JPH08193122A - 光半導体装置 - Google Patents
光半導体装置Info
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- JPH08193122A JPH08193122A JP543095A JP543095A JPH08193122A JP H08193122 A JPH08193122 A JP H08193122A JP 543095 A JP543095 A JP 543095A JP 543095 A JP543095 A JP 543095A JP H08193122 A JPH08193122 A JP H08193122A
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Abstract
樹脂組成物を用いて光半導体素子を封止してなる光半導
体装置である。 (A)下記の(X)および(Y)の少なくとも(X)を
含有する硬化剤。 (X)環式多価カルボン酸。 (Y)環式多価カルボン酸無水物。 ただし、上記(X)と(Y)との重量混合割合は、〔X
/(X+Y)〕×100=5〜100の範囲である。 (B)エポキシ樹脂。 (C)硬化促進剤。 【効果】上記エポキシ樹脂組成物は、適切なBステージ
状態をとるため、得られる光半導体装置において、ボイ
ド,バリ,カル,未硬化,ワイヤー流れ等の異常が発生
しない。
Description
に優れたエポキシ樹脂組成物を用いて製造される信頼性
の高い光半導体装置およびこれに用いられる光半導体封
止用エポキシ樹脂組成物に関するものである。
たエポキシ樹脂組成物は、光半導体用封止樹脂組成物と
して賞用されている。これは、上記酸無水物が、無色透
明であり、これをエポキシ樹脂のエポキシ基と略同当量
になるように多量に使用すると、エポキシ樹脂の基色で
ある淡黄色さえも消失し無色透明になるからである。
化剤とエポキシ樹脂および必要に応じて硬化促進剤等の
各種添加剤とを配合して加熱溶融し、これをミキシング
ロール等の混練機を用いて混合し、ついで室温で冷却し
て公知の手段により粉砕するという一連の工程により製
造される。また、必要に応じ、この粉砕物を打錠するこ
とが行われている。
公知の手段であるトランスファー成形等により光半導体
素子を封止して光半導体装置が製造されている。
素子の封止は、Bステージ状態のエポキシ樹脂組成物を
用いて行われる。このBステージ状態とは、エポキシ樹
脂と硬化剤との反応がある程度進行した半硬化の状態を
いう(「新エポキシ樹脂,昭晃堂社発行」第771
頁)。そして、光半導体素子の封止が適切に行われるた
めには、エポキシ樹脂組成物が特定のBステージ状態を
とり一定の物性値(例えば、ゲル化時間,粘度,スパイ
ラルフロー値)を示すようになる必要がある。このよう
な特定のBステージ状態のエポキシ樹脂組成物を得るた
めには、エポキシ樹脂と硬化剤との反応を制御する必要
があり、この反応の制御は、通常、エポキシ樹脂と硬化
剤との混練時間の調整によって行われている。しかしな
がら、エポキシ樹脂組成物の適切な混練時間を見極める
ことは困難であり、混練時間が短くなったり、必要以上
に長くなったりしているのが現状である。そして、混練
時間が短いと、得られるエポキシ樹脂組成物の粘性や硬
化性が低くなり、このようなエポキシ樹脂組成物を用い
てトランスファー成形を行うと、得られる光半導体装置
において、ボイド,バリ,カル,未硬化の問題が発生す
る。また、これとは逆に、混練時間が必要以上に長い
と、得られるエポキシ樹脂組成物の粘性が高くなり、こ
のようなエポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成
形を行うと、ワイヤー流れ等の問題が生じる。また、こ
の粘性が高いエポキシ樹脂組成物は、打錠した後の保存
安定性が悪くなり、貯蔵中に流動性の低下等の問題が生
じて光半導体素子の封止に支障を来すようになる。この
ような成形性および保存安定性に劣るエポキシ樹脂組成
物を用いて製造された光半導体装置は、その製造効率が
低下するとともに、信頼性にも劣るようになる。
たもので、成形性および保存安定性に優れたエポキシ樹
脂組成物を用いて光半導体素子を封止してなる信頼性に
優れた光半導体装置の提供をその目的とする。
に、この発明の光半導体装置は、下記の(A)〜(C)
成分を含有するエポシキ樹脂組成物を用いて光半導体素
子を封止してなるという構成をとる。 (A)下記の(X)および(Y)の少なくとも(X)を
含有する硬化剤。 (X)環式多価カルボン酸。 (Y)環式多価カルボン酸無水物。 ただし、上記(X)と(Y)との重量混合割合は、〔X
/(X+Y)〕×100=5〜100の範囲である。 (B)エポキシ樹脂。 (C)硬化促進剤。
連の研究を重ねた。その過程で、エポキシ樹脂組成物を
特定のBステージ状態にすることが困難であるのは、エ
ポキシ樹脂と硬化剤とを混合する際に発生する反応熱に
起因することを突き止めた。すなわち、この反応熱によ
って、エポキシ樹脂と硬化剤との反応が急激に進行して
硬化がかなり進んだ状態となり、得られるエポキシ樹脂
の粘性が必要以上に高くなる。そして、この急激な反応
を恐れ、混合時間を短くすると、前述のように、エポキ
シ樹脂組成物の粘性および硬化性が低下してしまうとい
う問題が生じる。そこで、この反応熱の抑制を目的にさ
らに研究を重ねた結果、上記特定の硬化剤(X),
(Y)を混合して得られる硬化剤(A)を用いると、エ
ポキシ樹脂組成物調製時の反応熱の発生を抑制すること
が可能となり、適切なBステージ状態のエポキシ樹脂組
成物を得ることが可能となることを見出しこの発明に到
達した。この発明により、製造効率が高く信頼性に優れ
た光半導体装置の提供が可能となる。なお、上記硬化剤
(A)は、特定の硬化剤(X)のみでも所定の作用を奏
するものである。
ン酸とは、シクロヘキサンやベンゼン等のような環状構
造と2個以上のカルボキシル基とを備えるものをいい、
また環式多価カルボン酸無水物とは、上記環式多価カル
ボン酸の酸無水物をいう。
分),エポキシ樹脂(B成分),硬化促進剤(C成分)
を含有するエポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子を
封止することにより得られる。
よび(Y)の少なくとも(X)を含有するものである。 (X)環式多価カルボン酸。 (Y)環式多価カルボン酸無水物。
は、芳香族カルボン酸や、エステル結合を有する芳香族
カルボン酸があげられる。
般式(1),一般式(2),一般式(3)で表されるカ
ルボン酸があげられる。
例えば、フタル酸,マレイン酸,トリメリット酸,パイ
ロメリット酸,ヘキサヒドロフタル酸,テトラヒドロフ
タル酸,メチルナジック酸,ナジック酸,グルタル酸が
あげられる。これらは単独であるいは2種類以上併用さ
れる。このなかでも、成形性が良いという理由から、ヘ
キサヒドロフタル酸,テトラヒドロフタル酸を用いるこ
とが好ましく、特に好ましくは、ヘキサヒドロフタル酸
である。
カルボン酸としては、芳香族カルボン酸のカルボキシル
基1当量と多価アルコールの水酸基1当量とをエステル
反応させて得られるものがあげられる。これは、例え
ば、芳香族カルボン酸のカルボキシル基1当量に対し、
多価アルコール0.02〜0.6水酸基当量、好ましく
は、0.05〜0.3水酸基当量を80〜100℃で3
0分〜16時間、好ましくは2〜6時間反応させること
により得ることができる。このようなエステル結合を有
する芳香族カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカル
ボン酸と2価アルコールとを反応させて得られる下記の
一般式(4)で表されるものがあげられる。
(Y)としては、例えば、無水フタル酸,無水マレイン
酸,無水トリメリット酸,無水パイロメリット酸,ヘキ
サヒドロ無水フタル酸,テトラヒドロ無水フタル酸,無
水メチルナジック酸,無水ナジック酸,無水グルタル酸
があげられる。これらは単独であるいは2種類以上併用
される。このなかでも、成形性が良いという理由から、
無水フタル酸,テトラヒドロ無水フタル酸が好ましく、
特に好ましくはテトラヒドロ無水フタル酸である。
(Y)は、上記環式多価カルボン酸(X)と併用して用
いることが好ましい。すなわち、両者(X)と(Y)と
を併用することにより、エポキシ樹脂組成物の調製時に
発生する反応熱が効果的に抑制されるからである。この
両者(X)と(Y)との重量混合割合は、〔X/(X+
Y)〕×100=5〜100の範囲である。好ましく
は、〔X/(X+Y)〕×100=5〜80の範囲であ
る。すなわち、上記混合割合が、5未満であると、得ら
れる封止用樹脂組成物において、成形性や保存性の向上
がなくなり、逆に80を超えて配合すると、流動性の低
下を生じるおそれがあるからである。
は、一般に、エポキシ樹脂(B成分)のエポキシ1当量
に対してカルボン酸当量が、0.5〜1.5の範囲、好
ましくは0.8〜1.2の範囲となるような配合割合で
ある。なお、上記カルボン酸当量とは、環式多価カルボ
ン酸(X)のみの場合は、カルボン酸当量を示し、環式
多価カルボン酸(X)と環式多価カルボン酸無水物
(Y)との双方を含有する場合は、カルボン酸当量とカ
ルボン酸無水物当量の合計をいう。
記環式多価カルボン酸(X)および環式多価カルボン酸
無水物(Y)に加え、アミン系硬化剤やフェノール樹脂
系硬化剤等のその他の硬化剤を併用することも可能であ
る。上記アミン系硬化剤としては、メタフェニルレジン
ジアミン,ジメチルジフェニルメタン,ジアミノジフェ
ニルスルホン,m−キシレンジアミン,テトラエチレン
ペンタミン,プロピルアミン等があげられる。そして、
上記フェノール樹脂系硬化剤としては、ノボラックフェ
ノール,クレゾールノボラックフェノール等があげられ
る。
シ樹脂組成物の母材となるエポキシ樹脂(B成分)につ
いて説明する。
来から光半導体装置の分野で用いられる着色の少ないも
のであれば、特に制限するものではない。このようなエ
ポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂,脂環式エポキシ樹脂,トリグリ
シジルイソシアヌレート,ヒダントインエポキシ,水添
加ビスフェノールA型エポキシ樹脂,脂肪族系エポキシ
樹脂,グリシジルエーテル型エポキシ樹脂等があげら
れ、単独であるいは2種類以上併用される。このなかで
も、透明性が優れるという理由から、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂,脂環式エポキシ樹脂,トリグリシジル
イソシアヌレートが好ましく、特に好ましくは、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂である。
シ樹脂組成物には、硬化促進剤(C成分)が用いられ
る。この硬化促進剤(C成分)としては、特に制限する
ものではなく、例えば、三級アミン,イミダゾール類,
金属石鹸類,有機ホスフィン化合物があげられる。
チルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミ
ン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチルアニ
リン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N
−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ(5.
4.0)ウンデセン−7があげられる。
−メチルイミダゾール,2−エチルイミダゾール,2−
メチル−4−メチルイミダゾール,1−シアノエチル−
2−メチルイミダゾール,1−シアノエチル−2−フェ
ニルイミダゾール,1−アジン−2−メチルイミダゾー
ル,2−エチル−4−メチルイミダゾールがあげられ
る。
ン酸あるいはオクトエ酸のコバルト塩,パナジウム塩,
マンガン塩があげられる。
ば、トリフェニルホスフィン,テトラ−n−ブチルフス
フォニウムヨーダイド,トリ−n−ブチルオクチルホス
フォニウムブロマイドがあげられる。
化性が好ましいという理由から、1,8−ジアザビシク
ロ(5.4.0)ウンデセン−7、2−エチル−4−メ
チルイミダゾールが好ましく、特に好ましくは2−エチ
ル−4−メチルイミダゾールである。
合は、一般に、エポキシ樹脂(B成分)100重量部
(以下「部」と略す)に対し、0.2〜5.0部、好ま
しくは0.4〜3.0部の範囲である。
シ樹脂組成物には、上記A〜C成分以外に、必要に応じ
て着色防止剤,変性剤,劣化防止剤,離型剤等の従来か
らエポキシ樹脂組成物に用いられてきた各種添加剤を配
合することが可能である。
合物,アミン系化合物,有機硫黄系化合物,ホスフィン
系化合物等があげられる。
リン酸およびこれらの金属塩、あるいはポリエチレン系
のものやカルバナ等があげられる。
シ樹脂組成物は、上記原料を用い、つぎのようにして製
造される。
エポキシ樹脂(B成分),硬化促進剤(C成分)と必要
に応じて上記各種添加剤を所定の割合で配合する。そし
て、これらを、ドライブレンド法や溶融ブレンド法等の
公知の方法により混練する。この混練の際に、上記特殊
な硬化剤(A成分)の作用により、反応熱の発生が抑制
され、最適なBステージ状態のエポキシ樹脂組成物とす
ることができる。ついで、この混練物を室温まで冷却し
て粉砕し、さらに必要に応じて打錠することによりエポ
キシ樹脂組成物を作製することができる。
用いての光半導体素子の封止は、特に限定するものでは
なく、トランスファー成形等の一般的なモールド法によ
り行うことができる。この光半導体素子の封止におい
て、エポキシ樹脂組成物が最適の粘性や硬化性を備えて
いるため、支障なく封止作業を行うことができる。ま
た、得られる光半導体装置においても、ボイド,バリ,
カル,未硬化,ワイヤー流れ等の問題が発生しなくな
る。
は、光半導体素子の封止において、特殊な硬化剤(A成
分)を用いたエポキシ樹脂組成物を用いるものである。
すなわち、上記特殊な硬化剤(A成分)の作用によりエ
ポキシ樹脂組成物調製時の反応熱の発生が抑制されるた
め、得られるエポキシ樹脂組成物が、粘性や硬化性等の
成形性に優れるBステージ状態となる。したがって、こ
の適切なBステージ状態のエポキシ樹脂組成物を用いて
光半導体素子を封止すると、ボイド,バリ,カル,未硬
化,ワイヤー流れ等の問題が発生しなくなり、得られる
光半導体装置の信頼性が高くなるとともに、その製造効
率も向上するようになる。また、このエポキシ樹脂組成
物は、保存安定性にも優れ、長期間貯蔵しても、適度な
粘性を示し、必要時にいつでも使用できるという利点も
有する。
明する。
に示す、環式多価カルボン酸(X)である3種類の硬化
剤L,M,Nを準備した。
部およびプロピレングリコール1.24部を反応容器に
仕込み、100〜120℃で10時間反応させて硬化剤
Lを調製した。この硬化剤Lは、芳香族カルボン酸とエ
ステル結合を有する芳香族カルボン酸との硬化剤であ
る。
量を3.7部とした以外は、上記硬化剤Lと同様にして
硬化剤Mを調製した。この硬化剤Mは、芳香族カルボン
酸とエステル結合を有する芳香族カルボン酸との硬化剤
である。
量を7.4部とした他は、上記硬化剤Lと同様にして硬
化剤Nを調製した。この硬化剤Nは、芳香族カルボン酸
とエステル結合を有する芳香族カルボン酸との硬化剤で
ある。
2に示す配合割合により、同表に示す各種材料を配合
し、これをミキシングロールを用いて溶融混練(120
℃)し、ついで室温で冷却して粉砕することにより、目
的とするエポキシ樹脂組成物を得た。
物について、保存安定性および成形性について調べた。
その結果を後記の表3および表4に示す。なお、保存安
定性および成形性は、下記に示すようにして調べた。
フロー(SF)保持率(%)により評価した。すなわ
ち、25℃の条件で、SF試験器を用い、製造直後およ
び168時間経過後のエポキシ樹脂組成物のSF値を測
定し、SF保持率(%)を算出した。
半導体素子を封止し光半導体装置を作製した。この封止
時に、ワイヤー流れ発生の有無を確認するとともに、得
られた光半導体装置について、ボイド,バリ,カル,未
硬化の発生の有無を確認した。そして、上記異常が全く
なく成形性に著しく優れたものを◎、上記異常がなく成
形性に優れたものを○、ワイヤー流れ等が僅かに確認さ
れたものを△、ワイヤー流れ等が発生して成形性に劣る
ものを×で表した。
ポキシ樹脂組成物は、保存安定性に優れていることがわ
かる。また、全実施例品のエポキシ樹脂組成物は、成形
性に優れ、これを用いて光半導体装置を作製しても、ワ
イヤー流れ等の異常が発生しなかった。そして、得られ
た光半導体装置は、信頼性に優れていた。これに対し比
較例品のエポキシ樹脂組成物は、保存安定および成形性
に劣っていた。特に、、比較例2品のエポキシ樹脂組成
物は、保存安定性が悪く、また光半導体素子の封止時に
ワイヤー流れの発生が確認された。そして、比較例3品
のエポキシ樹脂組成物は、保存安定性が極めて悪く、ま
た、ワイヤー流れ等の異常が発生し、成形性に劣ってい
た。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記の(A)〜(C)成分を含有するエ
ポシキ樹脂組成物を用いて光半導体素子を封止してなる
光半導体装置。 (A)下記の(X)および(Y)の少なくとも(X)を
含有する硬化剤。 (X)環式多価カルボン酸。 (Y)環式多価カルボン酸無水物。 ただし、上記(X)と(Y)との重量混合割合は、〔X
/(X+Y)〕×100=5〜100の範囲である。 (B)エポキシ樹脂。 (C)硬化促進剤。 - 【請求項2】 下記の(A)〜(C)成分を含有するこ
とを特徴とする光半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 (A)下記の(X)および(Y)の少なくとも(X)を
含有する硬化剤。 (X)環式多価カルボン酸。 (Y)環式多価カルボン酸無水物。 ただし、上記(X)と(Y)との重量混合割合は、〔X
/(X+Y)〕×100=5〜100の範囲である。 (B)エポキシ樹脂。 (C)硬化促進剤。
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