JP2009013263A - 光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、光透過性および低応力性の双方に優れた光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いて樹脂封止された光半導体装置に関するものである。
発光ダイオード(LED)等の光半導体素子を封止する際に用いられる封止用樹脂組成物としては、その硬化物が透明性を有することが要求されることから、一般に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、硬化剤に酸無水物とを用いて得られるエポキシ樹脂組成物が汎用されている。
また、その耐熱性、さらには含有イオン性不純物の低減という観点から、下記の構造式(2)で表される脂環式エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記構造式(2)で表される脂環式エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物を用いて樹脂封止してなる光半導体装置としては、この脂環式エポキシ樹脂によりガラス転移温度(Tg)が高いことに起因して、樹脂硬化体の機械的な脆さ、また吸湿性が高いことから、このエポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子を封止した場合、機械的応力に対する樹脂のクラック性の低下や耐湿信頼性に関しても充分に満足のいくものではなかった。このようなことから、低応力でかつ低吸湿な封止材料となりうるエポキシ樹脂組成物が要望されている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、光透過性はもちろん、低吸湿で内部応力が小さく、機械的なストレスに対する樹脂クラック性に優れた光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の(A)〜(D)成分を含有する光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を第1の要旨とする。
(A)下記の構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂を必須成分とするエポキシ樹脂成分。
(B)硬化剤。
(C)硬化促進剤。
(D)チオール。
(A)下記の構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂を必須成分とするエポキシ樹脂成分。
(C)硬化促進剤。
(D)チオール。
また、本発明は、上記光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子を樹脂封止してなる光半導体装置を第2の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、従来の耐光性および耐熱性の特徴を有する脂環式構造を伴うエポキシ樹脂がもつ樹脂の脆さ、吸湿性の欠点を補うべく鋭意検討を重ねた。その研究の過程で、低応力かつ低吸水率のエポキシ樹脂組成物硬化体を得ることができるということから、上記特殊な構造を有する構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂を用いることを想起した。しかし、上記脂環式エポキシ樹脂を用いた場合、非常に結晶化しやすい特徴を有し、例えば、保管時に結晶が析出して作業性の低下を招くという問題が生じる。したがって、従来のエポキシ樹脂を併用することにより、上記問題を解決することが提案されたが、従来のエポキシ樹脂の併用により機械的応力が大きくなり、光半導体素子が劣化し、輝度が低下するという新たな問題が生じるという知見を得た。この知見に基づき、さらに研究を重ねた結果、上記構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂を必須成分としたエポキシ樹脂成分(A)を用いるとともに、チオール(D)を併用すると、内部応力の低減による耐クラック性の向上および耐湿性の向上が実現することを見出し本発明に到達した。
以上のように、本発明は、前記構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂を必須成分とするエポキシ樹脂成分(A)およびチオール(D)を含有する光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物である。このため、内部応力の低減が図られ、低応力化が実現し、しかも優れた耐湿性を有することから、光半導体素子の劣化を効果的に防止することができる。したがって、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物によって光半導体素子が封止された光半導体装置は、信頼性に優れ、その機能を充分に発揮することができる。
そして、上記構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂の含有割合を、エポキシ樹脂成分〔(A)成分〕全体の20〜85重量%の範囲に設定すると、低応力性の向上が実現し、かつ結晶の析出による作業性の低下が抑制され、光半導体素子用封止材料として一層優れたものとなる。
また、上記チオール(D)として、n−アルキルチオール、特にn−ドデシルチオールを用いると、一層の内部応力の低減が図られ、リードフレームとの接着力も制御することにより、光半導体素子の劣化を効果的に防止することができる。
本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物は、特定のエポキシ樹脂を必須成分とするエポキシ樹脂成分(A成分)と、硬化剤(B成分)と、硬化促進剤(C成分)と、チオール(D成分)とを用いて得られるものである。
上記特定のエポキシ樹脂を必須成分とするエポキシ樹脂成分(A成分)における上記特定のエポキシ樹脂とは、下記の構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂であり、シクロヘキシル環構造が主鎖部に導入された特殊なエポキシ樹脂である。このような構造を有することにより、ガラス転移温度(Tg)を低くすることが可能となり、低応力性の改善が図られるのである。
そして、エポキシ樹脂成分(A成分)全体としては、上記構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂のみで構成してもよいが、他のエポキシ樹脂を併用してもよい。
上記他のエポキシ樹脂としては、特に限定するものではなく従来公知の各種エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントインエポキシ樹脂等の含窒素環エポキシ樹脂、水添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、低吸水率硬化体タイプの主流であるビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロ環型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらエポキシ樹脂の中でも、透明性および耐変色性に優れるという点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートを用いることが好ましい。より具体的には、耐熱光透過性,低イオン性不純物等の観点から、下記の構造式(2)で表される脂環式エポキシ樹脂を併用することが特に好ましい。
本発明においては、上記構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂とともに上記他のエポキシ樹脂を併用する場合は、低応力性および結晶の析出という観点から、上記構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分全体の20〜85重量%の割合で用いることが好ましく、より好ましくは30〜85重量%の範囲に設定することである。すなわち、上記構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂がエポキシ樹脂成分全体の20重量%未満では、耐湿性および低応力性の向上効果が得られ難く、また全体の85重量%を超えると、結晶の析出が生じて、作業性の低下を招く傾向がみられるからである。
そして、このようなエポキシ樹脂成分(A成分)としては、常温で固形でも液状でもよいが、一般に、使用するエポキシ樹脂の平均エポキシ当量が90〜1000であることが好ましく、また固形の場合には、軟化点が160℃以下のものが好ましい。すなわち、エポキシ当量が90より小さい場合には、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の硬化体が脆くなる場合がある。また、エポキシ当量が1000を超える場合には、その硬化体のガラス転移温度(Tg)が低くなる場合があるからである。なお、本発明において、上記常温とは、5〜35℃の範囲をいう。
上記硬化剤(B成分)としては、例えば、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤があげられる。上記酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これら酸無水物系硬化剤の中でも、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸を用いることが好ましい。上記酸無水物系硬化剤としては、その分子量が140〜200程度のものが好ましく、また無色ないし淡黄色の酸無水物が好ましい。
一方、上記フェノール系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂系硬化剤等があげられる。
上記エポキシ樹脂成分(A成分)と硬化剤(B成分)との配合割合は、上記エポキシ樹脂成分(A成分)中のエポキシ基1当量に対して、硬化剤(B成分)におけるエポキシ基と反応可能な活性基(酸無水基または水酸基)が0.5〜1.5当量となるような割合に設定することが好ましく、より好ましくは0.7〜1.2当量である。すなわち、活性基が0.5当量未満の場合には、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の硬化速度が遅くなるとともに、その硬化体のガラス転移温度が低くなる傾向がみられ、1.5当量を超えると、耐湿性が低下する傾向がみられるからである。
また、上記硬化剤(B成分)としては、その目的および用途によっては、上記酸無水物系硬化剤およびフェノール系硬化剤以外に、従来から公知のエポキシ樹脂の硬化剤、例えば、アミン系硬化剤、上記酸無水物系硬化剤をアルコールで部分エステル化したもの、またはヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等の多価カルボン酸の硬化剤を単独で、もしくは酸無水物系硬化剤およびフェノール系硬化剤と併用してもよい。例えば、多価カルボン酸の硬化剤を併用した場合には、エポキシ樹脂と速やかに反応し、必要な粘度のBステージ状(半硬化状)の樹脂組成物がゲル化することなく得られ、組成物の生産性を向上させることができる。なお、これらの硬化剤を用いる場合においても、その配合割合は、酸無水物系硬化剤およびフェノール系硬化剤を用いた場合の配合割合(当量比)に準じればよい。
上記A成分およびB成分とともに用いられる硬化促進剤(C成分)としては、特に限定されるものではなく、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリ−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノール等の3級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート等のリン化合物、4級アンモニウム塩、有機金属塩類、およびこれらの誘導体等があげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上併せて用いてもよい。これら硬化促進剤の中でも、3級アミン類、イミダゾール類、リン化合物を用いることが好ましい。
上記硬化促進剤(C成分)の含有量は、上記エポキシ樹脂成分(A成分)100重量部(以下「部」と略す)に対して0.01〜8.0部に設定することが好ましく、より好ましくは0.1〜3.0部である。すなわち、0.01部未満では、充分な硬化促進効果が得られ難く、また8.0部を超えると、得られる硬化体に変色がみられる場合があるからである。
上記A〜C成分とともに用いられるチオール(D成分)としては、アルキルチオールが好ましく、なかでもn−アルキルチオールが好ましい。さらには、炭素数9〜15のn−アルキルチオールが一層好ましく、特に樹脂との相溶性向上や内部応力の緩和という点から、n−ドデシルチオールを用いることが好ましい。
上記チオール(D成分)の含有割合は、上記エポキシ樹脂成分(A成分)100部に対して、0.25〜2.0部に設定することが好ましく、より好ましくは0.25〜0.80部である。すなわち、0.25部未満では、充分な内部応力の緩和効果がみられ難く、2.0部を超えると、硬化体全体のガラス転移温度(Tg)が低下して、光半導体装置としての信頼性が低下する傾向がみられるからである。
さらに、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物には、前記特定のエポキシ樹脂を必須成分とするエポキシ樹脂成分(A成分)、硬化剤(B成分)、硬化促進剤(C成分)およびチオール(D成分)以外に、必要に応じて、従来から用いられている、劣化防止剤、変性剤、シランカップリング剤、脱泡剤、レベリング剤、離型剤、染料、顔料等の公知の各種の添加剤を適宜配合してもよい。
上記劣化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、ホスフィン系化合物等の従来から公知の劣化防止剤があげられる。上記変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類、アルコール類等の従来から公知の変性剤があげられる。上記シランカップリング剤としては、例えば、シラン系、チタネート系等の従来から公知のシランカップリング剤があげられる。また、上記脱泡剤としては、例えば、シリコーン系等の従来公知の脱泡剤があげられる。
そして、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、次のようにして製造することによって、液状、粉末状、もしくは、その粉末を打錠したタブレット状として得ることができる。すなわち、液状の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を得るには、例えば、上記した各成分、すなわち、上記A〜D成分、および、必要により配合される各種添加剤を適宜配合すればよい。また、粉末状、もしくは、その粉末を打錠したタブレット状として得るには、例えば、上記した各成分を適宜配合し、予備混合した後、混練機を用いて混練して溶融混合し、ついで、これを室温まで冷却した後、公知の手段によって、粉砕し、必要に応じて打錠することにより製造することができる。
このようにして得られた本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物は、LED、電荷結合素子(CCD)等の光半導体素子の封止用として用いられる。すなわち、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、光半導体素子を封止するには、特に制限されることはなく、通常のトランスファー成形や注型などの公知のモールド方法により行なうことができる。なお、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物が液状である場合には、少なくともエポキシ樹脂成分と硬化剤とをそれぞれ別々に保管しておき、使用する直前に混合する、いわゆる2液タイプとして用いればよい。また、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物が粉末状、もしくは、タブレット状である場合には、上記した各成分を溶融混合する時に、Bステージ(半硬化状態)としておき、これを使用時に加熱溶融すればよい。
そして、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物によって、光半導体素子を封止することにより、内部応力の低減化が図られ、また耐湿性の向上により光半導体素子の劣化を有効に防止することができる。そのため、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物によって光半導体素子が封止された、本発明の光半導体装置は、信頼性および低応力性に優れ、その機能を充分に発揮することができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
実施例に先立って下記に示す各成分を準備した。
〔エポキシ樹脂a〕
前記構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂(エポキシ当量208)
前記構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂(エポキシ当量208)
〔エポキシ樹脂b〕
前記構造式(2)で表される脂環式エポキシ樹脂(エポキシ当量134)
前記構造式(2)で表される脂環式エポキシ樹脂(エポキシ当量134)
〔酸無水物系硬化剤〕
4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(x)とヘキサヒドロ無水フタル酸(y)の混合物(混合重量比x:y=7:3)(酸無水当量168)
4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(x)とヘキサヒドロ無水フタル酸(y)の混合物(混合重量比x:y=7:3)(酸無水当量168)
〔チオール系化合物〕
n−ドデシルチオール
n−ドデシルチオール
〔硬化触媒〕
テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロンジチオエート
テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロンジチオエート
〔劣化防止剤〕
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド
〔消泡剤〕
シリコーンオイル
シリコーンオイル
〔変性剤〕
プロピレングリコール
プロピレングリコール
〔実施例1〜6、比較例1〜3〕
下記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合し、80〜110℃で溶融混合することにより、ポッティング用のエポキシ樹脂組成物を作製した。
下記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合し、80〜110℃で溶融混合することにより、ポッティング用のエポキシ樹脂組成物を作製した。
このようにして得られた各エポキシ樹脂組成物を用い、結晶化,輝度低下率をそれぞれ下記の方法にしたがって測定・評価した。これらの結果を後記の表2〜表3に示した。
〔結晶化〕
実施例および比較例にて使用したエポキシ樹脂成分のみを混合してサンプルを作製し、これを室温(25℃)にて24時間放置した。そして、結晶が析出したか否かを目視により観察した。
実施例および比較例にて使用したエポキシ樹脂成分のみを混合してサンプルを作製し、これを室温(25℃)にて24時間放置した。そして、結晶が析出したか否かを目視により観察した。
〔輝度低下率〕
各エポキシ樹脂組成物を用いて、リードフレーム(42アロイにAgメッキを施したもの)上に設置した光半導体素子GaN系LED(チップサイズ:0.3mm×0.3mm)をポッティング(120℃×1時間)により直径5mmの砲弾型ランプに封止し、さらに150℃で3時間硬化させることにより、光半導体装置を作製した。そして、初期の輝度を測定し(電流値は20mA)、その輝度を基準に100%として、常温(25℃)における300時間後、1000時間後の輝度をそれぞれ測定し輝度の低下率(%)を測定・算出した。同様に、恒温恒湿(85℃/85%RH)における300時間後、1000時間後の輝度をそれぞれ測定し輝度の低下率(%)を測定・算出した。なお、各光半導体装置のサンプル数(n数)は20個とした。
各エポキシ樹脂組成物を用いて、リードフレーム(42アロイにAgメッキを施したもの)上に設置した光半導体素子GaN系LED(チップサイズ:0.3mm×0.3mm)をポッティング(120℃×1時間)により直径5mmの砲弾型ランプに封止し、さらに150℃で3時間硬化させることにより、光半導体装置を作製した。そして、初期の輝度を測定し(電流値は20mA)、その輝度を基準に100%として、常温(25℃)における300時間後、1000時間後の輝度をそれぞれ測定し輝度の低下率(%)を測定・算出した。同様に、恒温恒湿(85℃/85%RH)における300時間後、1000時間後の輝度をそれぞれ測定し輝度の低下率(%)を測定・算出した。なお、各光半導体装置のサンプル数(n数)は20個とした。
上記結果から、実施例品は、輝度低下率が低く、常温および恒温恒湿の双方においても、低下率は90%以上であった。また、特定のエポキシ樹脂とともに従来のエポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分全体の20〜85重量%の割合で併用してなる実施例2,3,5,6品は結晶も析出せず作業性においても良好なものであることが明らかである。
これに対して、比較例1,2品は、構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂を用いているが、チオールを含有しないため、輝度低下率が著しいものとなった。
Claims (5)
- 上記構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂の含有割合が、エポキシ樹脂成分(A)全体の20〜85重量%の割合に設定されている請求項1記載の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物。
- 上記チオール(D)が、n−アルキルチオールである請求項1または2記載の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物。
- 上記n−アルキルチオールが、n−ドデシルチオールである請求項3記載の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子を樹脂封止してなる光半導体装置。
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