JP2005246615A - 樹脂成形用金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】 カル部樹脂体に形成される薄い樹脂バリを低減するようにする。
【解決手段】 本発明の樹脂成形用金型1は、キャビティに注入するための流動化された樹脂を収容するポット部8と、該ポット部8内の加熱流動化された樹脂を押し出すプランジャー10とを備え、プランジャー10は、加熱流動化した樹脂がプランジャー10外周面とポット部8内周面との隙間へ所定量以上流れ込むことを防止するための周方向に延びる環状凹部12が外周面に形成されるとともに、キャビティ側先端から該環状凹部12手前までの外周面がポット部8内周面に対して窪ませられてなる環状の窪み13が形成されている。
【選択図】 図3
【解決手段】 本発明の樹脂成形用金型1は、キャビティに注入するための流動化された樹脂を収容するポット部8と、該ポット部8内の加熱流動化された樹脂を押し出すプランジャー10とを備え、プランジャー10は、加熱流動化した樹脂がプランジャー10外周面とポット部8内周面との隙間へ所定量以上流れ込むことを防止するための周方向に延びる環状凹部12が外周面に形成されるとともに、キャビティ側先端から該環状凹部12手前までの外周面がポット部8内周面に対して窪ませられてなる環状の窪み13が形成されている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、半導体装置の半導体素子を封止する樹脂パッケージ等の樹脂成型品を成形するための金型に関するものである。
従来の樹脂成形用金型として、特許文献1に記載された半導体装置用樹脂封止金型を例示する。この金型は、図6に示すように、リードフレーム61を挟み互いに対応する窪みでキャビティ58を形成する下型51及び上型52と、キャビティ58に溶融される樹脂を注入するランナー部57と通じるポット部56に挿入される固形樹脂59を押し出すプランジャー60とを有している。
この金型で半導体素子を樹脂封止するには、まず、下型51と上型52を閉じ、半導体素子が搭載されたリードフレーム61を挟み、固形樹脂59をポット部56に挿入する(図6(a)参照)。次に、固形樹脂59を溶融し、ゲル状樹脂65にし、プランジャー60で押圧する。このことによりゲル状樹脂65はランナー部57を通過し、キャビティ58内に注入される(図6(b)参照)。この際、リードフレーム61は180℃の高温に保たれた下型51及び上型52に強く挟みこまれているので、ゲル状樹脂65は、キャビティ58の隅々にまで充填され、下型51及び上型52の熱により硬化する(図6(c)参照)。そして半導体素子を包む樹脂パッケージとしての樹脂外郭体62とランナー部樹脂体63及びカル部樹脂体64とで構成される樹脂体が形成される。次に、この樹脂体を下型51及び上型52より取外し、不要なランナー部樹脂体63及びカル部樹脂体64を除去し、樹脂外郭体62のみを取り出す。
ところで、ポット部56内のゲル状樹脂65はきれいに全て押し出す必要があり、そのためにはポット部56の内径とプランジャー60の外径が限りなく同一であることが望ましい。しかし、両者の径が仮に同一であると、ポット部56とプランジャー60とが相対的に摺動せず食いついてしまう。このため、実際には、この食いつきが起こらず、高温下でも摺動に問題が起こらないように、ポット部56の内周面とプランジャー60の外周面との間に、最小の隙間を設けるように加工されている。この隙間は、例えば0.005〜0.011mm程度に設定される。
ところが、図7に示すように、ポット部56の内周面とプランジャー60の外周面との隙間にもゲル状樹脂65が流れ込むので、ここに薄い樹脂バリ64aが生じる(同図(a)参照)。この薄い樹脂バリ64aは、カル部樹脂体64との接続強度が小さいため、カル部樹脂体64の離型時に割れて落下・飛散し易く(同図(b)参照)、これをクリーナーで集塵する必要がある。このとき、落下・飛散した樹脂バリ64aの集塵が不十分であると、例えば以下の問題が生じる。
(1)樹脂バリ64aが金型のパッケージ面51a,52aに落下・付着していると、樹脂封止したときに樹脂バリ64aが樹脂外郭体62表面に付着して外観検査で外観不良が発生することがある。
(2)従来例のようにリード部を備えた半導体装置の樹脂パッケージを成形する場合、樹脂バリ64aが金型のリード部押さえ面51b,52bに落下・付着していると、金型を閉じたときにリード変形が発生することがある。
(3)CSP(チップ・サイズ・パッケージ)、BGA(ボール・グリッド・アレイ)等の樹脂パッケージを成形する場合、樹脂バリ64aが、半導体装置のボール搭載面に対峙する金型面に付着していると、樹脂封止したときにボール搭載面への圧痕が発生し、外観検査で外観不良が発生することがある。また、その樹脂バリ64aがボール搭載面に付着すると、ボール搭載工程でボール脱落不良が発生することがある。
(1)樹脂バリ64aが金型のパッケージ面51a,52aに落下・付着していると、樹脂封止したときに樹脂バリ64aが樹脂外郭体62表面に付着して外観検査で外観不良が発生することがある。
(2)従来例のようにリード部を備えた半導体装置の樹脂パッケージを成形する場合、樹脂バリ64aが金型のリード部押さえ面51b,52bに落下・付着していると、金型を閉じたときにリード変形が発生することがある。
(3)CSP(チップ・サイズ・パッケージ)、BGA(ボール・グリッド・アレイ)等の樹脂パッケージを成形する場合、樹脂バリ64aが、半導体装置のボール搭載面に対峙する金型面に付着していると、樹脂封止したときにボール搭載面への圧痕が発生し、外観検査で外観不良が発生することがある。また、その樹脂バリ64aがボール搭載面に付着すると、ボール搭載工程でボール脱落不良が発生することがある。
上記課題を解決するために、本発明の樹脂成形用金型は、
キャビティに注入するための流動化された樹脂を収容するポット部と、該ポット部内の樹脂を押し出すプランジャーとを備え、
前記プランジャーは、樹脂が前記プランジャー外周面と前記ポット部内周面との隙間へ所定量以上流れ込むことを防止するための周方向に延びる環状凹部が外周面に形成されるとともに、キャビティ側先端から該環状凹部手前までの外周面が前記ポット部内周面に対して窪ませられてなる環状の窪みが形成されている。
キャビティに注入するための流動化された樹脂を収容するポット部と、該ポット部内の樹脂を押し出すプランジャーとを備え、
前記プランジャーは、樹脂が前記プランジャー外周面と前記ポット部内周面との隙間へ所定量以上流れ込むことを防止するための周方向に延びる環状凹部が外周面に形成されるとともに、キャビティ側先端から該環状凹部手前までの外周面が前記ポット部内周面に対して窪ませられてなる環状の窪みが形成されている。
この構成によれば、前記プランジャーは、キャビティ側先端から該環状凹部手前までの外周面が前記ポット部内周面に対して窪ませられることにより、前記プランジャー外周面と前記ポット部内周面との隙間が広くなるように構成されている。この隙間には、前記プランジャーの近傍に形成されるカル部樹脂体との接続強度が大きい、肉厚の樹脂バリが形成され、その分薄い樹脂バリの長さを短くすることができる。このため、薄い樹脂バリの落下・飛散による問題を大幅に低減することができる。
また、本発明の樹脂成形用金型は、
キャビティに注入するための流動化された樹脂を収容するポット部と、該ポット部内の樹脂を押し出すプランジャーとを備え、
前記ポット部は、樹脂が前記プランジャー外周面と前記ポット部内周面との隙間へ所定量以上流れ込むことを防止するための周方向に延びる環状凹部が内周面に形成されるとともに、キャビティ側開口から該環状凹部手前までの内周面が前記プランジャー外周面に対して窪ませられてなる環状の窪みが形成されている。
キャビティに注入するための流動化された樹脂を収容するポット部と、該ポット部内の樹脂を押し出すプランジャーとを備え、
前記ポット部は、樹脂が前記プランジャー外周面と前記ポット部内周面との隙間へ所定量以上流れ込むことを防止するための周方向に延びる環状凹部が内周面に形成されるとともに、キャビティ側開口から該環状凹部手前までの内周面が前記プランジャー外周面に対して窪ませられてなる環状の窪みが形成されている。
この構成によれば、前記ポット部は、キャビティ側開口から該環状凹部手前までの内周面が前記プランジャー外周面に対して窪ませられることにより、前記プランジャー外周面と前記ポット部内周面との隙間が広くなるように構成されている。この隙間には、前記プランジャーの近傍に形成されるカル部樹脂体との接続強度が大きい、肉厚の樹脂バリが形成され、その分薄い樹脂バリの長さを短くすることができる。このため、薄い樹脂バリの落下・飛散による問題を大幅に低減することができる。
本発明に係る樹脂成形用金型によれば、カル部樹脂体に形成される薄い樹脂バリを低減するという優れた効果を奏する。
図1〜図4は本発明を具体化した第一実施形態の樹脂成形用金型1を示している。この金型1は、半導体装置における樹脂成形体としての樹脂パッケージを成形するためのものであり、図1〜図3に示すように、リードフレーム3を挟み互いに対応する窪みでキャビティ(図示略)を形成する下型5及び上型6と、キャビティに注入するための流動化された樹脂を収容するポット部8と、該ポット部8内の樹脂を押し出すプランジャー10とを備えている。
ポット部8は、上下に延びる円柱形の穴を有しており、該穴内に挿入された固形樹脂を加熱し流動化させるための加熱手段(図示略)が設けられている。
プランジャー10は、流動化された樹脂がプランジャー10外周面とポット部8内周面との隙間へ所定量以上流れ込むことを防止するための周方向に延びる環状凹部12が外周面に形成されるとともに、キャビティ側先端から該環状凹部12手前までの外周面がポット部8内周面に対して窪ませられてなる環状の窪み13が形成されている。本例では、プランジャー10のキャビティ側先端における外周縁部コーナーが断面斜状に省かれることにより窪み13が形成されている。
金型1各部のサイズとしては、特に限定されないが、以下のように設定することを例示する(図2参照)。
・ポット部8の内径D1:14.600mm
・プランジャー10の外径D2:14.595mm
・プランジャー10先端から環状凹部12までの距離L1:2.0mm
・キャビティ側先端における外周縁部コーナーの断面を斜状に省く斜線の角度A:10°
・環状の窪み13と環状凹部12との間隔L2:0.4mm
・ポット部8の内径D1:14.600mm
・プランジャー10の外径D2:14.595mm
・プランジャー10先端から環状凹部12までの距離L1:2.0mm
・キャビティ側先端における外周縁部コーナーの断面を斜状に省く斜線の角度A:10°
・環状の窪み13と環状凹部12との間隔L2:0.4mm
この金型1による樹脂パッケージの成形方法については、背景技術で説明した従来の金型と同様であり、図3(a)に示すように、樹脂パッケージ(図示略)、ランナー部樹脂体15、及びカル部樹脂体16からなる樹脂体2が成形される。この成形時に、流動化された樹脂は、プランジャー10外周面とポット部8内周面との隙間にも流れ込むが、環状凹部12のところで樹脂がとまるようになっている。このため、カル部樹脂体16には、環状の窪み13によって該カル部樹脂体16との接続強度が大きい、肉厚の樹脂バリ16aが形成され、さらに、該肉厚の樹脂バリ16aの先端側に、薄い樹脂バリ16bが短く形成され、さらに、該薄い樹脂バリ16bの先端側に、環状凹部12による環状樹脂体16cが形成される。
そして、図3(b)に示すように、下型5及び上型6を互いに開き、環状凹部12がポット部8外へ露出する手前までプランジャー10を上昇させる(例えば、1.5mm上昇させる)。ここで、「環状凹部12がポット部8外へ露出する手前まで」としているのは、それ以上プランジャー10を上昇させると、樹脂体2の離型時に、環状樹脂体16cまでが、薄い樹脂バリ16bとともに持ち上げられ、割れたり落下・飛散したりして薄い樹脂バリ16bと同様の問題を起こすからである。
そして、図3(c)に示すように、下型5から樹脂体2を離型させる。すると、図3(c)に示すように、環状樹脂体16cは環状凹部12に係止されるので、強度の弱い薄い樹脂バリ16bのところが割れて、カル部樹脂体16には、肉厚の樹脂バリ16aと、薄い樹脂バリ16bとが残ることになる。
なお、プランジャー10の窪み13としては、上記態様に特に限定されず、プランジャー10のキャビティ側先端における外周縁部コーナーが、例えば、断面凸円弧状に省かれた態様(図4(a)参照)、断面凹円弧状に省かれた態様(図4(b)参照)、断面段状に省かれた態様(図4(c)参照)にする等、適宜変更することができる。
以上のように構成された本例の樹脂成形用金型1によれば、プランジャー10は、キャビティ側先端から該環状凹部12手前までの外周面がポット部8内周面に対して窪ませられてなる環状の窪み13が形成されることにより、プランジャー10外周面とポット部8内周面との隙間が広くなるように構成されている。この隙間には、カル部樹脂体16との接続強度が大きい、肉厚の樹脂バリ16aが形成され、その分薄い樹脂バリ16bの長さを短くすることができる。このため、薄い樹脂バリ16bの落下・飛散による問題を大幅に低減することができる。
次に、図5は本発明を具体化した第二実施形態の樹脂成形用金型31を示している。本例の金型31は、以下に示す点において、主に第一実施形態と相違している。従って、第一実施形態と共通する部分については、同一符号を付することにより重複説明を省く。
本例の金型31では、ポット部38は、加熱流動化した樹脂がプランジャー40外周面とポット部38内周面との隙間へ所定量以上流れ込むことを防止するための周方向に延びる環状凹部42が内周面に形成されるとともに、キャビティ側開口から該環状凹部42手前までの内周面がプランジャー40外周面に対して窪ませられてなる環状の窪み43が形成されている。この環状の窪み43の態様としては、特に限定されないが、ポット部38のキャビティ側開口における内周縁部コーナーが、断面斜状に省かれた態様(図5(a)参照)、断面凸円弧状に省かれた態様(図5(b)参照)、断面凹円弧状に省かれた態様(図5(c)参照)、断面段状に省かれた態様(図5(d)参照)とすることを例示する。なお、プランジャー40には、環状凹部や環状の窪みが設けられていない。
以上のように構成された本例の樹脂成形用金型によれば、ポット部38は、キャビティ側開口から該環状凹部42手前までの内周面がプランジャー40外周面に対して窪ませられてなる環状の窪み43が形成されることにより、プランジャー40外周面とポット部38内周面との隙間が広くなるように構成されている。この隙間には、第一実施形態と同様にカル部樹脂体との接続強度が大きい、肉厚の樹脂バリが形成され、その分薄い樹脂バリの長さを短くすることができる。このため、薄い樹脂バリの落下・飛散による問題を大幅に低減することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
1 樹脂成形用金型
2 樹脂体
3 リードフレーム
5 下型
6 上型
8 ポット部
10 プランジャー
12 環状凹部
13 窪み
15 ランナー部樹脂体
16 カル部樹脂体
16a 樹脂バリ
16b 樹脂バリ
31 樹脂成形用金型
38 ポット部
40 プランジャー
42 環状凹部
43 窪み
2 樹脂体
3 リードフレーム
5 下型
6 上型
8 ポット部
10 プランジャー
12 環状凹部
13 窪み
15 ランナー部樹脂体
16 カル部樹脂体
16a 樹脂バリ
16b 樹脂バリ
31 樹脂成形用金型
38 ポット部
40 プランジャー
42 環状凹部
43 窪み
Claims (2)
- キャビティに注入するための流動化された樹脂を収容するポット部と、該ポット部内の樹脂を押し出すプランジャーとを備え、
前記プランジャーは、樹脂が前記プランジャー外周面と前記ポット部内周面との隙間へ所定量以上流れ込むことを防止するための周方向に延びる環状凹部が外周面に形成されるとともに、キャビティ側先端から該環状凹部手前までの外周面が前記ポット部内周面に対して窪ませられてなる環状の窪みが形成された樹脂成形用金型。 - キャビティに注入するための流動化された樹脂を収容するポット部と、該ポット部内の樹脂を押し出すプランジャーとを備え、
前記ポット部は、樹脂が前記プランジャー外周面と前記ポット部内周面との隙間へ所定量以上流れ込むことを防止するための周方向に延びる環状凹部が内周面に形成されるとともに、キャビティ側開口から該環状凹部手前までの内周面が前記プランジャー外周面に対して窪ませられてなる環状の窪みが形成された樹脂成形用金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004055905A JP2005246615A (ja) | 2004-03-01 | 2004-03-01 | 樹脂成形用金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004055905A JP2005246615A (ja) | 2004-03-01 | 2004-03-01 | 樹脂成形用金型 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005246615A true JP2005246615A (ja) | 2005-09-15 |
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ID=35027580
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004055905A Pending JP2005246615A (ja) | 2004-03-01 | 2004-03-01 | 樹脂成形用金型 |
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JP2009279844A (ja) * | 2008-05-22 | 2009-12-03 | Apic Yamada Corp | プランジャとこれを用いた樹脂モールド方法 |
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-
2004
- 2004-03-01 JP JP2004055905A patent/JP2005246615A/ja active Pending
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