JP2005259680A - 非水系電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】非水系電解液二次電池の高温保存特性を損なうことなく、過充電時における電池の安全性を確保する。
【解決手段】リチウムを吸蔵・放出することが可能な負極及び正極と、セパレータと、非水系溶媒及びリチウム塩を含有する非水系電解液とを備えてなる非水系電解液二次電池。セパレータは、無機充填剤を含有する熱可塑性樹脂よりなる多孔質膜よりなり、非水系電解液は発熱性が1.5以上の芳香族化合物を含有する。二次電池の過充電防止剤としての芳香族化合物を用いた上で、特定のセパレータを組み合せ、高温保存時の過充電防止剤の重合物によるセパレータの目詰まりに起因する電池特性の低下を防止する。

Description

本発明は非水系電解液二次電池に係り、詳しくは、リチウムを吸蔵・放出することが可能な負極及び正極と、セパレータと、非水系溶媒及びリチウム塩を含有する非水系電解液とを備えてなる非水系電解液二次電池であって、高温保存特性を損なうことなく、過充電時における電池の安全性を確保し得る、優れた非水系電解液二次電池に関する。
電気製品の軽量化、小型化に伴ない高いエネルギー密度を持ち、且つ軽量な非水系電解液二次電池であるリチウム二次電池が広い分野で使用されている。リチウム二次電池は、通常、コバルト酸リチウムに代表されるリチウム化合物などの正極活物質を含有する活物質層を集電体上に形成させた正極と、黒鉛などに代表されるリチウムの吸蔵・放出が可能な炭素材料などの負極活物質を含有する活物質層を集電体上に形成させた負極と、LiPF等のリチウム塩等の電解質を通常非プロトン性の非水系溶媒に溶解した非水系電解液と、高分子多孔質膜からなるセパレータとから主として構成される。
リチウム二次電池の非水系電解液としては、通常、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート(ジアルキルカーボネート)、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の鎖状エステル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル類、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン等の鎖状エーテル類、及びスルフォラン、ジエチルスルホン等の含硫黄有機溶媒といった非水系溶媒と、LiPF、LiBF、LiClO、LiCFSO、LiAsF、LiN(CFSO、LiCF(CFSO等の溶質を含有する非水系電解液が用いられる。
非水系電解液二次電池において過充電を行うと、過充電状態の進行に伴って、正極ではリチウムの過剰な放出が起き、一方、負極ではリチウムの過剰な吸蔵が起き、場合によっては、金属リチウムが析出する。このような状態の正極、負極は、いずれも熱的に不安定な状態におかれ、電解液の分解及び急激な発熱を引き起こし、それにより電池が異常に発熱して、電池の安全性が損なわれるという問題が生じる。このような問題は、非水系電解液二次電池のエネルギー密度の増加に伴い、特に顕著となる。
上記の問題を解決するために、非水系電解液二次電池の電解液中に、添加剤として少量の芳香族化合物を添加することにより、過充電状態における電池の安全性を確保する技術が、これまでに提案されてきた。例えば、特許文献1では、添加剤として、ビフェニル、3−R−チオフェン(Rは臭素、塩素、フッ素)、フラン、3−クロロチオフェンを少量使用して、過充電状態における電池を保護する方法及びこれらの添加剤を配合した電池が提案されている。この技術は、電池の最大動作電圧以上の電圧では、添加剤(以下、この過充電状態における電池の安全性を高めるための添加剤を「過充電防止剤」と称す場合がある。)が重合することにより電池の内部抵抗を上昇させ、過充電時の電池の安全性を確保するものである。
なお、リチウム二次電池で使用されるセパレータには、両極間のイオン伝導を妨げないこと、電解液を保持できること、電解液に対して耐性を有すること、などの要件を満たすことが求められ、主としてポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂からなる高分子多孔質膜が用いられている。従来、これらの高分子多孔質膜を製造する方法としては、例えば以下の手法が公知技術として知られている。
(1) 高分子材料に後工程で容易に抽出除去可能な可塑剤を加えて成形を行い、その後可塑剤を適当な溶媒で除去して多孔化する抽出法(特許文献2)。
(2) 結晶性高分子材料を成形した後、構造的に弱い非晶部分を選択的に延伸して微細孔を形成する延伸法(特許文献3)。
(3) 高分子材料に充填剤を加えて成形を行い、その後の延伸操作により高分子材料と充填剤との界面を剥離させて微細孔を形成する界面剥離法(特許文献4)。
しかしながら(1)の抽出法は、大量の廃液を処理する必要があり、環境・経済性の両面において問題がある。また抽出工程で発生する膜の収縮のために均等な膜を得ることが難しく、歩留まりなど生産性においても問題がある。(2)の延伸法は、延伸前の結晶相・非晶相の構造制御により孔径分布を制御するために、長時間の熱処理が必要であり、生産性の面で問題がある。
これに対して、(3)の界面剥離法は、廃液の発生などはなく、環境・経済性の両面において優れた方法である。また、高分子材料と充填剤との界面は延伸操作により容易に剥離することができるため、熱処理などの前処理を必要とせずに多孔質膜を得ることができ、生産性の面でも優れた手法である。
しかし、従来、充填剤を含有したセパレータは、表面に突出した充填剤の存在により電極との密着性が悪く、電極間距離の不均一による電極間抵抗の不均一を生じてリチウムデンドライトなどの発生が生じ易く、安全性に劣ると考えるのが常識的であり、このために、上記(3)の方法で製造された充填材を含むセパレータが実用化された例はなかった。
なお、特許文献1には、セパレータとして微孔性ポリオレフィン膜を使用すること、そして、その素材としてはポリプロピレン及びポリエチレンが記載されているのみであり、特許文献1において具体的に記載されているセパレータはいずれも充填材を含有する多孔質膜とは異なるものである。この微孔性ポリオレフィン膜は、一般に、上記(1)の抽出法か上記(2)の延伸法によって工業的に製造される。
特開平9−106835号公報 特開平7−029563号公報 特開平7−304110号公報 特開2002−201298号公報
二次電池は様々な使用環境においてもその性能が得られることが、昨今の高い市場要求レベルの高まりから要求されてきており、例えば、後述する実施例において示されるように、60℃もの高温に保存した場合においても、保存後の放電容量が大きく保たれることや、大電流放電時の過電圧が小さく、大きな放電容量が得られる特性、即ち、高温保存後のレート特性が良好に保たれることも重要な特性である。
しかしながら、過充電状態における電池を保護するために、過充電防止剤を用いる特許文献1の方法では、電池を充電状態で高温保存した際にも、この過充電防止剤の一部が反応してしまい、反応により生成した重合物がセパレータの目詰まりを引き起こして電池特性が低下するという問題があった。
即ち、非水系電解液に過充電防止剤を配合することにより、過充電時に正極表面に重合被膜を形成して電池の内部抵抗を大きく上昇させること、もしくはこの重合時に発生するガスにより、電池缶内部の電流遮断装置を作動させることにより、二次電池の安全性を向上させることができるが、この重合被膜は充電状態の電池の高温保存時にも生成してしまう。一方で、特許文献1では、前述の如く、セパレータとして抽出法や延伸法で得られる微孔性ポリオレフィン膜を用いているが、このような方法で得られる多孔膜は、極めて微細な孔径を有すること、また表面が非常に平滑で電極活物質と密着し易く、このため、後述の如く、セパレータの酸化でより一層過充電防止剤の重合を促進させ易いことから、過充電防止剤の重合物による目詰まりを受けやすく、そのため、このような微孔性ポリオレフィン膜セパレータを用いた二次電池では、高温保存後において電池特性が悪化する。特に、後述する比較例1,2に示すように、発熱性が1.5以上の芳香族化合物からなる過充電防止剤を含有する非水系電解液を用いた場合、微孔性ポリオレフィン膜をセパレータとする二次電池では、高温保存後に良好なレート特性を得ることができない。
従って、本発明は、高温保存特性を損なうことなく、過充電時における電池の安全性を確保し得る非水系電解液二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、過充電防止剤の中でも、特に高温保存後のレート特性の確保が難しかった、発熱性の高い重合性過充電防止剤に、セパレータとして、無機充填剤を含有する熱可塑性樹脂よりなる多孔質膜を組み合わせたとき、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、リチウムを吸蔵・放出することが可能な負極及び正極と、セパレータと、非水系溶媒及びリチウム塩を含有する非水系電解液とを備えてなる非水系電解液二次電池において、該セパレータが、無機充填剤を含有する熱可塑性樹脂よりなる多孔質膜を有し、該非水系電解液が、発熱性が1.5以上の芳香族化合物を含有することを特徴とする非水系電解液二次電池に存する(請求項1)。
本発明において、特定のセパレータと、発熱性が1.5以上の芳香族化合物を含有する非水系電解液を組み合わせることによる作用機構の詳細は明らかではないが、次のように推定される。
即ち、前述の如く、非水系電解液に過充電防止剤を配合することにより、過充電時に正極表面に重合被膜を形成して電池の内部抵抗を大きく上昇させること、もしくはこの重合時に発生するガスにより、電池缶内部の電流遮断装置を作動させることにより、二次電池の安全性を向上させることができるが、この重合被膜は充電状態電池の高温保存時にも一部生成してしまい、これがセパレータの細孔を塞くことが電池の内部抵抗を上昇させ、この結果、電池の放電容量低下やレート特性の悪化の原因となっていると考えられる。特に、発熱性が1.5以上の芳香族化合物からなる過充電防止剤を用いた場合には、この傾向が著しい。
これに対して、本発明でセパレータとして用いる無機充填剤を含有する熱可塑性樹脂よりなる多孔質膜は、後述の如く、例えば界面剥離法により、比較的孔径の大きな多孔質膜として容易に製造することができる。このように孔径の大きなセパレータは、孔の連通性が高く、過充電防止剤の重合物による目詰まりが起こりにくく、電池の内部抵抗の上昇を抑制するのに有効である。また、上記無機充填剤が存在することにより、正極活物質とセパレータの接触面積を小さくし、正極活物質とセパレータの間に若干の距離を設けることが可能となる。このことからもセパレータの目詰まりが起こりにくくなると考えられる。即ち、過充電状態でない場合に過充電防止剤の一部が重合してしまう原因として、まずセパレータが正極活物質により酸化され、酸化したセパレータに過充電防止剤が接触することで過充電防止剤が酸化を受け、重合反応の一部が進行している可能性があるが、このようにセパレータと正極活物質との接触面積が小さいことは、セパレータの酸化を抑制する意味でも有効である。
なお、前述の如く、充填剤を含有したセパレータは、表面に突出した充填剤の存在により電極との密着性が悪く電極間距離の不均一による電極間抵抗の不均一を生じてリチウムデンドライトなどの発生が生じ易く、安全性に劣ると考えられ、実用化された例はなく、特許文献1においても、このような充填剤を含まない微孔性ポリオレフィン膜をセパレータとして用いているが、このような微孔性ポリオレフィン膜セパレータでは、本発明におけるセパレータの有するような物性を達成することができず、本発明の効果を得ることができない。
本発明においては、特定の過充電防止剤に対して、従来使用されていない特定のセパレータを組み合わせることにより、上述の作用機構で優れた効果を得ることができる。
本発明において、発熱性が1.5以上の芳香族化合物としては、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキシルフルオロベンゼン、ビフェニル、フルオロビフェニル、及びジフェニルエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ(請求項2)、この発熱性が1.5以上の芳香族化合物は、非水系電解液中に0.1〜8重量%含有することが好ましい(請求項3)。
また、上記セパレータとしては、厚みが5μm以上100μm以下、空孔率が30%以上80%以下、ASTM F316−86により定められる平均孔径が0.05μm以上10μm以下、JIS P8117により定められるガーレー透気度が20秒/100cc以上700秒/100cc以下であるものが好ましい(請求項4)。
また、上記非水系電解液中のリチウム塩は含フッ素リチウム塩であり、非水系溶媒が環状カーボネートと鎖状カーボネートとの双方を含有することが好ましい(請求項5)。
また、上記負極の活物質は炭素材料であることが好ましく(請求項6)、上記正極の活物質はリチウム遷移金属複合酸化物であることが好ましい(請求項7)。
本発明によれば、非水系電解液二次電池の高温保存特性を損なうことなく、過充電時における電池の安全性を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明の非水系電解液二次電池は、以下に詳述するような特定のセパレータと、非水系溶媒及びリチウム塩と発熱性が1.5以上の芳香族化合物を含有する非水系電解液と、リチウムの吸蔵及び放出が可能な正極及び負極とを備えてなる。
[セパレータ]
<セパレータの構成成分及び物性等>
本発明のセパレータを構成する多孔質膜の基材樹脂としての熱可塑性樹脂は、後述する無機充填剤が均等に分散されうるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。上記ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂は1種を単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
これらの中でも、耐熱性、耐溶剤性、可撓性のバランスに優れていることから、特に好ましいのはポリオレフィン樹脂である。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン又は1−デセン等のモノオレフィン重合体や、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン又は1−デセンと4−メチル−1−ペンテン又は酢酸ビニル等の他のモノマーとの共重合体等を主成分とするものが挙げられ、具体的には、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。本発明においては、上記ポリオレフィン樹脂の中でもポリエチレン又はポリプロピレンを用いるのが好ましい。
このような熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、下限が通常5万以上、中でも10万以上、上限が通常50万以下、好ましくは40万以下、さらに好ましくは30万以下、中でも20万以下程度であれば良い。この上限を超えると、充填剤添加による流動性の低下に加えて樹脂の溶融粘度が高くなるため溶融成形が困難となる。また、成形物が得られた場合であっても、充填剤が樹脂中に均等に分散されず、界面剥離による孔形成が不均一となるため、好ましくない。この下限を下回ると、機械的強度が低下するため好ましくない。
本発明に係る高分子多孔質膜に含まれる無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、カオリン、シリカ、ハイドロタルサイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、ゼオライト、ガラス粉等が挙げられ、中でも、リチウム二次電池で用いられるカーボネート系有機電解液を分解しないことから、特に硫酸バリウム、アルミナが好適である。
無機充填剤の粒径としては、数基準平均粒径の下限が、通常0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、中でも0.2μm以上であり、上限は通常10μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、中でも1μm以下であることが好ましい。無機充填剤の数基準平均粒径が10μmを超えると、延伸で形成される孔の径が大きくなりすぎ、延伸破断やフィルム強度の低下を招きやすい。また、数基準平均粒径が10μmを超えるとセパレータ表面の粒子個数が少なすぎてセパレータと正極活物質との接触面積の低減が充分ではなくなるので好ましくない。数基準平均粒径が0.01μmより小さいと充填剤が凝集し易くなるため、基材樹脂に均等に充填剤を分散させることが難しくなりやすい。また、仮に均等に分散できても、延伸で形成される孔の径が小さすぎるため過充電防止剤の重合被膜による目詰まりが生じやすくなり、内部抵抗の増大を防止し得ない。さらに、粒径が小さすぎるためセパレータと正極活物質との接触面積の低減が充分ではなくなるので好ましくない。
本発明においては、上記条件に適合する無機充填剤であれば1種を単独で用いることもでき、2種以上を混合して用いることもできる。
本発明に係る高分子多孔質膜中の上記無機充填剤の配合量は、下限が熱可塑性樹脂100重量部に対して通常40重量部以上、好ましくは50重量部以上、中でも60重量部以上、より好ましくは100重量部以上であり、上限が熱可塑性樹脂100重量部に対して通常300重量部以下、好ましくは200重量部以下、より好ましくは150重量部以下である。高分子多孔質膜中の熱可塑性樹脂100重量部に対する無機充填剤の配合量が40重量部未満であると連通孔を形成することが難しく、セパレータとしての機能を発現することが困難となる上に、無機充填剤を配合したことによるセパレータの基材樹脂と正極との接触面積の低減によるセパレータの酸化防止効果を十分に得ることができない。また、300重量部を超えるとフィルム成形時の粘度が高くなり加工性に劣るばかりでなく、多孔化のための延伸時にフィルム破断を生じるため好ましくない。なお、本発明においては、多孔質膜の作製の際に配合した充填剤は、実質的に成形された多孔質膜中に残るため、上記の充填剤の配合量範囲は、多孔質膜中の充填剤含有量範囲となる。
無機充填剤としては、熱可塑性樹脂への分散性を高めるために表面処理剤により表面処理されているものを用いることもできる。この表面処理としては、熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂の場合、例えばステアリン酸等の脂肪酸又はその金属塩、或いはポリシロキサンやシランカップリング剤による処理が挙げられる。
本発明に係る高分子多孔質膜の成形時には、前記熱可塑性樹脂との相溶性を有する低分子量化合物を添加しても良い。この低分子量化合物は熱可塑性樹脂の分子間に入り込み、分子間の相互作用を低下させると共に結晶化を阻害し、その結果、シート成形時の樹脂組成物の延伸性を向上させる。また、低分子量化合物は熱可塑性樹脂と無機充填剤との界面接着力を適度に高めて、延伸による孔の粗大化を防止する作用を奏すると共に、熱可塑性樹脂と無機充填剤との界面接着力を高めることでフィルムからの無機充填剤の脱落を防止する作用を奏する。
この低分子量化合物としては分子量200〜3000のものが好適に用いられる。この低分子量化合物の分子量が3000を超えると低分子量化合物が熱可塑性樹脂の分子間に入りにくくなるため、延伸性の向上効果が不充分となる。また、分子量が200未満では、相溶性は上がるが、低分子量化合物が高分子多孔質膜表面に析出する、いわゆるブルーミングが起こりやすくなり、膜性状の悪化やブロッキングを起こしやすくなり好ましくない。
低分子量化合物としては、熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂の場合、脂肪族炭化水素又はグリセライドなどが好ましく使われる。特に、ポリオレフィン樹脂がポリエチレンの場合は、流動パラフィンや低融点ワックスが好ましく用いられる。
本発明に係る高分子多孔質膜の成膜材料としての樹脂組成物における、上記低分子量化合物の配合量は、下限が熱可塑性樹脂100重量部に対し通常1重量部以上、好ましくは5重量部以上であり、上限が熱可塑性樹脂100重量部に対し通常20重量部以下、好ましくは15重量部以下である。低分子量化合物の配合量が熱可塑性樹脂100重量部に対して1重量部未満であると、低分子量化合物を配合することによる上記効果が十分に得られず、また20重量部を超えると熱可塑性樹脂の分子間の相互作用を低下させ過ぎて、十分な強度が得られなくなる。また、シート成形時に発煙が生じたり、スクリュー部分での滑りが生じて、安定なシート成形が難しくなる。
本発明に係る高分子多孔質膜の成膜材料としての樹脂組成物には、さらに必要に応じて熱安定剤等の他の添加剤を添加することができる。上記添加剤としては、公知のものであれば特に制限されず用いられる。これらの添加剤の配合量は、樹脂組成物の全量に対して、通常0.05〜1重量%である。
本発明に係る高分子多孔質膜の多孔度は、高分子多孔質膜の空孔率の下限として通常30%以上、好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上であり、上限として通常80%以下、好ましくは70%以下、さらに好ましくは65%以下である。空孔率が30%未満であるとイオンの透過性が充分でなく、セパレータとしての機能を果たすことができず、好ましくない。また、空孔率が80%を超えると、フィルムの実強度が低くなるため、電池作成時の破断や活物質による突き抜けと短絡が生じ、好ましくない。
なお、高分子多孔質膜の空孔率とは、以下の計算式によって算出される値である。
空孔率Pv(%)=100×(1−w/〔ρ・S・t〕)
S:高分子多孔質膜の面積
t:高分子多孔質膜の厚み
w:高分子多孔質膜の重さ
ρ:高分子多孔質膜の真比重
なお、高分子多孔質膜を構成する成分i(樹脂や充填剤など)のブレンド重量をWi、比重をρiとすると、真比重ρは以下の式で求められる(式中でΣは全ての成分の和を表す。)。
真比重ρ=ΣWi/Σ(Wi/ρi)
本発明に係る高分子多孔質膜の厚みの上限値は、通常100μm以下、好ましくは40μm以下であり、下限値は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上である。厚みが5μm未満であると、実強度が低いため、電池の作成時の破断や活物質による突き抜けと短絡が生じ、好ましくない。また、厚みが100μmを超えるとセパレータの電気抵抗が高くなるため、電池の容量が低下して好ましくない。また、厚みが100μmを超えると電池内に入れられる活物質量が減るため、電池全体の容量も低下して好ましくない。セパレータの厚みを5〜100μmの範囲とすることにより、良好なイオン透過性を有するセパレータとすることができる。
本発明に係る高分子多孔質膜の平均孔径の下限は0.05μm以上、好ましくは0.1μm以上であり、より好ましくは0.2μm以上である。また、上限は10μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下であり、中でも1μm以下が好ましい。平均孔径が0.05μmより小さいと多孔質膜の連通性を充分に確保することが難しくなり、10μmよりも大きいと実用的なフィルム強度を確保することが難しくなるため好ましくない。高分子多孔質膜の孔径は、後述の通り無機充填剤の特性(粒径等)や充填量を必要に応じて選択することで任意に変えることができる。なお、ここで高分子多孔質膜の平均孔径はASTM F316−86より定められる。
また、本発明に係る高分子多孔質膜は、ガーレー透気度の下限値が20秒/100cc以上、特に100秒/100cc以上で、上限値が700秒/100cc以下、特に300秒/100cc以下であることが好ましい。ガーレー透気度がこの下限値を下回る場合は、空孔率が高すぎるか厚みが薄すぎることが多く、前述の通りフィルムの実強度が低くなって電池作成時の破断や活物質による突き抜けと短絡が生じて好ましくない。この上限値を超える場合は、イオンの透過性が充分でなく、セパレータとしての機能を果たすことができず、好ましくない。なお、ガーレー透気度は、JIS P8117に準拠して測定され、1.22kPa圧で100ccの空気が膜を透過する秒数を示す。
<セパレータの製造方法>
リチウム二次電池で使用されるセパレータには、両極間のイオン伝導を妨げないこと、電解液を保持できること、電解液に対して耐性を有すること、などの要件を満たすことが求められ、従来においては、主としてポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂からなる高分子多孔質膜が用いられ、これらの高分子多孔質膜を製造する方法としては、前述の如く、(1)抽出法、(2)延伸法、(3)界面剥離法がある。
しかしながら(1)の抽出法は、可塑剤として高分子材料と相溶性が良いものを選ぶ必要があるため抽出、或いはその後に延伸を行っても充分に大きな孔を形成することができず、このため得られるセパレータの電気抵抗が高くなるという欠点がある。また、相溶性の悪い可塑剤を添加して孔を大きくする方法も公知技術として知られているが、この方法では、成形が不安定となって性状のよいフィルムを得ることが難しい。なお、いずれの方法であっても、抽出工程において大量の廃液を処理する必要があり、環境・経済性の両面において問題がある。また抽出工程で発生する膜の収縮のために均等な膜を得ることが難しく、歩留まりなど生産性においても問題がある。(2)の延伸法は、結晶ドメイン間の非晶部分のみを選択的に延伸するため、高倍率の延伸が難しい。そのため、孔径を大きくすることが難しく、得られるセパレータの電気抵抗が高くなると言う欠点がある。また延伸前の結晶相・非晶相の構造制御により孔径分布を制御するために、長時間の熱処理が必要であり、生産性の面で問題がある。
これに対して、(3)の界面剥離法は、(1),(2)の方法に比較して高分子材料と充填剤との界面を延伸操作により容易に剥離することができるため、熱処理などの前処理を必要とせずに孔径の大きな多孔質膜を容易に製造することができる。このように孔径の大きなセパレータは、孔の連通性が高く、過充電防止剤の重合物の目詰まりによる電池の内部抵抗の増大防止に有効である。また廃液の発生などはなく、環境・経済性の両面において優れた方法である。
従って、本発明のセパレータは、好ましくは界面剥離法で製造され、より具体的には、次のような方法で製造される。
まず、無機充填剤と熱可塑性樹脂、及び必要に応じて添加される低分子量化合物や酸化防止剤等の添加剤の所定量を配合し、溶融混練することにより樹脂組成物を調製する。ここで、上記樹脂組成物はヘンシェルミキサー等によって予備混合を行い、しかる後に通常用いられる一軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、ミキシングロール又は二軸混練機等を用いて調製しても良く、或いは予備混練を省略して直接上記押出機等で直接樹脂組成物を調製しても良い。
次いで、上記樹脂組成物をシート成形する。シート成形は通常用いられるTダイによるTダイ法や円形ダイによるインフレーション法により行うことができる。
次いで、成形されたシートの延伸を行う。該延伸には、シートの引き取り方向(MD)に延伸する縦一軸延伸、テンター延伸機等により横方向(TD)に延伸する横一軸延伸、MDへの一軸延伸後引き続きテンター延伸機等によりTDに延伸する逐次二軸延伸法、又は縦方向及び横方向を同時に延伸する同時二軸延伸法がある。上記一軸延伸はロール延伸により行うことができる。上記延伸は、シートを構成する樹脂組成物が所定の延伸倍率に容易に延伸でき、かつ樹脂組成物が融解して孔を閉塞させ連通性を失わせることのない任意の温度で行うことができるが、好ましくは樹脂の融点−70℃〜樹脂の融点−5℃の温度範囲で延伸される。延伸倍率は必要とされる孔径や強度に応じて任意に設定されるが、好ましくは少なくとも一軸方向に1.2倍以上の延伸を行う。なお、この延伸倍率の上限については特に制限はないが、通常一軸方向に7倍以下である。この上限を超える延伸を行うと、得られる多孔質膜の空孔率が高くなり過ぎて強度が低下し、実用に耐えなくなるおそれがある。
[非水系電解液]
本発明の非水系電解液二次電池に使用される非水系電解液は、非水系溶媒とリチウム塩を含有し、さらに発熱性が1.5以上の芳香族化合物を含有するものである。
<非水系溶媒>
本発明の非水系電解液二次電池に使用される電解液の非水系溶媒としては、非水系電解液二次電池の溶媒として公知の任意のものを用いることができる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート等の環状カーボネート(好ましくは炭素数3〜5のアルキレンカーボネート);ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のジアルキルカーボネート(好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を有するジアルキルカーボネート)等の鎖状カーボネート;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル;ジメトキシエタン、ジメトキシメタン等の鎖状エーテル;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状カルボン酸エステル;酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステルなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種類以上を併用しても良い。
上記例示溶媒の中でも、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを混合した混合非水系溶媒が、充放電特性、電池寿命等の電池性能全般を高める観点から好ましい。また、上記混合非水系溶媒は、環状カーボネート及び鎖状カーボネートをそれぞれ非水系溶媒全体の15体積%以上含み、且つ、それらの体積の合計が非水系溶媒全体の70体積%以上となるように混合することが好ましい。
上記の環状カーボネート及び鎖状カーボネートを混合した混合非水系溶媒に用いられる環状カーボネートとしては、アルキレン基の炭素数が2以上4以下のアルキレンカーボネートが好ましい。その具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる。中でも、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートが好ましい。
また、上記の環状カーボネート及び鎖状カーボネートを混合した混合非水系溶媒に用いられる鎖状カーボネートとしては、炭素数が1以上4以下のアルキル基を有するジアルキルカーボネートが好ましい。その具体例としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びエチルメチルカーボネートが好ましい。
これらの環状カーボネート及び鎖状カーボネートは各々独立に、1種のみを単独で使用しても良く、複数種を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。混合非水系溶媒の環状カーボネートの割合は15体積%以上、特に20〜50体積%で、鎖状カーボネートの割合は30体積%以上、特に40〜80体積%で、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの含有比率は、環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:1〜4(体積比)であることが好ましい。
さらに、上記の混合非水系溶媒は、製造されるリチウム電池の電池性能を低下させない範囲であれば、環状カーボネート及び鎖状カーボネート以外の溶媒を含んでいても良い。混合非水系溶媒中における環状カーボネート及び鎖状カーボネート以外の溶媒の割合は、通常30体積%以下、好ましくは10体積%以下である。
<発熱性が1.5以上の芳香族化合物>
本発明において、芳香族化合物の発熱性は次の方法で定義されるものである。
<発熱性の測定方法>
次の手順で測定用電池を作製して発熱試験を行うことにより測定する。
(i) 測定用電池の作製
・非水系電解液の調製
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを3:7(体積比)で混合し、Li塩としてLiPFを1mol/Lとなる濃度で混合し、これに試料の芳香族化合物を電解液重量に対して3重量%となる濃度で添加、混合して非水系電解液を調製する。
・正極の作製
正極活物質としてLiCoOを用い、LiCoO90重量部にカーボンブラック5重量部及びポリフッ化ビニリデン(呉羽化学社製商品名「KF−1000」)5重量部を加えて混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散し、スラリー状とする。これを、正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布し、乾燥後、プレス機により、正極活物質層の密度が3.0g/cmになるようにプレスして正極とする。
・負極の作製
負極活物質として天然黒鉛粉末を用い、天然黒鉛粉末94重量部にポリフッ化ビニリデン6重量部を混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散させてスラリー状とする。これを負極集電体である厚さ18μmの銅箔の片面に均一に塗布し、乾燥後、プレス機により、負極活物質層の密度が1.5g/cmになるようにプレスして負極とする。
・セパレータ
ポリエチレン(重量平均分子量が30万〜100万の範囲にあるもの)製で、厚みが15〜25μmの範囲、空孔率が30〜50%の範囲の物性を満たすものを用いる。
・測定用電池の組立て
上記正極、負極、及びセパレータを負極、セパレータ、正極、セパレータ、負極の順に積層し、こうして得られた電池要素を、まずPETフィルムで挟んだ後、アルミニウム層の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムに正極負極の端子を突設させつつ挿入し、0.5CCの上記電解液を加え、真空封止してシート状のリチウム二次電池(ラミネート電池)を作製する。さらに電極間の密着性を高めるためにシリコンゴム及びガラス板でシート状電池を挟んだ上で0.35kg/cmで加圧する。
(ii) 発熱試験
・前処理
25℃において0.2C(1時間率の放電容量による定格容量を1時間で放電する電流値を1Cとする、以下同様)に相当する定電流で充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3Vで充放電を5サイクル行って安定させ、4サイクル目を0.5Cに相当する電流で充電終止電圧4.2Vまで充電し、充電電流値が0.05Cに相当する電流値になるまで充電を行う4.2V−定電流定電圧充電(CCCV充電)(0.05Cカット)で満充電とする。
満充電電池を充電後1時間放置した後、ラミネート電池外側アルミ表面中央部の温度(T)を測定する。
・発熱性の測定条件
上記満充電電池に対し、2Cに相当する電流値でさらに充電(過充電)を行う。充電開始21分後、即ち満充電を100%とした場合170%の過充電状態に達したときのラミネート電池外側アルミ表面中央部の温度(T)を測定する。
ここで、芳香族化合物を含まない非水系電解液での測定温度をそれぞれT0 i,T0 fと表記すると、計算式
(T−T)−(T0 f−T0 i
で求められる数値を、本発明における発熱性と定義する。
なお、以上の温度の単位は全てセルシウス温度(℃)である。
本発明においては、この発熱性が1.5以上の芳香族化合物を用いる。この発熱性は、通常1.5以上、好ましくは1.8以上、さらに好ましくは2.0以上で、通常6.0以下、好ましくは5.5以下、さらに好ましくは5.2以下である。発熱性がこの上限を超えると、電池の温度が高くなりやすく、危険であり、下限を下回ると、本発明で目的とする電池安全性が得にくくなる。
また、この芳香族化合物の分子量は、通常80以上、好ましくは100以上、さらに好ましくは120以上で、通常300以下、好ましくは250以下、さらに好ましくは230以下である。分子量がこの上限を超えると、非水溶媒に溶解しにくくなり、下限を下回ると、過充電防止効果が得られにくくなる。
発熱性1.5以上の芳香族化合物としては、例えば、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキシルフルオロベンゼン、ビフェニル、フルオロビフェニル、ジフェニルエーテル等芳香族化合物が挙げられる。これらの芳香族化合物は、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
このような発熱性が1.5以上の芳香族化合物の非水系電解液中の含有量は、通常0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上で、通常8重量%以下、好ましくは6重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。芳香族化合物の含有量がこの上限を超えると保存特性やサイクル特性の悪化をまねくおそれがあり、下限を下回ると過充電防止効果が得られにくくなる。
<リチウム塩>
非水系電解液の溶質であるリチウム塩としては、任意のものを用いることができる。例えば、LiClO、LiPF、LiBF等の無機リチウム塩;LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO、LiPF(CF、LiPF(C、LiPF(CFSO、LiPF(CSO、LiBF(CF、LiBF(C、LiBF(CFSO、LiBF(CSO等の含フッ素有機リチウム塩などが挙げられる。これらのうち、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO等の含フッ素リチウム塩、特にLiPF、LiBFが好ましい。なお、リチウム塩についても1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
これらのリチウム塩の非水系電解液中の濃度の下限値としては、通常0.5mol/l以上、中でも0.75mol/l以上、上限値としては、通常2mol/l以下、中でも1.5mol/l以下である。リチウム塩の濃度がこの上限値を超えると非水系電解液の粘度が高くなり、電気伝導率も低下する。また、この下限値を下回ると電気伝導率が低くなるので、上記濃度範囲内で非水系電解液を調製することが好ましい。
<その他の添加剤>
本発明に係る非水系電解液には、非水系溶媒、リチウム塩及び前記芳香族化合物以外に、必要に応じて他の有用な成分、例えば従来公知の炭酸ビニレン、炭酸フルオロエチレン、炭酸ビニルエチレン、炭酸フェニルエチレン、コハク酸無水物等の負極被膜形成剤、亜硫酸エチレン、亜硫酸プロピレン、亜硫酸ジメチル、プロパンスルトン、ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、トルエンスルホン酸メチル、硫酸ジメチル、硫酸エチレン、スルホラン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、ジフェニルスルフィド、チオアニソール、ジフェニルジスルフィド、ジピリジニウムジスルフィド等の正極保護剤、脱酸剤、脱水剤等の各種の添加剤を含有させても良い。
[正極]
正極としては、通常、正極活物質とバインダーを含有する活物質層を集電体上に形成させたものが用いられる。
正極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば、その種類に制限はない。好ましい例としては、リチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。
リチウム遷移金属複合酸化物の具体例としては、LiCoOなどのリチウム・コバルト複合酸化物、LiNiOなどのリチウム・ニッケル複合酸化物、LiMnOなどのリチウム・マンガン複合酸化物等が挙げられる。これらのリチウム遷移金属複合酸化物は、主体となる遷移金属原子の一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si等の他の金属で置き換えると、安定化させることができるので好ましい。これらの正極活物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
バインダーとしては、電極製造時に使用する溶媒や電解液、電池使用時に用いる他の材料に対して安定な材料であれば、特に限定されない。その具体例としてはポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、複数種を併用しても良い。
正極活物質層中のバインダーの割合は、下限値が通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上であり、上限値が通常80重量%以下、好ましくは60重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。バインダーの割合が少ないと、活物質を十分に保持できないので、正極の機械的強度が不足し、サイクル特性等の電池性能を悪化させることがあり、逆に多すぎると電池容量や導電性を下げることになる。
正極活物質層は、通常、導電性を高めるため導電剤を含有する。導電剤としては、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛の微粒子や、アセチレンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素微粒子等等の炭素質材料を挙げることができる。これらは1種を単独で用いても、複数種を併用しても良い。
正極活物質層中の導電剤の割合は、下限値が通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上であり、上限値が通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは15重量%以下である。導電剤の割合が少ないと導電性が不十分になることがあり、逆に多すぎると電池容量が低下することがある。
正極活物質層には、その他、増粘剤等の通常の活物質層の添加剤を含有させることができる。
増粘剤は電極製造時に使用する溶媒や電解液、電池使用時に用いる他の材料に対して安定な材料であれば、特に限定されない。その具体例としては、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、複数種を併用しても良い。
正極の集電体には、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が使用される。
正極は、前述の正極活物質とバインダーと導電剤、必要に応じて添加されるその他の添加剤とを溶媒でスラリー化したものを集電体に塗布して乾燥することにより形成することができる。スラリー化のために用いる溶媒としては、通常、バインダーを溶解する有機溶剤が使用される。例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等が用いられるがこれらに限定されない。これらは1種を単独で用いても、複数種を併用しても良い。また、水に分散剤、増粘剤等を加えてSBR等のラテックスで活物質をスラリー化することもできる。
このようにして形成される正極活物質層の厚さは、通常10〜200μm程度である。なお、塗布・乾燥によって得られた活物質層は、活物質の充填密度を上げるために、ローラープレス等により圧密化するのが好ましい。
[負極]
負極は、通常、負極活物質とバインダーを含有する活物質層を集電体上に形成させたものが用いられる。
負極活物質としては様々な熱分解条件での有機物の熱分解物や人造黒鉛、天然黒鉛等のリチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料;酸化錫、酸化珪素等のリチウムを吸蔵・放出可能な金属酸化物材料;リチウム金属;種々のリチウム合金や、Si、Snなどリチウムと合金形成可能な金属材料などを用いることができる。これらの負極活物質は、1種を単独で用いても良く、2種類以上を混合して用いても良い。
特に、上記の中で、炭素質材料が電池の安全性や保存特性の点の他、電池を高電圧で用いる際に、正極電位が高くなりにくい点で、本発明による効果がより得られやすくなり、好ましい。
バインダーとしては、電極製造時に使用する溶媒や電解液、電池使用時に用いる他の材料に対して安定な材料であれば、特に限定されない。その具体例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いても、複数種を併用しても良い。
負極活物質層中の上述のバインダーの割合は、下限値が通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上であり、上限値が通常80重量%以下、好ましくは60重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。バインダーの割合が少ないと、活物質を十分に保持できないので負極の機械的強度が不足し、サイクル特性等の電池性能を悪化させることがあり、逆に多すぎると電池容量や導電性を下げることになる。
負極活物質層には、その他、増粘剤等の通常の活物質層の添加剤を含有させることができる。
増粘剤は電極製造時に使用する溶媒や電解液、電池使用時に用いる他の材料に対して安定な材料であれば、特に限定されない。その具体例としては、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、複数種を併用しても良い。
負極の集電体には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が使用される。
負極は、前述の負極活物質とバインダー、必要に応じて添加されるその他の添加剤とを溶媒でスラリー化したものを集電体に塗布して乾燥することにより形成することができる。スラリー化のために用いる溶媒としては、通常、バインダーを溶解する有機溶剤が使用される。例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等が用いられるがこれらに限定されない。これらは1種を単独で用いても、複数種を併用しても良い。また、水に分散剤、増粘剤等を加えてSBR等のラテックスで活物質をスラリー化することもできる。
このようにして形成される負極活物質層の厚さは、通常、10〜200μm程度である。なお、塗布・乾燥によって得られた活物質層は、活物質の充填密度を上げるために、ローラープレス等により圧密化するのが好ましい。
[電池構成]
本発明のリチウム二次電池は、上述した正極と、負極と、非水系電解液と、セパレータとを、適切な形状に組み立てることにより製造される。さらに、必要に応じて外装ケース等の他の構成要素を用いることも可能である。
その電池形状は特に制限されず、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができる。一般的に採用されている形状の例としては、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ、シート電極及びセパレータを積層したラミネートタイプなどが挙げられる。また、電池を組み立てる方法も特に制限されず、目的とする電池の形状に合わせて、通常用いられている各種方法の中から適宜選択することができる。
以上、本発明のリチウム二次電池の一般的な実施形態について説明したが、本発明のリチウム二次電池は上記実施形態に制限されるものではなく、その要旨を越えない限りにおいて、各種の変形を加えて実施することが可能である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
<セパレータの製造>
高密度ポリエチレン〔三井化学社製「HI−ZEX7000FP」、重量平均分子量:20万、密度;0.956g/cm、メルトフローレート;0.04g/10min〕100重量部、軟質ポリプロピレン〔出光石油化学社製「PER R110E」、重量平均分子量:33万〕8.8重量部、硬化ひまし油〔豊国製油社製「HY−CASTOR OIL」、分子量938〕8.8重量部、無機充填剤として硫酸バリウム〔数基準平均粒径0.18μm〕176.5重量部を配合して溶融混練し、得られた樹脂組成物を温度210℃でインフレーション成形を行い原反シートを得た。原反シートの厚みは平均105μmであった。次に、得られた原反シートを90℃でシート長手方向(MD)に4倍、次いで120℃で幅方向(TD)に2.9倍の逐次延伸を行い、膜厚26μm、空孔率64%、平均孔径(ASTM F316−86により定められる平均孔径)0.27μm、ガーレー透気度(JIS P8117により定められるガーレー透気度)44秒/100ccの高分子多孔質膜を得た。この高分子多孔質膜をセパレータAとする。なお延伸の過程で、高分子多孔質膜からの無機充填剤の脱落は認められなかった。
<非水系電解液の調製>
乾燥アルゴン雰囲気下、精製したエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比3:7で混合し、混合溶媒を作製した。この混合溶媒に対し、十分に乾燥したLiPFを1.0mol/lの割合となるように溶解した後、シクロヘキシルベンゼン(CHB)を、得られる非水系電解液中の濃度が2重量%となるように混合し、非水系電解液とした。なお、CHBは前述した発熱性測定試験における発熱性として、2.5を示した。
<正極の作製>
正極活物質としてLiCoOを用い、LiCoO85重量部にカーボンブラック6重量部及びポリフッ化ビニリデン(呉羽化学社製商品名「KF−1000」)9重量部を加えて混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散し、スラリー状とした。これを、正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に均一に塗布し、乾燥後、プレス機により正極活物質層の密度が3.0g/cmになるようにプレスして正極とした。
<負極の作製>
負極活物質として天然黒鉛粉末を用い、天然黒鉛粉末94重量部にポリフッ化ビニリデン6重量部を混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散させてスラリー状とした。これを負極集電体である厚さ18μmの銅箔の片面に均一に塗布し、乾燥後、プレス機により負極活物質層の密度が1.5g/cmになるようにプレスして負極とした。
<電池の組立>
上記のように作製した負極板と正極板を、セパレータAとともに重ねて巻き取り、最外周をテープで止めて渦巻き状電極体とした。この電極体を円筒状に成形したステンレス製の電池ケースに、開口部から挿入した。その後、電極体の負極と接続されている負極リードを電池ケースの内底部に溶接するとともに、電極体の正極と接続されている正極リードを、電池内部のガス圧が上昇して所定以上になると作動する電流遮断装置の底部と溶接した。また、封口板の底部には、防爆弁、電流遮断装置を取り付けた。そして、上記電解液を注入した後、電池ケースを開口部で、封口板とポリプロピレン(PP)製の絶縁ガスケットにより密封し、実施例1のリチウム二次電池とした。
<電池の評価>
1)初期充放電
25℃において0.2C(1時間率の放電容量による定格容量を1時間で放電する電流値を1Cとする、以下同様)に相当する定電流で充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3Vで充放電を3サイクル行って安定させ、4サイクル目を0.5Cに相当する電流で充電終止電圧4.2Vまで充電し、充電電流値が0.05Cに相当する電流値になるまで充電を行う4.2V−定電流定電圧充電(CCCV充電)(0.05Cカット)後、1Cに相当する定電流値で3V放電を行った。このときの放電容量を保存前容量とし、表1に示した。
2)過充電試験
上記1)初期充放電を行なった電池に対して、25℃にて充電上限電圧4.2Vまで1Cの定電流で充電した後、2.5時間の定電圧充電を行い、満充電とした。その後、さらに過充電試験として、1Cの定電流で充電を行い、電流を流し始めてから電流遮断装置が作動するまでの時間と、その際の各電池の最高温度を測定した。電流遮断装置が作動するまでの時間(電流遮断時間)が短く、電池の最高到達温度が低いものが、過充電における電池の安全性に優れることとなる。この結果を表1に示した。
3)高温保存試験
上記1)初期充放電を行った電池を25℃にて1Cに相当する定電流で充電終止電圧4.2Vまで充電した後、2.5時間の定電圧充電を行い、満充電とした。この電池を60℃の環境下にて30日間保存した。保存後の電池を25℃にて0.2Cに相当する電流値で3Vまで放電した後、初期と同様の4.2V−CCCV充電をし、1Cに相当する定電流値で3V放電を行った。このときの放電容量を保存後容量とし、表1に示した。
〔実施例2〕
高密度ポリエチレン〔三井化学社製「HI−ZEX7000FP」、重量平均分子量:20万、密度;0.956g/cm、メルトフローレート;0.04g/10min〕100重量部、軟質ポリプロピレン〔出光石油化学社製「PER R110E」、重量平均分子量:33万〕8.8重量部、硬化ひまし油〔豊国製油社製「HY−CASTOR
OIL」、分子量938〕8.8重量部、無機充填剤として硫酸バリウム〔数基準平均粒径0.17μm〕117.6重量部を配合して溶融混練し、得られた樹脂組成物を温度210℃でインフレーション成形を行い原反シートを得た。原反シートの厚みは平均110μmであった。次に、得られた原反シートを90℃でシート長手方向(MD)に4倍、次いで120℃で幅方向(TD)に2.9倍の逐次延伸を行い、膜厚25μm、空孔率61%、平均孔径0.19μm、ガーレー透気度85秒/100ccの高分子多孔質膜を得た。この高分子多孔質膜をセパレータBとする。なお延伸の過程で、高分子多孔質膜からの無機充填剤の脱落は認められなかった。
セパレータBを用いる以外は実施例1と同様の手順で円筒型電池(実施例2のリチウム二次電池)を作製し、同様にその評価を行い、結果を表1に示した。
〔実施例3〕
実施例1において、非水系電解液調製の際、CHBを非水系電解液中の濃度が3重量%となるように混合したこと以外は実施例1と同様の手順で円筒型電池(実施例3のリチウム二次電池)を作製し、同様にその評価を行い、結果を表1に示した。
〔実施例4〕
実施例1において、非水系電解液調製の際、CHBを非水系電解液中の濃度が1重量%となるように混合したこと以外は実施例1と同様の手順で円筒型電池(実施例4のリチウム二次電池)を作製し、同様にその評価を行い、結果を表1に示した。
〔実施例5〕
実施例1において、非水系電解液調製の際、CHBの代わりにビフェニル(BP)を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で円筒型電池(実施例5のリチウム二次電池)を作製し、同様にその評価を行い、結果を表1に示した。なお、BPは前述した発熱性測定試験における発熱性として、3.3を示した。
〔実施例6〕
実施例5において、セパレータとしてセパレータBを使用したこと以外は実施例5と同様の手順で円筒型電池(実施例6のリチウム二次電池)を作製し、同様にその評価を行い、結果を表1に示した。
〔比較例1〕
粘度平均分子量100万のポリエチレン25重量部とパラフィンワックス(平均分子量389)75重量部の混合物を、40mmφ二軸押出機を用いて押出温度170℃、で押出しインフレーション法で原反フィルムを作成した。得られた原反フィルムを60℃のイソプロパノール中に浸漬してパラフィンワックスを抽出除去した。得られたフィルムをロール延伸機を用いて90℃の温度で2.0倍に縦延伸後、テンター延伸機にて100℃の温度で6.0倍に延伸を行い、膜厚22μm、空孔率50%、平均孔径0.04μm、ガーレー透気度440秒/100ccの多孔質膜を得た。この高分子多孔質膜をセパレータCとする。
セパレータCを用いる以外は実施例1と同様の手順で円筒型電池(比較例1のリチウム二次電池)を作製し、同様にその評価を行い、結果を表1に示した。
なお、比較例1のセパレータCは、充填剤の有無の効果を明確にするために、実施例1及び2のセパレータA,Bに対して、面積延伸倍率を同程度(約12倍)としてある。
〔比較例2〕
実施例5において、セパレータとしてセパレータCを使用したこと以外は実施例5と同様の手順で円筒型電池(比較例2のリチウム二次電池)を作製し、同様にその評価を行い、結果を表1に示した。
〔比較例3〕
実施例1において、非水系電解液の調製の際、CHBを添加しなかったこと以外は実施例1と同様の手順で円筒型電池(比較例3のリチウム二次電池)を作製し、同様にその評価を行い、結果を表1に示した。
〔比較例4〕
実施例1において、非水系電解液の調製の際、CHBの代わりに2,4−ジフルオロアニソール(DFA)を用いたこと以外は実施例1と同様の手順で円筒型電池(比較例4のリチウム二次電池)を作製し、同様にその評価を行い、結果を表1に示した。
なお、DFAは前述した発熱性測定試験における発熱性として、0.5を示した。
Figure 2005259680
上記表1から明らかなように、発熱性が1.5以上の芳香族化合物を含有する非水系電解液を使用したリチウム二次電池は全て過充電時安全性が良好であった。しかし、この場合において、熱可塑性樹脂中に無機充填剤を含有するセパレータを備えた実施例1〜6のリチウム二次電池は、高温保存特性も良好であるのに対し、抽出法によって得られた、無機充填剤を含有しない孔径の小さなセパレータを使用した比較例1及び比較例2は高温保存後の特性が実施例1〜6と比較して劣っていることがわかる。
即ち、無機充填剤を含まないセパレータを用いた比較例1,2では、過充電防止剤である芳香族化合物の重合物によるセパレータの目詰まりに起因する高温保存特性の低下の問題がある。
この高温保存特性の低下は、非水系電解液中に発熱性が1.5以上の芳香族化合物を配合することにより起こるものであり、非水系電解液中に芳香族化合物を含まない比較例3や発熱性が0.5の芳香族化合物を用いた比較例4では、高温保存特性の低下の問題は殆どないが、芳香族化合物を含まないことにより或いは発熱性の高い芳香族化合物を含まないことにより、過充電時安全性が劣る。
なお、前述の如く、比較例1,2で用いた抽出法によるセパレータCは、実施例1〜6で界面剥離法により製造したセパレータA,Bと、同等の厚みの原反シートを同等の面積延伸倍率(約12倍)で延伸して得られたものであるが、その平均孔径が大きく異なり、セパレータA,Bでは平均孔径0.27μm、0.19μmであるのに対して、セパレータCは0.04μmである。このように平均孔径が大きく異なることによって、孔径の大きなセパレータA,Bを用いた実施例1〜6では、過充電防止剤の重合物の目詰まりが抑制され、高温保存特性を維持する。これに対して、孔径の小さなセパレータCを用いた比較例1,2では、このような効果は得られず、高温保存特性が低下する。
また、無機充填剤を含むセパレータA,Bでは、前述のようにセパレータの酸化も抑制され、これにより高温保存時の過充電防止剤の重合反応も抑制されると考えられ、このことも高温保存特性を維持する原因となっていると考えられる。
なお、抽出法による成膜においては、延伸倍率を上げても厚密化(延伸による厚み方向の収縮)か生じるために、得られる多孔質膜の孔径はそれほどは大きくならず、却って孔径が小さくなることもあるため、目詰まり防止に有効なセパレータを実現することは困難である。
本発明のリチウム二次電池の用途は特に限定されず、公知の各種の用途に用いることが可能である。具体例としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ等の小型機器、及び、電気自動車、ハイブリッド自動車等の大型機器などを挙げることができる。
特に、本発明のリチウム二次電池は、過充電安全性に優れ、かつ高い高温保存特性を有することから、比較的高温の条件下での用途において特に効果を発揮する。

Claims (7)

  1. リチウムを吸蔵・放出することが可能な負極及び正極と、セパレータと、非水系溶媒及びリチウム塩を含有する非水系電解液とを備えてなる非水系電解液二次電池において、
    該セパレータが、無機充填剤を含有する熱可塑性樹脂よりなる多孔質膜を有し、
    該非水系電解液が、発熱性が1.5以上の芳香族化合物を含有することを特徴とする非水系電解液二次電池。
  2. 請求項1に記載の非水系電解液二次電池において、該発熱性が1.5以上の芳香族化合物が、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキシルフルオロベンゼン、ビフェニル、フルオロビフェニル、及びジフェニルエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする非水系電解液二次電池。
  3. 請求項1又は2に記載の非水系電解液二次電池において、該発熱性が1.5以上の芳香族化合物を、該非水系電解液中に0.1〜8重量%含有することを特徴とする非水系電解液二次電池。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の非水系電解液二次電池において、該セパレーターは、厚みが5μm以上100μm以下、空孔率が30%以上80%以下、ASTM F316−86により定められる平均孔径が0.05μm以上10μm以下、JIS P8117により定められるガーレー透気度が20秒/100cc以上700秒/100cc以下であることを特徴とする非水系電解液二次電池。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の非水系電解液二次電池において、該リチウム塩が含フッ素リチウム塩であり、該非水系溶媒が環状カーボネートと鎖状カーボネートとの双方を含有することを特徴とする非水系電解液二次電池。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の非水系電解液二次電池において、該負極が、炭素材料を活物質とすることを特徴とする非水系電解液二次電池。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の非水系電解液二次電池において、該正極が、リチウム遷移金属複合酸化物を活物質とすることを特徴とする非水系電解液二次電池。
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