JP7038565B2 - 熱硬化性エポキシ樹脂組成物、接着剤、エポキシ樹脂硬化物、塩、及び硬化剤 - Google Patents
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Description
また、エポキシ樹脂組成物は光半導体及び有機EL素子等を封止する際も用いられ、このような封止に用いるエポキシ樹脂組成物では、硬化物が無色透明となることが求められている。
特許文献2には、ホスホニウムカチオンとフタル酸類との塩を硬化剤としてとして使用することが開示されている。
特許文献3には、アンモニウム系カチオン又はホスホニウム系カチオンとカルボン酸系アニオンとの組み合わせから構成されるイオン液体を硬化剤として使用する樹脂組成物が開示されている。
特許文献4には、エポキシ樹脂と、硬化剤とを含有する、有機EL素子封止用樹脂組成物が開示されており、当該硬化剤として、アンモニウム系カチオン又はホスホニウム系カチオンと、N-アシルアミノ酸イオン又はカルボン酸系アニオンとから構成されるイオン液体が使用されることが開示されている。
また、エポキシ樹脂組成物は、フィルム状に加工され、例えば有機EL素子封止用等の熱硬化性エポキシ樹脂シートとすることもあり、当該シートは接着性を有することが求められる。このとき、上記ホスホニウム塩を含むエポキシ樹脂組成物からフィルムを形成する際にも、フィルム形成の途中の工程及び形成後において硬化が開始してしまうことがある。そのため、上記ホスホニウム塩を含むエポキシ樹脂組成物は、接着性が十分に保たれないという問題がある。
[1]
メチルエチルケトンへの溶解度が室温で5%以下である固形オニウム塩を含有する、熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
[2]
前記固形オニウム塩の、メチルエチルケトンへの80℃での溶解度が、5%以下である、[1]に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
[3]
前記固形オニウム塩の粒径が、100μm以下である、[1]又は[2]に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
[4]
前記固形オニウム塩の融点が、80℃~200℃である、[1]~[3]のいずれかに記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
[5]
前記固形オニウム塩(B)が、
式(1);
で表されるホスホニウムカチオンと、
同一分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸のアニオンと、の塩を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
[6]
前記式(1)におけるR1~R4が、同一又は異なって、炭素数1~4のアルキル基である、[5]に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
[7]
前記同一分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸が、式(2);
で表される化合物である、[5]又は[6]に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
[8]
前記式(2)におけるR5~R8が、水素原子である、[7]に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
[9]
前記ホスホニウムカチオンが、式(1)におけるR1~R4がブチル基であるホスホニウムカチオン(1-1)と、式(1)におけるR1~R4がエチル基であるホスホニウムカチオン(1-2)とを含み、
前記ホスホニウムカチオン(1-1)と前記ホスホニウムカチオン(1-2)とのモル比[(1-1)/(1-2)]が、50/50~95/5である、[5]~[8]のいずれかに記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
[10]
厚さが0.5±0.05mmである硬化物としたとき、前記硬化物における400nmの光透過率が50%以上である、[1]~[9]のいずれかに記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
[11]
有機溶媒をさらに含有する、[1]~[10]のいずれかに記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
[12]
熱可塑性樹脂をさらに含有する、[1]~[11]のいずれかに記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
[13]
[1]~[12]のいずれかに記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を含む、接着剤。
[14]
ペースト状である、[13]に記載の接着剤。
[15]
フィルム状である、[13]に記載の接着剤。
[16]
[1]~[12]のいずれかに記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化したエポキシ樹脂硬化物。
[17]
式(1);
で表されるホスホニウムカチオンと、
式(2);
で表される化合物のアニオンと、の塩。
[18]
前記ホスホニウムカチオンが、式(1)におけるR1~R4がブチル基であるホスホニウムカチオン(1-1)と、式(1)におけるR1~R4がエチル基であるホスホニウムカチオン(1-2)とを含み、
前記ホスホニウムカチオン(1-1)と前記ホスホニウムカチオン(1-2)とのモル比[(1-1)/(1-2)]が、50/50~95/5である、[17]に記載の塩。
[19]
[17]又は[18]に記載の塩を含む、硬化剤。
本実施形態における熱硬化性とは、加熱によって重合する性質を指す。本実施形態の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、加熱によって当該組成物中のエポキシ樹脂が重合し硬化物となる。
保存安定性、及び接着性に優れることは、エポキシ樹脂組成物中にメチルエチルケトンへの溶解度が室温で5%以下である固形オニウム塩を含むことにより、当該組成物中で当該塩が溶解及び/又は融解等して樹脂と均一化することが抑えられ、保存中や加工の途中において硬化反応の開始が防がれるためであると考えられる。
本実施形態におけるオニウム塩とは、化学結合に関与しない電子対を有する化合物がカチオン化されたイオンと、アニオンと、から構成される。
本発明における溶解性は溶解度を指標として定義され、本発明の固形オニウム塩のメチルエチルケトンへの溶解度は室温で5%以下である。
メチルエチルケトンへの溶解度が室温で5%以下であることにより、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の保存安定性及び接着性に優れる。保存安定性及び接着性をより向上させる観点から、室温におけるメチルエチルケトンへの溶解度は、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。
メチルエチルケトンへの溶解度の下限値は、0%であることが理想であるが、0%超過であってもよい。
本実施形態における室温は、外部から加熱及び/又は冷却をしていない状態での温度であれば特に制限されないが、好ましくは0~30℃であり、より好ましくは20±5℃である。
本実施形態におけるメチルエチルケトンへの溶解度とは、特定量のメチルエチルケトンに対する、オニウム塩が溶解する限界量の割合であり、以下の式により求められる。
MEKへの溶解度(%)=[オニウム塩が溶解する限界量(g)]/[特定量のMEK(g)]×100
メチルエチルケトンへの溶解度は、具体的には実施例に記載の方法によって求めることができる。
本実施形態における固形オニウム塩は、室温で固形であれば特に制限されない。固形オニウム塩が固体として存在しているときの室温とは、25±5℃である。
本実施形態におけるオニウム塩は、室温で固形であることが必須であり、融点が高いほど、該熱硬化性エポキシ樹脂組成物を有機溶媒存在下でフィルム状へ加工する場合等に、組成物中で固形オニウム塩の凝集が抑制され、得られるフィルム状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物の均一性が優れる傾向にある。また、オニウム塩の融点が低いほど、熱硬化性エポキシ樹脂組成物は低温での硬化性に優れる傾向にある。フィルム状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物の均一性、及び低温での硬化性を高める観点から、オニウム塩の融点は、好ましくは80℃~200℃、より好ましくは80℃~180℃、さらに好ましくは110℃~160℃、よりさらに好ましくは120℃~150℃である。
尚、本実施形態における融点とは、日立製作所社製TG/DTA7220を用いて10℃/分の昇温速度で25℃から250℃まで測定して得られるDTA曲線の吸熱ピーク温度で求められる値である。本実施形態における融点は、具体的には実施例に記載の方法によって測定できる。
本実施形態における固形オニウム塩の融点を調整する方法としては、例えば、固形オニウム塩を構成するアニオン分子及びカチオン分子の組み合わせを適宜選択すること等によって制御できる。
本実施形態におけるオニウム塩は、室温で固形であることが必須であり、粒径が小さいほど、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化性が優れ、より均一な硬化物を形成する傾向にある。熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化性を高め、また、均一な硬化物を形成する観点から、粒径は、好ましくは100.0μm以下、より好ましくは50.0μm以下、さらに好ましくは10.0μm以下、よりさらに好ましくは5.0μm以下であり、さらにより好ましくは3.0μm以下である。
粒径の下限値は、0μm超過であればよく、保存安定性及び接着性の観点から、好ましくは0.5μm以上であり、より好ましくは1.0μm以上である。
本実施形態におけるオニウム塩の粒径は、市販の粉砕機を用いて粉砕することによって調整できる。
本実施形態におけるオニウム塩の粒径は、平均粒径であり、具体的には実施例に記載の方法によって測定することができる。
本実施形態における固形オニウム塩としては、例えば、ホスホニウム塩、アンモニウム塩、スルホニウム塩等が挙げられ、透明性、硬化性、及び接着性の観点からホスホニウム塩が好ましい。
ホスホニウム塩を構成するカチオンとしては、式(1)で表されるホスホニウムカチオンが好適に挙げられる。本実施形態におけるホスホニウム塩は、式(1)に包含されるホスホニウムカチオンを2以上含んでもよい。
アルキル基の炭素数が大きいほどホスホニウム塩の融点が低くなり、低温での反応性が高まり樹脂の硬化がしやすい傾向にある。炭素数が小さいほどホスホニウム塩の有機溶媒への溶解性が低くなり、熱硬化性エポキシ樹脂組成物をフィルム状に形成する場合、ホスホニウム塩の溶解性が低下し、フィルム状組成物の接着性及び保存安定性が高まる傾向にある。硬化性、接着性、及び保存安定性の観点から、アルキル基の炭素数は、好ましくは1~8、より好ましくは1~4、さらに好ましくは2~4である。アルキル基としては、具体的には、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基が好ましく、n-ブチル基及びエチル基がより好ましい。
また、低温硬化性をより高める観点から、本実施形態におけるホスホニウム塩を構成するホスホニウムカチオンは、式(1)中R1~R4がn-ブチル基であるホスホニウムカチオン、及び、式(1)中R1~R4がエチル基であるホスホニウムカチオンであることが好ましい。式(1)中R1~R4がn-ブチル基であるホスホニウムカチオンをホスホニウムカチオン(1-1)ともいう。式(1)中R1~R4がエチル基であるホスホニウムカチオンをホスホニウムカチオン(1-2)ともいう。
式(1)中R1~R4がn-ブチル基であるホスホニウムカチオンと、式(1)中R1~R4がエチル基であるホスホニウムカチオンとのモル比[(1-1)/(1-2)]は、好ましくは50/50~95/5、より好ましくはモル比60/40~90/10、さらに好ましくは75/25~85/15である。
同一分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸としては、式(2)で表される化合物が好適に挙げられる。
R5~R8のアルキル基の炭素数が小さいほど有機溶媒への溶解性が低い傾向にあるため、R5~R8は、好ましくは炭素数1~4のアルキル基、又は水素であり、より好ましくは水素原子である。
熱硬化性エポキシ樹脂組成物の安定性及び反応性観点から、式(1)で表されるホスホニウムカチオンと、式(2)で表される化合物のアニオンと、の比率は、式(1)で表されるホスホニウムカチオン100当量に対して、式(2)で表される化合物のアニオンを、好ましくは25~150当量、より好ましくは50~125当量、さらに好ましくは80~110当量、よりさらに好ましくは90~105当量、さらにより好ましくは100当量とする。
本実施形態の一つは、式(1);
で表されるホスホニウムカチオンと、
式(2);
で表される化合物のアニオンと、の塩である。
本実施形態の塩は、エポキシ樹脂に配合してエポキシ樹脂を硬化させることができる。また、本実施形態の塩は、エポキシ樹脂に配合して、保存安定性に優れるエポキシ樹脂組成物とすることができ、当該組成物からは透明な硬化物が得られる。また、本実施形態の塩をエポキシ樹脂に配合してエポキシ樹脂組成物シートを得る場合、フィルム形成の途中の工程及び形成後において硬化反応が起こることが抑えられ、接着性及び保存安定性に優れるエポキシ樹脂組成物シートとすることができる。
本実施形態の塩は、上述した様に、エポキシ樹脂に配合してエポキシ樹脂を硬化させることができる。したがって、本実施形態の一つは、本実施形態の塩を含む硬化剤である。
式(1)で表されるホスホニウムカチオンを形成する有機リン化合物、及び式(2)で表される化合物のアニオンを形成するカルボン酸化合物は、市販品として入手可能である。
本実施形態の熱硬化性エポキシ樹脂に含まれるエポキシ樹脂は、1分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に限定されない。エポキシ樹脂としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール類又はブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等のグリシジル化合物等が挙げられる。
また、エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂も挙げられ、当該エポキシ樹脂としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及び/又はナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性又はアルカリ性触媒の存在下で、縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂を、エポキシ化したフェノールノボラック型エポキシ樹脂、及びオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換又は非置換のビフェノール、スチルベン系フェノール類等をエポキシ化したビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、及びスチルベン型エポキシ樹脂;フェノール類及び/又はナフトール類と、ジメトキシパラキシレン及び/又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、及びビフェニルアラルキル樹脂等をエポキシ化したフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、及びビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂;ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等のカルボン酸類のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;アニリン、イソシアヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したグリシジル型又はメチルグリシジル型エポキシ樹脂;分子内のオレフィン結合をエポキシ化して得られるビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシ)シクロヘキシル-5,5-スピロ(3,4-エポキシ)シクロヘキサン-m-ジオキサン等の脂環型エポキシ樹脂;パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;テルペン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;フェノール類及び/又はナフトール類とジシクロペンタジエンから合成される、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂のグリシジルエーテル;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;多環芳香環変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;ナフタレン環含有フェノール樹脂のグリシジルエーテル;ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;ジフェニルメタン型エポキシ樹脂;硫黄原子含有エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂の中でも、硬化性及び透明性のバランスの観点から、ビスフェノールA型及びビスフェノールF型のエポキシ樹脂が好ましい。
これらのエポキシ樹脂は、単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらのエポキシ樹脂は、有姿のまま使用してもよく、適宜溶媒や添加剤等を添加してもよく、市販品を使用してもよい。
本実施形態におけるエポキシ樹脂のエポキシ当量(g/eq)は、特に制限されないが、通常100~6000であり、好ましくは120~2000、より好ましくは150~500である。
本実施形態におけるエポキシ樹脂の分子量は、特に制限されないが、通常100~10000であり、好ましくは150~5000であり、より好ましくは300~1000である。
本実施形態の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、本発明の効果が発揮される範囲内で適宜、有機溶媒を含有させることができる。有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類;セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド(以下、DMFとも記載する)、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等を挙げることができる。これらの有機溶媒の中でも、メチルエチルケトン、酢酸エチル、DMF等は、溶解性が高く、また、フィルム化等の工程において揮発しやすい傾向にあるため、好ましい。
有機溶媒は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、本発明の効果が発揮される範囲内で、硬化物への可撓性の付与、樹脂組成物をコーティングする際の良好な加工性を維持する等の観点から、熱可塑性樹脂を含有させることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂等を挙げることができる。
これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、可撓性の付与、コーティング時のはじき防止の観点から、好ましくは30,000以上、より好ましくは50,000以上である。重量平均分子量が大きすぎると、エポキシ樹脂と熱可塑性樹脂との相溶性が低下する傾向にあることから、重量平均分子量は、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは800,000以下である。
本実施形態の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、厚さが0.5±0.05mmである硬化物としたとき、当該硬化物における400nmの光透過率が50%以上であることが好ましい。400nmの光透過率が高いほど、熱硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物を有機ELパネル、液晶パネル等の光学パネルに添付した際に画像の変色を抑えられる傾向にある。
上記透過率は、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、よりさらに好ましくは80%以上、さらにより好ましくは90%以上である。
なお、本実施形態における光透過率は、日立分光光度計U-4100型(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、厚さ0.5±0.05mmの試験片を用いて測定した値である。本実施形態における光透過率は、具体的には実施例に記載の方法によって測定することができる。
本実施形態における固体オニウム塩は、エポキシ樹脂の硬化剤として、或いは他の硬化剤と併用した場合の硬化促進剤としても使用することができる。したがって、後述する他の硬化剤等の存在又は不存在によって、その添加量を適宜調節することが好ましい。
本実施形態における固体オニウム塩の添加量は、樹脂が硬化しさえすれば特に制限は無いが、後述する硬化剤を含まない系においては、エポキシ樹脂100質量部に対して、好ましくは0.05~25質量部、より好ましくは0.1~15質量部、さらに好ましくは0.5~10質量部、さらにより好ましくは1~5質量部であり、よりさらに好ましくは2~3質量部である。添加量が0.05質量部以上であることにより、十分な硬化性が得られる傾向にある。添加量が25質量部以下であることにより、貯蔵安定性に優れる傾向にある。
一方、本実施形態における固体オニウム塩を後述する硬化剤と併用して硬化触媒とする場合、良好な性能を発揮するという観点から、固体オニウム塩の添加量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、好ましくは0.02~15質量部、より好ましくは0.05~10質量部、さらに好ましくは0.1~5質量部であり、よりさらに好ましくは0.5~3質量部である。
本実施形態の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、さらにエポキシ樹脂用の硬化剤を添加してもよい。エポキシ樹脂用の硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミド等が挙げられる。
これらの硬化剤は、単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。また、これらの硬化剤は、有姿でそのまま使用してもよく、適宜有機溶媒又は無機溶媒、熱可塑性樹脂等の添加剤等を添加して使用することもできる。
本実施形態の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、本発明の効果が発揮される範囲内で、上述した成分以外の有機及び/又は無機の添加剤を含有することができる。
そのような有機添加剤としては、例えば、シリコンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー等の有機充填剤;オルベン、ベントン等の増粘剤;シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤又はレベリング剤;トリアゾール化合物、チアゾール化合物、トリアジン化合物、ポルフィリン化合物等の密着性付与剤;等を挙げることができる。
また、本実施形態の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、本発明の効果が発揮される範囲内で、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム等の吸湿性金属酸化物を含有させることができる。吸湿性金属酸化物を含有させることにより、本実施形態の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物に高度の耐透湿性を付与するだけでなく、硬化物層の接着性を高めることができ、例えば、有機ELパネルの全面を封止する用途等に好適に使用できる。
本実施形態の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、メチルエチルケトンへの溶解度が室温で5%以下である固形オニウム塩と、さらに必要に応じて当該エポキシ樹脂組成物を構成してもよい成分とを混合、混練することによって製造することができる。混合、混練の方法としては特に限定されないが、例えば、攪拌翼つき反応器、プラネタリミキサー、ニーダー、ロール、ホモディスパー、イクストゥルーダー等を使用する方法が挙げられる。均一に混合されたエポキシ樹脂組成物を得る観点から、2本ないし3本ロール、ホモディスパー等を用いることが好ましい。
また、本実施形態の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、例えば、有機溶媒を添加してワニスを調製し、支持体上に、ワニスを塗布し、さらに加熱、あるいは熱風吹きつけ等によって有機溶媒を乾燥させて、熱硬化性エポキシ樹脂シートの形状としてもよい。乾燥条件は、特に制限はないが、生産性の観点から、50~100℃で3~30分で行うことが好適である。
本実施形態の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、接着剤として使用することができる。したがって、本実施形態の一つは、本実施形態の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を含む接着剤である。接着剤の形態は特に限定されず、ペースト状であってもよく、フィルム状であってもよい。
本実施形態のエポキシ樹脂硬化物とは、本実施形態の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を特定の条件下で加熱することによって、エポキシ樹脂の流動性がなくなり、硬化した固形物のことをいう。すなわち、本実施形態のエポキシ樹脂硬化物は、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物を硬化したエポキシ樹脂硬化物である。
エポキシ樹脂硬化物は、例えば、本実施形態の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を、通常、硬化温度60~250℃程度で硬化時間30秒~15時間加熱により得ることができる。
硬化温度が低いほどエポキシ樹脂硬化物の靱性が高く被着体との接着性が高い傾向にあるため、硬化温度は、好ましくは80℃~180℃、より好ましくは100℃~150℃、さらに好ましくは120℃~130℃である。
硬化時間は短いほど工業的に有利である傾向にあり、硬化時間が長いほど硬化反応が完全に進行する傾向にあるため、硬化時間は、好ましくは1分~5時間、より好ましくは5分~1時間、さらに好ましくは10分~20分である。
本実施形態の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、硬化性に優れるので、該熱硬化性エポキシ樹脂組成物をPET樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂部材、あるいは有機ELパネル、液晶パネル等の電子部材に密着させた状態であるいは一体化した部材となった状態で硬化しても、付帯する耐熱性の低い部材を損傷することなく該熱硬化性エポキシ樹脂組成物を速やかに硬化させることができることがある。
また、そのような一体化した部材を組み立てる過程で本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物をフィルム状に加工する場合、有機溶媒等を添加することにより組成物の粘度を低下させると加工性が高まることがあり工業的に好ましい。
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂 828EL、ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ当量(185g/eq)。
高耐熱型フェノキシ樹脂 YX6954、ジャパンエポキシレジン社製、重量平均分子量40,000。
熱可塑性樹脂は、上記高耐熱型フェノキシ樹脂を35wt%固形分のMEK溶液に調製して使用した。
冷却器と温度計を装着したナス型フラスコにマグネティックスターラーとメチルエチルケトン50gとを入れ、試料、すなわち、オニウム塩を徐々に増やしながら添加し、25℃で30分撹拌させた時点における試料が溶解する上限値を25℃の溶解度とした。また、上記フラスコをオイルバスで加熱し30分リフラックスさせた時点における試料が溶解する上限値を80℃での溶解度とした。
日立製作所社製TG/DTA7220を用いて10℃/分の昇温速度で25℃から250℃まで測定し、DTA曲線の吸熱ピークの頂点を塩の融点とした。
日本レーザー社製のレーザー回折式粒子径分布測定装置HELOS/BF-Mを使用して乾式法にて塩の粒径を測定した。
エポキシ樹脂組成物を所定条件で硬化し、硬化前後の発熱量より反応率を求めた。
発熱量は日立製作所社製TG/DTA7220を用いて10℃/分の昇温速度で25℃から250℃まで測定し、硬化前後の発熱量より反応率(%)を以下の式により求めた。
反応率=(硬化前発熱量-硬化後発熱量)/硬化前発熱量×100
反応率が高いほど硬化性に優れる。
エポキシ樹脂組成物を150℃で30分間硬化させ、20mm×20mm×0.5mmの平板を作製し、日立分光光度計U-4100型(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて光透過率を測定した。光透過率の測定には、波長400nmの光を用いた。
透過率が高いほど透明性に優れる。
25mm×75mm×1.2mmのプレパラート上に、14mm角の穴でくり貫いた、20mm角、厚さ500μmのテフロン(登録商標)シートを載せ、空隙にエポキシ樹脂組成物を滴下した。その後、10mm×10mm×2mmのプレパラートをテフロン(登録商標)シート上に載せて、Wクリップで固定し、所定の条件で硬化して得られたサンプルを目視で確認した。
不透明な不均一層が認められた場合を×、透明であるが一部揺らぎが認められた場合を○、均一透明な硬化物が形成されたときを◎とした。
エポキシ樹脂組成物を25℃、1週間保存した前後の粘度を測定し、粘度の上昇率により保存安定性を評価した。粘度の上昇率は以下の式から求めた。
粘度の上昇率=保存後粘度/初期粘度
粘度の上昇率が小さいほど保存安定性が良好である。保存後試料の粘度が測定範囲上限である3000Pasを越えた場合はゲル化が発生したと評価した。
エポキシ樹脂組成物にMEKを添加し、固形分濃度80%に調製して得られたワニスを25℃、1週間保存した前後の粘度を測定し、粘度の上昇率によりMEK安定性を評価した。粘度の上昇率は以下の式から求めた。
粘度の上昇率=保存後粘度/初期粘度
粘度の上昇率が小さいほど保存安定性が良好である。保存後試料の粘度が測定範囲上限である3000Pasを越えた場合はゲル化が発生したと評価した。
熱硬化性エポキシ樹脂シート、すなわち、フィルムを所定条件で保存し、保存試験前後の発熱量よりフィルム安定性を求めた。
発熱量は日立製作所社製TG/DTA7220を用いて10℃/分の昇温速度で25℃から250℃まで測定し、保存試験前後の発熱残存率を以下の式より求めた。
保存試験前後の発熱残存率=保存後発熱量/保存前発熱量×100
発熱残存率は高いほどフィルム安定性に優れる。発熱残存率が70%以上であったときを○、30%以上70%未満のときを△、30%未満の時を×とした。
エポキシ樹脂組成物の粘度は、東機産業社製TV-22型粘度計により、コーンロータを用いて25℃で測定した。
JIS K6850に従って以下の条件により測定した。
試験装置:インストロン型引張試験機(AG-20/50KINIS MO、島津製作所社製)
被着体 :軟鋼板、サイズ(25mmX100mmX3.2mm)
接着面積:12.5mmX25.0mm
クロスヘッドスピード:50mm/min、最大荷重:1t
テトラブチルホスホニウムヒドロキシドの40質量%水溶液690質量部に、イソフタル酸166質量部を加え、混合物を得た。得られた混合物から、減圧蒸留法を用いて水を留去することにより、ホスホニウム塩、すなわち、テトラブチルホスホニウムカチオンとイソフタル酸のアニオンとの塩(以下、「TBP-IPA」と略記する。)424質量部を得た。
得られたTBP-IPAは、融点が163℃の固体であり、室温でのMEK溶解度は0.02%、80℃でのMEK溶解度は0.8%であった。
TBP-IPAの1HNMRチャートを図1に、13CNMRチャートを図2に示す。
得られたTBP-IPAをナノジェットマイザー(アイシン産業、NJ-30)を用いて粉砕し、平均粒径3.0μmの紛体とし、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の調製に用いた。
テトラエチルホスホニウムヒドロキシドの8質量%水溶液2050質量部に、イソフタル酸166質量部を加え、混合物を得た。得られた混合物から、減圧蒸留法を用いて水を留去することにより、ホスホニウム塩、すなわち、テトラエチルホスホニウムカチオンとイソフタル酸のアニオンとの塩(以下、「TEP-IPA」と略記する。)312質量部を得た。
得られたTEP-IPAは、融点が192℃の固体であり、室温でのMEK溶解度は0.01%以下、80℃でのMEK溶解度は0.1%以下であった。
TEP-IPAの1HNMRチャートを図3に、13CNMRチャートを図4に示す。
得られたTEP-IPAを、ナノジェットマイザーを用いて粉砕し、平均粒径3.2μmの紛体とし、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の調製に用いた。
テトラブチルホスホニウムヒドロキシドの40質量%水溶液552質量部、及びテトラエチルホスホニウムヒドロキシドの8質量%水溶液410質量部の混合物に、イソフタル酸166質量部を加え、混合物を得た。得られた混合物から、減圧蒸留法を用いて水を留去することにより、ホスホニウム塩、すなわち、テトラブチルホスホニウムカチオン及びテトラエチルホスホニウムカチオンと、イソフタル酸のアニオンとの塩(以下、「TBP-IPA/TEP-IPA」と略記する。)402質量部を得た。
得られたTBP-IPA/TEP-IPAは、TBP-IPAとTEP-IPAのモル比(TBP-IPA/TEP-IPA)が79/21の混合物であり、融点が147℃の固体であり、室温でのMEK溶解度は0.01%以下、80℃でのMEK溶解度は0.1%以下であった。
TBP-IPA/TEP-IPAの1HNMRチャートを図5に、13CNMRチャートを図6に示す。
得られたTBP-IPA/TEP-IPAを、ナノジェットマイザーを用いて粉砕し、平均粒径3.5μmの紛体とし、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の調製に用いた。
イソフタル酸の代わりにラウリン酸200質量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてホスホニウム塩、すなわち、テトラブチルホスホニウムカチオンとラウリル酸のアニオンとの塩(以下、「TBP-LA」と略記する。)458質量部を得た。TBP-LAは液体であり、室温及び80℃におけるMEK溶解度は10%以上であった。
イソフタル酸の代わりに2,6-ジ-tert-ブチルフェノール206質量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてホスホニウム塩、すなわち、テトラブチルホスホニウムカチオンと2,6-ジ-tert-ブチルフェノールのアニオンとの塩(以下、「TBP-DTBP」と略記する。)464質量部を得た。TBP-DTBPは、融点100℃以上の固体であり、室温におけるMEK溶解度は50%以上であった。
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(828EL、ジャパンエポキシレジン社製)100質量部にTBP-IPA2.5部をロール分散させ熱硬化性エポキシ樹脂組成物1を調製した。
TBP-IPAに代えてTEP-IPAを用いたこと以外は、応用実施例1と同様にして熱硬化性エポキシ樹脂組成物2を調製した。
TBP-IPAに代えてTBP-IPA/TEP-IPAを用いたこと以外は、応用実施例1と同様にして熱硬化性エポキシ樹脂組成物3を調製した。
TBP-LAを用いたこと以外は、応用実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製した。
2-エチル-4-メチルイミダゾールを2質量部用いたこと以外は、応用実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製した。
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「828EL」)100質量部とフェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「YX6954」)の35wt%固形分のMEK溶液60質量部を配合し、高速回転ミキサーにて混合した。
そして、この混合系にTBP-IPA/TEP-IPA3部及びMEK20質量部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、ワニス状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。次に、このワニス状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmになるよう、ダイコーターにて均一に塗布し、80℃で15分間乾燥させることにより、熱硬化性エポキシ樹脂シートを得た。
一方、ワニス状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を軟鋼板(25mm×100mm×3.2mm)上に塗布し、80℃で15分間乾燥させた後、接着面積が12.5mm×25.0mmとなるよう軟鋼板を重ね、Wクリップにて固定した後130℃、15分硬化させて接着性試験サンプルを作製し、接着性を評価した。
TBP-LAを用いたこと以外は、応用実施例4と同様にして熱硬化性エポキシ樹脂シートを調製した。
TBP-DTBPを用いたこと以外は、応用実施例4と同様にして熱硬化性エポキシ樹脂シートを調製した。
Claims (17)
- 前記固形オニウム塩の、メチルエチルケトンへの80℃での溶解度が、5%以下である、請求項1に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 前記固形オニウム塩の粒径が、100μm以下である、請求項1又は2に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 前記固形オニウム塩の融点が、80℃~200℃である、請求項1~3のいずれか一項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 前記式(2)におけるR5~R8が、水素原子である、請求項5に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 前記ホスホニウムカチオンが、式(1)におけるR1~R4がブチル基であるホスホニウムカチオン(1-1)と、式(1)におけるR1~R4がエチル基であるホスホニウムカチオン(1-2)とを含み、
前記ホスホニウムカチオン(1-1)と前記ホスホニウムカチオン(1-2)とのモル比[(1-1)/(1-2)]が、50/50~95/5である、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。 - 厚さが0.5±0.05mmである硬化物としたとき、前記硬化物における400nmの光透過率が50%以上である、請求項1~7のいずれか一項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 有機溶媒をさらに含有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂をさらに含有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1~10のいずれか一項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を含む、接着剤。
- ペースト状である、請求項11に記載の接着剤。
- フィルム状である、請求項11に記載の接着剤。
- 請求項1~10のいずれか一項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化したエポキシ樹脂硬化物。
- 前記ホスホニウムカチオンが、式(1)におけるR1~R4がブチル基であるホスホニウムカチオン(1-1)と、式(1)におけるR1~R4がエチル基であるホスホニウムカチオン(1-2)とを含み、
前記ホスホニウムカチオン(1-1)と前記ホスホニウムカチオン(1-2)とのモル比[(1-1)/(1-2)]が、50/50~95/5である、請求項15に記載の塩。 - 請求項15又は16に記載の塩を含む、硬化剤。
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