JP2005120229A - 光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置 - Google Patents

光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置 Download PDF

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久貴 伊藤
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Abstract

【課題】内部応力が小さく、しかも全波長において良好な光透過率を得ることのできる光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を含有する光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物である。そして、上記光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物中の(C)成分以外の成分を硬化してなる硬化体の屈折率(n1)と、(C)成分の屈折率(n2)との関係が下記の式(1)を満足する光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物である。
(A)エポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
(C)シリカと金属酸化物とを主な構成成分とする球状複合無機酸化物粒子粉末。
【数1】

【選択図】なし

Description

本発明は、光透過率および低応力性の双方に優れた光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いて樹脂封止された光半導体装置に関するものである。
発光ダイオード(LED)等の光半導体素子を封止する際に用いられる封止用樹脂組成物としては、その硬化物が透明性を有することが要求されることから、一般に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、硬化剤に酸無水物とを用いて得られるエポキシ樹脂組成物が汎用されている。
しかし、上記エポキシ樹脂組成物を封止樹脂として用いると、エポキシ樹脂組成物の硬化時の硬化収縮、またはエポキシ樹脂と光半導体素子との線膨張係数の差に起因する歪みによって内部応力が発生する。その結果、光半導体素子が劣化し、例えば、光半導体素子が発光素子の場合、その輝度が低下するという問題が生じる。このため、従来から、上記内部応力を低減させる方法として、シリカ粉末等の線膨張係数の小さい無機粉末を添加してエポキシ樹脂組成物の線膨張係数を小さくし光半導体素子のそれに近似させる方法が提案され一部で実行されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記光半導体素子のそれに近似させる方法では、エポキシ樹脂組成物の光透過率が著しく低下するという、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物としては致命的な欠点を有している。このようなことから、上記欠点を解決するために、例えば、樹脂成分からなる硬化体と無機粉末であるガラス粉末との屈折率の差を小さくする方法が提案されている(特許文献2参照)。
また、一般に、液浸法等により得られた透明無機粒子の平均屈折率に樹脂成分の屈折率を合わせるとしても、上記の方法では硬化成形体の光透過率は、その透明無機粒子が粒子系に分布を持っており、その粒子間の屈折率分布も無視できず平均屈折率を合わせたとしても光透過率は低下することとなる(特許文献2参照)。さらに、その平均粒子径を小さくすることにより比表面積が増加し、表面での光の反射が増し、逆に平均粒子径が大きいと粒子単体の内部屈折率分布や、封止硬化体内部にボイド等の欠陥の発生する可能性も高く無視できなくなり総合して光透過率の低下をもたらすこととなる。
特開平11−74424号公報 特開2001−261933公報
このように、高輝度LED等の高性能光半導体素子の封止用樹脂組成物としては、従来のものは充分であるとは言えず、より光透過率の高い、しかも低応力性に優れた光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物が切望されている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、内部応力が小さく、しかも全波長において良好な光透過率を得ることのできる光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の(A)〜(C)成分を含有する光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物であって、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物中の上記(C)成分以外の成分を硬化してなる硬化体の屈折率(n1)と、上記(C)成分の屈折率(n2)との関係が下記の式(1)を満足する光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を第1の要旨とする。
(A)エポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
(C)シリカと金属酸化物とを主な構成成分とする球状複合無機酸化物粒子粉末。
また、本発明は、上記光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子を樹脂封止してなる光半導体装置を第2の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、高い光透過率をとともに内部応力の低減効果に優れた光半導体素子封止用材料を得るべく鋭意検討を重ねた。その結果、充填材料として、任意に屈折率の調整が可能な、シリカと金属酸化物とを主な構成成分とする球状複合無機酸化物粒子粉末を用い、この粒子粉末を除く成分の硬化体の屈折率と粒子粉末の屈折率の差を特定の範囲と設定することにより、良好な光透過率が得られ、かつ上記球状複合無機酸化物粒子粉末を含有することにより線膨張係数を光半導体素子のそれに近似させることが可能となり、内部応力の低減が実現することを見出し本発明に到達した。
以上のように、本発明は、エポキシ樹脂〔(A)成分〕および硬化剤〔(B)成分〕とともに、シリカと金属酸化物とを主な構成成分とする球状複合無機酸化物粒子粉末〔(C)成分〕を含有するものであって、上記(C)成分以外の成分を硬化してなる硬化体の屈折率(n1)と(C)成分の屈折率(n2)との関係が上記式(1)を満足する光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物である。このため、上記球状複合無機酸化物粒子粉末〔(C)成分〕の配合により、硬化体の線膨張係数が小さくなり、内部応力の低減が図られ、光半導体素子の劣化を効果的に防止することができる。しかも、上記各屈折率の差が特定の範囲を有するため、優れた光透過率を得ることができる。したがって、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物によって光半導体素子が封止された光半導体装置は、信頼性および透明性に優れ、その機能を充分に発揮することができる。
そして、上記球状複合無機酸化物粒子粉末〔(C)成分〕の平均粒径が、0.2〜2.0μmの範囲であると、単一粒子内(表面と中心部)の屈折率分布を小さくすることができ、結果、より一層優れた光透過率を得ることができるようになる。しかも、液状でのポッティング形式による封止工程において沈降等も生じにくく良好な封止作業を行うことができる。
また、上記球状複合無機酸化物粒子粉末〔(C)成分〕の粒径のばらつきが±10%の範囲であり、かつその充填材料全体に占める比率が90体積%以上であると、粒子同士の屈折率の分布、および樹脂と粒子界面での屈折率の分布のばらつきを小さくすることが可能となり、全体として良好な光透過率を得ることができるようになる。
本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A成分)と、硬化剤(B成分)と、特殊な球状粒子粉末(C成分)とを用いて得られるものである。
上記エポキシ樹脂(A成分)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントインエポキシ樹脂等の含窒素環エポキシ樹脂、水添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、低吸水率硬化体タイプの主流であるビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロ環型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらエポキシ樹脂の中でも、透明性および耐変色性に優れるという点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートを用いることが好ましい。
そして、上記エポキシ樹脂(A成分)としては、常温で固形でも液状でもよいが、一般に、使用するエポキシ樹脂の平均エポキシ当量が90〜1000のものが好ましく、また固形の場合には、軟化点が160℃以下のものが好ましい。すなわち、エポキシ当量が90より小さい場合には、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の硬化体が脆くなる場合がある。また、エポキシ当量が1000を超える場合には、その硬化体のガラス転移温度(Tg)が低くなる場合があるからである。
上記硬化剤(B成分)としては、例えば、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤があげられる。上記酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これら酸無水物系硬化剤の中でも、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸を用いることが好ましい。上記酸無水物系硬化剤としては、その分子量が140〜200程度のものが好ましく、また無色ないし淡黄色の酸無水物が好ましい。
一方、上記フェノール系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂系硬化剤等があげられる。
上記エポキシ樹脂(A成分)と硬化剤(B成分)との配合割合は、上記エポキシ樹脂(A成分)中のエポキシ基1当量に対して、硬化剤(B成分)におけるエポキシ基と反応可能な活性基(酸無水基または水酸基)が0.5〜1.5当量となるような割合に設定することが好ましく、より好ましくは0.7〜1.2当量である。すなわち、活性基が0.5当量未満の場合には、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物の硬化速度が遅くなるとともに、その硬化体のガラス転移温度が低くなる傾向がみられ、1.5当量を超えると、耐湿性が低下する傾向がみられるからである。
また、上記硬化剤(B成分)としては、その目的および用途によっては、上記酸無水物系硬化剤およびフェノール系硬化剤以外に、従来から公知のエポキシ樹脂の硬化剤、例えば、アミン系硬化剤、上記酸無水物系硬化剤をアルコールで部分エステル化したもの、またはヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボン酸の硬化剤を単独で、もしくは酸無水物系硬化剤およびフェノール系硬化剤と併用してもよい。例えば、カルボン酸の硬化剤を併用した場合には、硬化速度を速めることができ、生産性を向上させることができる。なお、これらの硬化剤を用いる場合においても、その配合割合は、酸無水物系硬化剤およびフェノール系硬化剤を用いた場合の配合割合(当量比)に準じればよい。
上記エポキシ樹脂(A成分)および硬化剤(B成分)とともに用いられる特殊な球状粒子粉末(C成分)とは、シリカと金属酸化物とを主な構成成分とする球状複合無機酸化物粒子の粉末であり、構成成分の組み合わせおよび含有量等により屈折率を任意に調整できるという特徴を有するものである。
このようなシリカと金属酸化物とを主な構成成分とする球状複合無機酸化物粒子粉末は、例えば、つぎのようにして作製される。すなわち、テトラメチルシリケート,テトラエチルシリケート等の有機ケイ素化合物を酸性下で、この有機ケイ素化合物の2〜4倍モルの水あるいは低級アルコールを添加して有機ケイ素化合物を加水分解する。これに、テトライソプロポチタネートに代表される加水分解可能な金属アルコキシド等の有機金属化合物を添加して前駆体溶液を調製する。一方、低級アルコールとNaOHやKOH水溶液を用いた混合溶媒であるアルカリ性含水アルコール溶液を調製し、これに常温下で前駆体の有機ケイ素化合物と有機金属化合物の調製液をゆっくり滴下する。この前駆体溶液全量の2〜10重量%をゆっくり滴下して調製し、粒径の揃った粒子(粒径のばらつきの少ない粒子)の生成を促す。その後、スラリーを濾過乾燥し、600〜1150℃で10時間焼成して解砕することにより目的とする球状複合無機酸化物粒子粉末が得られる。
なお、上記製法により得られるシリカと金属酸化物とを主な構成成分とする球状複合無機酸化物粒子粉末(C成分)において、構成成分中の金属酸化物の含有量を1〜50モル%の範囲内で任意に調整することにより汎用の樹脂の屈折率1.4〜1.7を網羅することができる。
また、上記構成成分である金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等が高屈折率であり、球状複合無機酸化物粒子の屈性率の調整範囲が広く好ましい。
上記シリカと金属酸化物とを主な構成成分とする球状複合無機酸化物粒子粉末(C成分)における具体的な好ましい組成としては、SiO2 −TiO2 があげられ、その場合は、先に述べたように、SiO2 が50〜99モル%、TiO2 が1〜50モル%の割合で、それぞれ配合されるように調整することが好ましい。
上記シリカと金属酸化物とを主な構成成分とする球状複合無機酸化物粒子粉末(C成分)の平均粒径は0.2〜2.0μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.2μmである。このような範囲の平均粒径を有することにより、単一粒子内(表面と中心部)の屈折率分布を小さくすることができ、透過率の向上を図ることができる。すなわち、0.2μm未満では、上記粒子粉末の凝集が起こりやすく、逆に透過率の低下を招く傾向がみられ、2.0μmを超えると、液状樹脂中で用いた場合、沈降が起こりやすく、例えば、ポッティング形式の封止の使用には不向きであり、しかも粒子個々の内部の屈折率分布が大きくなり、結果、良好な透過率が得られにくいという傾向がみられる。
また、上記シリカと金属酸化物とを主な構成成分とする球状複合無機酸化物粒子粉末(C成分)は、粒径のばらつきが±10%の範囲であることが好ましく、より好ましくは±8%である。このような範囲であることにより、透過率の向上を図ることができる。この粒径のばらつきが大きいと個々の粒子の有する屈折率の分布が大きくなり、全体として良好な透過率が得られにくいからである。さらに、その粒径のばらつきが上記範囲である粒子粉末の充填材料全体に占める割合が90体積%以上であることにより、良好な透過率が維持できる。すなわち、粒径のばらつきが±10%内である粒子粉末に対して粒径のばらつきが±10%を超える粒子が充填材料全体の10体積%を超えると、透過率が低下する傾向がみられる。
なお、上記粒径のばらつきは、上記球状複合無機酸化物粒子粉末に対して走査型電子顕微鏡(SEM)により、任意に100個の粒子を抽出してその直径を測定し、下記の式により粒径のばらつきを算出する。
上記シリカと金属酸化物とを主な構成成分とする球状複合無機酸化物粒子粉末(C成分)の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体の10〜80重量%の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは20〜60重量%である。すなわち、含有量が80重量%を超えると、粘度上昇が大きくなり、封止材として用いたときに充填しにくくなる。一方、10重量%未満では、線膨張係数が小さくなり、期待する応力性を発揮しにくくなる傾向がみられるからである。
そして、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物では、上記球状複合無機酸化物粒子粉末(C成分)以外の成分を硬化してなる硬化体の屈折率(n1)と、上記球状複合無機酸化物粒子粉末(C成分)の屈折率(n2)との関係が下記の式(1)を満足する必要がある。すなわち、両者の屈折率の関係が、上記関係を満たすことによって、各波長における光透過率の向上を図ることができるのである。
さらに、上記球状複合無機酸化物粒子粉末(C成分)以外の成分を硬化してなる硬化体の屈折率(n1)と、上記球状複合無機酸化物粒子粉末(C成分)の屈折率(n2)との関係が下記の式(2)を満足することが好ましい。
なお、上記各屈折率は、例えば、液浸法により測定することができる。すなわち、粒子を屈折率が異なる種々の液にそれぞれ分散させ、25℃において、波長589.3nmの光に対して最も透過率が高くなる分散液について、その液のナトリウムD線に対する屈折率をアッペ屈折率計により測定することができる。
さらに、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物には、前記A〜C成分以外に、必要に応じて、従来から用いられている、例えば、硬化促進剤、劣化防止剤、変性剤、シランカップリング剤、脱泡剤、レベリング剤、離型剤、染料、顔料等の公知の各種の添加剤を適宜配合してもよい。
上記硬化促進剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリ−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノール等の3級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート等のリン化合物、4級アンモニウム塩、有機金属塩類、およびこれらの誘導体等があげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上併せて用いてもよい。これら硬化促進剤の中でも、3級アミン類、イミダゾール類、リン化合物を用いることが好ましい。
上記硬化促進剤の含有量は、上記エポキシ樹脂(A成分)100重量部(以下「部」と略す)に対して0.01〜8.0部に設定することが好ましく、より好ましくは0.1〜3.0部である。すなわち、0.01部未満では、充分な硬化促進効果が得られ難く、また8.0部を超えると、得られる硬化体に変色がみられる場合があるからである。
上記劣化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、ホスフィン系化合物等の従来から公知の劣化防止剤があげられる。上記変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類、アルコール類等の従来から公知の変性剤があげられる。上記シランカップリング剤としては、例えば、シラン系、チタネート系等の従来から公知のシランカップリング剤があげられる。また、上記脱泡剤としては、例えば、シリコーン系等の従来公知の脱泡剤があげられる。
そして、本発明では、上記シリカと金属酸化物とを主な構成成分とする球状複合無機酸化物粒子粉末(C成分)以外、すなわち、エポキシ樹脂(A成分),硬化剤(B成分)および必要により配合される各種添加剤を硬化して得られる硬化体の屈折率は、1.40〜1.65の範囲内であることが好ましく、特に1.45〜1.60の範囲内であることが好ましい。このような屈折率に調整する方法としては、例えば、エポキシ樹脂(A成分)の種類の選択、硬化剤(B成分)の種類の選択、各成分の配合割合の調整等があげられ、適宜選択して所望の屈折率となるよう調整される。上記屈折率の測定方法は、先に述べた方法と同様である。
このような好ましい屈折率を得るための、エポキシ樹脂(A成分)と硬化剤(B成分)の好適な組み合わせとしては、例えば、エポキシ樹脂(A成分)としてビスフェノールA型エポキシ樹脂,トリグリシジルイソシアヌレートであって、硬化剤(B成分)として酸無水物系硬化剤である組み合わせ、さらに、エポキシ樹脂(A成分)としてビスフェノールA型エポキシ樹脂,ノボラック型エポキシ樹脂であって、硬化剤(B成分)としてフェノール系硬化剤である組み合わせがあげられる。
そして、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、次のようにして製造することによって、液状、粉末状、もしくは、その粉末を打錠したタブレット状として得ることができる。すなわち、液状の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を得るには、例えば、上記した各成分、すなわち、上記A〜C成分、および、必要により配合される添加剤を適宜配合する。また、粉末状、もしくは、その粉末を打錠したタブレット状として得るには、例えば、上記した各成分を適宜配合し、予備混合した後、混練機を用いて混練して溶融混合し、次いで、これを室温まで冷却した後、公知の手段によって、粉砕し、必要に応じて打錠することにより製造することができる。
このようにして得られた本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物は、LED、電荷結合素子(CCD)等の光半導体素子の封止用として用いられる。すなわち、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、光半導体素子を封止するには、特に制限されることはなく、通常のトランスファー成形や注型などの公知のモールド方法により行なうことができる。なお、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物が液状である場合には、少なくともエポキシ樹脂と硬化剤とそれぞれ別々に保管しておき、使用する直前に混合する、いわゆる2液タイプとして用いればよい。また、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物が粉末状、もしくは、タブレット状である場合には、上記した各成分を溶融混合する時に、Bステージ(半硬化状態)としておき、これを使用時に加熱溶融すればよい。
そして、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物によって、光半導体素子を封止すれば、内部応力が小さく、光半導体素子の劣化を有効に防止することができるとともに、全波長において良好な光透過率を得ることができる。そのため、本発明の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物によって光半導体素子が封止された、本発明の光半導体装置は、信頼性および透明性に優れ、各波長における光透過率の変動が少なく、その機能を充分に発揮することができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
実施例に先立って下記に示す各成分を準備した。
〔エポキシ樹脂a〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185)
〔エポキシ樹脂b〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量450)
〔エポキシ樹脂c〕
トリグリシジルイソシアヌレート(エポキシ当量100)
〔酸無水物系硬化剤〕
4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(x)とヘキサヒドロ無水フタル酸(y)の混合物(混合重量比x:y=7:3)(酸無水当量164)
〔球状複合無機酸化物粒子粉末a〜d〕
下記の表1に示すシリカと金属酸化物とを主な構成成分とする球状複合無機酸化物粒子粉末を製造した。なお、製造方法、平均粒径、屈折率および粒径のばらつき(粒径分散)に関しては、先に述べた方法に準じて製造・測定を行った。
〔球状ガラス粉末〕
CaOの組成を有し、フレーム処理により得られた球状ガラス粉末(SiO2 :57.1重量%、SrO:6.5重量%、Al2 3 :15.0重量%、CaO:21.0重量%、平均粒径35μmで最大粒径75μmの粒径分布を有する、屈折率:1.569)
〔カップリング剤〕
メルカプト含有シランカップリング剤(信越化学社製、KBM−803)
〔硬化触媒〕
2−エチル−4−メチルイミダゾール
〔劣化防止剤〕
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンタレン−10−オキシド
〔実施例1〜7、比較例1〜4〕
下記の表2〜表3に示す各成分を同表に示す割合で配合し、110℃で溶融混合して冷却固化した後、粉砕しタブレット状に打錠することにより目的とするエポキシ樹脂組成物を作製した。
このようにして得られた各エポキシ樹脂組成物を用い、硬化体の光透過率、線膨張係数をそれぞれ下記の方法にしたがって測定・評価した。さらに、各エポキシ樹脂組成物の球状複合無機酸化物粒子粉末あるいは球状ガラス粉末を除く成分を硬化してなる硬化体の屈折率(n1)と、上記球状複合無機酸化物粒子粉末あるいは球状ガラス粉末の屈折率(n2)の差(n2−n1)を前述の方法にしたがって測定・算出した。また、得られた各エポキシ樹脂組成物を用い、下記の方法にしたがって光半導体装置を作製してワイヤー切れ不良率を測定した。これらの結果を後記の表4〜表6に示した。
〔光透過率〕
各エポキシ樹脂組成物を用い、厚み1mmの硬化体を作製した(硬化条件:150℃×5分間+150℃×3時間)。そして、上記硬化体を用いて、波長589.3nmの光透過率を島津製作所社製の分光光度計UV3101を使用して光透過率を測定した。
〔線膨張係数〕
各エポキシ樹脂組成物を用い、厚み1mmの硬化体を作製した(硬化条件:150℃×5分間+150℃×3時間)。そして、上記硬化体を用いて、熱分析装置(島津製作所社製、TMA−50)により、2℃/分の昇温速度で、ガラス転移温度より低い温度での線膨張係数(α1)を測定した。
〔ワイヤー切れ不良率〕
各エポキシ樹脂組成物を用いて、GaP系LEDをポッティング(150℃×2時間)により直径5mmの砲弾型ランプとして封止し、さらに150℃で3時間硬化させることにより、光半導体装置を作製した。そして、1サイクルが−25℃×30分/125℃×30分という熱サイクル条件で、200サイクル後におけるワイヤー切れ不良率(%)を測定した。なお、各光半導体装置のサンプル数(n数)は24個とした。
上記結果から、実施例品は、ワイヤー切れ不良率が小さく、線膨張係数も小さいことから、内部応力が低減されたことがわかる。しかも光透過率が高く信頼性に優れた光半導体装置が得られた。
これに対して、比較例1品は、内部応力低減のための充填材料が配合されていないため、光透過率は当然高いものであるが、ワイヤー切れ不良率が著しく高く信頼性に劣るものである。また、比較例2品は、粒子の粒径のばらつきが大きく、平均粒径の大きい球状ガラス粉末を用いたため、光透過率が低かった。そして、比較例3品は、球状複合無機酸化物粒子粉末の屈折率と樹脂硬化体の屈折率の差が0.015と大きいため、光透過率が低くしかもワイヤー切れ不良率も高かった。比較例4品は、球状複合無機酸化物粒子粉末の屈折率と樹脂硬化体の屈折率の差が−0.015であるため、光透過率が低くしかもワイヤー切れ不良率も高かった。

Claims (4)

  1. 下記の(A)〜(C)成分を含有する光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物であって、光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物中の上記(C)成分以外の成分を硬化してなる硬化体の屈折率(n1)と、上記(C)成分の屈折率(n2)との関係が下記の式(1)を満足することを特徴とする光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物。
    (A)エポキシ樹脂。
    (B)硬化剤。
    (C)シリカと金属酸化物とを主な構成成分とする球状複合無機酸化物粒子粉末。
  2. 上記(C)成分の平均粒径が、0.2〜2.0μmの範囲である請求項1記載の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 上記(C)成分の粒径のばらつきが±10%の範囲であり、かつその充填材料全体に占める比率が90体積%以上である請求項1または2記載の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子を樹脂封止してなる光半導体装置。
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