JP2009013257A - 指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物、プラスチック積層体、および指紋隠蔽層の形成方法 - Google Patents

指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物、プラスチック積層体、および指紋隠蔽層の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】指紋が付着した場合であっても、目立なくすることができ、その結果、プラスチックミラー等において、優れた反射特性を示す指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物、それを用いたプラスチック積層体、および、それを用いた指紋隠蔽層の形成方法を提供する。
【解決手段】全体量に対して、3官能以上の光硬化性モノマーを5〜70重量%と、3官能以上の光硬化性オリゴマーを15〜90重量%と、残余成分と、を含む指紋隠蔽層を形成するための指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物等であって、光硬化させた際に、JIS K 6768に準拠して測定される濡れ張力が32〜50dyn/cmの範囲内の値である指紋隠蔽層を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物、プラスチック積層体、および指紋隠蔽層の形成方法に関する。特に、指紋が付いた場合であっても、目立たなくするとともに、容易に拭き取ることができる指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物、そのような指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を用いてなるプラスチック積層体、および指紋隠蔽層の形成方法に関する。
従来、ポリカーボネート基材やアクリル基材を用い、その上に、反射膜を積層したプラスチックミラー基材(シート)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
より具体的には、図9に示すように、プライマー層104を備えたポリカーボネート基材やアクリル基材からなるプラスチック基板105上に、反射膜102が形成されたプラスチック基板ミラー100であって、反射膜102と、プラスチック基板105との間に緻密膜103を、さらに、反射膜102の上側に保護膜101を、それぞれ形成したプラスチック基板ミラー100が提案されている。
特開平8−286007号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたポリカーボネート基材やアクリル基材を用いたプラスチックミラーは、表面に指紋が付きやすく、それに起因して反射特性が劣化しやすいという問題が見られた。
また、かかるプラスチックミラーは、ロール状に加工することが困難であって、生産性に乏しいという問題も見られた。
一方、表面層を構成する各種防汚性材料が提案されているものの、濡れ張力を低下させるべく、シリコーン化合物やフッ素化合物を用いることを特徴としており、機械的特性に乏しかったり、耐久性に乏しかったりするという問題が見られた。さらには、シリコーン化合物やフッ素化合物を用いて、表面層の濡れ張力を低下させると、指紋を構成する皮脂や水分等が不均一に広がってしまい、プラスチックミラー等に使用した場合、逆に、指紋が目立つことより、その反射特性がより低下しやすいという問題が見られた。
そこで、本発明者らは、シリコーン系添加剤等を実質的に含むことなく、特定組成の光硬化性樹脂組成物からなる指紋隠蔽層を形成することにより、指紋の付着を目立たなくさせるとともに、プラスチックミラー等において、優れた反射特性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、指紋隠蔽効果等に優れた指紋隠蔽層が得られる指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物、そのような指紋隠蔽層を形成してなるプラスチック積層体、及びそのような指紋隠蔽層の形成方法を提供することにある。
本発明によれば、全体量に対して、3官能以上の光硬化性モノマーを5〜70重量%と、3官能以上の光硬化性オリゴマーを15〜90重量%と、残余成分と、を含む指紋隠蔽層を形成するための指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物であって、光硬化させた際に、JIS K 6768に準拠して測定される濡れ張力が32〜50dyn/cm(=mN/m、以下、同様である。)の範囲内の値である指紋隠蔽層を形成することを特徴とする指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物が提供され、上述した問題を解決することができる。
すなわち、シリコーン系添加剤やフッ素系添加剤等を実質的に含むことなく、特定の光硬化性モノマーと、特定の光硬化性オリゴマーと、を所定量含む指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物であって、光硬化させた際に、濡れ張力が所定範囲の値である指紋隠蔽層を形成することから、指紋を構成する皮脂については選択的に排除する一方、指紋を構成する水分と容易になじんで、水分を主とした薄膜とすることができる。
したがって、指紋が付着した場合であっても、水分は転写するものの、皮脂については実質的に転写しないことより、指紋を目立なくすることができる。
また、付着した指紋が、水分を主としていることから、指紋のふき取り性が良好になって、プラスチックミラー等における優れた反射特性を得ることができる。
なお、上述した残余成分とは、光開始剤等を意味するが、電子線硬化させるような場合には、当該残余成分が必ずしも存在する必要はなく、特定の光硬化性モノマーと、特定の光硬化性オリゴマーと、のみから構成することができる(以下、同様である。)
また、本発明の指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を構成するにあたり、光開始剤を含むとともに、当該光開始剤の添加量を、全体量に対して、0.1〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
すなわち、特定の光硬化性モノマーと、特定の光硬化性オリゴマーと、光開始剤とを含む合計量に対して、このように所定量の光開始剤を含むことにより、紫外線硬化が可能となるばかりか、形成される指紋隠蔽層の固さや機械的強度のみならず、濡れ張力についても容易に制御することができる。
また、本発明の指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を構成するにあたり、水酸基含有化合物を含むとともに、当該水酸基含有化合物の添加量を、全体量に対して、0.1〜40重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
すなわち、特定の光硬化性モノマーと、特定の光硬化性オリゴマーと、光開始剤と、水酸基含有化合物と、を含む合計量に対して、このように所定量の水酸基含有化合物を含むことにより、形成される指紋隠蔽層の固さや機械的強度のみならず、濡れ張力の値についても容易に制御することができる。
また、本発明の指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を構成するにあたり、光硬化性オリゴマーの全体量を100重量%としたときに、当該光硬化性オリゴマー中に、6官能以上の光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを30重量%以上含むことが好ましい。
このように所定量の光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含むことにより、形成される指紋隠蔽層の固さや機械的強度のみならず、濡れ張力の値についても容易に制御することができる。
また、本発明の別の態様は、基材上に、全体量に対して、3官能以上の光硬化性モノマーを5〜70重量%と、3官能以上の光硬化性オリゴマーを15〜90重量%と、残余成分と、を含む指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物から形成されてなる指紋隠蔽層を備えたプラスチック積層体であって、指紋隠蔽層におけるJIS K 6768に準拠して測定される濡れ張力を32〜50dyn/cmの範囲内の値とすることを特徴とするプラスチック積層体である。
すなわち、プラスチック積層体が、特定の光硬化性モノマーと、特定の光硬化性オリゴマーと、を所定量含む指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物からなる指紋隠蔽層を形成することから、指紋を構成する皮脂を選択的に排除する一方、指紋を構成する水分等と容易になじんで、薄膜を形成したり、内部に吸収したりすることができる。
したがって、プラスチック積層体において、指紋が付着した場合であっても、目立なくすることができるとともに、プラスチックミラー等における反射特性を長時間にわたって維持することができる。
また、本発明のプラスチック積層体を構成するにあたり、指紋隠蔽層の厚さを1〜20μmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように所定厚さの指紋隠蔽層を設けることにより、指紋隠蔽の隠蔽性と、指紋隠蔽層の基材に対する密着性や機械的特性等のバランスをさらに良好なものとすることができる。
また、本発明のプラスチック積層体を構成するにあたり、指紋隠蔽層を形成する基材が、厚さが150〜800μmの第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シートと、厚さが5〜100μmの接着剤層と、厚さが0.001〜10μmの金属蒸着層と、厚さが25〜200μmの第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シートと、を順次に含むプラスチックミラー積層体であることが好ましい。
すなわち、このように所定の第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シートと、所定の第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シートと、を用いることにより、ロール状に席巻したり、二次加工を実施したりすることができるとともに、かつ、機械的強度に優れた指紋隠蔽層を備えたプラスチック積層体(プラスチックミラー積層体)を提供することができる。
また、本発明のプラスチック積層体を構成するにあたり、高圧縮繊維板(HDF)または中質繊維板(MDF)の表面に積層してあることが好ましい。
このように構成することにより、プラスチック積層体としての機械的強度を所望範囲で調整したり、向上させたりすることができるとともに、建材等の用途にも容易に使用することができる。
また、本発明のさらに別の態様は、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を用いた指紋隠蔽層の形成方法であって、下記工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする指紋隠蔽層の形成方法である。
(1)指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物として、全体量に対して、3官能以上の光硬化性モノマーを5〜70重量%と、3官能以上の光硬化性オリゴマーを15〜90重量%と、残余成分と、を含む指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を準備する工程
(2)指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を、基材上に積層する工程
(3)指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を光硬化させて、JIS K 6768に準拠して測定される濡れ張力が32〜50dyn/cmの範囲内の値である指紋隠蔽層を形成する工程
すなわち、特定の光硬化性モノマーと、特定の光硬化性オリゴマーと、を所定量含む指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物から、所定の濡れ張力を有する指紋隠蔽層を形成することから、指紋を構成する皮脂を選択的に排除する一方、指紋を構成する水分等と容易になじんで、薄膜を形成したり、内部に吸収したりすることができる。
したがって、指紋が付着した場合であっても、目立なくすることができるとともに、反射特性を長時間にわたって維持可能なプラスチックミラー等を効率的に製造することができる。
また、光硬化させることにより、短時間で、かつ所定特性を備えた指紋隠蔽層を形成することができ、生産上きわめて効率的であって、経済的に有利である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、全体量に対して、3官能以上の光硬化性モノマーを5〜70重量%と、3官能以上の光硬化性オリゴマーを15〜90重量%と、残余成分と、を含む指紋隠蔽層を形成するための指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物であって、光硬化させた際に、JIS K 6768に準拠して測定される濡れ張力が32〜50dyn/cmの範囲内の値である指紋隠蔽層を形成することを特徴とする指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物である。
1.3官能以上の光硬化性モノマー
(1)種類
指紋隠蔽層を迅速に光硬化するとともに、機械的強度や耐久性に優れるばかりか、濡れ張力の調整が容易になるように、所定量の3官能以上の光硬化性モノマーを配合するものである。
ここで、3官能以上の光硬化性モノマーの種類については特に制限されるものではないが、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、およびイソシアヌール酸エチレンオキシド変性トリアクリレート等の一種単独または二種以上の組み合わせが好ましい。
特に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)は、光硬化させた際に、濡れ張力が32〜50dyn/cmの範囲内の値であって、機械的強度に優れた指紋隠蔽層を形成しやすいことから、より好ましい化合物である。
(2)添加量
また、3官能以上の光硬化性モノマーの添加量を、全体量に対して、5〜70重量%の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる3官能以上の光硬化性モノマーの添加量が5重量%未満となると、光硬化速度が著しく低下し、機械的強度や耐久性等に優れた指紋隠蔽層を形成することが困難になるためである。
一方、かかる3官能以上の光硬化性モノマーの添加量が70重量%を越えると、光硬化速度の制御が過度に困難となったり、硬化収縮が過度に大きくなったりするためである。すなわち、基材が変形したり、指紋隠蔽層が基材から剥離しやすくなったりするためである。
したがって、光硬化速度と、硬化収縮等とのバランスがさらに良好になることから、3官能以上の光硬化性モノマーの添加量を、全体量に対して、10〜65重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、20〜60重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
2.3官能以上の光硬化性オリゴマー
(1)種類1
また、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物の光硬化速度や硬化収縮の調整、並びに指紋隠蔽性を向上させるために、所定量の3官能以上の光硬化性オリゴマーを配合することを特徴とする。すなわち、指紋隠蔽層を迅速に光硬化するとともに、光硬化させる際の硬化収縮を低下させ、かつ、濡れ張力の調整が容易になるように、所定量の3官能以上の光硬化性オリゴマーを配合するものである。
ここで、3官能以上の光硬化性オリゴマーの種類についても特に制限されるものではないが、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーやエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー等の一種単独または二種以上の組み合わせである。
(2)種類2
特に、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、比較的少量の添加で、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物の光硬化速度や硬化収縮の調整、並びに指紋隠蔽性を向上させることができることから、より好ましい化合物である。
また、このようなウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、骨格に脂環式ウレタンまたは脂肪族ウレタン構造を有する3官能ウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。
この理由は、このようなウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを使用することにより、適度な強度や柔軟性を付与することができるためである。
(3)数平均分子量
また、3官能以上の光硬化性オリゴマーの数平均分子量(GPC測定)を500以上の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる3官能以上の光硬化性オリゴマーの数平均分子量が500未満の値になると、基材に対する密着性が低下したり、硬化収縮の低減効果が不足したりする場合があるためである。ただし、かかる3官能以上の光硬化性オリゴマーの数平均分子量が過度に大きくなると、取り扱い性が低下したり、紫外線による硬化反応が低下したりする場合がある。
したがって、かかる3官能以上の光硬化性オリゴマーの数平均分子量を600〜10,000の範囲内の値とすることがより好ましく、800〜5,000の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4)添加量
また、3官能以上の光硬化性オリゴマーを、全体量に対して、15〜90重量%の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる3官能以上の光硬化性オリゴマーの添加量が15重量%未満となると、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物の硬化収縮が大きくなって、基材から剥離しやすくなるためである。
一方、かかる3官能以上の光硬化性オリゴマーの添加量が90重量%を超えると、光硬化速度が著しく低下し、機械的強度や耐久性等に優れた指紋隠蔽層を形成することが困難になるためである。
したがって、光硬化速度と、硬化収縮等とのバランスがさらに良好になることから、3官能以上の光硬化性オリゴマーの添加量を、全体量に対して、15〜70重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、20〜60重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、3官能以上の光硬化性オリゴマーの全体量を100重量%としたときに、当該3官能以上の光硬化性オリゴマー中に、6官能以上の光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを30重量%以上含むことが好ましい。
この理由は、このように所定の光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを所定量含むことにより、形成される指紋隠蔽層の機械的強度や耐久性のみならず、濡れ張力の値についても容易に制御することができるためである。
したがって、機械的強度や耐久性、あるいは濡れ張力の値の調整がさらに容易になることから、光硬化性オリゴマー中に、6官能以上の光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを40〜99重量%の範囲で含むことがより好ましく、50〜95重量%の範囲で含むことがさらに好ましい。
3.光開始剤
(1)種類
紫外線硬化等を考慮した場合、効率的かつ均一に光硬化できることから、所定の光開始剤を添加することが好ましい。
ここで、かかる光開始剤の種類については特に制限されるものではないが、例えば、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニル−ケトン、ベンゾフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、オリゴ〔2−ヒドロキシ−2−メチル1−[4−(メチルビニル)フェニル]プロパノン〕等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
特に、1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニル−ケトンは、安価で、透明性に優れていることから、より好ましい化合物である。
また、光開始剤の添加量を、全体量に対して、0.1〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる光開始剤の添加量が0.1重量%未満の値になると、光硬化速度が著しく低下し、機械的強度や耐久性等に優れた指紋隠蔽層を形成することが困難になる場合があるためである。
一方、かかる光開始剤の添加量が20重量%を越えると、指紋隠蔽層が黄変しやすくなったり、コストが上昇したりするためである。
したがって、光硬化速度と、黄変性等とのバランスがさらに良好になることから、光開始剤の添加量を、全体量に対して、1〜15重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、5〜12重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
4.添加剤
(1)溶剤
指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物への添加剤としての溶剤の種類については特に制限されるものではないが、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、トルエン、メチルエチルケトン、クロロホルム等の一種単独または二種以上の組み合わせである。
特に、酢酸エチルは、沸点が適当であって、取り扱いやすい上に、上述した3官能以上の光硬化性オリゴマーの良溶媒であることから、好ましい溶剤である。
また、溶剤の添加量を、全体量に対して、25〜90重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる溶剤の添加量が25重量%未満となると、取り扱いが困難となったり、均一な厚さの指紋隠蔽層を形成することが困難となったりする場合があるためである。
一方、かかる溶剤の添加量が90重量%を超えると、溶剤が残留しやすくなって、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物の硬化速度の調整が困難になったり、指紋隠蔽層の機械的強度が低下しやすくなったりするためである。
したがって、指紋隠蔽層の形成性と、指紋隠蔽層の機械的強度等とのバランスがさらに良好になることから、溶剤の添加量を、全体量に対して、30〜80重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、40〜70重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(2)水酸基含有化合物
また、指紋隠蔽層の濡れ張力を所定範囲に調整しやすいことから、水酸基含有化合物を添加することが好ましい。
ここで、かかる水酸基含有化合物の種類については特に制限されるものではないが、例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エポキシ樹脂等の一種単独または二種以上の組み合わせである。
特に、アクリルポリオールは、比較的少量の添加により、指紋隠蔽層の濡れ張力を所定範囲に調整しやすいことから、水酸基含有化合物として、より好ましい化合物である。
また、水酸基含有化合物の添加量を、全体量に対して、0.1〜40重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる水酸基含有化合物の添加量が0.1重量%未満となると、添加効果が発現せず、指紋隠蔽層の濡れ張力を所定範囲に調整することが困難となる場合があるためである。
一方、かかる水酸基含有化合物の添加量が40重量%を越えると、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物の光硬化速度の調整が困難となったり、指紋隠蔽層の機械的強度が低下したりする場合があるためである。
したがって、水酸基含有化合物の添加量を、全体量に対して、0.5〜30重量%の範囲内の値とすることがより好まく、1〜20重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)その他
また、指紋隠蔽層の濡れ張力の調整や、機械的強度の調整、導電性の調整等の理由から、所定量のビニルモノマー、充填剤、着色剤、レベリング剤や消泡剤等を添加することが好ましい。
このようなビニルモノマーの具体例としては、2官能性光硬化性モノマーが挙げられる。
また、充填剤や着色剤の具体例としては、シリカ、タルク、クレー、ゼオライト、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、雲母、合成雲母、珪藻土、水酸化アルミニウム、アルミナ、酸化チタン、セルロースパウダー、プロテインパウダー等の一種単独もしくは二種以上の組み合わせが挙げられる。
なお、本発明の指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物は、それから形成される指紋隠蔽層の濡れ張力を低下させるシリコーン系添加剤やフッ素系添加剤等を実質的に含まないことを特徴としているが、仮に、少量含む場合には、その添加量を、硬化成分(モノマーおよびオリゴマー等)100重量部に対して、0.5重量部未満とすることが好ましく、0.1重量部未満とすることがより好ましい。
5.指紋隠蔽層
(1)濡れ張力
また、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物から形成される指紋隠蔽層のJIS K 6768に準拠して測定される濡れ張力を32〜50dyn/cmの範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、指紋隠蔽層の濡れ張力が32dyn/cm未満の値になると、指紋を構成する水分のみならず皮脂まで付着しやすくなるためである。
一方、指紋隠蔽層の濡れ張力が50dyn/cmを超えると、指紋隠蔽層の構成材料の選択幅が過度に狭くなったり、逆に、指紋を構成する水分のみならず皮脂まで付着しやすくなったりするためである。
すなわち、このような濡れ張力を有する指紋隠蔽層とすることから、指紋を構成する皮脂を選択的に排除する一方、指紋を構成する水分等と容易になじんで、薄膜を形成したり、内部に吸収したりすることができる。したがって、指紋が付着した場合であっても、目立なくすることができるとともに、プラスチックミラー等における反射特性を長時間にわたって維持することができる。
よって、指紋隠蔽層の濡れ張力を34〜46dyn/cmの範囲内の値とすることがより好ましく、36〜42dyn/cmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(2)厚さ
また、指紋隠蔽層の厚さを1〜20μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、指紋隠蔽層の厚さが1μm未満の値になると、指紋隠蔽層の基材に対する密着性や機械的強度が低下したり、あるいは均一な厚さに形成することが困難になったりする場合があるためである。
一方、指紋隠蔽層の厚さが20μmを超えた値になると、全体を均一に光硬化させることが困難になったり、指紋隠蔽性が低下したりする場合があるためである。
したがって、指紋隠蔽層の基材に対する密着性や機械的特性と、指紋隠蔽性等とのバランスがさらに良好なものとすることから、指紋隠蔽層の厚さを2〜18μmの範囲内の値とすることがより好ましく、5〜15μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、基材上に、全体量に対して、3官能以上の光硬化性モノマーを5〜70重量%と、3官能以上の光硬化性オリゴマーを15〜90重量%と、残余成分と、を含む指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物から形成されてなる指紋隠蔽層を備えたプラスチック積層体であって、指紋隠蔽層における濡れ張力を32〜50dyn/cmの範囲内の値とすることを特徴とするプラスチック積層体である。
よって、図1に示すように、上層に、第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シート10として、指紋隠蔽層10dを含む真空アルミ蒸着PETフィルムを設けるとともに、その下層には、ドライラミネ−ション接着層11を介して、非結晶質PET樹脂シートから成る第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シート12を裏打する構成となっている。
以下、図1を参照しながら、第2の実施形態にかかるプラスチックミラー積層体の構成につき、具体的に説明する。
1.第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シート(バッキングシート)
まず、プラスチックミラー積層体における第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シート(単に、バッキングシートと称する場合がある。)12の構成について具体的に説明する。
すなわち、かかるバッキングシートは、プラスチックミラー積層体における極めて高い平滑性の確保のために設けられており、そのため、押出キャスティング製法で製造してなるバッキングシートの構成樹脂に、非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂を含むことが好ましい。
また、かかるバッキングシートは、加熱装置および冷却装置を備えた鏡面エンボスロール成形機により、結晶状態が制御されるとともに、所定の表面平滑化処理がなされていることが好ましい。
(1)3層構造体
図1に示すバッキングシート12は、一例として、3層構造である。
かかる3層構造のバッキングシート12の中心部に位置する中間層12aは、非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂(以下「A−PET」と略記する。)を含むシート層であり、当該A−PET樹脂シート層12aを挟持するよう配置されている上下のシート層12b、12bは、非結晶質グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂(以下「PET−G」と略記する。)を含むシート層である。
このような3層構造のバッキングシートは、一般的には、GAG−PETシートと称されており、GAG−PETシートの表面平滑性は、他の製造方法によるシートと比べて平面平滑性は遙かに優れたものと言える。すなわち、異なる非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂を含むことにより、所定温度の鏡面エンボスロール成形機により、結晶状態が制御されやすく、所定範囲の弾性率に調整することができる。
したがって、比較的厚いプラスチックミラー積層体を構成し、長尺化した場合であっても、ロール状に席巻することができ、さらには、高圧縮繊維板(HDF)や中質繊維板(MDF)の表面に容易に追従させて積層したりすることができる。
また、当該GAG−PET構成のバッキングシートの優位性は、トータルなコストパフォーマンスと機能性とのバランスにある。
すなわち、プラスチックミラー積層体は、主たる用途である建築内装用壁装材(建築用壁装材)として使用される場合には、プラスチックミラー積層体は当該用途にミラー積層体単体で使用されることは無く、所定寸法:例えば1800mm(H)×900mm(W)×12mm(D)というような寸法形状のMDFあるいはHDF等の下地材の厚み方向や長辺2辺の小口を巻き込む形態にラッピングされて使用するために、当該バッキングシート12は2次加工性(折り曲げ性、打ち抜き性、接着性等)に優れていなければならない。加えて、耐衝撃性や経済性(コストパフォーマンス)に優れていることも望まれる。
また、GAG−PETシートからなるキャスト成形押出バッキングシートは、低コストである一方、A−PET樹脂は2次加工性において若干問題あるとともに、比較的コスト高である。
したがって、2次加工性においては、高性能のPET−G樹脂と、A−PET樹脂とがバランス良く組み合わされることにより、バッキングシートとしての要求性能をバランス良く備える構成と成っている。
(2)表面処理
また、加熱装置および冷却装置を備えた鏡面エンボスロール成形機により、バッキングシートは、表面平滑化処理が施されていることが好ましい。
すなわち、加工原反としてのバッキングシートに含まれる非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂固有のガラス転移点温度(Tg)付近、あるいはそれ以上の温度に加熱するとともに、所定圧力で押圧して、表面平滑化処理がなされていることが好ましい。このように表面処理を施すことにより、所定厚さを有するものの、結晶状態が適宜制御されて、プラスチックミラー積層体を構成した場合に、長尺状にして、ロール状に席巻することが可能となる。
また、バッキングシートの結晶状態が適宜制御されていることから、比較的厚い場合であっても、高圧縮繊維板(HDF)等の表面に対して、優れた追従性を示すことができ、建材等の用途にも使用することができる。
さらに、バッキングシートに含まれる非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂の結晶状態が適宜制御されていることから、プラスチックミラー積層体を構成した場合に、優れた鏡面反射特性が得られ、プラスチックミラー積層体として、卓越した光学特性を示すことができる。
したがって、鏡面エンボスロール成形機における前段階として、加熱処理温度を考慮する際に、バッキングシートに含まれる非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂のガラス転移点温度(Tg)を考慮することが好ましい。
すなわち、鏡面エンボスロール成形機における、バッキングシートの表面温度をTe(℃)とし、バッキングシートに含まれる非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂のガラス転移点温度をTg(℃)としたときに、下記関係式(1)を満足するように、表面平滑化処理が施されていることが好ましい。
Tg+10≦Te≦Tg+80 (1)
この理由は、このような関係式(1)を満足することにより、バッキングシートに含まれる非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂のガラス転移点温度にかかわらず、バッキングシートにおいて優れた表面平滑性を得ることができるためである。したがって、Teが、Tg+10未満の温度になると、表面平滑処理が不十分となって、優れた反射特性等が得られない場合があるためである。
また、このような関係式(1)を満足することにより、バッキングシートとして、適度な非結晶状態を形成することができるためである。したがって、Teが、Tg+80を超えた温度になると、バッキングシートの強度が低下したり、フレアが生じたりして、優れた反射特性等が得られない場合がある。
したがって、鏡面エンボスロール成形機において、下記関係式(1´)を満足するように、表面平滑化処理が施されていることが好ましく、下記関係式(1´´)を満足するように、表面平滑化処理が施されていることがさらに好ましい。
Tg+30≦Te≦Tg+80 (1´)
Tg+50≦Te≦Tg+80 (1´´)
また、より具体的には、バッキングシートに含まれる非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂のガラス転移点温度(Tg)を65℃〜100℃の範囲にするとともに、加熱装置により、バッキングシートの表面温度を95℃〜180℃に加熱した状態で、鏡面エンボスロール成形機により、表面平滑化処理を実施することが好ましい。
また、バッキングシートに含まれる非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂のガラス転移点温度(Tg)を70℃〜90℃の範囲にするとともに、加熱装置により、バッキングシートの表面温度を120℃〜170℃に加熱した状態で、鏡面エンボスロール成形機により、表面平滑化処理を実施することがさらに好ましい。
(3)厚さ
また、バッキングシートの厚さを150〜800μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるバッキングシートの厚さが150μm未満となると、耐久性や機械的特性が著しく低下する場合があるためである。したがって、高圧縮繊維板(HDF)等の表面に積層して構成する建築材料として使用できない場合があるためである。
一方、バッキングシートの厚さが800μmを超えると、高圧縮繊維板(HDF)等に対する追従性が低下する場合があるためである。したがって、同様に、高圧縮繊維板(HDF)等の表面に積層して構成する建築材料として使用できない場合があるためである。
したがって、バッキングシートの厚さを300〜700μmの範囲内の値とすることが好ましく、400〜600μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
2.第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シート
(1)金属蒸着層
図1に示すように、第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シート(指紋隠蔽層を含む真空アルミ蒸着PETフィルム層)10は、透明度が90%以上の値の極めて高い全光線透過率(JIS K−7105に準拠)を有する光学系PET樹脂フィルム10aをベースフィルムとして、その下に、金属蒸着層10bを備えている。
すなわち、光学系PET樹脂製ベースフィルム10aに、高真空条件下で、高純度のアルミニウムを1400℃以上に加熱蒸発させ、例えば、オプティカルデンシティ(OD)が2.5〜3.5のアルミ蒸着層が、金属蒸着層10bとして設けられている。
なお、金属蒸着層10bを構成する金属種としては、アルミニウム単独に制限されるものではなく、アルミニウムと、銅、銀、ニッケル、ステンレス、クロム、鉄等とのいずれかの金属を含むアルミニウム合金や、これら金属単体であっても良い。
また、金属蒸着層の厚さを0.001〜10μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる金属蒸着層の厚さが0.001μm未満となると、耐久性や機械的特性が著しく低下する場合があるためである。したがって、高圧縮繊維板(HDF)等の表面に積層して構成するミラー用の建築材料として使用できない場合があるためである。
一方、金属蒸着層の厚さが10μmを超えると、高圧縮繊維板(HDF)等に対する追従性が低下し、割れや曇り等が発生する場合があるためである。したがって、同様に、高圧縮繊維板(HDF)等の表面に積層して構成する建築材料として使用できない場合があるためである。
したがって、金属蒸着層の厚さを0.01〜5μmの範囲内の値とすることが好ましく、0.02〜0.5μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、オプティカルデンシティ(OD)を上述した範囲内に調整するためには、金属蒸着層の厚さを400〜500Å(=0.04〜0.05μm)とすることがより好ましい。
(2)アンカー層
また、金属蒸着層が空気中で、過度に酸化されるのを防ぎ、更には、バッキングシート12との層間接着を強固かつ確実なものとする目的で、図1に示すように、金属蒸着層10bの表面に、アンカー層10cを設けることが好ましい。
すなわち、接着剤層と、金属蒸着層と、の間に、厚さが1〜30μmのアンカー層を備えることが好ましい。
この理由は、このように所定厚さのアンカー層を設けることにより、金属蒸着層の酸化や破損、あるいははがれ等を有効に防止できるとともに、接着剤層を介して、金属蒸着層を備えた第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シートと、第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シートと、を強固かつ平滑に積層することができるためである。
したがって、アンカー層の厚さを2〜20μmの範囲内の値とすることがより好ましく、3〜10μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)光学系PET樹脂フィルム
第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シート10としては、図1に示すように、透明度が90%以上の値の極めて高い全光線透過率(JIS K−7105に準拠)を有する光学系PET樹脂フィルム10aを含んでいる。
すなわち、本発明において、このような光学系PET樹脂フィルムを使用する理由は、当該ベースフィルムの透明度が確保されなければ、当該ベースフィルム層内での反射光路(往復路)での透過光の乱反射や透過損失等を含めた光量減衰や損失を伴う場合があるためである。すなわち、鏡としての透明感や深み等、そもそも鏡が本来備えていなければならない特性そのものを損なう場合があるからである。
よって、プラスチックミラー積層体を設計する場合、金属蒸着層10bを担持する役割を担うベースフィルムである光学系PET樹脂フィルム10aは、当該光学系PET樹脂フィルムを光線が反射することによって鏡としての機能を発現させる基本部材であるといえる。
なお、プラスチックミラー積層体に、本来の鏡と同等な役割を期待する為には、全光透過率(JIS K−7105に準拠)を以て示すと、少なくとも90%の値とすることが好ましく、92%以上の値とすることがより好ましい。
また、光学系PET樹脂フィルムの厚さを25〜200μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる光学系PET樹脂フィルムの厚さが25μm未満となると、耐久性や機械的特性が著しく低下する場合があるためである。したがって、高圧縮繊維板(HDF)等の表面に積層して構成する建築材料として使用できない場合があるためである。
一方、光学系PET樹脂フィルムの厚さが200μmを超えると、高圧縮繊維板(HDF)等に対する追従性が低下する場合があるためである。したがって、同様に、高圧縮繊維板(HDF)等の表面に積層して構成する建築材料として使用できない場合があるためである。
したがって、光学系PET樹脂フィルムの厚さを30〜180μmの範囲内の値とすることが好ましく、40〜150μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4)指紋隠蔽層
また、図1に示すように、光学系PET樹脂フィルム10aの最上層には、第1の実施形態で説明したのと同様の指紋隠蔽層10dを備えることを特徴とする。
すなわち、光学系PET樹脂フィルムの表面に、例えば、厚さ1〜20μmの指紋隠蔽層を備えることが好ましい。
この理由は、このように所定厚さの指紋隠蔽層を設けることにより、第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シートに対する指紋付着による反射画像の認識低下を有効に防止することができるためである。
3.接着剤層
図1に示すように、第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シート(バッキングシート)12と、第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シート10と、の間に接着剤層11を設けて、これらのシートを強固に積層することが好ましい。
(1)種類
接着剤層を構成する接着剤の種類は特に制限されるものではないが、例えば、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着剤、フェノール系接着剤、シリコーン系接着剤等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
(2)厚さ
また、接着剤層の厚さを5〜100μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる接着剤層の厚さが5μm未満となると、耐久性や機械的特性が著しく低下する場合があるためである。したがって、高圧縮繊維板(HDF)等の表面に積層して構成する建築材料として使用できない場合があるためである。
一方、かかる接着剤層の厚さが100μmを超えると、高圧縮繊維板(HDF)等に対する追従性が低下する場合があるためである。したがって、同様に、高圧縮繊維板(HDF)等の表面に積層して構成する建築材料として使用できない場合があるためである。
したがって、接着剤層の厚さを10〜60μmの範囲内の値とすることが好ましく、20〜40μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
4.着色層
また、図示しないが、プラスチックミラー積層体において、着色層を含むことが好ましい。すなわち、装飾性等に優れた着色プラスチックミラー積層体を提供することができるためである。
したがって、例えば、厚さ0.1〜50μmの着色層を、第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シートの表面、第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シートの表面、接着剤層の表面、あるいは第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シートや第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シートの内部、さらには接着剤層中に、着色剤を添加して、形成しても良い。
その場合、プラスチックミラー積層体ではあるものの、金属蒸着層の厚さをさらに薄くして、ハーフミラーとすることも好ましい。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を用いた指紋隠蔽層の形成方法であって、下記工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする指紋隠蔽層の形成方法である。
(1)指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物として、全体量に対して、3官能以上の光硬化性モノマーを5〜70重量%と、3官能以上の光硬化性オリゴマーを15〜90重量%と、残余成分と、を含む指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を準備する工程
(2)指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を、基材上に積層する工程
(3)指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を光硬化させて、JIS K 6768に準拠して測定される濡れ張力が32〜50dyn/cmの範囲内の値である指紋隠蔽層を形成する工程
したがって、プラスチックミラー積層体に対して、指紋隠蔽層を形成する場合には、
例えば、まず、厚さが150〜800μmの第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シート(バッキングシート)と、厚さが5〜100μmの接着剤層と、厚さが25〜200μmの第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シート(厚さが0.001〜10μmの金属蒸着層を含む)と、を順次に含むプラスチックミラー積層体を製造する。
次いで、得られたプラスチックミラー積層体に対して、上記工程(1)〜(3)を実施して、指紋隠蔽層を備えたプラスチックミラー積層体を製造することができる。
以下、プラスチックミラー積層体の製造方法を含む指紋隠蔽層の形成方法の詳細を説明する。
1.第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シート(バッキングシート)の成形工程
(1)バッキングシートの準備
バッキングシートは、一般的に、押出キャスティング製法にて製造され、市販されているGAG−PETシートは、他のシートに比べて極めて平滑性に優れたシート原反として市場では認識されている。
それでも、例えば、図2に示す押出キャスティング製法にて製造される市販のGAG−PET樹脂シートの場合には、図示の通り外観的には極めて平滑性が保たれているように見えても、その局部(同図においては円弧に囲まれた部分)Aを拡大してみると、図3に示す通り直径が数μmオーダーの微細な凹凸部31、32、あるいは巻き取り時に発生すると思われる数mm〜数cmオーダーの膨れ部33がシート原反のいたる処で頻繁に散見される。
したがって、市場に流通している押出キャスティング製法にて製造されるPET−GシートあるいはGAG−PETシート等のシート原反を、後処理工程無しで本発明におけるプラスチックミラー積層体に使用した場合、プラスチックミラー積層体としての外観を大きく損ね、商品価値を大幅に押し下げることとなる。
すなわち、各種バッキングシートに真空アルミ蒸着PET樹脂フィルムを精密ドライラミネーションすると、押出キャスティング時に発生する肉眼では確認できないような極めて微細な凹凸や目視不可能な膨れ等が、その上層にドライラミネ−ションされる真空アルミ蒸着PETフィルムの存在により、より強調される状態となる。
したがって、市販されているPET−GシートあるいはGAG−PETシート等を使用する場合、後加工工程としての鏡面エンボス工程を加えることが、プラスチックミラー積層体をより上質に仕上げる意味合いにおいてより好ましいといえる。
(2)バッキングシートの表面粗さ(Rz)
そのため、所定表面温度を有する鏡面エンボスロールにて、加工原反としてのバッキングシート12は、極限まで平滑にすることが好ましい。より具体的には、JIS B0601−1994に準拠したバッキングシートの表面粗さ(Rz)を0.2μm以下の値とすることが好ましい。
この理由は、バッキングシートの表面粗さ(Rz)を所定範囲の値に制御することにより、接着剤層を介して、金属蒸着層や第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シートの表面や接合面についても平滑化することができるためである。
したがって、第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シート側から、金属蒸着層を介して、極めて良好な反射画像を認識することができる。
但し、バッキングシートの表面粗さ(Rz)を過度に小さくしようとすると、表面処理時間が長くなったり、製造上の歩留まりが著しく低下したりする場合がある。
したがって、バッキングシートの表面粗さ(Rz)を0.01〜0.18μmの範囲内の値とすることが好ましく、0.05〜0.15μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい
(3)鏡面エンボスロール成形機による表面処理
次いで、本発明における必須の要件となる、加工原反としてのバッキングシートにおける後加工工程、すなわち、鏡面エンボスロール成形機による表面処理の詳細につき、図4に基づき説明する。
図4は、本発明に係る鏡面エンボスロール成形機の概略を示すもので、同図において、加熱ドラムロール41、抱き込みロール42a、42bが備えてあり、加工原反12の加熱ドラムロール41への接触面積を調整し、加工原反12の加熱温度をコントロールする役割を担う。
また、遠赤外線ヒータ43は、加熱ドラムロール41と共に、加工原反12を極めて短時間で所定温度(加工原反固有のガラス転移点温度(Tg))まで加熱昇温させる役割を担う。
さらに、エンボスロール44としては、本発明においては極めて平滑度の高い鏡面エンボスロール(艶ロールともいう)を配設している。
ここで、鏡面エンボスロール44の表面粗さに関して、JIS B0601−1994に準拠する「表面粗さ」である十点平均粗さ(Rz)あるいは最大高さ(Ry)のパラメータを以て表示すると、そのRzあるいはRyをそれぞれ0.2μm以下の値とすることが好ましい。
この理由は、このような鏡面エンボスロール44を用いることにより、この鏡面エンボスロール44と対をなし、強力な押圧力を与えるためのゴムロール45との協働により、平滑度に優れたバッキングシートを得ることができるためである。すなわち、鏡面エンボスロール44と、ゴムロール45とが、対を為すことで、加工原反12に対して、鏡面エンボスロール44を強力に押圧することができ、エンボス深度やエンボス径を調節しやすくなるとともに、精度よく表面平滑化処理(エンボス加工)を実施することができる。
但し、過度に平滑性の高い鏡面エンボスロールを用いると、摩擦力等の関係で、逆に、バッキングシートにおいて、平滑度のばらつきが大きくなる場合がある。
したがって、鏡面エンボスロールの表面粗さ(RzあるいはRy)を、0.01〜0.18μmの範囲内の値とすることが好ましく、0.05〜0.15μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい
次に、図4において、鏡面エンボスロール成形機を用いた加工原反としてのバッキングシート(第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シート)の加工の流れを説明する。
先ず、給紙側40から供給された加工原反としてのバッキングシート12は、抱き込みロール42aを経て、加熱ドラムロール41へと送られる。この加熱ドラムロール41は、60℃以上の温度、より好ましくは、65℃〜80℃の温度範囲になるよう、コントロールされていることが好ましい。この理由は、遠赤外線ヒータ43によって、バッキングシート12の表面温度を瞬間的かつ均一に昇温させるためである。
次いで、加熱ドラムロール41にて設定温度に加熱昇温された加工原反としてのバッキングシート12は、抱き込みロール42bを経て転圧ロール45と対を為す鏡面エンボスロール(艶ロールともいう)44に送られる。その際に、加熱ドラムロール41と、鏡面エンボスロール44との間に設けられている強力パワーを有する遠赤外線ヒータ43によって、瞬間的に昇温される。
その際、上述したように、関係式(1)、関係式(1´)、あるいは関係式(1´´)を満足するように、鏡面エンボスロール成形機における、第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シートの表面温度Te(℃)と、第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シートに含まれる非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂のガラス転移点温度Tg(℃)と、を定めることが好ましい。
すなわち、関係式(1)を満足することにより、第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シートに含まれる非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂のガラス転移点温度にかかわらず、第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シートにおいて優れた表面平滑性を得ることができるとともに、プラスチックミラー積層体における第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シートとして、適度な非結晶状態を形成することができるためである。
次いで、鏡面エンボスロール44にて、加工原反12は、極限まで平滑にされる。より具体的には、上述したように、バッキングシートの表面粗さ(Rz)を0.2μm以下の値とすることが好ましい。
すなわち、接着剤層を介して、金属蒸着層や第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シートの表面や接合面についても平滑に積層することにより、屈折率の関係で、干渉縞の発生を抑制し、第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シート側から、金属蒸着層を介して、極めて良好な反射画像を認識することができる。
そして、鏡面エンボスロール44に続く3段の冷却ロール46にて、加工原反としてのバッキングシート固有のガラス転移点温度(Tg)以下まで急冷されることにより、バッキングシートは、超平滑状態に固化された状態で、続く排紙側の巻き取りロール47に巻き取られることになる。
ここで、鏡面エンボスロール成形機を用いた鏡面エンボス加工工程において重要な要素は、加工原反としてのバッキングシートを、加熱装置として、加熱ドラムロール41と、遠赤外線ヒータ43との共同作業の中で、加工原反としてのバッキングシート固有のガラス転移点温度(Tg)付近あるいはそれ以上迄急峻に昇温させることである。
更には、鏡面エンボスロール(艶ロールともいう)44にて極限まで平滑にされた加工原反としてのバッキングシートを、冷却装置としての3段の冷却ロール46にて、バッキングシート固有のガラス転移点温度(Tg)以下まで、急激に冷却し固化させる点にある。すなわち、本発明においては、バッキングシートとして非結晶質PET樹脂シートを採用している為、ガラス転移温度(Tg)がほぼ70℃以下の温度となるように、急激に冷却して、固化させる点にある。
なお、上記加工の冷却段階において、急冷せずに徐冷すると、非結晶質PET樹脂シートが結晶化するおそれがあり、プラスチックミラーの二次加工を施す際に、支障を来す場合がある。
そのため、本発明においては、比較的ガラス転移点温度(Tg)が高い非結晶質PET樹脂を含む第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シートを、バッキングシートとして選択したものである。
すなわち、バッキングシートに含まれる非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂のガラス転移点温度(Tg)を65℃〜100℃の範囲内の値にすることが好ましく、非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂のガラス転移点温度(Tg)を75℃〜95℃の範囲内の値にすることがさらに好ましい。
そして、かかる非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂のガラス転移点温度(Tg)は、例えば、示差走査型熱量計(DSC)を用いて、10℃/分の昇温モードで現れる比熱の変化点として、測定することができる。
2.プラスチックミラー積層体の製造工程
次に、図5を用いて、本願発明におけるプラスチックミラー積層体の製造工程の一例を説明する。
まず、ロール状に席巻された真空アルミ蒸着PETフィルム10は、巻き戻された後に、塗布ローラー部53で、フィルム表面に、所定の厚さの接着剤53cが塗布される(接着剤塗布工程)。
次いで、接着剤53cが塗布された真空アルミ蒸着PETフィルム10は、乾燥炉54に供される(乾燥工程、冷却工程)。そこで、接着剤53c中の余分な溶剤が蒸発によって除去がされ、一定温度条件下にさらすことで、モノマー、オリゴマー等の接着成分と架橋剤との結合割合(架橋度)を調節し、接着剤に、所望の接着特性が付与される。
また、かかる乾燥炉内は、接着剤を乾燥させるための4つの乾燥ゾーン54a〜dが内設されており、それぞれ異なった乾燥温度(例えば、60℃、70℃、80℃、85℃)に適宜設定されている。
さらに、乾燥ゾーン54a〜dの下流には、乾燥ゾーンで上昇した真空アルミ蒸着PETフィルム10の表面温度を常温に戻すための、冷却ゾーン54eが設けられている。
そして、上記工程を経た真空アルミ蒸着PETフィルム10は、圧着ローラー部56に供される(圧着工程)。そこで、乾燥工程を経た接着剤53Cを介して、バッキングシート12と熱圧着され、プラスチックミラー積層体58が完成する。
このように、真空アルミ蒸着PETフィルム、バッキングシート等の積層材料および生産物である積層体を、ロール状とすることで、各工程を連続的に実施することができ、生産効率および加工精度を向上させることができる。
3.指紋隠蔽層の形成工程
(1)指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物の準備工程
当該準備工程は、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物として、全体量に対して、3官能以上の光硬化性モノマーを5〜70重量%と、3官能以上の光硬化性オリゴマーを15〜90重量%と、残余成分と、を含む指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を準備する工程である。
例えば、プロペラミキサ等の攪拌装置付きの容器内に、所定原料を投入し、室温で、24時間攪拌し、均一組成の指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物とすることができる。
なお、この時点で、得られた指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物の粘度、固形分、色具合、光硬化速度等を所定方法で測定し、それぞれ、所定範囲内の値であることを検査することが好ましい。
(2)指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物の積層工程
当該積層工程は、得られた指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を、基材上に、均一に積層する工程である。例えば、このように指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を積層する方法としては、スクリーン印刷法、グラビアコート法、ロールコート法、ナイフコート法、カーテンコート法等を採用することができる。
また、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物中に所定量の溶剤を含む場合には、基材上に積層した後、そのまま風乾したり、50℃以下で低温加熱したりすることにより、かかる溶剤を飛散させることが好ましい。
そして、乾燥後厚さを、上述した指紋隠蔽層の厚さと実質的に同じとして、1〜20μmの範囲内の値とすることが好ましい。
(3)指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を光硬化工程
当該光硬化工程は、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物に電子線または紫外線等の電離放射線を照射して、濡れ張力が32〜50dyn/cmの範囲内の値である指紋隠蔽層を形成する工程である。
したがって、例えば、紫外線を照射する場合には、単位面積あたりの紫外線照射量が、100〜400mJ/cm2の範囲内の値となるような照射条件とすることが好ましい。
そして、得られた指紋隠蔽層の濡れ張力については、25℃の測定温度条件下、標準液を用いて、測定することができる。
[実施例1]
1.プラスチックミラー積層体の製造
(1)バッキングシートの製造
バッキングシートとして、3層同時押出キャスト成形構成のGAG−PETシート(三菱樹脂(株)製:ディアクレール(ガラス転移点温度(Tg):72℃、シート幅:1280mm、シート厚:400μm)を準備した。
次いで、当該GAG−PETシートの後加工工程として、鏡面エンボスロール成形機を介して、GAG−PETシート表面に、鏡面エンボス処理を実施した。
なお、鏡面エンボス処理における加熱温度や加工原反の処理スピード等の諸条件は以下の通りとし、加熱鏡面エンボス処理する際のシートの表面温度(エンボス処理温度)が130℃となるように調節した。
加熱ドラムロールの設定温度 :65℃
遠赤外線ヒータ設定温度 :140℃
鏡面エンボスロール温度 :25℃
冷却ロール設定温度 :20℃
加工原反の処理スピード :10m/min.
(2)真空アルミ蒸着PETフィルムの製造
次いで、透明度が90%以上の全光線透過率(JIS K−7105に準拠)を有する光学系PET樹脂フィルム(東洋紡績(株)製:商品名コスモシャイン(A4100)シート幅:1270mm、シート厚:100μm)をベースフィルムとして準備した。
この光学系PET樹脂製ベースフィルムに対して、アルミニウムを、高真空条件下、1400℃の温度条件で加熱蒸発させ、オプティカルデンシティ(OD)が3.0であり、膜厚が450Å(=0.045μm)のアルミ蒸着膜層を形成した。
次いで、アルミ蒸着膜層の空気中の酸素との反応に伴う酸化を防ぎ、かつバッキングシートとの層間接着を強固なものとする目的で、アクリル樹脂系アンカー層(膜厚:10μm)をコーティングした。
(3)プラスチックミラーの一体化成形
次いで、精密ドライラミネーターを用い、鏡面エンボスロール成形機を介した後のバッキングシートの表面に、上述した真空アルミ蒸着PETフィルム層を、ウレタン樹脂系接着剤によるドライ接着(膜厚:10μm)することにより、プラスチックミラーを一体化成形した。
(4)指紋隠蔽層の形成
(4)−1
攪拌機付きの容器内に、表1に示すように、3官能光硬化性アクリレートモノマー(カヤラッドDPHA:日本化薬製)を60重量%と、6官能光硬化性ウレタンアクリレートオリゴマー(エバクリル1290k:ダイセルサイテック製)を40重量%と、それらに対して10重量部の割合の光開始剤(イルガキュア184:チバスペシャリティケミカルズ製)を添加した後、30分攪拌して、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を得た。
なお、表1には記載しないが、溶剤として、酢酸エチルを用い、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物の固形分が40重量%となるように調整した(以下、同様である。)。
(4)−2
次いで、得られた指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を、マイクロコーターを用いて、乾燥後の厚さが10μmとなるように、一体化成形したプラスチックミラー上に積層した。
(4)−3
次いで、紫外線照射装置として、120W/cmの水銀ランプを用いて、単位面積あたりの紫外線照射量が、200mJ/cm2となる条件で、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物の積層膜に対して、紫外線を照射した。このようして、厚さ10μmの指紋遮蔽層を形成し、実施例1の指紋遮蔽層付きプラスチックミラー積層体とした。
2.プラスチックミラー積層体の評価
(1)濡れ張力
JIS K 6768に準拠して、指紋遮蔽層の濡れ張力を測定した。すなわち、プラスチックミラー積層体の指紋遮蔽層の表面張力(測定温度:25℃)を濡れ張力として、濡れ試薬を用いて測定した。
(2)密着性
JIS K 5600に準拠して、碁盤目法(1mm角、100碁盤目)により、指紋遮蔽層の密着性を評価した。すなわち、プラスチックミラー積層体の指紋遮蔽層に、カッターナイフを用いて1mm間隔で10×10=100マスのマス目を形成するように切り込みを入れた。次いで、形成されたマス目の上に、粘着テープを貼り付けた後、指紋遮蔽層と、粘着テープとが45°の角度になる方向に、引き剥がした。その後、プラスチックミラー積層体の表面に残った指紋遮蔽層のマス目から、以下の基準により、密着性の評価を行った。
◎:残留数は100個/100碁盤目であった。
○:残留数は98〜99個/100碁盤目であった。
△:残留数は93〜97個/100碁盤目であった。
×:残留数は90個未満/100碁盤目であった。
(3)指紋隠蔽性
得られたプラスチックミラー積層体に、指紋を付着させた状態で、以下の条件で指紋隠蔽性を評価した。
すなわち、指紋を付着させた状態のプラスチックミラー積層体を、長さ30cm、幅10cmの大きさに切断し、試験用サンプルとした。この試験用サンプルを、40Wタイプの直管蛍光灯2本(東芝株式会社製、FLR40SEXD/M/36H−4P)の鉛直方向2m下に設置した。次いで、試験サンプルに投影された蛍光灯の反射像の状態を、目視で調べ、以下の基準に準じて、指紋隠蔽性の評価を行った。得られた結果は表1に示す。
◎:指紋が全く目立たない。
○:指紋がほとんど目立たない。
△:指紋が少々目立つ。
×:指紋が顕著に目立つ。
(4)指紋拭取性
得られたプラスチックミラー積層体に、指紋を付着させた後、木綿の布を用いて拭き取り、以下の基準に沿って指紋拭取性を評価した。なお、図6(a)に、指紋を付着させた状態の写真と、図6(b)に、それを拭き取った後の状態の写真を示す。
◎:指紋が全く目立たない。
○:指紋がほとんど目立たない。
△:指紋が少々目立つ。
×:指紋が顕著に目立つ。
(5)反射特性
得られたプラスチックミラー積層体の大きさを、長さ30cm、幅10cmに切断した後、指紋を全面的に付着させて、試験用サンプルとした。次いで、光波長550nmにおける自記分光光度計(日立製作所社製、商品名U−4000)を用いて、試験用サンプルの反射率(硫酸バリウムの反射率の相対値)を求めた。
そして、測定によって得られた反射率から、以下の評価基準に準じて、反射特性の評価を行った。
◎:反射率が95%以上
○:反射率が90%以上、95%未満
△:反射率が70%以上、90%未満
×:反射率が70%未満
(6)機械的強度(耐擦傷性)
得られたプラスチックミラー積層体の大きさを、長さ30cm、幅10cmに切断し、試験用サンプルとした。次いで、#0000スチールウールに500gf/cm2の荷重を加えた状態で、試験用サンプルの表面において10回往復させた。そして、試験用サンプルの外観変化から、以下の基準に準じて、機械的強度(耐擦傷性)の評価を行った。
◎:傷が全く目立たない。
○:傷がほとんど目立たない。
△:傷が少々目立つ。
×:傷が顕著に目立つ。
[実施例2〜8]
実施例2〜8においては、表1に示すように、実施例1における指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物の組成を変えて、濡れ張力等の値を変えたほかは、実施例1と同様に、指紋隠蔽層を備えたプラスチックミラー積層体を製造して、評価した。
また、図7(a)に、実施例3における指紋を付着させた状態の写真と、図7(b)に、それを拭き取った後の状態の写真を示す。
なお、実施例2で用いたKMR8296は、3官能紫外線硬化型ウレタンアクリレートオリゴマー(ダイセルサイテック社製)である。
また、実施例3で用いたカヤラッドTMPTAは、3官能紫外線硬化型アクリレートモノマー(日本化薬社製)である。
また、実施例4で用いたヒタロイド3001は、アクリルポリオール(日立化成社製)である。
また、実施例7で用いたカヤラッドNPGDAは、2官能紫外線硬化型アクリレートモノマー(日本化薬社製)である。
[比較例1〜5]
比較例1〜5においては、表2に示すように、実施例1における指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物の組成を変えて、濡れ張力の値を変えたほかは、実施例1と同様に、指紋隠蔽層を備えたプラスチックミラー積層体を製造して、評価した。
また、図8(a)に、比較例1における指紋を付着させた状態の写真と、図8(b)に、それを拭き取った後の状態の写真を示す。
しかしながら、比較例1では、指紋隠蔽層の濡れ張力が32dyn/cm未満であることから、付着させた指紋が目立つとともに、布(木綿)を用いても拭き取ることが困難であるという問題が見られた。
なお、比較例1で用いたエバクリル1360は、6官能紫外線硬化型シリコーンモノマー(ダイセルサイテック社製)である。
また、比較例2では、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を構成する3官能以上の光硬化性モノマーの合計量が、5重量%未満であることから、機械的強度(耐擦傷性)が低下するという問題が見られた。
また、比較例3では、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を構成する3官能以上の光硬化性モノマーの合計量が、70重量%を超えることから、基材に対する密着性が低下するという問題が見られた。
また、比較例4では、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を構成する3官能以上の光硬化性オリゴマーの合計量が、15重量%未満であることから、基材に対する密着性が低下するという問題が見られた。
また、比較例5では、指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を構成する3官能以上の光硬化性オリゴマーの合計量が、90重量%を超えることから、機械的強度(耐擦傷性)が低下するという問題が見られた。
[比較例6]
比較例6では、実施例1の指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物(A1)に代えて、以下に示すように、シリコーン系添加剤を含む光硬化性樹脂組成物(B1)を用いた他は、実施例1と同様にプラスチックミラー積層体を製造して、評価した。
カヤラッドDPHA 50重量部
(6官能紫外線硬化型アクリレートモノマー:日本化薬社製)
エバクリル1290k 50重量部
(6官能紫外線硬化型アクリレートオリゴマー:ダイセルサイテック社製)
イルガキュア184(光開始剤:チバスペシャリティケミカルズ社製)10重量部
BYK330(シリコーン系添加剤)(ビックケミー社製) 1重量部
[比較例7]
比較例7では、実施例1の指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物(A1)に代えて、以下に示すように、フッ素系添加剤を含む光硬化性樹脂組成物(B2)を用いた他は、実施例1と同様にプラスチックミラー積層体を製造して、評価した。
カヤラッドDPHA 50重量部
(6官能紫外線硬化型アクリレートモノマー:日本化薬社製)
エバクリル1290k 50重量部
(6官能紫外線硬化型アクリレートオリゴマー:ダイセルサイテック社製)
イルガキュア184(光開始剤:チバスペシャリティケミカルズ社製)10重量部
メガファックF−477(フッ素系添加剤)(大日本インキ社製) 0.5重量部
[比較例8]
比較例8では、実施例1の指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物(A1)に代えて、以下に示すように、アクリル系添加剤を含む光硬化性樹脂組成物(B3)を用いた他は、実施例1と同様にプラスチックミラー積層体を製造して、評価した。
カヤラッドDPHA 50重量部
(6官能紫外線硬化型アクリレートモノマー:日本化薬社製)
エバクリル1290k 50重量部
(6官能紫外線硬化型アクリレートオリゴマー:ダイセルサイテック社製)
イルガキュア184(光開始剤:チバスペシャリティケミカルズ社製)10重量部
BYK358N(アクリル系添加剤:ビックケミー社製) 1重量部
*光開始剤(イルガキュア184)の添加量は、光硬化成分(モノマおよびオリゴマー等)100重量部に対する添加割合として表している。
*光開始剤(イルガキュア184)の添加量は、光硬化成分(モノマおよびオリゴマー等)100重量部に対する添加割合として表している。
以上のように説明したとおり、本発明に係る指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物、プラスチック積層体、および指紋隠蔽層の形成方法によれば、シリコーン系添加剤等を実質的に含むことなく、特定の光硬化性モノマーと、特定の光硬化性オリゴマーと、を所定割合で含むとともに、光硬化させた際に、濡れ張力が所定範囲の値である指紋隠蔽層を形成することから、指紋を構成する皮脂を選択的に排除する一方、水分については容易になじんで薄膜を形成したり、内部に吸収したりすることができるようになった。
したがって、所定の指紋隠蔽層を備えたプラスチック積層体等は、指紋が付着した場合であっても、水分が主であることから、目立なくすることができるとともに、優れたふき取り性を示し、その結果、優れた反射特性を長時間にわたって維持することができる。
よって、所定の指紋隠蔽層を備えたプラスチック積層体等は、建築内装材、壁装材、装飾材、ポップ製品の外装材等、幅広い用途で使用されることが期待される。
なお、所定の指紋隠蔽層を備えたプラスチック積層体は、廃棄処分される状況下においても、焼却等による処分はもちろんのこと、ペットボトル等の他のポリエステル樹脂成形品と一緒にリサイクルが可能となり、環境問題にも配慮された商品構成となっている。
図1は、本発明におけるプラスチックミラー積層体の一例を示す図である。 図2は、本発明に供するバッキングシートの構成の一例を示す図である。 図3は、本発明に供するバッキングシートの部分拡大図である。 図4は、本発明における鏡面エンボスロール成形機の概略の一例を示す図である。 図5は、本発明におけるプラスチックミラー積層体の製造装置の概略の一例を示す図である。 図6(a)〜(b)は、実施例1のプラスチックミラー積層体に対する指紋の付着状態を説明するために供する図である(写真)。 図7(a)〜(b)は、実施例3のプラスチックミラー積層体に対する指紋の付着状態を説明するために供する図である(写真)。 図8(a)〜(b)は、比較例1のプラスチックミラー積層体に対する指紋の付着状態を説明するために供する図である(写真)。 図9は、従来のプラスチックミラー積層体を説明するために供する図である。
符号の説明
10:第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シート(真空アルミ蒸着PETフィルム層)
10a:光学系PET樹脂フィルム
10b:金属蒸着層(アルミ蒸着膜層)
10c:アンカー層
10d:指紋隠蔽層
11:ドライラミネ−ション接着層
12:第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シート(バッキングシート)
12a:中間層
12b:上下のシート層
31:凹凸部
32:凹凸部
33:膨れ部
40:給紙側
41:加熱ドラムロール
42a〜b:抱き込みロール
43:遠赤外線ヒータ
44:エンボスロール
45:ゴムロール
46:冷却ロール
47:巻き取りロール
51:接着剤貯蔵部
52:ポンプ
53:塗布ローラー部
53a〜b:塗布ローラー
53c:接着剤
54:乾燥炉
54a〜d:乾燥ゾーン
54e:冷却ゾーン
55:駆動ローラー
56:圧着ローラー部
56a〜c:圧着ローラー
57:テンションローラー
58:プラスチックミラー積層体

Claims (9)

  1. 全体量に対して、3官能以上の光硬化性モノマーを5〜70重量%と、3官能以上の光硬化性オリゴマーを15〜90重量%と、残余成分と、を含む指紋隠蔽層を形成するための指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物であって、
    光硬化させた際に、JIS K 6768に準拠して測定される濡れ張力が32〜50dyn/cmの範囲内の値である指紋隠蔽層を形成することを特徴とする指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物。
  2. 光開始剤を含むとともに、当該光開始剤の添加量を、全体量に対して、0.1〜20重量%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物。
  3. 水酸基含有化合物を含むとともに、当該水酸基含有化合物の添加量を、全体量に対して、0.1〜40重量%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物。
  4. 前記光硬化性オリゴマーの全体量を100重量%としたときに、当該光硬化性オリゴマー中に、6官能以上の光硬化性ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを30重量%以上含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物。
  5. 基材上に、全体量に対して、3官能以上の光硬化性モノマーを5〜70重量%と、3官能以上の光硬化性オリゴマーを15〜90重量%と、残余成分と、を含む指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物から形成されてなる指紋隠蔽層を備えたプラスチック積層体であって、
    前記指紋隠蔽層におけるJIS K 6768に準拠して測定される濡れ張力を32〜50dyn/cmの範囲内の値とすることを特徴とするプラスチック積層体。
  6. 前記指紋隠蔽層の厚さを1〜20μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項5に記載のプラスチック積層体。
  7. 前記指紋隠蔽層を形成する基材が、厚さが150〜800μmの第1のポリエチレンテレフタレート樹脂シートと、厚さが5〜100μmの接着剤層と、厚さが0.001〜10μmの金属蒸着層と、厚さが25〜200μmの第2のポリエチレンテレフタレート樹脂シートと、を順次に含むプラスチックミラー積層体であることを特徴とする請求項5または6に記載のプラスチック積層体。
  8. 高圧縮繊維板(HDF)または中質繊維板(MDF)の表面に積層してあることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のプラスチック積層体。
  9. 指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を用いた指紋隠蔽層の形成方法であって、下記工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする指紋隠蔽層の形成方法。
    (1)前記指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物として、全体量に対して、3官能以上の光硬化性モノマーを5〜70重量%と、3官能以上の光硬化性オリゴマーを15〜90重量%と、残余成分と、を含む指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を準備する工程
    (2)前記指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を、基材上に積層する工程
    (3)前記指紋隠蔽用光硬化性樹脂組成物を光硬化させて、JIS K 6768に準拠して測定される濡れ張力が32〜50dyn/cmの範囲内の値である指紋隠蔽層を形成する工程
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