JP2007204643A - 光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置 - Google Patents

光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】接着応力性に優れ、硬化物の表面硬度が高く、しかも耐光劣化性に優れた光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記の(A)成分および(B)成分を含有する光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物である。
(A)末端にグリシジル基を有し、かつ分子内にビスフェノールA骨格とジメチルシロキサン骨格とグリセロール骨格とを有する末端エポキシ共重合化合物を主成分とするエポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、光透過性および低応力性の双方に優れ、しかも短波長(例えば350〜500nm)に対する耐光性にも優れた光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いて樹脂封止された光半導体装置に関するものである。
発光ダイオード(LED)等の光半導体素子を封止する際に用いられる封止用樹脂組成物としては、その硬化物が透明性を有することが要求され、一般に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、硬化剤に酸無水物とを用いて得られるエポキシ樹脂組成物が汎用されている。
また、その透過性、耐熱性、耐光性という観点から、下記の構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物(特許文献1参照)や、熱硬化シリコーン系樹脂を用いた封止用樹脂組成物が提案されている(特許文献2参照)。
Figure 2007204643
特開平7−309927号公報 特開2005−272697号公報
しかしながら、上記構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物は、このエポキシ樹脂組成物を用いて光半導体装置を作製した場合、発光波長の短波長(350〜500nm)化に伴い、このような短波長に対する充分な耐光劣化性を満足することができないという問題があった。また、上記熱硬化シリコーン系樹脂を用いた封止用樹脂組成物は、光半導体装置を構成する部品との接着力の低下と、樹脂組成物硬化体の硬度の低下に伴う信頼性の低下という問題を有している。このようなことから、従来の封止材料に比べて、耐光劣化性と接着性に優れ、高い信頼性を備えた封止材料となりうるエポキシ樹脂組成物が要望されている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、接着応力性に優れ、硬化物の表面硬度が高く、しかも耐光劣化性に優れた光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた高信頼性の光半導体装置の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の(A)〜(B)成分を含有する光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を第1の要旨とする。
(A)末端にグリシジル基を有し、かつ分子内にビスフェノールA骨格とジメチルシロキサン骨格とグリセロール骨格とを有する末端エポキシ共重合化合物を主成分とするエポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
また、本発明は、上記光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子を樹脂封止してなる光半導体装置を第2の要旨とする。
本発明者は、従来の耐光性および耐熱性の特徴を有する脂環式構造を伴うエポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物の耐光劣化性や、熱硬化シリコーン系樹脂を用いた樹脂組成物が有する硬度不足という欠点を補うべく鋭意検討を重ねた。そして、封止材料における主要成分となるエポキシ樹脂成分に着目し、上記のような欠点を補うことを可能とするエポキシ樹脂成分を中心にさらに研究を重ねた結果、上記末端にグリシジル基を有し、分子内にビスフェノールA骨格とジメチルシロキサン骨格とグリセロール骨格とを有する特殊な構造を有する末端エポキシ共重合化合物を用いることを想起した。すなわち、上記末端エポキシ共重合化合物を用いることにより、その特殊な骨格構造に由来した、剛直セグメントと柔軟セグメントとの相互作用によって、LED等の光半導体素子を封止する際に生じる応力を緩和し、長期信頼性を高めるとともに、ジメチルシロキサン骨格に由来する耐光性や、接着特性が良好で、かつその硬化体の表面硬度が高く、優れた耐光劣化性が得られることを見出し本発明に到達した。
このように、本発明は、前記特殊な構造を有する末端エポキシ共重合化合物を主成分とするエポキシ樹脂(A成分)を含有する光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物である。このため、優れた接着信頼性を備えるとともに、耐光劣化性にも優れており、この光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を用いて封止された光半導体装置の劣化を効果的に防止することができる。したがって、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物によって光半導体素子が封止された光半導体装置は、信頼性に優れ、その機能を充分に発揮することができる。
本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物は、特定の末端エポキシ共重合化合物を主成分とするエポキシ樹脂(A成分)と、硬化剤(B成分)とを用いて得られるものである。なお、本発明において、上記主成分とするとは、エポキシ樹脂(A成分)が特定の末端エポキシ共重合化合物のみからなる場合も含める趣旨である。
上記特定の末端エポキシ共重合化合物を主成分とするエポキシ樹脂(A成分)における上記特定の末端エポキシ共重合化合物とは、末端にグリシジル基を有し、かつ分子内にビスフェノールA骨格とジメチルシロキサン骨格とグリセロール骨格とを有する、特殊な骨格構造を備えた末端エポキシ共重合化合物である。このような特殊な構造を有する共重合化合物は、硬いアルキル鎖部分と、柔軟性を有するシリコーン鎖部分とがブロック共重合体で存在しており、光劣化に対する耐性と、優れた接着力および表面硬度を有する。このようなシリコーン鎖部分の占める割合は、特殊な構造を有する共重合化合物全体の10重量%以上となるように設定することが好ましく、耐光性の安定性という観点から共重合化合物全体の20重量%以上であることが特に好ましい。なお、このシリコーン鎖部分の共重合化合物全体に占める割合の上限は70重量%である。
また、共重合化合物中のビスフェノールA骨格とジメチルシロキサン骨格をつなぐ構造部分として、アルキルカルボン酸残基、ヘキセニル基、アクリル基、メタクリル基等があげられ、これら構造を共重合化合物中に含有することができる。
さらに、上記ジメチルシロキサン骨格中のメチル基の一部が、任意の置換基、例えば、フェニル基、ビニル基等で置換されていてもよい。
このような特殊な共重合化合物は、具体的には、ハンゼ−ケミー(Hanse-Chemie)社製のAlbifrex-296等があげられる。
そして、エポキシ樹脂(A成分)全体としては、上記特殊な共重合化合物のみで構成してもよいが、他のエポキシ樹脂を併用してもよい。
上記他のエポキシ樹脂としては、特に限定するものではなく従来公知の各種エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントインエポキシ樹脂等の含窒素環エポキシ樹脂、水添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、低吸水率硬化体タイプの主流であるビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロ環型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらエポキシ樹脂の中でも、透明性および耐変色性に優れるという点から、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートを用いることが好ましい。より具体的には、耐熱光透過性,低粘度等の観点から、下記の構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂を併用することが特に好ましい。
Figure 2007204643
本発明においては、上記特殊な共重合化合物とともに上記他のエポキシ樹脂を併用する場合は、耐光性や低応力性という観点から、上記特殊な共重合化合物をエポキシ樹脂(A成分)全体の40〜100重量%の割合で用いることが好ましく、より好ましくは60〜100重量%の範囲に設定することである。すなわち、上記特殊な共重合化合物がエポキシ樹脂(A成分)全体の40重量%未満では、接着性および耐光劣化性の向上効果が得られ難くなる傾向がみられるからである。
そして、このようなエポキシ樹脂(A成分)としては、常温で固形でも液状でもよいが、一般に、使用するエポキシ樹脂の平均エポキシ当量が90〜1000であることが好ましく、また固形の場合には、軟化点が160℃以下のものが好ましい。すなわち、エポキシ当量が90より小さい場合には、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の硬化体が脆くなる場合がある。また、エポキシ当量が1000を超える場合には、その硬化体のガラス転移温度(Tg)が低くなる場合があるからである。なお、本発明において、上記常温とは、5〜35℃の範囲をいう。
上記エポキシ樹脂(A成分)とともに用いられる硬化剤(B成分)としては、例えば、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤があげられる。そして、上記酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これら酸無水物系硬化剤の中でも、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸を用いることが好ましい。上記酸無水物系硬化剤としては、その分子量が140〜200程度のものが好ましく、また無色ないし淡黄色の酸無水物が好ましい。
一方、上記フェノール系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂系硬化剤等があげられる。
上記エポキシ樹脂(A成分)と硬化剤(B成分)との配合割合は、上記エポキシ樹脂(A成分)中のエポキシ基1当量に対して、硬化剤(B成分)におけるエポキシ基と反応可能な活性基(酸無水基または水酸基)が0.5〜1.5当量となるような割合に設定することが好ましく、より好ましくは0.7〜1.2当量である。すなわち、活性基が0.5当量未満の場合には、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の硬化速度が遅くなるとともに、その硬化体のガラス転移温度(Tg)が低くなる傾向がみられ、1.5当量を超えると、耐湿性が低下する傾向がみられるからである。
また、上記硬化剤(B成分)としては、その目的および用途によっては、上記酸無水物系硬化剤およびフェノール系硬化剤以外に、従来から公知のエポキシ樹脂の硬化剤、例えば、アミン系硬化剤、上記酸無水物系硬化剤をアルコールで部分エステル化したもの、またはヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等の多価カルボン酸の硬化剤を単独で、もしくは酸無水物系硬化剤およびフェノール系硬化剤と併用してもよい。例えば、多価カルボン酸の硬化剤を併用した場合には、エポキシ樹脂と速やかに反応し、必要な粘度のBステージ状(半硬化状)の樹脂組成物がゲル化することなく得られ、組成物の生産性を向上させることができる。なお、これらの硬化剤を用いる場合においても、その配合割合は、酸無水物系硬化剤およびフェノール系硬化剤を用いた場合の配合割合(当量比)に準じればよい。
さらに、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物には、前記特殊な共重合化合物を主成分とするエポキシ樹脂(A成分)および硬化剤(B成分)以外に、必要に応じて、従来から用いられている、硬化促進剤、劣化防止剤、変性剤、シランカップリング剤、脱泡剤、レベリング剤、離型剤、染料、顔料等の公知の各種の添加剤を適宜配合してもよい。
上記硬化促進剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリ−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノール等の3級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート等のリン化合物、4級アンモニウム塩、有機金属塩類、およびこれらの誘導体等があげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上併せて用いてもよい。これら硬化促進剤の中でも、3級アミン類、イミダゾール類、リン化合物を用いることが好ましい。
上記硬化促進剤の含有量は、上記エポキシ樹脂(A成分)100重量部(以下「部」と略す)に対して0.01〜8.0部に設定することが好ましく、より好ましくは0.1〜3.0部である。すなわち、0.01部未満では、充分な硬化促進効果が得られ難く、また8.0部を超えると、得られる硬化体に変色がみられる場合があるからである。
上記劣化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、ホスフィン系化合物等の従来から公知の劣化防止剤があげられる。上記変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類、アルコール類等の従来から公知の変性剤があげられる。上記シランカップリング剤としては、例えば、シラン系、チタネート系等の従来から公知のシランカップリング剤があげられる。また、上記脱泡剤としては、例えば、シリコーン系等の従来公知の脱泡剤があげられる。
そして、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、次のようにして製造することによって、液状、粉末状、もしくは、その粉末を打錠したタブレット状として得ることができる。すなわち、液状の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を得るには、例えば、上記した各成分、すなわち、上記エポキシ樹脂(A成分)、硬化剤(B成分)、および、必要により配合される各種添加剤を適宜配合すればよい。また、粉末状、もしくは、その粉末を打錠したタブレット状として得るには、例えば、上記した各成分を適宜配合し、予備混合した後、混練機を用いて混練して溶融混合し、ついで、これを室温まで冷却した後、公知の手段によって、粉砕し、必要に応じて打錠することにより製造することができる。
このようにして得られた本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物は、LED、電荷結合素子(CCD)等の光半導体素子の封止用として用いられる。すなわち、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、光半導体素子を封止するには、特に制限されることはなく、通常のトランスファー成形や注型などの公知のモールド方法により行なうことができる。なお、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物が液状である場合には、少なくともエポキシ樹脂成分と硬化剤とをそれぞれ別々に保管しておき、使用する直前に混合する、いわゆる2液タイプとして用いればよい。また、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物が粉末状、もしくは、タブレット状である場合には、上記した各成分を溶融混合する時に、Bステージ(半硬化状態)としておき、これを使用時に加熱溶融すればよい。
そして、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物によって、光半導体素子を封止することにより、内部応力の低減化が図られ、また接着特性に優れ、光半導体素子の劣化を有効に防止することができ、短波長(例えば、350〜500nm程度)発光素子の樹脂封止の際に発生する耐光劣化性を有効に向上させることができる。そのため、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物によって光半導体素子が封止された、本発明の光半導体装置は、信頼性および低応力性に優れ、その機能を充分に発揮することができる。
本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物は、短波長(350〜500nm)光源を用いた、白色発光装置として、発光素子近傍に光変換用の蛍光体を具備するか、蛍光体そのものを封止樹脂内部に分散させることにより白色光を得ることも可能である。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、下記に示す各成分を準備した。
〔末端エポキシ共重合化合物〕
ビスフェノールA骨格を有し、ポリジメチルシロキサン主骨格エポキシ末端共重合物〔ハンゼ−ケミー(Hanse-Chemie)社製のAlbifrex-296、エポキシ当量:825)
〔エポキシ樹脂a〕
前記構造式(1)で表される脂環式エポキシ樹脂(エポキシ当量134)
〔エポキシ樹脂b〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185)
〔酸無水物系硬化剤〕
4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(x)とヘキサヒドロ無水フタル酸(y)の混合物(混合重量比x:y=7:3)(酸無水当量168)
〔硬化促進剤〕
テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロンジチオエート
〔劣化防止剤〕
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド
〔熱硬化シリコーンエラストマー〕
KJR−9022(信越化学社製)(α)とC−9022(信越化学社製)(β)の混合物(混合重量比α:β=10:1)
〔実施例1〜5、比較例1〜2〕
下記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合し、80〜110℃で溶融混合して冷却固化した後、粉砕しタブレット状に打錠することにより目的とするエポキシ樹脂組成物を作製した。
Figure 2007204643
〔比較例3〕
従来例品として前記熱硬化シリコーンエラストマーを封止材料として用いた。
このようにして得られた各エポキシ樹脂組成物および熱硬化シリコーンエラストマーを用い、耐光劣化性,接着力,硬度,曲げ弾性率をそれぞれ下記の方法にしたがって測定・評価した。これらの結果を後記の表2に示した。
〔耐光劣化性〕
各封止材料(エポキシ樹脂組成物および熱硬化シリコーンエラストマー)を用いて、リードフレーム(42アロイにAgメッキを施したもの)上に設置した光半導体素子InGaN系(波長405nm)LED(チップサイズ:0.3mm×0.3mm)をポッティング(120℃×1時間)により直径5mmの砲弾型ランプに樹脂封止し、さらに150℃で3時間硬化させることにより、光半導体装置を作製した。そして、30mA(定格20mA)連続発光を常温下(25℃)で行い、3000時間後の輝度をそれぞれ測定し輝度劣化保持率を測定・算出した。測定には、テクノス社製のオプトデバイス自動検査装置を用い、各光半導体装置のサンプル数(n数)は10個とした。なお、熱硬化シリコーンエラストマーを用いた比較例3では、硬化後に充分な硬度が得られず、ランプケースから脱型できず、挿入したリードフレームが引き抜かれてしまい、砲弾型ランプを作製することができなかった。
〔接着力〕
直径10mmポットをつぎに示すポッティングにより成形した。すなわち、(1)2枚の金型にAg/Cu板(Cu板表面にAgメッキを施したもの)を挟む、(2)金型を150℃に設定し、15トンの加圧プレスにて一旦Ag/Cu板をクランプする、(3)クランプを解除し、シリコーン(カップリング剤添加済み)メルカプトメトキシシランをポッティングする、(4)速やかに再クランプする(樹脂漏れ防止確認)、(5)4分間待つ(樹脂硬化)、(6)クランプを解除し脱型する、以上のようなポット形成後のサンプルを150℃×3時間で硬化し、室温に冷却した。なお、熱硬化シリコーンエラストマーの場合は、150℃×4時間とした。また、各サンプル数(n数)は10個とした。そして、Ag/Cu板に対する接着力をアイコーエンジニアリング社製の水平型剪断接着力評価装置を用いて測定した。
〔硬度〕
各封止材料(エポキシ樹脂組成物および熱硬化シリコーンエラストマー)を用いて、100mm×10mm×厚み5mmの試験片を作製し(エポキシ樹脂組成物の硬化条件:120℃×1時間+150℃×3時間、熱硬化シリコーンエラストマーの硬化条件:150℃×4時間)、この硬化体を用いてショアーD硬度計(上島製作所社製)にて測定した。
〔曲げ弾性率〕
各封止材料(エポキシ樹脂組成物および熱硬化シリコーンエラストマー)を用いて、100mm×10mm×厚み5mmの試験片を作製し(エポキシ樹脂組成物の硬化条件:120℃×1時間+150℃×3時間、熱硬化シリコーンエラストマーの硬化条件:150℃×4時間)、この硬化体を用いてオートグラフ(島津製作所社製、AG500C)によりヘッドスピード5mm/分の条件にて曲げ弾性率を測定した。
Figure 2007204643
上記結果から、実施例品は、通常のエポキシ樹脂組成物である比較例1,2品に比べて輝度保持率が高く、耐光劣化性に優れていることがわかる。また、熱硬化シリコーンエラストマーを用いた比較例3品に比べて接着力も高く、光半導体装置の機械的保護の観点から硬化物も高硬度で維持することができる。また、曲げ弾性率も低く内部応力の低減効果が得られていることがわかる。そして、比較例3品では、熱硬化シリコーンエラストマーが硬化後、充分な硬度が得られなかったためにランプケースから脱型できず、挿入した評価用のリードフレームが引き抜かれてしまい、砲弾型ランプを作製することができなかった。

Claims (2)

  1. 下記の(A)〜(B)成分を含有することを特徴とする光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物。
    (A)末端にグリシジル基を有し、かつ分子内にビスフェノールA骨格とジメチルシロキサン骨格とグリセロール骨格とを有する末端エポキシ共重合化合物を主成分とするエポキシ樹脂。
    (B)硬化剤。
  2. 請求項1記載の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子を樹脂封止してなる光半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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