JP2004051791A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次電池のセパレーター等としたときに、電池の安全性を大幅に向上可能な樹脂組成物、該樹脂組成物を使用した素子、多孔性フィルム、電池用セパレーターおよびこれらを用いてなる電池を提供する。
【解決手段】100℃以下である電池の通常使用温度(T1)で電子絶縁時の電子伝導の電気抵抗をER1とし、100℃よりも高い電子伝導開始温度(T2)以上(T2−T1>20℃)で電子伝導時の電子伝導の電気抵抗をER2としたとき、ER2がER1の10分の1以下である樹脂を主成分とする樹脂組成物にあり、さらに、該樹脂組成物を使用した素子、電気素子、該樹脂組成物を原料とする多孔性フィルム、該樹脂組成物を使用した電池用セパレーター、さらに前記素子、前記多孔性フィルムおよび前記電池用セパレーターからなる群より選ばれる少なくとも1種を使用する電池。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂組成物、この樹脂組成物を用いた素子、多孔性フィルム、電池用セパレーターおよびこれらを用いた電池、電解コンデンサ、電気二重層コンデンサに関する。詳しくは、通常使用温度では絶縁性であるが、特定温度になると導電性が発現することを特徴とする樹脂組成物、この樹脂組成物を使用した素子、多孔性フィルム、この樹脂組成物を用いてなり電池の安全性を向上させる電池用セパレーターおよびこれらを用いてなる電池、電解コンデンサ、電気二重層コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビデオカメラ、ヘッドホンステレオなどの電子機器の高性能化、小型化にはめざましいものがあり、これらの電子機器の電源となる二次電池の重負荷性の改善やエネルギー高密度化の要求が強まってきている。このため、例えば、リチウム金属、リチウム合金もしくは、炭素質材料のようなリチウムを吸蔵、放出できる物質を負極材料に使用する非水電解液電池等の開発が活発に行われるようになった。
【0003】
しかしながら、電池のエネルギー高密度化にともない危険性も増してくる。例えば、上記の非水電解液電池は、充電時に通常よりも長く電気が供給されて過充電状態になったり、あるいは、放電時に誤使用や前記電池を使用する機器の故障等により大電流が流れて短絡状態になったりすると、電解液が分解し、ガスが発生し、電池内圧が上昇してしまう。更に過電流あるいは短絡が続くと、電解液の分解による発熱のため電池温度が急激に上昇し、電池が発火したり、破裂してしまう場合がある。
【0004】
そこで、内圧上昇や前記発熱による発火、破裂を未然に防ぐことが、電池の実用化には必須である。例えば、従来の円筒型リチウムイオン二次電池は、安全装置として、安全弁やPTC(Positive Temperature Coefficient)などが備え付けられており、また正極と負極との間に存在するセパレーターも1種の安全装置と考えることが出来る。
【0005】
例えば、上述のように機器の故障等による内部短絡や過充電により、ガスが発生し電池内圧が過上昇すると、安全弁が破裂し、電池内のガスは大気中に排出され電池の破裂を未然に防げる。また温度が上昇するとPTCが働き、過電流・加熱を防止する。
【0006】
また、セパレーターは、例えば、電池に外力が加わり電池内部で正負極が短絡した場合、ヒューズとして働く。つまり電池温度が上昇することにより、セパレーターのインピーダンスが2〜3桁大きくなるという、よく言われているシャットダウンという性能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の安全装置と併用可能な、例えば、二次電池のセパレーターとして使用することにより、電池の安全性を大幅に向上させることが出来る樹脂組成物を目的とし、より詳しくは、通常使用温度では絶縁性があるが、ある温度以上になると電子伝導による導電性が発現することを特徴とする樹脂組成物、更には該樹脂を使用する素子、更には該樹脂を使用して作成される電池セパレーターを提供することを目的とする。(以下、電子伝導による導電性が発現する下限温度を電子伝導開始温度という。)
【0008】
【問題を解決するための手段】
本発明は、100℃以下である通常使用温度(T1)で電子絶縁時の電子伝導測定による電気抵抗をER1とし、100℃よりも高い電子伝導開始温度(T2)以上(T2−T1>20℃)で電子伝導時の電子伝導測定による電気抵抗をER2としたとき、ER2がER1の10分の1以下であることを特徴とする樹脂を主成分とする樹脂組成物にあり、さらに、該樹脂組成物を使用した素子、該樹脂組成物を使用した電気素子、該樹脂組成物を原料とすることを特徴とする多孔性フィルム、該樹脂組成物を使用した電池用セパレーターにあり、さらに前記素子、前記電気素子、前記多孔性フィルムおよび前記電池用セパレーターからなる群より選ばれる少なくとも1種を使用していることを特徴とする電池に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する記号および数値の意味は次のとおりである。
通常使用温度(T1):樹脂組成物、素子、多孔性フィルム、電池用セパレーター、電池等を使用するときの温度である。以下、電池の場合を例にとって記号、数値を説明する。電池は、基本的には室温あるいは気温付近で使用されるが、例えば、自動車用に用いる場合は夏場の炎天下で充電する際など、非常に高温になる場合がある。従って100℃以下を通常使用温度の許容範囲(通常使用温度域)とし、100℃以下では安全機構が作動しないことが好ましい。
電子伝導開始温度(T2):電子伝導が開始する温度である。電池の温度が、100度を超える温度となって通常使用温度域を越えた場合、まず、電子伝導により極板間の電位を下げて、電池として蓄えられたエネルギーを解放させる。その温度は、通常使用温度よりは高いものの、極端に高いと電解液の分解反応等が始まる可能性がある。そこで、通常使用温度とは15℃程度のマージンが必要である。
熱閉塞温度(T3):、すなわちセパレーターのシャットダウン温度であり、この温度自体はセパレーターの材料や成形加工等により決定される。上記T2をこれよりも低く設定することで、負極側に存在するリチウムイオンを電解液全体あるいは正極側に分散させ、安全性を高める。
【0010】
電子絶縁時の電気抵抗(ER1):電子伝導測定により求められる。通常の電池使用時においては、電池内部では電子伝導をさせないように、電子絶縁状態あるいはそれに準ずる状態とする。
電子伝導時の電子伝導測定による電気抵抗(ER2):温度が上昇して電子伝導させるときの電気抵抗。低い方が速やかに電子を流して電位を下げることが出来る。しかし、ジュール熱は電流の二乗に比例するので、短時間で大電流が流れることは発熱の点から望ましくない。そこで抵抗としては10程度が下限となる。
イオン伝導時のイオン伝導の電気抵抗(IR1):イオン伝導測定により求められる。通常使用温度域でのイオン伝導の電気抵抗で、電池の性能の観点からこのイオン伝導の抵抗は低い方が好ましい。
シャットダウン後のイオン伝導の電気抵抗(IR3):イオン伝導測定により求められる。電池の安全装置としてセパレーターのシャットダウン機能が作動した時のイオン伝導の電気抵抗で、通常のIR1の抵抗では極板間でイオンの行き来ができるのに対し、通常少なくとも10倍以上の抵抗があるとイオンの動きは極端に悪くなる。
【0011】
本発明の樹脂組成物は、通常使用温度T1では絶縁性であるが、電子伝導開始温度(T2)以上になると導電性が発現することを特徴とする。
このT2はT1よりも20℃を超えて高い温度とする。
本発明の樹脂組成物のT2以上での電子伝導時の電気抵抗(ER2)はT1における電子絶縁時の電気抵抗(ER1)の10分の1以下である必要があり、100分の1以下であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物を例えば電池用セパレーターに使用した場合、電池の充電状態では、正極と負極との間に0よりも高い電位が存在し、直接両極が接触すると、すなわち、内部短絡を生じると短時間に大電流が流れ、急激な発熱を生じる危険性を有する。この状態は暴走反応の引き金になる可能性もあり、電池の安全性を確保する上で抑制する必要がある。そこで、T2以上の温度になると、樹脂組成物が導電性になることにより電子伝導させて、電位を低くして、安全性を高めることが出来る。
【0012】
また、本発明の樹脂組成物は、T1ではイオン伝導性を有するが、熱閉塞温度T3以上では、イオン伝導に対して絶縁性であることが好ましい。すなわち、本発明の樹脂組成物のT3以上でのイオン伝導の電気抵抗(IR3)はT1におけるイオン伝導の電気抵抗(IR1)の10倍以上であることが好ましく、50倍以上であることがより好ましい。このT3は上記T2より10℃以上高いことが好ましい。T1ではイオン伝導性を有し、電池として有効に機能し、T2では電子伝導性を発現し、電位を下げると共にリチウムイオンの場合、金属化を抑制し、安全性を高めることが出来る。高温域になると、完全にシャットダウンして、イオンの移動を停止させ、電池内部の反応を完全に停止させる。このT2とT3の2段階の伝導性制御機構により、高い安全性が確保できる。
【0013】
このような特性を有する樹脂組成物は、樹脂成分と充填材の少なくとも2種類の成分から構成されることを特徴とする。
本発明の樹脂組成物に使用される樹脂成分は、通常使用温度では絶縁性があるが電子伝導開始温度になると導電性が発現するという特徴を妨げなければ特に限定されるものではないが、通常、熱可塑性樹脂が選択される。
熱可塑性樹脂としては、導電性を発現させる温度にもよるが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、、ポリスチレン、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート、繊維素プラスチックなどが挙げられ、これらの熱可塑性樹脂の中ではポリオレフィンが好ましい。例えば、前述のようなリチウム電池用の安全用素子として使用する場合は、電池の実用温度以上でかつ必要以上に高くない融点を持つポリエチレン樹脂を選択することがより好ましい。
【0014】
本発明の樹脂組成物に使用される充填材は、通常使用温度では絶縁性があるが電子伝導開始温度になると導電性が発現させるために、導電性のある充填材を含む必要がある。導電性のある充填材(以下、導電性充填材)は単独でもよく、導電性充填材を2種類以上、また、導電性充填材と非導電性充填材を1種類以上ずつ混ぜて使用してもよい。
【0015】
導電性充填材の含有量は、全組成物のうち0.01〜90質量%であることが好ましい。0.01質量%未満では、0.01質量%以上の場合の電子伝導開始温度になっても導電性が発現しない。90質量%より多い場合は通常使用温度では絶縁性を保つことが出来ない。
【0016】
導電性充填材としては、例えば、金属系のものでは、アルミニウム、鉄、亜鉛、銅、ニッケル、銀、ステンレス、パラジウムなどの金属粉や、アルミニウム、亜鉛、銅、ニッケル、銀、ステンレスなどの金属フレーク、アルミニウム、鉄、銅、ニッケルなどの金属リボン、アルミニウム、鉄、銅、黄銅、ステンレスなどの金属繊維などがある。金属複合系では、アルミニウムコートやニッケルコートなどを行った金属化ガラスビーズ、金属化ガラス繊維、金属化カーボン繊維、金属化マイカなどが挙げられる。炭素系ではカーボンブラックやPAN系カーボン繊維やピッチ系カーボン繊維やカーボンナノチューブやフラーレンなどがある。その他に、酸化錫や酸化亜鉛やガラスビーズ、酸化チタンなどの表面を金属スパッタリング、金属蒸着、無電解メッキなどによる金属コーティングを施した金属化無機化合物などが挙げられる。これらの中では、ハンドリングやコストなどの点からは炭素系充填材が好ましい。
【0017】
本出願でいう炭素系充填材、例えばカーボンブラックは、その製法によって特に限定されるものではなく、天然ガス、アセチレン、アントラセン、ナフタリン、コールタール、芳香族系石油留分などを不完全燃焼させて得られた、黒色炭素粉末を指し、一般にケッチェンブラック、チャネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどと言われているものである。また、フラーレンやカーボンナノチューブ等も考えられる。粒子径も特に限定するものではないが、直接カーボンブラックを添加することよりは分散性の点から流動性の良いポリオレフィンとあらかじめ混練したカーボンブラックのマスターバッチを使うことが好ましい。マスターバッチのカーボンブラックの含有量は特に限定するものではないが、その分散性の観点から通常10〜60質量%程度のものを使用することが好ましい。
【0018】
非導電性充填材としては、無機充填材および有機充填材のいずれでもよく、これらを2種類以上混合して使用しても構わない。無機充填材としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、桂藻士、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ガラス粉、シラスバルーン、ゼオライト、桂酸白土などが挙げられる。中でも、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、桂藻士、硫酸バリウム、などが好適である。
【0019】
有機充填材としては、木粉、パルプ粉などのセルロース系粉末が挙げられる。これらは単独でまたは混合して用いられる。充填材の平均粒径としては、30μm以下のものが好ましく、中でも0.7〜10μmのものが好ましい。粒径が大き過ぎると樹脂を延伸して多孔化する場合など、得られる延伸物の孔の緻密性が悪くなり、また、粒径が小さ過ぎると樹脂へ分散性が悪く、成形性も劣る。
【0020】
上記の充填材は、樹脂への分散性、更には樹脂の延伸性の観点から、表面処理剤によって表面処理されていることが好ましい。表面処理剤としては、脂肪酸またはその金属塩などが挙げられる。
【0021】
次に本発明の樹脂組成物を原料とする素子について説明する。温度上昇をトリガーとして抵抗低下を出力とする材料を使用した素子の例として、過電流保護素子、サーミスター、感温スイッチ等が考えられる。いずれの構造も、基本的には金属電極でフィルムを挟むものである。さらに具体的に説明すると、例えば、過電流保護素子とはサージ等の突入電流によって温度上昇が観測されると電子導電性を示すバイパスが作られ、突入電流を逃がす機能を持つ素子である。さらに、構造として、金属電極で挟むフィルムに電解液が浸透していてもよく、この場合、従来のセパレーターに更に安全機構を付加したものとなる。
次に、素子の形状の一例として多孔性フィルムについて説明する。本発明に係る多孔性フィルムは導電性充填材を含有していることを特徴とする。
使用方法の例として、導電性充填材を含有している多孔性フィルム単独でもよいが、他の多孔性フィルムや不織布などと2層以上に積層、あるいは複数種をいろいろな組合せで構成されていてもよい。また、固体物を、これらの多孔性フィルムで被覆したものを使用してもよい。
【0022】
この多孔性フィルムは、様々な方法で作成することが出来る。その製法としては、フィルムに機械的に孔を開けて多孔性フィルムを得る方法、合成樹脂と可塑剤とを混練後に可塑材を抽出する方法、合成樹脂フィルム製膜後に延伸を繰り返して結晶界面から剥離させる方法、合成樹脂フィルムにフィラーを混ぜ製膜後に延伸する方法などが挙げられる。本発明の場合、特にその製法を限定するものではないが、例えば、メルトインデックスが5g/10min以下の熱可塑性樹脂100質量部、導電性充填材を含む全充填材の割合が25〜400質量部の少なくとも2種類の原料からなる樹脂組成物を原料とし、少なくともー軸方向に延伸して製造した多孔性フィルムを好ましく用いることが出来る。
【0023】
熱可塑性樹脂には、上記成分の他にさらに必要に応じ、フィルムの表面性状向上などのための添加剤を併用することが好ましい。これらの表面性状向上添加剤としては、特定のエステル化合物、アミド化合物、側鎖を有する炭化水素重合体、シリコーンオイル、鉱油、ワックス類等を例示できる。これらの表面性状向上添加剤を、オレフィン系樹脂と充填材の合計量100質量部に対して、通常0.5〜10質量部を添加することにより、延伸性が向上し、均一なフィルムを得ることができるなどの効果が得られる。
【0024】
前記エステル化合物としてはアルコールとカルボン酸からなる構造のモノもしくはポリエステルを例示でき、ヒドロキシル基及びカルボニル基末端を分子内に残した化合物でも、エステル基の形で封鎖された化合物でもよい。具体的には、ステアリルステアレート、ソルビタントリステアレート、エポキシ大豆油、精製ひまし油、硬化ひまし油、脱水ひまし油、エポキシ大豆油、極度硬化油、トリメリット酸トリオクチル、エチレングリコールジオクタノエート、ペンタエリスリトールテトラオクタノエート等が挙げられる。
【0025】
前記アミド化合物としては、アミンとカルボン酸からなる構造のモノもしくはポリアミド化合物を例示でき、アミノ基及びカルボニル基末端を分子内に残した化合物でも、アミド基の形で封鎖された化合物でもよい。具体的にはステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド,トリメチレンビスオクチル酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、トリオクタトリメリット酸アミド、ジステアリル尿素、ブチレンビスステアリン酸アミド、キシリレンビスステアリン酸アミド、ジステアリルアジピン酸アミド、ジステアリルフタル酸アミド、ジステアリルオクタデカ二酸アミド、イプシロンカプロラクタム等及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0026】
前記側鎖を有する炭化水素重合体としては、ポリα−オレフィン類で、炭素数4以上の側鎖を有するオリゴマー領域のものが好ましいが、エチレン−プロピレンの共重合体、例えば三井石油化学工業(株)製の商品名ルーカントやそのマレイン酸誘導体、イソブチレンの重合体、例えば出光石油化学工業(株)製の商品名ポリブテンHV−100、またはブタジエン、イソプレンのオリゴマー及びその水添物、1−ヘキセンの重合物、ポリスチレンの重合物及びこれらから誘導される誘導体、ヒドロキシポリブタジエンやその水添物、例えば、末端ヒドロキシポリブタジエン水添物(三菱化学製 商品名ポリテールHA)等が挙げられる。
【0027】
シリコーン油としては公知のものをいずれも用いることができる、例えばポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等が挙げられる。鉱油としては、流動パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。
【0028】
本発明の多孔性フィルムとしては、通常、熱可塑性樹脂100質量部と導電性充填材を含む全充填材量が25〜400質量部を混合して樹脂組成物となし、それを混練、溶融してフィルム状に成形し、次いで、得られたフィルムを少なくとも一軸方向に延伸することにより製造されたものが好ましい。なお、本発明の多孔性フィルムには、必要に応じて、上記の原料の他に、一般に樹脂組成物用として用いられている添加物、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、スリップ剤等を配合してもよい。
本発明の多孔性フィルムの空孔率は30〜80%であることが好ましい。空孔率が30%未満では電気抵抗が高くなり、80%を超えると高電圧下の短絡に耐えられない。
また、多孔性フィルムの厚さは100μm以下が好ましく、10〜50μmの範囲のものがより好ましい。
また、本発明の多孔性フィルムのガーレ式透気度は10〜1000秒/100cmであることが好ましい。透気度が10秒/100cm未満では高電圧下の短絡に耐えられず、1000秒/100cmを超えると電気抵抗が高くなる。
【0029】
例えば、ポリオレフィン系の多孔性フィルムについて説明すると、この原料樹脂組成物を製造するには、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、非導電性充填材25〜400質量部、かつ、全充填材中のカーボンブラック含有量が0.01〜90質量%になるようなカーボンブラックのマスターバッチを配合するのが好ましい。全充填材が25質量部未満であると延伸したフィルムに開孔部が充分発現されず、また400質量部を越えると混練性、分散性、フィルムの成形性が劣り、さらに延伸物の強度が低下するので好ましくない。また、カーボンブラック含有量が0.01質量%未満の場合は、通常使用温度では絶縁性があるが、0.01質量%以上の場合の電子伝導開始温度になっても導電性が発現しない。充填材が90質量部より多い場合はフィルムが安定して生産することが出来ない。
【0030】
ポリオレフィン樹脂、可塑剤、カーボンブラック、添加剤類などを混合するには、ドラム、タンブラー型混合機、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどが使用されるが、ヘンシェルミキサーの様な高速攪拌型の混合機が望ましい。得られた混合物の混練は、例えばスクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、二軸型混練機などの周知の混練装置を用いることができる。
【0031】
多孔性フィルムの製造
多孔性フィルムを製造するには、ボリオレフィン樹脂、充填材、カーボンブラックマスターバッチ、要すれば、添加剤を前述の混合比で配合・混合し、更に要すれば酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、スリップ剤等その他の樹脂添加剤を配合し、次いで溶融・混練してべレット化した後、Tダイ法あるいはインフレーション法により成形して未延伸フィルムとする。
【0032】
多孔性フィルムは、前記方法で調整した樹脂組成物からインフレーション成形法やTダイ成形法により、通常は厚さ10〜400μmの未延伸フィルムまたはシートを製造し、次いで、これらの未延伸フィルムまたはシートを延伸処理する方法により製造することができる。インフレーション成形法においては、通常、ブローアップ比(BUR)2〜8の範囲が好ましい。
【0033】
インフレーション成形法により製造した未延伸フィルムまたはシートは、次いで、少なくとも縦方向(フィルムの引き取り方向)に一軸延伸される。未延伸フィルムまたはシートを延伸する際には、公知方法である、ロール延伸法、チューブラー延伸法などを採用することができる。また、延伸するには一段延伸方式でも二段以上の多段延伸方式であってもよい。また、Tダイ成形法により製造された未延伸フィルムにおいても、少なくとも縦一軸延伸樋伸を行い、要すれば、横方向(フィルムの引き取り方向と直角の方向)に延伸する。二軸方向に延伸する場合は、縦−横の逐次二軸延伸、横−縦の逐次二軸延伸、同時二軸延伸、これらを組み合わせて多段で二軸延伸してもよい。
【0034】
未延伸フィルムまたはシートを延伸する際の温度条件は、原料樹脂の種類、添加材物の種類、量、フィルムまたはシートの厚さなどにより異なるが、通常使用する樹脂の融点の5℃以下とし、延伸倍率は縦・横それぞれ1.2〜8倍の範囲とするのが好ましい。
なお、延伸工程終了後に熱処理すると、得られた多孔性フィルムの寸法精度を安定化することができる。このようにして得られる多孔性フィルムは、厚さが100μm以下、特に10〜50μmの範囲のものが好ましい。
【0035】
この導電性充填材を含有する多孔性フィルムを電池用セパレーターとして用いると、通常の使用温度では、この樹脂の融点より充分に低く、導電性充填材は樹脂にしっかりと包まれているので、多孔性フィルム(電池用セパレーター)は電気絶縁性を示す。温度が上昇して樹脂の融点T4±10℃程度になると、樹脂が流動しやすくなり、それまで樹脂に包まれていた導電性充填材が露出して、導電性充填材が電解液や他の導電性充填材と接触して導電性を示しやすくなる。従って、使用する樹脂として、その融点T4が希望するT2±10℃となるような樹脂を用いると、樹脂の融点±10℃が電子伝導開始温度となるので好ましい。
この多孔性フィルムからなる電池用セパレーター空孔率は30〜80%であることが好ましい。
また、電池用セパレーターの厚さは100μm以下が好ましく、10〜50μmの範囲のものがより好ましい。
また、本発明の電池用セパレーターのガーレ式透気度は10〜1000秒/100cmであることが好ましい。
【0036】
本発明の多孔性フィルムを電池用セパレーターとして用いたリチウム電池等の電池は、通常使用温度では正極と負極の直接接触による短絡を防ぐ絶縁性のセパレーターとして機能する。しかしながら、内部短絡や過充電などにより大電流が流れて内部温度が上昇してT2以上になると、この電池用セパレーターは電子伝導による導電性を発現し、電池内部に蓄積されている電気エネルギーを低いレベルに下げる。また、T3になるとこの電池用セパレーターはその孔が閉塞することにより、イオン伝導による電気エネルギーの流れを停止させ、電池を安全な状態で機能停止の状態へもっていくことが出来る。この温度T2で発現する電子伝導による導電性の発現(温度上昇により電子導電性が発現すること)が本発明の最大の特徴である。
【0037】
次に、本発明の電池用セパレーターを使用した本発明の電池につき説明する。
1)負極の作成
天然黒鉛よりなる負極活物質と例えばポリビニリデンフルオライト(PVDF)等の結着剤等とを、例えばN−メチルピロリドン等の有機溶剤に溶解・混合して、スラリーあるいはペーストとする。このスラリーあるいはペーストを、スラリーの場合はダイコーター等を用いて、ペーストの場合はローラコーティング法等を用いて銅箔等の金属芯体の両面にわたって、均一に塗布する。次いで、両面に負極活物質等を塗布した金属芯体を乾燥機中を通過させて、スラリーあるいはペースト中に含まれる有機溶剤を除去して乾燥させる。この乾燥負極活物質等塗布金属芯体をロールプレス機により圧延して負極板とする。
負極板を作成する際に、負極活物質として天然黒鉛を用いる例について説明をしたが、天然黒鉛以外にも、グラファイト、カーボンブラック、コークス、ガラス状炭素、炭素繊維、またはこれらの焼成体も負極活物質として好適である。
【0038】
2)正極の作成
例えばLiCoOからなる正極活物質とアセチレンブラック、グラファイト等の炭素系導電剤と、例えばPVDF等の結着剤等とを例えばN−メチルピロリドン等の有機溶剤に溶解・混合して、スラリーあるいはペーストとする。なお、スラリーあるいはペースト中にポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル、セルロース等の添加剤を添加してもよい。また、スラリーあるいはペースト中にポリアセチレン、ポリアニリン等の導電性ポリマーを添加してもよい。
このスラリーあるいはペーストを、スラリーの場合はダイコーター等を用いて、ペーストの場合はローラコーティング法等を用いてアルミニウム箔等の金属芯体の両面にわたって、均一に塗布する。次いで、正極活物質等を塗布した金属芯体を乾燥機中を通過させて、スラリーあるいはペースト中に含まれる有機溶剤を除去して乾燥させる。この乾燥正極活物質塗布金属芯体をロールプレス機により圧延して正極板とする。
正極活物質として、LiCoOを用いる例について説明したが、LiCoO以外にもリチウムをゲストとして受け入れうるリチウム含有遷移金属化合物、例えば、LiNiO、LiCoNi(1−x)、LiCrO、LiVO、LiMnO、LiFeO、LiTiO、LiScO、LiYO、LiMn等が好ましいが、特にLiCoNi(1−x)(ただし、0≦x≦1)を単独、あるいは2種類以上を混合して用いるのが好適である。
【0039】
3)電極の作成
上述の様に作成した負極板と正極板とを、本発明のセパレーターを間にして重ね合わせ、巻き取り機により捲回し、その最外周をテープ止めして電極捲回体を作成する。
【0040】
4)リチウム電池の作成
次に、電極捲回体を外装缶に挿入し、負極の一端に設けられた負極タブと外装缶を溶接する。一方、正極の一端に設けられた正極タブと、外装缶の開口部を封鎖するための封口体とを溶接する。その後、例えば、エチレンカーボネート(EC)30質量部とジエチルカーボネート(DEC)70質量部よりなる混合溶媒に電解質塩として、1MLiPFを添加した電解液を注入する。次いで、外装缶の開口部にポリプロピレン(PP)製のガスケットを介して封口体を置き、外装缶上端部を内側にかしめることにより封口して、リチウムイオン電池を作成する。電解液のとしてECとDECの混合液を例としてあげたが、その他にプロピレンカーボネート(PC)、スルフォラン(SL)、テトラハイドロフラン(THF)、γブチロラクトン(GBL)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2ジメトキシエタン(DME)等、あるいはこれらの混合物が好適である。また電解質塩としては、LiPFの他に、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCF、Li(CFSON、LiCSO等が好適である。
【0041】
【実施例】
以下、本発明を、本発明の樹脂を使用した多孔性フィルムを実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はその趣旨からはずれない限り以下の記載例に限定されるものではない。
まず、多孔性フィルムの物性の測定方法について説明する。
(1)膜厚(μm):テクロック社製PG−10を用いて測定。
(2)透気度(秒/100cm):東洋精器社製B型ガーレ式デンソメーターを用いて測定。
(3)空孔率(%):フィルムの質量測定値と固体密度から計算。
【0042】
(実施例1)
炭酸カルシウム(日東粉化(株)製商品名:NS#1000、平均粒径1.2μm)100質量部に対し12−ヒドロキシステアリン酸(和光純薬工業(株)製)2質量部を、ヘンシェルミキサーで100℃で10分処理をした。
ポリエチレン系樹脂100質量部に対し、線状低密度ポリエチレン〔日本ポリケム(株)製、商品名:FW20G、密度:0.921g/cm、MI:1g/10分〕84質量部(ポリエチレン系樹脂中86質量%)に対し、カーボンブラックマスターバッチ〔低密度ポリエチレン/カーボンブラック=60/40)、MI:2g/10分〕16質量部と、シ゛ペンタエリスリトールヘキサオクタノエート[三菱化学社製商品名D−600]2質量部,上記表面処理した炭酸カルシウム165質量部をタンブラーミキサーにて混合した後、タンデム型混練押出機を用いて220℃で均一に混練し、ペレット状に加工した。
このペレットを円形ダイが装着された押出成形機を用いて、200℃において溶融製膜した後、60℃に加熱した予熱ロール延伸ロールとの間で2.0倍の延伸倍率で機械方向に一軸延伸し、厚さ50μmの多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムの物性を表1に示す。
【0043】
(比較例1)
実施例1において、カーボンブラックマスターバッチの代わりに、分岐状低密度ポリエチレン〔日本ポリケム(株)製、商品名:LF441、密度:0.919g/cm、MI:2g/10分〕を用いた以外は同様にして、厚さ50μmの多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムの物性を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 2004051791
【0045】
表1に記載された物性を有する2種類の多孔性フィルムをそれぞれ用いて、2種類のセルを作成した。セルは2016セル内にSUS板で挟んだもので、電極径はφ15.2mm、セパレーター径はφ18.8mmにした。これらのセルをホットプレートで加熱しながらこれらのセルの電子伝導に対する電気抵抗値ERを、抵抗計(KEITHLEY社(米国)製、「2000型デジタルマルチメータ」を用いて測定した。昇温は、1℃/分で定速昇温させ、2端子で直流抵抗を測定した。測定した結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
Figure 2004051791
【0047】
次に、実施例1および比較例1で得た2種類の多孔性フィルムのイオン伝導に対する電気抵抗値IRを測定した。測定方法は、表面を研磨したSUS板を電極とし、その間にEC/EMC=1/1、LiPF6 1mol/lの電解液を浸した多孔性フィルムを置き、ソーラトロンを使用し、アドミタンスを測定。その半円近似から多孔性フィルムのイオン伝導に対する電気抵抗値IRを測定した。常温(23℃)以上の温度の場合は、多孔性フィルムを所定温度に設定したオーブン中に120秒間放置した後、前述の方法でイオン伝導に対する電気抵抗値IRを測定した。測定した結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
Figure 2004051791
【0049】
表1より、次のことが判った。
(1)実施例1のサンプルと比較例1のサンプルの両サンプルとも、通常温度から100℃以下の間では高い絶縁性を示している。
(2)セルの温度が110℃を越えた辺りから、実施例1のフィルムを使用したセルは急激に電子伝導に対する電気抵抗ERが減少した。これに対し、比較例1のフィルムを使用したセルは、電子伝導に対する抵抗ERは高いままであった。
(3)実施例1では、セパレーター内に電子導電性の高いカーボンブラックが存在することにより、110℃以上の温度域では導電パスが発生したと考えられる。
【0050】
表2より、次のことが判った。
(1)実施例1のサンプルと比較例1のサンプルの両サンプルとも、100℃以下の温度では電池使用に耐え得るイオン伝導に対する電気抵抗値を示す。
(2)実施例1のサンプルと比較例1のサンプルの両サンプルともに、120℃を越えた辺りからイオン伝導に対する電気抵抗値が急激に上昇してきたことを示している。
(3)これは、これらの多孔性フィルムが、熱によって閉塞したためであると考えられる。
【0051】
【発明の効果】
本発明は、以上詳細に説明したとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係る樹脂組成物は、通常使用温度では絶縁性があるが、電子伝導開始温度になると導電性が発現することを特徴とするものである。
2.本発明に係る多孔性フィルムは、例えば、電池用セパレーターとして使用した場合、電池内部の温度が常用温度より上昇し、電池が危険な状態になった場合に、電子伝導開始温度で、このセパレーターが絶縁性から導電性に変わることにより、エネルギー的に高い状態になることなく、電池が安全にその機能を停止させることが出来る。

Claims (15)

  1. 100℃以下である通常使用温度(T1)で電子絶縁時の電気抵抗をER1とし、100℃よりも高い電子伝導開始温度(T2)以上(T2−T1>20℃)での電子伝導時の電気抵抗をER2としたとき、ER2がER1の10分の1以下であることを特徴とする樹脂を主成分とする樹脂組成物。
  2. 100℃以下の温度T1でイオン伝導の電気抵抗をIR1とし、100℃よりも高い熱閉塞温度(T3)以上(T3−T2>10℃)でのシャットダウン後のイオン伝導の電気抵抗をIR3としたとき、IR3がIR1の10倍以上であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 熱可塑性樹脂と充填材の少なくとも2つの成分を含むことを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. T2が熱可塑性樹脂の融点T4±10℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 充填材が導電性充填材を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 充填材が炭素系充填材を含むことを特徴とする請求1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 熱可塑性樹脂がポリオレフィンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物を使用した素子。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物を原料とすることを特徴とする多孔性フィルム。
  10. 空孔率が30〜80%であることを特徴とする請求項9に記載の多孔性フィルム。
  11. ガーレ式透気度が、10〜1000秒/100cmであることを特徴とする請求項9または10に記載の多孔性フィルム。
  12. 請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物を使用した電池用セパレーター。
  13. 空孔率が30〜80%であることを特徴とする請求項12に記載の電池用セパレーター。
  14. ガーレ式透気度が、10〜1000秒/100cmであることを特徴とする請求項12または13に記載の電池用セパレーター。
  15. 請求項8に記載の素子、請求項9〜11のいずれかに記載の多孔性フィルム及び請求項12〜14のいずれかに記載の電池用セパレーターからなる群より選ばれる少なくとも1種を使用していることを特徴とする電池。
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