JP2005259761A - ボンド磁石の製造方法、ゴム磁石の製造方法 - Google Patents

ボンド磁石の製造方法、ゴム磁石の製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 可撓性に優れ、かつ保磁力が高いボンド磁石を得るための技術を提供する。
【解決手段】 磁性粉末とこの磁性粉末を結合するバインダとを含む磁性シートを得る。次いで、所定の加熱状態にある磁性シートを圧延するようにした。磁性シートを常温よりも高い温度に維持した状態で圧延を行なうことにより、圧延時に磁性粉末に付与される応力を軽減することができる。その結果、高い保磁力を有するボンド磁石を得ることができる。
圧延される磁性シートの温度は25〜80℃であることが望ましい。本発明は架橋剤を含むボンド磁石に特に好適に用いられる。
【選択図】図2

Description

本発明はボンド磁石、特に架橋剤を含有するゴム磁石に好適に用いることのできるボンド磁石の製造方法に関するものである。
ボンド磁石の概略の製造方法の一例は次の通りである。まず、磁性粉末をゴム、樹脂等の各種バインダと混練し、一定粘度の組成物を得、磁場中または無磁場中で押出成形する。成形後、ロール圧延して均一厚さの磁性シートとし、必要なサイズに切断加工する(特許文献1参照)。
ロール圧延は所望の厚さを有するボンド磁石を得る上で必要な工程である。また、ロール圧延の際、磁性粉末が機械的に配向されるため、配向度が向上し、それに起因して残留磁束密度(Br)が向上するという利点がある。
ところが、その一方で圧延時に磁性粉末に応力が付与されるため、保磁力(HcJ)が低下してしまう不具合がある。
特許文献2には、バインダ混練工程、磁性体混練工程、粉砕工程、圧延工程、積層工程、熱処理工程および切断工程を経てボンド磁石を得ることが記載されている。特許文献2では、積層工程までに生じた応力を除去するために、水酸基を有する水、アルコール等の溶剤の蒸気を高温高圧にした雰囲気中で熱処理を施して応力を除去したのち磁性シートを所望の寸法に切断することを提案している。さらには、熱処理温度を116℃以上200℃以下、熱処理時間を15分以上120分以下とすることを提案している。
特公平6−18129号公報(実施例) 特公平2−17928号公報(特許請求の範囲)
可撓性の高いところが焼結磁石に対するゴム磁石の優位性の一つであるが、その強度を向上させるために架橋剤を添加する場合がある。ところが、特許文献2は応力を除去するために、熱処理温度が116℃以上、また熱処理時間が15分以上の熱処理を必要としている。架橋処理の条件はゴム磁石に求められる可撓性、硬度等を考慮して設定されるが、特許文献2に記載された応力を緩和させるための熱処理条件と、ゴム磁石に要求される架橋処理の条件をマッチングさせ、応力緩和処理と架橋処理を一工程で行ないつつ所望の可撓性および磁気特性を有するゴム磁石を得ることは困難である。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、可撓性に優れ、かつ保磁力が高いボンド磁石を得るための技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、圧延時に磁性粉末に付与される応力を軽減するために、様々な検討を行なった。その結果、磁性シートを常温よりも高い温度に維持した状態で圧延を行なうことが有効であることを知見した。すなわち、本発明は、磁性粉末とこの磁性粉末を結合するバインダとを含む磁性シートを得る工程と、所定の加熱状態にある磁性シートを圧延する工程とを含むことを特徴とするボンド磁石の製造方法を提供する。
本発明において、圧延される磁性シートの温度は25〜80℃であることが望ましい。
本発明は架橋剤を含むボンド磁石に特に好適に用いられるが、磁性シートを常温よりも高い温度に維持した状態で圧延を行なうことを特徴とする本発明は、架橋剤を含まないボンド磁石を得る際にも適用できる。
なお、上述した25〜80℃という温度範囲では架橋は進行しないため、磁性シート中に架橋剤を含有する場合には、圧延後に架橋剤を硬化する架橋処理を施す。
本発明において、圧延は所定温度に加熱されたロールによって行うことができる。圧延される磁性シートと同程度の温度にロールの温度を調整しておき、温度調整されたロールにより圧延することで、磁性粉末の応力を十分に緩和することにより、高い磁気特性を有するボンド磁石を安定して得ることができる。
圧延時における磁性シートのショアD硬度は27以下であることが望ましい。圧延の段階で、磁性シートの硬度が比較的低い状態で圧延すれば、圧延時に磁性粉末に付与される応力を軽減することができ、最終的に磁気特性、特に保磁力が高いボンド磁石を得ることが可能となる。なお、本発明におけるショアD硬度は、JIS B 7727に準拠して求められる。
圧延は多段で行うことが望ましい。この圧延は磁性シートの厚さを所望値に調整するために行うが、1段の圧延では、長手方向(磁性シートの走行方向)にシートが波打つ傾向がある。ところが、さらに圧延を行うことにより、波打ち現象が消失または抑制された平坦な磁性シートを得ることができる。
また本発明は、成形工程と成形体の厚さ調整工程を実質的に連続的に行なうボンド磁石の製造方法としても捉えることができる。すなわち、本発明は磁性粉末とこの磁性粉末を結合するバインダと架橋剤を含む所定温度に加熱された成形体を得る工程aと、所定温度の低下が所定範囲内にある成形体の厚さを調整する工程bとを含むことを特徴とするボンド磁石の製造方法を提供する。ここで、成形体の厚さを調整する手段としてはロール圧延、プレス等が広く包含される。
例えば、押出成形直後の成形体は所定の加熱状態(例えば100〜120℃)にあるが、成形体が冷えきらないうちに、具体的には25〜80℃の温度範囲にある成形体に対して厚さ調整を行なうのである。
上述した工程aと工程bは1ラインで連続して行なうことができる。
本発明において、厚さを調整された成形体に架橋剤を硬化する架橋処理を施す工程cをさらに備えることができ、架橋処理は厚さ調整工程と連続して行なうことができる。
以上の本発明によれば、成形工程、厚さ調整工程、架橋処理工程を連続して行なうこともできる。
ゴム磁石のバインダとしてニトリルゴムを用いる場合、成形体が加熱されショアD硬度が27以下の状態で圧延等による厚さ調整を行うことができれば、磁性粉末への応力の付与を低減することができる。したがって、本発明は、磁性粉末とこの磁性粉末を結合するニトリルゴムとを含む成形体を得る工程と、成形体のショアD硬度が27以下の状態で成形体の厚さを調整する工程とを含むことを特徴とするゴム磁石の製造方法を提供する。
以上説明したように、本発明によれば可撓性に優れ、高磁気特性のボンド磁石を得ることができる。具体的には、250kA/m以上の保磁力(HcJ)を備えたボンド磁石を得ることができる。また本発明によれば、成形工程と厚さ調整工程を連続して行なうことができるため、生産性に優れる。
以下、実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
本発明のボンド磁石の製造方法は、混練工程、成形工程、圧延工程、架橋処理工程および切断工程を含む。本発明は所定の温度に加熱された磁性シートを圧延することを特徴とする。
図1に本発明のボンド磁石の製造ラインの一例を模式的に示す。原料を混練後、得られた組成物は粉砕され成形部1に導入され、押出法等によりシートに成形される。得られた成形体は、成形部1の後段に配設された圧延部2に送出される。圧延部2は2段の圧延機(ロール)3を備えており、磁性シートを所定の厚さに調整する。圧延部2の後段には架橋処理部4が備えられており、圧延機3により圧延されたシート状の成形体は圧延部2から架橋処理部4へ送出される。架橋処理部4は所定の加熱状態に維持された加熱炉等で構成されており、シート状の成形体に含有される架橋剤は架橋処理部4にて硬化される。このように、本発明のボンド磁石の製造方法では、成形工程、圧延工程、さらには架橋処理工程を実質的に連続して行なうことができるのである。
以下、混練工程、成形工程、圧延工程、架橋処理工程および切断工程について順次説明する。
<混練工程>
磁性粉末、バインダ、架橋剤等の添加剤を所定の割合で配合した後、加圧ニーダやミキシングロール等の混練機で混練する。混練時間は0.5〜2時間程度とすればよい。
磁性粉末にはMO・6Fe(M=Sr,Ba,Pb等)で表される強磁性体であるフェライト粉末、RCo,RCo17(R=Sm,Y,La,Ce等)で表される希土類コバルト粉末、マンガン−ビスマス粉末、マンガン−アルミニウム粉末、コバルト系粉末(例えば、Al−Ni−Co系、Fe−Cr−Co系等)等を用いることができる。特にSr・フェライトが好適に使用される。Sr・フェライトは、例えば酸化鉄(Fe)6モルと炭酸ストロンチウム(SrCO)1モルとを配合混合した後、ペレット状に製粒し、約1100℃の高温キルンで反応焼成を行ない、冷却後、ボールミル等で0.5〜3.0μmに粉砕して得られる。
バインダにはニトリルゴム(NBR)が好適に用いられる。NBRは、アクリロニトリルとブタジエンとの共重合によって得られる共重合ゴムである。NBR中のアクリルニトリル含量が18〜50%、好ましくは26〜42%である。NBRはML1+4(100℃)が25以上の高いムーニー粘度(高分子量)を有することが望ましい。より望ましいムーニー粘度は30〜60である。
添加剤には、架橋剤、架橋助剤、可塑剤、カップリング剤、滑剤等がある。
架橋剤としては、硫黄や過酸化物が好適に使用される。過酸化物としては、化薬アクゾ社製の「カヤメックA」、「トリゴノックスTMBH」、日本油脂社製の「パークミルD」、「パーヘキサ 25B」等が挙げられる。架橋剤の配合量は、バインダ100重量部あたり0.4〜3.0重量部、好ましくは0.8〜2.4重量部である。
架橋助剤(架橋促進剤)としては、例えば、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジベンゾチアジルスルフィド等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。架橋助剤の配合量は、バインダ100重量部あたり0.1〜15重量部、好ましくは1.0〜10重量部である。
可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル等が挙げられる。また、各種のトリメリット酸エステルも好適に使用し得る。
滑剤としては、例えば、パラフィンワックス、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタンワックス等のワックス類;ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ベヘン酸などの脂肪酸類、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム等の金属石鹸類;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ラウリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、メリシルアルコール等の高級アルコール類;ステアリン酸ブチル、ステアリン酸メチル等の脂肪酸エステルが挙げられる。これらの中では、金属石鹸類が好ましく、特にステアリン酸亜鉛が好ましい。
カップリング剤はシラン系のものが好適である。シランカップリング剤は、一般式:X−R−Si(OR)で表され、分子中に2個の異なった官能基(XとOR)を有する。そして、一方の官能基(X)は、有機質材料と化学結合する官能基(例えば、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基など)、他方の官能基(OR)は、無機質材料と化学結合する官能基(メトキシ基、エトキシ基など)である。
なお、必要に応じ、上記の成分の他、カーボンブラック等をさらに添加してもよい。
各原料の配合比は、バインダ100重量部に対し、可塑剤の割合が10〜30重量部、滑剤の割合が8〜30重量部、磁性粉末の割合が以下に定義するフェライトVolumeとして60%以上、望ましくは65%以上、カップリング剤の割合がフェライト粉末に対して0.1〜3wt%とすることが望ましい。但し、これは一例であって、各原料の配合比は、最終的に得たいボンド磁石の特性に応じて適宜決定すればよい。
フェライトVolume=[(密度から計算されるフェライト粉末の体積)/(各密度から計算される各成分の体積の合計)]×100
(但し、フェライト粉末の密度は5.1Mg/m、有機成分(カーボンブラックを含む)の密度は1.0Mg/m、無機成分の密度は文献値とする。)
<成形工程>
混練工程で得られた組成物を粉砕し、この粉砕粉末を用いて例えば押出法により成形し、シート状等の任意の形状に成形された成形体を得る。押出成形の場合、押出直後の成形体の温度は80〜120℃である。
なお、成形は磁場中または無磁場中で行うことができる。磁場中にて押出成形を行うには、金型周囲に磁場コイルを配置した押出機を使用し、例えば、磁場強度1100〜1600kA/mの条件下で成形を行えばよい。
<圧延工程>
成形体をロール圧延し、所望の厚さの磁性シートを得る。ロール圧延には例えばカレンダーロールを使用することができる。
ここで、所定の加熱状態にある磁性シートを圧延することが、本発明の特徴である。圧延時の磁性シートの温度は25〜80℃に維持される。圧延時の磁性シートの温度を25〜80℃とすることで、圧延時に磁性粉末に付与される応力を軽減することができ、最終的に保磁力(HcJ)の高いボンド磁石を得ることができる。また、この温度範囲であれば、架橋が進行することがないため、可撓性を確保することができる。圧延時の磁性シートの温度が上昇するにつれて、高い保磁力を得ることができるが、圧延時の磁性シートの温度が80℃を超えると、軟化した磁性シートがロールへ付着し圧延が困難となる。よって、圧延時の磁性シートの温度は80℃以下とする。圧延時の磁性シートの温度はより望ましくは30〜80℃、さらに望ましくは50〜80℃とする。
ロールの温度調整は必須ではないが、圧延時の成形体の温度と同程度の温度に調整しておくことで、最終的に安定した特性のボンド磁石を得ることができる。なお、ロールの温度調整は、例えば30〜80℃に保たれた液体をロール内にて循環させればよい。
圧延時の圧下率は特に限定されないが、圧下率が小さすぎると圧延回数が増える。逆に圧下率が大きすぎると残留磁束密度(Br)が低下する。したがって、圧下率は5〜60%、望ましくは5〜30%とすればよい。例えば、磁性粉末としてフェライト粉末、バインダとしてNBRを使用し、押出直後の成形体の厚さが2.4mmである場合、圧延で成形体の厚さを1〜2mmとする。圧延に対する反発、いわゆるスプリングバックにより、圧延後の磁性シートの厚さはロールギャップよりも厚くなることがあるが、本発明が推奨するように加熱状態にある磁性シートを圧延することにより、スプリングバックによる厚さの変化を抑制することができ、製品寸法の調整が容易となる。
もしくは、圧延時の磁性シートの硬度を基準として、圧延条件を設定してもよい。例えば、磁性粉末としてフェライト粉末、バインダとしてNBRを使用する場合には、圧延時の磁性シートの硬度を27以下、望ましくは15〜26、より望ましくは15〜23とする。常温で圧延した場合には、磁性シートの硬度は約28である。一方、常温より高い所定温度に保たれた磁性シートについての圧延時の硬度は27以下と、常温で圧延した場合よりも磁性シートの硬度が低いため、圧延時に磁性粉末に付与される応力を緩和することができるのである。なお、本願明細書における硬度は、JIS B 7727に準拠して測定されるショアD硬度である。
圧延は少なくとも2段で行うことが望ましい。厚さ調整のために比較的大きな圧下率で圧延を行うと、磁性シートにその長手方向(磁性シートの走行方向)に波打つ現象が発生する。波打ちが生じた磁性シートは製品とすることはできないが、1段目の圧延の後に比較的小さな圧下率で圧延することにより波打ちを消失または抑制することができる。したがって、1段目の圧延は主に厚さ調整のために行い、2段目以降の圧延は磁性シートを平坦にするために行う。2段目以降の圧延回数を増やすことで磁性シートの平坦性は向上する。但し、圧延の回数が増えると工程数が増えるとともに、過度の圧延により磁性粉末に応力が付与されると保磁力が低下してしまうことから、圧延を多段で行う場合にはその段数を2〜4、より望ましくは2〜3とする。
<架橋処理工程>
架橋処理工程では、圧延された磁性シートを160〜175℃で5〜40分保持する。架橋処理の温度が155℃程度まで低くなると、架橋処理に要する時間が長くなり好ましくない。一方、175℃を超える高温下の架橋処理によっては、所望の強度、可撓性を有するボンド磁石を安定して得ることが困難である。望ましい架橋処理の条件は、処理温度が160〜170℃、保持時間が10〜30分である。
<切断工程>
切断工程では、架橋により硬化した磁性シートを所望のサイズに切断する。切断後の磁性シートは着磁処理され、ボンド磁石として使用される。本発明のボンド磁石は、260mT以上、さらには265mT以上の残留磁束密度(Br)を示すとともに、250kA/m以上、さらには260kA/m以上の保磁力(HcJ)を示す。
こうした高い磁気特性を備えた本発明のボンド磁石は、各種の分野、例えば、小型モータ、タイマー、発電機、リードスイッチ等の電気機械の分野、複写機、電卓、プリンタ、電話、キーボード等のオフィスオートメーション機器の分野、チャック、ステッカー、教材用具などの吸着力利用分野で好適に用いられる。
本発明のボンド磁石のうち、ゴム磁石を小型モータに適用する場合には、直径20〜30mmのモータ用ケースにシート状のゴム磁石を丸めて押し込めばよい。そのため、ゴム磁石には可撓性が必要とされるが、架橋剤を含有する本発明のゴム磁石は弾性が高く、所望の可撓性を備えている。また、ケースに押し込むため、ゴム磁石にはある程度の剛性も必要とされるが、後述する実施例にて示すように、本発明のゴム磁石は所望の剛性も供えている。
以下の原料を配合した後、加圧ニーダで1時間、混練して組成物を得た。
<バインダ>
ニトリルゴム(NBR) 日本合成ゴム社製N231L、ニトリルゴム中のアクリルニトリル含量:34wt%、ムーニー粘度ML1+4(100℃):45
<可塑剤>
トリメット酸トリオクチルをNBR100重量部に対して23重量部配合した。
<滑剤>
ステアリン酸亜鉛をNBR100重量部に対して14重量部配合した。
<フェライト粉末>
Sr・フェライト(平均粒径:1.3μm、圧粉密度:3.5Mg/m)を、本文中で定義したフェライトvolumeで70vol%配合した。
<カップリング剤>
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランをフェライト粉末に対して0.2wt%配合した。
<架橋剤>
2,5−ジメチル−2,5−ジ(3級ブチルペルオキシ)ヘキサンをNBR100重量部に対して1.6重量部配合した。
<架橋助剤>
酸化亜鉛および酸化マグネシウムを、NBR100重量部に対して8重量部配合した。
得られた組成物を粉砕し、この粉砕粉末を用いて金型周囲に磁場コイルを配置した押出機により磁場中押出成形して成形体を得た。なお、磁場中押出成形は磁場強度1300kA/mの条件で行なった。次いで脱磁処理を行なった後、カレンダーロールでロール圧延して均一厚さの磁性シートとした。圧延の際、試料No.1(比較例)については15℃で圧延を行い、試料No.2〜4については所定の加熱状態にある磁性シートを圧延した。試料No.2〜4における圧延時の磁性シートの温度はそれぞれ30℃、50℃、70℃である。なお、表1に、圧延時の磁性シートの硬度を示す。
Figure 2005259761
またロール圧延は2段で行い、1段目の圧延で厚さ2.4mmの磁性を2.1mmまで圧延し、2段目の圧延で磁性シートを平坦にした。
圧延後、165℃で10分保持する架橋処理を施した。架橋後の磁性シートの厚さは2.2mmである。
架橋処理後、以下の条件で保磁力(HcJ)、残留磁束密度(Br)、可撓性および硬度を測定した。その結果を表1に併せて示す。また、圧延時の温度と保磁力(HcJ)との関係を図2に示す。
(1)保磁力および残留磁束密度の測定:
保磁力および残留磁束密度は、最大印加磁場25kOeのB−Hトレーサを用いて評価した。
(2)φ20屈曲:
直径20mmの円柱に試料(厚み2.2mm、幅30mm)を手で巻き付けて試料のクラックの有無を目視観察した。クラックが発生しない場合を○、クラックが発生した場合を×で表示した。
(3)硬度:
JIS B 7727に準拠して測定した。
表1および図2に示すように、所定温度に加熱された磁性シートを圧延することで、常温の磁性シートを圧延した場合よりも保磁力が向上することがわかる。ここで、表1に示した圧延時のシート硬度は、試料No.1が最も高く、試料No.2、3、4の順に低い値を示す。一方、保磁力は試料No.1が最も低く、試料No.2、3、4の順に高い値を示す。以上の結果から、本発明による試料No.2〜4は圧延時のシート硬度が低いために圧延時に磁性粉末に付与される応力が軽減されており、その結果、高い保磁力を得ることができるといえる。
「架橋後のシートに対する評価」の箇所に示すように、本発明による試料No.2〜4は、残留磁束密度(Br)、可撓性、硬度についてもボンド磁石として必要な値を得ることができた。
本発明のボンド磁石の製造ラインの一例を模式的に示す図である。 圧延時の温度と保磁力との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…成形部、2…圧延部、3…圧延機(ロール)、4…架橋処理部

Claims (12)

  1. 磁性粉末と前記磁性粉末を結合するバインダとを含む磁性シートを得る工程と、
    所定の加熱状態にある前記磁性シートを圧延する工程と、
    を含むことを特徴とするボンド磁石の製造方法。
  2. 圧延される前記磁性シートの温度は25〜80℃であることを特徴とする請求項1に記載のボンド磁石の製造方法。
  3. 前記磁性シートは架橋剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のボンド磁石の製造方法。
  4. 圧延された前記磁性シートに前記架橋剤を硬化する架橋処理を施すことを特徴とする請求項3に記載のボンド磁石の製造方法。
  5. 前記圧延は所定温度に加熱されたロールによって行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のボンド磁石の製造方法。
  6. 前記圧延時における前記磁性シートのショアD硬度は27以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のボンド磁石の製造方法。
  7. 前記圧延は多段で行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のボンド磁石の製造方法。
  8. 磁性粉末と前記磁性粉末を結合するバインダと架橋剤とを含む所定温度に加熱された成形体を得る工程aと、
    前記所定温度の低下が所定範囲内にある前記成形体の厚さを調整する工程bと、
    を含むことを特徴とするボンド磁石の製造方法。
  9. 前記厚さの調整は25〜80℃で行なうことを特徴とする請求項8に記載のボンド磁石の製造方法。
  10. 前記工程aと前記工程bは1ラインで連続して行なわれることを特徴とする請求項8または9に記載のボンド磁石の製造方法。
  11. 前記厚さを調整された前記成形体に前記架橋剤を硬化する架橋処理を施す工程cをさらに備え、
    前記工程cは前記工程bと連続して行なわれることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のボンド磁石の製造方法。
  12. 磁性粉末と前記磁性粉末を結合するニトリルゴムとを含む成形体を得る工程と、
    前記成形体のショアD硬度が27以下の状態で前記成形体の厚さを調整する工程と、
    を含むことを特徴とするゴム磁石の製造方法。
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