JP2005247884A - エネルギー線硬化性水中油滴型エマルション及び水系ハードコート剤 - Google Patents

エネルギー線硬化性水中油滴型エマルション及び水系ハードコート剤 Download PDF

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Abstract

【課題】人体および環境に悪影響を及ぼす有機溶剤を使用することなく水で希釈塗工でき、プラスチック基材への塗工性が良好で、またその硬化膜の密着性、硬度、擦傷性が良好で、硬化収縮によるカールや加熱時のクラックが発生しない水系のエネルギー線硬化型ハードコート剤に適した水性のエネルギー線硬化型樹脂組成物を開発すること。
【解決手段】分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基と活性水素を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとポリイソシアネートとを反応させた多官能ウレタンアクリレート(A)、全質量のうち70質量%以上をエチレンオキサイド基が占める親水性樹脂(B)、ジアルキルスルホコハク酸塩(C)を含有するエネルギー線硬化性水中油滴型エマルション及びこれからなるハードコート剤。

Description

本発明は、エネルギー線硬化性水中油滴型エマルション、及び該エネルギー線硬化性水中油滴型エマルションからなるハードコート剤に関する。更に詳しくは、経時的に安定で、人体及び環境に悪影響を及ぼす有機溶剤を使用することなく水で希釈することが可能で、プラスチック基材等への塗工が可能な水系のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションからなるハードコート剤に関する。
現在、プラスチックは自動車業界、家電業界、電気電子業界を始めとして種々の産業界で大量に使われている。このようにプラスチックが大量に使われている理由はその加工性、透明性等に加えて、軽量である、安価である、光学特性に優れる等の理由による。しかしながらガラス等に比較して柔らかく、表面に傷が付き易い等の欠点を有している。これらの欠点を改良するために表面にハードコート剤をコーティングすることが一般的な手段として採用されている。
近年、エネルギー線硬化性のアクリル系ハードコート剤が開発され、実用に供されるようになった。エネルギー線硬化性のアクリル系ハードコート剤は、紫外線等のエネルギー線を照射することによって容易に硬化して硬いハードコート(皮膜)を形成するために、加工の処理スピードが速く、また得られたハードコートのハードネス、耐摩耗性等に優れた性能を持ち、トータルコスト的に安価になるので、今やハードコート分野の主流に成っている。特にポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ポリエーテルスルフォン等のフィルムのハードコートや、建材用途としての木工用ハードコート、プラスチックの立体成型物のハードコートなどがその例である。それらの中でも、フィルムやプラスチックのハードコート加工では、グラビアコーティングやスプレーコーティング等のように比較的低粘度での塗工方式でコーティング出来るように、エネルギー線硬化型樹脂を有機溶剤や低粘度の希釈モノマーで希釈して塗工するケースがほとんどである。この際、作業性や環境への影響などの観点から有機溶剤の代わりに水溶媒の使用が望まれている。
そのような事情から、アクリレート化合物を乳化剤により水分散する方法や(例えば特許文献1参照)、化合物の構造中に親水性官能基を持たせて水溶化する方法(例えば特許文献2参照)などが提案されている。しかしながら、それらの方法では、硬化膜の機械的な強度や耐熱性、耐水性などにおいて十分とは言い難く、それらを向上させる方法も各種検討されている。例えば分子内にエチレン性不飽和基をもつ親水性樹脂を乳化剤として使用する方法(例えば特許文献3)などが提案されている。
またフィルムやプラスチック成型物等の被塗物はその表面張力が低いことにより、これら従来提案されているような水系の塗料を用いても、塗工時のハジキや表面状態の不良、密着不良などの問題がおこるため、実用性に乏しいものが多かった。
いずれにしても、フィルムやプラスチック成型物のハードコート剤として、満足な性能が得られるような水系のエネルギー線硬化型の塗料が求められていた。
特開昭50−79533号公報(第1−2頁) 特開平4−114020号公報(第1−2頁) 特許第3114898号公報(第1−2頁)
本発明の目的は、経時的に安定で、人体および環境に悪影響を及ぼす有機溶剤を使用することなく水で希釈、塗工でき、樹脂フィルム、プラスチック基材等への塗工が容易なエネルギー線硬化性水中油滴型エマルション、及びこのエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションからなる水系ハードコート剤を提供することにある。
本発明者等は上記の課題を解決するために鋭意努力した結果、特定の組成を有するエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションからなる水系ハードコート剤が前記課題を解決させるものであることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、
(1)分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基と活性水素を有するエネルギー線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとポリイソシアネートとを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート(A)、全質量のうち70質量%以上をエチレンオキサイド基が占める親水性樹脂(B)、ジアルキルスルホコハク酸塩(C)を含有するエネルギー線硬化性水中油滴型エマルション、
(2)全質量のうち70質量%以上をエチレンオキサイド基が占める親水性樹脂(B)が、その分子内にさらにエチレン性不飽和基を持つ樹脂である(1)に記載のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルション、
(3)追加成分として、分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(D)を含有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の水中油滴型エマルション、
(4)ジアルキルスルホコハク酸塩(C)のアルキル基が2−エチルヘキシル基又はn−オクチル基である請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の水中油滴型エマルション。
(5)全質量のうち70質量%以上をエチレンオキサイド基が占める親水性樹脂(B)、ジアルキルスルホコハク酸塩(C)の含有量が、水中油滴型エマルションの水を除く全質量中のそれぞれ5〜20質量%、1〜8質量%である(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の水中油滴型エマルション、
(6)(1)乃(5)のいずれか一項に記載のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションからなるハードコート剤、
に関する。
本発明のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションは経時安定性が良好で、人体および環境に悪影響を及ぼす有機溶剤を使用することなく水で希釈することが可能であり、プラスチック基材等への塗工性が良好である。またその硬化膜の密着性や硬度、擦傷性が良好で、硬化収縮によるフィルムのカールが少なく、さらに塗工後の加熱によるクラックの発生や、湿熱条件下でのクラック発生や外観の変化もない。従って本発明のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションはプラスチックスフィルムやプラスチック成型物のハードコート剤として極めて有用である。
本発明を詳細に説明する。
まず、分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基と活性水素を有するエネルギー線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとポリイソシアネートとを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート(A)について説明する。
分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基と活性水素を有するエネルギー線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとしては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート等を挙げることができる。好ましい具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートが挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレ−トは単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
又、ポリイソシアネートとしては、鎖状飽和炭化水素、環状飽和炭化水素、芳香族炭化水素で構成されるポリイソシアネートを用いることができる。このようなポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の鎖状飽和炭化水素イソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート等の環状飽和炭化水素イソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートを挙げることができる。好ましい具体例としては、イソフォロンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。これらポリイソシアネートは単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
本発明の水中油滴型エマルションに含有される多官能ウレタンアクリレート(A)は、前記の活性水素を有するエネルギー線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとポリイソシアネートとを反応させることにより得られる。活性水素を有するエネルギー線硬化型多官能(メタ)アクリレ−ト中の活性水素基1当量に対し、ポリイソシアネートは、イソシアネート基当量として0.1〜50の範囲であり、好ましくは、0.1〜10の範囲である。反応温度は、通常30〜150℃、好ましくは、50〜100℃の範囲である。反応の終点はイソシアネート値の測定により確認出来る。(イソシアネート値はサンプル液に過剰のアミンを加え、イソシアネ−ト基と反応させた後、残っているアミンを酸で滴定することにより算出される。)
この反応における反応時間の短縮を目的として触媒を添加しても良い。触媒としては、塩基性触媒及び酸性触媒のいずれかが用いられる。使用しうる塩基性触媒の具体例としては、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、アンモニアなどのアミン類、トリブチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン等のフォスフィン類を挙げることができる。また、使用しうる酸性触媒の具体例としては、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、トリブトキシアルミニウム、トリチタニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド等の金属アルコキシド類、塩化アルミニウム等のルイス酸類、2−エチルヘキサンスズ、オクチルスズトリラウレート、ジブチルスズジラウレート、オクチルスズジアセテート等のスズ化合物を挙げることができる。これら触媒の中で、特に好ましいものは、酸性触媒であり、更に好ましくは、前記したようなスズ化合物である。これら触媒の添加量は、ポリイソシアネート100質量部に対して、0.1〜1質量部である。
多官能ウレタンアクリレート(A)成分の使用(含有)量は、エネルギー線硬化性水中油滴型エマルションの水を除く全質量中、通常20〜97質量部の範囲であり、好ましくは、25〜95質量部である。
本発明において、全質量のうち70質量%以上をエチレンオキサイド基が占める親水性樹脂(B)の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン系化合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩などのアニオン系化合物など、市販されている乳化分散剤・界面活性剤のうちから、全質量のうち70質量%以上をエチレンオキサイド基が占める親水性樹脂(B)が適宜選択して使用される。全質量のうちエチレンオキサイド基が占める質量の割合が70質量%未満であるものは、安定なO/W型エマルションを形成しづらく好ましくない。
ここで、全質量のうち70質量%以上をエチレンオキサイド基が占める親水性樹脂(B)とは、
(エチレンオキサイド基部分が占める分子量)/(親水性樹脂の分子量)
が70%以上であることを意味する。
本発明においては、親水性樹脂(B)の分子構造中に更にアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、プロペニル基などのエチレン性不飽和基を有するものがより好ましい。そのような親水性樹脂(B)としては例えば、アクアロンRN−50(反応性乳化剤 エチレンオキサイド89質量%、プロペニル基を有する 第一工業製薬(株)製)、アクアロンRN−30(反応性乳化剤 エチレンオキサイド84質量%、プロペニル基を有する 第一工業製薬(株)製)、アデカリアソープNE−40(エチレンオキサイド84質量%、ビニル基を有する 旭電化工業(株)製)などが挙げられる。エチレン性不飽和基を有さないものとしては、例えば、プルロニックF68(エチレンオキサイド80質量% 旭電化工業(株)製)、第一工業製薬(株)製のノイゲンTDS−120(エチレンオキサイド74質量% 第一工業製薬(株)製)、ノイゲンXL−160(エチレンオキサイド82質量% 第一工業製薬(株)製)、DKS NL−350(エチレンオキサイド89質量% 第一工業製薬(株)製)などが挙げられる。
これらの親水性樹脂(B)は単独でも2種類以上を併用しても良いが、ノニオン系化合物を使用する場合には、少量のアニオン系化合物を併用する方がより好ましい。併用するアニオン系化合物も一般に入手可能なもので特に限定はされないが、中でもその構造中にアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、プロペニル基などのエチレン性不飽和基を有する化合物であるほうがより好ましい。このようなものとしては、例えばのAntox MS−60(メタクリロイル基を有する 日本乳化剤(株)製)や、アクアロンHS−10(プロペニル基を有する 第一工業製薬(株))、アクアロンKH−10(アリル基を有する 第一工業製薬(株))などが挙げられる。
親水性樹脂(B)の使用(含有)量はエマルションの安定性や耐水性などの膜性能を考慮すると、エネルギー線硬化性水中油滴型エマルションの水を除く全質量中の通常4〜30質量%、好ましくは5〜20質量%の範囲である。
本発明のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションはジアルキルスルホコハク酸塩(C)を必須成分として含有する。塩の種類としてはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。アルキル基は炭素数3〜20の直鎖あるいは分岐したものが挙げられ、中でも炭素数5〜14のものが好ましく、2−エチルヘキシル基あるいはn−オクチル基が特に好ましい。
ジアルキルスルホコハク酸塩(C)の含有量は、本発明の水中油滴型エマルションの塗工適性や耐水性などの膜性能、あるいはプラスチックへの密着性等を考慮すると、エネルギー線硬化性水中油滴型エマルションの水を除く全質量中の通常0.2〜10質量%、好ましくは1〜8質量%の範囲である。
(メタ)アクリレート類は、(メタ)アクリロイル基を1つ有する単官能モノマー、(メタ)アクリロイル基を2個有する2官能モノマー、(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー、(メタ)アクリロイル基を3個もしくは4個以上有する多官能モノマーに大別されるが、本発明では被膜形成能や要求される被膜硬度に応じて、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する常温で液状の化合物(D)を追加成分として使用することもできる。このような化合物(D)としてはオリゴマーや多官能モノマーが挙げられる。
使用しうる多官能モノマーの具体例としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクロイルオキシエチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリプロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート等が挙げられる。
更に、オリゴマーとしては、例えばエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエチレン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、シリコン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、ポリスチリルエチル(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレート等のうち、分子内に少なくとも3個以上のアクリロイル基を有する化合物が挙げられる。
これらの中でも、本発明においては、硬化性や硬度などの点からジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(D)の使用量は、成膜性や塗膜強度等の膜性能を考慮すると、エネルギー線硬化性水中油滴型エマルションの水を除く全質量中の通常0〜70質量%、好ましくは5〜60質量%の範囲である。
本発明においては前記した各成分の他に、単官能モノマー、2官能モノマー、先に挙げたオリゴマーのうち分子内に2個以下のアクリレートを有するものを、エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度調整を目的として使用しても良い。
使用しうる単官能モノマーとしては、例えばN,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等があげられる。
又、2官能モノマーとしては、例えばエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、等があげられる。
オリゴマーのうち分子内に2個以下のアクリレートを有するオリゴマ−としては、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエチレン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、シリコン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、ポリスチリルエチル(メタ)アクリレート、ポリアミド(メタ)アクリレート等のうち、分子内に2個以下の(メタ)アクリロイル基を有する化合物等が挙げられる。
これらの単官能モノマー、2官能モノマー、2個以下の(メタ)アクリレートを有するオリゴマ−は、必要に応じて、エネルギー線硬化性水中油滴型エマルションの水を除く全質量中、0〜40質量%の範囲で含有される。
本発明のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションを、電子線で硬化させる場合は使用しなくてもよいが、紫外線で硬化させる場合は光重合開始剤、又必要に応じ、光重合促進剤を使用する。使用しうる光重合開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシー2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。同じく、光重合促進剤としてはN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル4−ジメチルアミノベンゾエート、トリアチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン等が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。これらの重合開始剤および促進剤の含有割合は、エネルギー線硬化型樹脂組成物の全質量中の、それぞれ通常0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%である。
さらに、本発明のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションには、必要に応じて、ポリマー、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合禁止剤、帯電防止剤、蛍光染料などの添加剤を、その種類、使用量を適宜選択して併用することができる。
本発明の水中油滴型エマルションは、例えば次のようにして製造される。
すなわち、まず、全質量のうち70質量%以上をエチレンオキサイド基が占める親水性樹脂(B)を水に溶解又は分散させ分散液又は溶液(a)を得る。他方、分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基と活性水素を有するエネルギー線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとポリイソシアネートとを反応させて得た多官能ウレタンアクリレート(A)に、必要に応じ分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(D)、光重合開始剤、光重合促進剤、その他の添加剤等も一緒に添加して溶解液あるいは分散液(b)を得る。こうして得られた(b)と前記(a)を混合し、ホモミキサー 、サンドミル等の高速撹拌機又はマイクロフルイダイザー等を用いて乳化・分散させることによりエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションが得られる。その後ジアルキルスルホコハク酸塩(C)を得られたエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションに混合、添加して本発明のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションを得る。又、ジアルキルスルホコハク酸塩(C)は、エネルギー線硬化性水中油滴型エマルションを得る際に、全質量のうち70質量%以上をエチレンオキサイド基が占める親水性樹脂(B)を水に溶解又は分散させ分散液又は溶液(a)に、予め添加して用いることもできる。また、光重合開始剤、光重合促進剤、その他の添加剤等が水に溶解、分散可能な形態である場合には、同様にエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションを得た後に混合添加してもよい。
このようにして得られた本発明のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションは、固形分質量が通常20〜80質量%、好ましくは30〜70質量%含有されるように調製される。このエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションは経時的に安定であり、又、塗工に際し必要に応じて水で希釈した場合もエマルションは安定である。このようなエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションはそのままハードコート剤として使用出来る。
本発明のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションには、水で希釈、分散可能な材料であれば、ポリマー、レベリング剤、消泡剤、光安定化剤、帯電防止剤、蛍光染料などの添加剤を、種類、使用量を適宜選択して添加することができる。
また、本発明のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションには必要に応じてフィラーを添加しても良い。その粒径は、エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化膜厚より小さいものが好ましく、より好ましくは平均粒径として0.01〜5μm程度である(測定は、例えば1μm以下のような細かいものはBET法、それより大きいものは沈降法による)。
フィラーとしては、無機フィラーや有機フィラーがあげられる。無機フィラーとしては、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化珪素、二酸化チタン、タルク、クレイ、カオリン、コロイダルシリカ、金属粉末等の無機粉末やこれらの無機粉末を表面処理したフィラー等が挙げられる。又、有機フィラーとしては、例えばスチレンマイクロボール、ポリスチレン樹脂ビーズ、アクリル系樹脂ビーズ、ウレタン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、ベンゾグアナミン−ホルマリン縮合物の樹脂粉末、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルマリン縮合物の樹脂粉末、尿素−ホルマリン縮合物の樹脂粉末、アスパラギン酸エステル誘導体、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アマイド、エポキシ樹脂パウダー、ポリエチレンパウダー、テトラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェニルオキサイド、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェート、芳香族ポリエステル等が挙げられる。
また、さらに本発明のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションには必要に応じて着色剤を添加することもできる。着色剤としては有機顔料や無機顔料を特に制限なく用いることが出来る。
有機顔料としては例えば、アントラキノン系、フタロシアニン系、ベンゾイミダゾロン系、キナクリドン系、アゾキレート系、アゾ系、イソインドリン系、イソインドリノン系、ピランスロン系、インダスロン系、アンスラピリミジン系、ジブロモアンザンスロン系、フラバンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、キノフタロン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、キナクリドン系等の顔料や酸性染料、塩基性染料、直接染料等をそれぞれの沈澱剤で不溶化したレーキ顔料、染付けレーキ顔料が使用できる。これらの顔料は、必要に応じて単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、無機顔料の例としては、複合金属酸化物顔料、カーボンブラック、黒色低次酸窒化チタン、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、ベンガラ、群青、紺青、酸化クロム、アンチモン白、鉄黒、鉛丹、硫化亜鉛、カドニウムエロー、カドニウムレッド、亜鉛、マンガン紫、コバルト紫、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム等の金属酸化物、金属硫化物、硫酸塩、金属水酸化物、金属炭酸塩等が挙げられる。これらの顔料は、必要に応じて単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
フィラーや着色剤は、エネルギー線硬化性水中油滴型エマルションを製造する際に、予め分子中に少なくとも3つ以上のアクリロイル基を有する化合物(A)の中に溶解または分散混合しておき、先に述べた方法と同様に乳化分散して水中油滴型エマルションを得るのが好ましい。その際の分散方法としてはボールミル、ロールミル、サンドミル、ディゾルバー等の分散機を用いる方法が挙げられ、分散剤として、ポリカルボン酸系の分散剤やシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、変性シリコーンオイル等のシリコーン系分散剤や有機共重合体系の分散剤などを用いることは、フィラーや着色剤の分散状態を向上させる上で好ましい。
本発明のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションの硬化膜を形成させる方法は、スプレー塗工、バーコーター塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などそれ自体公知の方法を用いて基材に塗工する。基材は特に限定はされないが、フィルム、プラスチック成型物、紙、合成紙、木などが例として挙げられる。この際、使用する基材には柄や易接着層を設けたものであっても良い。
その後塗工物を乾燥し、次いで紫外線や電子線等のエネルギー線を照射して塗膜を硬化させる。その際、電子線により硬化させる場合、100〜500eVのエネルギーを有する電子線加速装置が好ましい。一方、紫外線により硬化させる場合、光源としてキセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプを有する紫外線照射装置が使用され、必要に応じて光量、光源の配置などが決定されるが、高圧水銀灯を用いる場合、80〜120W/cmの光量を有したランプにより搬送速度20〜60m/分、1〜4回照射して硬化させるのが好ましい。
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。尚、実施例において部は質量部を、%は質量%をそれぞれ意味する。
合成例1
乾燥容器中にペンタエリスリトールトリアクリレート1020部、ジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.6部、メトキノン0.6部を入れ、80℃まで加熱撹拌した。これにイソフォロンジイソシアネート177.8部を1時間かけて滴下し、1〜2時間撹拌後のイソシアネート値(サンプル液に過剰のアミンを加え、イソシアネ−ト基と反応させた後、残っているアミンを酸で滴定することにより算出する。)は0.3以下であり、反応がほぼ定量的に終了したことを示した。
合成例2
乾燥容器中にジペンタエリスリトールペンタアクリレート939.7部、ジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.47部、メトキノン0.3部を入れ、80℃まで加熱撹拌した。これにヘキサメチレンジイソシアネート60.3部を1時間かけて滴下し、1〜2時間撹拌後のイソシアネート値は0.1以下であり、反応がほぼ定量的に終了したことを示した。
実施例1
合成例1で得られた多官能ウレタンアクリレート 23部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 23部
光重合開始剤(イルガキュアー184;チバガイギー社製) 3部
親水性樹脂(B)(プルロニックF68;旭電化工業製) 6部
ジ2−エチルヘキシルスルホコハク酸Na塩の80%溶液 5部
水 41部
先ず、プルロニックF68を水に溶解して乳化剤水溶液を調製した。合成例1で得られた多官能ウレタンアクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサアクリレートに光重合開始剤を添加、溶解し、そこに前記乳化剤水溶液を添加、混合し、乳化分散して、エネルギー線硬化性水中油滴型エマルションを得た。この水中油滴型エマルションにジ2−エチルヘキシルスルホコハク酸Na塩の80%溶液を添加混合し、本発明のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションを得た。これを固形分50%に水で希釈し、バーコーターにより乾燥塗工量が20g/m2 (膜厚20μm)となるように188μmの易接着処理PETフィルム(東レ(株)製 ルミラーA4300)に塗工、80℃×5分乾燥した後に、80W/cmの高圧水銀灯を有する紫外線照射装置(GS ASE−20;日本電池社製)によりコンベアー速度10m/minで1回照射させることによりエネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させて、硬化膜を有するPETフィルムを得た。
実施例2
実施例1において、プルロニックF68の代わりにアクアロンRN−50(第一工業製薬製)5部およびAntox MS−60(日本乳化剤製)1部を用いた以外は、実施例1と同様にして本発明の水中油滴型エマルション及び硬化膜を有するPETフィルムを得た。
実施例3
実施例2において、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの代わりにペンタエリスリトールトリアクリレートを、光重合開始剤としてイルガキュアー184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン) 3部の代わりにイルガキュアー184 2部とルシリンTPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、BASF製)0.5部を用いた以外は、実施例2と同様にして本発明の水中油滴型エマルション及び硬化膜を有するPETフィルムを得た。
実施例4
実施例3において、合成例1で得られた多官能ウレタンアクリレートの代わりに合成例2で得られた多官能ウレタンアクリレートを、ジ2−エチルヘキシルスルホコハク酸Na塩の80%溶液の代わりにジオクチルスルホコハク酸Na塩の70%溶液(ネオコールSW−C 第一工業製薬(株)製)を用いた以外は、実施例3と同様にして本発明の水中油滴型エマルション及び硬化膜を有するPETフィルムを得た。
比較例1
実施例1において、ジ2−エチルヘキシルスルホコハク酸Na塩の80%溶液を用いない以外は、実施例1と同様にして比較用の水中油滴型エマルション及び硬化膜を有するフィルムを得た。
比較例2
実施例1において、合成例1で得られた多官能ウレタンアクリレートを使用せず、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート23部 46部に変更する以外は、実施例2と同様にして比較用の水中油滴型エマルション及び硬化膜を有するフィルムを得た。
この様にして得られた各水中油滴型エマルション及び硬化膜の評価を行い、それぞれの結果を表1および表2に示した。また、評価基準は以下に述べるものを採用した。
表1 評価結果
(1)エマルションの (2)塗工性 (3)鉛筆硬度
安定性
実施例1 ◎ ○ ○
実施例2 ◎ ○ ○
実施例3 ◎ ○ ○
実施例4 ◎ ○ ○
比較例1 ◎ × ○
比較例2 ◎ ○ ○
表2
(4)耐擦傷性 (5)密着性 (6)カール
実施例1 ○ 100 3.8
実施例2 ○ 100 3.5
実施例3 ○ 100 2.0
実施例4 ○ 100 2.8
比較例1 ○ 100 3.0
比較例2 ○ 100 7.0
(1)エマルションの安定性
得られた各エマルションを室温にて1ヶ月間静置し、外観観察および粒度分布(大塚電子(株)製LPA−3100)により安定性を評価した。
◎:粒度、液の状態ともに殆んど変化がない。
○:若干の離水がみられるが再分散性が良好であり、粒度はほとんど変化がない。
△:再分散性は良好であるが、粒度の変化あり。
×:油相と水相の分離がみられる。
(2)塗工性
○:ハジキなどがなく良好
△:ハジキが若干認められる
×:ハジキなどのため塗工不能
(3)鉛筆硬度測定
JIS K 5400に準じ、鉛筆引っかき試験機を用いて、上記有するフィルムの3Hの鉛筆引っかき試験を測定した。
○:5回中3回以上傷なし
×:5回中2回以上傷発生
(4)耐擦傷性試験
スチールウール#0000上に200g/cm2の荷重をかけて10往復させ、傷の状況を目視で判定した。
○:傷なし
×:傷発生
(5)密着性
JIS K 5400碁盤目試験に準じ、硬化膜のフィルム表面への密着性の評価を行った。判定は100個の碁盤目のうち、残った個数を表示した。
(6)カール
硬化膜を有するフィルムを5cm×5cmにカットし、80℃にて1時間加熱後、室温まで戻した。平らな台上に置き、フィルムの角4点の台からの高さを測定し、平均値を表示(単位mm)した。この時、基材自体のカールは0mmであった。
実施例5
実施例2で得られた本発明のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションおよび比較例1で得られた比較用のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションを、それぞれ固形分50%に水で希釈し、バーコーターにより乾燥塗工量が15g/m2 (膜厚15μm)となるようににABS樹脂基板に塗工した。これを80℃×5分乾燥した後に、80W/cmの高圧水銀灯を有する紫外線照射装置(GS ASE−20;日本電池社製)によりコンベアー速度10m/minで1回照射させることによりエネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させて、その硬化膜を得た。実施例1のエマルションを用いたものは塗工性が良好で表面の状態が良好な硬化膜が得られ、耐擦傷性および密着性が良好だった。しかし比較例1のエマルションを用いたものはハジキがひどく表面状態が不良だった。
実施例6
実施例2で得られた本発明のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションおよび比較例2で得られた比較用のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションを、それぞれ固形分50%に水で希釈し、乾燥塗工量が15g/m2 (膜厚15μm)となるように、溶剤系アクリルラッカーで表面が着色されたABS基材にスプレー塗工した。これを80℃×5分乾燥した後に、80W/cmの高圧水銀灯を有する紫外線照射装置(GS ASE−20;日本電池社製)によりコンベアー速度10m/minで1回照射させることによりエネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させて、その硬化膜を得た。実施例1のエマルションを用いたもの、比較例2のエマルションを用いたものともに塗工性が良好で表面の状態が良好な硬化膜が得られ、耐擦傷性および密着性が良好だった。
得られた塗工サンプルを80℃の乾燥機で1週間保存したところ、実施例1のエマルションを用いたものは外観の変化がなかったが、比較例1のエマルションを用いたものは塗工膜にクラックが生じた。
また、実施例1で得られた塗工サンプルを60℃×90%RHの条件で3日間保存したところ、クラック、べたつき、白濁などの外観の変化はなかった。
表1、表2、実施例5および実施例6から明らかなように、本発明のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションは安定性が良好で、人体および環境に悪影響を及ぼす有機溶剤を使用することなく水で希釈可能であり、フィルム等のプラスチック基材への塗工性が良好であった。またその硬化膜の密着性や硬度、擦傷性は良好で、硬化収縮によるフィルムのカールが少なく、さらに塗工後の加熱によるクラックの発生や、湿熱条件下でのクラック発生や外観の変化もないことがわかった。

Claims (6)

  1. 分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基と活性水素を有するエネルギー線硬化型多官能(メタ)アクリレ−トとポリイソシアネートとを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート(A)、全質量のうち70質量%以上をエチレンオキサイド基が占める親水性樹脂(B)、ジアルキルスルホコハク酸塩(C)を含有するエネルギー線硬化性水中油滴型エマルション。
  2. 全質量のうち70質量%以上をエチレンオキサイド基が占める親水性樹脂(B)が、その分子内にさらにエチレン性不飽和基を持つ樹脂である請求項1に記載のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルション。
  3. 追加成分として、分子中に少なくとも3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(D)を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水中油滴型エマルション。
  4. ジアルキルスルホコハク酸塩(C)のアルキル基が2−エチルヘキシル基又はn−オクチル基である請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の水中油滴型エマルション。
  5. 全質量のうち70質量%以上をエチレンオキサイド基が占める親水性樹脂(B)、ジアルキルスルホコハク酸塩(C)の含有量が、水中油滴型エマルションの水を除く全質量中のそれぞれ5〜20質量%、1〜8質量%である請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の水中油滴型エマルション。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のエネルギー線硬化性水中油滴型エマルションからなるハードコート剤。
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