1. 第1の基板と、該第1の基板と貼り合わされる第2の基板とからなるマイクロチップにおいて、前記第1の基板の一方の面に所定の幅と深さのチャネルを有し、かつ該チャネルの両端に、該第1の基板を貫通し、そして該チャネルに連通する第1のウエル及び第2のウエルを有し、前記第2の基板の、前記第1の基板の前記チャネル形成面と貼り合わされる面上に、サンプル濃縮用電極を前記チャネルと交差するように有し、かつ、
    前記第1のウエル及び第2のウエルは、電気泳動のために、外部から当該ウエル内に電極が浸漬されたり、抜き出したりされるウエルであることを特徴とするマイクロチップ。
  2. 第1の基板と、該第1の基板と貼り合わされる第2の基板とからなるマイクロチップにおいて、前記第1の基板の一方の面に所定の幅と深さのチャネルを有し、かつ該チャネルの両端に、該第1の基板を貫通し、そして該チャネルに連通する第1のウエル及び第2のウエルを有し、前記第2の基板の、前記第1の基板の前記チャネル形成面と貼り合わされる面上に、サンプル濃縮用電極を前記チャネルと交差するように有し、かつ、
    前記第2の基板の、前記第1の基板の前記チャネル形成面と貼り合わされる面上に、第1の端部電極及び第2の端部電極を有することを特徴とするマイクロチップ。
  3. 前記第1の端部電極は前記第1のウエルと交差するように配設され、前記第2の端部電極は前記チャネルと交差するように配設されていることを特徴とする請求項2に記載のマイクロチップ。
  4. 前記第1の端部電極は前記チャネルと交差するように配設され、前記第2の端部電極は前記第2のウエルと交差するように配設されていることを特徴とする請求項2に記載のマイクロチップ。
  5. 前記第1の端部電極及び前記第2の端部電極は、前記サンプル濃縮用電極を間に挟んで前記チャネルと交差するように配設されていることを特徴とする請求項2に記載のマイクロチップ。
  6. 第1のウエルと、第2のウエルと、これらウエルを接続するチャネルと、該チャネルに交差するサンプル濃縮用電極とからなる組を2個有することを特徴とする請求項2に記載のマイクロチップ。
  7. 第1の基板と、該第1の基板と貼り合わされる第2の基板とからなるマイクロチップにおいて、前記第1の基板の一方の面に所定の幅と深さのチャネルを有し、前記第2の基板の、前記第1の基板の前記チャネル形成面と貼り合わされる面上に、第1の端部電極と、第2の端部電極と、これら第1及び第2の端部電極の中間に配置されたサンプル濃縮用電極とを、前記チャネルと交差するように有することを特徴とするマイクロチップ。
  8. 前記チャネルは第1のチャネルと第2のチャネルとに分断されており、前記第1のチャネルと前記第2のチャネルとは、これらのチャネルよりも細いチャネルにより相互に連通されており、前記第1の端部電極、サンプル濃縮用電極及び第2の端部電極は前記第1のチャネル側に存在し、前記第1の端部電極は前記第1のチャネルの分断部分寄りに配設されていることを特徴とする請求項7に記載のマイクロチップ。
  9. 前記チャネルは第1のチャネルと第2のチャネルとに分断されており、前記第1のチャネルと前記第2のチャネルとは、これらのチャネルよりも細いチャネルにより相互に連通されており、前記第1の端部電極、サンプル濃縮用電極及び第2の端部電極は前記第1のチャネル側に存在し、前記第1の端部電極は前記第1のチャネルの分断部分寄りに配設されており、前記第1の端部電極と前記サンプル濃縮用電極との間の前記第1のチャネル部分に微量液体秤取構造が接続されており、前記微量液体秤取構造はメインチャネルと、このメインチャネルと直交する微量液体秤取チャネルと、この微量液体秤取チャネルを前記第1のチャネルに連通させるためのこれらのチャネルよりも細い接続用チャネルとからなることを特徴とする請求項7又は8に記載のマイクロチップ。
  10. 第1の基板と、該第1の基板と貼り合わされる第2の基板とからなり、前記第1の基板の一方の面に所定の幅と深さのチャネルを有し、かつ該チャネルの両端に、該第1の基板を貫通し、そして該チャネルに連通する第1のウエル及び第2のウエルを有し、前記第2の基板の、前記第1の基板の前記チャネル形成面と貼り合わされる面上に、第1の端部電極及び前記第2の端部電極を有し、該第1の端部電極及び前記第2の端部電極との間に、サンプル濃縮用電極を前記チャネルと交差するように有するマイクロチップを用いることからなる電気泳動方法であって、
    (A)少なくともサンプル濃縮用電極が存在するチャネル内に電気泳動用ゲル物質を注入するステップと、
    (B)前記第1の端部電極をグランドとし、前記サンプル濃縮用電極に低電圧を印加して、前記ゲル物質内の前記サンプルを前記サンプル濃縮用電極付近に集積させるステップと、
    (C)前記サンプル濃縮用電極をオープンにし、前記第1の端部電極をグランドとし、前記第2の端部電極に低電圧を印加して、前記サンプル濃縮用電極付近に集積された前記サンプルを前記第2の端部電極に向かって泳動させるステップとからなることを特徴とする電気泳動方法。
  11. 前記被電気泳動分析用サンプルはDNAサンプルであることを特徴とする請求項10に記載の電気泳動方法。
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