JP2005263843A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 イオン性不純物であるハロゲンやアルカリ金属を含まず、耐湿性にも優れているため、高温高湿下でも金属を腐食させることがなく、また、硬化時の着色がなく、さらに、経時熱変色が少ない半導体封止材用エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 エポキシ樹脂(A)、酸無水物系硬化剤(B)および特定の第4級ホスホニウム有機酸塩系硬化促進剤(C)からなる半導体封止材用エポキシ樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、発光素子や受光素子などの光半導体素子の封止に適した半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関する。
発光ダイオードなどの発光素子は、従来の白熱灯などに比べて、消費電力が小さく、寿命が長いことなどから、近年、種々の表示用あるいは照明用に使用されるようになってきた。ところで、発光ダイオードは、ガリウム砒素化合物などからなるpn接合素子に電流を流すことで素子を発光させるものであるが、その素子を酸素や水分あるいは機械的損傷から保護するために、通常、液状あるいは粉体のエポキシ樹脂組成物で封止されている。受光素子についても同様である。
従来、半導体封止用樹脂組成物としては、液状あるいは粉体のエポキシ樹脂に、酸無水物系硬化剤とイミダゾール類、DBUおよびその有機酸塩、アンモニウムあるいはホスホニウムのBr塩などの硬化促進剤を加えたものが、硬化性が良く、かつ封止成型しやすいことから、広く実用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかしながら、半導体封止用樹脂組成物に、イミダゾール類、DBU類あるいはアンモニウム塩類などの窒素原子を有する硬化促進剤を使用した場合は、該樹脂組成物を高温で硬化させたり、また、該樹脂組成物で封止した半導体装置を長期間使用すると、該樹脂組成物が熱により黄変し、透明性が低下する問題がある。
また、比較的黄変させることが少ないホスホニウムのBr塩を硬化促進剤として使用した場合は、高温多湿の条件下で、該硬化促進剤に含まれるBrイオンにより、発光部や受光部の素子、さらには、アルミニウム、銅あるいは銀などの電極、配線が腐食され、該樹脂組成物で封止した半導体装置の電気的な性能の低下あるいは故障を招くという問題がある。
これらの問題を解決するために、テトラブチルホスホニウムオクチル酸塩を硬化促進剤とする液状のエポキシ樹脂組成物が提案されている(特許文献4参照)。このホスホニウム塩は、特殊な処理を施して、そのハロゲン含有量を100ppm以下とすることで、金属の腐食を防止することができるとされている。
特開昭58−128756号公報 特開昭63−77929号公報 特開平11−269253号公報 特開平7−196774号公報
しかしながら、上記のホスホニウム塩は、ハロゲン含有量が高すぎて、特に高温多湿の条件下では、金属の腐食を十分に防止することができないという問題がある。そのため、樹脂封止した光半導体素子を、自動車などの使用環境が厳しい用途へも広く適用していくために、硬化促進剤のハロゲン含有量の更なる低減が求められている。また、高温多湿の条件下においては、NaやKなどのアルカリ金属も、アルミニウムなどからなる金属部材を腐食させるため、ハロゲン原子に加えて、アルカリ金属の含有量の低減も課題となっている。
本発明が解決しようとする課題は、こうした従来技術の問題点を解決した半導体封止用樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、種々のエポキシ樹脂組成物を試作して、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
エポキシ樹脂(A)、酸無水物系硬化剤(B)および一般式(1)
Figure 2005263843
(式中、R1はアルキル基、ベンジル基またはアリール基、R2は炭素数1〜3のアルキル基、X-は有機酸のアニオンの残基である)で示される第4級ホスホニウム有機酸塩系硬化促進剤(C)からなることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、上記硬化促進剤(C)を用いているため、ハロゲン原子およびアルカリ金属の含有量が少なく、また、耐湿性にも優れているため、高温多湿の条件下でも、金属を腐食することがなく、したがって、該樹脂組成物を用いて封止した半導体装置の電気特性を低下させることがない。
また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、高温で硬化させても、透明性が損なわれず、さらに、経時熱変色が少ない特性を有している。
本発明において、エポキシ樹脂(A)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等の透明性に優れたものが挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用することができる。これらのほかに、本発明の目的に反しない範囲において、他のエポキシ樹脂、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、含複素環エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂などを併用することもできる。
本発明において、酸無水物系硬化剤(B)としては、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ポリアゼライン酸無水物などの従来から公知の無色または淡黄色の酸無水物が挙げられ、これらは単独または2種以上混合して使用することができる。
酸無水物系硬化剤(B)の使用割合は、前記エポキシ樹脂(A)のエポキシ基1当量に対して、通常、0.7〜1.5当量、好ましくは0.8〜1.2当量である。この範囲外では、硬化物の物性が低下したり、硬化物が着色したりすることがあるので好ましくない。
本発明の一般式(1)で表される硬化促進剤(C)において、R1はアルキル基、ベンジル基またはアリール基である。該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、好ましいものは、炭素数1〜4のアルキル基およびシクロヘキシル基である。炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基の各基が挙げられる。
上記アリール基としては、フェニル基、および置換されていてもよいフェニル基、例えば、トリル基、キシリル基、メシチル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基などが挙げられる。尚、リン原子に結合する3つのR1は同一でも異なっていてもよいが、特に好ましいのは、3つのR1がすべてシクロヘキシル基またはフェニル基の場合である。
一般式(1)中、R2の炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。これらの内で好ましいものは、メチル基およびエチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
一般式(1)中、X-の有機酸アニオンを形成する有機酸としては、安息香酸、メチル安息香酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、イソプロピル安息香酸、ブチル安息香酸、イソブチル安息香酸、tert−ブチル安息香酸、サリチル酸、アニス酸、エトキシ安息香酸、プロポキシ安息香酸、イソプロポキシ安息香酸、ブトキシ安息香酸、ニトロ安息香酸、フロロ安息香酸、レゾルシン酸、ナフタレンカルボン酸、ビフェニルカルボン酸等の炭素数7〜14の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸などの炭素数7〜14の芳香族多価カルボン酸;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、オクチル酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、フェニル酢酸、クロロ酢酸、グリコール酸、乳酸などの炭素数1〜18の脂肪族モノカルボン酸;シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸などの炭素数1〜18の脂環式モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、プロピルマロン酸、ブチルマロン酸、ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、メチルエチルマロン酸、メチルコハク酸、エチルコハク酸、メチルエチルコハク酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの炭素数1〜18の脂肪族多価カルボン酸;シクロペンタンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸などの炭素数1〜18の脂環式多価カルボン酸;フェノール、p−フロロフェノール、β−ナフトール、ニトロフェノール、カテコール、レゾルシン、ジクロロフェノ−ル、ビフェノール、ビスフェノールAなどのフェノール類が挙げられる。
これらの内で好ましいものは、炭素数7〜14の芳香族多価カルボン酸および炭素数1〜18の脂環式多価カルボン酸である。特に、アニオンX-が、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸またはテトラヒドロフタル酸のアニオンである場合、一般式(1)で表されるホスホニウム塩は、融点50〜250℃の固体となるため、製造時に再結晶などで精製して、高純度の硬化促進剤(C)を製造できるのでより好ましい。
硬化促進剤(C)を製造する場合、一般に知られている第4級ホスホニウム有機酸塩の製造方法である、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類を塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、臭化ベンジルなどのアルキルハライドなどで加熱下に4級化し、得られた第4級ホスホニウムハライド塩を苛性ソーダと反応させて第4級ホスホニウムヒドロキサイドにした後、有機酸により中和後水洗する方法を用いると、硬化促進剤(C)に含まれるハロゲン原子およびアルカリ金属の含有量を100ppm以下にすることは困難であるので適当ではない。そこで、硬化促進剤(C)の製造方法として、前記のホスフィン類をジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの炭酸ジエステルと反応させて第4級ホスホニウム炭酸塩とした後、前述の有機酸を加えてアニオン交換反応する方法を用いることが好ましい。この方法であれば、アルカリ金属化合物を使用しないために、ClやBrなどのハロゲン原子およびNaやKなどのアルカリ金属の含有量が、いずれも5ppm以下の硬化促進剤(C)が得られるので好ましい。さらに、この硬化促進剤(C)が固体の場合は、トルエンなどの溶剤で洗浄あるいは再結晶すると、未反応原料を除くことができ、純度が98%以上の硬化促進剤(C)が得られるのでより好ましい。
硬化促進剤(C)の配合量は、エポキシ樹脂(A)100質量部に対して、通常、0.3〜5.0質量部、好ましくは0.5〜3.0質量部である。硬化促進剤(C)の配合量が0.1質量部未満では、加熱硬化速度が遅くなり、生産性が悪くなる。一方、5.0質量部を超えると、硬化時の発熱が激しく、硬化物の温度が上がりすぎて、着色する恐れがあるため好ましくない。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、前記のエポキシ樹脂(A)、酸無水物硬化剤(B)および硬化促進剤(C)を必須の成分とするが、必要に応じてフェノール系酸化防止剤などの変色防止剤、微細シリカ粉などの光散乱剤、染料などの着色剤、エポキシシラン系、ビニルシラン系、チタネート系などのシリカ粉との相溶性を向上させるカップリング剤、ステアリン酸およびその金属塩などの成型金型から脱型しやすくさせる内部離型剤などが配合されていてもよい。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、注型用の液状エポキシ樹脂組成物とする場合、例えば、液状の酸無水物硬化剤(B)に硬化促進剤(C)を溶解させ、得られた溶液に液状のエポキシ樹脂(A)およびその他の添加剤を配合し、ホモミキサーなどの高速攪拌装置で均一に混合することで製造できる。
また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を、加圧成型用の固形エポキシ樹脂組成物とする場合は、例えば、固形のエポキシ樹脂(A)、固形の酸無水物硬化剤(B)と硬化促進剤(C)およびその他の添加剤を粉体混合した後、3本ロールなどの混練装置を用いて、50〜150℃の温度で均一に溶融混合し、得られた混合物を冷却して固化させた後に粉砕し、必要であれば、タブレット状に打錠することにより製造することができる。特に、融点50〜250℃の固体である硬化促進剤(C)は、後者の固形のエポキシ樹脂組成物の製造に適している。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化は、通常、80〜180℃の温度で行われる。液状エポキシ樹脂組成物の場合は、例えば、成型用金型に注入後、予め80〜120℃の温度で1〜2時間硬化した後、金型から取り出し、さらに120〜180℃で1〜5時間アフターキュアする方法などで硬化物を得ることができる。また、固形のエポキシ樹脂組成物の場合は、例えば、トランスファー成型機などの加圧成型機により、120〜180℃の温度で加圧下に充填し、1〜10分間硬化させた後、金型から取り出し、さらに120〜180℃で1〜5時間アフターキュアする方法などで硬化物を得ることができる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、トランジスタ、ダイオードなどの半導体素子を封止することにより、外部雰囲気や機械的衝撃から保護された半導体装置が得られる。
以下、本発明を実施例により説明するが、合成例および実施例において「部」は質量部を表す。
<合成例>
攪拌式のオートクレーブに、トリフェニルホスフィン39部、炭酸ジメチル29部および溶媒のメタノール33部を仕込み、反応温度120℃にて60時間反応させて、トリフェニルメチルホスホニウムメチル炭酸塩のメタノール溶液を得た。
この溶液にフタル酸21部とトルエン50部を仕込み、炭酸ガスとメタノールを減圧下で除いた。析出した結晶物をろ別し、さらにトルエン50部で洗浄した後、減圧乾燥して、トリフェニルメチルホスホニウムフタル酸塩(分子量463)48部を得た。
HPLC分析によると、このトリフェニルメチルホスホニウムフタル酸塩の純度は99.5%であり、融点は170℃であった。また、イオンクロマトグラフィー分析により、ClおよびBr含有量はいずれも1ppm以下であり、原子吸光分析により、NaおよびK含有量はいずれも1ppm以下であった。
<実施例1>
合成例で得られたトリフェニルメチルホスホニウムフタル酸塩0.5部を、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(当量168)90部に加え、40℃で1時間攪拌して溶解した。得られた溶液に液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、エポキシ当量186)100部を加え、均一に混合して、液状の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を作製した。
<実施例2〜3>
実施例1において、硬化促進剤の配合部数を表1に示したように変更した以外は、実施例1と同様にして、液状の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を作製した。
<実施例4>
トリフェニルメチルホスホニウムフタル酸塩(分子量463)0.5部を、テトラヒドロ無水フタル酸(当量152)32部、および固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート1001(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、エポキシ当量473、mp68℃)100部に配合し、100℃で10分間溶融混合した。得られた溶融混合物を室温まで冷却した後、粉砕して、粉体の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を作製した。
<比較例1および2>
実施例1において、表1に示したように硬化促進剤の配合割合を変更した以外は、実施例1と同様にして、液状の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を作製した。
<比較例3>
実施例1において、トリフェニルメチルホスホニウムフタル酸塩の替わりに、2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成社品)1部を用いた以外は、実施例1と同様にして、液状の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を作製した。
<比較例4>
実施例1において、トリフェニルメチルホスホニウムフタル酸塩の替わりに、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)のオクチル酸塩(サンアプロ社品)1部を用いた以外は、実施例1と同様にして、液状の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を作製した。
<比較例5>
実施例1において、トリフェニルメチルホスホニウムフタル酸塩の替わりに、テトラブチルアンモニウムブロマイド(日本ファインケミカル社品)1部を用いた以外は、実施例1と同様にして、液状の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を作製した。
<比較例6>
実施例1において、トリフェニルメチルホスホニウムフタル酸塩の替わりに、テトラフェニルホスホニウムブロマイド(北興化学社品)1部を用いた以外は、実施例1と同様にして、液状の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を作製した。
<比較例7>
実施例4において、トリフェニルメチルホスホニウムフタル酸塩の替わりに、DBUのオクチル酸塩1部を用いた以外は、実施例4と同様にして、粉体の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を作製した。
<硬化着色試験>
実施例1〜4および比較例1〜7で得られた各半導体封止用エポキシ樹脂組成物約1gを直径15mmの試験管に入れ、100℃で2時間加熱硬化した後、さらに130℃で4時間アフターキュアした。室温に冷却した後、得られた硬化物(硬化サンプル)の着色度を目視で評価した。
<経時耐熱変色試験>
上記の硬化サンプルを120℃および150℃のオーブン中で所定時間放置した後の、該硬化サンプルの着色度を目視で評価した。
<PCTでの抽出Brイオン量の測定>
上記の硬化サンプルに対して、以下に述べるPCT試験(プレッシャークッカーテスト)を行い、抽出されたBrイオン量を測定した。
PCT試験;各硬化サンプルをワンダーブレンダー(大阪ケミカル社製の卓上粉砕機)で400μm以下に粉砕し、100mlのテフロン(登録商標)製容器に、粉砕した各硬化サンプル1.0gとイオン交換水50mlを入れて、オートクレーブ(アルプ社製)にて150℃で20時間、抽出試験を行った。得られた抽出水中のBrイオン量をイオンクロマトグラフィーにて測定し、各硬化物中の濃度(ppm)に換算した。
得られた結果を表1に示す。この結果から、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、硬化直後および高温での経時着色の程度が少なく、無色透明性および経時でも着色しない特性の点で優れており、また、PCTで抽出されるBrイオンが少ないことが明らかである。
Figure 2005263843
本発明のエポキシ樹脂組成物は、ハロゲン原子やアルカリ金属を含まず、また、耐湿性にも優れているため、特に発光素子や受光素子などの光半導体素子の封止材のように、高温高湿条件下における透明性と経時耐熱変色性、さらに、高い電気特性が要求される用途に有用である。また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、同じく透明性や長期間使用しても黄変しない特性が要求されるエポキシ樹脂系人工大理石などにも適している。

Claims (6)

  1. エポキシ樹脂(A)、酸無水物系硬化剤(B)および一般式(1)
    Figure 2005263843
    (式中、R1はアルキル基、ベンジル基またはアリール基、R2は炭素数1〜3のアルキル基、X-は有機酸のアニオン残基である)で示される第4級ホスホニウム有機酸塩系硬化促進剤(C)からなることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. 一般式(1)において、R1がシクロヘキシル基またはフェニル基、R2がメチル基またはエチル基である請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 一般式(1)において、X-が芳香族または脂環式の多価カルボン酸のアニオン残基である請求項1または2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. (C)が含有しているハロゲン原子およびアルカリ金属が、それぞれ5ppm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて封止してなる半導体装置。

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